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身近な自然や環境のことの最近のブログ記事

  神戸新聞平成24(2012)年12月20日(木)夕刊を見て,びっくり!!

 

 県内初の「白トリュフ」発見の記事。しかも、新種の可能性があるらしい。

 実は、その発見者の姫路の中学生【岡田英士くん】ってのは、2011年度に一緒にボルネオジャングル体験スクールに行ったんですよ。その時も動物や植物に大変興味があり、日本で見ることのできない生き物をみて、大変感激していました。

 マレーの子ども達との交流では、折り紙でツルやカブトを折って教えてあげたりするなど、私もとても印象に残っている少年でした。新聞で笑顔を見て、昨年のことを思い出しました。

 ボルネオジャングル体験スクールでかかわった子たちが、各方面で活躍してくれるのは、わがことのようにとてもうれしく思います。今後の活躍を期待します

 

生涯学習課:八尾岡田くん!! すごいなぁ(o^^o) ますますBigになってね

 

先日のblogに掲載しました 今年のふたご座流星群の写真を動画にしてみました。

 

    Gemini20121214_2.wmv  565KBほどですが、あっという間です。

 

 どんな感じでしょう?

 

植物標本庫の使い方

2012年12月16日

植物標本庫に保管されている植物標本は、いろいろな形で活用されています。今回はその一つとして図鑑作りの例を紹介します。

先日、東京大学総合研究博物館の池田博さんと岡山理科大の山本伸子さんが来館され、小中学生向け植物図鑑をつくるために植物標本庫で作業されました。

池田さんと山本さんは元ひとはく研究員でもあり、わたしたちも図鑑作りを応援しました。その時のようすが、山本さんから届きましたので紹介します。

 

 

こんにちは、山本です。

東京大学総合研究博物館の池田先生とひとはくの標本を見に来ました。

現在、小中学生向けの植物図鑑を出すための植物画の修正をしています。

植物図鑑を絵で作るのはとても大変です。花や葉の形はもちろん、葉のつき方や枝の伸ばし方など間違いがあってはいけません。日頃、植物に慣れ親しんでいるつもりでも、本当にそうかどうか自信が持てない部分もあります。

  

hyohon1.jpg 収蔵庫内で植物標本を調べながら植物画をチェックする

 

 

 

 

 

そこで、標本と見比べて植物学的に間違いがないか確認します。そして間違っている箇所に赤を入れて、画家さんに返却し、修正してもらうのです。

ひとはくでは、北海道から沖縄まで日本全国の植物が広く収集されているため、植物図鑑に載るほとんどの植物標本があります。また標本を広げる場所も確保していただき、このような作業をするのにとても助かりました。

 

hyohon2.jpg hyohon5.jpg 植物標本を調べる黒崎先生(左)と高橋さん(右)

 

 

 

ひとはく館員の高橋さん、高野さん、布施さん、それに県立大学の黒崎さんにも時間の合間を縫って手伝っていただき、なんとか全種の確認を終わらせることができました。

ありがとうございました。(山本伸子)

 

 

どんな図鑑が出来上がるか楽しみですね。

 

                   自然・環境評価研究部 高橋 晃

 この時期、毎年恒例の“ふたご座流星群” 12月の中旬に楽しませてくれます。今年は新月ということもあり、最高のコンディション!! といいたいところですが、私の住んでる丹波は霧が深くて、観測できる時間帯が限られます。

 今年も極大と予測されているのは12月14日の日の出の後ということで、本来ならば明け方近くに最高潮のはずですが、とてもその時間帯には見ることはできません。

 今年出かけたのは、丹波市青垣町内某所。道端には先日の積雪がそのまま残ってました(@_@)

 寒っ!!

 

 撮影したのは1213日の23:10頃から1214日の0:30頃までのおおよそ1時間半。撮影枚数は120枚ほど。眼で見て確認できたのは、40個くらいでした。そして写真に残っているのは、7枚 Hit率6%ってところですか。

 

 流れている様子がよくわかる写真を紹介します。カメラは、オリオン座の方向を広角で写しています。

これは、素晴らしい!!自画自賛

よく見えます!!

これもわかります

 流星は極大と予想されている日の前後数日間も流れていますので、是非、暖かくして観察してみてください。

生涯学習課 やお

12月の星座が一番きれいだと……聞いたことがあるような(o^^o)

そして、今年も「ふたご座流星群」がやってきます。

極大が予想されているのは、1214()の朝8時頃だそうです!!

何っ!!  もう太陽がでているではないか!!

 

ご安心ください。13日から14日にかけては新月なので、一晩中よく見えるハズです(o^^o)

図でわかりますでしょうか?ちょうど真夜中の0時頃に「ふたご座」は南の空のてっぺん近くにあります。

で、その近辺が「放射点」といって、流星の中心ということで「ふたご座流星群」と名前がついていますが、空のどこを見ても見えますので、ご安心を。

暖かくして寝っ転がって、夜空全体を見るのが一番いいですね。できるだけ地表の人工光の少ない場所がおすすめです。猪名川町には「猪名川天文台」という施設もあるそうです。

    ちょうど鉄塔の左あたりに、一つ写っています。

  

星がグルグル(@_@)写真を撮る時に、何分間もシャッターを開放した状態で撮影しますが、さらにその画像をつなぎ合わせると、星がグルグルまわっているのがよく判ります。最近のデジタルカメラならお手軽にこんな写真も撮影できます。興味のある人は是非一度トライしてください!!

 

 

くれぐれも風邪をひかれませんように  

 

この2枚の写真は、2011.12.15のふたご座流星群の時に、多可郡多可町内で撮影したモノです

 

 

11月25日日曜日,ひとはくのセミナー「子どもの目が輝く自然体験学習」指導者養成セミナー(実習編)」を伊丹市昆虫館で開催しました.

 

 

itami1204.jpg                           伊丹市昆虫館で教職員セミナー 

 

本セミナーは,小学校や幼稚園教員などの指導者を対象に,経験豊富な現職教員および伊丹市昆虫館の学芸員から子どもたちの体験学習の指導の助けになる昆虫の観察方法や、生きた昆虫の扱い方、遠足などでの昆虫館の効果的な利用の仕方を体験的に学ぶことを狙いとしています.

 まずは,昆虫館友の会の役員で,伊丹市立有岡小学校の國村先生から,昆虫館や博物館で自然体験学習を実施する際のポイントについてお話をいただきました.子供たちに効果的な昆虫体験をさせるには,事前に昆虫館や博物館に,どんな体験をさせたいのかをはっきりと伝えることが大事.さらに,その場の体験で完結する学習プログラムなのか,あるいは,その体験をもとに学校等で学習を継続しておこなうことをねらいとしているのかを明確に伝えることも重要と教わりました.たしかに,その場で完結するプログラムなら,昆虫館や博物館のスタッフも子供たちの昆虫に対する質問にもその場で解答すれば良い訳ですが,学校で引き続き学習を続けるなら,答えではなく,子供たちが自分たちで考えて答えを導き出せるようなプログラムを用意する必要がある訳です.

 

 

itami1202.jpgのサムネール画像 itami1203.jpg

 有岡小学校の國村先生      昆虫館学芸員の長島さん

 

講義のあとは,昆虫館学芸員の長島さんにアゲハチョウやカイコ,カブトムシの幼虫,ナナフシの成虫などを用意いただき,実際に生き虫に触れながら,昆虫観察の方法やポイントについての実習を受けました.アゲハチョウの幼虫の足の本数を調べたり,ナナフシを手にとって走行性を観察したりと楽しい学習プログラムに,予定していた時間を大幅に延長し,セミナー終了は閉館直前になってしまいました.

 

itami1201.jpg

                   カブトムシの幼虫にさわって学習体験

 

國村先生,長島さん,そして伊丹市昆虫館のみなさま,今日は,お忙しい中,いろいろと教えていただきありがとうございました.

 

                                     橋本佳明(自然環境評価研究部)

 

寒くなってきました

2012年11月15日

 今日は朝から冷たい雨が降っていましたが、今、少し日が射しています。でも、外は寒い!!です。紅葉も一番美しい季節になってきていますが、外で風邪をひかないように(^^

  素敵な色に!!

 さて、

 午前中にご来館いただいた団体のお客さまの様子や特注セミナーの様子を紹介します。

 明石市立大久保南小学校3年生200名近くは、ホロンピアホールで三橋主任研究員の楽しいお話を聞いています。クイズを交えながら、コウノトリの生態を学んでいました。かなり盛り上がっている様子です。

みつはし氏のしゃべくり 炸裂!!      漫才かと思うようなノリです(o^^o)   ちゃんとリアクションしながら、学びは深まっています

 「新しい文化」の展示コーナーでは、早朝より奈良からご来館いただいた団体さまに、武田研究員が解説を行っています。環境問題や人々の暮らしについて耳を傾けてらっしゃいました。

東京大好き!?  そして、尼崎市立塚口中学校1年生240名は館内の展示を見ながら、各自ワークシートに記録をしています。コウノトリの展示コーナーでは、自分の体と大きさを比較していました。かわらばんの展示を熱心に観覧しています。

       ワシントン条約.....   座り込んでますがな!!

       コウノトリ 大きいぞっ   かわらばんに見入る 

 

 今年も残り少しになりましたが、是非ひとはくにお越しください。

 

三田は丹波より 寒い!!

研究員のトライ!!

2012年10月17日

稲美町立天満東小学校3年生(52人)VS篠山市立古市小学校3年生(11人)  古市小学校vs天満東小学校

 同じ兵庫県内でも住んでいるところによって生き物の様子が異なっていることを、まず大セミナー室でクイズも交えながらお話を聞きました。(天満東小学校の周りにはため池が多い。古市小学校の周りにはため池はないけど、緩やかな流れの川がある。)その後、10月14日に一般公開したばかりのひとはく多様性フロアを活用して学習を展開しました。

  カミツキガメ と スッポン

 今回はかなり効果的な演示が展開できたと思います。

  理由その1)同じ県内の違う場所の小学校3年生がいっしょに、地域差を比較しながら学習できたこと。

  理由その2)目の前の標本を見ながら、専門の研究員に質問ができ、その場で応えてもらえる。

  理由その3)新しく公開された「ひとはく多様性フロア〜魅せる収蔵庫トライアル」では、実際に標本を手に取って、観察したり比べたりできたこと(*注 研究員が同伴のときだけですが・・・)。

    うわぁ〜♪   すっごぉーい!!

 三橋主任研究員、本当にお世話になりました。ありがとうございます。これからの新しいプログラム開発が楽しみです。

 

生涯学習課:八尾

 

 

 

   深田公園うきうき探検隊(略して「ふかたん」)とは、ひとはくの研究員が隊長となって、深田公園を探検するイベントです。

 

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    みんなで、10種類、122匹のバッタが採れました〜。


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フロアスタッフ うえやま

 

 

いよいよ秋、鳴く虫の季節です。

このセミナーでは、鳴く虫の種類が少ない6月、7月に「耳のトレーニング」をし、この季節に備えてきました。

nakumushi120908_0147.jpg


とはいうものの、実際に野外に出てみると、とてもたくさんの虫の声。
虫は1匹ずつ鳴いてくれませんし、遠くと近くでも音がちがいます。

当日のムービーもごらんください。

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この夜、聞こえた虫の声は、つぎの19種でした。
アオマツムシ、カンタン、ヒロバネカンタン、カネタタキ、エンマコオロギ、ハラオカメコオロギ、モリオカメコオロギ、ミツカドコオロギ、ツヅレサセコオロギ、シバスズ、マダラスズ、スズムシ、マツムシ、ササキリ、オナガササキリ、クサキリ、ヤブキリ、キリギリス、ヒメギス

前回(7月)前々回(6月)とは、別世界です。

季節の変化、すばらしいですね。
みなさんも、虫の声に耳をすませてみては。

いろいろな虫の声は、ひとはくのサイトで聞くことができます。


(八木 剛)

river1_hidesaka2012.jpg

里をながれる武庫川の上流域の風景です。春は桜がきれいです!

8月8日(水)には、三田の一番北側に位置する武庫川本流では、毎年恒例の「三田の川ガキ養成講座」が行われました。この会合は、「武庫川上流ルネッサンス懇談会」によるイベントです。三田市を流れる武庫川を活用するために、河川を管理する県の土木事務所だけでなく、三田市や大学、博物館、学校、NPOなどの住民団体などがあつまって、川づくりを考える会合です。かれこれ7年目を迎えています。観察会はもちろんのこと、魚道づくりや川の改修など、たくさんのかたが参加されています。今風にいえば、川という地域資源に対して、多様な主体による参画と協働が進められているといったところです。全体を統括しているのは、兵庫県県土整備部の三田業務所の方々です。
いつも環境に対して理解のある取り組みをして頂いております。

all_hidesaka2012.jpg 観察会の様子は、こんな感じで、平日にも関わらず、100名を超える方々が参加されて、川はごったがえしました。ご参加ありがとうございます。
この場所は、多自然川づくりに重きを置いて設計されて、自然環境にかなりの配慮がされています。おかげで、貴重な魚類や底生動物をはじめ、たくさんの生物を観察することができました。川へのアプローチもしやすく、川での環境学習と生態系の保全がうまく調和しています。国土交通省からも表彰された事例です。
kaisetu_hidesaka2012.jpg  採集した生物は、このように水槽にいれてみんなが見れるように並べます。そして、ひとつひとつ解説してゆきます。解説は、この懇談会のメンバーでもあるNPO法人野生生物を調査研究する会の谷本さん(当館の地域研究員でもあります)と株式会社一成の山田さん。さらに生物の採集や解説には、伊丹北高校、有馬高校、篠山産業高校丹南分校、篠山鳳鳴高校のそれぞれ生物部などの関心のある生徒さんも加わって、応援いただきました。高校生のみなさんが、子ども達に生き物のとり方などを教えてくれます。そして本気で採集も・・・。

toami_hidesaka2012.jpg高校生のみなさんは、こんな感じで投網を投げて、観察用の生物を捕まえていただきました。なかなか様になっています。きっと、県内でバシっと投網を投げられる高校生は希少だと思います。かっこいいですね。もちろん、たくさん魚をとれました、日頃の努力の賜です。

  yasou_hidesaka2012.jpg  yasou3_hidesaka2012.jpg

このあとは、河原の植物についての解説とそれを食べる・飲む体験となります。野草の解説や食べ方については、NPO法人人と自然の会の岡田さん、木村さん、さらには調理には関西学院大学久野研究室の学生さんが担当されています(川づくりと市民活動について実践研究中!)。野草は、もちろん独特の野性味があったのですが、子ども達も親もみんなパクパク、ゴクゴクでした。そしてメインイベントへ・・・。

yasou2_hidesaka2012.jpg  採った魚を唐揚げにして食べます。最初はおっかなびっくりでしたが、誰かが「美味しい!」というと、どんどん消費されてゆき、あっとゆう間に完売。淡水魚は、捕ってから早く調理すると、とっても美味。ぜひ、挑戦してみてください(注:生食はダメです)。

ということで、たくさんの皆さんに川の恵みをいろんな形で体験いただきました。おそらく、来年も8月のはじめに「川ガキ養成講座」を開催すると思いますので乞うご期待です。このほか、この懇談会では色んな取り組みが行われていますので、HPもご覧頂ければと思います。

(おまけ)
  suide_hidesaka2012.jpg
この地区の川や水路には、メダカやドジョウがたくさん棲んでいます。この理由のひとつは、田んぼの脇をぐるりと、ちょっとした溝が掘られていて、日照りが続いても水生生物が困らないような工夫がされています。そして、田んぼ−水路−川がつながっています。維持には手間がかかるのですが、こうした配慮がところどころに。見た目は地味なんですが、生態系の保全という点では効果てき面で、最先端の取り組みです。この取り組みは、今回の観察会の段取りを中心的に進めてくださっている日出坂せきもりの会の松下さんらによるものです。いつもありがとうございます。環境体験学習と生態系管理、地域づくりは表裏一体であることも知っていただければと思います。

(みつはし ひろむね)

 

  2012年7月、豊岡市の北部に位置する「円山川下流域・周辺水田」がラムサール条約登録湿地に選定されました。このなかで、世界の方々に注目されたのが、「田結地区の休耕田」です。

募 集 ! ! 
兵庫県内初のラムサール登録湿地で環境体験学習しませんか?
〜 豊岡市が主催するプログラムです 〜
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豊岡市では、コウノトリ野生復帰事業を通じて生物多様性保全を進めています。未来を担う子どもたちにこの取り組みを知ってもらうとともに、湿地や生物多様性のしくみ、生き物などに対する正しい知識と体験の場を提供するため、JX日鉱日石エネルギー株式会社の協賛のもと「ENEOSわくわく生き物学校」を開催します。講師として、人と自然の博物館研究員ならびに県立コウノトリの郷公園、豊岡市コウノトリ共生課のスタッフが参加いたします。
今年、新たにラムサール条約湿地となった田結湿地で、楽しみながら、科学的な観点から湿地や生き物の仕組みを学び、地元の食も堪能できる1泊2日のプログラムとして開催します。
生物多様性保全の活動に興味のある方、体験してみたい方は、ぜひご家族でお申し込みください!

詳しくは、チラシ(PDFファイル)をごらんください( チラシ および  募集要項)。

 と き:  平成24年9月22日(土) 〜 23日(日)

 場 所: 集合(城崎総合支所)22 日13:00   解散(城崎総合支所)23 日12:00

昨年度は、下の写真のように、湿地でコウノトリの餌場づくりをおこなったほか、県立コウノトリの郷公園の取り組みを学んだり、山陰海岸の海の生物多様性を味わったりと(要するに美味しい魚介類)、豊岡でなければできないプログラムを行いました。ぜひ、お申し込みください。

ENEOS_2011report.jpg ENEOS_2012TAI1.jpg


(みつはし ひろむね:もちろん講師として参加します)  

「カブトムシのようちゅうをそだてよう!」で頂いた幼虫を、今年も自宅で育てています。

 

かなり大きい幼虫だったので、もしかしてオスかも!?という期待があったのですが、マットを交換する時に、やっぱりオスかもと思われるVのマークが!

 

V

 

そして、地上デビュー!  立派なツノを持ったオスです.

 

 

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卵から育てていたもう一匹の幼虫(昨年フロアスタッフが育てていた幼虫が成虫になって産んだ卵)はメスだったので、オスとメス一緒に大きめのケースに入れてみました。

 

いっしょ!当日は2匹とも土の中にもぐっていましたが、次の日にはメスの方が先に出てきてゼリーもよくたべていました(*^_^*

その後、遅ればせながらオスも出てきて昆虫ゼリーに顔を突っ込んでいました(^_^;)

 

 

さぁ、卵は産まれるのでしょうか?

 

 

 

 

                       フロアスタッフ ありむらむつこ

 

 

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2012年7月30日は、武庫川水系羽束川での観察会が行われました。場所は、三田市野外活動センターのすぐ横です。こちらのイベントは、三田市立有馬富士自然学習センターさん主催のイベントとなります。学習センターの専門指導員の中峰さん、河内さんをはじめ、NPO法人きっぴーフレンズのみなさま、ご協力ありがとうございました。
参加者は約40名です。ちょっと少ないように思いますが、適正人数です。説明もひとりひとり行き届きます。この場所での観察会は、大勢になると深みもあって目が行き届かないので抽選とさせていただいております。倍以上のたくさんの方に申し込み頂いていたのですが、申し訳ありませんでした。これに懲りずにまたお申し込みいただくか、博物館等の観察会にご参加頂ければと思います。

 
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博物館から車で約20分程度のところで、水はとてもきれいです。箱メガネをつかって川底をながめると色んな生物が活動している様子がはっきりと見えます。この観察方法、意外にはまりますので、ぜひお試しください。夏休み中に、ぜひ足をはこんでみられてはいかがでしょうか。

s-DSCN0403.jpg 川底でカワニナが石面についた付着藻類をノシノシと食べている様子はなかなかユニークです。
写真は、学習センターの河内さんが撮影されたものです。ありがとう!

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みんな思い思いの方で採集を続けて、台の上に採集した昆虫や魚などをあつめてゆきます。左上の写真にあるように、樹が覆い被さり、流れが緩くなっているところで、砂地や落葉がたまったところをすくうと、これまで採れていなかった生物やシマドジョウやヤゴ、モンカゲロウなどが採れました。川のなかの環境の違いを、できるだけ多くの方に体感いただくために、会の後半になってから採集をアドバイスします。そうすることで、なぜコンクリート3面張りの川が生物にとってダメなのか、実感していただくことができます。最後は、じっくり台の上でみんなの採ってきたものをデジカメ撮影しつつ、まとめをおこないます。

・・・と、いつもならこれで終わりなんですが、今回はとった生物を博物館に持ち帰って、そのまま大急ぎでオープンセミナーへ。

opsemi2012_suisei1.jpg   opsemi2012_suisei3.jpg  

羽束川でとってきた水生生物をこんな感じで顕微鏡とカメラをつなげて大きな画面にうつします。リアルに鰓のつくりやトゲや毛などの細かいところまで、生きた状態で観察するとド迫力!!水生昆虫が呼吸するときの仕組みや、餌をたべるための仕組み(口器を超拡大)、泳ぐための仕組み(尾の拡大)を生きた水生昆虫でしっかりと観察&解説します。これは、図鑑では学ぶことができません。
午前中の観察会から引き続き参加してくれたひともたくさんいました。採った生物の中から1つを選んで右上の写真にあるような装置(顕微鏡とデジカメが合体)で自ら撮影してもらいます。それを小型のプリンターで打ち出して、ラミネートしてできあがりです。オリジナル水生昆虫ブロマイドが完成します。

opsemi2012_suisei4.jpg 朝から夕方まで水生昆虫三昧だったお二人さん、お疲れ様でした。ゲンジボタルの幼虫とオジロサナエのブロマイドを作成して、バックにはエルモンヒラタカゲロウのドアップを写して大満足です。

野外体験からはじまり、ちょっとお勉強したあと、博物館にもどってじっくりと色んな機器をつかってじっくりと観察し、印象に残った生物を撮影し、カードにして記念に持ち帰っておさらい。今回は、三田市立有馬富士自然学習センターさんとひとはくのセミナーをジョイントして、まるごと一日かけて水生生物を観察してみました。水生昆虫体験がはじめてのお母さんも、名前は覚えれないけど、全部【小さな虫】だったのが、違いが分かるようになったとのことでした。
オープンセミナーは、このあと水生昆虫は3/24までありませんが、魚の調べ方のオープンセミナーは、8/18に開催が予定されています。関心のあるかたは、ぜひ博物館までお越しください。

(みつはし ひろむね)

ashiyagawa2012_1.jpgいつもひとはくと連携してイベントを実施してくださっているNPO法人さんぴぃすさんの年間を通じた野外活動プログラム「アシレンジャー2012」による、川の観察会が2012年7月26日に行われました。
野外で実際に生き物を採集して、観察し、たくさんの生き物を見比べることが、生物多様性を知ることのはじまりです。できるだけ良い場所で、安全に楽しくすごせることをもっとーに観察場所を選びました。芦屋川の上流にて観察会を行いました。参加者は、平日なのになんと、およそ80名!!いつもご参加ありがとうございます。
観察の場所は、芦有道路の芦屋ゲートのすぐ横。芦屋の中心部からバスで約20分程度です。ここは砂防ダムのすぐ上流になっていて、傾斜がやや緩く、小さなこどもでも川遊びしやすくなっています。それに加えて、夏でも水がとても冷たくて、きれいなために、いわゆる「上流のきれいな水」に生息する水生昆虫がたくさん採集できます。

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川での水生昆虫さがしは、とても簡単で、じつにたくさんの種類が観察できます。網を流れの下流側で受けておいて、石をひっくりかえすとサワガニや水生昆虫、魚がとれます。本気モードで流れのはやいところで採集する人もいれば、みんながとったものをじっくり観察する(これが一番勉強になる!)方法まで様々です。
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とれた生物を丁寧にNPO法人さんぴぃーすの大脇さんが教えてくれます。

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ひとしきり採集したら、台の上にあるタッパーに種類毎にわけて並べてゆきます。それと大きな魚やカニなどは簡易プールにいれてゆきます(右上:空気を入れなくても大丈夫なプールが近頃では売られています)。ここでみんなで観察してゆきます。

s-kaisetsu.jpg 最後にとれた種類をみんなで調べて、タッパーに分けてゆき、名前を書き出していって何種類ぐらいいるのか、自分がとってない種はどんなものか、珍しいもの、多かったものを、容器にいれてしっかりとおさらいします。黒板の写真とタッパーの生き物をデジカメで撮影してゆけば、きっと種類を覚えるのも苦労しないでしょう。この日は、約40種類の生物を確認しました。

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今回の観察会は(も)、とても参加人数が多かったのですが、NPO法人さんぴぃすのスタッフの方をはじめ、兵庫県立芦屋国際高校のお兄さん、お姉さんが手伝ったくださったおかげ、みんな楽しく安全に過ごせました。婚姻色のでたオイカワをつかまえてにんまりです。ご協力ありがとうございました。
NPO法人さんぴぃの野外活動プログラムは、毎月1回たのしいイベントが催されています。興味のあるかたは、ぜひこちらにもご参加ください。

(みつはし ひろむね)



 

aogaki_sajigawa_saisyu.jpg7月21日は生物多様性について、朝から夕方まで楽しくみんなで学ぶ日でした。

午前の部は、丹波市立青垣いきものふれあいの里で、丹波地域の貴重な生き物の保全に取り組んでおられる5つの団体の方からお話を伺い、参加者と意見交流のワークショップを行いました。サギソウクリンソウバイカモホトケドジョウオオムラサキとそれぞれの方が工夫と地道な努力を重ねて、地域生態系の保全に取り組んでおられる内容はとても実践的です。子どもから大人まで、模造紙に意見を書いたり、資料や生きた蝶を片手に意見交流が行われました。

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上の写真のような感じです。ぐるぐるとテーブルをみながローテションします。
親子のチームもあれば、おじさんだけのチームも。多世代交流で、丹波地域の貴重な地域資源について取り組みや課題を共有しました。このワークショップは、兵庫県丹波県民局さんが中心となってとりまとめて下さりました。

このあと現地へと移動ですが、参加者のかたは展示を観覧。現在、青垣いきものふれあいの里では、『淡水魚展』を開催されています。7月7日から8月31日までとなっています。加古川水系の魚たちが勢揃い、これは超お勧めです。夏休みは丹波にでかけて、展示をみて、そして川遊びを!このほかにも、さまざまなイベントが企画されています(樹脂封入標本づくりもあります)。

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そして川へと移動します。
観察会の場所は、丹波市青垣町芦田地区の佐治川です。
午後からの参加者も多く、約80名ほどの大所帯に。
ikimonofureai3047.jpg観察会は、丹波県民局、丹波市、青垣いきものふれあいの里のスタッフ&友の会の皆さんがテントの設営や道具の準備をすすめて下さいました。今回は、ライフジャケットも用意して、安全対策もばっちり。昨夜までの雨もあがり、水位も低下して、天気も晴れて観察日和となりました。青垣いきものふれあいの里の松井施設長が進行をつとめて下りました。

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テーブルを川のなかにおいて、採れた生物を集めてゆきます。みんなで採った水生生物を観察できるように並べます。こうすることで1匹しか採れなかった種類、小さいけど貴重な種類も、みんなが見ることができます。さらに、川のなかで、写真にあるようにブラックボードにイラストを描いて、生物の特徴を解説。トビケラのからだの特徴について生ものを使って、手にとってじっくり観察することができます。これが、"LIVE"ならではの良さですね。ちなみに右の写真のビデオカメラはテレビの取材です。参加者の皆さんはテレビに映るかも?

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採れた生物のリストを作成しつつ、探せていない種類や生息環境についてレクチャーして、より多くの種類をあつめるために、みんなに協力を求めます。ちょっと早い流れにも親子でアタック。こんな感じで観察会を約2時間ほど開催しました。リストにとりまとめたところ、およそ50種類の魚類や水生昆虫などが採集できました。さすがにたくさんの”眼”があることで、種類が集まります。特に、調査に長けている『青垣いきものふれあいの里・友の会』の皆さんがお手伝い下さっていることがなによりも大きいです。安全管理や準備もふくめて、いつもありがとうございます。この生物リストは、県の環境調査として記録されます。標本の一部は、ひとはくと青垣いきものふれあいの里で保管され、環境学習や研究などで活用されます。

  丹波地域の生物多様性に関する取り組みや佐治川の多様な生き物を実感ができるスペシャルな一日でした。夏休みには、ぜひ丹波におでかけください。青垣いきものふれあいの里で勉強して、きれいな川で水遊びや生き物観察を体験してみてはいかがでしょうか。このほか、観光情報はこちらです(ちなみに丹波市立植野記念美術館ではちびまる子ちゃん展やってますよ!)。

  阪神間からお出かけされる方には、途中には『丹波の恐竜化石発掘地』や恐竜展示がある『ちーたんの館』、もちろん『人と自然の博物館』にもお立ち寄りいただければと思います。

  (みつはし ひろむね)

moriaogaeru_tasuno1.jpgたつの市立河内小学校さんから、モリアオガエルの画像をいただきました。
サルスベリの樹なんですが、滑ることなくスイスイとのぼっています。
先日、河内小学校にモリアオガエルの出前授業にでかけてきました。教室から野外にでて、池のまわりで、卵をながめつつ、樹が池の上を覆い被さる位置関係の大切さ、下の池の生物相のこと、モリアオガエルの生活について解説しました。鳴き声もリアルタイムで聞くことができて、ほかのアマガエルやトノサマガエルとの違いを学ぶことができました。やはり現地での学習は効果的です。

moriaogaeru_tasuno2.jpg  moriaogaeru3.jpg

河内小学校は以下の地図のとおりです。
背後にまとまった森林が残されているのが分かるかと思います。
GoogleMapsで見てみてください。モリアオガエルにとっては、まとまった森林があることがとても大切なんです。学校の池と森をつなぐ”通り道”ができたことで、カエルがやってきたのだと思います。


この森をたどってみると、モリアオガエルが移動するうえで、やっかいな場所も見つかります。
下の地図をご覧ください。ちょうどこの部分が、まとまった森と森がつながりにくくなっている場所です。あと少しの距離なのですが、カエルが地面を這って移動にするにはなかなか険しいです。

こうした生息場所のつながりは、エコロジカル・ネットワークとよばれるもので、生物多様性国家戦略のなかでも、重要な観点であることが記されています。学校や農地、市街地などの小さなビオトープで生態系を”飛び石”のようにつないでゆくことが求められています。逆に、カエルは、池があると思って卵を産んだら、オオクチバスやブルーギルの巣窟だったりすると繁殖は望めません(これをエコロジカルトラップといいます)。


大きな地図で見る

このように地図からみて生物の生息に適した場所を探したり、生息に適した場所どおしをつなげて行くことは、生物多様性を保全し、再生するうえでも必要なことです。最近になって、生物が分布している情報や森の状態、道路や町の状態から、どんな場所で生き物が生息しにくくなっているのか、コンピューターで計算して予測する研究が行われています(生態学の最先端分野です)。予測することで、未然に環境の悪化を防ぐことや効率よく自然を再生することにつながります。来年から改正施行される”環境影響評価法”では、開発に先立ってリスクを未然に防ぐ取り組みが義務化されるようになりました。

小学校の池にモリアオガエルがやってきたという情報も、実は生物多様性を守る上で欠かせない情報となります。貴重な情報をお寄せ頂き、学習プログラムとして取り組んでおられる、たつの市立河内小学校の皆様、ありがとうございました。ひとはくの『かえるの鳴き声聞いて見よう』のホームページにも写真を掲載いたしました。

(みつはしひろむね)

sasayama_hioki.jpg7月17日の『川の水生昆虫の観察会』、篠山川日置地区(泉橋の上流側、城東支所の裏)での会は無事終了いたしました。70名近い、たくさんのご参加をいただきありがとうございました。この場所は、加古川水系の支流にあたる篠山川の中流域になります。ここまで上流にくると水の汚れはずいぶんとマシになります。ヒゲナガカワトビケラをはじめ、エルモンヒラタカゲロウ、ヒラタドロムシなど典型的な中流域の生物相を観察することができました。魚も、アユやカワムツ、ギギ、ムギツク、シマドジョウなどが確認できました。

観察会の前の日にはたくさんの雨が降っていて、水位が上昇気味でした。小さな子どもさんの参加が多くて気になっていたのですが、参加くださった方々にも、安全面で多大なるご協力をいただきましたおかげで、ちびっこも水遊びを満喫できた模様です。開催にご協力いただきましたNPO法人人と自然の会、伊丹北高校のみなさん、摂津市立第2中学校のみなさん、有り難うございました。

ただ、生物相は雨のあとで、少し濁っていたことなどもあり、ちと貧弱でした。トンボ類がまったくの不作。本川の脇にあるワンドで、コオイムシやタイコウチがとれたこと、ヒラタドロムシの成虫がたくさん見れたのが収穫でしょうか。そのほかは、わりと普通種ばかりで、水生昆虫好きの方にはちょっと不満だったかも知れません。 来年はどこにしようか、いまから思案中です。『小さな子どもも遊べる浅い水辺』、『近くにトイレがあること』、『川へとアクセスしやすい』、『わりと色んな生物がとれる』、『水がある程度きれい』、『車が止めれる』、『観察会の帰りに寄り道して楽しいところがある』といった条件を満たすところは、なかなか多くないです。頑張って場所を探したいと思いますので、ぜひ来年もお越しいただければと思います。

夏休みに川のいきもの観察したい方は、以下の講座がおすすめです。
 ・7月21日(土) 青垣町・遠阪川での観察会/青垣いきものふれあいの里主催
 ・7月26日(木) 芦屋川上流での観察会/NPO法人さんぴぃす主催
 ・7月29日(土) 三田市小柿・羽束川での観察会/三田市主催
 ・8月2日(木) 芦屋市宮川河口の観察会/NPO法人さんぴぃす主催
 ・8月8日(水) 三田市藍本日出坂地区での観察会/三田の川ルネッサンス懇談会の主催

ぜひ、夏には川で自然観察を!

(みつはしひろむね)

ホタルの乱舞

2012年7月 9日

7月9日(月) 夕闇迫る午後7時30分過ぎ

 カメラと三脚とリモートスイッチを準備して、丹波市内某所の田んぼの畦へ出向く。

 狙いは、「ホタル」  丹波市山南町ではヒメボタル祭などが開催され、ヒメボタルの鑑賞がされていますが、こちらはヘイケボタルと思われるホタルです。

 辺りは既に暗くなりかけていて、カメラのピントが合わせづらくて・・・・・・明るい時間帯から準備するのが王道でしょうか。失敗しました。適当に距離を目測してピント合わせをすませました。

 午後8時頃から徐々に飛び始めました。

  乱舞ぅ〜♪

 シャッターは開放で1分くらい放置。コンパクトデジカメでは撮影が難しいかもデス。

 

(お遊びで、5枚の写真を合成したらこんなゴージャスに!!)

うわぁっ♪

 

しかし、例年より時期が遅い気もしますが・・・・

生涯学習課 八尾

 

最近雨降りの日が多いですが,,,
今日は気持ちよく晴れた日曜日でした。

この天気のせいでしょうか?
深田公園にへび出現!
黒くて見慣れないへびだったので、少しだけ騒ぎに、、、

シマヘビの黒化個体と判明、毒を持ってないとのことで、
太田先生の案内で、急遽「へび触り体験会!?」が行われました。
ちっちゃな子どもたちにとって
博物館ならではの貴重な体験になりました。


hebitatti.JPG                ▲最初はおっかなびっくり、慣れてくると楽しい!


他のブログでも紹介されたとおり、
今日は賑やかなひとはくの日曜日でした。

 

yurayurakyouryusennsu.JPG isikorokurabu.JPG kontyuhyouhon.JPG

ちっちゃなお子様でも、ご家族でも、大人の方も、みなさまにお楽しみいただける
博物館ならではのプログラムが目白押しでした。


(生涯学習課 西岡敬三)

6/10()午後2時、心配された雨も降らず、すてきな探検日よりとなりました。

今月の探検テーマは「虫をさがそう!」 隊長は虫はかせの沢田研究員。

 

 

探検だぁ! 「昆虫少年・小女」たちは みんなワクワク♪

さわだ隊長の説明を聞きながら、植込みの中やクズの葉っぱや落ち葉の下などにかくれている虫をさがします。

木の葉っぱにかくれている虫は、枝をゆすると・・落ちてきます(*^^)v

虫をさがす子どもたちの目はみ〜んな☆キラキラ☆

 

キラキラ☆見つけた虫は透明のケースにいれて、みんなでまわして観察しました。

葉っぱや花などよーく観察してみると、いろんな種類の小さな虫たちがたくさんいることがわかりました。

 

深田公園の虫たち♪ 

探検予定の1時間はアッという間・・でもみんなはもっと探検を続けたい様子でした(*^_^*

 

つかまえて観察した虫さんたちはそれぞれの場所にかえしました。

深田公園の虫さんたち!ご協力ありがとうございましたm(__)m

 

 

来月の「ふかたん」は・・

7/22(日)「だんごむしをさがしてあそぼう!」 隊長・鈴木研究員

だんごむしはどこにかくれているのかな?

 

みなさん!一緒に探検にでかけましょう♪

 

 

                       フロアスタッフ ありむらむつこ

 

 

博物館の3Fアースシアター前には、恐竜になりきって写真撮影ができるコーナーがあります。

s-kaemra.jpgのサムネール画像

 

ティラノサウルスのぼうしをかぶって・・・

tyuugako.jpgのサムネール画像「ガオォーッ!」

 

撮影に協力してくださったのは、団体でひとはくにお越しくださった加古川市立両荘中学校のみなさまです。ありがとうございます。

 

s-kyoury.jpg

6/9(土)・10(日)のフロアスタッフとあそぼうイベント「なりきり☆恐竜ハット」で、このティラノサウルスのぼうしをつくることができますので、ぜひご参加ください。

 

●「なりきり☆恐竜ハット」

場所:4Fひとはくサロン・時間:1500〜・定員20

※参加費無料(別途観覧料が必要)

 

また5/30の日記でご報告させていただきました、フロアスタッフが育てているカブトムシの幼虫ですが・・・本日、無事に地上デビューいたしました!

 

s-kabuto.jpgのサムネール画像のサムネール画像

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女の子のカブトムシです♪

みなさんに見て頂けるよう4Fカウンターで飼育ケースいれて飼っております。

とても元気にケースのなかを動きまわっていますよ。

 

(フロアスタッフ 松田)

 

 

 

金星と黒点と太陽と

2012年6月 6日

 左のハッキリ黒い丸いのが【金星】 そして、中央部分のシミのように見えるのは【黒点】です。

 今年は貴重な天文現象が次々と観測できる年のようです。ぜひ、夜空や青空にも興味関心の目を向けてみてください。   ひとはく天文同好会?!

さしかかりましたよ朝、7時16分か17分ですね。さしかかりました。

ちょうど入り切った

内接ギリギリ!!

 すっぽり入りきったとことこぐらいですね。

太陽面を通過していきます

太陽面の左側から右側へ、ゆっくり進んでいくように見えます。朝7時頃からお昼の1時頃まで、おおよそ6時間ほどかけて通過していきます。

天文部?

ひとはくの外でも、松原研究員の秘蔵の天体望遠鏡を使ってプチ観測会が行われています。

 トライやる・ウイークに来ている中学生も、カメラや望遠鏡を覗いて驚いていました。

 

 次に太陽面通過が観測できるのは、 105年先と言われています。 ということは、今見ておかないと、ほとんどの人は自分で見ることはできないかも知れませんね。おそらく私は見ることは出来ないと思います。正に、世紀の天体ショーですね。

 

 そして、加東市立東条東小学校へも出前セミナーに出向いているスタッフも、太陽面通過の話をしていることと思います。

生涯学習課:やお

ひとはく天文同好会?! 

2011の様子から

 ボルネオジャングル体験スクールのご案内。

 ひとはくのホームページのトップ http://hitohaku.jp/index.html から 右の方の緑色の、一際目立っているバナーをクリックしてください http://hitohaku.jp/bjs/2012bjs.html

 昆虫あり、動物あり、植物あり、マレーシアの友だちとの交流あり、登山あり・・・・とっても盛りだくさんなプログラムになってます。小学校6年生から高校3年生まで、集団生活をとおして様々なことを学べます。とっても充実したプログラムです。

 その他のたくさんの写真などはこちらからどうぞ ↓ Facebook のページです

     https://www.facebook.com/BorneoJungleSchool

 

 6月5日(火)が〆切。6月10日(日)が選考会です。

      まだ間に合います!!  お急ぎくださーい

 まずは お問い合わせを ☎ 079-559-2002

生涯学習課:八尾さぁ、急いでお申込みを!!!

フロアスタッフが育てているカブトムシの幼虫は順調に成長しており、その様子は4月17日のブログでもご紹介しました。

 さて、その後の幼虫ですが・・・

4月21日                          4月27日

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4月28日                                  5月10日

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5月26日

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 無事、羽化に成功!!

 

 

地上デビューはもうすぐ・・・

飼育ケースを用意しなくちゃ(^^♪

 

                                     フロアスタッフ ありむらむつこ     

 

 

                     

野外で生まれて、野外で育ち、野外で次世代が誕生するようになりました

fukuda_sutou20120522.jpg 県立コウノトリの郷公園がコウノトリの試験放鳥を実行に移したのは2005年.2007年には放鳥したペアが初めて繁殖に成功しヒナを巣立させました.それから5年たった今年2012年に,野外で育ちの新たな世代が誕生したことになります.このことは,コウノトリ野生復帰事業の歴史に残る1ページであり,野生復帰の確かな進展を裏付けるものだと郷公園は位置付けています.

詳しくは、県立コウノトリの郷公園のHPもご覧ください。ライブ情報がもりだくさん掲載されています。

ニュース記事:神戸新聞朝日新聞東京新聞毎日新聞

(江崎保男)

その4

2012年5月22日

金環ではありません

 食の最大時頃の様子(2012/5/21 7:30 丹波市)

 あたりは薄暗くなり、気温も下がり「冷んやり」としました。この後、食が満ちて行くにしたがって気温も上がり明るさも戻ってきました。この感覚は、TVでは体験できないですね。実際、自分自身も体験してみて、改めて驚いた次第です (゚ε゜;)

 

 写真撮影データ(その1〜その4ほぼ共通)  SS:1/125s  F:11.0    ISO:100  ND-100000  300mm X 2 ( X1.6)  シャッターはリモートケーブルで切りました。ピントはライブビューで微調整。

 

 以上、金環日食ではありませんが、部分日食に関する話題提供でした。

生涯学習課:やお 

本当は、金環が見たかった(x。x)゚゚゚

その3

2012年5月21日

 単品その1 

 かけ始めの頃の様子 黒点の様子も写ってます。

右上から欠けていきました

(上の写真をクリックすると大きく表示されます)

 

実は、かけ始めの時間を間違えてました!?

その2

2012年5月21日

これは見にくいだけかも・・・・(゚_゚;)  そのうち単品で掲載します

下から上に時間の経過です

まずは、これをどうぞ

左から並べました

カチューシャリングが回って移動するように見えますね♪

撮影場所は、兵庫県丹波市です

 

(上の写真をクリックすると、大きく表示されます)

 

生涯学習課:やお約3時間の天体ショー

鈴木武研究員が、兵庫県佐用町で「とても大きなテントウムシをみつけた!」と、つかまえてきてくれました。

ハラグロオオテントウです。兵庫県やその近辺では、いちばん大きなテントウムシです。

ふつうのテントウムシ(右:ナミテントウ)とならんでいると、その大きさがわかりますね。
親子ほどのちがいがあります。
IMG_0546.jpg


おなかが黒いので「ハラグロ」という名前がつきました。
「腹黒い」というわけではありません。
IMG_0556.jpg


ふだんは、クワの木にいるクワキジラミという昆虫を食べていますが、ほかの昆虫も食べます。
アブラムシを入れると、食べました。
IMG_0554.jpg


いっしょに入れていたナナホシテントウが、食べられてしまいました。
このナナホシテントウは、羽化してすぐで、体がやわらかかったので、おそわれてしまったようです。
IMG_0542.jpg


ハラグロオオテントウは、どこにでもいるものではありません。
しばらくは、博物館4階カウンターにいますので、この機会に、ぜひごらんになってください。
IMG_0563.jpg


八木 剛(自然・環境評価研究部)

金環日食ですぞっ

2012年5月18日

 今、日本中で話題になっている「金環日食」ですが、観察の準備はすんでいますか?

 
 日食メガネなど市販されているものも多くありますね。そして、観察する時の注意も忘れずに守ることが自分の体や目を守ることになりますから、十分に配慮してください。

NDフィルター ↑ これは、今度の日食をデジタルカメラで撮影するために準備したフィルターです。
 ND-100000と書いてあるのが読めるでしょうか。これは光を1/100000にするということを示しています。

真っ黒だよぉーん なので、ほぼ真っ黒にしか見えません。太陽以外見えないと言ってもいいくらい減光されるものです。

 これをデジカメの望遠レンズの先端につけて撮影に挑む予定です。しかしこのような減光フィルターを使用していても、直接ファインダーを覗くのは好ましくないそうです。みなさんも目を痛めないように十分注意して観察してください。

 運良く撮影できた時には、またこのblogで紹介したいと思います。

 

生涯学習課:やお晴れれば見えるかなぁ☀

 

 

 

ちなみに、5月22日は「スカイツリー」のグランドオープンのようです♪

スーパームーン

2012年5月 6日

スーパームーン

 昨日は「スーパームーン」ということで、月が最も地球に接近していたそうです。普段よりも14%大きくて30%明るいそうです。

 しかし、普段の満月と同じ条件で撮影してないし、トリミングのサイズも異なるので、それだけで見ても、大きさや明るさが比べられません(゚_゚;)

満月

 

KIMG0108.jpg

現在開催中の「六甲山のきのこ展2012」に、たくさんの方に見て頂きありがとうございます。
じっくりとケースに張り付いて見ていただいた方、ニオイを体験された方、イラストを書いてくれた方など、みなさん色んな形で楽しんで頂けたようでなによりです。
kinoko2012illust.jpg さて、このゴールデンウィークの最終日となる5月6日(日)が「六甲山のキノコ展2012」の最終日となっています。グランドフィーナーレを飾るべく、最終日には特別イベントを開催します。

題しまして、「キノコでサイエンス・カフェ」で、高校生をはじめキノコ業界で活躍されている方にお越しいただき、お話していただきます。お茶をすすりながら、気楽にキノコの話を聞いて頂ければと思います。

 日時は、2012年5月6日(日) 15時〜16時30分 です。
 場所は、兵庫県立人と自然の博物館  4Fひとはくサロン となります。 
 参加は無料ですが、入館料は必要です。どなたでも自由に参加いただけます(小さい子もOK)。
 もちろん、申し込み不要で、出入りも自由でのんびり過ごして下さればと思います。

話題提供は、展示を製作した県立御影高校の生徒さん、兵庫きのこ研究会の奥田さん、神戸在住のきのこ少年和田君です。キノコ展や六甲山のきのこについて、スライドや標本を交えながらのお話となります。

さらに、今回は特別ゲストとして、作家で芸術家でキノコライターの堀博美さんにもお話頂きます。堀さんは、注目の本「きのこる」の作者で、キノコと文化、歴史、映画、芸能、音楽、神秘、信仰と文系キノコ研究家としても有名です。

キャラのたつ方々が、きのこをたっぷり解説してくれます。

繰り返しになりますが、
 5月6日でもって「六甲山のキノコ展2012」が終了です。
 お見逃しのないようによろしくお願いします。

(みつはしひろむね)

さくらも終わり

2012年4月22日

 昨日今日の雨で、最後まで残っていたサクラの花びらも全部落ちたように思います。みなさんはお花見には出かけられましたか?

 そして今、ひとはくの周りでもコバノミツバツツジが見頃になってきました。みなさんのお住まいの近くでもきっと見ることができると思います。お天気のよい日は、ぜひ外へお出かけしてみてください ヘ(^o^)/

 春先は、色とりどり(^o^) うきうきですね。

 ひとはくでも、ゴールデンウィークを中心に楽しいイベントが盛りだくさん。是非ご家族おそろいでお越しください。

生涯学習課:やお  syao

 

 昨年(2011年)5月におこなった「カブトムシの幼虫をそだててみよう!」でフロアスタッフが

育てたカブトムシ3匹のうち2匹が無事成虫になったことは以前このブログで紹介しました。

そして、その成虫を育てていたケースの中から卵が見つかって、ペットボトルで育てている

ことも、昨年の10月25日のブログで紹介しました。

 

その後の幼虫の様子ですが・・・

幼虫は順調に育っています。毎日ペットボトルのなかをのぞいて、時々霧吹きしているだけ

ですけど・・・(^_^;)

 

4月11日の幼虫さん。体の色が黄色っぽいです。 

 

s-2012041712580000.jpg                 s-2012041510480000.jpg

                  s-2012041510480001.jpg

       ホントに大きくなりました。たくましいです(*^_^*)

 

                   

          今日の幼虫さん♡

                     s-2012041713040001.jpg   

       体のまわりの土が少し湿っています。

 

立派な成虫になる日が楽しみです♪♪

 

                                                                                  フロアスタッフ ありむらむつこ

   

  kawaturi_intro.jpg kawaturi_yousu.jpg

展示のまえで体験をともなって、楽しみながら学ぶことができる「フロアスタッフと遊ぼう」に新しいプログラム「川でさかなつり」が加わりました。これまでのプログラムを大幅に改訂したもので、ちょうど川にすむ生き物と餌の関係を釣りゲーム形式で楽しむものです。

ちょうど昨年の8月頃から企画と準備をはじめて、1月末にキットが完成(全部スタッフの手作りなんです!)、2月にデモンストレーションを何度か行い、ようやく通常メニューとなりました。事前演習を繰り返し、うまく釣れなかったり、釣れすぎた部分を改造したりと、結構手が込んでいます。昨日のイベントは満員御礼で、定員に限りがあるため、釣りに参加できなかった子どもさんもいて残念、ごめんなさい。

kawaturi_setsumei1.jpg

まずは、フロアスタッフの松田さんによるルール解説です。今回のプログラムづくりでリーダです。
展示の前で解説するのがポイントです。

kawaturi_card.jpg kawaturi_esa.jpg 

上の写真にあるような指令が書かれたカードを最初にもらい、餌となるカードを選んで釣り糸の先につけ釣る訳です。
指令カードにある魚をつるために、必要な餌を自力で選びます。餌には、フックや磁石などのカラクリがついていて、魚の種類と合致しないと釣れないようになっています。魚は種類ごとに上流から下流へと適地に配置されています。

kawatsuri3.jpg    kawatsuri_2.jpg

こんな感じで指令カードにしたがって釣って行きます。無事3匹つれると、ちゃんと釣れたか鑑定です。指令にある魚の種類は、ちゃんと上流〜下流に棲み分けていて、学習してないと効率よく探せません。

kawaturi_kinen.jpg

なんとか大物が釣れました。ぜひ次は実際の川で釣りに行ってくださいね。

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最後は学習します。どうして、アユはアユで釣れたのか、外来種ってなに、そんなことを紙芝居で解説します。学習を後にまわすことで体験と知識が合致しやすくなります。

kawaturi_tenjito.jpg

展示スペースと隣接したところでのワークショップ・プログラムですので、まわりの標本や展示をみながらも発展的に学ぶことができます。餌が間違っていたり、魚を見分けられないと、子ども達はお父さん、お母さんにたずねることになります。そうすると、みんなで一緒に川の生き物について学ばざるを得なくなります。親子で学ぶための仕掛けも、このプログラムの特徴です。
おかげさまで、初日ですが、トラブルもなく大いに盛り上がりました。

川の魚には、外来種、絶滅危惧種(レアアイテム)、回遊魚などもあり、もう少し高学年の子ども達の団体来館のときには、環境との関わりを含めた発展プログラムも用意してあり、Questionに対してActするかたちのプログラムの基本形がなんとか完成しました。

当館の中期目標(平成24年度まで)のなかでの重点項目として、常設展示を使った演示と来館者とのインタラクティブな交流を促進するプログラムづくりが目標に掲げられていますが、23年度中に原型ができて、あと一年引き続いて実施したのちに見直しや改良をかけてゆきたいと思います。

 → 川でさかなつりのスケジュールはコチラ(うきうきカレンダー)をご覧ください!

(みつはしひろむね)






 

 

早春の花

2012年3月30日

長い冬もようやく終わり、日ごとに春らしさを感じられる今日この頃です。春の花と言えば、カタクリや、ハクサンイチゲに代表されるスプリング・エフェメラルが有名です。

 

s-kurin_sou1.jpg                         クリンソウ全景

 

 

エフェメラルは、カゲロウのような短命な、はかないものを指します。カタクリなどに代表される、春植物は、ブナ林などの林床に生育し、雪どけとともに花を咲かせ、樹木の葉が展開して、上層が覆われる5月後半から6月初めにかけて果実をつけて地上茎を枯らして、翌年の春まで約9カ月の間、休眠する植物を言います。西日本の里山には、ブナ林が少ないため、林床に一面にカタクリなどの咲く光景は見られませんが、さまざまな植物が花を咲かせ始めています。河原に生えるネコナヤギ、常緑樹のヤブツバキ、田んぼの畔などの春の七草、少し遅れて4月になれば、さまざまなスミレやタンポポが咲きだします。

 ここで、少し花の送受粉について考えてみましょう。ネコヤナギなどのヤナギ科は、春先に花を咲かせることと、花が目立たないことで、風媒花(花粉が風で運ばれる花)と思っている人が多いのではないでしょうか。

 

s-neko_yanagi.jpg            ネコナヤギつぼみ

 

 

ヤナギの仲間は、ヤマナラシ(ポプラの仲間)を除いて、ほとんどが虫媒花(昆虫が花粉を運ぶ花)です。雄花を強くたたいても、スギやヒノキ、ヤシャブシのような大量の花粉は出てきません。ヤナギの仲間は、春先に現れる小さなアブやハエの仲間が花粉を媒介します。

 

    s-nekoyanagi_osu.jpg   s-nekoyanagi_mesu.jpg

    ネコヤナギ♂          ネコヤナギ♀

 

ヤブツバキは赤い目立つ花を咲かせます。これは蜜を求めてやってくるメジロなどの鳥をひきつけ、花粉媒介をするために赤くなっています。ツバキの花に嘴をつっこんで、口の周囲が花粉で黄色に染まったメジロを見かけることがあります。

 

s-tsubaki.jpg              ツバキ

 

 

 

スミレのような距(きょ:花の後ろにつき出て、蜜をためている、ツリフネソウなどが代表的)を持つ花では、花の中にもぐりこめる、小さなヒメハナバチなどが花粉を媒介します。

カタクリやサクラソウなどの、花筒が細く長い植物にはマルハナバチやギフチョウなどが蜜を求めてやってきます。春の陽だまりの中、花を訪れる昆虫の行動をじっくり観察するのも楽しいかもしれません。

 

s-kurin_sou2.jpg             クリンソウ

 

                  

                   藤井俊夫(自然・環境再生研)

春ららら♪

2012年3月23日

 

 

皆さんはもちろん「なすび」を知っていますね。ヘタがあって、紫色をしていて、長く、おしりが少し太ったあのなすびです。
このなすび、英語で「エッグプラント」と言います。「卵のような実をつける草」といったような意味でしょう。
しかし、どう考えても卵には見えません。確かに卵のような形をした種類もありますが、紫色をしていて、大きくて、とても卵みたいだとは思えないのです。

なすびに名前をつけた人はどうして卵のようだと思ったのか不思議で仕方がなかったのですが、その答えをミャンマーで見つけました。

これはある日のお昼ご飯です。何種類かのカレーや野菜炒めやサラダなどが出されました。

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外国ですから、きれいに洗われていても生野菜は遠慮したいなと思いましたが、側に置いてある卵なら大丈夫かと箸を伸ばしたら、


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なんと白いなすびだったのです。
大きさといい、形といい、まさに卵です。私自身が間違えたのですから、文句の言いようもありません。手に取るまで気がつかなかったのです。
なるほど、はじめにエッグプラントと名前をつけた人は、きっとこれを見てつけたのでしょう。
市場に行くと、この白いなすびがいたるところで売られていました。紫色のものよりも多いくらいで、ミャンマーではごく普通のもののようでした。


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こんなに身近な食べ物にも驚くことがあるとは、世の中にはまだまだ知らないものが本当にたくさんあると全く感心してしまいました。

          元ひとはく研究員 山本伸子 (自然・環境評価研究部/岡山理科大)

kinoko2012_1.JPG毎年恒例の県立御影高等学校による「六甲山のきのこ展2012」を、3/13〜5/6まで開催いたします。当館および兵庫きのこ研究会との共同開催となります。

六甲山には、たくさんのキノコが生育していることをご存じでしょうか。今回の展示では、これまで4年間かけて御影高等学校が総合学習や環境科学部の活動の一貫として調査研究で得たキノコ標本を一堂にならべて展示します。この4年間にわたり調査した結果、四季を通じて採取した標本約340種500点余りを得ることが出来ました。これだけの種類のキノコが一堂に展示される機会は、国内でもほとんどありません。また、希少なキノコも一挙公開です。ぜひ、お越しくださればと思います。また、キノコの出現と気温、降水量との関係性を検討した研究結果のパネルや写真なども展示しています。
kinoko2012_3.JPGこのような感じで、とにかく標本をできるだけたくさん陳列して、生物多様性を肌で感じとっていただければと思っています。標本は、凍結乾燥によって処理したのちに、熱処理とウレタン系の樹脂によって含浸させることで組織を硬化させて展示用の標本として製作しています。

kinoko2012_5.JPG 一昨日の日曜日と月曜日に御影高校の生徒たちが頑張って標本を陳列し、きれいに仕上げてくれました。上の写真は日曜のはじめた頃の様子です。ほぼ2日間でのべ14名での対応で、手早く、的確に分担作業できています。博物館実習の単位をあげたいぐらいです。


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ごらんのとおり、学会発表風の展示ポスターもずらり。アカデミックな内容に関心のある方にも満足いただけると思います。これまでの活動を新聞記事から振り返って紹介しています。キノコのイラストも即興で部員のみなさんがスケッチしてくれました。


     
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展示の案内ポスターは上のとおりです。ちょっとサイケな感じで環境科学部の河野さんがデザインしてくれました。文字をいれるところをきっちりと事前に計算して空けておき、キノコのもつ妖しい雰囲気が描かれています。


      mikage_poster2012_hitohaku.png こちらは、さらに妖しいバージョンです。

キノコに関心のある方だけでなく、生物多様性と気候変動のこと、学校教育のこと、展示や博物館学に関心のある人もぜひお越しいただければと思います。
最後に、いつもこの展示会の開催にあたり、兵庫きのこ研究会のみなさんには、キノコの鑑定や現地調査をはじめ、多大なる協力やアドバイスをいただきありがとうございます。この場をかりてお礼させていただきます。

(みつはしひろむね)


 

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昨日、3月10日は「水生昆虫を顕微鏡で観察してみよう」のオープンセミナーを開催しました。
やることは、水生昆虫ブロマイドを自力でつくること。たくさんの封入標本を用意して、参加者に好みのものを選んでもらい、顕微鏡で観察。気に入れば顕微鏡に接続したデジカメで、「ぱしゃり」と撮影する。
撮影したものをそのまま小さなプリンターで出力して、ラミネートしてできあがり。顕微鏡下で撮影するだけでなく、水生昆虫(ベントス)とのシンクロ、一体化をはかり方には、封入標本が透明であることを活かした「封入標本プリクラ」も撮影してプレゼント。標本の後ろ側に顔をおいて撮影するだけ。
これで生き物への親近感が湧きます(きっと!)。

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こんな感じで子どもたちは大変喜んでくれているようです。以前には、顔いりのカードを持って、野外観察会に来てくれた人もいました(ありがとう〜!)。
来年も博物館のオープンセミナーでは、こうしたイベントを開催しておりますので、ぜひお越し下さい。

(みつはしひろむね)

toujyou20120306_all.jpgいつもこの時期になると、加東市立東条東小学校で年間の総決算となる授業に出向きます。10年前からのお付き合いで、最初は博物館の川の観察会に当時の小学校の先生が参加されたのがきっかけで、川の学習プログラムづくりと実施を一緒にすすめて来ました。学校のすぐ横を東条川が流れており、環境学習にはこれ以上ない立地にあります。この土地の利を活かして、毎年4年生が1年を通じて川について学びます。
川で何度も観察や採集をおこない、季節ごとの違いや、多かった生物、台風のあとに減った生物、増えた生物などを観察します。気軽に川へと行けるので、おさらいが簡単です。このあと、採集した生物を封入標本や液浸標本として理科室に蓄積されています。

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左が川の景観です。峡谷状になっているので、川には降りにくくなっています。そこで、川にアクセスしやすいように県の土木事務所で階段をつけて下さりました(旧・社土木事務所の皆さん有難うございます!)。社会資本整備の投資分はもとをとっていると思います。


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川で色んな生物をとります(これは10月の様子です)。この頃には、すでにかなり慣れたもので、細かい生物まで逃さずにみつけて、バットに入れて学校に持ち帰ります。学校へは徒歩3分程度です。
持ち帰ったら、そのまま顕微鏡と液晶プロジェクターをつないで大きく写します。生きたまま観察できるので、水生昆虫らしい動きや身体の特徴を鮮明に観察することができます。

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川での採集結果などは、校内のかべにたくさん掲示されていて、いつも目にすることが出来るように配慮が行き届いています。しかもレイアウトや展示も美しく仕上がっています。


  toujyouhigashi_tenji2.jpg  toujyouhigashi_funyu.jpg  
一昨年の学習では、学んだことをもとに、川の模型などが製作されています。
また、5年前より、授業のなかで封入標本づくりを行っています。各班ごとに採れた水生昆虫を一目でわかるように、写真にあるような感じで標本をつくります。これらは川の学習を支える教材となります。

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一昨年から、加東市と博物館が連携して実施する移動展示会「まちまるごとミュージアム」を開催しており、この展示会に東条東小学校のこどもたちが、以前に製作した封入標本や模型などを展示しました。ほんものを手にとって観察できることはとても有意義です。2月には、近畿子どもの水辺交流会でも発表していただきました。



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 今年の最後の授業は、あいにく雨で川には入れませんでした。しかし、学校のすぐ横が川なんで、別の対応方法があります。雨の日ようのプログラムとして、増水したときの様子を眺めて、水生生物がどのように避難しているのか、洪水でも大丈夫そうな避難場所さがしを行います。
上から観察するだけなんですが、こども達は、これまでの野外活動経験から、実に的確に答えてくれています。きちんと場合分けして、「魚は●●で、水生昆虫は●●で、貝は●●で・・・」といった具合で生き物ごとに個性があることが身体で理解されています。しかも、たずねてもいないのに、水際の草や大きな石がないと隠れられずに流されるから、新しくつくれば良いという意見も。きちんとこれまで体験してきた事に基づいて問題解決的にも思考できています。僕が講義するときの到達点としてのチェックポイントがすべてクリアーされていて驚きました。

 年間を通じて、川での様々な体験学習だけでなく、事後の部屋でのかっちりとした学習、展示の製作や大勢のなかでの発表といった一連の体系立ったプログラムづくりを行われている東条東小学校の諸先生方の努力にあらため敬意を表したいです。授業に行くようになってから10年が経ち、卒業生の中から、そろそろ大学で川のことを研究する生徒が表れるかも知れません。それが楽しみです。

(みつはし ひろむね)

 

週末のひとはくは、1日中、オープンセミナーやイベントづくし♪館内はいつも大にぎわいです。

 

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 ひなまつりの日の「ふかたん」にもたくさんのお客様にご参加いただき、みんなで楽しく探検できました。 s-P1110492.jpg

 

3月のふかたんの隊長は、植物博士の布施主任研究員! 

テーマは「ナゾの植物をさがせ!ふかたんクイズラリー」。

ナゾの植物の地図と写真をてがかりに、植物さがしに出発です!

みんなが探す木や花には、ふしぎな巻き物が!? 

 

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この紙には、答えとなる ナゾの植物の名前が書かれているので、みんなに見つけてもらわないといけません。

 

当日は、前日の雨が嘘のように、春の日差しが感じられる気持ちのいいお天気でした。

植物を見つけたら、先生がお話を聞かせてくれてクイズも出題されます。

隊長の楽しいお話に、子どもたちも夢中です。

 

s-P1110464.jpg 次のスポットは、地図を見て探すのですが、元気な子どもたちは「あそこだー!!」と見つけると猛ダッシュ!!

 

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隊長のかばんからは、面白いグッズがたくさん出てきます。数日前に採取してくださっていたという、ヒメガマの穂は、じゃんけんで見事勝利した男の子が、ぎゅっとにぎると…

 

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 綿毛がふわっと一面に舞いました!!これにはみんなは大喜び。

 

探険はさらに公園の奥へ。

 

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 オオイタビは、隊長が実を拾ってみんなで観察。いちじくにそっくりな実です。子どもたちも必死で実を探します。これは?これは?と質問が飛びかって、隊長も大忙し。

夢中なのは、子どもたちだけではありません。大人たちも聞いたことをノートに書いてくださっていました。

 

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親子で植物を観察している姿は微笑ましく、あったかい気持ちになります。

 

つぎの植物は、葉の裏や茎に毛が生えていて服にくっつく草、ヤエムグラ。このトゲをルーペで観察。

 

 

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みんな歩きながら、ルーペを使って他の植物も観察していました。

 

 

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茎の断面が正方形の植物も発見!?シソ科の植物、ヒメオドリコソウなど、公園には、ふしぎな植物がいっぱい!

博物館へ戻って、みんなでふかたん植物地図を完成させよう!

 

「もう一回周って、復習する!?」「まだ観察したい!」なんていう嬉しいお声もありましたが、ひとはくに戻ると、もう一つの作業が。観察ノートに書いたクイズの答えを大きな紙にうつしてもらいます。

 

s-P1110558.jpgみんなノートを見なくても、ばっちり覚えてくれていました。

みんなすごい!!

他にも隊長から聞いたこと、見た植物の絵や名前を自由にかいてもらって完成!

 

s-P1110657.jpg 自然の中で走りまわって、見て触って感じる、一生懸命でまっすぐな子どもたちの姿に、みらいのはかせを感s-P1110508.jpgじて、嬉しくなりました。

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また近くの公園や道ばたで生きている植物も、ぜひ観察してみてね!わからないことがあれば、ぜひひとはくに調べに来てください。

 

 

そして、4月のふかたんの隊長は…田中主任研究員♪

テーマは「水辺の生き物探険隊」です。池にはどんな生きものが住んでいるかな?

みんなで調べてみよう!メダカやオタマジャクシに出会えるかも!!

 

♪ふかたん「水辺の生き物探険隊」隊長:田中主任研究員

428日(土)4階ひとはくサロン14時集合

※池には入りませんが、汚れてもいい服装でご参加ください。

 

来月もたくさんの元気な子どもたちに会えますように、みなさまのご参加をお待ちしております。

 

フロアスタッフ みの あんな

3月1日に「コンニャク芋」がやってきました。

そして、どうも花が咲きそうです。

s-P1090139.jpg コンニャクは花が咲く前に収穫されてしまうため、花を見るチャンスはほとんどないそうです。

花が咲きました。とてもユニークな形です。

s-P1090218.jpgもっと、もっと近づいて臭わないと!

 

中の方から臭うようです。どうなってるのかな?

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身近な食べ物、コンニャク。その花の臭いとはいったい?

この臭いを嗅ぐことができるのも週末ぐらいまで。

是非、ひとはくへ来て臭ってみて!

 

                          小林美樹(生涯学習課)

 

こんにゃく作り

2012年3月 1日

最近は「こんにゃく」が芋から作られることや、手作りできることを知らない子供たちがいます。こんにゃく作りを楽しんでもらおうと、人と自然の会では来年度こんにゃく作りを企画しています。そのために1月に会員11名で予行演習をしました。

材料のこんにゃく芋は、ひとはくのジンファーム横のむしむしガーデンで春に3年子を植付けして秋に収穫しました。収穫した芋は1キロくらいまで大きくなりました。

s-20120301-1.jpgまずお芋の根、赤い芽、黒い皮を丁寧に取り,茹でておきます。

茹であがったお芋に、分量のお湯を加えてミキサーにかけ、少し時間をおいてから凝固剤を加えてよく練ります。

s-20120301-2.jpg凝固剤を入れて練り始めると、かすかなお芋の香りがこんにゃく特有の香りに変わります。あとは丸、四角、細長い糸こんにゃく風等、形はいろいろできます。 ゆずの皮、人参、はこべ、ブロッコリーの葉、七味とうがらしをそれぞれ入れました。他にお好みのものを入れることもできます。

形ができたら熱湯で20分ほど煮てあくを抜きます。

s-20120301-3.jpgお湯の量、温度、凝固剤の分量、放置時間等ちょっとしたコツが必要ですが実際に体験してみると、段々こんにゃくになっていく過程がわかり、おもしろく楽しいものです。ぜひ体験してみてください。

出来立てのこんにゃくはおさしみ風にして、わかめや明太子等とあえてみました。煮物だけでなく、いろいろアレンジでき美味しくいただけます。

s-20120301-4.jpg今日の講師(会員の岡田照代さん)の説明を聞きながら、試食しました。

s-20120301-5.jpg来年の2月9日(土)に、人と自然の会『むしむしガーデンの会』がこんにゃく作りを行います。美容と健康にいい植物繊維が豊富なコンニャクを一緒に作ってみませんか? 

ぜひご家族で体験してみてください。

         人と自然の会(文:小林秀子・写真:能勢公紀)

 

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先日、生物多様性協働フォーラムの第3回目が開催されました。
今回のタイトルは、社会の「つながり」を活かした取り組みの展開、です。まさに、多様な主体による参画と協働が意味するところのフォーラムとなりました。会場は、兵庫県庁のすぐ前にある兵庫県公館です。おかげさまで、広い公館が満席となりました。参加者数は450名で、高校生から年輩の方まで、こちらも多様性がゆたか。特に、若い世代の参加が多かったことが印象深いです。

講演では、当館の副館長の中瀬先生からは兵庫県における企業と行政と地域が協働した森林管理の仕組みとその事例について紹介。次に、滋賀県の経済同友会とともに活動されている菊池玲奈さんからは、琵琶湖汽船や滋賀銀行などの企業と連携した取り組みを、同じく滋賀県からブリジストン彦根工場での希少種保全や琵琶湖博物館と連携した取り組みが紹介されました。
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フォーラムでは、兵庫県の井戸知事と滋賀県の嘉田知事の対談が、当館の岩槻館長の司会のもと行われました。対談の途中には、会場にいる研究者や環境に優しい農業を推進されている方を指名する一幕もあり、大いに盛り上がりました。90分の対談時間は、ちょっと長いかなと思っていたのですが、あっと言う間でした。会場のアンケートからは、もっと聞きたいとの声が多かったようです。
さらに、この会合には、環境省の渡邉綱男自然環境局長もお越しくださり、しっかりとエールを送って頂きました。多くの環境問題は、関西圏のなかで、府県の枠を超えて対応しなければならない課題が山積
です。しかも、再生すべき場所や保全しないといけない場所はたくさんありますが、予算、人材、人々の関心といった部分でより一層の努力が必要な状況です。こうしたネットワークを活かして、生物多様性をうまく活用し、保全し、再生してゆくことが必要になるのでしょう。このときに、博物館がハブとして大きな役割を果たせればと思います。

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兵庫県公館のロビーでは各団体や博物館のブースが設営されました。
左上:大阪市立自然史博物館、右上:琵琶湖博物館、左下:ひとはく、右下:三重県立博物館
となります。どこの博物館もそれぞれの個性がでています。

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琵琶湖博物館さんは、今回のフォーラムで移動博物館「どこでも琵琶湖博物館」のセットの一部を初披露くださりました。型どりした湖産の魚や象の歯など、ハンズオングッズが充実しています。滋賀県内だけでなく、関西圏全体で、いろんな博物館が協力して、「どこでも博物館」になることを期待したいと思います。非常に充実した会合でした。

(みつはしひろむね)

雪の朝

2012年2月18日

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 お気をつけてお越しください!!

kinki_kodomo5_zentai.jpg2012年2月4日にひとはくにて、近畿「子どもの水辺」交流会が開催されました。

満員御礼です! 遠くからお越しくださりありがとうございました。

近畿地方の各府県から多数の団体が参加し、子ども達が日頃、水辺を題材として学習した成果を発表します。大阪府にはじまり、各府県が事務局を担当して、5年目の今年は兵庫県が担当です。1年間の活動の成果を総決算するという意味で、この時期なんです。
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ただ、発表するだけでなく、各グループごとに、子ども達が調べた内容を発表し、他の団体の子ども達と意見交換し、その内容をとりまとめて、最後に参加者全員にむけて発表し、さらに意見交換や交流します。こうした学習は、とかく自分の学校や地域だけに、こもりがちなのですが、いろんなアプローチ、いろんなまとめ方、自然の様子を学ぶことができます。アンケートを拝見したところ、やはり、場所の違いや考え方の違いがあることが、子ども達にとっては興味深かったようです。

発表にあたっては、写真にあるように手製のポスターや小道具を駆使してプレゼンします。今回は、全体交流会の際に、ビデオカメラで発言者をクローズアップして、スクリーンに大写ししました。こうすることで、ライブ感があり、発表ポスターをつかって細かく説明したりと、大変有効でした。この技法は、ちょっと数が多いときの授業なんかに適用できそうです。

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会場では、さまざまな団体さんに体験イベントなどを出展いただきました。顕微鏡で水生昆虫を観察し、デジカメで撮影してポストカードにするイベント、封入標本づくり、古代の水辺の生物化石、パックテストでビタミンCを測定するなど、交流会以外でも体験できるようなイベントを開催しました。

さて、この交流会ならではの良い点について考えてみました。それは、他の人の発表や他のところの水辺の様子を知ることで、自分のとりくみを相対化できるところにあります。実際に、会場を巡っていると、参加された親どうし、親子や引率者どうしで、「あの発表はおもしろかった」、「あのまとめ方はいい」、「話し方が工夫されている」、「あの発表にあった川に行きたい」といったような会話が実にあちこちでありました。交流の効果でしょう。アンケートをみても、やはり他の人の発表や他の水辺の様子を聞けたことが最も興味深かったようです。それと、子どもだけでなく、親や引率者にも新たな視点や知見を与えてくれます。

そんなわけで、無事に会が終了いたしました。今回の会合をすすめるにあたって、近畿「子どもの水辺」交流会の実行委員のみなさま、事務局をつとめられた兵庫県県土整備をはじめ、各府県の土木系職員のみなさま、近畿地方整備局のみなさま、河川環境管理財団のみなさま、そして、各団体を引率し、展示を出展くださった水辺での活動をリードされてきた市民団体のみなさまに、この場を借りてお礼申し上げます。


【おまけ】今回の僕のなかでの裏MVPは共立理化学研究所さんです。
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会が終わってからの反省会では、水質検査で有名なパックテストの製造元、共立理化学研究所さんのスタッフによる、パックテスト漫才が披露されました。パックテストでビタミンCを測定しながら笑いをとってます。自社の商品のツボを知り尽くしたパフォーマンスに脱帽。たしかに、ロンドンの自然史博物館のサイエンス・イベントを視察にいったとき、向こうの担当者に重要なポイントを尋ねたところ、ショーは2人でやること、だった。忠告を思い出しました。ボケとツッコミはサイエンスコミュニケーションでも重要。商品の製造と販売から、体験学習のイベント、活用のパフォーマンスとネタまでお見事でした。

(みつはしひろむね)

 





今年のウド小屋

2012年1月 6日

 三田と言えば「ウド」 高級食材として扱われている貴重なものですが、このウドを育てるのが「ウド小屋」です。2年前にもブログで紹介しました。 

   http://hitohaku.jp/blog/2010/01/post_599/

 

 今回は、ひとはくの建っている深田公園のすぐ近く、歩いて10分ほどの下深田の田んぼに建てられている小屋です。お昼休みにチョコッとお散歩して見学しました。

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 高さ5m 幅7m 長さ25mほどの巨大なわら小屋です(巻き尺で測っていません!!目測です!!)。小屋の中が水浸しにならないように周囲に溝も掘ってあります。この中で、わらをたくさん使って美味しいウドが作られているんですね。

 先人の知恵を今に引き継ぎ,伝統として残されていくんでしょう。スゴイスゴイ!!

 春になれば三田で育ったウドが全国に出回ると思います。

Merry Christmas and Have a New Years Day!! 今日は1224日 クリスマス・イブ!! よい子のお家には,サンタクロースがプレゼントをもってやって来るかも?!

 

 

 昨夜から気温が下がり,今朝は家の周りはうっすらと雪化粧でした。みんなの住んでいるところはどうだったかな?明日も雪かな? WhiteChristmas(ホワイト・クリスマス)になるのかな?

 

 ひとはくの建物の影で、お昼になってもお日様が当たらないところにある池。 

お昼になっても氷が!!!! やっぱり、お昼休みに見に行くと,氷が張ったままでした!!寒いはずです(・・・・・写真をクリックすると大きな画面になります)。

 でも、ひとはくでは今日も明日もうきうきワークショップやフロアスタッフと遊ぼうなど、楽しいコーナーでみなさまのお越しをお待ちしております。

 今年最後の週末は是非ひとはくでお過ごしください。待ってまぁぁぁす (o^^o)

 

 

 

ホームページの今週のひとはく見てね!! ジングルベルにあわせてサンタが来るよ!!(BGMはIEのみ対応:音量に注意)

陽射しはあるものの、風は冷たい.......。

 

朝からそんなお天気でしたが、お昼頃から、ここ三田でも雪が舞い始めました。

     ひょっとして、今年の初雪?

写真に雪は写らなかった写真には雪は写っていませんが、寒いです。

 

 が、

 ひとはくでは週末も楽しいセミナー等を用意して、みなさまのご来館をお待ちしております。是非、週末はひとはくでお過ごしください。

NPO法人 人と自然の会・カワセミの会がひとはくを舞台に三田市から委託された初めての対外イベント、自然環境セミナー『鳥とあそぼう!』を12月4日(日)に実施しました。ひとはくから深田池を通り、五大力菩薩までの観察コースも入念に下見を実施しました。

 

 

     

当日のセミナー参加者は10名(大人9名、子供1名)でした。最初に『とりはどこから飛んでくる?』のタイトルで、留鳥・冬鳥・夏鳥たちのことを簡単に説明し、さあ出発!

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ところがです。ここに大きな落とし穴がありました。

植物観察と違い、鳥はジッとしていません。入念に下見をしたコースを歩いていても鳥たちは突然、現れます。また、参加者が通り過ぎた後で、現れたりします。

 

そんなこんなで予定時間が大幅に過ぎてしまい、結局、予定していた五大力菩薩までは行けず、田んぼのケリを観察できないまま、下深田の集落から引き返しました。

 

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急いで引返す途中、ジーンファーム近くで、枝にモズがとまっているのを発見!あわててモズにスコープをあわせる。とても綺麗なモズだ。参加者の方々も順番にスコープをのぞきながら、「モズってこんなに綺麗なんや」と歓声をあげる。

 

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急いでひとはくに帰り、観察できた鳥の名前を参加者みんなで確認する鳥合わせ。事前に今年は鳥が少ないです、と参加者にお知らせしていましたが、迎えてくれた鳥は予想を越える16種にのぼりました。

 

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観察会後はひとはくからの協力で初公開のイヌワシを始め、10数体の本剥製を展示し、さらに三田市在住の岩橋徹さんからバードカービングを出展していただき、参加者に本剥製とバードカービングをじっくり観察してもらう。

 

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最後にかわせみの会会員の作成の紙芝居と鳥のとんちクイズをやって笑いが続く中、カワセミの会初めての対外イベントは無事に終了しました。

 

 

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※ひとはくのブログによく載る鳥は何でしょうか?→答はキジ=記事です

 

来年の2月19日(日)の人と自然の会のドリームスタジオはカワセミの会が実施します。深田公園周辺の鳥たちと遊びませんか?どんな鳥が待っているかな?ひとはくへぜひいらしてください。

 


NPO法人 人と自然の会・カワセミの会 能勢 公紀

 いかがでしたか? ふたご座流星群☆彡

 冬の夜空を彩る天体ショー、見ることができたでしょうか?

 

 1214日深夜23時過ぎ、寒い中いつものお気に入りのスポット(丹波市青垣町某所)へ車で向かったのですが、昨夜は霧が深過ぎました。

 何も見えません(x。x)゚゚゚ 道路のセンターラインも見えづらい状況。

 

 このお気に入りスポットは、今回は諦めることにしました。

 峠を一つ越え、多可町加美区へ移動することに。周辺の光量が少なく、空が広く見える場所・・・・・・を求めてウロウロ。高圧電線の下でしたが、田んぼのあぜ道で観測することに。時計を見ると、日付は150時を回っていました。月がだんだん高くなり、条件が悪くなってきます。(こんなことなら、もっと月の低い、早い時刻にしていればよかったかも?と、若干の後悔)

 

 でもまぁ、1時過ぎまでのおよそ1時間で20数個肉眼では観測することができました。最後は、霧が出てきて、月も明るくなってきて、そしてなんと言っても寒くなってきたので、そこそこで切り上げました。

 

 今回写真にハッキリ写り込んでいたのはこの1枚。 

ちょうど中心付近に ちょうど画面の中心付近に流れています。判りますでしょうか? (上の画像をクリックすると、少し大きな画像が表示されます。)

 

 おまけ

 30分間ほどの写真を合成するとこんな風になります。右の方に動かない部分、北極星があることがよく判ると思います。左の山際の明るい星は、木星です。

わぉ(o^^o) ちなみに、昨日で終わったわけではなく、今夜でも見えますよ(o^^o)

 今日の昼休み 相変わらず寒かったです。

 久しぶりに「勝手に?!」シリーズを再開しました。

 

これはなんだ? これは何だろう? カメムシの仲間かな?

 昆虫に詳しい沢田博士にまた聞いておきます。

 いよいよ今年も残すところ半月あまりとなりました。兵庫県内でも雪の便りも聞こえてきましたね。冬になると、空気が澄んで星が見えやすくなります。

 

 先日10日にも皆既月食がありました。その皆既月食になる直前頃の写真を並べてみました。

 

たこ焼き食べたくなりますね!! 同じ設定で撮影できていないので、色も大きさもバラツキがあります。なので、記録写真としてはあまり値打ちはありません。しかし、並べると「うわぁっ!!」と思えるので掲載します。画像をクリックすると大きく表示します。なんだか、たこ焼きかカエルの卵に見えてきませんか!!

 

 

 そして、皆既月食を見逃してしまったあなたに朗報です!!

 来る1214()深夜から15()にかけて、ふたご座流星群が最もよく見えるといわれています。15日の午前2時頃がMaxといわれているので、その前後に、頭の真上を見上げてください。天気がよければ、星が降ってくるはずです。必ず防寒対策をしてください。それと家から離れて観測に出かける場合は、行き帰りの交通安全等にも十分ご注意ください。

 

 

 写真は去年の12月14日の写真です。

赤い円の中

神秘的な時間の流れ

2011年12月11日

月表面の模様

 今夜の皆既月食、みなさんのところではいかがでしたか?見えましたでしょうか? 私の住んでいる丹波では、雲一つなく澄み切った夜空・・・・・・空気中のチリも払い落とされて、しっかりと月食を観測することができました。上の写真は、全部影に入る直前くらいの画像ですが、影の部分が赤っぽくなり、月表面の模様もよく見えました。

 食が進むにつれて、満月の光量で見えていなかった暗い星々が姿を見せてくれました。しかし、気温が下がりくしゃみの連続となったため、後半は観測をパスしました。その代わり、皆既月食の月とオリオン座とのツーショットを紹介します。

オリオンとツーショット!!

 こんな風に、冬の夜空の天体ショーを楽しみました。

QRでいきなり!

2011年12月 7日

 

QR-dgf.gif(トンボの顔面注意)

3DSの本体が更新されましたね.追加されたQRコード読み取り機能(詳細下記)から

インターネットブラウザでアクセスすると,いきなりどどんと立体に見えます.

 

3DSでのQR読み取り:ホームからLかRのボタンを押してカメラを起動すると右下にQR

読み取りのアイコンが出ます.

昆虫共生 沢田

 

夜空のむこう

2011年12月 7日

 12月になって何だか急に寒くなってきましたね。風邪などひかれていませんか?

 今週末、またまた・・・・・・

 

 

 久しぶりの「皆既月食」です。

 天気さえよければ、全国どこでも観測できることと思います。

 1210()の夜、8時半頃から真夜中の2時半頃まで。

 欠け始めから欠け終わりまで全部見ることができるかも!!です。

 

皆既月食の最大時はこの辺 月の高さも十分なので、雲さえなければ11時頃には赤くなった月が観測できるかも知れません。

 是非、風邪をひかないように暖かくして観測してみてください。

 

 

 

防寒をしっかり 

10月25日から、スズメバチの2匹オスを飼いはじめました。
夜は冷え込むため、夜勤担当の警備さんに預かってもらっています。
朝、出勤すると、警備さんや受付の方からハチを受取って私の1日が始まります。
今朝、受付の安藤さんからハチを受取ると1匹、ひっくり返って動かなくなっていました。Σ(T▽T;)
このハチは、ハチ博士の大谷主任研究員に標本にしていただきます。

体も大きく、去年飼っていたアシナガバチより運動量が多く、ケースの中で激しく飛ぶため翅が破れてしまい、元々の大きさの半分になってしまっていました。そのため、飛ぶことも難しくなっています。動かない方が寿命が延びるとハチ博士聞いていたので、こりゃまた春ぐらいまで飼えるかなと思っていたところでした。

 

s-P1080383.jpg

生涯学習課の両角さんと大本さんに木の枝を拾ってきてもらい、ケースの中に入れてみました。

飛ばなくても、これで上の方にもいくことができます。v('▽^*)


残った、この1匹は、年末年始自宅へ連れて帰れるといいな、と見つめています。
専門的なことは、今後ハチ博士に研究いただくことにしましょう。

                                                                                                 小林美樹(生涯学習課)

そして師走へ

2011年11月30日

 そして、ウソのように暑かった夏が行き、あっという間に秋も終わり、気がつけば冬に・・・・・・・ 

11月最後の深田公園 11月最後の日の深田公園の木々の彩   モコモコしてるよ♪

タヌキ、キツネに続いて紹介するのはテンです。キツネと比べると撮影されている頻度はぐっと少なく、これまでの1年間で4枚の写真が撮影されているに過ぎません。


marten0.jpg2010年11月15日 3時33分 遠くてわかりずらいですね。


marten1.jpg2011年1月9日 3時44分 こちらは体半分が至近距離で撮影されていますが、フラッシュで色がよくわかりません。


marten2.jpg2011年5月3日 4時11分 遠くに怪しく目が光っています。同じ場所で撮影されるキツネと比べるとかなり小型です。


marten3.jpg2011年5月17日 4時11分 側溝に入ろうとしているようです。

撮影されているのはいずれも夜中で、キツネのように日中に撮影されたことはありません。自動撮影カメラを設置している位置にもよりますが、側溝の周辺で良く撮影されており、こういった環境を利用して移動しているのかもしれません。

これで哺乳類のネタは尽きたので(飼い猫、こども、ひとはく研究員!なども撮影されていますが…)、次は鳥類を紹介します。

北村俊平

もうすぐ12月だというのに、今日はポカポカあたたかです♪

温暖化のせいか、今年は深田公園の紅葉も少し遅いようです。

 

私の大好きな景色だよ〜(^^) トウカエデ、アカマツ、コナラ、ヤマノイモ…

深田公園では、いろいろな植物を観察することができますよ(^^)/

ひとはくで過ごされたあとは、ぜひ深田公園で自然観察をお楽しみくださいね!!

笹山由利子(フロアスタッフ)

 

 

 

 

紅葉も色づいてきましたネ♪

11月のふかたん!深田公園うきうき探検隊

「ドングリと色づいた葉っぱをさがそう!」

隊長の小舘研究員とキッズひとはく推進室の荒川さんと一緒に1127日(日)行いました。

 

深田公園でドングリのなる木「コナラ」と「カシの木」発見!

ドングリの帽子や葉っぱの色の違いを隊長に教わりました。

ドングリの葉っぱ ドングリさがしに夢中のサムネール画像   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大きい葉っぱ・・・もみじ?と声が・・・

隊長より、もみじにはハネのついたタネがあります。この木(楓)はフーという実がついています。

みんなトゲトゲのフーの実をさがしましたネ♪

大きい葉っぱ フーの実

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イロハもみじ発見!

木をゆらしてプロペラのついているタネをとばして、うわぁーと歓声が

木をゆらしてみました もみじ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地面で踏まれても強い緑の葉っぱオオバコです。葉っぱと茎を両手でひっぱると糸がでてきましたネ♪

糸が出たよ 糸見て!

 

 

 

 

 

 

 

 

ドングリやいろんな葉っぱを拾って博物館に戻り、地図に拾った場所の木や実を貼り付け、探検隊員の名前をかいて完成!!

地図はひとはくサロンで飾っています。

みんなで貼っています 完成!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次のふかたんは、来年33日(土)「ナゾの植物をさがせ!ふかたんクイズラリー」です。

布施主任研究員と一緒に写真をてがかりに、植物をさがして地図を完成させる予定です。

皆様のご参加お待ちしてまーす。

 

                   フロアスタッフ にしぐちひろこ

 

今日も自動撮影カメラの確認作業に出かけてきました。昨年10月から深田公園の雑木林で自動撮影カメラによる動物の観察を継続していますが、今回は定期的に撮影されている哺乳類のキツネを紹介します。定期的といっても毎日撮影されているわけではなく、月に1-2回程度です。


P7310007.jpg P7300006.jpgちょっと警戒しながら自動撮影カメラの前を通過。フラッシュで目が光ります。

撮影されている時間帯は大部分が夕方から早朝にかけての暗い時間帯ですが、時には明るい時間帯に撮影されていることもあります。


fox1.JPG2011年1月12日11時28分に撮影された写真。

これまでに一度に複数個体が撮影されたことはなく、いつも一個体だけが撮影されています。これらが同じ個体かどうかはわかりません。昨年10月からほぼ毎月撮影され続けていたのですが、8月7日を最後にここ数カ月は撮影されていません。


fox7.JPG2011年8月7日の写真。

どこかに行ってしまったのか、単に歩く場所を変えただけなのか、もう少し観察を続けてみる予定です。

北村俊平

お試しかっ!!

2011年11月23日

 ひとはくのホームページに携帯用ページがあるのをご存知ですか?

 

 トップページの左下にQRコードがありますが、これを携帯等の端末で読み取るとそのページを表示できます(PCでもQRコードをクリックすれば表示できます)。

 

 今はお試し期間中ですが、携帯用の壁紙がダウンロードできます。

 いつまで掲載できるか判りませんが、興味のある方はどうぞ ここから

写真が表示されたら、「画像を保存」または「壁紙に設定する」等の操作を行ってください(機種によって操作方法は異なります。)

zenkei_sasayama1.jpg篠山市の中央に位置する「篠山城のお濠」で、昨年度から外来種の駆除を行っています。この11月23日にも、たくさんの方に参加していただき、外来種の捕獲イベントを行いました。

 amibiki_sasayama2.jpg amibiki_sasayama3.jpg
 
写真にあるように、サーフネットでお濠の端から端までを引っ張ってゆきます。
今年は、たくさんの高校生が作業に加わってくれました。篠山産業高校、篠山鳳鳴高校、有馬高校のみなさん、ご苦労さまでした。来年は、水のなかにぜひ入ってください。

hokaku_sasayama.jpg (今年の捕獲状況) 2010sasayama_gairaisyu.jpg(去年2010年の捕獲状況)

昨年は大量に捕獲できたのですが、今年はやや少なめでした(約200匹弱)。

これは、数日前にたくさん雨が降って、お濠の水位があがってしまい、網引きによる捕獲効率が落ちたことに加えて、昨年度に根こそぎ採集した効果があったからなのか、良く分かりません。ただ、岸際に外来種の姿はほとんど見かけられませんし、捕獲数も昨年の5500匹からすると、およそ1/25以下になっているので、それなりに効果があったと思われます。ただ、残念ながら在来種は一匹も採れませんでした(途中でフナが逃げて行くのを見た人がたくさんいましたが・・・)。
今年も、オオクチバスはわずかで、ブルーギルが大半を占めていました。
ただし、超大物のカムルチーが2匹捕獲されました。

raigyo_sasayama.jpg ←子どもたちも興味津々。

現在、篠山市では、生物多様性の再生に関する取り組みを推進するため、「森の学校復大作戦」という名のプロジェクトが行われています。名称は森となっていますが、市内に残るすぐれた自然環境のいくつかを拠点として、その周辺の生態系を少しづつ手作りで再生してゆく取り組みです。
この拠点のひとつが篠山城です。篠山城は、市のシンボルであり、重要文化財にも指定されていて、多くの観光客が訪れます。日本の古き良き文化を鑑賞にきた人が、お濠に眼をやると、外来種だらけ、水は汚い、というのは問題ありです。

2010sasayama_dobugai.jpg ←これがドブガイです。

 それと、このお濠には、たくさんのドブガイが生息しています。ドブガイというと聞こえが悪いですが、水の浄化にはとても役だっています。プランクトンをたくさん吸い込んで、濾過して食べることで、窒素やリンを身体に蓄えるわけです(カモなどに食べられて系外にゆけばばっちりです)。
 昨年に測定した密度だと、中規模集落の下水処理場に匹敵するぐらいの能力があります。もし、篠山城のお濠からドブガイがいなくなると、アオコや植物プランクトンが大発生し、まみどりの水になったり、臭くなるかもしれません。
 その重要な役割を果たすドブガイが生きてゆくには、在来の淡水魚(フナ、ヨシノボリ、ドジョウなど)が不可欠なのです。貝の卵からかえった幼生は、池の底で暮らすまえに、魚のえらに付着して、そこで少し大きくなります。この付着する魚が在来種でないとダメで、外来種だと脱落して死亡する確率が高まります。
 つまり、お濠の水質を保つためにも、外来種を駆除して、生物多様性を保全しないといけない、という訳です。ちなみに、生物多様性が消失したお濠では、水質浄化の装置を運用するだけで、年間で数百万円の費用がかかるそうです。今風の表現で言えば、「生態系サービス」というのですが、生物多様性を保全することは、財政上も有益なのです。

オオクチバスの駆除をはじめ、篠山の自然環境や再生に関心のある方は、篠山市のHPもぜひご覧下さい。
http://www.city.sasayama.lg.jp/simin/simin-morinogakko.html

(みつはしひろむね)

shirosyakujyou_plaem.jpg  brumania2.JPGのサムネール画像
兵庫県では、70年ぶりに発見された幻の植物「シロシャクジョウ」ですが、以前のブログでもアナウンスしておりましたとおり、この2011年12月2〜3日に丹波文化活動交流会(in 丹波の森公苑にて展示する運びとなりました。封入標本は、本邦初公開になると思います。また、このシロシャクジョウについての学術情報などもあわせてポスターで紹介される予定です。
関心のある方は、ぜひ足を運んで頂ければと思います。

展示は、丹波自然友の会の皆さんのブースにて行います。採集を案内くださった長井代表をはじめ丹波自然友の会の皆さんに感謝いたします。

(みつはし ひろむね)

 久しぶりに星の話など

 

 「しし座流星群」がまもなく極大をむかえます。
 多い時には、1時間に数十個から数百も観測されたりとか・・・・時には千単位の時もあったそうですが。
 しかし、観測の条件にも大きく左右されることと思います。

 今回は、11月18日(金)の真夜中あたりが最も見やすいとも言われていますが、しし座がちょうど月と火星の間近にあるので、光に遮られて見えにくいかも知れません。

真夜中の東方の空 それでも大きな光球や反対側なら見えるかも知れません。
 是非、観測してみてください。
 今夜のお天気はどうかな?

  ※上の画像は「stellarium 0.10.6.1」を元に加工しています。このプログラムは、ここから入手できます

 

 NPO法人 人と自然の会(ひとはく連携活動グループ)さんでは、オープンセミナーとして、「四季の星空案内」の講座を開設されています。次回は12月4日(日)ですが、星空に興味のある方は是非お越しください。

 今年の紅葉に、なんだか物足りなさを感じています。

 どうしてなんでしょうかねぇ?いつまでも気温の高い日が続いていることと関係があるのでしょうか。

 

 気を取り直して、深田公園のプチ観察会

    主催:自分  参加者:自分  場所:深田公園

 見つけたモノ:写真でどうぞ!!

 

すみっこですひとはくの建物の端っこに階段があります。そこからみた景色です。建物のガラスの壁面、そこに写った月、紅葉、青空 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

カリンジャムにしたら美味しい公園の片隅にあったカリン。このカリンの実のジャムが美味しいらしい。ノドにも効果があるらしい 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今 一番赤いビオトープの上流の隅っこにあった紅葉。円形劇場のところからも目につく、今一番赤い紅葉 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはなんだ?

これはなんだ?こぶができてるぞ。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

もみじのトンネル?ひとはくから深田公園におりていく階段を進むと、頭の上に紅葉の枝が張り出していて、トンネルのようです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あぁそうでした。昨日拾い集めたサクラの葉っぱ。たくさん拾ったので並べてみました。

 あなたならどんな風に並べますか?

 

カラフルですか?  

 

今日のお昼休みに見つけた葉っぱ

 

きれいでしょサクラの葉っぱでした。

太陽光に透かしてみると、葉脈がとてもきれいでした!!

「第2回 ひとはくいきものかわらばん」の展示が始まりました。全661点の作品。

s-P1080355.jpgそして、応募資格のない私は、今年も1人いきものかわらばんを始めました。
巣から羽化したばかりのオスのスズメバチ2匹を10月25日(火)に大谷主任研究員からもらって、飼いはじめました。

                  P1080314.JPG    P1080312.JPG

       (スズメバチの巣)      (成虫になったばかりのスズメバチ)

「スズメバチ!大丈夫???」と思ってくれた優しい ひとはくブログの読者のみなさま。
安心してください。針をもっているのはメスだけで、ハリのないオスは刺せません。


(去年は、セグロアシナガバチを飼っていました。

 ☆私のいきものかわらばん

 ☆いきものかわらばん 番外ブログ編2 〜ハチのオスは刺さない(^^)

 ☆私のいきものかわらばん 続編3〜ハチと過ごす年末年始


 ☆標本になったハチたち

去年長くアシナガバチを見てきた私にとっては、スズメバチはとても大きく、なかなか見慣れなかったのですが。日が経つにつれ、この大きさになれてきました。
でも、このスズメバチたちは、私の仕事机の隅に置いていますので、みなさんにはご覧いただけないんです・・・。

P1080320.JPG

              (お食事中です(*^¬^*))

でも、見たい、触りたい人は、4階カウンターでもフロアスタッフが飼っています。
是非、来てください。スズメバチをこんなに近くで見られる機会はなかなかないですよ。


                            小林美樹(生涯学習課)
              

 今日もシトシト雨が降っています。

 

 そういえば10日ほど前に行った丹波っ子学びフェスタもそんな雨の中でした。場所は柏原の丹波の森公苑。

丹波の森公苑

木の根橋の大ケヤキも雨にぬれてきれいでした。

有名な木の根橋

 生涯学習課西岡課長は化石レプリカづくり レプリカ ちんげんさいは講談+お絵かき「ぎっちょん君参上」「アリとキリギリス七変化」の2題でした。 高校生をこき使って!!

 

 丹波の子どもたちは算数や漢字のクイズにチャレンジの合い間に、“ひとはく”を楽しんでくれました。 チャレンジ!!  がんばる

えらい大勢集まったなあ、ひとはくも人気やなあと思っていると、なんと賞品はなでしこジャパンの選手のサイン…そんでかいな。

ホンモノのサイン   ほしっ

 

 キリギリスのネタをしましたが、キリギリスはもちろん鳴いておらず、鳴く虫もカネタタキくらい…あーぎっちょん君の季節も終わりさびしくなったなあ…鳴く虫講談も今年は終わりかいなあ〜としみじみしていると、

あーアケビあけみ じゃないよ アケビ

 途中のお店にアケビが売られていました。

 あけびあけび そうです、アケビ…AKB…あKB48や!

 

 

 

 と、さっそく新キャラ描いてみました <-----単純やなぁ!!

うほっ

思いつきのヘンなキャラですが、いつか陽の目をみる日が来るか?小舘研究員、なにかで使ってやってください…どう?

 

ひとはく地域研究員 河南堂珍元斎

ひとはく駐車場から本館への途中でこんなものを・・・・・・ 

八重に咲くヤブツバキ 今朝撮影しました。何日か前から咲いていました。小舘研究員に聞くと「ヤブツバキ」の一種で八重のモノだそうです。

 そして、「何で今の時期に?」ということもお聞きしました。

 

 

 そういえば、こちらの写真。これは、今年の47日の花の様子です。

今年の春先です あれれ? 4月に咲いて、また11月に咲いてる?! これって、「狂い咲き」って現象なのかな? ふつうは1・2月-3・4月頃に花が咲くように思いますけれども・・・・・・。

 

 不思議に思う方は、是非ひとはくに来て研究員からお話を聞いてみてください。

こんなに暖かいのに

2011年11月 8日

こんなに暖かいのに立冬?

 

 暦の上では、今日8日は二十四節気のうちの一つ「立冬」。冬ということだけれども、なんだか調子外れですね。でも、油断して風邪などひかないように、十分ご注意ください。

 

冬は確実にそこまで 深田公園の近くでは、葉っぱの洋服をほとんど脱いでる街路樹もあります。

 

 

情報管理課:八尾

今日の三田は、とてもよく晴れています。いわゆる「快晴」。

 爽やかな秋空、というよりも、ちょっぴり汗ばむ陽気!!に包まれています。

 

色づき始めた葉っぱたち 明後日6()はお待ちかねの「ひとはくフェスティバル」です。

 どうぞ、ご家族おそろいでお越しください。当日は関西文化の日 入館料は無料となっております。

 

情報管理課:八尾

 

 

11月は何番目の月?

2011年11月 1日

1が並ぶ話は、前のblogで書きました。

 今回は「November」について

 

 

 いきなりですが、この「November(英語)」というのは、ラテン語の「99番目」という意味の「novem」という言葉に由来しているそうです。

 「えっ? 9番目!! なんで、11月は11番目じゃないの?

という突っ込みが聞こえてきますね。そうですよね。なんで11月なのに「9番目の月」なのでしょう?

 

 

 それには訳があるようで調べてみると・・・・・・紀元前46年まで使われていたローマ暦が3月始まりだそうです。つまり11月は、3月から数えて9番目ということだそうです。

 ちなみに、8番目にあたる10月は、英語では「October」になりますが、これもラテン語の「8」を意味する「octō」から。7番目にあたる9月はSeptember。ラテン語の「7」を意味する「septem」からきているということです。

 

 

 つい最近、「マヤ暦」の話題で盛り上がっていたようですね。暦の種類は本当にたくさんあるので、覚えるのは難しいと思いますが、調べると面白いことがいっぱいありますよ。

 

 

 ★☆★☆★

  時間がある人は、ローマ暦も調べてみてください。「なんで3月始まりなの?」みたいな疑問や「えっ!!日付のない期間が60日間もあるの!!」みたいな発見もあります。

 

 

 

 

7,000,000,000 !!

2011年10月30日

 なんと、明日20111031日 世界の人口は7,000,000,000人に達するそうです。

 0が多すぎてわかりませんが、70億人ですって!!

 私が生まれた頃は30億人とか40億人だったから、2倍近くになってるんですね。驚きです。

 

 なので、国連人口基金東京事務所では、世界人口が31日に70億人に達するのを記念し、31日に国内で誕生する赤ちゃん全員を「70億人目の赤ちゃんたち」の一人として祝福し、希望者に認定証を贈ることを決められたそうです。

5月3日のイベント「カブトムシの幼虫を飼ってみよう!」で、フロアスタッフが育てていた幼虫が無事成虫になったことは、このブログで何回かご案内しましたが、その成虫が産んだ卵が、こんなに大きく育っています

 

 

カブトムシの幼虫のサムネール画像             カブトムシののサムネール画像 

 

 ウンチもたくさん・・・  

 

 

s-P1090908.jpgのサムネール画像              カブトムシのサムネール画像                      

土を全部取り替えて さっぱり!!  新しいベッドにアッという間に

                  もぐっていきました(^−^)

 

来年の夏、元気で会えますように。

 

 

なんと!!自宅で飼っているカブトムシはまだ元気にしています。

食欲の秋です・・(*^_^*)  カブトムシの成虫  

 

                         フロアスタッフ ありむらむつこ  

 

 

 

   

 

 

 

「シリーズ 勝手に!?◯◯観察会」を実施しました。

 場所は人と自然の博物館の建物の周り。時間は昼食後の昼休み。

  主催者:自分 参加者:自分

 デジカメを持ってブラブラ散歩しながら写真を撮ります。天気がいいと散歩も気持ちよくて・・・・ついつい遠くまで足を延ばしたくなります。

汗ばむ天気でした 

 そこで、今回は「なぞなぞ」風にしました。

 

 【問題】

  次の植物に共通するのは・・・・・・?

  ライラック・ネムノキ・ノジギク・モクレン・ヒマワリ・ハナミズキ・キキョウ・サクラ

 

 

 

 難易度は 高い です  <<一般正解率 4.8%?!>>

 正解は 下↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライラック橋  ネムノキ橋  ノジギク橋  モクレン橋  ヒマワリハシ  ハナミズキ橋  キキョウ橋  サクラ橋 正解は、ひとはくの近くにある橋の名前でした。 チャンチャン♪

 

 

情報管理課:八尾

  

神戸市北区大沢町のアオノリュウゼツランの「その後」の「その後」です。

10月も半ばになり,例のアオノリュウゼツランはこのような状態になりました。

zensou.jpg

 

開花していた2ヶ月前(2011年8月)と比べると,ちょっと寂しい感じになりましたね(開花中の様子はこちら)。

花序をもう少し拡大して見てみましょう。

 

up.jpg右端に着いている丸い黄緑色の物が若い果実です(この写真には2つ写っていますね)。

でも,殆どの果実がすでに落ちています。やっぱり大沢町では,種子をつくるのが難しいようです。

slice.jpg 

地面に落ちていた若い果実を切ってみました。

左と中央は縦割り,右は輪切りです。

未熟な白い種子がぎっしりとつまっています。

種子にある翼もお見せしたかったのですが・・・未熟すぎて上手く撮影できませんでした( T _ T )。

 

 

  kabu.jpg 

葉の様子はこちら。だんだん枯れてきましたね。

アオノリュウゼツランは多年生植物ですが,一回結実性なので,開花した株は枯死します。

この株は50歳。

最期の約半年におきる劇的な変化を目の当たりにすると,改めて生き物の「すごさ」に感じずにはいられません。

 <写真:もりまさあき(次長),文:布施静香(主任研究員)>

 

 「シリーズ 勝手に生き物観察会植物編」を実施しました。

 場所は人と自然の博物館の建物の周り。時間は昼食後の昼休み。

  主催者:自分 参加者:自分

 デジカメを持ってブラブラ散歩しながら、見つけた花などの写真を撮ります。

 今日の色!!

いろいろないろ

 

情報管理課:八尾

shirosyakujyou_plaem.jpg

前のブログで紹介しておりました『シロシャクジョウ』の封入標本が完成しました。

上の写真はコンパウンドによる磨き上げが完了した状態です。
残すはケイ素ポリマーによる無機ガラスコーティング処理とフッ素コーティングだけです。ガラスコーティングの前に写真を撮らないと、反射がきつくてきれいに撮影できません。
これは、別の観点から説明すると、表面のかすかな傷をポリマーが穴埋めして、より透明性を確保すると同時に、鏡面効果により紫外線カットの役割を果たします。そのことで、樹脂や標本の劣化を抑えます。そのあと、フッ素樹脂によるコーティングを行います。これは、表面の摩擦係数を低下させて、ハンズオン展示の際の『すり傷』を減らす役割を果たします。

ときどき、各地の博物館でみかけるプラスティック封入標本ですが、このように細かな配慮がなされて展示されています。みなさん、ハンズオン展示といえども、丁重に取り扱ってくださいね。

この標本ですが、シロシャクジョウの発見者であり、採集の案内をしてくださった『丹波自然友の会』の皆さんとの共同で、12月のはじめに披露したいと思います。また、日程と場所が決まりましたら、ご報告いたします。

ここで宣伝です!
11月19日に当館にて『封入標本づくり』の実習講座があります。
http://www.nat-museum.sanda.hyogo.jp/education/11syousai/F08.html

10月30日までが締め切りですので、関心のある方は早めにお申し込みください。
小学校の授業で限られた時間でも完成させる迅速な製作法の紹介から、博物館の常設展に利用するレベルの本気テクニックも交えながらの実習となります。
毎年、まったくはじめての方から、展示会社のプロの方まで参加されていますので、どなたでもお申し込みして頂いて問題ありません。
当日は、製作した標本をお持ち帰りいただけます。

ちなみに、昨年はこんな面白いものをつくった方もおられました。
frognohone1.jpg
*壊れやすいカエルの骨格標本が手にとってじっくり観察できる


 
shell_iroiro.jpg
*ある海岸の貝類を一堂にあつめて一挙に見ることができる

半数ぐらいの方が、標本持参での参加です。気合いが感じられます。
ちゃんと封入用の標本も用意しておりますので、手ぶらでの参加も大丈夫です。
(過去には北斗の拳のラオウのフィギュアを封入してた人もいましたが・・・)

自然史博物館の役割は、素朴に自然とのふれあい体験をお手伝いするだけでなく、一手間をかけて(実は身近にあるのだけれど)非日常的な体験や理解を提供すること、できれば、標本だけでなく、その”技法”をお持ち帰りできるようにダウンサイジングすることにあります。
この『お持ち帰りできる技法』という部分がとても大切です。もっと言うと、『お持ち帰り』して、まわりの方に自慢していただく、自らが生物多様性の『語り部』になって頂くことです。そして、その方が地域での展示会や観察会に活用していただくことが、博物館の到達目標のひとつです。

こうした普及プロセスを促進するためにも、展示技法のイノベーションが重要となります。そのひとつが封入標本づくりの技法であり、現在も、「より手を抜いて作る方法」や、「よりきれいに作る方法」、「これまで封入できなかったものを封入する方法」、「傷が付きにくいコーティング方法」等の研究開発を続けています。これに加えて、効果的な講座の開催方法や、学校教育でのカリキュラム化や環境政策のなかでどのように組み入れるのか、といった活用の機会と場についてもあわせて社会実験や研究を行っています(例えば豊岡市のコウノトリに関する普及教育/ VIDEOHP )。

セミナーでは、こうした側面についても、多様な分野の知を集積し、実践的に再構築する体系としての「博物館学」を解説しますので、博物館活動に関心のある方も、ぜひご参加頂ければと思います。
(来年度から博物館学芸員養成課程のカリキュラムが大幅に変わりますので、博物館展示論を担当される実務経験ゼロの大学教員の方の参加もウエルカムです!)


(みつはしひろむね)

今回のインドネシア滞在中、唯一、森を訪れることができたGede Pangrango National Parkという国立公園を紹介します。最高峰は3000mを超えており、公園の玄関口となる町チボダスでも1250mあります。週末になると避暑地として利用する人が多く、私たちが移動した土曜日は、早朝からボゴールやジャカルタからチボダスへ向かうたくさんの車で渋滞していました。


javatea.jpg途中、朝食を食べに立ち寄った食堂からは眼下に茶畑がたくさん見えました。ジャワ島で茶畑を見ながらいただくホントのジャワティー?

2時間半ほどのドライブで目的地であるチボダスに到着し、9時から登山を開始しました。一日で山頂まで登るのはちょっと難しいので、今回は2100mにあるAir Panas(インドネシア語でAirは水、Panasは熱いという意味で、お湯が出ている)を目指して歩きました。

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登山といってもひたすら写真撮影しながら登るので、ゆっくりしたスピードです。わたしも果実を見つける、これ何が食べるのだろうか?と思いながらついつい写真を撮ってしまいます。熱帯山地林を訪れるのは初めての経験でしたので、普段、調査を行っている森との相違点を楽しみながら上を目指しました。林冠を構成するのは、ツバキ科のイジュSchima wallichiiやマキ科のDacrycarpus imbricatusなど。これらの樹木の幹には、着生植物やコケがたくさん見られる森でした。

 

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途中に昼食休憩をはさみ、調査候補地の下見などを行いながら13時ごろに目的地であるAir Panasに到着。熱いところは45度くらいの温泉がわき出ているそうで、登山客の中には、お湯につかっている人もいました。

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湯気でいっぱい。

帰りはサクサクと歩いて下山したので、ふもとに到着したのは午後5時ごろ。ほぼ一日歩き続けて熱帯山地林を堪能しました。でも着生植物まで含めた調査はなかなか大変そうです。

北村俊平

 「シリーズ 勝手に生き物観察会」を密かに実施しました。

 場所は人と自然の博物館の建物の周り。時間は昼食後の昼休み。

  主催者:自分 参加者:自分

 デジカメを持ってブラブラ散歩しながら、見つけた生き物(昆虫や鳥や動物や植物などなど)の写真を撮ります。

 今日の獲物!!

 

1211024 P1060206.JPG  1221024 P1060208.JPG  1231024 P1060218.JPG  1241024 P1060222.JPG  1251024 P1060224.JPG  1261024 P1060226.JPG  1271024 P1060209.JPG などなどです。 

 

 情報管理課:八尾

先日、新聞に掲載されました腐生植物の「シロシャクジョウ」ですが、封入標本の製作に挑戦しています。もちろん、花もついた完品状態の標本です。
布施さんからの依頼で製作することになりました。

シロシャクジョウの再発見で、研究員の布施さん、鈴木さんのテンションがとても高い。
それもそのはず、兵庫県RDBのAランクで、70年ぶりの発見ということです。
http://www.hitohaku.jp/blog/2011/08/post_1326/
こちらも標本づくりモードのテンションがちょっとあがります。

シロシャクジョウは、超希少種で、しかも栽培も難しいうえ、さく葉標本にすると変色&変形してしまいます。これを一般の方に、鑑賞に堪えうる状態で見て頂けるようにするためには、もはや封入標本しかありません。
無事に封入標本が完成すれば、おそらく「世界初!」でしょう、多分。
(すでに製作している方がいればお知らせ下さい!)
文字通り「世界で一つだけの花」状態です。

先日から、タイマーとピンセットと有機溶剤を両手に、封入標本の製作を開始。
時間とともに変化する樹脂の粘性を見計らって、液体を注入してゆきます。
これまでに製作してきたどの標本よりも、難易度が高い代物です。
今までに最も難題だったのはコウノトリの羽(羽毛)と、伊丹昆虫館さんからの依頼で作ったセアカゴケグモ。これらは失敗しても拾ってくれば済むのですが、シロシャクジョウは予備なしで失敗が許されません。こういう難易度の高いものは業者さんも引き受けてくれないので自力でやるしかありません。

なんとか無事成功!
本日、組織を透徹させることなく、立体構造を崩すことなく、破損せず、泡が入ることなく、封入することが出来ました。

R0013246.jpg

こんな感じで、今は100円ショップの容器のなかに入っています。これから研磨して仕上げます。
この標本を見ることができるのは、きっと「ひとはく」だけです。
近いうちに、ひとはくで展示したいと思います。乞うご期待。

ちなみに、昨年度に展示していた「キヨスミウツボ」も、きっと世界初でしょう。
こちらは、春に展示をご覧になられた方もおられるかと思います。植物愛好家の方々からも、生きているときと遜色ないとのご意見をいただきました。

R0013265.jpg

できるだけ実物に近いかたちで、【本物】を実感できる標本製作技術を開発することも、博物館の役割の一つです。 その一貫として、海産魚類のプラスティネーション標本も作成し、現在、ジオキャラバンで展示しています(10/23までは鳥取県岩美町の渚交流館で展示)。
トロ箱を展示ケースとして配置して、そこに魚や貝類のプラスティネーション標本とプラスティック製の氷(ニセ氷)をいれています。魚屋さん風の展示スタイルで仕上げてみました。

IMG_torobako_kawahagi.jpg  torobako_kairui.jpg

興味のある方は、移動展示として実施している「ひとはくジオキャラバン」にお越し下さい。

(みつはし ひろむね)

 

9月中旬に九州大学が中心となった調査チームの一員として、インドネシアのジャワ島を訪れる機会がありました。今回は調査許可申請やインドネシアの共同研究者との打ち合わせが多く、調査地を訪れる時間は余りありませんでした。ただ、宿泊先がボゴール植物園という東南アジアを代表する植物園内のゲストハウスでしたので、そこに植栽されていた植物から目に付いたものを紹介します。

 

ボゴール植物園は、インドネシアの首都ジャカルタから車で1時間ほどの距離にあり、面積は80ヘクタールほどです(深田公園の4倍以上!)。

 

IMGP0011.jpg 

園内図。中には巨大な樹木も植えられています。

  

 

IMGP0033.jpgこちらは幹生花という熱帯でよくみられるタイプの花です。樹木の幹から花が咲き、そこに実がなります。お菓子に使われる植物ですが、ご存知でしょうか?

  

 

IMGP0030.jpgカカオです。大きな果実は長さが30cmほどになります。これはまだ若く小さい実ですが、熟すと黄色や赤色になるそうです。

 

IMGP0054.jpg

 

 

IMGP0055.jpg

 

 

IMGP0058.jpg  

こちらの色とりどりの果実は、いずれもサトイモ科。植物園内は科ごとに植栽されているので、同じ科内の植物を比較して観察することができて便利です。

 

IMGP0014.jpg 

 

IMGP0015.jpg 

巨大な果実がぶら下がっているのは、ソーセージノキというノウゼンカズラ科の樹木です。この仲間はアフリカゾウが種子散布することが知られており、個人的に見てみたい果実の一つでした。

北村俊平

鳶(とび)色の瞳に

2011年10月 1日

10月1日 年度の後半の始まりの日

空が高すぎるマンションの間から見える 高くなった空と広がる雲

 

そしてこの香り  秋ですね.......。

  ついつい探してしまう金木犀(キンモクセイ) キンモクセイ

   すぐ隣によく似た銀木犀(ギンモクセイ)  ギンモクセイ

 

 並べて比べると 違いがわかります 

花の色と葉っぱの形と匂いが違う

 私は小舘研究員に教えてもらいました

      金と銀 探してみてください

 

 

 ところで、タイトルにある「鳶(とび)色」って何の関係?

tai_chiku_landscape.jpg今年度も、「ENEOSわくわく生き物学校」を10月29〜30日にかけて開催いたしますので、ぜひご応募ください。当館は、この講座に協力者の一員として参画いたします。
開催場所は、兵庫県の一番北の端にある豊岡市田結地区です。講座の対象は、小学校高学年の児童と保護者の方の計2名のペア−で15組30名が定員となります。

この講座は、JX日鉱日石エネルギー株式会社(旧:ENEOS)さんのCSR事業の一環として、豊岡市が協賛を受けて開催いたします。企業と行政と市民と地域と博物館が連携した取り組みです。
田結地区は、写真にあるように、典型的な田園風景がまとまって残された地域で、湿地にすむ生き物も豊富です。今回は、この放棄水田の一角と小さな小川にて、生態系のしくみについて学ぶとともに、参加者の皆さんと一緒に、実際にスコップやクワを使って小さな自然再生(小規模な湿地づくりや魚の隠れ家づくりなど)を行います(詳しくはこちらへ)。
関心のある方は、ぜひご参加下さい。宿泊は、田結地区の民宿となります。
あわせて、日本海の美味しい魚介類も満喫して頂ければと思います。

「ENEOSわくわく生き物学校」

(1) 日時  平成23年10月29日(土)〜30日(日) 

        ・集合:JR豊岡駅29日(土)午後1時
        ・解散:JR豊岡駅30日(日)正午

(2) 場所  兵庫県豊岡市内
         県立コウノトリの郷公園および豊岡市田結(たい)地区

(3) 対象  小学4〜6年生の児童と保護者各1 名によるペア(計2名)

(4) 申込方法
    参加申込書に記入の上、郵送またはファックスで申し込みください。
    申し込み先は、以下のとおりです。
  
    〒668-8666 兵庫県豊岡市中央町2−4
            豊岡市コウノトリ共生課 「ENEOSわくわく生き物学校」事務局宛
            TEL:0796-21-9017 FAX:0796-24-8101
            e-mail:
kounotorikyousei@city.toyooka.lg.jp

    ■申込期限  10月5日(水) 
    ■参加申し込み書や詳細については下記のHPをご覧ください。
      「ENEOSわくわく生き物学校の開催について」(豊岡市コウノトリ共生課)
     PDFファイルのダウンロードはこちら→ 「チラシ」 ・ 「要項と申し込み書」

(5) 主催など

    ■主催  兵庫県豊岡市
    ■協賛  JX日鉱日石エネルギー株式会社
    ■協力  コウノトリ湿地ネット、豊岡市田結区、兵庫県立人と自然の博物館
    ■後援  環境省近畿地方環境事務所

 

●田結地区について

田結地区は、湿地状になった放棄水田が広がり、多様な水生生物が見られます。カエルやヘビも豊富で、放鳥したコウノトリの餌場として重要な地域となっています。ここ数年は、この地域の方々と一緒に、様々な自然再生事業に取り組んでいます。豊岡市役所を筆頭に、兵庫県但馬県民局コウノトリ湿地ネット東京大学の野外実習JALの社会貢献活動日本経団連の支援などを通じて、多くのセクターが参画し、地域の活性化と生物多様性の保全と再生が展開されている大変ホットな田園空間です。当日は、コウノトリが餌が食べにくるところを見れるかも知れません。
また、田結地区は山陰海岸ジオパークの一角に位置するとともに、ラムサール条約登録湿地の候補地における重要な拠点にもなっています。余談ですが、田結地区でとれるワカメは、神水わかめと呼ばれており、大変歯ごたえと味がしっかりとした高級食材として有名です(このワカメを食べて育つアワビはもっと美味しい)。
taideanahori1.jpg(みつはし ひろむね)


先日、川の観察会に参加していた高校生から、博物館ではどんな仕事があるのか、話が聞きたいと尋ねられました。ひきつづき、その観察会が終わったあとも、某大学の4年生にも同じような質問を受けました。どちらも、標本収集や展示製作、観察やセミナーの実施といったこととは別に、環境問題に関する国際協力について関心があるが、HPを見ているだけでは分からないということでした。
そんなわけで、博物館の取り組みを少し紹介したいと思います。

国際的な協力という点では、ボルネオジャングルスクールをはじめとするマレーシアサバ州のボルネオプロジェクトや、地球規模生物多様性情報機構GBIF)への参画などがあります。こうした生物多様性に関するプロジェクトとは別には、JICA(国際協力機構)からの依頼の受けて、海外の方々に専門的なセミナーを実施しています。
先週の金曜(9月16日)に、JICAと名古屋大学が事務局となったプログラム「土地利用と自然資源分析の情報管理技術」に関する実習を開催しました。参加されたのは、世界各国の環境や資源管理に関わる行政職員8名、スタッフ2名です。出身国もバラバラで、アルゼンチン、ブルキナファソ、カンボジア、インド、ケニア、マラウイ、ミャンマーです。各国の天然資源管理を司る重要なポストで働く方々で、なかなかこちらも気合いが要ります(各国を代表して来られているので、入館者として各国の人口に換算して加算したいぐらいです・・・)。

IMG_0032a.jpg博物館が受け持つパートは、丸1日の講義と実習です。収蔵庫を案内して、標本管理やデータベースのシステムについて解説。そして、生物多様性情報を活用した生態系保全計画や自然再生の立案に関するケーススタディーを通じて、自然史系博物館の社会的な役割について解説することです。こうした解説のあと、実際にパソコンでGIS(地理情報システム:パソコンで地図になった情報を扱う小難しいソフト)を用いた資源情報の入力とマッピング作業を行います。

ここでは、市販の高価なGIS(数十万円する)を使ったスキルや、ややこしい統計解析や処理・加工を教える訳ではありません。なぜなら、今回の参加者が使えるようになっても、ソフトが数台しかなくて(高価なんで)、各国で数名しか扱えないようなスキルを身につけて帰国しても、資源管理やデータベースの構築の役に立たないからです。各国で関心のある若い人が自分の力で自由にデータを整備したり、解析できるような「ツール」と「スキル」がセットで提供されることが必要となります。
さらに、国全体の膨大な天然資源管理を対象とする訳ですから、データ入力を彼ら一人で対応するわけには行きません。アルバイトの方や職場の同僚などに協力を求める必要があります。そうなると、「ややこしい」ソフトで「高価」だと無理なんです。誰もが自由に、コツコツとデータ入力して、地図づくりが面白いと思ってもらえる技法を提供することが重要な訳です。

そんなことで、無料のGISソフト、無料で使えるデータを駆使して、短時間に、僕のいいかげんな英語でも視覚的に理解できるようなツールを紹介しないといけません。 これがミッションです。 IMG_0034.jpg実習では、すでにフリーのGISソフトである Q-GISを利用した専門的な講義がなされています。昨年度は、当館の講義で担当しましたが、今年は名古屋大学のほうで担当されました。Q-GISはとても分かりやすい操作画面でデータ編集や空間処理、表示などで優れた機能を持っていますが、解析やメッシュ状のデータ(ラスターデータといいます)の処理には課題があります。

この部分を補うために、DIVA-GISというフリーのGISソフトを利用します。このソフトは、カリフォルニア大学バークレー校のR.Hijimansを中心に開発されたもので、ペルーの国立ポテト研究所やMuseum of Vertebrate Zoologyなどが、途上国の天然資源管理の一助になるように支援して製作されたソフトです。テーマ的にもぴったりなうえ、各種解析機能も豊富で、研究論文の解析にも活用できるレベルの充実ぶりです。ただし、データ生成や編集の機能は貧弱なんで、Q-GISと組み合わせて使うのがベスト・ミックスなんでしょう。
それと、このDIVA-GISのページには、各国のデータをダウンロードできるページがあります。南米では絶大な人気を誇るので、知ってる研修生もいるかと思いきや、DIVA-GISもデータダウンロードのページも初体験とのことでした。これが大変便利で、今回参加された方々からは、「こういう技術が知りたかったのよ! by ケニアのお姉さん」とのことで、ほっとしました。ページは英語ですが、関心のあるかたは、ぜひ体験してみてください。

一方で、すでにGISデータになっている電子ファイルを読み込むには、Q-GISは便利ですが、一から位置情報が入ったデータをつくるには、ちょっと面倒な作業が伴います。できれば、「エクセルを使って、位置情報を手軽に登録して行きたい」、「GoogleMapsを使って登録したい」というのは、万国共通の感想のようです。そこで、GoogleMapsとエクセルを使ったデータ取得ツールであるオリジナルソフト「getlocation」を用います。毎年、このJICA用にカスタマイズしています(画面はtokyo datumになってますがWGS84にもなる)。簡単に位置情報が取得できるので、みなさん持って帰って各国で使って頂けそうです。
getlocation_buruki.jpg  burukina.jpg
(左:GoogleMapsとエクセルを使って位置取得します。右:Diva-GISでブルキナファソの基盤地図をつくり、ポイントデータをプロット。)

こうして、午後からの約2時間ちょっとをかけて、自分の国の基盤データをDLしてGISデータとして整備し、天然資源のGISデータをつくり、なんとかマッピングできました。
どの国であっても、簡単な資源情報を入力し、色んな地図上に重ねあわせて、各資源が位置する場所の標高や土地利用、気候情報との関係を自動取得する方法を習得していただきました。

博物館では、研究、展示やセミナーだけでなく、こうした仕事もあります。
最先端の研究や技術を使って全力投球する局面も必要ですが、国際協力や色んな世代や職業の人々に技術提供や担い手育成するためには、ダウンサイジングとカスタマイズが必要となります。このあたりの工夫が博物館の仕事に要求されています。

博物館では、特注セミナーというかたちで、幼児から社会人、高齢者の方まで、あらゆる世代の方々を対象とした生涯学習を提供していますので、ぜひ体験して頂ければと思います。

(みつはし ひろむね)

9月2〜3日にかけて降り続けた雨で、紀伊半島の南部では大変な水害が起こりました。
この洪水で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

さて、兵庫県の川でも、この雨で水位があがり、川はとても危ない状況になりました。
川の観察会や川遊びをされる方は、雨の状況に十分に注意して頂ければと思います。

とは言っても、雨がたくさん降ると川がどんな感じになるのか、実際に眼でたしかめた方は少ないと思います。普通のひとは、雨だと屋内にいて、川の近くに様子を見に行くことがないからです。
今回は、武庫川の上流で観察会が予定されていたのですが、中止となったので、各地の写真を撮ったり、集めてみました。実際の様子をご覧ください。

yagigawa_2011flood.jpgまず最初は、円山川水系の八木川です。9月3日の夜には満水近くまでになりました。
普段は、きれいな川なんですが、雨が降るとこんな感じになります。

次は、六甲山系の芦屋川です。
ashiyagawa_flood2011.jpg  ashiya_norm2.jpg

増水すると、流速がとてもはやく、恐ろしい状態になります。
この川の洪水の様子は、NPO法人さんぴぃすさん が撮影してくれました。
こちらのホームページには、動画もあります。 【こちらをクリック
さんぴぃすの大脇さん、河口さんありがとうございます。
ashiya_norm.jpg  普段は水がちょっと少ないぐらいで、堰堤の下で川遊びする子ども達が良く見られます。
 (堰堤の下から堤防の上に逃げようと思うと、登り口まで結構距離があります)
 大雨が降ると、一気に水かさが増えるので、川で遊ぶ方は逃げる場所もよく考えて、おりてください。

次は矢田川です。川の瀬と淵がきれいにできあがった場所が多く、セミナーでもよく使う写真です。
川の流路幅が十分あって蛇行部分の岩が残されている自然度の高いところです。
yatagawa_norm.jpg  yatagawa2011_flood.jpg
一面が川になってしまいますが、よく見ると、所々に流れが緩いところもあります。こういった場所に大きな礫が溜まったりします。ちょっと戸惑うかも知れませんが、こうした洪水があるおかげで、瀬や淵が維持されています。上流側にダムができて、洪水が弱くなると、瀬や淵は形成されにくくなります。


最後に三田市で博物館から最も近い川、池尻川です。
ikejiri_normal.jpg  ikejiri_flood2.jpg
普段は、ほとんど水が流れておらず、水よりもアオミドロの方が良く流れているぐらいの川です。
ですが、洪水になると川の勾配がきついために、水の勢いは強くなります。

ikejiri_norm2.jpg  ikejiri_flood.jpg
これも池尻川の写真です。こうした洪水のときには、水生昆虫は川底や周りの植物の根元などにもぐりこんで逃げるのですが、川底が3面張りで逃げ場がないので、多くの水生動物は流されていまいます。特に、泳ぐことができない、カワニナなどは、ひとたまりもありません。
 この状況を軽減するために、『水辺のフィールドミュージアム研究会』のみなさんと一緒に、写真にあるような『障害物』を設置しています。おかげで、写真にもあるように、水の流れが左右に振れて、ブロックの裏側には流れが緩いところが出来上がっています。
 *詳しくは、久加ら(2010)をご覧下さい。

川の生物のことを考えるときに、水の汚れだけに関心が行きがちですが、川の生物の観点からも、川で遊び人々の観点からも、洪水のときに、速やかに逃げる場所があるか、ということも重要な点になります。

一方で、こんな増水でも、全然、水が穏やかで、まるで池のような川面のところもあります。そこはどこでしょうか?
matuyamagawa_kaya1.jpg円山川水系出石川の加陽地区です。本流との合流点に近いうえ、勾配が極めて緩く、潮位の影響をうけるために、流れが全然ありません。通常で潮位が低いときのほうが流れがあるぐらいです。

ここは、12匹のコウノトリとおばさんと牛が映っているポスターの写真が撮られた場所としても有名で、コウノトリもよく餌を食べにきます。周りは大洪水にも関わらず、カモが悠々と泳いでいます。サギたちも、逃げてきた魚を狙って大集合しています。
このように合流点近くでは、水の流れが複雑になって、ところどころで沼のような場所や逆に流れが速い場所ができあがり、すんでいる生物の多様性が局所的に高くなります。こうした川の仕組みを良く理解して、自然再生事業に取り組むことがとても重要なります。
 *詳しくは、Osawa. Mitsuhashi,Niwa,Ushimaru(2011)をご覧ください。

これからも台風がいくつかやってくると思いますが、安全なところから洪水のときの川の様子をみると、その川の特長が良く分かります。
最後に、しつこいようですが、雨が降り始めたり、山のほうに雨雲がかかっていたら、川遊びや観察はやめて、安全なところに避難してください。川の洪水は、とっても危険です。

【参考】
兵庫県地域の風水害対策情報のページ 
防災学習(洪水編) 

(みつはしひろむね)

BlueSky

2011年9月 7日

真っ青真っ青!!!

 

  でも.........。

 

 雨後の晴天の紫外線は、空気中のチリやホコリがキレイに流されているので、十分に注意が必要だそうです。

 さて、久々のちんげんさいのタヨウ星人みーつけた!の一席でございます。パパンっ


 時は9月5日の朝。
 台風一家の殴り込み…イヤ、台風一過の青い空、白い雲。さわやかな天気に誘われ、ふらりと播磨の国の塩屋村にある塩屋大池へ。

塩屋大池

 ふと、いつも通るサクラの木を見ると、太い幹の下にコブができてます。  見上げてごらん〜♪ 「あっ、台風で枝が折れたんかいなあ、あんなとこに枝あったかいなあ。」
 近づいていくと、なんとコブが動いています。

こぶこぶ こぶこぶっ 「サクラのコブが動いとる。ついにタヨウ星人発見かあ?サクラトラジロウかあ・・・」

と見ると・・・・・・

  そのコブはなんとミツバチのかたまりで…うじゃうじゃうじゃ〜といてはります。

いち に さん し ご ろく しち 蜂!!! 「これはセイヨウミツバチの分蜂蜂球かあ?新女王が誕生したら母女王は働きバチを連れて出て行くっちゅう巣別れかいなあ。ひとつの生き物みたいやなあ。こりゃハチダマちゃんやな。」と勝手にハチダマちゃんと愛称をつけ、さっそく大谷ハチミツカメン、イヤ、大谷剛研究員に聞いてみました。

 大谷:「セイヨウミツバチの分蜂群なら5-6月に多く、今はまずありえません。ニホンミツバチの逃去群なら今の時期に多いです。オオスズメバチから逃げ出してきた蜂群なのです。」

はち はち はち はち はち はち はち はち
 珍 :「えー!襲われたんかいな。かわいそうに。そういえば、ハチダマちゃん、おびえているような…」
 大谷:「ニホンミツバチがオオスズメバチの激しい攻撃に出会うと、無謀な反撃をやめて、巣を捨てて逃げ出します。動きは分蜂群とほとんど同じです。違うのは元の巣に半分残すことなく、すべてが逃げて出るところです。新しい造巣場所が見つかるまで、「蜂球」をつくり、木の枝からぶら下がったり、木の幹にべったり張り付いたりします。こうした逃去行動が今日までニホンミツバチを生き延びさせてきたのです。」
 珍 :「なるほど…しばらく観察を続けます。」


 午後4時、再び観察に…
 「うわっ、スズメバチや!」なんとキスズメバチらしきハチがハチダマちゃんのまわりをブラブラ飛んでいます。

ぶらぶら さっそく大谷研究員に質問。


 珍 :「大変です。襲ったスズメバチがハチダマちゃんを追いかけてきてます!」
 大谷:「おそらく、違うスズメバチでしょう。今、ミツバチを狙うスズメバチは、コガタスズメバチ、キイロスズメバチ、ヒメスズメバチといろいろいます。」

 その夜10時、再び観察に…
 すると、カマキリ3匹に囲まれています。
 ライトをつけた瞬間、ゴキブリがガサガサ…「ぱくっ」なんとカマキリはゴキブリを食べております。

ゴキちゃん おいしっ ゴキブリカマキリはゆっくり食事するため木の上へ。
 他の2匹はじーっとハチダマちゃんをにらんで動きません。

包囲網完成!!
 そこで、大あわてで大谷研究員に連絡。

 珍 :「えらいことです。ハチダマちゃんがカマキリに囲まれています!狙われているのでは?」
 大谷:「もちろん、そうです。とくに珍しいことではありません。」
と平然…

 「そうか、カマキリはミツバチを襲うのか。さされないんかなあ…」とぶつぶついいながら、現場へ戻り観察を試みましたが、残念ながら、その後の攻防は蚊に襲撃され退散したため謎のまま…

 翌朝、午前9時。再びハチダマちゃんに会いに行きました。
 いっそう丸く固まっています。

  生き残り組   おしくらまんじゅうかっ!
 時折、偵察部隊のハチが帰ってきます。
 「ハチダマちゃんの新しい巣の候補地見つけたかなあ。」

 そして、次の日の朝。発見から3日目の午前9時。
 ハチダマちゃんは、かすかなハチの巣を残して、飛び立っていたのでありました。

ハチの巣の残骸? 「ハチダマちゃーん!」と叫んでみましたが、声も返ってきません…あたりを探しまわりましたが、ハチダマちゃんはやっぱりどこにもいません。
 「ハチダマちゃんの新たな場所での暮らしに幸あれ!」と祈るちんげんさいでありました。



ふぁっふぁっふぁ!!ハチミツカメンさまじゃひとはく地域研究員 河南堂珍元斎

危機一髪!!

2011年9月 5日

 台風12号 各地に甚大な被害を残し過ぎ去っていきました。
 被災されました方に、心からお見舞い申し上げます。

 

 さて、台風の被害といいますと「雨漏り」もその一つ。家庭でも雨漏り箇所が見つかると下にバケツを置いたりタライを置いたりと、対策しますよね。
 この写真。実は、ひとはくの情報機器の心臓部に近い部屋の様子です。

危機一髪!! 週末の台風の仕業で、繋ぎ目のところからポタポタポタポタ・・・・・・。真下にあるパソコンや印刷機を避難させ、天井を剥がして漏れた雨水を集中して受け止めようとしています。
 今回は大きな被害は出なかったようですが、万が一、博物館の貴重な標本資料などのデータを蓄積している機器の上で雨漏りが発生していたら!!と思うと、ゾッとしました。

情報管理課:八尾

水中にオオバコ

2011年9月 4日

台風も過ぎて、曇り日より。こういうときは水草の撮影にちょうどいい。

habitat.jpg ottelia.jpg 水中にオオバコのような葉がある。

よく見ると花が違う...

 

 

 

 

 

水から引き揚げてみると。葉は、まさしくオオバコ。

flower.jpg

 

 

 

 

 

 

 

花の拡大。トチカガミやカナダモの仲間と同じ花弁が3枚。

 

先日のセミナー、B23:サギゾウ観察会で見られなかった参加者のために、博物館の近くの三田市上深田の水田で撮影してきました。

葉の長さは、約20cm。

兵庫県RDBのCランク。

 

再生研:藤井

 

root.jpgフシネキンエノコロが三田に上陸!

 昼休みに弁当を買いに行く途中、以前から気になっていたエノコログサをよく見ると、

やはりフシネキンエノコロでした。

日本に生育または帰化したエノコログサ類が一年生なのに対し、

フシネは、多年生です。その名の通り。地上に延びた茎が倒れて、そこから根を出します。他のエノコロ類は、斜上、または直立し、根は、ほとんど着きません。

s_root.jpg

フシネの花穂です。他のエノコログサ類に比べて、かなり長い。

 

 

 

setaria.jpg

エノコログサ類(去年採集したので、変色している)

上からエノコログサ、アキノエノコログサ、キンエノコロ、コツブキンエノコロ、フシネキンエノコロ

エノコログサ類とキンエノコロ類はノギの色が、緑色か金色かでわかる。

エノコログサとアキは、果実の大きさが違う(アキが大粒)

キンエノコロ類はキンが最も果実が大きい、コツブとフシネは小さく、ほぼ同じ大きさ。

フシネの果実のほうがコツブに比べて、やや大きい。

最終的には、根茎を見る必要があります。

                                            再生研:藤井

大型の台風第12号の接近のため、
博物館の所在する三田市では朝から大雨となり、
一時暴風警報が発令されるなど大荒れのお天気でした。
博物館は通常通り開館し、
このような悪天候にもかかわらず、
多くのお客様にご来館いただきました。

本当に本当に、アリガトウゴザイマシタ。

深く感謝申し上げます。

 

amefuri.JPG                                       ▲ 雨に煙る人と自然の博物館と深田公園


第9回 2011.9.3(生涯学習課 西岡敬三)

 828()夏休み最後の日曜日 

 お父さんとお母さんと僕は、久しぶりに豊岡のコウノトリの郷公園に遊びに行きました。宿題は一応全部終わっていたので、いっしょに行ってもいいよといわれました。

 その日も暑い暑い日でしたが、お客さんは次から次からたくさん来ました。

 駐車場の横にある田んぼの中の巣塔の上に、一羽のコウノトリが羽を休めていました。美しい姿でした。とてもきれかったです。他の人は、あまり気づいていませんでした。 

巣塔の上のコウノトリ そして、コウノトリ文化館に入ると、中で河南堂珍元斎というおもしろい変なおいちゃんが、タヨウ星人の紙芝居絵巻というお話を、一生懸命にしゃべっていました。その隣で女の人が大きな紙芝居をクルクル巻いて動かしていました。

 途中でおいちゃんの質問に正解してタヨウ星人のイラスト入り直筆扇子を賞品にもらいました。嬉しかったです。

 それから、お昼ご飯を食べに出石に向かいました。

 出石に行く途中の出石川の堤防のところで、空高く飛んでいる二羽のコウノトリを目撃しました。

美しい姿!! いつも家の近くで見ているシラサギやアオサギよりも、もっともっと大きくて、美しくて、そしてかっこよかったです。飼育場の中ではなく、外にいる野生っぽいコウノトリの姿を見ることが出来て、とても嬉しかったです。

 出石そばもたくさん食べられてよかったです。

 また今度はジオパークにも遊びに行きたいです。   おしまい

大文字屋分店五代目駿之介

DSC04447.jpg

フォーラムには、スタッフを含めて200人超の参加となりました。ご来館に感謝いたします。


生物多様性の保全と持続可能な利用を実現するには、社会のあらゆる関係者の協力が不可欠です。近年、企業や地方自治体の役割がますます重要視されていますが、企業や地方自治体の生物多様性への関わりはまだ活発とはいえません。そこで、2011年のひとはくは企業や地方自治体が生物多様性に取り組みやすい環境と整えるための活動の一環として、3回連続の『生物多様性協働フォーラム』を計画しています。

 プログラム内容については下記のURLをご覧ください。
  http://hitohaku.jp/top/11event/11forum.html

8月25日の第1回目は、5人の講演者を招き、国内外における生物多様性の最新動向や生物多様性に関して先進的な取り組みを実践している企業の活動事例を紹介いたしました。

環境省の奥田氏からは、昨年開催されたCOP10以降、国内における生物多様性への関心が低下しつつある状況を改善すべく、COP10の成果を生かし東日本大震災復興に寄与する新たな生物多様性国家戦略の策定に国が着手していること、国連生物多様性の10年に指定された2011年から2020年にかけて国内外の生物多様性の課題解決に貢献する「国連生物多様性の10年日本委員会」の設立準備状況について紹介いただきました。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 西田氏からは、都道府県・市町村レベルでの地域戦略策定の動向についての詳細な調査結果と今後進むべき方向性についての提案がありました。
また当館服部教授からは工場緑地における地域の絶滅危惧植物の保全や企業の森活動の先進事例の紹介を、キリンビール(株)の金野氏からは同社神戸工場におけるビオトープでの希少種カワバタモロコの保全や地域の小中高校生を対象とした環境学習の実践についてご紹介いただきました。
生物多様性かんさいの宮川氏からは、NPO・NGOの視点から関西の気風にあった生物多様性のとらえ方と一般の方の心に届く活動の必要性についてご紹介がありました。

当日は休憩なしの2時間30分の長時間にわたるプログラムにもかかわらず、企業関係者、行政担当者、市民団体、個人さまざまな立場の方が185名お越しになり、熱心に耳を傾け手くださいました。また、会場には約30社の企業が自社の生物多様性の活動を紹介するパンフレットや報告書を配架し、参加者間の情報交換に一役買ってくださいました。

次回は10月17日に大阪銀行協会にて「企業の持続性を高める生物多様性の理解」をテーマにフォーラムを開催いたします。多数のご参加をお待ちしております。

ホンゴウソウに続き、今度はシロシャクジョウが見つかったというニュースが飛び込んできました。 brumania2.JPG

  上の写真の白いマッチ棒みたいなのがシロシャクジョウです。私も今回初めて生きたお姿を拝見しました。兵庫県RDB Aランクの希少種です。何せ70年前に採られた標本が一点あるだけで、もう絶滅したんじゃないかといわれていました。70年ぶりの再発見ということで、発見された地元の植物愛好家の方々の案内でひとはくから3名、市や県民局からも担当者が集まり、生育状況を見に行きました。

現場は植林地でしたが、入口では立派な番犬がお出迎え。突然現れた怪しい人間たち(?)に向かって吠え立てていました。  

dog.JPG

番犬をやり過ごして、いざ現場へ

 

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  林道の中を進むと、、、ありました!一番上の写真のように、林道沿いにぽつぽつと、でも思ったよりも数多くあります。ざっと見積もって1000株ほどでしょうか。大群落といってよいでしょう。

 

suzuki.JPG

 高さが5〜10センチ程度の小さい植物なので、みなさん地面に這い蹲るようにして写真を撮っています(笑)。

 

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 標本を作るために、数株を根元から採集しました。図鑑には「根茎は膨れ多数のひげ根がある」と記載がありましたが、実際に採集してみるとその意味がよく分かります。

flwclose.JPG

 花をアップで撮りました。右はつぼみで、左の花が開花しています。花被片(=はなびら)が黄色いですね。発見者の方たちの話によると、昨年以上に多くの株が出現していたとのことです。シロシャクジョウはもともと熱帯が分布の中心の植物なので、兵庫県のシロシャクジョウはかなり北に分布していることになりますが、帰館して詳しく調べたところ北限は福井県でした。ちょっと残念。でも県内では70年ぶりの再発見ですから、大発見には違いありません。情報提供いただき、現地を案内頂いた丹波自然の会の皆様、ありがとうございました。

(自然・環境評価研究部 高野・布施/ 自然・環境再生研究部 鈴木)

             

 

 

 

 

 

 

 


仕事を終えて博物館の出口を抜けて駐車場へ向かう。
暗がりの中で、ふと、足下に目をやる
地面になんか落ちてるやん。

ん?
落ち葉じゃないよなぁ。
ゴミでもないよなぁ。
上の方のは葉っぱえ゛っ!! なんじゃ?!

  思わずデジカメを取りに戻りました。
ぎょぎょっ!!
 横に並べたマーカーペンと長さを比べてみてください。およそ15cmのペンですよ。
 移動した軌跡がヌメッと光っているから、ナメクジだなとは思ったが、今まで見たナメクジの中で一番大きい個体である。新種発見か?突然変異か?と、ちょっとワクワク
 朝になってから調べたら、「ヤマナメクジ」だったようです。

なんじゃ こりゃぁ!! しかし、知ってる人は知っているだろうけど、初めて見ると (ΘΘ) 驚きです。

 

今週の最小昆虫

2011年8月22日

この土日月に行った昆虫標本作り実演では,博物館の周りで採った小さな昆虫を標本にしました.

 

t-11.jpg

 

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その中の最小がコレ(上).アザミウマの一種,棒状の翅があるのでこれで成虫です.もう一枚の写真(下)はシャープペンシルの芯です.つまり体長約0.5mm.アザミウマの仲間(アザミウマ目)は一般に小形ですが,そのなかでも小さい方では?

害虫を含むアザミウマの仲間はプレパラートにして調べるのが普通ですが,今回は他の昆虫と同様に紙に貼り付けた標本にしました.

昆虫共生 沢田佳久

さぁ、始まったよ!!いきものかわらばん作品募集!!

  今回で2回目となる「ひとはくいきものかわらばん」。前回同様大好評につき、ご応募いただいた作品は全点博物館に展示の予定です。

君の作品 待ってるよ 募集期間は8月20日(土)から9月10日(土)まで。展示期間は10月8日(土)から来年の1月9日(月)まで。博物館の研究員等による作品の審査があり、館長賞や研究員賞など表彰式もあります。去年は新聞記者の方にも審査していただきました。ホンモノの記者顔負けの素晴らしい作品など、本当にたくさんご応募いただきました。ありがとうございました。

 

今年もさらにパワーアップしたかわらばんを待ってます!!

     今年の募集チラシ等 は ここからどうぞ

     去年の様子 は ここからどうぞ

 

情報管理課:八尾

hongousou2.jpgこれはいったい何でしょう?

カビ?キノコ?いえいえ,これでも正真正銘「単子葉植物」です.

これは「ホンゴウソウ」.

先日,在野の研究者の方に自生地をご案内いただきました.

ホンゴウソウは兵庫県レッドリストでBランクに指定されている希少種です.

ご案内いただいたのは兵庫県内の2箇所で,いずれも,今までに報告されたことのない場所でした.新しい生育地の発見です!

開花中の個体のうち,数株を採集し,標本を作成しました.この標本は,ホンゴウソウが生育していることなどを示す重要な証拠として,人と自然の博物館標本庫で大切に保管されます.

 

hongousou1.jpgさて,ホンゴウソウはどんな植物でしょうか.

全体が赤っぽい色をしていて,いかにも普通の植物ではありませんね.

実は,ギンリョウソウなどと同じ「腐生植物(ふせいしょくぶつ)」です.光合成をしないので,緑色の葉はありません.

指さしている辺りにある,丸い部分が雌花.その上に見える黄色の部分が雄花の葯(やく)です.

ご覧のとおり,とても小さな植物.よく見つけられたことだと,関心&感謝します.

今回の目的はホンゴウソウでしたが,ヒナノシャクジョウも見ることができました.

hinanosyakujyou.jpgこれも腐生植物で,兵庫県レッドリストでBランクに指定されています.左の写真では茎の部分が見えていますが,茎の部分は完全に土中に埋まっていることが多く,ふつう地表すれすれの場所に花が咲きます.

写真の左下に写っているのはスギの葉.ホンゴウソウほどではないですが,ヒナノシャクジョウも小さい植物であることが分かります.

 

 

 

kubiore.jpg帰りがけには,夏虫夏草も見せていただきました.

トゲアリにつく菌類で,クビオレアリタケという種類だそうです.

ホストのトゲアリは,潅木の枝にしっかりとしがみついています.クビオレアリタケが,より遠くへ胞子を飛ばすために誘導したのかもしれませんね.

 

 

ホンゴウソウなど,面白い生物を見つけたら是非博物館へ!みなさまからのご連絡をお待ちしています.

(自然・環境評価研究部 布施/自然・環境再生研究部 鈴木)

神戸市北区大沢町のアオノリュウゼツランのその後です.

花茎の下から上に向かって順に咲いていくのですが,一週間前と比べると,ずいぶん開花がすすんだのが分かります(一週間前の様子はこちら).

agave1.jpg

1つ1つの花の様子も変わってきています.

下の写真を見てみてください.左側が開花したての花,右側が開花後数日が経過した花です.右側の花は枯れている?いえいえ,もっとよく見てください.

agave_male.JPG agave_female.JPG

 

開花し始めた時,雄しべは黄緑色の花被片からつき出していますが,雌しべはまだ見えていません(写真左).雄しべが花粉を放出している間に,雌しべはぐんぐん伸び,雄しべが役割を終えた頃になって,長く突き出た雌しべが成熟するのです(写真右).

典型的な雄性先熟(雄が先に成熟し,雌が後で成熟すること.自花受粉を避けるシステムの1つ.)ですね!

(自然・環境評価研究部 布施静香)

 今年のペルセウス座流星群が最も多く流れるといわれている極大時刻は13日の午後3時頃らしいです。 そうです。昼間です。

 ですので、見るなら今夜か明日の夜がいいですね。しかし、月が大きいので月明かりが邪魔になりそう(x。x)゚゚゚ 月に背を向けて空を眺めると明るい流星なら見えるかも知れませんね!!

 

流れるかな? さて、今回はどんなお願い事をしようかな?

 

 

情報管理課:八尾

 

神戸市北区大沢町の民家に咲いています。

s-P1010473.jpg約50年前に植栽して、初めての開花です。

 

約1ヶ月前から急に伸びだしました。s-P1010471.jpg

ひとはくの布施静香主任研究員に写真を見てもらって名前が分かりました。

 

                                                                                           もりまさあき(次長)

 

 ↑これは、アオノリュウゼツラン(青の竜舌蘭、リュウゼツラン科)という名前です。

30〜50年もの間は、葉だけで過ごし、ある夏、花をつけるために茎が1日に約10cm!も伸びるそうです。

メキシコ原産の植物で、日本では1枚が1〜2mもある葉を観賞するために植えられています。

メキシコでは、この植物とその仲間からブルケというお酒をつくります。そして、「テキーラ」は、この植物の仲間から作られているんですてぇ〜。私も植えてみようかな。

 

花は、約30〜50年に1度しか咲かないんですよ!

なので、この花が咲いてるのを見れたら、とてもいいことがありそうな気がしませんか?

4階のひとはくサロンに飾っているので、ぜひ見にきてくださいね。 

s-P1080015.jpg   s-P1080018.jpg 

                           こばやしみき(生涯学習課)

 

 

ミニ企画展「コウノトリKIDSクラブでつくった水生動物のプラスティック封入標本展」を開催しております。

funyuu2.jpg 豊岡市では、昨年度からコウノトリKIDSクラブを結成し、豊岡市内の小学生から中学生が、校区や学年の枠を超えて、地域の自然環境や自然の再生に取り組む環境活動を展開されています。人と自然の博物館では、豊岡市コウノトリ共生課と連携して、この活動を支援すると同時に、活動の成果をより多くの方に見ていただくために、当館にてミニ企画展を開催することにしました。
 夏休みを前にして、学校の自由研究などを考えておられる方は、ぜひご覧下さい。

 昨年度、2010年度には、このコウノトリKIDSクラブの活動の中で、豊岡市の「ハチゴロウの戸島湿地」で採集した水生生物たちのプラスティック封入標本をつくりました。生物の採集から、標本の保存、プラスティック封入標本の作成、展示までの一連の過程を子ども達が行いました。今回のミニ企画展では、これらの成果を当館にて展示することで、多くの方たちに間近で標本をご覧いただき、コウノトリがすむ豊岡の自然環境について紹介します。また、ミニ企画展では、標本とあわせて、生きものの生態や、子どもたちの製作風景写真なども併せて紹介します。湿地の生態系をかたちづくり、コウノトリの命を支えている生きものたちをじっくりと見て頂ければと思います。プラスティック封入標本は、管理が容易で、手にとってどの方向からでも観察できるため、展示や教材としても優れており、今後は地域での活用が予定されています。

<期間などの開催情報>
 期間: 平成23年7月9日(土) 〜 7月31日(日)

 場所: 兵庫県立人と自然の博物館 3階オープンギャラリー

 観覧料: 無料 (博物館観覧料が必要です)

 主催: 豊岡市コウノトリ共生課・兵庫県立人と自然の博物館

kounotoriKIDS.jpg 左写真:展示の様です

(みつはしひろむね)

梅雨が明けた!(^^)!

2011年7月 8日

ひとはくの壁をよじ登るカマキリ君
 写真がよく分からなくなっていますが、水面を歩いているのではありません。壁面をよじ登っているのを、下から撮影しました。

梅雨前線がかなり北の方へ押し上げられているようです。11時頃の発表で近畿地方も梅雨が明けたそうです。いよいよ本格的な夏の訪れですね!!

 

 

あつはなつい!!!

 

ひとはくの4階入口を出たところにヤマモモの木があり、今年も赤い実をたくさん

つけています。その近くにはムクゲの木もあります。

 

昨年のフロアスタッフのイベント「昆虫標本を作ろう!」でお世話になった

ラミーカミキリさんが今年もそのムクゲの木にいました。

ラミーさん

  ご丁寧に・・

 ラミーカミキリさん!「昨年は大変お世話になりました。」m(__)m

ラミーカミキリさんにお礼を言っている横では 

「今忙しいから 話しかけないで!!」

 と ハチさんが葉っぱの上で何かをせっせとまるめています。

 

あぁ〜 忙しい.。o○

ハチさんはその白っぽいものを上手に抱えると スッ!と飛んで行きました。

(カッコいい!!思わず、拍手して見送りました (^^)/~~~ )

 

このハチは コアシナガバチで、子どもに餌を運んでいるところだそうです。

 

 

 

他にもムクゲの葉っぱにはいろいろな虫さんがいました。

 

どなた?     黄色い服がステキ!

 

 

 

                      

                  フロアスタッフ ありむらむつこ 

 

P1160055.jpg  sado1.jpg

多くのみなさんから、今年も実施して欲しいという要望がありましたので、昨年に引き続き、シンポジウム「小さな自然再生のすすめ パート2」を開催します。だれもが手軽な方法で自然を再生する方法を中心に、6件のよりすぐりの話題提供を頂きます。驚きのワザがてんこ盛りです。

 ポスターは、こちらからダウンロードできます → mizube2011.pdf (0.9MB)

昨年度は、COP10が名古屋市で開催されて、今後10年間の生物多様性保全に対する取り組みとなる「愛知ターゲット」が取り決められました。このなかの目標のひとつには、「劣化した生態系のうち15%を自然再生する」という項目があります。しかも、2020年度までに対応するものです。当然ながら、劣化した生態系を回復させるためには、課題を解決するためのアクションなしには実現しません。しかし、大規模な自然再生は、そう簡単ではありません。予算と時間がかかるうえ、社会的制約があるために、実施できる件数は限られてしまいます。
自然再生を各地で展開し、愛知ターゲットの目標を達成するためには、小規模な方法で、誰もが参加できる方法、少しでも生態系を復元する工夫をできるだけたくさん紹介して、多くの人が手軽に「小さな自然再生」に取り組めるようにすることが解決策の一つとなります。今回も、各地のユニークな取り組みを紹介して、成功した事例、失敗した事例、ちょっとした技術をみんなで共有したいと思います。

 日時  2011年7月18日(祝) 13時から17時45分

 場所  兵庫県立人と自然の博物館 大セミナー室

 主催  兵庫県立人と自然の博物館・水辺のフィールドミュージアム研究会

 参加費 800円 (観覧料および資料代を含む)

■ 講演内容
広島県北広島町における半自然草原保全のとりくみ
  白川勝信(北広島市高原の自然館)
広島県芸北地区では,2004年から半自然草原の保全活動が行われています.本発表では,火入れや草刈りを継続するためのしくみを紹介し,その効果を,生態系の保全と社会への影響の2つの視点から報告します.

つながりの再生によるトキの餌場づくり:ちょっとした工夫の重要性
  河口洋一(徳島大学工学部)
佐渡島ではトキ野生復帰が進められ、農家やNPO、行政組織がトキの餌場づく りを行っています。今回は、川と水路、水路と水田の落差を解消する”つながり の再生”について、ドジョウの移動から知った、ちょっとした工夫の重要性についてお話します。

水路に落ちたカエルがのぼれる工夫
  横山稔(建設環境研究所) 松本信雄・野村研(国土交通省 岡山国道事務所)
道路建設に伴って改修した水田脇の集水枡に、カエルなど両生類への環境配慮 として、簡易に施工できる這い出し用のスロープを設置した。設置後、効果の検証実験をしたところ、両生類の利用が確認できた。

生きもの田んぼの楽しみ方〜滋賀県高島市の取組みから〜
  本多清(アミタ持続可能経済研究所)
滋賀県高島市の「たかしま生きもの田んぼ」では、個々の農家が工夫し、楽しみながら保全活動を展開しています。「稚魚が遡上する魚道づくり」、「簡単!亀かえるスロープの作り方」、「お米を育むビオトープのいろいろ」を紹介します。

キリンビール神戸工場がカワバタモロコを救う
   田中哲夫(兵庫県立大学自然研/兵庫県立人と自然の博物館)
キリンビール神戸工場のビオトープは、絶滅危惧種であるカワバタモロコを放流・育成して、リフュージア型のビオトープとしての重要な役割を果たしています。カワバタモロコの個体数の推移や、このビオトープを通じて各地へと再導入する取り組みが進められています。

竹筋コンクリートと水田魚道を簡単につくる方法
   清水洋平(水辺のフィールドミュージアム研究会)
竹を鉄筋のかわりに用い、さらにセメントの代わりにマグホワイトと呼ばれる中性のソイルセメントを使ってつくる「竹筋コンクリート」の作り方と、コルゲート管をもちいた簡単な水田魚道の作り方と隔壁の調整方法による流況の違いについて、解説します。


■ 申し込み先 (7/15まで:席に余裕がある場合は直前までOK)
○電子メールの場合
 mizubefmk@gmail.com宛に、「小さな自然再生のすすめ参加」と明記のうえ、氏名、連絡先(住所・電話・FAX・電子メール)を送信ください。

○はがき及びFAXの場合
兵庫県立人と自然の博物館「小さな自然再生のすすめ参加」と明記のうえ、氏名、連絡先(住所・電話・FAX・電子メール等)をご記入ください。
  住所:兵庫県三田市弥生が丘6丁目 FAX 079-559-2033

 *申し込み頂きましたら、こちらから返信させていただきます。電話では申し込みできません。
  (数日たっても返信がない場合は再度お申し込みください)
 *申し込み多数の場合は、先着順にて対応いたします。
 *申し込み締め切りは、7/15(金)までです。

↓ 案内チラシです。
mizube2011.png

くるくるっ?

2011年6月30日

丹波の森公苑で行われるオオムラサキの放蝶会のblogが掲載されています。

     http://hitohaku.jp/blog/2011/06/post_1269/  もう、チェックはすんでいますか?

 専用ケージの中で育ったオオムラサキの写真です。 木にとまるオオムラサキこんな感じになります。羽を広げた姿は、さすがに貫禄を感じます。ケージの中を羽ばたく時も、「バシッバシッ」って重量感たっぷりなんですよ。


葉の上で羽を休める      私が見た時は樹液を吸いにいろんな昆虫が集まってきていました。 みんなでチューチュー当然オオムラサキのケージですから、オオムラサキはたくさんいるのですが、アリとかテントウムシとか集まっていました。オオムラサキの口のストロー(正式な名称は、ひとはくの研究員に尋ねて下さいね)がクルクルなっている様子も判ります。一番右のオオムラサキ。

 

 なんといってもお気に入りは、カブトムシとのにらめっこのシーンです。

にらめっこ!! 

  さぁ、みんなもひとはくや深田公園、丹波の森公苑に出かけて、昆虫を発見しよう!!

 そして、じっくり観察して、ひとはくいきものかわらばんにまとめるもよし。おいちゃんのように、写真を撮るもよし。とにかく記録に残してみよう。 

今回のトピックス展示では、博物館への問い合わせの多い種を中心に新しく製作した56点の標本を紹介しています。青とオレンジ色が美しく、水辺の宝石とも呼ばれるカワセミ。林の中を素早く動きまわり、羽根の黄緑色と眼の周りの白の対比が美しいメジロ。

 

201106-2.jpg

                (2007年3月 愛媛県松山市

               陽光という桜の栽培品種の花を訪れたメジロ。)

 

 

カワセミやメジロと比べると見た目は地味だけど、木の幹をつつきまわり「タラララララ」という軽快なドラミングを聞かせるコゲラ。目立つ色彩のオスと比べるとちょっと知名度が低いイソヒヨドリのメス。 

 

 

201106-1.jpg

                 (2010年4月 三田市

         博物館のベランダを訪れたイソヒヨドリのメス。)

 

 

小さい体に紅いくちばし、胸のオレンジ色、黄色いラインの入った羽模様のソウシチョウ。野外ではじっくりと観察することが難しい小鳥たちをひとはくに見に来ませんか?

 

              北村俊平(自然・環境マネジメント研究部)

 618日のblogでアジサイの花を紹介しました。

あじさい   あじさい 2

 

 今の梅雨の時期、アジサイとともによく目にするのが「タチアオイ」ではないでしょうか?

 見られたことはありますか? タチアオイ

 シュッとまっすぐ空に向かって伸びた茎に、美しい花を咲かせます。

 よく見ると、下の方から順々に上に向かって花を咲かせているようです。

 

 そして、一番上の花が咲く頃に梅雨が明けるといわれていますね。

 さぁ、みなさんの周りのタチアオイはどこまで花を咲かせていますか?

最近、お昼休みにひとはくの周りを歩くことがあります。もちろんblogのネタ探しです!!

で、今日のネタです。順不同です、悪しからず・・・・・(o^^o)

 

まず、ひとはく4階入口付近の天井にあるツバメの巣。入口の所にチョコッと見えてますね。羽ばたきの練習をしているそうなので、巣立ちはもうすぐでしょうか?

すっかり準備は整っているようですよ

機械室の裏手へこっそり忍び込むと、大谷先生のミツバチがわんさかわんさか(-)刺されると痛いので、足早に逃げてきました。

 

刺されないように、こっそりこっそりん?下ばかり見てたけど木の上を見みると・・・・・・これは「竹ぼうきの木」ではありません。

誰かが放り上げたのでしょうね。これはよいことではありませんね。よい子のみんなはまねしないように。

 

風の仕業かな?

そして、栗の花。

独特の臭いを放ちますが、たくさん落ちています。

栗の花    虫かと思ったわw

 ん? 栗、花、落・・・・・・・「栗花落」とかいて「つゆ」という苗字があります。ご存じですか?ワープロソフトで「つゆ」と入力して漢字変換すると「栗花落」と表示されるかも知れません。きっと、梅雨の今の季節に栗の花が落ちることから、当て字にされたんでしょうね。

 

  もうすぐ梅雨明けかなぁ?

 

2回 ひとはくいきもの かわらばん

 

 もう応募票は 応募票だよ〜♪お手元に届いていますか?

 

 まだの方は、ひとはくのホームページからもダウンロード(ここをクリックしてください)できるので、試してください。

 

 かわらばんとは、江戸時代、天変地異や火事などの事件を一枚の紙に印刷して売り歩いたものです。新聞やテレビ、インターネットのなかった江戸時代では、町の人びとはこのかわらばんで、いろいろな事件を知りました。きみも、身の回りで目撃した自然や生き物の不思議について、一枚の紙にまとめて全世界の人たちに教えてあげましょう。ご応募いただいた作品はすべてひとはくに展示する予定です。

 

 さぁ、この夏。どんどん応募してください。

 

 

 去年の応募の様子受賞作品を参考に、自分流で挑戦してください

私たちフロアスタッフの飼っているカブトムシですが、

http://hitohaku.jp/blog/2011/06/post_1248/

三匹のうち一匹(52番)は、前回成虫になったことを報告しましたが...

 

あとの二匹について

うれしいお知らせと、悲しいお知らせがあります。

一匹(55番)は、見事なツヤのある元気な成虫になりました。

しかし、もう一匹(54番)は、土のなかで死んでいました。

みんな無事に育ってほしいと思っていただけに残念ですが

自然界の常です。 仕方のないことです。

s-P1080421.jpg s-P1080431.jpg

 

左)55番

右)54番

 

成虫が2匹になり大きな水槽に引っ越しさせました。s-P1080435.jpg

  おまけに体重測定もしましたよ。

52番 幼虫時 29.9グラム → 9.3グラム

55番 幼虫時 28.4グラム → 9.5グラム

幼虫の3分の1ぐらいの重さになっていることに

スタッフも驚きました。

 

個体によりツノの長さや、角度、色合いなどに微妙に違いがあり、識別できるそうです。

                                 (八木先生談)

 

そう思ってみると確かに 52番と55番では、ツノの長さに違いがあります。

カブトムシも一見すべて同じに見えますが、人間と同じで個性があるんですね。

                     フロアスタッフ    せら ゆうこ

 

 

梅雨のある日

2011年6月18日

 まだまだ梅雨で、ジメッとしていますが外を歩くとさまざまないきものたちや花たちに出会えます。

 「ひとはくいきものかわらばん」の募集もそろそろ始まりそうです。

 今日はこんなモノを見つけました。

 

    ガクアジサイ    キレイな黄色!!

 お尻の方に歩くんです!!     ドーナツ星人?? 

              テントウムシのサナギ?

うっしゃっしゃ(^ヘ^)v

今日来館していた、加東市の小学校6年生8人が「アホウドリは、『アホウ』と鳴くの?」と質問にスタッフのところへやって来ました。

早速、鳥博士の北村研究員にアホウドリの鳴き声を聞かせてもらいました。

 

ねぇ、なんて鳴いてた?やっぱり「アホウ」って鳴いてた?

 

s-P1060594.jpg

北村研究員に鳴き声を聞かせてもらった、小学生たちは「へぇ〜〜〜。」

さて、あなたは分かりますか?

私もアホウドリの鳴き声、初めて聞きました。 

あなたも「これ何?」の不思議のカギを探しに、ひとはく来てね。

小林美樹(生涯学習課)

maimai23.jpg
明日6/18(土)午後1時から4階ひとはくサロンで
「カタツムリをさわってみよう」をします(申込不要)。

登場するカタツムリの一覧ができました。
兵庫県以外や、カタツムリらしくないものもいますが、
全部で23種類です。

実際にさわるのは10のクチベニマイマイの予定です。

変わったものでは、4のオオケマイマイです。
毛が生えています。

Dのヤマナメクジは迫力がありますが、
奥に隠れてなかなかでてきません。

(鈴木 武)






三田市内の方からの持込み珍虫です.


mnha3225.gif

 (↑これは2D)  

mnh_3216.jpg

 (↑3DS:タッチペン長押しで3D表示)  

mnh_3220.jpg  

 (↑3DS:タッチペン長押しで3D表示)  

ハゴロモ類の若虫らしく,ロウ物質で立派なトゲトゲを形成しています.
成虫になれば同定できるだろうと考え引き取ったのですが,羽化せずに死んでしまいました.
B1-650995

昆虫共生 沢田

 

「♪さーさーのはー さ〜らさら〜」

 

もうすぐ七夕の季節がやってきます!

 

みなさんは毎年、おうちで笹を飾っていますか?

ひとはくでも、笹飾りを置こうと計画していたのですが…笹の葉っぱはすぐ枯れて乾燥してしまうため、どうすればよいか悩んでいました。

そこで、植物博士の服部研究部長から、裏ワザを教えていただきました。

 

ささ1.jpg               

これは、同じ日に切った笹なのですが、左側は笹の葉がかれて落ちてしまっています。でも右側の笹の葉はきれいな色をしていませんか?

 

 

ささ2.jpg

 

 

 

 

実は、竹の節の上部分にキリで穴をあけてお水を入れています。

 

 

 

ささ3.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

そうすると、こんなに青々とした笹を保つことが出来るのです!ぜひみなさんも、おうちで試してみてくださいね。

 

 

 

ひとはくでは、7月1日から笹飾りを展示します。短冊にお願いごとを書きに来てくださいね♪

 

 

フロアスタッフ みの あんな せら ゆうこ

またまた、タヨウ星人みーつけた!の一席でございます。

 

 梅雨の合間に、例のオッサンの木、いやナナメノキに会いにいったとき、

なんとコナキジジイ!に出会ったのでございます。

コナキジジイってこんな顔か?木立の間から泣き叫ぶ声!は、しませんでしたが、見事な泣き顔でございます。

 

 

この木も小舘研究員に葉っぱを見てもらいました。

困った時の小舘先生頼りです 

小舘:「これは、ヒサカキですね。葉の先が凹になっていて、うらの細かい葉脈がよくわかるのが特徴です。ツバキ科でサカキの少ない地域は神木に使います。で、観察会などで『非サカキ、サカキでないからヒサカキです』と言ったりしますが、サカキよりも葉が小さいことから姫サカキが語源との説もあります。」

:「なるほど・・・神木だからコナキジジイもとりついたのか・・・」

小舘:「はぁ?」

珍:「いやいや・・」

 

 というわけで、コナキジジイの木はヒサカキだったのです。

 この鉢伏山の麓は、タヨウ星の入り口か?と思うほど、ヘンな顔の木が多くあります。

 これからも探してみようと思います。

人面木?? 

 

 ひとはくには、たくさんの顔に見える木の幹の写真が載った「みきでかお」というポスターが貼ってあります。一度顔に見えるとその木が、とっても気になる木になります。

ワシを見つけに来い!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんなも、木の幹をじーっと観察してみよう!どんな顔に見えるかな?

 ちょっと視点を変えると散歩はいっそう楽しくなりますよ。ぜひお試しあれ!

 

 

旗振山からの絶景ヘ(^o^)/旗振山からは、こんな素晴らしい景色が!! 独り占めですぞっ

 

 

 

ひとはく地域研究員 川東丈純 森へ遊びに来てくれ〜

昨日、無事に成虫になったカブトムシですが、角はまだ脱げていません。よいしょよいしょと一歩ずつがんばっているようです

そんなカブトムシ、今日も館内の人気者でした。

カブトムシ1jpg昆虫博士の八木主任研究員によると羽が上手に脱げなかったようです。

 

カブトムシ2.jpgでも、すくすく成長してくれていてよかった〜!これも、いつも助けてくれる八木主任研究員と愛情いっぱいのスタッフのおかげ!?

みなさんのカブトムシも成虫になりましたか?また博物館に教えに来てくださいね

 

フロアスタッフ みの あんな

さて、ようこそのお運びあつく御礼もうしあげます。

河南堂珍元斎でございます。

おぼえておられる方も、おぼえておられない方は下記ブログにて、

ご覧いたたき、タヨウ星人みーつけた!その後でございます。

http://hitohaku.jp/blog/2011/05/post_1184/

 

 

摂津の国と播磨の国の境にある神戸市須磨区の鉢伏山にあらわれた未確認タヨウ星人!

唇おばけ〜あのナポレオンフィッシュの木、いやタコの木、

そうです、唇おばけのオッサンの木でございます!

 

コヤツはナニモノ?と小舘研究員に相談しました。

小舘:「幹だけではわかりませんね。葉っぱを手にいれてください。」

:「了解!」

 

ということで、5月のおわり、オッサンの木に気づかれないように?隠密捜査に行き、忍者にようにするすると登って葉っぱをとろう!としましたが、 

気づかれないように、あの葉っぱをGetするぞっ!!隠密珍元斎は、メタボでまったく登れず、(x。x)゚゚゚

では、と、「えいやー!」とキーック!

「・・・・・」葉は落ちず、オッサンはまったく微動だにしません。(x。x)゚゚゚

またまた、小舘研究員に相談し、

小舘:「その木の根元の落ち葉を見れば、わかるかもしれません。」

珍:「なるほど・・・」 

幹のまわり・・・・・  足下注意!!  これやこれや!これでんがなっ!! 

さっそく落ち葉を持参し、見てもらうと・・・

小舘:「緑色の葉に 鋸歯(きょし:葉の縁のギザギザ)がありますね。このギザギザからモチノキ科のナナメノキ(別名:ナナミノキ)ではないかと思います。この落ち葉が「唇おばけ」の木から落ちたものであればナナメノキということになります。」

珍:「へえ、ナナメノキですか。ほかの特徴は?」

おっさんおっさん!!小舘:「これは常緑高木で、♂の木と♀の木とに分かれていて、♀だと6月ごろに淡い紫色の小さな花をたくさん付け、秋には赤い果実をつけるでしょう。その実がやや細長くまがっているので斜めの木とついたといわれています。」

 

 

近くで見ると、背が高いのぉ(ΘΘ)ρ 

 

 

数日後、オッサンの木に報告に行きました。

 

珍:「オッサンの木さん、ナナメノキです。あなたは!」

 

オッサンの木は、「よし!」とうなずき、ちょっと笑った気がしました。

 

珍:「また、会いにきますね。6月花つけてくださいね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              ひとはく地域研究員 川東丈純

 

 

s-P1080267.jpg

やりました!

とうとうカブトムシが成虫になりました(^O^)

あとは、角を脱ぐだけです。

よく頑張りました。

 

         フロアスタッフ せら ゆうこ

 

久しぶりの天体blog

 

ひんがしの空は明るいなぁ皆既月食が616日に見られます。運がよければです。

というのも、梅雨の時期ですので天候が気になるのと、月が欠け始める時刻、これが朝方の3時半頃からと言うことです。上の画像は、だいたい4時過ぎの南から西にかけての空ですが、ほぼ西の方に沈んでいきます。

 今回のように、月が欠けたまま沈む現象を【月没帯食(げつぼくたいしょく)】というそうで、ひとはくのある関西では条件よく見えても、こうなります。

 

 運がよければ写真が・・・・・

 

3F入口のカウンターにすわっていると 小鳥の鳴き声が・・♪ ♪

 

入口の自動ドアを開けているので、外で鳴いていてもよく聞こえてくるのかなぁ? 

 

それにしても すぐ近くにいるような よくひびく声です。

 

もしかして・・と思って、そーっと近づいて あちこちさがすと・・ いました!!

 

 

 

こんなとこ ↓↓ (o) 

 

 

 

   ホオジロ           傘立てに 小鳥さんが ♪

 

                                なんと傘立てに!!!

 

 

 

   ホオジロさん〜正面から          ホオジロさん 見返り美人(イケメン)?       

                                             長い指でしっかりとつかまっていますね    うしろ姿も・・・かわいい〜♪♪

 

 

人間が5人集まって じーっと見つめていても動じません。 この小鳥さん大物!おまけにフンまでしましたょ(^_^;)

 

 

北村研究員に小鳥さんの様子を確認してもらったところ

 

 

「巣立ちできているから大丈夫です」とのことで、やさしく外に返して頂きました。

 

 

 

この小鳥は 「ホオジロ」だそうです。

 

 

無事、お母さんにあえたかな?

 

                         フロアスタッフ 有村睦子

 

相生市在住の方が、2011年6月3日、住居内で発見され、「サソリではないか?」と心配され、相生市役所に持ち込まれたものです。

これは、「カニムシ」といって、サソリに近い小動物です。
腹端には何もなく、もちろん、毒はありません。
大きなハサミで小動物をつかまえて食べています。

カニムシは、落ち葉の下の小動物を探しているとよく見つかりますが、もっと小さいです。
日本には70種くらいいるらしく、落ち葉の下にいるものだけでなく、樹上性のもの、洞窟に住むもの、海岸にすむものなど、いろんな種があるようです。
このカニムシ、私には種名はわかりませんが、ホームページを検索してみると、樹皮下にすんでいる種に、よく似たものがいるようです。

いずれにせよ、かなり魅力的な「虫」です。集めたくなりますね!

pseudoscorpion_5741.jpg


博物館には、いろんな問合せが来ます。
住民の方が、地元の役所や保健所に問合せ、そこで解決できなかったものが、博物館へ転送されてくることも多いです。それでも解決できないものもありますが、わかるかわからないか、くらいは、ほとんどの場合、すぐにわかります。

みなさんも、どうぞご遠慮なく。


(八木 剛@自然・環境評価研究部)

ふだんはあまり気にせずに歩くんですが、今日はたまたま下を向いて歩いてました。

 そしたら、こんなマンホールを発見!!

 

I am キッピー!!! ご存じですか?キッピーです。よく見かける普通(雨水・汚水)のマンホールは、三田市のマークなんですが、発見したのは、汚水のようです。ローマ字で「OSUI」と表示されています。

 

普通のマンホール 何か、得した気分になりました!(^^)!

 生きもの以外にもこんな発見もあるんですね。

今年もホタルの季節がやってきました。
春の低温のせいで、少し発生は遅めです。

ホタル3種の光るようすの動画をお知らせします。
ふだんのセミナーなどで、私がホタルの説明に使っているものです。
動画のファイルは学習素材のページからダウンロードできます。教材などにご利用ください。
同時に再生すると、光の違いがよくわかりますよ♪

ゲンジボタルです。


ヘイケボタルです。


ヒメボタルです。


NPO法人こどもとむしの会(佐用町昆虫館)のチャンネルをお借りしています。

八木 剛(自然・環境評価研究部)

皆さん、図鑑を信用しすぎていませんか?本当に正しいことが書いてありますか?
図鑑だって人が作ったもの。少しくらいは間違いもあります。そんな間違いを見つけられると楽しいですね。

今日では本屋に行けば、きれいなカラー写真や色鮮やかな絵が掲載された植物図鑑が所狭しと並んでいますが、ひと昔前までは、「植物図鑑」といえば、「牧野植物圖鑑」でした。これは「日本の植物分類学の父」と呼ばれる牧野富太郎が書いた図鑑で、白黒の精密で美しい線画は生きた植物をリアルに再現したものと好評を博してきました。
ところが、よくよく見ると、この図鑑に載っているヘビイチゴの図には植物学的にはいくつか間違った部分があります。ではどこが違うのでしょうか。標本と比べてみましょう。

 


         kajiku1.jpg kajiku2.jpg

 

ちょっと難しいかもしれませんが、
植物の生長様式には単軸分枝と仮軸分枝というものがあります。単軸分枝とは、枝の先の芽がどこまででも伸びていく生長のし方です。また、仮軸分枝とは、枝の先の芽は途中で止まってしまい、脇から新しい芽が伸びていき、その芽もまた止まり、といったことを繰り返して大きくなることです。
単軸分枝の場合は、枝と葉の間にできる芽が生長して、花になり実をつけます。しかし、仮軸分枝の場合は、枝の先が花になり、その先に伸びる枝は、葉と花との間から伸びます。
写真は、ある先生がブドウ科の植物を使って仮軸分枝の説明をしているところです。
橙色で示した枝は蔓になって終わります。反対側には白色で示した葉があり、その間から黄色で示した新しい枝が伸びているのが分かります。


kajiku3.jpg

これをヘビイチゴに当ててみると、初めの枝は花で終わります(橙色)。花の反対側には葉があり(水色)、花と葉の間から新しい枝(黄色)が出ていますね。つまり、ヘビイチゴの走出枝(ストロン)は、仮軸分枝を繰り返しながら生長している、ということが分かります。

kajiku4.jpg

 

では、改めて牧野植物図鑑の絵を見てみましょう。

kajiku5.jpgもうお分かりですね。
牧野植物図鑑の絵はヘビイチゴの走出枝を単軸分枝だと考えて書かれています。
牧野さんも植物の基本は単軸分枝をするものだと思い込んでいたのかもしれません。やはり実物に勝るものはありませんね。

さあ皆さん、ヘビイチゴを上手に引き抜いて観察してみてください。これがわかれば、皆さんは「牧野富太郎を超えた」と言えるかも?

                                                                  山本伸子(自然・環境評価研究部)

今月はじめに「カブトムシを飼ってみよう!」
というセミナーで、先着50名様にカブトムシをプレゼントしました。
参加してくださった皆様 カブトムシは元気ですか?

私たちフロアスタッフもそのカブトムシ3匹を飼育しています。


s-P1070946.jpg s-P1070947.jpg

 

 

 

 

 

 

                       飼育の仕方は、2リットルのペットボトルの上部を切り、
その中に少し湿った腐葉土と幼虫を1匹入れて、
細かい穴をあけたラップをかけておくだけです。
幼虫の間は、飼育用の物を買う必要は何もありません。
とても簡単です。

毎日、日替わりで担当者を決めて、「カブトムシ成長日誌」なるものも、つけています。

s-P1070945.jpg

 

 

 

 

 

 

 

暑いのが苦手のようで暑い日は、土から出てきてしまいます。
そんなときは、涼しい場所に置いたり、ラップをはがしたり、幼虫にかからないように
霧吹きで水をかけたりしています。
土を足したり、糞を捨てたりと
日に日に私たちフロアスタッフも愛着がわいてきました。
サナギや成虫になる日がとても待ち遠しいです。

皆さまも是非、私たちのカブトムシを観察に
ひとはく4階カウンターへ遊びに来てください。

                                                                                       フロアスタッフ せら ゆうこ

私がハチを飼い始めたのは、昨年の9月です。 

 (これまでのお話はここを

私のいきものかわらばん

http://hitohaku.jp/blog/2010/09/post_877/

 

いきものかわらばん 番外ブログ編2 〜ハチのオスは刺さない(^^)

http://hitohaku.jp/blog/2010/09/2_8/

 

私のいきものかわらばん 続編3〜ハチと過ごす年末年始

http://hitohaku.jp/blog/2010/12/post_1038/

 

8匹だったハチたちは2月4日から1匹ずつ減っていき、最後に残ったオスのハチは5月3日まで生きました。

ハチのお世話を手伝ってくださった、皆様ありがとうございました。

そのつど、ハチ博士の大谷主任研究員に標本にしてもらい、すべてのハチが標本になりました。

 

P1060533.jpg           

オスが7匹、メスが1匹です。

すぐに大谷主任研究員に渡さなかったため、一部腐っていたり、標本にしたら色が悪くなったりしました。

そして、一番下の体の大きなハチが1番長生きしました。

さて、どれがメスでしょうか?

 

P1060538.jpg 中列の右がメスのハチです。お尻が尖ってますね。

                              P1060538_2.jpg     P1060537_2.jpg 

                                          メスのハチ               オスのハチ

このお尻からハリを出すんですね。

標本があるといろんなことが分かりますね。  

昆虫記で有名なファーブルが作った標本が200年後の今でも残っているように、私が飼ったハチたちは標本として生き続けます。

 

                               小林美樹(生涯学習課)

 

ひとはくサロンのカウンターでフロアスタッフが飼っている、3匹のカブトムシの幼虫たちのその後♪

 

★52号(29、9g)★ ★54号(19、1g)★ ★55号(28、4g)★

 

3匹は、すくすくと元気に育っているようです。

 

最近の暑さで、ペットボトルの中をムクムク動いているのが良くわかるようになってきました。

 

 

今日、中をのぞいたら…

 

幼虫のうんち発見!!!

 

おもったより、大きいのでびっくりしました。

    うんちが、あまりにも多くなってきたから土のかえどきかも…

 

 

  カブトムシの幼虫のうんち     かぶとむしの幼虫

↑ペットボトルの中のうんちです♪  ↑幼虫です♪

 

                    フロアスタッフ 植山 貴子

 

 

 

 

いらっしゃ〜い

2011年5月19日
  今日も一日素晴らしくよいお天気でした☀ 外は、暑かったですね

 今年の最高気温を記録したところが多かったようです。30℃を超えたところもσ(^^;) 

緑の深田公園 今日は、ひとはくに多くの団体予約が入っていました。よこやま保育園さま、開明中学校さま、伊丹市立荻野小学校さま、池田市立呉服小学校さま、三木市立広野小学校さま、グループホームふれあいの家さま、茨木市立水尾小学校さま、大阪市立蒲生中学校さま。

 

 暑い中、ほんとうにありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。

頭上注意

2011年5月18日

 4階から出入りされることのあるお客さま、頭上にご注意ください。

 

ヒナはいるのかなぁ(ΘΘ) 

 ヒナがいるのかいないのか?まだ確認していませんが、ツバメの巣があります。

 4階入口付近の天井の一角です。

月に一度の・・・・

2011年5月18日

 

朝からどちらへお出かけ?今日は月に一度の「クリーン作戦」Dayでした

 

 ひとはく は深田公園の中に建っています。その深田公園のすぐそばにはFLORA88っていうショッピングセンターがあります。

 毎月一回中頃の水曜日の朝8:309:00、フラワータウン周辺の企業や商店などで一帯のクリーン作戦を行っています。   

         火ばしと袋と軍手と 月に一回ですが、結構ゴミが落ちていますね。道路の端にもたっくさんのゴミが落ちています。すぐ横を朝の通勤の自動車も通り過ぎていきますから、安全には注意してゴミを回収します。

  

     結構怖いですよ    たばこの吸い殻も多いなぁ

  回収したゴミは、分別して廃棄します。 

       燃えるモノ燃えないモノ、ガラス、ビン、金属・・・・・・・

 深田公園を中心にとても美しい街並みのひろがるフラワータウン。私はこの街が好きです。ゴミが一つでもなくなるとイイですね。

 ゴミを捨てるのは、若い人だけじゃないし、たばこの吸い殻を投げ捨てるのは男性だけではない。

 

 地球を汚すのも人間。美しくするのも人間。

 

           あなたは、どっちの人間ですか?

 

 

「 イモ なのか?ベニ なのか?」のブログ( http://hitohaku.jp/blog/2011/05/post_1198/ )を

ご覧になりましたか? その話のつづきです。

 

布施主任研究員のアドバイスもあって、「ベニカタバミ」(カタバミ科)の地下部を掘りあげることにしました。

 

そうすると、下記のような塊茎(かいけい)がありました(イモに見えますか?)。

s-benikatabami 002.jpg

その塊茎から、白っぽい枝のようなもの(走出枝といいます)が伸びて、

s-benikatabami 003.jpg 

その先には、小さな塊茎がありました。

s-benikatabami 001.jpg

これらが、「ベニ」(ベニカタバミ) の 「イモ」(塊茎) ?か (もちろん紅芋ではない!)。

このようなイモ(塊茎)で、どんどん増えていくのですね。

 

この地下部は、午後4時過ぎに堀あげたのですが、そのころには、すっかり すべての花が閉じていました。

(もちろん、掘りあげる前のものですよ。)

benikatabami hanatoji002.jpg

 

                        (自然・環境再生研究部 小舘 誓治)

 

 あまり天気がいいから、お弁当も終わって、お昼休みに散歩だ!!   と、思って外に出たらすぐに紫色のキレイな花を見つけた。

カタバミのなかま

  「なんだろうなぁ?」「なんか、葉っぱがないように見えるし・・・・・」「去年は気づかなかったけどなぁ?」と眺めていると、そこへ、植物生態が専門の小舘研究員が!!

 

    「先生!教えてください、この花は何ですか?

    「ふむふむ、これはカタバミの仲間ですね。ここにイモもできていますね。」

    「カタバミですか?

    「そうです。アカカタバミだったかムラサキカタバミだったかイモカタバミだったか。あとで調べてお伝えします。」

    「ありがとうごんざります」

 

 

 しばらく後、

    「アカカタバミではなくてイモカタバミのようです。」

    「なるほど(ΘΘ)ρ」

と、植物の名前を知らない私には、「カタバミ」と聞いて、なるほどと思うわけです。

 

 が、さらにしばらく後、

 「先ほどイモカタバミといいましたが、ベニカタバミですね。イモカタバミとの違いは、葉で、イモカタバミの葉は、花よりも大きく光沢がないそうです。花壇に咲いていたカタバミの葉は小さく光沢があるように思います。また、花びらが「イモカタバミ」では細長く、「ベニカタバミ」では丸みを帯びるようです。」

 

花壇の様子 とても詳しく教えていただいて、また賢くなりました。

 

 

 でもね・・・・・・・「カタバミ」って漢字で書くと「片喰」とか「酢漿草」とか書くらしいし、この「ベニカタバミ」はブラジル原産らしいし、葉っぱの形はクローバーとよく似てるけど(私には、同じに見える(◎-◎))全く違う植物らしいし・・・・

 

 やっぱり、私には難しい(゚ε゜;)

 

 おはようございます。 ☀ 今日も朝から、朝日がサンサン!!

 

さわやかな青空 緑がいっぱい。お散歩中のレトリバーも気持ちよさそうでした。今の季節、緑が美しいですね。でもよく見ると、「緑色」と言ってもいっぱい種類があります。

 

緑は? 実際に眼で見ると、一つ一つ違っているのがわかります。みなさんのお住まいの近くの山はどんな色ですか?植林されている山と植林されていない山。じゅうたんの模様のように、さまざまな種類の「緑色」がモっコモコしてるのが、植林のされていないところだと思います。

 今頃の季節から梅雨までの時期が屋外に出かけるのには最も気持ちのいい季節ではないでしょうか。ひとはくでは、この土日も楽しいイベント満載です。

 ぜひ、ひとはくにお越しください。そして深田公園の緑を楽しんでください。

新緑の感触が

2011年5月13日

 子ども達の元気いっぱい、明るい歓声が戻ってきました!(^^)!

 

外は気持ちいい 久しぶりに好天。

 深田公園の木々の新緑も最高!!

 子ども達の歓声が公園中に響き渡っています。

 

   新緑が最高   ひとはくにお越しください

 

         緑の中で

           風を感じて

            自然を感じて

              自分を感じて

                生命を感じて

 

 

 ぜひひとはくにお越しください

 

 

目に映る景色がどこを見ても緑・みどり・緑・・のさわやかな季節になりましたね。

 

そんなある日、エントランス前の芝生に小さな鳥さんが。

 

じっとして動きません・・「大丈夫かな?」「怪我していないかな?」

 

心配しながらみていたら、しばらくして元気よく飛び立っていきました。ホッ(*^_^*)

 

 

かわいいお客様♪     かわいいお客様♪

 

 

背中に白い模様のある、スズメくらいの小さな鳥でした。

 

 

図鑑で調べてみたら、「コゲラ」という鳥のようです。

 

ひとはくの周りでは、いろんな鳥の鳴き声が聞こえます。

 

次はどんなかわいいお客様が遊びに来てくれるかな。

 

 

 

北村研究員に確認したところ、やはり「コゲラ」でした(^−^)

 

 

                   

                    

                        フロアスタッフ 有村睦子

 

 

 

 5月11日から12日にかけて西日本を中心に大雨が降りました。

 ひとはくのある三田市でも大雨警報が発令されたり、県内の広い範囲で警報や注意報が出ました。そして、JR福知山線が一部不通になったり、舞鶴若狭自動車道も通行止めになるなど、すわ大災害!!と緊張しました。5月12日11時45分現在、まだ県内の宍粟市では引き続き大雨警報が出されていますので、土砂災害など、事故が起きないよう十分にご注意ください。被害が出ないことをお祈りします。

 

 実は、4,5日前の5月7日にフィリピンの東の海上で台風1号が発生していました。そして進路を日本に向けつつも、5月12日午前3時九州の南の海上で熱帯低気圧に変わりました。その影響もあって、大雨が降ったのではないかと思います。

 しかし、「5月に台風?」「5月に台風が日本に上陸するのか?」と、「なんかいつもに比べて早過ぎないか」と思ってあちこちネットで調べました。

 

 そうしたら・・・・・台風って1年中発生してるんですね!!

8月やばいっス この上のグラフは、気象庁の統計を元に1951年から2011年5月11日までの台風の発生件数を月別に示しました。すると、過去5月に発生した台風は65件もありました。ちなみに最も多い8月は337件です!!

 そして、もっと驚いたのは、1月や2月、3月でも台風が発生している(@_@)んですね!! いやぁ、知りませんでした。なんとなく聞き過ごしていたのかも知れません。

 ちょっと興味がわいた時にはネットで調べられるから大変便利ですが、こうした自然の営みもきっちり理解した上で災害等に備えることも大事ですね。

 

 

 そうそう、日本に上陸した台風で一番早かったのは、1956(昭和31)年4月25日の台風3号らしいです。

 

情報管理課:八尾

備えあれば憂いなし

 

 

1415分、宍粟市に出ていた大雨警報は解除されました。しかしまだ注意報は発表中のところもあります。地盤の緩んだ地域がありますので、今しばらくは油断禁物ですぞっ

本日のお昼過ぎに、

ご家族と一緒に神戸から来られた、小学生の女の子が、

砂場で拾った骨のようなもの(下の写真)を持って、

御来館されました。

 

catfish0.jpg

 

 

 

 

 

(布施主任研究員撮影) 

 

女の子はこれをとても大切にしているそうです。

だけど、これが何なのか解らないので、

博物館に尋ねに来られました。

 

博物館には、多くの研究員がいます。

 

骨の鑑定3のサムネール画像

 

 

 

 

 

 

 女の子が砂場のどこで見つけたかなど聞きながら、

自然史科学、爬虫両生類学が専門の太田主任研究員が、

ルーペでしっかり観察をします。

 

骨の鑑定1のサムネール画像

 

 

 

 

 

 

 

魚の骨かもしれないので、

植物生態学、熱帯生態学が専門の北村研究員が、

魚の骨の本を出してきてくれました。

 

少し削って燃やして本物かどうか確認しました。

燃えなかったので、本物の骨のようです。 

 

骨の鑑定2のサムネール画像

(博物館の外で燃焼実験、布野研究員も見守っています)

  

古脊椎動物学が専門の三枝主任研究員が、

ナマズのひれのところにある骨であると調べてきてくれました。

化石でもよく見られるそうです。

 

骨の鑑定5のサムネール画像 

 

古生物学、地質学が専門の古谷主任研究員が、

インターネットからナマズの骨の画像を印刷してくれました。

 

館内をご家族で見学中に、

博物館の研究員のチームワークで、

女の子の大切な骨のようなものが、

『なまずのむなびれの支持骨』であると解決しました。

 

小学生の女の子とご家族は、このあと

多くのイベントに参加して、閉館までおられました。

とても喜ばれて帰られました。

 

また、みなさまも解らないことがありましたら、

是非、博物館に尋ねて来てください。

お待ちしております。

 

生涯学習課 本多淳二

大型連休が始まりました。みなさまいかがお過ごしですか?

ひとはくは、5日の子どもの日まで休まず開館しています。 

 今日は、NPO法人三田武庫が丘グリーンクラブ様からご提供いただいた、カブトムシの幼虫をプレゼントする特別イベント「カブトムシのイベントカブトムシの幼虫を飼ってみよう!」を実施しました。

幼虫が博物館に到着したときの様子はこちら→

http://hitohaku.jp/blog/2011/04/post_1180/

 

午後1時に希望されたお客様50名様に整理券配布。

1時間で整理券がなくなるほど、好評でした。

 

             s-P1030672.jpg   kabutomusi 006.jpg

 

 なんと、滋賀県から来てくださったお客様もいらっしゃいました。

まずは、虫博士から飼い方のコツのお話がありました。

幼虫をあんまり触っちゃいけないんだって。でも、触りたいよね・・・。 

kabutomusi 015.jpg 

それでは、カブトムシの幼虫を選びましょう。

選びに選んで〜。昆虫博士でも幼虫だとオスになるかメスになるか、分からないんだって。

成虫になるのが楽しみ♪

 

                s-IMG_4353.jpg   kabutomusi 036.jpg 

そして、選んだ幼虫の体重をはかってみました。

意外と軽い???

 

                 s-P1030680.jpg   s-IMG_4343.jpg 

みんな、大事に育ててね。

博物館のスタッフも育てています。成虫になったら、体重比べをしようね。 

                             キッズひとはく推進室

今日、12:30から布施先生のオープンセミナー「花を大きくして見てみると?」がありました。部屋からはみ出すほど多くのお客様が参加されました。

hana1.jpg

実体顕微鏡に移された映像に皆さん釘付け。身近な植物も大きくするとまったく違った姿を見せます。

hana2.jpg

小さな花も大きくすると毛が生えていたり、とげとげだったり、不思議がいっぱいです。
子どもも大人も実体顕微鏡をじっとのぞいて、じっくり観察していました。

hana3.jpg

どんな姿が見られるかは、ひとはくに来てのお楽しみです。次回は10月1日、秋の花を観察できます。


山本伸子(自然・環境評価研究部)

旗振山 あまりの陽気に、摂津の国と播磨の国の境にある旗振山に散歩にでかけたとある春の日。

 なんと森の中にタヨウ星人をみーつけた!のです。 ムムムっ??

 

 春のあたたかな木漏れ日の中、クヌギトラジロウか?いやオッサンの木!

 いや、タコさんにも見えます。 (゚ε゜;)

 

 反対から見るとナポレオンフィッシュの木にも見えます。 (◎-◎)

 このヘンな木はいったいなんの木?

 

 だれか教えてくださーい。地球にもタヨウ星人がひそかに侵入してきているのかもしれません。 ヘ(;゚゚)ノ

 あなたも自分の町でタヨウ星人を発見したら、ぜひご一報を!

 ほらっ!あなたのすぐ後ろ!! 振り返ってごらんよっ!!!

 

ひとはく地域研究員 川東丈純

クヌギトラジロウでごんざります!!

 ゴールデンウイークになって、今日もひとはくは大入り満員状況です。本日もご来館誠にありがとうございます。

  そして4月も今日で終わりなのか・・・・・・・・

 

 いやいやまてまて

「2月もそうだけど4月も、なんで31日がないんだ?31日まであったら、ゴールデンウイークももっと長くなるんじゃなかろうか?」 と欲張りなことを考え、インターネットで【4月31日】を検索してみた・・・・・・・・・・・・ ヽ(´o`

 

 

 ジャーン  ありました!! 

4月31日がカレンダーに!! なんと4月が31日まで!! うれしいじゃありませんか!(^^)! さらによく見ると、いつも私たちが見ているカレンダーとは異なるところがあちこちにありそうです。(このカレンダーはWikipediaから引用しています)

     興味のある方はぜひインターネットで調べてみてください。 

 

 そして連休中には是非ひとはくにお越しください。展示やイベントに参加して、「あれ?」とか「なんで?」とか感じたら、すぐに調べてみよう。新しい発見があるかも知れないよ。動物や植物や岩石、化石。そして恐竜のことなど「不思議だな?」っと思ったことは、フロアスタッフや研究員にどんどんたずねてくださいね!

 

 連休中もみなさんのお越しを待ってまぁ〜す

バカ殿ではない!! カエルトノサマじゃ.gif

中国の植物園に植物の標本調査に行ってきました。今回訪問したのは、南京にある南京中山植物園と、北京にある北京植物園です。
今回の調査の目的のひとつに、中国におけるヘビイチゴとヤブヘビイチゴの分布を把握することがありました。中国の図鑑をみると、ヘビイチゴもヤブヘビイチゴもほぼ中国全土に分布するように書いてあるのですが、どうもヘビイチゴはそんなに広くは分布していないのではないのではないかと思われたからです。というのも、ヘビイチゴとヤブヘビイチゴは、葉の形、種子の模様などで区別されますが、この2種は非常によく似ているので、しばしば間違えて同定されます。日本にある中国産のヘビイチゴとヤブヘビイチゴの標本をみたところ、ヘビイチゴは中国東部の限られた地域でしか採集されていませんでした。
たくさんの標本を調べた結果、ヘビイチゴはやはり中国の東から南の地域に限って分布しており、これまで考えられていたよりもかなり狭い範囲にしか分布していないことが明らかになりました。

 

                           hebi-ha.jpg      yabuhebi-ha.jpg

                                            ヘビイチゴの葉                             ヤブヘビイチゴの葉

 

hebi-hana.jpg

                                                                ヘビイチゴの花


hebi-hyo.jpgのサムネール画像                                                              ヘビイチゴの標本

                   

                                                                                  山本伸子(自然・環境評価研究部)

去年の9月から飼い始めたハチにも春がやってきました。
朝、出勤してハチを預けている警備さんの部屋からハチを受取って私の1日が始まります。
春と言っても、ここ数日寒い日が続いたので、寒さに弱いハチの元気な姿が見られるか毎朝ドキドキです。

s-P1060448.jpg

            (え?動いてない?って心配になります。)    

 

昼近くになって暖かくなると、ケースの中で元気に飛んでいます。

ここ半年以上、誰よりも近くで私を見守ってくれているオスのハチです。

 

ハチの話を聞いてちょっと昆虫を飼いたくなったなと思うあなた!

5月3日にカブトムシの幼虫をプレゼントするイベントがありますよ。
(13:00から配布する整理券が必要です。)

 特別イベント 「カブトムシの幼虫を飼ってみよう!」については、こちら
   → http://hitohaku.jp/top/11event/beetle.html

 

飼い方が心配?安心してください。
虫博士から、飼い方のお話がありますよ。
幼虫の飼育ケースまたは2リットルのペットボトルを持ってきてくださいね。
 

                       小林美樹(生涯学習課&キッズひとはく推進室)

午後2時より「ふかたん」があるというのに、朝から降水確率は、40%で実施は微妙でした。
12時を過ぎてとうとう雨がザーッと降ってきてしまい、予定を変更してサロンでのイベントも考えました。

しかし、行いが良かったのか2時にはすっかり晴れました。よかった!(*^_^*)

 

s-P4240950.jpg今日の隊長は、虫はかせの沢田研究員です。
どんな虫が見つかるか?!深田公園に出て観察です。

沢田研究員が、逆さにした傘に、木を揺すって虫を落としてみせます。

 

 

沢田研究員によると、この季節の虫は、幼虫なので小さいものが多いとのこと。
本当に小さな虫がたくさん見つかりました。

s-P4240990.jpg s-P4240984.jpgのサムネール画像のサムネール画像

  ヨコバエ、チャタテムシ(お茶をたてるような音を出す虫)、イラガの繭、ゾウムシ、ヨコヅナサシガメ、ナナホシテントウ、ワラジムシ、アリグモ、キリギリス、ゴミムシダマシ、コオイムシ、アメンボウ、シャクトリムシ等々、 子どもたちは 虫をみつける名人です。

 

s-P4240983.jpg s-P4240994.jpg 子どもたちからも沢田研究員に質問です。「どうして虫がすきになったの?」
答えは、「たくさん種類がいて面白いから。1種類だったら好きになっていなかったかも」とのことです。
最後に子どもたちは、草花の密を吸って、「これは甘い。」とか「あんまり甘くない。 」とか虫の気持ちになっていました。

                                                        

予定より長い散策になりましたが、有意義な時間でした。

フロアスタッフ せら ゆうこ

 

 

でもね

2011年4月21日

 

 「天気は下り坂」って思ったけど、まだ雨は降ってませんね。

 

 まぁ、下らない話だった、ってことでこらえてください   m(__)m

つまりは

2011年4月21日

 午前中は空は晴れていて、飛行機雲も何本も残っていました。とっても幾何学的な模様にも見えていました。

 お昼からまた様子を見に行くと・・・・・・

なんだかとっても幾何学的 なぁんと、お日様が暈(カサ)をおかぶりになっておられました。

 

      そういうことでしたか!!  

 

 そもそも空気中に水蒸気が多いと(多いから)、飛行機雲ができやすく消えにくいんですね。今日のように、いっぱい飛行機雲が残っていたり、お日様が暈をかぶっているということは・・・・・・・お天気は下り坂(+o+)

 

 

 屋外へ出かけられない時は、ぜひひとはくへお越しください。

雨降りは、いやだぁ

 なんだか久しぶりにポカポカ陽気ですね、フラフラッとお散歩したくなるような、うれしい気持ちです。

 ふっと空を見上げると、真っ青な空に幾筋もの飛行機雲が目に入りました。

上を向いて歩こう by 坂本九  2,3本の飛行機雲は見ることはよくありますが、今日は珍しく7,8本残っていました(写真には全部写ってないですね、すみません)。なんだか得したような気持ちになってしまいました・・・・・・ヘ(^o^)/

 お天気のよい日にはぜひ外の空気を吸って、そして、ひとはくにお越しください。週末の4月23日からは「丹波と恐竜を知ろう2011 〜第五次発掘報告〜」展が開催されます。ほかにも楽しいセミナーやためになるイベントも多数あります。お待ちしております。

 情報管理課:八尾

早く行かなきゃ、だ

コレ、なぁ〜んだ?

2011年4月20日

 それはまだ春休み中だった 4月2日の土曜日のことでした。

 ひとはくサロンでは、山崎研究員によるオープンセミナーが開かれていました。

 セミナーのタイトルは「体感、三角の力」シリーズ初回「トラス編」 横で取材しながら私も勉強しました!! 

スッゲー高いんですよ!! 

 それで、何か目立つモノはないかなぁとウロウロ ┌|°з°|┘└|°ε°|┐┌|°э°|┘ 

 

 

 左のような鉄塔を見つけました。

 

 別にJRの鉄橋でもよかったんですけど、鉄塔の方が高くて、かっこいい気がして。

 

 

 ここにも三角の力が使われているんですね。スゴイスゴイ!!

 

  今度は、GW中の5月7日に多面体おもちゃ「テンセグリティ」を作ります。なんじゃそりゃ?と思ったあなた、ぜひ、ひとはくにお越しください。いっぱい楽しめます!!

鉄塔に近づきすぎると危ないよ!!

春の植物採集記

2011年4月18日

4月最初の植物調査は、九州、四国、中国地方に出かけました。目指す植物はキジムシロの仲間です。

どのように探すのかと言えば、まず出発前に標本庫に収められている標本を調べ、どのあたりで採集されているかチェックします。
その上で、地図でありそうな場所を探し、ありそうな道を進みます。このあたりは長年の経験と勘が頼りです。
あとはひたすら車を走らせ、周囲に目を配ります。
以前はあったのに、道路の拡張工事でなくなっていることもしばしば。
さらに、今年は春が遅かったようで、標高の高いところでは花がまだ咲いていない様子。
それでも目を凝らし、黄色い花、3枚の小葉を必死に探します。

そして、「あったー」と思ったら、ヘビイチゴ。

hebi1.JPG hebi2.JPG  

「あったー」と思ったら、ジシバリ、タンポポ、キンポウゲ・・・。

kin1.JPG kin2.JPG  

と、このように騙され、欺かれながら目指す植物を探します。

Potentilla.JPG 

そうしてようやく見つけたキジムシロ属のみなさんです。

kijimusiro.jpg  mituba.jpg  himeturu.jpg

 teriha.jpg  ohebi.jpg
(キジムシロ、ミツバツチグリ、ヒメツルキジムシロ、テリハキンバイ、オヘビイチゴ)

みなそれぞれ個性ある顔立ちですね。

山本伸子(自然・環境評価研究部)

紅にほふ桃の花

2011年4月17日

4月最初の植物調査に出かけました。
そのときに高速道路から見た春の風景を紹介します。

岡山県の桃林。玉島インターを過ぎたあたりから急に山一面が桃色になり、すばらしい眺めです。九重山のミヤマキリシマに勝るとも劣らない美しさです。

広島県のタムシバ林は、知らないと気が付かないかも知れません。

鳥取県では真っ白な梨の花が満開でした。

ただ、いずれも高速道路を走っている途中なので、なかなか良い写真が撮れませんし、車が止まれるところでは、良い景色は見られないのです。

momo.jpg  tamushiba.jpg  tamushiba2.jpg

 

実際に行って見てもらうのが一番ですが、これらの風景は1年の中でほんの数日間のもの。残念ながら、いまはもう散ってしまったでしょう。

来年をお楽しみに。


山本伸子(自然・環境評価研究部)

 トケノザ オジロ と続いたので、ついでに「ホ」ではじまる生きものを思い浮かべると・・・・

 

 あった、あった  ありましたよ。

 

 

 「トトギス」

 

  えっ?ホトトギスは鳥だけじゃないの?

  調べてみると、ユリ科の植物のなかに「ホトトギス属」というのがあるそうです。 またチャンスがあれば是非写真にしてお届けします。

 

 

  明日の17日(日曜日)も、ひとはくでは楽しいイベントがいっぱいです。NPO法人 人と自然の会によるドリームスタジオや花工房などのオープンセミナーをはじめ、ボルネオ、熱帯のめずらしい生きものの話や丹波の恐竜化石の解説もあります。パソコンを使ったデジタルの虫で遊ぼうもあります。

   どこにあるかな?  そして、最近大きな昆虫模型も展示室に出てきていますよ。 ビックリするくらい大きいんです。実物の100倍くらいあるよ!! 

 

 

   とにかく、ひとはくに来れば楽しめるって、ことです。

 

                       では

鳴かぬなら鳴かせて見せようホトトギス  

同姓同名シリーズ?

2011年4月16日

 この前のことです。河原で見つけた鳥がいましたね。名前は判らなかったけど、とりあえず撮っちゃえ!みたいな感じで撮りました。

 そして、その後図鑑で調べたり研究員に尋ねたりして名前が判りました!!

 【ホオジロ】でした。名前が判るとなんだかスッとしますね。雀のちょっと尻尾の長い鳥みたいな感じ、って覚えられそうです。そして鳥の目の下(ホオのあたり)が白っぽいということも。北村研究員、ありがとうございました。

 

 それでこの鳥の件は一件落着、となりましたが・・・・・・(ホオジロ、ホオジロって・・・・・・)そういえば、ひとはくでやってた生物多様性大作戦の展示のなかに「アオザメ」ってのがあったことを思い出しました。

アオザメ 実は、このアオザメは展示室の中で、唯一不気味な怖〜い存在でした。近づくのも怖かったので、あまり写真も撮ってませんでした。

 

 で、サメと言えば「ホオジロザメ」ってことで、繋がりました。 このホオジロザメは側頭部が白いので「ホオジロ」ザメと名付けられたと言われています。

 【ホオジロ】で両方繋がったというものの、鳥の「ホオジロ」とサメの「ホオジロ」。これは同じ動物でも、「鳥」と「魚」の違いがあるから、そう混乱することはないと思います。

 

 しかし、昨日紹介した「ホトケノザ」。これはどちらも植物。

 

 なんとかなりませんか?

 情報管理課:八尾

パニックだわw

 セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・・・って聞かれたことありますか?ご存じ「春の七草」ですよね。 この中に、【ホトケノザ】っていう草が出てきます。

 

ホトケノザ         

 

左のこの写真。この時期よく見かけると思いますが、ホトケノザといいます。

 

 花を横から見た時の様子が、「仏」様が座られる「座」を想起させると言うことで、こんな名になったようです。

      横から

 さて、そのホトケノザですが、この花はこの花で可愛らしいのですが、春の七草に出てくる「ホトケノザ」はこのホトケノザではないらしい!!

 

 なんたること!! 違う花に同じ名前が!! ホトケノザなのにホトケノザでない?!

 

 なんだかとっても不思議な感じですね。植物や身の回りの自然に興味がわいてきたら、是非ひとはくにお越しください。研究員によるセミナーオープンセミナー、フロアスタッフによるデジタル紙芝居やフロアスタッフと遊ぼうのコーナーなど、あなたの好奇心をくすぐってくれること間違いなし!!

 ゴールデンウィークは、ぜひ ひとはくへ!!

情報管理課:八尾  毒はないと思うが・・・・

自己流草花アルバム

2011年4月15日

 やっぱり、春はいいですね!!

 天気のよい日に、ぷらっと出かける。道ばたや田んぼのすみっこ、河原の土手、大きな木の陰などに可愛らしい草花が咲いてます。

 

花マンダラ? デジタルカメラを片手に散歩。自分で勝手に花のアルバムを作って遊ぶ。名前の判らない草花もとりあえず写しておきます。名前は後からでも調べれば判る(はず?!)

 

 4月24日(日)午後には、小舘研究員による「ちょっと観察!この植物」と題してオープンセミナーが開催されます。天気がよければ、深田公園まで出かけます。また、5月1日(日)には布施研究員による「花を大きくして見てみると?」のオープンセミナーがあります。こちらは、いつも見かける植物を、なんと顕微鏡で拡大して見てみるそうです(◎-◎)

 

  植物の好きな人もそうでない人も、興味のある人もそうでない人も、是非ひとはくにお越しください。新しい発見があるかも??

 

    (^。^) 

この鳥は?

2011年4月14日

 あちこち散歩していると、いろんなものに出会いますよね。今回は「鳥」をトリあげます。

 

河原で・・・・ さて?この鳥は?

 鳥には詳しくないので、これから図鑑で確かめたり知っている人に尋ねたりしながら、この鳥の正体を探ろうと思っています。

 

 みなさんも、何か気になる動物や昆虫、植物などを見つけたら、是非記録を残して「ひとはくいきものかわらばん」に応募してみてください。

 

 情報管理課:八尾

(^。^)

 

 私は研究員ではありません。でも身の回りの生き物や自然、天体現象など見たり記録するのは好きです。

 そこで、例えば・・・・こんな写真

 ライオンタンポポ!? 普通のタンポポの写真です。ライオンタンポポではありませんが、実は家の近く公園の中ですが、小高い丘に向かう斜面で寝そべって撮りました。周りにはお弁当をもってピクニックに来ておられる親子連れも多く見える中、結構勇気がいります。

 大の大人が公園の中で、寝転がって写真を撮る。これって、大きな声では言えませんが、「まるで怪しい人のようだな」と自分で思いました。

情報管理課:八尾

(^。^)

今日も、とてもいい天気。
博物館に隣接する深田公園を隊長&隊員、私1人で探検してきました。
s-P1060406.jpgちょっと頑張って歩くと、スイセンが出迎えてくれます。 

こんなにスイセンが咲いてるなんて!

P1060412.JPGスイセンの話はこれまで何度かブログにも出ましたね。

深田公園のスイセン→
http://hitohaku.jp/blog/2011/03/post_1135/

お花をどうぞ→
http://hitohaku.jp/blog/2011/03/post_1126/

スイセンの蕾 膨らむ→
http://hitohaku.jp/blog/2011/03/post_1125/


私のようなインドアな人でも、途中にベンチがあるから大丈夫。

深田公園の花見もなかなかなもんでしょ。


P1060417.JPG     s-P1060414.jpg

       (コブシ)              (ユキヤナギ)

深田公園は花だけじゃないんです。
ハクセキレイの姿も。

s-P1060422.jpg

                    (ハクセキレイ)

 

ひとはくでは、深田公園を探検する、「ふかたん」を実施しています。
今月のテーマは「春の虫を探そう!(4/24実施)」で、隊長は沢田研究員です。
沢田隊長と隊員のフロアスタッフと一緒に深田公園を探検してみませんか?

もちろん、私のように隊長&隊員が1人でも十分楽しめますよ。


                                                    小林美樹(生涯学習課)

つくし 美味し?

2011年4月 9日

ツクシがにょきにょき 近くの田んぼの畦

 

 ツクシがたくさんありましたが、半ば開いてました(*_*) ちょっと遅かったか。

 

 つくだ煮にしてよくいただいたのですが、みなさんはツクシは食べられますか?

 美味しいですよね、つくしって。

そして、ツクシのそばにはタンポポがありました。 本物のタンポポ

 

 

 ライオンタンポポじゃなくて、本物のタンポポですよ!! タンポポについては、いまトピックス展を開催中です。是非見に来てくださいね。

 

LION_Pink情報管理課:八尾

ミミズの日

2011年4月 1日

 今日,3月32日はミミズの日ですが,ミミズの標本は見ても楽しくないので…

0015.jpg

虫共生・沢田

 

深田公園のスイセン

2011年3月31日

 公園には数種類のスイセンが植えられています。スイセンの仲間は夏の間、地上に葉を出さず休眠しています。春先になるといち早く芽吹き、花を咲かせます。暖かいところでは1月から花が見られますが、深田公園では3月に入ってからです。スイセンは地中海沿岸からユーラシアにかけて40種ほどが分布していますが、副冠(ふくかん:中央の黄色い筒状の花弁)が小さいスイセンのグループと副冠が大きく発達するラッパズイセンのグループがあり、ヨーロッパでは1850年頃から品種改良がおこなわれ、1万種以上の園芸品種が知られています。

 スイセンの花は子房下位なので、子房上位のユリ科と区別され、ヒガンバナ科に分類されます。白い6枚の花弁に見える部分は、外側の3枚がガクで、内側の3枚が花弁です。ガクと花弁の区別がつかないのは、ユリ科と共通しています。内側の黄色の筒状になった花弁はスイセン特有のもので、とくに副冠(ふくかん)と呼ばれています。国内では、海岸の暖地に見られ、越前海岸や淡路島の灘黒岩、立川の水仙郷は有名です。日本のスイセンは3倍体で、種子をつけないことから、古く中国を経由して渡来したものと考えられています。日本で初めて「水仙」が文書に登場するのは室町時代になってからです。

 スイセンの学名(ナルキッスス)はギリシャ神話に登場する美少年、ナルキッススに由来しています。ニホンズイセンの花言葉は「自己愛」、ラッパズイセンの花言葉は「報われぬ恋」とされています。今年は水仙の芽吹きが遅れているので、サクラの花と同時に楽しめるかもしれません。

 

 Daffodil 01.jpg      Daffodil 02.jpg

 ラッパズイセン全景(縦位置)        ラッパズイセン全景(横位置)

 

 

 

Narcissus 02.jpg  Narcissus 03a.jpg

    ニホンズイセン全景            ニホンズイセンの花の拡大。

                                 外側の白い部分が花冠。

                                 内側の黄色い部分が副花冠。

 

            Narcissus 04.jpg

               ニホンズイセンの花。

               側面から見たところ。

            左の濃い緑色で紡錘状に膨らんだところが子房。

 

             藤井俊夫(自然・環境再生研究部)

 

今日、ひとはくに三田市立けやき台小学校4年生の小さな研究者がやってきました。
小学校1年生のころから、石に興味があって、集めては自分で調べているそうです。
でも、今回はけやき台公園で拾った石が何の石か分からずに持って来てくれました。
黄色みがかった石に黒いすじが...生物が炭化したものではないか?とのこと。

P1060200.JPG加藤主任研究員どうですか?

みんなもどれどれ。

 

P1060201.JPG専門家に見てもらった感想は?「思っていたとおりだった。」
最後はしっかりセミナーの宣伝を。

 

P1060207.JPGボルネオジャングル体験スクールにも参加してみたいって。
ん〜6年生からの参加だから、もう少し待ってね。
こりゃ、将来が楽しみだ。

                                                                                            小林美樹(生涯学習課)

以前、ひとはく新聞(ハーモニー68号:2010.3)で紹介した植物大好き福岡さん(ひとはく地域研究員)が撮影した花粉の写真が図鑑「教科書に出てくる 植物1花だんの花」に掲載されました。

P1060179.JPG   P1060181.JPG

 

福岡さん P1020026.JPGのひとはく新聞掲載記事はこちら→
http://hitohaku.jp/publications/sinbun/sinbun68/68_2.pdf


花粉をじっくり見ることってないよね?むしろ、花粉に悩んじゃってる?
ホントにいろんな形があって、綺麗なんです。


福岡さんが撮影した写真が掲載されている図鑑は、ひとはくの4階図書コーナーで見ることができますよ。
P1060178.JPG図鑑だから、花粉症の心配も無用!
私の話を「ホントぉ?」と思う人は是非見に来てね。


                             小林美樹(生涯学習課)

お花をどうぞ

2011年3月24日

 

 先日からスイセンねたばかりで、どうもすいせん m(__)m いやいや、どうもすみません。

 博物館の表玄関側ではなくて、裏手の方の林のそばで見つけたスイセン。

可愛らしい!!・・・((((( ^-)_∠※ お花をどうぞ こんなに小さなスイセン、可愛らしいですよ。15cmか20cmくらいの高さでした。

 

情報管理課:八尾春よ来い


FtFp0583.jpg FtFp0592.jpg

ええ感じのネコヤナギの花,虫は少ない

 先日ブログのネタさがし(正直)に深田公園を歩いてたら,あるケヤキの根元に虫が沸いているのに気付きました.ユスリカのスウォームです.小さな虫ですので,羽音がするわけでもありませんが,まさに沸いていました.風の弱い日で昼過ぎ,高さは地面から30センチまでくらいでした.


FtFp0575.jpg

空中にわんわん沸いているユスリカ

一応,標本を残そうと網を一振りして持ち帰ったところ,23匹中,♀が1匹で,他は全部♂でした.

(今回の写真3枚も3DSなどで立体視できます.リンク先の大きい画像の拡張子をMPOに変更してください)

walk-ys.gif 昆虫共生 沢田

 2月16日に紹介したスイセン http://hitohaku.jp/blog/2011/02/post_1097/

 

もうすぐ はーる ですねぇ♪

 

 さて 今日の朝の様子

 この場所がどうも一番日が当たって、温度が高い場所のようです。

 

 

 蕾(つぼみ)が一杯一杯に膨らんでいました。

 

 明日には花が開くのでしょうか?

 

 

 

 

昨日の昼休み,当館の藤井主任研究員にくっついて,近所のオウレン群落を見てきました。

おおっ!一面咲いてる!

数日前は雄株の雄花しか咲いていなかったそうですが(→藤井研究員のブログ),今日は両性株の両性花もチラホラ咲いていました。

seriba_herm.jpg 

これが開花中の両性花。

黄緑色の部分が雌しべで,その外側に雄しべが見えますね。

写真では大きく見えるかもしれませんが,1つの花は直径1cmくらいです。

この日は雪がチラついていましたが,時折差し込む日の光を狙って,写真を何枚か撮影し,満足して館に戻りました(写真下段: 左は両性株,右は雄株)。

 

 

seriba_herm1.jpg seriba_male1.jpg

(自然・環境評価研究部 布施静香)

昨年の9月から、ハチを飼い始めて半年が経ちます。

最初は大谷主任研究員の「寿命が2週間ぐらいだから」という話で、「それぐらいの期間なら」と思い飼い始めました。

(これまでのお話はここを

私のいきものかわらばん

http://hitohaku.jp/blog/2010/09/post_877/

 

いきものかわらばん 番外ブログ編2 〜ハチのオスは刺さない(^^)

http://hitohaku.jp/blog/2010/09/2_8/

 

私のいきものかわらばん 続編3〜ハチと過ごす年末年始

http://hitohaku.jp/blog/2010/12/post_1038/

 

オスは8匹、メスは1匹だったのですが、それこそ寿命でオスが2匹、メスが1匹になりました。

 

 

s-P1060117.jpg

                                (左がオス 右がメス )

 

朝、出勤して動かないハチの姿を見るとギクッ( ̄□ ̄;)!!とします。

最近は私自身のことより、時候の挨拶のように「あのハチたちは元気?」なんて、館員に聞かれます。

夜は冷え込むので、警備さんに預かってもらったり、私が博物館不在の時は生涯学習課員に餌のお世話をしてもらったり、ハチたちはみなさんにお世話になっています。

だんだん暖かくなってきたので、動きも活発になってきます。

 

もう少し、みなさんにハチの話を続けることが出来そうです。

 

そうそう。来年度も「いきもの かわらばん」の作品を募集します。

(詳しくは、4月移行にHPでお知らせします)

あなたの「いきもの かわらばん」をお待ちしております。

 

 

                                                                 小林美樹(生涯学習課)

 今日はケヤキの(半めくれ)樹皮下で越冬している虫を探してみました.深田公園のケヤキの多くは近年に植栽されたものらしく,かわるがわる,いつも虫だらけです.しかし今回は期待に反してゾウムシがほとんど見られず,モリチャバネゴキブリ(の若虫)を少し見かけた程度.あとはカニグモ(?)の仲間くらい.


MNHA1264.jpg MNHA1289.jpg MNHA1294.jpg

モリチャバネ,カニグモ(?),凹みのヨコヅナサシガメ

 ケヤキの枝の折れた跡などの凹みで,ヨコヅナサシガメの若虫が,かたまっていました.若虫で越冬して春に羽化するのです.
 ヨコヅナサシガメはふだんは全体が黒でチョコッと赤や白いところがある,トガッたデザインなのですが,脱皮直後は大部分が赤色です.特に羽化したての成虫は全身燃えるような赤で,見どころ(?)だとされています.

 

fuse01.jpg

真っ赤状態のヨコヅナサシガメ(4月下旬,布施研究員撮影)

 

 サシガメの仲間は口吻で獲物を刺して吸う虫,肉食のカメムシです.なかでもヨコヅナサシガメは最大級なので,ヒトでも刺されると激痛です.動きはあまり敏捷ではありません.派手な色彩は一種の警告色だろうと考えられます.

 深田公園のケヤキには年によって色んな虫が発生します.ヒロヘリアオイラガは常連の一つで,幼虫はいろんな木の葉を食べますが,ケヤキにも多く,秋になると繭を作るため大枝や幹に降りてきます.成虫は緑と褐色の鮮やかな分断模様,幼虫はウミウシみたいな派手な色彩と,それぞれ美しい虫です.ただし幼虫に毒棘があるのが玉に傷.これも警告色でしょう.

 

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ヒロヘリアオイラガとヨコヅナサシガメ

 で,秋に,ヒロヘリアオイラガが大挙降臨してくる頃,このヨコヅナサシガメが口吻を差し込んで体液をチュウチュウ吸っているのを見かけます.両方とも外来種ですし,ケヤキじたいも植えたものですので,ぜんぜん自然ではないのですが,自然の営みが実感できる光景です.

 今回も3DSで3Dで見られます(真っ赤な成虫の画像を除く).3月3日の場合と同様に,JPGでダウンロードしたうえでMPOに変えて下さい.他のMPO対応3D機器でもたぶん同様に3D視できると思います.(詳しくはコチラを)

walk-ys.gif 昆虫共生 沢田

3月と言えば「春」だと思っていましたが、まさか雪が積もるとは。

すっかり春だと思ってコートもセーターも仕舞ってしまいました。

三田が寒いのか、今年が特別なのかは私には分かりませんが、おかげでいろいろな雪の結晶が見られました。

写真を撮っていて、ため息をついただけで雪が融けていくのをみると、春も近いのかなと感じました。

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山本伸子(自然・環境評価研究部)

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県立御影高校による「六甲山のキノコ展〜野生のキノコの不思議な魅力〜」、ただいま開催しております。連日、キノコを目当てに来館してくださるお客様に来ていただき感謝です。
こんな時期にキノコが、と思われる方はぜひ一度おこしください(5月15日まで開催!)。
標本製作の技術が、きのこワールドを支えております。

ことしのポスターも気合いが入ってます。昨年に引き続き、3年生の吉田さんの作品です。
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美しい仕上がりです。おねえさんのとなりにいる犬は誰がモチーフなのか気になりますが。
画面下側に、にゅきにょきとバランス良くキノコを生やして多様性を演出する表現力がすごいです。
いつもありがとうございます。

展示は、凍結乾燥した標本を特殊樹脂にて含浸処理したものを並べております。3年前に製作したものも、全然遜色ない状態です。樹脂の含浸方法についても、御影高校のお家芸となりつつあります。べっとりと塗りすぎず、それでいて樹脂量が不足して脆くならないように、きのこにあわせた濃度で処理されています。注射器で内部注入したりと、技が磨かれています。これに加えて、プラスティック樹脂封入標本も加わり、約350種、500点が並んでいます。
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さらに今年は、御影高校環境科学部でキノコ狩りに但馬地方の鉢伏山に日帰り遠征。
その成果のうち、巨大なハナビラタケも展示されています。こんな大きな標本は珍しいです。
女子2名による大発見です。
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これだけではありません。とにかくキノコだらけです。
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6種類のキノコのニオイも体験できます。
カレーのニオイがするもの、とっても臭いやつ、ぜひ体験ください。

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兵庫きのこ研究会による美しいキノコの写真がずらり。やっぱり標本と見比べると写真は美しいです。
そして、高校生お手製のきのこイラストバッジ(COP10でも人気!)。ミュージアムショップで販売しております。ひとつ120円です。
御影高校の生徒さんたちの力作の展示です。ぜひみなさん、おこしください。
そして、今回も前回もずっ〜と、キノコの鑑定や現地指導をサーポートしてくださった兵庫きのこ研究会の皆様、いつもいつもありがとうございます。


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【場外編】
展示の設営もみんなで手分けして実施してもらいました。みなさん、慣れてきたのでとても手際良いです。2月11日と12日の半日づつを使って、実質的にはほぼ1日で設営完了です。
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大きな展示台(日本海VS瀬戸内海の展示でオサガメを乗せてたもの)のレイアウトを検討中。御影高校の近くに住んでいるキノコをこよなく愛する小学生の和田君やOB/OGも手伝ってくれてました。

R0012355.jpg無事、展示ができあがりました。ポスター、とても格好いいです。
六甲山のキノコ展〜野生のキノコの不思議な魅力〜、ぜひぜひ見に来てください。

(みつはしひろむね)

先日(2011年2月23日),久々に早春の篠山を訪れました。

目的はセツブンソウ(節分草)。

ちょっと時期が早いかなあ,でもここ三日ほどでずいぶん暖かくなったしなあ,と悩みながらも篠山市東部にある群落へ。

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お目当ての群落を訪れると・・・咲いていました!

直径2cmくらいの小さな花ですが,他の草たちはようやく芽をだしたかどうかという時期なので,素敵です。

つぼみも多くありましたが,日当たりの良い場所では,写真のようにたくさん咲いていました。

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セツブンソウはキンポウゲ科の植物。

白い部分は「がく」で,その内側にある黄色く見える部分が「花びら」です。一見,花びらには見えませんね。この黄色い部分には蜜腺があるので,この日もミツバチたちが訪れていました。さらにその内側の紫色の部分は雄しべの葯(やく)。さらに内側には雌しべがあります。

せっかくここまで来たのだからと,続けて篠山市西部の群落へ。こちらのセツブンソウは時期が早すぎるだろうと覚悟していたら,やっぱり早すぎて,開花個体はありませんでした。

そのかわり,ユキワリイチゲやセリバオウレンの花をなんとか見ることができました。3月に入ったら,もっと多くの花々が見られるでしょうね(下の写真:ユキワリイチゲ(左:葉とつぼみ,右:開花中の花))。

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(自然・環境評価研究部 布施)

 

 

 

 

 

 

2月5日(土)に、三田市環境セミナーの一貫として、はじめて冬の星空のもとで実施しました。23名の親子が参加してくれました。 はじめに環境セミナーらしく、「地球温暖化」の話からはじまり、「天体望遠鏡について」のお話、それから実際に天体望遠鏡 を作り、その望遠鏡でお月さんなどを見ました。幸い天候にも恵まれ、2月上旬にしては風もなく、おだやかな星空のもと 実施することができました。

 

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  「なにか地球が変だぞ(地球温暖化)」から、はじまり、はじまり

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 あれ、なんで手を挙げているの?そうなんです、クイズです。

 

☆ではここで、クイズです。(答えは最後に)

去年、世界で自然災害でなくなったり、行方不明になった人は、実に30万人おられます。1位は、ハイチでおきた大地震の22万人です。2位は、ロシヤでのある自然災害で、5万5千人の人がなくなっています。さて、どんな自然災害だったでしょうか。

 1 暑さ  2 洪水  3 干ばつ

 

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 天体望遠鏡を作る前に、「天体望遠鏡ってなーんだ」のお話

 

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 さぁ、いよいよ天体望遠鏡を作るぞ!

 ★この天体望遠鏡は、口径4cm、アクロマートレンズ、焦点距離420mm

倍率35倍の小さいながらも、木星のガリレオ衛星や土星のかわいい環も見えるすぐれものです。

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完成だ!早くお星さんを見たいな。

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最初に、西に沈みかけている月齢2のお月さんに挑戦してもらいました。あの大きなお月さんが、なかなか望遠鏡に入ってくれません。そうなんです、眼で見ると大きく見えるお月さんを導入するのも、はじめてだと結構難しいんです。でも、苦労してお月さんが見えると「わぁ、きれい」という歓声が、あちこちから聞こえました。次に、木星に挑戦。木星のお月さんも見えるんだ、と驚いていました。

 

☆クイズの答え

 1の暑さが正解です。日本でも去年の夏は暑かったですね。ロシヤでは、暑さ(熱波)で亡くなったり、暑さで山火事が自然発生し、5万5000人ものロシヤの人がなくなりました。これも地球温暖化が影響しているといわれています。  (国連発表)

                                                                                                 NPO法人 人と自然の会(星の会)

                                                                           田中 慎悟

 

冬に挑むカマキリ

2011年2月22日

 日本産昆虫の目録(1989年モノ)は本編の厚さが5センチ以上あり,1000頁にわたってびっしり虫の名前が載っています.しかし,その中でカマキリはたった1頁だけです.しかも頁の上半には大きな「カマキリ目」の見出しがあり,下半には大きめの余白があって,実質半頁に2科6属9種が載っているだけです.カマキリは昆虫の中ではごくごく少数派.その割に存在感が大きい不思議な仲間です.

 カマキリは体じたいも大きく,親しみやすい虫ですし,種数も少ないとくれば調べ尽くされている感じがします.でも,まだまだ分かってないことがあります.ヒメカマキリサツマヒメカマキリの関係もその一つだそうです.

 先日,本当はカキリ屋さんの中峰空氏がヒメカキリ類の標本調査に来られました(で,この話題は受け売りです).収蔵品データベースにあたっても,実際に標本をさがしても,博物館所蔵のヒメカマキリ(類)の標本は9匹のみ.ほとんどが県内の昆虫相調査の成果品です.これらの標本をチェックし,ラベルのデータをメモって行かれました.採集月日から判断してサツマらしいのはいないとの話でした.

 九州にはヒメカマとサツマヒメの両方がいて(ということは地域変異とか代替種関係とかではない),交尾器が異なり,そのつもりで見ると他の形態でも区別できるとのこと.なにより両種で周年経過がちがう,特に越冬の仕方がポイントで,ヒメカマは卵で,サツマは幼虫だそうです.なるほどねぇ.だとすると「南のカマキリが北上して”冬”に遭遇」→「二派あり,それぞれに適応」→「別種として同所的に共存」みたいなストーリーが思い描けます.おもしろい話です.たしかにヒメカマの卵鞘はフカフカが少なくて凍えそうです.苦労してるんすねぇ.

 ところが,国内外の記録を探すと従来の同定を100%信頼できる状況ではなく,”冬”がない所にも両種ともいることになっており,分布もちゃんと調べないとはっきりしない状況.さらに昨今はヒトによる分布攪乱が進行している懸念も.げげっ,またしても多様性の破壊?!

 標本を見ていて,以前に撮った写真を思い出しました.この機会に発掘してプルプル化しました.これは沖縄本島で2月に撮ったものです.さぶさぶさぶ.

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昆虫共生 沢田

  どこかで「春」が生まれてる・・・・・で歌い出す童謡をご存じでしょうか?

 

まだ雪が残る深田公園

 週末の雪がまだちょっと残っている深田公園。

 

 今朝もかなり冷え込みました。温度計も氷点下5℃近くまで下がっていたのではないでしょうか。

 

 

 

 

  

 さて スイセンかしら?、そんなまだまだ寒い冬の朝ですが、ひとはくの建物の玄関横で春を見つけました。

 

 木の陰で雪のないところでしたが、もう春の準備。

 

 

 

 

 

 2番の歌詞には、

「どこかで雲雀が鳴いている。どこかで芽の出る音がする。」

とあります。これから沢山春の足音の聞こえる深田公園です。

 ぜひ、春の音を聞きにお越しください。

                                  情報管理課:八尾もうすぐ はーる ですねぇ♪

 

この時期、恒例となりました県立御影高校によります「六甲山のキノコ展2011 〜野生のキノコの不思議な魅力〜」を開催いたします。昨年、一昨年よりもさらにパワーアップして、約350種、500点の標本を展示します。御影高校生による1年間の活動成果をぜひご覧ください。野外では、これだけのキノコを一度には見ることができませんが、博物館なら可能です。きちんと樹脂などを活用して、原型を残して標本化すれば、生物多様性の豊かさをそのまま見ることができます。野外とはひと味違うキノコの多様性の世界を体験してみてはいかがでしょうか。また、キノコのニオイを体験するコーナーもあり、5種類のキノコのニオイをかぐこともできます。
ぜひ、みなさんご参加ください。


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 期間: 平成23年2月15日(火) 〜 5月15日(日)
 場所: 兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン
 観覧料: 無料 (博物館観覧料が必要です)
 主催: 兵庫県立御影高等学校
 共催: 兵庫キノコ研究会・兵庫県立人と自然の博物館


<趣旨>
兵庫県立人と自然の博物館では、平成23年2月15日から5月15日まで、「六甲山のキノコ展2011 〜野生のキノコの不思議な魅力〜」の展示会を開催します。この展示は、当館および兵庫県立御影高等学校、兵庫きのこ研究会との共同開催となります。
六甲山には、たくさんのキノコが生育していることをご存じでしょうか。今回の展示では、これまで3年間かけて御影高等学校が総合学習等の一貫として調査研究を進めてこられたキノコ標本を一堂にならべて展示します。この3年間にわたり調査した結果、四季を通じて採取した標本約350種500点余りを得ることが出来ました。これだけの種類のキノコが一堂に展示される機会は、国内でもほとんどありません。これらの標本は、凍結乾燥と特殊樹脂の含浸といった特殊な技法を用いて製作されており、野外と近い状態で保存することができます。これらのキノコについて、その特徴や発生時期、温暖化の影響に関する研究成果報告、また人間生活や文化との関わりなどを含めた解説パネルを展示いたします。これにより、六甲山再度公園のキノコの高い多様性を県民に知ってもらうと同時に、野生のキノコの面白さを伝え、身近な場所の豊かな自然を実感してもらうことを目的としています。さらに、本年度のCOP10交流フェアーへの高校生の参加報告についても行います。

<主な展示物>
神戸市北区に位置する六甲山系・再度公園(修法ヶ原)において、平成20〜22年に採集したキノコを特殊処理した含浸標本および樹脂封入標本について、約350種類、500点を展示します。代表的な種類としては、ヤマドリタケモドキ、サンコタケ、カラカサタケ、スッポンタケ、イボテングタケ、ノウタケなどです。毒キノコや食用に適したもの、染色に使うもの、薬用に使うもの、あるいは香りがユニークなものなどを機能別に紹介します。とくに、香りについては、来館者がにおいを体験できるコーナーを設けます。珍しいものでは、国内でも数件しか確認されていない「セイタカノウタケ」や「ワカクサウラベニタケ」、亜熱帯性のキノコで夜に蛍光する「シイノトモシビタケ」などを展示しています。このほか、キノコの写真や標本を使ったジオラマ、キノコの出現傾向などの生態に関する研究成果もパネルで紹介します。

【追加】
こちらのブログ記事もご覧下さい。
http://hitohaku.jp/blog/2011/02/post_1108/

「空にしられぬ雪」とは、桜のことです。

では、「春にしられぬ花」とは何のことでしょうか。

正解は雪です。昔の人が雪のことをこのように歌に詠んでいます。

雪は「六花」とも呼ばれ、綺麗な六角形の結晶を作ります。

皆さん、コートの雪を払う前にちょっと観察してみてはいかがでしょう。

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山本伸子(自然・環境評価研究部)

わたしの部屋からは植栽のシャリンバイが見えます。年末には黒っぽい果実が鈴なりでしたが、1月になって急に果実が減ってきました。そういえば、通勤途中の街路樹の果実もかなり減ってきています。

 

 

1.jpg植裁のシャリンバイ。113日の午前中に撮影。

 

 

2.jpg周辺には落ちた果実(黒色)とともにたくさんの種子(茶色)が落ちていました。鳥が吐き戻した種子のようです。

 

 

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4.jpgシャリンバイだけではなく、別の植物の種子を含んだ糞もありました。どこか別のところで食べた果実の種子でしょう。

 

わずかに残っていたシャリンバイの果実の前に自動撮影カメラを置いてみたのが113日。115日の午前中には、既に果実が無くなっていました。二日間に撮影された400枚中、60枚にシャリンバイの果実を食べに来たと思われる鳥が撮影されていました。

 

 

5.jpgシャリンバイの果実をくわえているツグミ。

 

撮影枚数が多い順にツグミ、ヒヨドリ、シロハラでした。シロハラは林床をウロチョロしている鳥というイメージが強いのですが、こんなベランダの植裁の果実も食べに来るようです。

 

北村俊平

六甲山のご当地昆虫

2011年2月 8日
 以前のブログ(2010/03/07)で標本調査の様子を紹介した西宮市のオサムシグループの研究成果の一つが公表され,プリントを送ってくださいました.「六甲山地におけるクロナガオサムシの生息地について」というタイトルです.

 六甲山は昆虫に関しても古くからよく調査された山ですが,★六甲山ならではの虫★,というのはほとんどありません.最初に六甲山から見つかった虫は,調査がすすむと本州に広くいることが分かってしまいます.名物昆虫,ご当地昆虫,が不在なのです.あえていうなら帰化昆虫のキベリハムシくらいでしょうか,国内では兵庫県南部付近のみに分布,舶来昆虫というのも神戸らしくて良いという意見も.

 オサムシ類は非常にくわしく調べられている虫で,そのスジの人にとってはどの辺りにどんな種がいるか,ココにはコレがいてアレはいない,とかは分かりきった事のようです.六甲山もまるっとお見通し.クロナガオサムシは六甲山の西麓の200〜400mに記録があるだけで,中腹以上にはいない … はずが … 意外な所で採れてしまい.それをきっかけに徹底的な調査が行われたのです.
 結果として,六甲山のクロナガオサムシは今までの常識よりはもっと高い所に産し,分布の中心は600〜700mであって既知の産地はむしろその下端とみなせること,六甲山のクロナガオサムシは近隣のものにくらべて一般に小型であり,その変異も小さく,高標高において小型化する傾向も認められないことが分かったそうです.
 クロナガオサムシは県全域にいる種類で,さほど珍しいわけではないのですが,調べてみると六甲山のものは何やら意味ありげな個体群だとわかってきたわけです.ご当地昆虫の発見というか出現というか登場というか,です.う〜ん,多様性ですねえ!
 ここのクロナガオサはなぜ小さいのか? 低い所の個体が大型化しないのはなぜか? さらに興味は深まるばかり.
 

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プルプル地形図 有馬〜六甲〜丹生山 (左が北)

 詳しく知りたい方は掲載誌「きべりはむし」(←キベリハムシにちなんだ誌名)を検索してください.PDFでダウンロードできます.第33巻です.


昆虫共生 沢田

昨日(2月4日),ひとはくに面白いものが持ち込まれました。それは「カゴタケ」。キノコの仲間です。

kagotake.jpg結構珍しいものなので,他の職員にも見せてみました。

「何これ?」「えっ,きのこなの?」「ボールみたい」など,反応は上々。

本当にユニークな形です。

カゴタケは,地上に生えるキノコ。若い時(幼菌)は,袋に包まれていますが,成熟すると袋をつきやぶって白い籠が出てきます。左の写真は籠が大きく広がった状態。内側に見える黒い粘液は,グレバと呼ばれる部分で,ここに胞子があります。

産地は三田市。標本にするべく処理をしました。

面白い生き物・不思議な生き物を見つけたら,博物館に持ってきてくださいね。

<自然・環境評価研究部 布施静香>

 

 


 寒波続きの一ヶ月半、今冬初めてど真ん中に高気圧が出てくる予想。
平成23年2月3日
   2:30 起床、2:50発、ストックを玄関に忘れて引き返し。
   3:20 某所再び発 
   5:30 戸倉峠着、山女魚茶屋の手前5分の所にチェーン装着場があり駐車。
   5:50 ヘッドランプを点けて山女魚茶屋発マイナス5度、ワカンジキのトレース有、歩きにくい。 
   7:00 最初の屈曲点橋通過、ワカンジキのトレース消える、雪は軽いパウダー。
        谷底の鹿が慌てて登ろうとするが、雪でズルズルポチャンを何度も。
   7:30 第二屈曲点、林道を外れて斜面をジグザグ直登、峠を直接目指す。
   8:30 林道にクロス、直ぐに坂ノ谷ツアーコース尾根に取り付く。
 10:00 ブナ林上部終点、快晴無風。ブナの霧氷というより樹氷が落ち始める。
           ブナ林上端  ブナ樹氷
 11:10 三の丸着。左下の若桜氷ノ山スキー場から5名程度のスノーシュー、スキーのパーテイあり、氷ノ山に向っている。
      三の丸から
     三の丸から氷ノ山往復には2時間はかかる、どうも足が弱って無理が利かん、三の丸で止める事にする。
     快晴無風暑いほど・シャツ一枚で汗が湯気になる、
 11:45 三の丸から滑降開始、波打ってはいないのだが風パックの雪は曲がり辛い。
     気温が上がり雪は直ぐに腐り、曲がれない。木陰北斜面は快適、パウダーじゃーー。
      三の丸から滑降  ブナ林上端滑降
 12:40 峠林道に出る、林道が思ったほど滑らず、ワックスで少々は解消。
      林道最上部
 14:00 山女魚茶屋着。
 14:30 戸倉手前駐車場発、
 16:30 帰着。ぐいっとビール後爆睡。

 

 

      もう日差しは春。

ひとはくが火事?!

2011年2月 4日

 落ち着いて!! ひとはくが火事?なのか?

  いえいえ、そうではありません。

 落ち着いてください。

 これは、今日行われた避難訓練の1コマです。

 館内の非常ベルがけたたましく鳴り響き、訓練と判っていても「ドキッ!!」とします。

 慌てずに避難誘導と非常持ち出し、救護活動。いつ非常事態が起こるか判りません。職員も全員参加で、その時に備えます。

 

真剣に聞きます 三田市消防署から署員の方に来ていただき、避難する時の注意点、消火活動の際の注意点など、「イザ」という時のための心構えをご指導いただきました。全員真剣に聞きます。

 

 その後、実際にオイルパンの中で燃えさかる炎を前に消火器での消火訓練を行いました。

 

  非常事態は火事だけではありません。いろんなケースが想定されます。その対処の一つとして今回は「AED」の使用方法についても学びました。

  楽しく判りやすい講習でした  もしもしっ!!大丈夫ですかっ!!
 とても楽しく判りやすい講習会でした。

 できればAEDを使ったり消火器を使ったりという機会がないのが望ましいことですが、それでも万が一の場合は、これで安心。参加した職員も、この先何かが起こっても、自信を持ってお客様をお迎えすることができるようになったと思います。

 

                                情報管理課:八尾

 

明日から春

2011年2月 3日

2月3日 今日は【節分】ですね。

 節分は、季節の分かれ目という意味もあり、ちょうど今の時期の節分は明日から「春」と言うことですね。

 そうです、明日は暦の上では「立春」と言うことになります。

 

 

 みなさんのおうちでは「豆まき」をしたり「巻き寿司」の丸かぶりをしたり、と伝統的(?)な行事はされたでしょうか?

 

 <豆> → <魔滅> → <魔を滅っする> に通ずるという説もあります。

 「いわし」も食べますよねぇ。「イワシの頭も信心から」といように、古くからイワシを焼く煙が邪気を払う、とされていました。

 「巻き寿司」は「恵方巻」ともいいますね。その年々の恵方(今年は南南東)を向いて、黙って丸かぶりします。子どもの頃、兄弟三人で喋りながら食べてて、親に怒られたこともありましたけど(^^ゞ

 この巻き寿司(太巻き)には七福神にちなんで七種類の具材を使うとか。

 

 

 「科学的に正しいかどうか?」ということよりも、「人間の知恵」として受け継がれてきた行事のうちの一つなんだろうと思います。

 

 

 なにはともあれ、インフルエンザも流行っています。風邪などひかれませんように、邪気を払って健康にご注意ください。

 

 

 ひとはくは2月5日(土)から、再び開館です。

 職員一同、みなさまのご来館を心よりお待ち申しております!!

 

鬼は誰だ?  

情報管理課:八尾

 

 

今朝も氷点下

2011年1月26日

  

ひゃぁー   凍結っ
 今朝もよく冷え込んでいたようです。ひとはくの駐車場に一晩中止まっていた車は、凍結していました。

 

インフルエンザに注意!!

情報管理課:八尾

恐竜搬送車

2011年1月25日

 

 

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 こんなのを売ってました.体長約7cm,前肢の指は2本.

 模型の車幅が23ミリ(実車は2490mm)なので約1/100くらいとして恐竜の体長は

7mの計算になりますね.ティラノの大きい個体はこの倍ほどあるようです,デカッ.

昆虫共生 沢田

 「ひとはく」と言えば、  兵庫県

 「兵庫県」と言えば、   こうのとり

 

 「こうのとり」と言えば・・・・・

          なにを連想されますか?

 

 

 

 

 

大空を舞うコウノトリ 本家本元のこうのとりは、こんな感じですね。兵庫県立コウノトリの郷公園(兵庫県豊岡市)で詳しく知ることができます。

 

 年末には「鳥インフルエンザ」の感染を考慮し一時非公開にされていましたが、また公開されているようです。

 山陰海岸ジオパークが世界ジオパークネットワークに加盟を認定された今、是非一度訪ねてみて下さい。

 

 

 さて、こうのとり・・・・・今話題になっていることと言えば、宇宙ステーション補給機HTV-2の愛称が「こうのとり」なんですね。これ(HTV-2)は補給機ですから、当然補給される相手があるわけで、それが国際宇宙ステーションISSなんです。世界の国々が協力して建設しているもので、日本は「きぼう」という名称の実験棟を保有しており、野口聡一さんや山崎直子さんが最近帰還されましたね。

 その国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士に食糧や衣類、各種実験装置などを補給するのが「こうのとり」です。

東京のmosschさんの撮影された写真です。ありがとうございます。 左の劇的な写真ですが、私が撮影したわけではありませんが、右側のタテの光がISSで、その左側に斜めに光っているのがHTV-2ということです。

 

 JAXA(宇宙航空研究開発機構)のホームページでたくさん情報を得ることができます。 

 

 

 

 あと一つ、鉄道ファンの方ならピーンときましたね。そうなんです。

 今年の3月のJRのダイヤ改正により、今まで走っていた特急「北近畿」の車両が新型の車両に換わり、それに伴って名称も「北近畿」から「こうのとり」になります。

 

    グレーの車体の北近畿    オレンジの北近畿 この何とも言えない温かい色合いの懐かしい車両はもう見られなくなりますね。先日も恐竜化石発掘現場に取材に出かけた時、大阪からこの北近畿の写真を撮影に来られている方とお話ししました。

真っ白なこうのとりのイメージ これらの車両に取って代わる新型車両は左のように、コウノトリをイメージした真っ白の車体です。こうのとりの野生復帰事業に取り組んでいる兵庫県豊岡市などが名称の変更を要望していたそうです。

 

 3月以降は、「こうのとり」に乗って、「山陰ジオパーク」エリアにいる「こうのとり」を見に行って、夜になれば、満天の星の中を突き進む「こうのとり」を見ましょう!!

 

 という、ダジャレでした(^^ゞ

               お粗末!!

また雪が降り出した

 この前、ひとはくの床の張り替えをお伝えしました。

 今日は・・・・どこまで進んだのでしょうか?

 

   床を整えます   水平になるようにパテも盛ります   まだ作業は続いています。古くなったPPタイルを剥がした跡を平らに整えます。水平になるようにパテも盛り込んだりして作業が進みます。 タイルを貼り付ける接着剤のニオイが廊下に充満しています。部屋の中でも臭ってきます (・o・)

 

ぴっかぴか!! 一部できあがった廊下。写真では判りにくいのですが、実はピッカピカなんです。そしてツルツルしてて滑りやすいです。研究員も気をつけて歩いています (^^ゞ

接着剤のニオイがすごい

よく冷え込みました

2011年1月20日

 

 おはようございます。

 今朝もよく冷え込みました。インフルエンザも流行り始めているようです。健康には充分ご留意ください。

 

寒っっっ!!! 「-6.0℃」を表示していました。

 

寒すぎっ

 先週末は大変な雪でした。みなさんのお住まいの地域はどうでしたか?被害とかはありませんでしたか? 大学入試のセンター試験も行われていましたが、交通機関の遅れなどで、受験生にも少なからず影響したようでした。大変だったと思います。私の自宅前の様子です。雪かきに往生しました(+o+)

25cm〜30cmの積雪!! こんな大雪は久しぶりでした。

 今日は寒いですが、雪は大丈夫のようです。しかし、新幹線の運行に影響が出ている地域もあるようですので、引き続きご注意ください。

 

 さて、そこで、恒例「今日のひとはく」コーナー・・・・(いつから?!)

   建設現場みたい   サロンも 
 ひとはくの床のタイル貼り替え工事をしています。セミナー室や実習室前の廊下のPPタイルを、一度全部剥がして、新しく貼り替えます。サロンの奥にある研究室前の廊下のタイルも、貼り替え工事をします。

   研究室の前も    ちょっと歩きにくい?! 
 大変な工事ですが、博物館ももうすぐ二十歳ですから、あちこち修理が必要です。2月になれば臨時休館も終わりますので、リニューアルしたひとはくにぜひお越しください。

 

 リニューアルは、廊下だけじゃないよっ!! それは、また今度

 

すごい雪じゃったぁ情報管理課:八尾

 日曜日は休みだったので,三木山森林公園に行ってみました.特に目的はなく,うろついていれば何か面白いものがあるかも,という程度でうろついてみたわけです.しかし…

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 フライングぎみに咲いているウメが一株,ヒイラギには咲き遅れの花がすこし,赤黒い葉を残しているモチツツジのテッペンにドクガのなかまの幼虫(帰って調べるとゴマフリドクガらしい),アベマキの幹にフユシャクの仲間の♂(帰って調べてみるとクロオビフユナミシャク)がいた程度.

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 小鳥(たぶんジョウビタキ)がヘクソカズラの実を食べているらしかったので,撮影しようと近づくと飛び立って近くの枝に止まり,「じゃやますんなや」ていう感じで睨まれました.カモはぜんぜん近寄らせてくれないし.とほほ.

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 いろいろ居るのですが,コレはっ! という面白いのはであいませんでした,寒いし.立派なオオカマキリの卵鞘があったので,カマキリの季節,ということにしておきましょう.

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昆虫共生 沢田

kinokoblog3.jpg今年も御影高校による六甲山のキノコ展が御影公会堂にて開催されます。

期間は、1月8日(土)〜1月10日(月・祝)です。高校生や兵庫きのこ研究会の皆さんが、3年間にわたり収集した標本約250種、300点あまりをキノコの特徴別に一挙公開されます。

キノコに関心があるかたは、ぜひぜひこの連休中に御影公会堂におこし頂ければと思います。

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【展示情報】
タイトル:六甲山のキノコ展2011〜野生のキノコの不思議な魅力〜

キノコは季節ごとに発生する種が異なります。これまで3年間にわたり、四季を通じて採取した標本約250種300点余りを、キノコの特徴別に一挙に展示・公開します。六甲山再度公園のキノコの多様性、野生のキノコの面白さ、不思議さ、そして身近な場所の豊かな自然を実感して頂けばと思います。

 (1)特徴別(食・毒・香り、出現頻度など)にキノコ標本の展示
 (2)本校生徒や兵庫キノコ研究会によるキノコの解説
 (3)六甲山系の代表的なキノコの写真展示
 (4)解析結果をポスターで展示
 (5)キノコの香り体験コーナー
 (6)COP10の報告

実施期間:平成23年1月8日(土)〜1月10日(月)

場所:御影公会堂(神戸市東灘区御影塚町4−4−7)

入場料:無料

共催:兵庫県立人と自然の博物館、兵庫きのこ研究会

(みつはしひろむね)

今日は雪

2011年1月 7日

 新しい年になって最初の週末を迎えようとしていますが、今日は朝から雪

 家を出る時は5cmほどの積雪と降る雪の中を出てきました。雪は降っていましたが、ちゃんと「七草がゆ」はいただいてきました。 

朝から降ってる 道路は真っ白。所々凍結している所もありました。

 三田の博物館のあたりでも雪が降ってました。

 

雪 雪 深田公園もまだ雪が残ってます。

 

 ひとはくは1月10日までは開館していますが、そのあとは2月4日まで閉館します。是非この週末にひとはくに足をお運びください。うきうきワークショップやオープンセミナーなど、楽しい催しでみなさま方のご来館をお待ちしております。

 

雪道には気をつけて

今日、宝塚市立長尾小学校3年6組担任の後藤先生が来館。

手には、後藤先生のクラスの児童34人が、校区内、子どもたちの手の届く範囲で生きもの、植物などを観察記録し図鑑にした「長尾の図鑑」8冊が。

 

         P1040284.JPG             s-P1040277.jpg

図鑑には、写真のほか、名前、採集場所、採集年月日、観察記録などが記録されていました。
中には名前が分からないものも。それを博物館の昆虫や植物の専門家に見てもらおうと来館されました。

私も、ちょっと、話を聞いてみましょう・・・、

 

s-P1040279.jpg八木主任研究員「色・形・大きさの他、どんなとこにいたか、も記録するといい。」
「よ〜く観察するには、スケッチするのがいいですよ。」
「写真だとスケールが分からないままだけど、スケッチすると、自分で大きさをはかるんですよ。」
「今度はスケッチしてみてください。」

なるほ〜ど。☆⌒c( ̄▽ ̄)

これは、ハチを観察する私も参考になります。

小舘研究員「この葉っぱ、よく採れましたね。手が、かぶれませんでしたか?」
【え?何?(・vv・) ???】(と私。心の中で叫ぶ。)
なんと、ウルシのなかまの紅葉した葉っぱを採取し、撮影されていました。
小舘研究員「ウルシのなかまは、かぶれる場合があります。」
【え〜?こわ〜っ。】(と私。心の中で叫ぶ。)

話が終わって・・・、

私が、【全部の種類、分かりましたか?】と聞くと、
小舘研究員「(植物で)何の種類か、分からないのもありました。」
八木主任研究員「『分からない』と分かることも大切。」

 

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                     (熱心に話を聞く後藤先生)

1学期から図鑑を作り始めて2学期までで8冊。
3学期が終わるころには10冊を超えているでしょうね。
子どもたちも、遊び感覚のように楽しくやっているそうです。

そんな子どもたちを指導する、後藤先生は「教えるもんが、『おもろい』と思わんと。それが基本です。」と笑顔で話していました。
同定した八木主任研究員は「先生の熱意と指導の意欲が感じられる」と言っていました。
そんな、熱意にあふれた先生をひとはくは応援します!


                                                              小林美樹(生涯学習課)

今朝の三田は寒かったです。さきほど館の外に出てみました。
日の当たらない北側の池は氷がまだとけずにびっしりと・・・


北側の池の氷

▲風に吹かれた落ち葉が氷の上をすべってました(^^;

氷▲厚さは5ミリほど

ご安心ください(^^)館内は、もちろん暖かいです。
4階ひとはくサロンでは「うきうきワークショップ とっても簡単!化石のレプリカづくり」16時までやってます。


レプリカづくり

また、今日はタヨウ星人ポイントカード最終日!!
4階カウンターには、ポイントをオリジナルグッズに引き替えに子どもたちがたくさん訪れています(^^)

ポイント引き替え

▲オリジナルグッズへの引き替えは4階ひとはくサロン内のカウンターまで

ポイントお持ちのみなさま。お忘れなく!!お急ぎください!!

ひとはくでは今、「ひょうごの生物多様性 瀬戸内海VS日本海」、
「化石大集合2010−過去に起こった生物大量絶滅事件」「ひとはくかわらばん全作品展」も開催中です。
年内は今日までです!!
見どころいっぱいのひとはくに、ぜひ、お越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(生涯学習課長 平松紳一)

 

 寒っ!!!

 

 昨日から急激な寒波に見舞われた地域も多いようです。私の住んでいる丹波も寒かったです。氷点下になりました。−1℃ 

 ところがひとはくのある三田は、丹波よりも南に位置していますが、もっと寒かったのです。−3℃  写真は今朝の気温 

左:丹波  右:三田 普通は北へ行くほど寒くて、南の方が温かいと思うのだけれど、これも「何でだろう?」って思いませんか?

 

 さて、そんな寒い日ですが、もう今日1日で今年の年内のひとはくは終了で〜す。うきうきワークショップで化石のレプリカを作るもよし。特別展示企画の見納めに来るもよし。化石大集合を見るもよし。 とにかく寒さに負けずにひとはくにお越しください!!

 タヨウ星人ポイントは【トリプルデー】ですぞっ!!

 ひとはくに来るだけで、プレゼントをゲットできます!!

 

 お待ちしておりま〜〜す!!

寒さに負けるな!!

最強の3Dアイテム

2010年12月25日

 青赤メガネは,本の付録についていたり,専用のものが売られていたりしますが,わざわざ入手するのはめんどうだと思います.そこでお勧めは百円ショップにある赤と緑の暗記用シートです.緑のシートは青赤メガネの「青」の代わりだと思ってください.赤と緑のセットになっているやつがお買い得.切リ分ければ数人分になります.105円で一家団欒可


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 赤のシートに緑マーカーが付いたセットとか,逆の組み合わせのもあります.赤や緑の下敷きも利用できます.これらだと二色いるので要210円(^^;
 色セロファンもあります.セロファンの場合,青も緑も使える可能性があります.百円で何色も入っていて面積も広いので得な感じですが,色が濃すぎたり薄すぎたりで青赤メガネ用には適してない事が少なくありません.

【フィルタ選びのコツ】

 暗記シートでも色下敷きでも色セロファンでも,一見,明るい方が見やすいように思いますが,実は違います.
 むしろ「見えるべきではない像を消す」ことが重要です.メガネなしで見た場合に二重に見えている像の,片方を確実に消してくれるか? に注意して判断してください.

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 上の左の図でいうと;

赤フィルタ:黒のrx,白のCが見える
青フィルタ:黒のcx,白のRが見える

ことが目立ちますが,それより;

赤フィルタ:黒のcx,白のRがきちんと消える
青フィルタ:黒のrx,白のCがきちんと消える

ことが重要なのです.二枚重ねることでほぼ消えることもあります.

 品定めの際には,携帯端末等に,実際にこれらの画像を表示して見ると良いでしょう.

【フィルタ材と表示媒体】

 セロファンや暗記シートなど,フィルタ材の良し悪しは単独で決まるものではありません.画像映像の表示装置や,プリントの場合は用紙やインク,照明との組み合わせによって決まる事です.
 あるディスプレイ上でうまく見えた映像を別のディスイプレイに表示しても,同等には見えないことがあります.
 PCのモニタなど光源となるディスプレイと.プリントしたもの,映写したものの見え具合は大きく異なります.状況に応じてその都度,適したフィルタを見つけ出す必要があります.要するにフィルタ材は優劣ではなく適不適なのです.ダメだと思ってもキープしておけば(特に薄いやつ)他と組み合わせて使うと良かったりすることもあります.
 試行錯誤でマイPC専用の青赤メガネを鍛え上げておけば,最強の3Dアイテムとなるはずです.昆虫のマイクロステレオ動画の参照などに役に立ちます.

 本の付録などでも,質のよくないもの(少なくともその印刷物には適していないもの)が付いていることがあります.

 専用の青メガネは赤とシアン(青緑)のフィルターで構成されています.赤はともかく,シアンのフィルターは,一般には入手困難です.水色のセロファン,水色の下敷きなどは使えそうな感じがしますが,風景(つまり店内風景,陳列商品)を透かしてみれば他の色の残存が激しく,フィルタとして機能しえないことが分かります.

昆虫共生 沢田

お正月は3D?

2010年12月25日

 今年は何かと3D関連の製品が登場しました.電気屋さんに3D対応のテレビやらパソコンやら置いてあります.一部のスマートフォンにも3D表示機能が搭載されています.が,しかし,まだまだコンテンツが少ないですし,ハードもソフトも高いしねぇ… それに3Dは見る位置や姿勢が強制されますので,はっきり言って見続けるのはシンドイ.感動巨編,映画一本まるまる3Dなんて無理無理.

 そもそも3Dはチョコッと見て「ヘェーそうなのか」,「ナルホドね」級の軽いコンテンツ向きなのです.そういう目で見ると,ある所にはわりと転がっています.チョコッと見て「をぉ〜 出てる!出てる!」という程度のコンテンツは動画共有サービスで無料(通信費はかかります).しかも3D対応家電など不要.百円(正確には105円)の設備投資でいろいろと視聴できます.

 別項目に詳述しますが,百円の暗記シートを転用するのがお勧めです.今さら青赤メガネ? レトロ? とお思いでしょうが,今こそ「青赤メガネでYouTube」です.

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YouTubeでの3D動画再生状況(アナグリフ)

 YouTubeにある3D動画には「コレは3Dですよ」という情報(タグ)が付いています.それを再生すると,枠の右下に[3D]のメニューが現れます(↑).でも気付きにくいでしょう,何しろ画面自体が変なコトなってますので.
 動画の画面は,普通のPCのモニタでは(特に選択していない場合には)赤/シアンのアナグリフで表示されます.要は「青赤写真」状態です.裸眼で見ると色がにじんだような感じです.き,きしょく悪るぅ… パスしたくなります.でも,これを青赤メガネで見ればモッコリ,ベッコリと3Dに見えるのです(見え方には個人差があります).ですから,PCの前には青赤メガネを.

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YouTubeの3D表示方法オプション

 この[3D]のメニューではアナグリフ(青赤メガネ式)以外も選択できます(↑).交差法裸眼立体視ができる方は裸眼(No glasses)の交差法(Cross-eyed)を指定すれば何もなしで見られます.平行法(Parallel)の方は,幅が広いので慣れた方でも見にくいと思います(小さく表示すればOK).
 「モノラルでええねん」という場合も,裸眼(No glasses)メニューの中で右だけ,左だけが選べるようになっています(↓).裸眼ではにじんだように見えているわけですから,「モノラルでええねん」はもっともな選択です.普通の2D動画が再生されます.きしょく悪くないけど見る価値は高くないです.

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 YouTubeでの3D動画再生状況(裸眼)

 

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YouTubeでの3D動画再生状況(インターリーブ)

 

 PCのモニタが3D用の場合,つまり横縞のインターレース式の3Dモニタで見る場合には,インターリーブ(Interleave)を選択して横縞のスジスジに表示するのが適切です(↑).普通のモニタでも3D用モニタと同じように表示されますが,3D用モニタの場合,円偏光式のメガネ(アバターメガネ)を通して見ることで交互のラインが消えることで両眼に視差のある像が見え,3Dに見えます.
 というふうに,同じ3D動画をそれぞれの再生環境に応じて再生できるわけです.(3Dスマートフォンの場合は縦縞のパララックスバリア方式です.現在のところそれへの変換をおこなう選択肢は見当たりません.アプリでダウンロードしたうえで3D動画として再生することは可能なようです.).

 YouTubeに限らず動画共有サービスには3D動画のほかに,アナグリフ専用に仕立てた動画で,タイトルに「3D」と付けて公開されている場合もあります.これらも青赤メガネで立体的に見ることができます.

 今後すべての画像がステレオ(3D)になるわけではないだろうし,情報源が3Dであっても2Dで見聞きする選択肢が用意されるはずです.現在は3Dむきの分野を模索している段階にすぎません.2月には某ゲーム機が3D化します.表示環境が普及,一般化することで,3Dに向くもの/向かないもの,しだいに住み分けがはっきりしてくるでしょう.

 ともかく,しばらくは青赤表示での3Dが安くてお手軽,PCの前に青赤メガネが必需品なのです.まぁ2011年,1年間は重宝すると思いますよ.今さら青赤メガネ? とお思いでしょうケド…

 

 

ヒラタアブのホバリング

 

昆虫共生 沢田


今年もいよいよです

2010年12月25日

 

 多くの学校では終業式も終わり、楽しい冬休みになったことと思います。いよいよ今年も終わりに近づいてきました。今年1年はどんな年でしたか? もういくつ寝るとお正月・・・・ 

 

 さて、博物館とはあまり関係がありませんが、みなさんは大晦日(おおみそか)という言葉を聞いたことがあると思います。12月31日のことを大晦日と呼びますよね。

 「?」って思ったことはないですか? 【大】晦日があるってことは【小】晦日はあるのか?って。そんなこと考えたことないですか?

 

 「晦」 この文字は「つごもり」と読みます。ワープロでも多分変換できると思いますよ。
 この「つごもり」というのは、そもそも「つきごもり」。それが縮められて「つごもり」になったといわれていますが、「月(つき)隠(こも)り」の意味で、その月の終わりを表しています。
 ですから、<晦=その月の終わりの日、月末>ということです。ということは、1月から11月までの月の終わりは、晦日(つごもり。みそか)ということです。そして、1年をしめくくる最後の月の12月の月末をその年一番の晦日ということで【大晦日】と言います。

 

 さぁ、ひとはくは年内は「明日26日」までです。展示特別企画「瀬戸内海vs日本海」もいよいよ見納めになります。ぜひひとはくにお越しください。

 

サンタクロースは来ましたか?

 

誰からもリクエストはありませんが、私が飼い続けているハチたちのその後をお知らせします。

「なんだハチって?突然!」という方はこちらをご覧ください。
9月16日から飼い始めました。→
私のいきものかわらばん
http://hitohaku.jp/blog/2010/09/post_877/

いきのもかわらばん 番外ブログ編2〜ハチのオスは刺さない(^^)
http://hitohaku.jp/blog/2010/09/2_8/


私のいきものかわらばん 続編2〜メスのハチが混じっていた!
http://hitohaku.jp/blog/2010/11/post_989/


オスのハチ1匹から始まった「私のいきものかわらばん」ですが、大谷主任研究員や八木主任研究員からハチをもらい続け、今やオスのハチが8匹、メス1匹になりました。
そして2匹のオスはフロアスタッフ有村さん宅へ婿入りし、私が飼っているのはオスが6匹、メスが1匹です。
どのハチもとても元気です。飼い始めて3ヵ月以上経ちます。長寿に挑戦し続けています。

代わり映えもしませんが、ハチたちの元気な姿をご覧ください。

 

P1040165.JPG今までは、大谷主任研究員より純粋濃厚ハチミツをもらっていたのですが、なくなってしまったので市販の水あめ入りのハチミツをあげています。

舌の肥えたハチたちは、最初見向きもしなかったので、心配しました。
私の仕事納めと共に、このハチたちは私と年末年始を迎えることになります・・・。

 

ひとはくは、年内26日(日)まで開館しています。

「いきものかわらばん」の818点の展示も26日までとなります。
25日には
神戸大学の大学院で学んでいるナズニン・ナハールさんが故郷バングラデシュ
について熱く語る「みどりの国・バングラデシュ−ゆたかな自然と人々のくらし」 
http://hitohaku.jp/top/10event/bangladesh.html

さらに明日のクリスマス&明後日にはフロアスタッフによる「チョコレートでつくる、アンモナイト化石のレプリカ」
http://hitohaku.jp/blog/2010/12/post_1036/


26日まで楽しいイベントがいっぱい♪
http://hitohaku.jp/weekly/weeklyevent.html

年明けは3日から開館しています。
3日には毎年恒例の人と自然の会さんによる「ひとはくのお正月〜日本の昔遊び〜」
http://hitohaku.jp/top/10event/2011mukashi.html
もありますよ!


ハチたちと年末年始を過ごし、また、ひとはくで皆様にお会い出来ることを楽しみにしています。

                          小林美樹(生涯学習課)

人と自然の会は12月初めに三田市立狭間小学校3年生64人と一緒に

環境体験学習を行いました。

狭間小学校は人と自然の博物館の近くにあります。

 

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最初に葉っぱにはいろいろあることを学びました。

また、葉っぱのはたらきも勉強しました。

 

深田公園でいろいろな葉っぱを集め、記録シートに書きます。

 

201012hitotosizenn2.jpg             葉っぱの説明を聞きながらも目は葉っぱを探しています。

 

 

 

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                                    こんなにたくさん集めました。

 

 

201012hitotosizenn4.jpg

                    落ち葉でおしゃれをしてみました。

 

 

201012hitotosizenn5.jpg                落ち葉のベッドで感触を確かめています?

 

201012hitotosizenn6.jpg                集めた葉っぱをみんなで相談しながら分けていきます。

 

 

201012hitotosizenn7.jpgあかい葉、緑の葉、黄色の葉、など色で分けたり、葉の縁にギザギザのあるもの、ないもの等いろいろな基準で分けました。

 

葉っぱはいろいろな形をしていることがわかってもらえたでしょうか?

 

(NPO法人 人と自然の会 中島得三)

ありゃりゃ (+o+)

2010年12月21日

 

 今日が皆既月食であることは、先のblogでお知らせしましたが、今窓の外を見るととっても期待薄ですね

 

あぁ〜  これでは月は見えないかな (+o+) 国土交通省防災情報提供センターのリアルタイムレーダーも、悲しい現実を映しています。画像は15:40の近畿地方ですが、この雨雲の塊がすごい早さで東へ流れていけば、近畿地方でも月食が観測できそうですが、そんなことはまずおこらないでしょう・・・・・・今日は諦めるしかないかも知れません。

 

 しかし、インターネットで根気強く検索すれば、皆既月食の様子を、ライブでリアルタイムで紹介または中継しているサイトがあるかも知れません。チャレンジできる方は是非やってみてください。

 

  雨には勝てない

 しまった!! タヨウ星人の3コママンガのあまりの面白さに見とれてしまい、今日が月食の日であったことを忘れていた。(いえ、普通に忘れていました(+o+))

 

 今月の14日頃にはふたご座流星群がもっともよく見えるということで、50個近く見た話をしましたが、今回は月です。しかも、深夜の0時とかいう遅い時間じゃなくて、もっともっと早い時間帯に現象が起こります。

 

 なんと、月食の始まりは 15:32!! って、それって、3時のおやつを食べ終わってないかもしれないね!?

 月食は15:32から始まって、皆既月食(部分月食ではなく、月全部がすっぽりと地球の影に入ってしまいます)は16:40から。そして、17:53までで皆既月食は終わり、徐々に明るい姿を現していき、月食が終わるのは19:00過ぎらしい。

 ということは、ほぼ皆既月食状態で月は昇ってくる?ことに・・・・・・。おそらく、実際には皆既月食状態から通常の月に戻りつつある姿を見ることができるのではないでしょうか? 

ほぼ15分毎の月の様子 18:06 → 18:17 → 18:32 → 18:43 → 19:00 と、おおよそ15分毎の月の見え方をシミュレーションしてみました。

 

 あとは天気次第ですので、期待して東の空を眺めてみましょう!!

 

  今年最後の天体ショー

 前のblogでは、流れ星が写っている写真を一枚ずつ紹介しましたが、200数十枚の写真を合成すると、もっとすごい写真になるんですよ。

 

星が動いているのが判りますか? あまり上手くできていません(一枚一枚の写真の時間が身近く、間隔を開けすぎたのが失敗の原因だと思います)。しかし、オリオン座が右斜め上に動いた軌跡(光跡)は判るのではないでしょうか?

 当然ですが、よく見るとこの中に先のblogの流れ星もちゃんと写ってます。この合成に使用したsoftは[LightenComposite]というフリーソフトです。簡単に使えますから、興味のある方は是非一度お試しください。

 

 ちなみに流れ星の写真7枚だけをアニメのように合成するとこんな感じになります。

 

雰囲気が伝わりますか? いかがでしょうか。冬の夜空を眺めるだけでも綺麗ですが、写真で撮影して、その後合成などの加工も施すと、さらに楽しめると思います。デジタルカメラって便利ですね。以前のフィルムカメラだと、そう簡単にはできなかったようなことが、初心者でもすぐに挑戦できますものね。この画像を作るのに使用したsoftは「GIF MNGアニメーション作成ツール Giam.exe Version2.08」です。これも簡単なソフトですので、直観的に使えると思います。

 

寒さ対策をお忘れなく!!!                              情報管理課:八尾

 今年はなかなか星の写真を掲載できるチャンスがなかったのですが、やっと、やっと掲載できます。12月14日午後11時頃から12月15日午前0時半頃まで、おおよそ1時間半にわたって寒空の元、ふたご座流星群を観察しました。

 場所は、丹波市青垣町大名草近辺です。都会だと光害(ひかりがい)があって、なかなか見えにくいのですが、さすが丹波!! バッチリ見えました。でも霧が川から昇ってくるので、霧との闘いは避けられませんが・・・。 

 昨日までの雨で、空気中のチリやホコリはかなり落とされていたようで、空気は澄んだ状態だったと思います。月も0時過ぎには山影に隠れ、さらにくっきりと夜空が見えたのですが、いろいろな事情により0時半で切り上げました。

  

 ここからは、写真を見てください。画像の上でクリックすると大きな画像が表示されますので、目を皿のように細めて隅々まで探してみてください☆彡

 

オリオン座の右側に1 オリオン座の右側にうっすらと斜め右下方向に 見えますか?

 

中央付近上部に2 真ん中上部の電線のところに、明るめの流れ星

 

左 電信柱の右にうすく3 左の電信柱の右側にうっすらタテに 判りづらい(+o+)

 

画面右側斜めに4 画面右側オリオンの右下に斜めにサッーと☆彡

 

真ん中タテにスッーと5 真ん中タテに、明るくスッーと  よく判る!! \(^^)√

 

左電信柱のもうちょっと右6 左電信柱のもうちょっと右 中央付近タテに

 

中央付近上部に 明るくすッーと7 最後のはわりと明るかったですね。 よく判る!! !(^^)!

 

 1時間半ほどで、おおよそ260枚ほど写真を撮して、そのうちパッと見て確認できたのが上の7枚でした。実際に肉眼で見たのは47,8個でした。全部は撮しきれません。それに、ちょうどシャッターが閉じている時に明るい星が目の前を流れることもたびたびありました。

 しかし、7枚も写っていればOKとしましょう(Hit率は約3%)

 

 

 まだまだ15日の夜も観察できますよ!! 是非暖かくして夜空を見上げてください。

 

 サンタさんへの願い事を忘れずに・・・・

 

                                       情報管理課:八尾

 

実写版ヤマト(2)

2010年12月 1日

実写版ヤマト第二弾!  こんどはヤマトシジミです.

博物館のまわりにもよくいます.食草はカタバミで,足元をちまちま飛んでいるので目立

ちません.この個体は花から花へと”歩いて”吸蜜中でした.翅の裏は砂色っぽく,表と

いうか内側が薄青で,なかなか美しいです.たしかに貝のシジミを思わせる色あいですね.

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ついでに最近撮った晩秋のシジミチョウを二種ほど.

こちら(↓)は日光浴するムラサキシジミ.食樹は常緑樫.成虫で越冬するそうです.表は

モルフォチョウに匹敵する鮮やかな青紫色です.裏は落ち葉のようなベージュ色.翅をたた

むだけで風景に紛れることができます.

 

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下のはマメ科の花や実で発生するウラナミシジミ.主に幼虫で越冬するようです.日没前に

見つけたこの個体は花に止まったまま,夕日が当たってもかげってもぜんぜん動きませんで

した.

 

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昆虫共生 沢田

 

 早いもので、もう12月 師走(しわす)になりました。今年も残すところあと一月となりました。なんだか気忙しいですが。

 

 12月といえば、【ふたご座流星群】ですね。

 今年は12月14日の午後8時頃が一番多いと予想されています。しかし、その時間ではまだお月さんが出ていますから、観察しやすいのは0時を過ぎた頃。西に月が沈んだ頃、ちょうど南のてっぺん付近から降り注ぐはず?!デス。

 

深夜0時に南の方のてっぺんがポイントですぞ 観察しやすいのは天気にもよりますが、10日(金)の夜から11日(土)の夜など、次の日が学校や仕事が休みの方がいいかも知れませんね。寒くないように暖かくして観察してみてください。

 

 

今度は撮影したいぞ 

24、25日の2日間、奈良県新公会堂で開かれた第58回全国博物館大会に行ってきました。
とっても天気も良く、とっても紅葉がきれいでした。

若草山

大仏殿

▲奈良といえばシカ。右を向いても左を向いてもいましたね(^^)


モミジ  イチョウ

▲モミジやイチョウといった紅葉を代表する木々がとてもきれいで、あちこちに大きなレンズをつけた一眼レフと三脚をもったカメラマンがいました


もちろん、景色を見に行った訳じゃないですよ(^^;
年に1度の全国大会です。しっかり情報収集、研修もしてきました。

会場内

▲文部科学省や文化庁からの報告、シンポジウム、特別講演、パネルディスカッションなどのプログラムが続きました

この週末も、ひとはくは企画展示やオープンセミナーを企画しています。
見どころいっぱいのひとはくに、ぜひ、お越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(生涯学習課長 平松紳一)

オオムラサキの写真

2010年11月26日

 明日11月27日(土) うきうきワークショップで「オオムラサキ・ペーパークラフト」が行われます。

 今の時期には、オオムラサキは幼虫で過ごしています。3mmくらいかな?もう少し大きいかな?それが6月から7月頃には、見事なオオムラサキに変身します。写真はこんな感じです。

 

オオムラサキ(♂) 実物は何とも言えない美しさで、太陽の光線を浴びると微妙に色がかわり、いつまで眺めていても飽きない、日本の国蝶です。

 

 ぜひ、うきうきワークショップへお越しください。

 11月22日は満月でしたね。お月さんは見えましたか?

 

 どんな風に見えたでしょうか? 肉眼では見えにくい(見えない?!)ですが、デジタルカメラで撮影すると【クレーター】が見えたりもします。天体望遠鏡や双眼鏡などでもクレーターは見えますね。クレーター意外にも、実は動物がいるんですよね!!

左の影になっている部分をイラストっぽくすると・・・・・ こんな風に見える(左側が月の写真)んですが、隣の白黒の絵はわかりますか?

 なんとこの日は、うさぎさんがお餅をついていました?! この月の写真とうさぎさんの絵を重ねるとこんなにピッタリなんです

ほらほら 

 次の満月は、12月の21日頃です。お天気がよければ見えるはずですが、その前後の日でも月は大きくなっていますから、きっと見えると思います。12月はサンタクロースがソリに乗っているかもデス?!

 

 

うーさぎ、うさぎ 何見て跳ねる                                情報管理課:八尾

カマキリの季節

2010年11月24日

カマキリの季節ですね,かなぁ?

虫を探しながら歩いていると,よくカマキリに遭遇します.しかも眼が合うというか,睨まれるというか.今や草むら最強の虫なので堂々たるもの.蟷螂の斧の故事を思い出します.

カマキリのカマは,もちろん前の足,つまり前脚です.前の胸,つまり前胸全体が変形しているので,どの部分か考えてみると,すごさが分かります.たとえばカブトムシの前胸(♂だと小さいほうのツノがある部分)とくらべてみると,カマキリでは前胸全体が細長くなっていることがわかります.
また脚の根元の節,基節が長くなっています.カブトだと半分埋まった感じの部分が,カマキリでは長く,自由に動くのです.次の太くてトゲトゲが多い部分が腿節,その次のカマのように尖った部分が脛節です.その先には目立ちませんがフ節があります.カブトだと鎖っぽくて先にカギヅメが付いている部分です.

 

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で,カマキリの前脚には模様があり,種ごとに違っています.ここに写真を上げた二匹はそれぞれちょと変わった個体です.
上のコカマキリは草地に多い種類で,たいてい暗い褐色(ちゃいろ)なのですが,この子は明るい緑色です.前脚の模様は褐色型と同じです.

下のハラビロカマキリは樹上に多く,たいてい緑色のなのですが,たま〜に褐色型の子がいます.脚には模様はなく,前翅の明るい色の点模様が目立ちます.これも緑色型と同じです.

 

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カマキリは,たまご(正確には「卵鞘」,らんしょう)も見どころです.というわけで,カマキリの季節はまだまだ続くのであった.

昆虫共生 沢田

秋色 二十景

2010年11月18日

 もう今週末が見納めかもしれない 深田公園の紅葉

 一気に大公開します

 

どこをみても秋色 今朝の深田公園です。カメラを構えた方と何人も出会いました。ジョギングしながら立ち止まって紅葉を愛でている方もいらっしゃいました。

 ちょうど20日(土)21日(日)は、関西文化の日で無料開館しています。五館のスタンプラリーも実施中です。どうぞ、ひとはくにお越しください。

 

もう秋も終わるのか・・・・・

 去年の11月15日、このblogで紹介した記事を覚えている人は多くはないだろうと思いますが、同じことを今日紹介します。

 【しし座流星群】です。

    (画像はstellarium 0.10.5で作成)夜中の0時を過ぎてから東に昇る 流星群の中心部分のしし座は、深夜の0時を過ぎてから東の方から昇り始め、明け方近くにてっぺんにきます。時間帯が遅いので子どもは観察が難しいかも知れませんね。しかも、今夜のお天気も怪しいですものね。太平洋側では見られる可能性が高そうですが、三田あたりから北の方側では曇りがちかも知れません。でも、夜中にトイレに起きた時にでも、そっと東の空を見上げてみてください。運がよければ流星が見えるかも☆彡

 

晴れるといいなぁ

博物館の建っている(といってももとは「深田大橋」です)深田公園周辺は、いま紅葉がとてもきれいです。
このブログでも何人かが紹介していますが、今日もたくさんの方が公園で犬の散歩やボール遊びなどしながら、秋を楽しんでおられました。

ヤマボウシ

▲博物館入口に通じるヤマボウシ並木(1本だけハナミズキ!?)もすっかり色づいています

紅葉01

▲博物館の壁面はガラス。そこに映る景色もまたいいものですよ(^^)

紅葉02

▲でも、もう落ち葉も・・・見頃はそろそろ終わりかな(^^;

紅葉03

▲なんとなく癒されますよね(^^)

ひとはくでは今、「ひょうごの生物多様性 瀬戸内海VS日本海」、「化石大集合2010−過去に起こった生物大量絶滅事件」、「ひとはくかわらばん全作品展」開催中です。
館内見学のついでに深田公園も散策してみてください。
見どころいっぱいのひとはくに、ぜひ、お越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(生涯学習課長 平松紳一)

 

赤や黄色の色さまざまに   真っ赤だな 真っ赤だな

 ひとはく周辺の深田公園の木々も美しく紅葉してきました。赤や黄や橙、茶・・・・・・うぅーん、言葉で表現しにくい色まであります。今がちょうど見頃でしょうか。

 

モミジバフウ  一番先に色づいた木も、今はこんな感じです。本当に色とりどりで綺麗です。

 

 しかし、今日の空は、いつもと様子が違います。

 

まるで、春先の春霞のよう  これは黄砂の影響のようです。遠くの山々が霞んで見えません!!春先にはよく黄砂で黄色っぽくなることもありますが、今の時期に?? ですよね。

 

うーん、晴れてほしいな

生涯学習課の課員が飼っているセグロアシナガバチについてはこのブログで何度か紹介しました。

■9月16日「私のかわらばん」 → http://hitohaku.jp/blog/2010/09/post_877/
■9月19日「ハチのオスは刺さない」 → http://hitohaku.jp/blog/2010/09/2_8/


残業して帰ろうとすると・・・

ハチ01

▲飼っている容器の中で団子のように??

近づいてみると・・・

ハチ02

▲みんなで体を暖めあってるんでしょうか?かわいいですね(^^)

ハチたちも寒かったんでしょうね。かわいそうだったけど電気を消して帰りました(^^;
(生涯学習課長 平松紳一)

初霜?

2010年11月11日

朝、博物館に来たら深田公園の芝生に霜が降りていました。
そういえば、今朝は一段と寒いと思っていたのです。

   shimo1.jpg

うれしくなって、霜をじっくり見てみようかと深田公園まで降りてみました。

 shimo2.jpg  shimo3.jpg

一面真っ白になった芝生と霜を被った植物たちです。
植物の毛に、多く氷がくっついているようですが、形も一様ではないようです。

shimo4.jpg shimo5.jpg shimo6.jpg

 陽の差し込むあたりは、霜も解けはじめていました。

   shimo7.jpg


山本伸子(自然・環境評価研究部)

 今日の朝、丹波市山南町に行ってきました。

  色づきはじめていました 篠山川にかかる木々も色づき始め、いい季節になってきました(しかし、今朝は寒かった(+o+)です)。いえいえ、紅葉見物に出かけたのではなく、発掘現場に行ってきました。 

bl004_IMG_4701.JPG   bl005_IMG_4705.JPG

 そうなんです。丹波市旧上久下村営上滝発電所記念館、といえば恐竜化石発掘現場です。先ほどの篠山川沿いのこの現場、背後にはJRも走っていて、鉄道ファンの方にもおすすめしたいいい場所ですよ。↓タンゴエクスプローラーも間近に見える!! 

タンゴエクスプローラー で、何をしに出かけたのかというと、まもなく第五次恐竜化石発掘調査が始まるのですが、その前に第四次の最後に封印したコンクリートを割るところから作業が始まります。そのコンクリート割ったり新たに岩盤を掘削するために重機を吊り下げました。

 

bl002_IMG_4659.JPG  bl003_IMG_4652.JPG

 朝日を浴びて真っ赤なクレーン車から掘削機が吊り下げられてコンクリートの上に降ろされました。(写真は逆光で赤色が判らない?!)

bl006_IMG_4733.JPG その後は、池田研究員と作業員で掘削の綿密な打合せが行われたようです。岩盤に赤いスプレーでマーキングされており、第五次で掘削する位置をメジャーで計測しながらチェックが行われました。

  bl007_IMG_4809.JPG    bl008_IMG_4794.JPG

 実際の掘削は明日10日から始まります。

また明日以降も現場からの様子をblogで紹介したいと思います。

 

 丹波の恐竜化石最新情報はこちらからどうぞ

 

                            情報管理課:八尾 今年は何が出る?!

11月になり景色はすっかり秋色になってきました。夏の猛暑が昔のことのように感じられますね。
秋景色01

▲通勤途上の田んぼの様子です。稲刈りも終わって、秋らしい風景ですよね

こちらは通勤途上のイチョウ並木。
先日、バッサリと切られてしまいました・・・街路樹はこんなこともしばしばありますよね。

イチョウ並木01  先月のイチョウ並木

▲左は今朝の様子です。先月までは右の写真のように黄葉してたんですがねえ(^^;

■去年も10月4日に紹介した街路樹です → http://hitohaku.jp/blog/2009/10/post_475/

 

秋らしいと感じる色は人それぞれ違うでしょうね。こちらは博物館のある深田公園の様子です。まさに秋の色で飾られていますね。

アメリカフウ

▲よーく見ると、同じ種の木でも紅葉に差があるようで


この週末、7日(日)は「ひとはくフェスティバル」です。
昨年は雨でしたが、今年はどうやら天気は大丈夫そうです。
1日楽しめる「ひとはくフェスティバル」にぜひ、お越しください。そして深田公園の秋を楽しんでください(^^)

ひとはくでは今、「ひょうごの生物多様性 瀬戸内海VS日本海」、
「化石大集合2010−過去に起こった生物大量絶滅事件」「ひとはくかわらばん全作品展」も開催中です。
見どころいっぱいのひとはくに、ぜひ、お越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(生涯学習課長 平松紳一)

11月。秋らしくなってきましたね。

 

イチョウ並木

▲神戸三田インターを出て、交差点を右折してすぐ、ひとはくの看板の見えるところ。ここのイチョウ並木もすっかり色づいてきました


さて、今月から来年3月末まで県立5館(ひとはく、美術館、歴史博物館、考古博物館、陶芸美術館)でスタンプラリーを実施しています。
■すでにブログでも → http://hitohaku.jp/blog/2010/10/post_951/

今日は、5館すべてをタダで観覧する方法を紹介しましょう。

今日2日(火)から4日(木)まで、県立美術館(神戸市)と県立歴史博物館(姫路市)が常設展無料です。
3日文化の日あたりに、どちらか1館いかがですか?

そして、7日(日)は「ひとはくフェスティバル」にお越しください(^^)
楽しいイベントが盛りだくさんです!いつものひとはくの何十倍ものイベントがありますよ。

さらに、20日(土)、21日(日)は「関西文化の日」
5館すべてが観覧料無料(常設展のみ)です。ここで3館目の方は、「全館共通優待券(1名様分)」がもらえるので、それを使って4館目に(^^)
4館目でも「全館共通優待券(1名様分)」がもらえるので、それを使って5館目に(^^)

いかがですか?この計画、ぜひ、実現させてください。
なお専用チラシは、各館で配布しています。また、下記からダウンロードして印刷していただいても結構です
■ダウンロードはこちら → http://hitohaku.jp/top/10event/10gokan.html

ぜひ、この機会にひとはく、ほか県立の美術館、博物館にお越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(5館広報担当&生涯学習課長 平松紳一)

 

実写版ヤマト

2010年10月28日

 企画展示室でおこなわれている[ひょうごの生物多様性〜瀬戸内海vs日本海]にヤマト

マダラバッタの標本と10倍の模型が展示されています.砂模様のバッタです.うすい植生

がある広い砂浜にしかいない種類です.ちょっと小型の”ヤマト”がつかないマダラバッタ

は砂浜にも住め,こっちが伸してきています.

 

ys-f9090.jpg ys-m8990.jpg

 

 今年の発生時期も終わりなので,発生状況の確認がてら写真を撮影してきました.3D

でも撮りましたので,ちょっと加工して立体写真関連の行事にも使おうかと.

 

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実写版ヤマト,プルプル3D

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隣の浜にいたマダラバッタ

 

昆虫共生 沢田

 

急に寒くなりました

2010年10月27日

 

 あんなに暑かった夏がうそのように、急に寒くなりました。

 

 酷暑から一足飛びに冬に・・・・・・秋はどこへ行ったのか?って感じです。体調管理には気を遣いますが、風邪などひかれませんように。

 

 昼休みに深田公園周辺を歩いていて、秋を見つけました。

 

秋色の葉っぱ 木々の葉っぱはちゃんと秋を知ってて、色づいていました。

 

 ぜひ、深田公園に秋を探しにお出かけください。温かい服装でお願いします。

 

木枯らしが吹くし・・・・

オオスカシバの黒いの

2010年10月26日

 博物館の前のクチナシの生垣にコロコロと黒いものが.毎年見かけるオオスカシバの幼虫の糞です.

 

8915rs.jpg 8916rs.jpg

 

 通るたびに見ていると次第に大きくなっていくのが分かります,糞が,です.もちろん幼虫もだんだん大きくなっているはずで,そろそろMAXかなと思って探してみました.
 うまく擬態しているのでなかなか面白いです.慣れてくると,どんどん見つかります.
 今年は激しい色彩変異があることに気付きました.明るい緑色のものばかりだと思っていましたが,今年は腹側が黒いやつや,全体が黒い子もいます.これはこれでなかなかカッコイイですね.

 

8907tr.jpg 8890tr.jpg

 

オオスカシバの幼虫の色彩は密度,特に一齢幼虫期の密度が強く影響するらしく,高密度だと黒くなるのだそうです.

 

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昆虫共生 沢田


今、名古屋のCOP10(第10回生物多様性条約締約国会議)に合わせて開催されている「生物多様性交流フェア」での、ひとはくのブースの紹介は毎日現場へ行ったスタッフが紹介してくれています。

 

ひとはくにいる私は、9月16日から私の机上で飼っている身近な生物、ハチを紹介(続編)をします。

(その後どうなってるねん!みたいなリクエストもないけど・・・。)

初日の様子「私のいきものかわらばん」

http://hitohaku.jp/blog/2010/09/post_877/

いきものかわらばん 番外ブログ編2 〜ハチのオスは刺さない(^^)

http://hitohaku.jp/blog/2010/09/2_8/

ハチ博士の大谷主任研究員によると寿命は2週間だったのですが。

予想を上回る寿命の長さ!

 

hachiP1040060.JPG 

今はなんと4匹に!(全部オスです!)

同じ巣で羽化したハチを大谷主任研究員から次々にいただきました。

朝、出勤してきて、ハチたちの姿を見るのが私の日課になりました。

4匹身を寄せ合ったり、体を掃除したりと、本当に可愛いハチたちです。

命って本当に大切なんだなとしみじみと見つめ、癒されてます。

 

私のかわらばんは、こんなもんですが、みなさんが応募してくれた「ひとはくいきものかわらばん」はすごいです!作品を見た新聞記者さんも「社会面に使える!」なんて言ってました。

 

是非、「ひとはく いきものかわらばん」の展示を見に来てくださいね。

 

 

                    小林美樹(生涯学習課)

 

 

 

オリオン座流星群

2010年10月19日

10月22日午前1:00頃にオリオン座の流星群が極大になると予想されています。

 

オリオン座は見つけやすいねオリオンの右肩あたりから流れるということです。夜中の1時でやっと、東から南にかけて、てっぺんと地表の半分くらいまで登ってきます。月も明るいですから見にくいかも知れませんが、明るい流れ星なら確実に見えるはずです!!

 秋の夜長、星空観察にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

                              情報管理課:八尾 寒いかなぁ

 特に目的なしに島根半島へ行ってみました.

 ヒヨドリバナにアサギマダラが沢山いたので,花に集まる虫をめでつつ,マーク個体を探し

てみることにしました.

 

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 アサギマダラは渡りをする大型の蝶で,この時期には南下というか南西へ移動していきま

す.渡りの実態を解明するために各地でマーキングが施されています.そのような個体を見

つけることができれば調査に協力できるわけです.

 アサギマダラはハンカチをくるくると回すと寄ってきます.白い色がチラチラしていると同種

個体に見えるのでしょう.有毒蝶なので飛び方は緩やかです.個体にマークがあればネット

で捕らえるか,撮影すればいいのです.今回は残念ながらそのような個体を見つけられませ

んでした.

 

8642am.gif  8736am.gif

 

  花にはクモガタヒョウモンやテングチョウもいました.驚いたのはイチガケチョウです.イシガ

ケチョウは”石崖”模様の蝶で,もともと南方系の蝶です.ペタンと止まる特徴のある種なの

で,見つけるとうれしいかも.それにこんなところで見かけるとは!

 

8604-t.jpg あとで調べてみると,最近は山陰でも珍しくないようです.温暖化おそるべし.

昆虫共生 沢田

sono3.jpg連休の最終日(10/11)には、好評の「チリメンモンスターをさがそう」の第4回目のワークショップを開催しました。このイベントは、展示特別企画「ひょうごの生物多様性〜日本海VS瀬戸内海〜」と関連したもので、身近な素材で、しかも多くの人が、海の生物多様性を実感していただくプログラムです。このプログラムは、発案者であるきしわだ自然資料館および友の会の方の全面協力で実施しております。きしわだのみなさん、いつもありがとうございます。ぜひ、チリメンモンスターに関心をもったかたは、本家「きしわだ自然資料館」にも足を運んでください(標本たっぷり、イベントなど盛りだくさんです!)。さらに、ひとはく側からも「人と自然の会」のみなさんが協力下さりました。感謝です。

さて、おかげさまで、今回のイベントも満員御礼となりました。約150名の方が参加下さりました。
この日は暑かったこともあって、参加者の熱気が加わり、部屋中、ちりめんじゃこのにおいが充満していました。不思議なもので、「この部屋、ちりめんくさい」といった不満などなく、みなさん、熱心にチリメンから「混じり物」であるモンスターを拾いあつめています。おかげさまで、たくさんの種類をみつけることができました。
こうして集めた「チリメンモンスター」は、新たに展示スペースに飾られます。
chirimon_endo1.jpg  chirimen_2.jpg
まずは、遠藤研究員によるチリメンモンスターの解説です(チリモンのリーダーです!)。説明をうけたあとに、季節に合わせた「旬のチリメン」から、モンスターをさがして行きます。今回のチリメンは、この9月に淡路島で採れたものです。ですから、次も参加すると別のチリメンモンスターが見つかるかも知れませんよ!ぜひ、お越しください(次回以降の予定は11/7、12/12です)。

kenbikyo_chirimen.jpg

集めたチリメンモンスターは、こんな感じで顕微鏡とモニターをつなげて、じっくり鑑定できるようにしています。これなら、みんなで観察することができるわけです。それに、写真を撮ることもできます。

chirimon_kenbikyo_obs.jpgきしわだ自然友の会の渡辺さんが、熱のこもった解説をして下さっています。こうすれば、みんなの識別能力がどんどん向上します。記録も残るので一石二鳥。

今回は、約30種類近いチリモンを集めることができました。こうして撮影した中から、すこし変わったものを写真でいくつか紹介したいと思います。

heike_damashi.jpgこれは、ヘイケゲニ類のゾエアとカニダマシのゾエアです。剣刀で戦ってみたいですね。
カニダマシのほうは、おしりの突起が2本に分かれているのが特徴です。

houbou1.jpgこれは、ホウボウです。頭のまわりがトゲトゲなのが特徴のようです。

sawara.jpg写真はひっくりかえってますが、サワラ?でしょうか。大きな口と歯がとても特徴的です。

uminomi.jpg こちらは、ウミノミの仲間です。詳しい名前は分かりません。ウミノミ類ですが、甲殻類の端脚目に属する種類です。たくさん種類があって、名前をつけるのは、かなり大変です。

uojirami.jpg こちらは、ウオジラミの仲間です。ちょっと珍しいとのことで、きしわだチームの方には喜んで頂けました。カイアシの仲間になります。

yamusi.jpg こちらで最後です。これは「ヤムシ」でして、なかなか何の仲間かは言いにくいものです。
毛顎動物門に属する種類です。この種類は、結構たくさん混じっていました。

あまりなじみのない種類から、よく知っている種類まで、チリメンのなかは、まさに生物多様性の世界です。いろんなチリメンモンスターをみたい方は、ぜひ、当館の企画展もごらんください。
下の写真のように、樹脂封入されたキューブにそれぞれチリモンを入れて、手にとって見ることができます。
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(みつはしひろむね)

山陰海岸ジオパーク

2010年10月 6日

 10月4日の深夜。インターネットの新着情報を収集しながら待ちました。

 山陰海岸ジオパークが、世界ジオパークネットワークへの加盟認定された直後に、blog記事を掲載しました。

 

 そして今日、トップページの画像にそのメッセージを掲載しました。

 

祝 世界ジオパークネットワーク加盟認定 もうお気づきでしたか?

 ひとはくのトップページの画像は、何種類かが一定の間隔で切り替わりますが、その中に一枚上のようなメッセージ入りの画像が表示されます。まだ見ていない人は、是非見つけてください。

 

 また今後、ひとはくのホームページ上でも、ジオパークに関連する情報等を随時掲載する予定ですのでお楽しみに!!

 

 

                                         情報管理課:八尾 祝祝

アカトンボの季節です

2010年10月 6日
今年の夏は暑かったですが、近頃はずいぶん秋らしくなってきました。
博物館のまわりでも、アカトンボが増えてきました。これからしばらくが、見頃です。

IMG_1657.jpg
ナツアカネです。オスは顔まで真っ赤になります。

IMG_1663.jpg
こっちは女の子。あまり赤くなりません。体型はちょっと太め。

IMG_1670.jpg
アカトンボは、枯れ枝が大好きです。
エントランスホール横のサクラの木には、ナツアカネが2匹と、アキアカネが1匹とまっていました。わかりますか?

アカトンボの多くは6、7月にトンボになり、いったん水辺を離れて、秋になると田んぼや池に戻ってきます。深田公園の芝生広場では、水たまりに産卵に来るアキアカネやナツアカネを見ることができます。深田公園では、ほかにも、3、4種のアカトンボを見ることができます。

(八木 剛@自然・環境評価研究部)

先週10月2日の夜に、須磨海岸にてウミホタルの観察をおこないました。
約40名の方が夜遅くまで参加くださり、ありがとうございました。

suma.jpgsyuugou1.jpgウミホタル(Vargula hilgendorfii)は、甲殻類のミオドコーパ目に属する海産無脊椎動物です。
おもに、水質が比較的良好な砂浜の浅場に生息しています。餌は、動物の遺骸などです。魚の死体などがあると、ワラワラと寄ってきます。

採集はこんな感じです。身近な材料をつかって、トラップをつくります。

tounyuu.jpg

umibotaru_1.jpgプラスチック製の水筒に穴をあけて、中には「お茶パック」の袋に砂を詰めて輪ゴムでとめて投入します。そして、牛乳パックでつくった「仕掛け巻き」にひもを取り付けます。この仕掛け巻きは、結構重要なもので、水筒とひもを結ぶときに、ひもの先端に輪をつくっておいて、そのなかを仕掛けごと通すと、固結びしなくても済みます。それと、もし、仕掛けごと海に流されても、仕掛けが浮くので、発見しやすいです(今回の観察では3名がロスト)。
餌は、魚のアラや豚のレバー、魚肉ソーセージ、カニカマボコなど動物性のものなら、なんでも寄ってきます。
さて、およそ30分間つけておいたところ、参加者のうち数名をのぞいて、ほとんど全員が採ることができました。そのあと、2投目で全員がウミホタルを採集することができました。さすがに、ブルーのきれいな光が観察できると、各地で歓声が!!小さいながらも、結構明るい光に、みなさん感激でした。100匹近く採った人もいたほどで、大漁でした。
生き物相手のイベントで、しかもターゲットを1種にしぼり、夜の開催で、何にも採れないと、悲惨なんですが、ほっと一安心です。
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このときの様子は、イベントをお手伝いくださった水辺のフィールドミュージアム研究会さんのブログにもビデオで紹介されています。Kさん、Iくんありがとう!
http://ameblo.jp/mizubefmk/entry-10666981179.html

(みつはしひろむね)


 

ちょうど1年前、ブログで紹介したイチョウ並木
 → http://hitohaku.jp/blog/2009/10/post_475/

今年は猛暑の影響で各地でヒガンバナの開花が遅れていることは昨日も書きましたが、今朝は私の通勤ルートにあるイチョウ並木で写真を撮ってきました。

神戸市北区のイチョウ並木▲今朝の様子です

昨年と比べて、ほぼ同じくらいの黄葉でしょうか?
ここのイチョウ並木の黄葉は猛暑の影響を受けなかったようですね。

今日はちょっと天気が心配ですね。こんな日は、屋外ではなく、ひとはく館内でお楽しみください。 
 詳しい情報はこちら → http://hitohaku.jp/blog/2010/10/2010_6/

ひとはくでは今、「ひょうごの生物多様性 瀬戸内海VS日本海」開催中です。
そして、いきもの多様"製"絵画展「ゾウが描いたぞう・・・」は、いよいよ10月6日まで!今日を逃すと、週明け火曜日、水曜日の2日間だけです。
見どころいっぱいのひとはくに、ぜひ、お越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(生涯学習課長 平松紳一)

ヒガンバナ【続報!】

2010年10月 2日

先月、ブログにこんな記事があったのをご覧になられたでしょうか?
 → http://hitohaku.jp/blog/2010/09/post_884/

今年は猛暑の影響で各地でヒガンバナの開花が7日から10日ほど遅れていると報じられていますね。いつも、お彼岸の頃、さっと咲くこの花不思議に思って見ています。
私の通勤ルートにあるヒガンバナ・スポット(←私だけがそう呼んでいます(^^; )では、今日あたりが見頃でした。

ヒガンバナ01

▲あまりにきれいだったので思わずカメラを向けました

ヒガンバナ02

▲まだつぼみもあるので2〜3日は十分見頃かも?

ヒガンバナ20100924

▲先週9月24日の様子です

                   ヒガンバナ20080924      

                  ▲一昨年の9月24日は満開でした

今日も秋晴れ!気持ちいいですね。
外にお出かけの方も、ぜひ、帰りにひとはくにお立ち寄りください。
ひとはくでは今、「ひょうごの生物多様性 瀬戸内海VS日本海」開催中です。
そして、いきもの多様"製"絵画展「ゾウが描いたぞう・・・」は、いよいよ10月6日まで。あと4日間です。
見どころいっぱいのひとはくに、ぜひ、お越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(生涯学習課長 平松紳一)

今日から10月!!

2010年10月 1日

 

いよいよ今日から10月 いよいよ今日から10月ですね.深田公園の木々はまだ緑色ですが、もうすぐ色が変わってきますよ。秋の訪れが待ち遠しい感じです。

 

ドングリも準備中 ドングリもみなさんのお越しをお待ちしております(ただ今準備中です!!) 秋になるとたくさんの種類のドングリがあなたのお越しをお待ちしております。

 10月2日からは、【化石大集合2010〜過去に起こった生物大量絶滅事件〜】の特別企画展も始まります。是非ひとはくに足をお運びください。

 

                            情報管理課:八尾 ドングリ拾いに来てね

 お昼に博物館の外に出るとエノキの幹に来ている大きなハチに眼が止まりました.


 どうやら産卵中のおいしいシーンだと思ってカメラを取ってきたら,さっきより
見やすい位置に移動してまだ産卵中でした(これが実は間違い).

  8469-t.jpg 刺激しないように数コマ撮っても,ハチは全く動じる様子がなく,産卵を続けて
います.近づいても逃げないようです.腹の下の湾曲した長い産卵管も目視できま
す.腹端にはアリがたかっていますが,それも気にせず産卵に集中しているようで
す.色んなアングルで撮っても無反応.なんと一生懸命な(これらが実は全部思い
込み).

8494-am.gif 8511-am.gif 

 あと,産卵管を抜くところを撮影して採集しようと考え,産卵の完了を待つこと
にしました.その間,携帯で調べてみるとキバチの類いらしいことが分かりました.
ハチの大谷先生にも連絡して来てもらいました.

 で,二人で見ていても,なかなか変化がありません.そのうち大谷先生がアリが
来ているが,普通このような事はないと言い出しました.さらに見ているとアリは
何か持ち帰っているようです.私は[何か染み込んだ樹皮のカケラだろう]と思い
ましたが…

 

8513-am.gif

 

 じつはこのハチ,産卵管を突き立てたまま死んでいました.引っ張っても産卵管
は抜けず,折れてしまいました.体はまだ柔らかでしたが腹部は膜質の部分が食い
破られていて,中身をアリがせっせと搬出中だったようです.

 これを30分くらい見ていたわけです.とほほ.

 あとで調べると,このハチはヒラアシキバチらしく,産卵管を差し込むだけで燃
え尽き,産卵するとそのままの姿で死ぬのが普通なようです.

昆虫共生 沢田

 

 

 人と自然の会(里山クラブ)では、今後深田公園の林内の一角で下草刈りや間伐などの整備を行うこととし、まずその準備として橋本先生のご指導の下、毎木調査を行いました。 

 

1 utiawase.JPG         作業前に橋本先生と打ち合わせ

  

 林内の斜面を10m×10mに区切って杭を打ち、その中に生えている直径1cm以上、高さ1.3m以上の樹木すべてについて樹種、幹周り、樹高、枝の拡がりによる被度を計測。

 

2 sagyou.JPGのサムネール画像 
                                      枯れた木を取り除いてから作業します

 

今回の毎木調査では約25種を確認し、その主なものはアカマツ、ヒサカキ、ソヨゴでしたが、変わったところではヤマボウシもありました。その他、橋本先生によると今回調査した以外の小さいものでは、カクレミノやマンリョウなど近所の庭から逃げ出してここに生えているものもあるとのことでした。

今回のデータを基に今後の整備計画をたて、冬頃から少しずつ作業をしていければと思っています。 

 

 

3 nafuda.JPG                   テープを貼った樹木をすべて調査します 

 

 

深田公園はもともとアカマツが多く、昔は松茸がたくさん採れたそうで、今後整備することによってもしかして松茸山が復活するかもと夢みるわたしに、みんなは「無理!無理!」とそっけない様子。もし奇跡的に生えたらわたしがいただきます!!  

    

                               (人と自然の会 藤原玉規)  

 

101010

2010年9月25日

(20)10年10月10日は[デジタルの日]です(勝手に制定).

 

電子計算機の中身が0と1で表される二進数で成り立っており,さまざまな情報も01の並

びに集約できます.そういった事が今や生活の中に浸透しており.0と1といえばデジタル,

という感じになっています.なので101010はデジタルの日 … 形容詞っぽいので[デジ

タルな日]とすべきかも.

 

無理に意義づけるならば,さまざまな物事をアナログではなくデジタル,連続的ではなく

離散的な構造や過程としてとらえてみようといったところです.要するに,森羅万象を粒々

な眼で観る日,です.(地デジ推進とかに限定したものではありません)

 

電卓やデジタル時計が出始めた頃の[デジタル]は粒々感が強く,我々が生活している

滑らかな世界とは異質なものでした.機器の動作内容も表現方法も粗いものでした.し

かし今では高精度,大容量化によって,画像も音も精度でアナログ方式を超えています.

一見連続的に見えるものが[細かなデジタル]に置き換わり,粒々感を感じる機会は減

りました.でも,やはりそれはあくまでもデジタルであり,何らかの最小単位の積み重ね

で成り立っており,スキマに神秘が宿っていたりはしないのです.

 

大げさな出だしを書いてしまいましたが10月10日には[デジタルの虫で遊ぼう]なるオー

プンセミナーを計画しています.みんなで Life (虫か?)なども動かしてみようと思いま

す.

 

semi-lif.gif

Life の”グライダー” 

13:00からですが,10時10分10秒から準備しようかと.

 昆虫共生 沢田

彼岸花

2010年9月22日

 明日、秋分の日はお彼岸の中日にあたります。

 

 ちょうどこのお彼岸の頃によく見られるのが「彼岸花(ひがんばな)」ですが、みなさんのお住まいのところではいかがですか?今年は少ないような気がしませんか?

 例年なら、稲刈りがすんだ田の畦に気がつけば赤い花を咲かせているんですが、今年はなかなか最盛期になりませんねぇ・・・・。

やっとお目見え 彼岸花

 家の近くのあぜ道で見つけた彼岸花です。近づいてよく見ると・・・・・

    近づいてみると    先客が 

 今年のこの出遅れは、ひょっとしたらこの夏の猛暑が影響しているのでしょうか?そういえば、丹波の味覚、秋の味覚「マツタケ」も不作だとか・・・・。。

 

マツタケ食べたぁ?

いま、ひとはくでは「いきものかわらばん」を大募集中です!!
  詳しくは → http://hitohaku.jp/biodiv/school_visit.html

来月、名古屋では開かれる生物多様性締約国会議COP10にひとはくもブース出展します。
「いきものかわらばん」応募作品すべてを館内に展示して、優秀作品はCOP10のひとはくブースに展示します!!
ぜひ、ご応募ください。

ただし、この「いきものかわらばん」応募できるのは小学生から高校生までです。
そこで、番外ブログ編その2・・・


タイトルは「ハチのオスは刺さない!!」

 

アシナガバチ

先日のブログ
 http://hitohaku.jp/blog/2010/09/post_877/
でも紹介がありましたが、当課の”ひとはく新聞編集委員長”が先日からセグロアシナガバチを飼っています。実は彼女からこの週末、エサやりを頼まれました(^^;

で、本当にオスは刺さないかどうか手に取ってみたというわけです(^^)

 

ランチタイム

▲ランチタイムです(^^)はちみつをほおばっています

仲良し

▲この兄弟、仲良いいんですよね。ときどきこうして話し合ってるんでしょうか?


展示特別企画「ひょうごの生物多様性 瀬戸内海VS日本海」もうご覧になられましたか?
来月はいよいよCOP10!その前に、ぜひ、ご覧ください。
毎日開催のオープンセミナー、見どころいっぱい、お楽しみいっぱいのひとはくに、ぜひ、お越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(生涯学習課長 平松紳一)

巣から羽化したばかりのオスのハチをを大谷主任研究員からいただきました。

 

P1030830.JPG

セグロアシナガバチです。

ハチといえば、「刺されると痛い。」「怖い。」というイメージを持ちがちですが、針をもっているのはメスだけで、ハリのないオスは刺せません。

へぇ〜、でしょ?いろいろ分かるとおもしろいですよ。

じっと見つめると、なかなかかわいい顔をしています。
博物館の私の机に置いて、観察を続けようと思っています。

(2年前は、遠藤研究員よりゾウムシをいただき、自宅で観察しました。)


                    P1030810.JPG       P1030817.JPG

オスのハチは、メスより、お顔が色白でお尻が丸いそうです。
私には、メスとの違いが分かりませんが、大谷主任研究員がいうのだから間違いないでしょう。

うらやましいことにハチのオスは、ほとんど働かず、ブラブラしているそうです。
確かにほとんど動きません。Oo。。( ̄¬ ̄*)

 

特製ハチミツにも見向きもしません。

 

大谷主任研究員によると、このハチはの寿命は2週間ほどだそうです。
じっくり観察してみようと思います。

あなたも身近にいる自然や生きものについて、いきものかわらばんで教えてくれませんか?
詳しくはこちらから→http://hitohaku.jp/biodiv/school_visit.html

かわらばんが応募できるのは小学生〜高校生。ヾ(≧へ≦)〃
残念ながら私は応募できません。自宅でひっそり観察を続けます。(◎し◎ゞ)


小林美樹(生涯学習課)

暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言ったもので、ようやく涼しくなってきましたね。
さて、この週末は月曜日の敬老の日まで3連休です。
お出かけの予定は立っていますか?
ひとはくでは、たくさんのオープンセミナーを企画して、みなさまのお越しをお待ちしております。まず、18日土曜日をご案内しましょう。

18日(土)
11:00〜 デジタル紙芝居(フロアスタッフ)
11:30〜 展示室ツアー(フロアスタッフ)
14:00〜 ふかたん「とんぼとりペナントレース」(八木剛主任研究員およびフロアスタッフ)
14:30〜 デジタル紙芝居(フロアスタッフ)
15:00〜 フロアスタッフと遊ぼう「生物多様性モビール」(フロアスタッフ)

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▲今日、深田公園の芝生をきれいに刈り取る作業が行われていました

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▲今日はトンボも驚いて逃げたのか、姿が見あたりませんでした

ひとはくでは今、「ひょうごの生物多様性 瀬戸内海VS日本海」開催中です。
昨日のNHK、ニュースKOBE発でも、「我が町CATV」コーナーで紹介していただきました。
まさか、自分が取材を受けたケーブルテレビの番組がNHKで放送されるとは思ってもいませんでしたね。
ちょっと恥ずかしかったですけど、人と自然の博物館を大きくPRしていただけたので、広報担当課長としては満足です(^^)

そして、いきもの多様"製"展「ゾウが描いたぞう・・・」も10月6日まで開催しています。
見どころいっぱいのひとはくに、ぜひ、お越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(生涯学習課長 平松紳一)

武庫川の下流でアユの観察と産卵場づくりを行います!

mukogawa1.jpg武庫川の下流域には、かつてたくさんアユがたくさん生息していました。福知山線の宝塚や武田尾では、アユ弁当が駅弁にあったほどです。しかし、河川の改修や流域の開発によって、アユの生息がすっかり困難な河川になってしまいました。そんな状況を改善するために、兵庫県では、現在作成中の「武庫川水系河川整備計画」のなかで、アユをシンボルフィッシュとした生息場所の再生が計画されています。

silutation.jpgアユの生息環境が悪化した要因は、色々あるのですが、問題の一つは産卵場所となる川底に泥がたまること、糸状緑藻の繁茂です。産卵場所となる浅い「瀬」がうっすらと膜をかぶったようになって(左図を参照)、せっかく産卵しても卵が酸欠になりがちです。これは、上流からの汚濁負荷や泥の流出、井堰によって流れがよどんでしまう影響などが関連しています。人が大勢住まい、川の水を安全に下流に流せるように川幅を広げて、井堰で流れが淀み、水をたくさんとって、ダムで洪水を抑え、上流から土砂の供給を減少させると、どうしても川底の様子は変わってしまいます。特に、今年のように晴天つづきで渇水になると、川底に藻類が繁茂すると同時に、泥が被りやすくなってしまいます。


そこで、アユの産卵に適した場所で、川底を耕し、たまった泥を洗い流し、川底に隙間をつくることで、産卵や孵化の成功確率を高めることを試みます。こうした取り組むは、古くから各地の川で行われていることでして、地域の人が総出で、秋になると「川を耕す」ことが行われていました。今でも、アユ釣りが盛んな川では、行われている技法なんです。川に入ってガザガサと大勢が暴れるわけです。

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上の写真のように、すでに子供たちが川遊びに来ているのですが、魚がたくさん増えて、子供たちが増えると川底が一層きれいになるかもしれません。

そんなわけで、都会を流れる武庫川の天然アユの再生に向けて、漁業組合さんと一緒に、アユが産卵しやすい産卵場づくりに挑戦する参加者を募集します!
あわせて、水生生物の観察も行いますので、関心のあるかたはぜひご参加ください。

案内用チラシはこちら!(mukogawa.pdf

【開催に関する詳細情報】
◆と き: 平成22年10月3日(日) 9時30分〜12時 【小雨決行】

◆ところ: 武庫大橋(国道2号線)下流付近。
     ※駐車場がないため、公共交通機関を利用しておこしください。

◆内 容: ☆天然アユの産卵場づくり
      (川底を上流から下りてくるアユが産卵しやすい形状に整える作業をします。)

      ☆川の生き物採集と観察

◆対 象: 小学生以上(ただし小学生は保護者同伴)

            50名(多数の場合は抽選し、申込〆切後、1週間以内に通知)

◆講 師: 兵庫県立大学・兵庫県立人と自然の博物館 田中哲夫・三橋弘宗

◆主 催: 武庫川漁業協同組合、武庫川流域環境保全協議会

◆申込〆切: 9月22日(水)必着

◆申込方法:   チラシ裏面の申込用紙に記入して、郵送またはFAXで送信してください。

電子メールでも受け付けています。「むこがわ探検隊参加希望」と明記の上、住所・氏名・電話番号・FAX番号・年齢を記載してお申し込みください。

※集合場所や持ち物など、当日の詳細な内容は、申込締切後に参加者に通知します。

●申込・問合せ先
〒665-8567 宝塚市旭町2-4-15
  武庫川流域環境保全協議会事務局
  (兵庫県阪神北県民局県民室環境課)
TEL:0797-83-3146  FAX:0797-86-4309
E-mail:hanshinkkem_01@pref.hyogo.lg.jp

 (みつはし ひろむね)

先日の台風が通り過ぎて、少しは朝夕涼しくなってきましたが、相変わらず暑い9月ですね。

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▲夏の空から、秋の青空に変わってきましたね

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▲さずがにお弁当は日陰でないと、まだ暑いですよね(^^;

みなさん、この週末の予定はお決まりでしょうか?
天気が悪いという予報もあります。そんなときは屋外ではなく館内でお楽しみください。週末はたくさんのオープンセミナーがみなさまのお越しをお待ちしております。

11日(土)
11:00〜 デジタル紙芝居(フロアスタッフ)
11:30〜 展示室ツアー(フロアスタッフ)
13:30〜 収蔵庫をお見せします〜名所図絵の巻(田原直樹研究系次長)
14:30〜 デジタル紙芝居(フロアスタッフ)
15:00〜 画はくの日〜オリジナルタヨウ星人を描こう〜(フロアスタッフ)

収蔵庫は普段は入ることができません。特別に公開します!一度、博物館の裏側をのぞいてみてはいかがでしょうか(^^) 

12日(日)
11:00〜 デジタル紙芝居(フロアスタッフ)
11:30〜 展示室ツアー(フロアスタッフ)
12:00〜 ゾウ講談とゾウになって絵をかくぞう・・・(河南堂珍元斎)
13:30〜 恐竜ラボ&展示解説(三枝春生主任研究員)
14:30〜 デジタル紙芝居(フロアスタッフ)
15:00〜 画はくの日〜オリジナルタヨウ星人を描こう〜(フロアスタッフ)

自称”謎の講談師”河南堂珍元斎さんは、久々の登場ですね。
 詳しくは→ http://hitohaku.jp/blog/2010/09/post_859/
いまミニ企画展として、いきもの多様"製"展「ゾウが描いたぞう・・・」を10月6日まで開催していますが、その関連イベントです。ぜひ、展示とあわせて見に来てください!!

ひとはくでは今、「ひょうごの生物多様性 瀬戸内海VS日本海」も開催中です。
見どころいっぱいのひとはくに、ぜひ、お越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(生涯学習課長 平松紳一)

 

さて、謎の講談師河南堂珍元斎でございます。
            ミニ企画展「ゾウが描いたぞう・・・・」のお話の続きでございます。    http://hitohaku.jp/blog/2010/08/post_818/  その1
http://hitohaku.jp/blog/2010/08/post_850/  その2(増井光子さんのメッセージ)

前回は増井光子さんのメッセージを掲載いたしましたが、今回はゾウの絵展誕生のエピソードをば。

  さて、ゾウの絵展誕生の一席でございます。

 2009年2月のこと、コウノトリの郷公園長でよこはま動物園ズーラシアの増井光子園長が人と自然の博物館にやってきました。
 増井さんはたまたま案内を頼まれた旧知の珍元斎と館内を歩きながら、
 「ゾウが絵を描くって知ってる?うちのゾウなかなかいい絵を描くのでね。美術館で展覧会をと、知り合いの美術館に頼みにいったら、『ゾウの絵はアートじゃない。』といわれてね。あなたはいろんなグッズ作ってるみたいだけど、ゾウの絵でもできないかな。それに、どこかで展覧会できないかなあ?」
珍元斎は、美術館にも博物館にも属さないような文化のすきま部分を得意としております。

 「ほな、さっそく見に行きますわあ。」と翌日、駅伝大会開催中のズーラシアの園長室を訪ねます。
 とにかく楽しい事が大好きなこの男、えらいスピードでございます。
 珍元斎はビックリ仰天!そこには、感性あふれるゾウのアートがあったのでございます。

園長室の様子です  この目がいいね!  これは、アートでしょう!! 
園長室写真:ゾウ写真:ゾウの絵

 

 でも、すぐには展覧会の目途はたちません。珍元斎はためしにゾウの絵の絵ハガキを試作したりしながら時期到来を待ちました。そして、2010年10月にCOP10が名古屋で開かれることになり、ひとはくも生物多様性の展示計画の検討をはじめました。そこで、そこに絡ませることを思いつきます。
 「ゾウの絵も多様ないきものの営みやと思うんですけど、多様性の切り口で他の動物の絵と比較したらおもろいのとちゃいますか?ほかの動物は描けへんのですか?」と増井さんに相談。

 
オランウータン  オランウータンだって、描くよ!!

 「オランウータンやチンパンジーは描きます。でも絵が完結してなくて、キャンパスから絵がはみ出ます。ゾウはキャンパスも認識していて、はみ出さないし、これで終わり!とちゃんと完結します。やっぱりゾウの絵はすごいです。他にはアメリカではイルカなんかで描くのがいるようですが・・・」との増井さんの言葉に、あつかましいこの男は、「はな、なんとか手に入れてください!」

こんなものにも描けちゃう!!

なんと、その年の秋、増井さんは米国に会議に行きます。そして、約束どおり、インディアナポリス動物園のバンドウイルカやシロクマなどの仲間たちの多様な作品を手に入れたのでございます。
「イルカはどうやって描くんですか?」と聞く珍元斎に
「嘴の部分に筆をくくりつけて描きます。」と笑顔で答える増井さん。


マリンブルーがお似合い・・・バンドウイルカの絵

 

 その後、とんとん拍子に展覧会計画はすすみまして、ゾウを柱にしたいきものアート展にしようということで、イルカくんたちもあわせて、ズーラシアのゾウたち初の園外展示として、2010年の「ひとはく生物多様性大作戦!」の中で展示することと相成りました。

 「ほんまにできるんかいな。ひとはくってすごいとこやなあ。」

 と珍元斎は半信半疑・・・つづく・・・

 

ひとはく地域研究員 川東丈純

 

ロープでスルスルと・・・・!! ひとはくの建物の壁に何やら人影が・・・・・・!!

 皆さんは、ひとはくの建物を外から見られたことはありますか?上の写真のように、ひとはくは周りをガラスに包まれています。太陽の光を浴びて、キラキラとまぶしく反射しています・・・・・今日は、曇り空ですので、どよ〜ぉんとしています。

 

 建物の外側ですから、雨や風や雪やホコリなどで、ガラスも汚れます。みなさんのお家の外の壁も汚れてくると思います。

 そんな時、普通の家なら、せいぜい脚立を使ってゴシゴシすればいいのですが、ここは博物館。とても大きな背の高い建物。写真のように、屋上からロープでぶら下がりながらの、決死の作業です!!

 

高所恐怖症の人は、無理でしょう 近くで見てみると、ロープ一本でぶら下がっているだけのようです。怖そうです。高所恐怖症の人には、オススメできません。正面から見ると、どのくらい高いかが判るかな?

 

20m? 30m? とても高いです とても高いんです。危険な作業です。ちゃんとしたビル清掃の業者の方にお願いして掃除をしてもらっています。上の写真の左手の黄色の矢印のところの作業はわかりますか?

 

こんなに長いモップ?見たことある? 屋上からロープが下ろせないところは、こうやって、チョー長いモップで洗います。とても長い長いモップです。先端から水を出しながら、ガラス窓を磨きます。

 

 危険な作業をしていただいているおかげで、ひとはくがいつまでも美しくあり続けます。ありがとうございます。 みなさんも、一度ひとはくに足を運んでいただき、どのくらい高いか見てくださいね!!

 

高いところは、怖いです 

 熱帯よりも暑い?日が続いておりますが、8月ももう終わり、来週には暦は9月となります。新学期の始まりという学校が多いのではないでしょうか。
 さて9月といえば... 「ひとはくいきものかわらばん」の募集受付が、いよいよ9月1日(水)よりはじまります。


kawaraban.jpg

 7月の中〜下旬に各学校にご案内しましたこの「ひとはくいきものかわらばん」とは、自分で観察した生き物や自然の不思議なできごとを、1枚の画用紙に表現して紹介するものです。いつ、どこで観察したかを書いていただく以外には、特に決まりはありませんので自由にご応募いただけます。夏休みの宿題で自由研究に挑戦した皆さんも、研究内容をもとにかわらばんを作って応募してみませんか?
 応募された方には、もれなく博物館招待券2枚、「タヨウ星人ポイントカード」2ポイントを進呈。さらに、優秀作品は博物館ホームページで紹介するとともに、なんと、愛知県で開催される生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の関連イベント、「生物多様性交流フェア」に出展するひとはくブースで展示されます。
 ひと足早く、今年のボルネオジャングル体験スクールの参加者から寄せられた「いきものかわらばん」を紹介しますので、応募用紙とともに参考にしてください。

「ひとはくいきものかわらばん」
 募集対象 小学生、中学校、高校生
 募集期間 平成22年9月1日(水)〜9月30日(木)

 様  式 ※重要 八つ切り画用紙(の大きさ)用紙は縦置きで使ってください。
 表  彰 館長賞、研究員賞などの賞、優秀作品は「生物多様性交流フェア」(COP10関連イベント)ひとはくブースに展示

 詳細は ↓
  http://hitohaku.jp/biodiv/school_visit.html

(生涯学習課 西岡敬三)

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今回、人と自然の会として初めての試み、“環境体験学習”ということで、西宮市上ヶ原育成センターの小学1年〜3年生の子供たち約80名が来館し「葉っぱでアート」と「昆虫採集」を行いました。

 

hitotosizenn201008-1.jpgのサムネール画像

 

 「葉っぱでアート」は、予め採集した様々な葉っぱや花などを台紙に貼りつけて、作品を作りました。

hitotosizenn201008-2.jpg hitotosizenn201008-3.jpg

                       作品づくりに夢中!!

 

 

                  hitotosizenn201008-4.jpg

子どもの発想の豊かさにいつも感動します。

 

 

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「昆虫採集」は、博物館周辺を網を持って走り回り、バッタ、トンボ、セミなどを採集しました。子供たちの網さばきは、とても軽やかです。

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1時間半程の短い間でしたが、子供たちは楽しんでくれたでしょうか。普段、街の生活では体験できない、自然の中での遊びや学習を提案していければと思います。

 

 早くもツクツクホウシが鳴きはじめていましたが、暑い夏はまだまだ続きそうです。

 

                                    人と自然の会  藤原玉規

 

 

4階ひとはくサロンから見下ろす深田公園の景色は毎日、心を和ませてくれます。
ところが、

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▲中央の木が赤く紅葉しているように見えます

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▲近づいてみるとトウカエデの木の葉が赤くなっていました

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▲夏の猛暑の影響でしょうか?同じ公園内には元気よく実をつけている木もありました

深田公園では、ツクツクボウシも鳴き始めています。しかし、ミンミンゼミもアブラゼミも元気です(^^)
まだまだ暑い夏休み、今日も博物館内は元気な子どもたちであふれかえっていました。

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▲「ひょうごの生物多様性 瀬戸内海VS日本海」も展示物が多く、夏休みの課題研究にもいいかもしれませんね。今日も館内は子どもたちで賑わいました(^^)

夏休みもあとわずかです。
最後の日曜日、8月29日は「君も発掘隊員!丹波の恐竜化石をさがしだそう」があります。夏休みの思い出に、すばらしい化石を発見してください。あなたの名前が博物館の資料に残りますよ。

 詳しくは → http://hitohaku.jp/education/open_seminar.html#A8

夏休みが終わる前にひとはくに、ぜひお越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(生涯学習課長 平松紳一)

 昨年の8月25日にも書いたハイイロチョキリが,今年もドングリの枝切りを始めています.

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 落ちている枝じたいはクヌギのものが目立ちますが,虫をさがすとコナラでよく見かけます.ハラビロカマキリも成虫になってました.

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昆虫共生 沢田佳久

 『ひとはくへやって来た「スミス」さん』のブログで、
「スミスネズミ」のセミナーの様子が紹介されていましたが、
これについて、少し続報を...

DSC_0006.JPG

▲いちばん右がスミスネズミ(目が小さい)、左2匹はアカネズミ 

 この「スミスネズミ」がどれくらい”珍しい(貴重)”な生き物かというと、
『1904年にイギリス人冒険家ゴードン=スミス氏が六甲山地(標高650m)で採集した標本が英国自然史博物館で研究された結果、新種として発表されたものです。そのため六甲山地はスミスネズミの基準産地、つまりは六甲山のスミスネズミが本家本元のスミズネズミとなりますので、六甲山地のスミスネズミは重要なものです。』
と当館鈴木武研究員がブログで説明しております。詳しくはこちらを
 ↓
http://hitohaku.jp/blog/2010/08/post_823/

 このようなこともあって、先日(平成22年8月11日)神戸市より発表された「神戸の希少な野生動植物 神戸版レッドデータ2010」において、この「スミスネズミ」は「Aランク(神戸市内において絶滅の危機に瀕している種など、緊急の保全対策、厳重な保全対策の必要な種」に選定されております。
 ↓
http://www.city.kobe.lg.jp/life/recycle/environmental/tayosei/red_data_top.html

 この、”神戸版レッドデータ2010”では、スミスネズミのような哺乳類の他、鳥類、爬虫類、両生類、魚類(汽水・淡水魚類、昆虫類、鳥類サンクチュアリ(聖域)、シダ植物、種子植物、植物群落が選定されており、その選定に際しては、人と自然の博物館の多くの研究員の先生方が、大いにかかわっています。詳しくは、以下のホームページをご覧ください。
 ↓
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2010/08/20100811195101.html

 今回珍しい「スミスネズミ」が見つかったのも、生物多様性保全のための先生方の努力の賜物かもしれません。


(生涯学習課 西岡敬三)

六甲山からやって来た、スミスさん。

って、外国の人?いえいえ、スミスネズミです。

なんで、スミス?100年以上前にイギリス人冒険家が 六甲山で発見し、名付けられた そうです。

今月8日、神戸市立森林植物園で発見され、今日と明日の鈴木研究員による、オープンセミナーの間だけ、見ることができるのです。

    

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         「かわいい〜」           「いろいろ種類のネズミがいるんですね。」

神戸市レッドデータAランクのとぉ〜っても珍しいお客様なのです。

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つぶらな瞳がとても可愛い。

 一緒にアカネズミも見れちゃうよ。アカネズミとスミスネズミの違いを見てみよう。

英語では「mouse(ネズミ)」といわないけど日本語にするとネズミっていう種類もある、ミッキーマウスは「何ネズミ」?など、ちょっと人に話たくなる解説も鈴木研究員から聞けちゃうよ。

 

オープンセミナー「六甲山のスミスネズミ」は

 明日15日(日)11:00〜・14:00〜 です!!!

 

この他、ひとはくでは、書ききれないほどの楽しいイベントがもりだくさん!

→ http://hitohaku.jp/weekly/weeklyevent.html

 

夏休みはひとはくへ! 

                           小林美樹(生涯学習課)

恐るべし 雲

2010年8月13日

 

 8月12日23時頃に雲を切り裂くように、長い尾を引いて一際輝いて流れた星が観測できたので、0時を回ってから出かけました。

 

雲雲くもくも うーん、やっぱり雲が多くてモノにならない(*_*)

 そしてなにより、田んぼのあぜ道を選んだのが失敗だった。ものの5分と経たないうちに、両足は蚊の餌食になり、ボコボコに腫れました。

 

 明日は晴れることを期待して、虫除けを準備して再挑戦です。

 

                                               かいぃ〜の、かいぃ〜のって!!
























先週8/8(日)に神戸市立森林植物園での六甲山のネズミについての講座のついでに、甲南高校の恩地さんと中学校生物研究部の諸君とで園内にネズミ用わなを仕掛けました。ふつうのアカネズミはとれるだろうと思っていたら、なんと、神戸市レッドデータAランクのスミスネズミが捕まりました。たぶん神戸市内では3つめの産地です。

 スミスネズミは東北南部以南の日本に分布する日本の固有種で、体長10cm、尾長5cm、体重30g程度で、冷涼な山地に穴を掘って暮らし、おもに植物を食べるといわれています。耳が小さく、尾が短く、ずんぐりむっくりしたモグラのような野ネズミです。

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写真:アカネズミ(左)とスミスネズミ(右
アカネズミにくらべるとスミスネズミは目も耳も小さい。

 1904年にイギリス人冒険家ゴードン=スミス氏が六甲山地(標高650m)で採集した標本が英国自然史博物館で研究された結果、新種として発表されたものです。そのため六甲山地はスミスネズミの基準産地、つまりは六甲山のスミスネズミが本家本元のスミズネズミとなりますので、六甲山地のスミスネズミは重要なものです。
 しかし、六甲山地でのスミスネズミの記録はきわめて少なく、わずかに摩耶山や西宮市甲山などが知られています。
 2006年には六甲山小学校付近で飼い猫がスミスネズミを捕まえてきて、その後の調査により周辺で生きた個体を確認したのが最も最近の六甲山地での生きたスミスネズミの記録でした。
 摩耶山、六甲山小学校周辺に続いて神戸市内では3つめのスミスネズミの生育地となる。森林植物園は標高450mと従来の2地点に比べると標高が低く、六甲山地の中腹を広く調べる必要があるそうです。
 
 8月14日(土)、15日(日)の両日午前11時および午後2時から、人と自然の博物館ひとはくサロンで、今回のスミスネズミを見て、研究員が解説します。
(鈴木 武)

トサカフトメイガ

2010年8月10日

深田公園にも樹液出ているコナラがちょっとだけあります.ときどき見に行ってますが,

大物は来てませんね.

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それより気になるのがシナサワグルミの木です.

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テントを作る毛虫に食われてほとんど丸坊主に.葉っぱがないので本当にシナサワグル

ミだったか自信がありません.毛虫のほうはトサカフトメイガのようです.葉を食い尽くして

飢えてるのか,十分食い終えたのか,幹を這ってたり地面に転がってたりします.アミメ

アリに捕まってる子もいるし,たぶんアシナガバチにもやられてるでしょう.

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凄まじいです.

昆虫共生 沢田佳久

 

 夏真っ盛りになってまいりました。昼間は暑くて暑くて・・・・!!

 

 だったら夜は? 夜なら涼しいかな?

 

 そう、夜といえば夜空  夜空といえば流れ星   ペルセウス座流星群が今年もやってきます。

 8月12日〜14日の間くらいがピークといわれていますが、最も観察しやすいのは・・・・・・

        ズバリ、8月13日の真夜中でしょう。暑くて眠れない夜は、夜空観察をお楽しみください。

ペルセウス座流星群

 流星群の中心部分(放射点)が高くなればなるほど多く見えますから、深夜0時頃、北東の空を眺めてみてください。カシオペヤ座は「W」の形だからすぐに見つかると思います。その右斜め下方向にペルセウス座があります。この付近、特に注目です。

 

 しかし、そこだけではなく空全体を見るとなおいいです。

 

 ちなみに、流星が見られるのはこの日だけではなく、すでに流れ始めています。私は、2日続けてとても明るく長い尾を引く流星を目撃しました!! 一つは東南東の方角でした。これはペルセウス座流星群ではないと思います。二つ目はきっちりペルセウス座の流星でした。

 

流星号!流星号! 応答せよ!!

黒田研究員の素顔

2010年8月 6日

 

 とある夏の日の夕暮れ

 

 仕事を終えて博物館を出てこられる黒田研究員。6月のふかたん隊長でありました。

 

 爽やかな笑顔とともに、手には何やら怪しげなモノをぶら下げて・・・・・

黒田隊長

 「これは釣り竿ですか?」と尋ねたら、「そうではありません」と、ニコニコ

 「では、虫捕り網ですか?」と続けて尋ねると、「いいえ、違います」と、ニコニコ

 

    ??? はてはて ???

 

 「教えてください!」

 「これは、秘密のおもしろ道具です。楽しいですよ!」とニコニコと教えてださいましたが、私には、何のことだかさっぱりわかりません (;゚゚)

 

 気になる人は、ひとはくで黒田研究員にお尋ねください。

 明日8月7日から、カエルの全身骨格化石の展示公開と「ゾウが描いたぞう」絵画展が始まります。ぜひ、暑い一日ひとはくでお過ごしください。

 

情報管理課:八尾

みなさんこんにちは!
毎日あついですね〜 (^^ゞ

ひとはくでは、常設展示を観覧する以外にも、日々いろいろな体験ができます!

たとえば、たまたま4階ひとはくサロンを通りかかった鈴木研究員が大事そうに運んでいたのは・・・・・調査用の「カタツムリ」。

カタツムリに見入る小さなお客さん

一度にこんなにたくさんの種類の生きたカタツムリをみることはめったにありません!これはチャンス!!! さっそく、水槽から出して触ってみました。

でぇんでんむぅしむしかぁたつむりぃ〜と、歌も飛び出して楽しそう!
おうちの近くにもいるかなぁ〜? 探してみてね!

こちらは4階中セミナー室での遠藤研究員のオープンセミナー「鳥のくちばしを観察しよう」です。
これで夏休みの宿題「自由研究」はバッチリ!

図鑑で調べて・・・

 

じっくり観察してスケッチこの後は思うぞんぶん遊んで帰ろおっと!!!


バケツの中でこうやって・・・・・「北摂親子☆きらっとバス」で来られた親子づれのお客様は、4階ひとはくサロンでおゆまるを使ってアンモナイト化石のレプリカづくりに挑戦!

うまくできるかな?色とりどりのオリジナルレプリカは「夏休みの思い出」になったかなぁ?

ひとはくでは、今日も一日色々な体験ができました(^o^)v
みなさんもぜひ「ひとはく」に来て、体験してみてくださいね!

      (フロアスタッフ てらおゆみこ)

クマゼミの羽化

2010年8月 2日

先日,地面をせこせこ歩くクマゼミの幼虫を見かけました。

想像以上に早い動きに驚きつつ,少し観察することにしました。

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100722_1913~02.JPG 19時13分の様子。

 

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20時24分。ずいぶん出てきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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20時46分 くるっと反転して頭を上にすると,みるみる翅が伸びてゆきます(写真左)。

20時47分 (写真中央)

20時52分 すっかり翅が伸びました(写真右)。

場所はひとはく近隣の植え込み。高さ1.5mくらいの低木でしたが,この日は4匹も羽化していました。美しい姿に,しばらく見惚れてしまいました。

 

(自然・環境評価研究部 布施静香)←植物担当です。

三田市高平ナナマツの森に行ってみました。

81日に「触れて感じる!里山の夏」を予定しているため、事前準備です。

(申し込みはすでに締め切りました。たくさんの応募ありがとうございます。)

 

 

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      とっても暑い日でしたが、緑に囲まれた素晴らしい環境です。

 

 

 

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                      遠くに見えるのは大船山

 

 

 

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                             何かいるか?

 

 

 

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                  アカショウマが咲いていました。

 

 

 

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                ラミーカミキリが足を踏ん張っています。

 

 

 

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                    トンボのヤゴの脱け殻を見つけました。

 

 

 

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                    当日を予想しながらそれぞれがチェックしています。

 

 

 

里山でたくさんの生き物との出会いを楽しみに参加してくれる皆さんのためにしっかり準備しています。楽しみにしていてください。

 

         

            NPO法人 人と自然の会 佐藤健一    写真 能勢公紀

 

 

 

 

今日は朝から曇り空・・・
ちょっと深田公園を歩いてみました。
朝からセミたちの大合唱です!!

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▲様々なセミたちがいますね

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▲今日羽化したばかりのセミの抜け殻でしょうか?

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▲途中で力尽きたのかな?羽化できずに死んでしまったようです

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▲早くしないと鳥に食べられちゃうよ〜

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▲カブトムシの死骸もありました。夜にはカブトムシたちも集まっているのかな? 


ひとはくは今、生物多様性大作戦!展開中です。ポイントカードもあります(^^)

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▲館内は朝から子どもたちで賑わっています。ありがとうございます

この夏休み、ぜひ、何度もひとはくにお越しください!
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(生涯学習課長 平松紳一)

昼の蛾

2010年7月27日

[夜の蝶]という言葉はありますが,[昼の蛾]て,聞きませんね.

最近撮った写真から[昼の蛾]をば数点.

 

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モモブトスカシバ:遠目には毛虫の死骸(^^;

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シロテンクロマイコガ:後脚で[セーフ!]て,一塁コーチャーか!?

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キンモンガ:イカリモンガと並ぶ蝶っぽい蛾の双璧.

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サラサリンガ:足の模様が偽装されてて,どっちが前やねん.

 

昆虫共生 沢田佳久

 

インパクトのある虫

2010年7月13日

 ヒラズゲンセイがその生息域を北へ広げているらしく,この十年ほどは近畿中部はその最前線です(こちらの頁参照).写真は当館に持ち込まれた今年某市で見つかった♂です(データは専門家に通報済).発見者から預かって展足して乾燥したのですが,翅が丸まってしまいました.それに色もちょっと悪くなってます.すみません.

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 生きている時は真っ赤な姿に黒い強大なアゴを具え,存在感満点です(こちらのブログに生前の姿).時々見かける虫なら,そうでもないのでしょうが,初めて見たら[なんじゃこりゃ?]となります.相当なインパクトです.[クワガタに似ている]と思う人と[ぜんぜんちがう]と思う人とがいるようですが,これはクワガタ自体のイメージの違いなのでしょう.
 また,生態も変わっています.クマバチに寄生するようです.あと,有毒です.カンタリジン(通称[はんみょうの毒]と呼ばれるのはこれらしい)を持っています.これはアオカミキリモドキなどと同じ物質です.

 分布上は要注意で,顕著(他種との区別が容易)な種なので,絶滅危惧とは別の観点からレッドデータにリストされていたりします(兵庫県では[Cランク]). 見つけたら最寄の博物館,昆虫館などにお知らせください.

昆虫共生 沢田佳久

団体でご来館されたお客様から、「ペンギンがいるんですか?」

「ペンギンはどこ?」とのお声が・・・

 

ひとはくにペンギンはいないと思うのですが・・・

いったいお客様はどこでペンギンをご覧になったのでしょう??

 

実はいました!? こんなところに(^^)

 

pennginn1.jpg 

 

これは団体用(大人)チケットです。

でもチケットの裏を見ると・・ 

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ペンギンではなくて“ゴイサギ”でした(^^)

同じ鳥の仲間なので見間違うほどよく似ていますね。 

      

                 フロアスタッフ ありむらむつこ

 7月1日の記者発表でもお知らせしたとおり、本日10日よりトピックス展「神戸市須磨区から新種の貝化石10種を発見!」を開催いたします。

 

3階展示室「丹波の恐竜」コーナー」 場所は、ひとはく3階展示室「丹波の恐竜」コーナーです。第4次発掘調査報告についても展示してあります。

 期間は、7月10日(土)〜9月5日(日)までです。

 

 展示の様子  新種の貝類化石

 そして、明日11日(日)は、13:30〜13:50、発見者である松原主任研究員のギャラリートークも開かれます。受講料は無料(観覧料のみ必要:ただし小・中学生は無料ですよ)となっております。ぜひ、ひとはくにお越しください。

 今日、7月7日は七夕ですね。 ひとはくでも笹飾りに願い事をかけています。 

 1年に一度だけ出会える織姫(おりひめ)星と彦(ひこ)星。

 

 織姫星というのは、こと座にあるベガ、彦星というのは、わし座にあるアルタイルという星のことです。天の川をはさんで夜空に輝いています。

 

笹の葉 さぁらさら 今夜も晴れていたら夜の9時頃には東の空に織姫星と彦星が出会っているのが見えるはずですが・・・・・ あなたはどんな願い事をしますか?ひとはくの短冊にも願い事を書きに来てください。待っていますよ。

 

 ちなみに、このベガとアルタイルと、はくちょう座のデネブの3つで、夏の大三角を形作っています。また時間があれば、夜空をのぞいてください。(上の画像のVegaから天の川をはさんで右下に見える明るい星がアルタイル。Vegaから左下にある明るい星がデネブです)

 

20100707

 

 

今日は元ひとはくミュージアムティーチャーの毛利先生が不思議な生物の同定依頼におみえになりました。

鑑定をした北村先生によるとこの生き物は コウガイビル というそうです。
雨の日にアスファルトの上にいることもあるそうです。
長さは20cm〜30cmくらいで長いものは1mにもなるそうです。
見た目は、ナメクジやヒルににていますが全く違う種類の生き物だそうです。

 

P1030579.JPGこれで、もうこの宇宙生物のようなものに雨に日であっても驚かなくても済みますね。

                  

                フロアスタッフ  せら ゆうこ

 

  今日から7月です。2010年も半分が過ぎたことになります。

 日本では旧暦の呼び方で「文月(ふみづき)」という呼び方もあるのはご存じかと思います。この文月は旧暦では「秋」の始まりになるとのことです。えっ?!今日からもう秋なの?(1・2・3月が春、4・5・6月が夏、7・8・9月が秋、10・11・12月が冬)。なんだか不思議な感覚です。ちなみに、富士山は今日が山開きだそうです。

 7月は英語で July といいます。これはユリウス暦を考えたユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザーともいわれる)の名にちなんでJulius(Iulius)と呼ぶようになったのが元のようです。


 そこで一つ思い出しました。長いですが・・・・・・


「秋七月(あきふみづき)に東国(あづまのくに)の不尽河(ふじのかは)の辺(ほとり)の人大生部多(おほふべのおほ)、虫祭ること村里(むらさと)の人に勧めて曰はく、「此は常世の神なり。此の神を祭る者(ひと)は、富(とみ)と寿(いのち)とを致す」といふ。巫覡等 (かむなきら)、遂に詐(あざむ)きて、神語(かむこと)に託(の)せて曰く、「常世の神を祭らば、貧しき人は富を致(いた)し、老いたる人は還(かへ)りて少(わか)ゆ」といふ。是に由(よ)りて、加勧(ますますすす)めて、民(おほみたから)の家の財宝(たからもの)を捨てしめ、酒を陳(つら)ね、菜(な)・六畜(むくさのけもの)を路の側に陳ねて、呼ばしめて曰はく、「新(にひ)しき富入来(とみきた)れり」といふ。都鄙(みやこひな)の人、常世の虫を取りて、清座(しきゐ)に置きて、歌ひ?(ま)ひて、福(さいはい)を求めて珍財(たから)を棄捨(す)つ。都(かつ)て益す所無くして、損(おと)り費(つひ)ゆること極(きはめ)て甚(はなはだ)し。是(ここ)に、葛野(かどの)の秦造河勝(はたのみやつこかはかつ)、民(たみ)の惑(まど)はさるを悪(にく)みて、大生部多を打つ。其の巫覡等、恐(おそ)りて勧(すす)め祭ることを休(や)む。時の人、便(すなは)ち歌を作りて曰はく、

 太秦(うずまさ)は 神とも神と 聞こえくる 常世の神を 打ち懲(きた)ますも

此の虫は、常に橘(たちばな)の樹(き)に生(な)る。或いは曼椒(ほそき)に生る。[曼椒、此をば褒曾紀と云ふ] 其の長さ四寸余(よきあまり)、その大きさ頭指許(おほよびばかり)。其の色緑にして有黒点(くろまだら)なり。其のかたち?全(かたちもは)ら養蚕(かひご)に似(の)れり。」
                       『日本書紀』岩波文庫、皇極紀三年七月条


 この中に出てくる『虫』は『常世の神』になっていますが、この虫は「シンジュサン」という蛾の幼虫だという研究があるようです。成虫を写真で見るとこんな蛾です。

(標本写真提供:ひとはく 沢田佳久研究員) 

SamiaCynthia(シンジュサン) このムシを「常世の神」と感じた古人のことを思い出しました。

幼虫(青赤立体写真)(写真提供:ひとはく 沢田佳久研究員)

 

 本当は『暦』の話を書きたかったのですが、いつもの癖で、ついつい脱線してしまいました。

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先日、「博物館に寄贈したコルクの木はありますか?」という問い合わせが
ポルトガル人の方を含むお客様からありました。
そして今日、その際の対応の御礼の手紙もいただきましたので紹介します。

実はひとはくが開館するとき、神戸コルク株式会社から寄贈を受けています。
たまたま近くまでこられた神戸コルク株式会社の代表取締役の方が、
ポルトガルから来日していたアモリン社の方をお連れして来館されたのです。

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さっそく3人を1階展示室「世界の木材」コーナーにご案内しました。

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▲ちゃんと「神戸コルク(株)寄贈と表示していました(^^)

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▲樹皮のコルク層もよくわかります

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▲床もコルクです

博物館で大切に展示されていることにご満悦の様子でした。
ポルトガルと言えば、コルクの生産では世界一!!50%を超えるシェアを誇るそうです。

みなさんも、ひとはくに来館されたら、ぜひコルクの木をご覧ください。


ひとはくは今、生物多様性大作戦!展開中です。
ぜひ、ひとはくにお越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(生涯学習課長 平松紳一)

カタツムリを探すには、雨の日、特の雨上がり直後がいいです。まわりに木や草がある古いコンクリートのへいが見つけやすい場所です。古くてちょっと黒っぽくなっているところをよく見てみましょう。黒い中に。白くうねった線があちこちにみかけることがあります。これは表面の黒い藻類をカタツムリが食べていった跡です。ついでにコンクリートもちょっとかじって自分の殻の材料にしています。

 動いているかたつむりを見つけたら、角のあたりを観察してみましょう。角は何本あるでしょうか?小学生に質問すると「2本!」が圧倒的に多いです。たしかに長いのが2本あります。その下によくみると短いのが2本あります。

正解は『4本』です。長いのは「大触角(だいしょっかく)」といって、先端の丸い部分は眼です。眼は光を感じていますが、形まではわかっていないだろうといわれています。短いのは「小触角(しょうしょっかく)」です。臭いを嗅いでいるようです。

 カタツムリは梅雨のイメージが強いですが、夏でも夕立のあととか、秋雨のころでも活動しています。探してみてはいかがしょうか?

 

 

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          写真1:カタツムリのはった跡

 

 

 

suzuki629-2.JPG                  写真2:カタツムリの触角は4本

 

 

 

                                   鈴木 武(自然・環境再生研究部)

第156回ドリームスタジオ

『動物の ウンチを 封入してみよう!』

NPO法人 人と自然の会・封入標本サークル

 

どんな形かな どんな色かな どんな大きさかな・・・。

20100629hitotosizenn.jpgのサムネール画像

受付け開始直後にこの人だかり、すぐに定員に達する

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兵庫県内の野生動物のウンチ、ムササビやテンも展示・説明

将来は3階入り口の動物標本と一緒にウンチの封入を展示したい。

 

 

201006293hitotosizenn.jpgのサムネール画像のサムネール画像 顔は見えないが、人の多さに緊張気味か、リーダー。

 

 

 

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今日封入するウンチたち。左の大きい奴はイノシシ、ヤギ・バンビ・ウサギ。

ヤギの下のウンチはシカです。どれが人気あるかな?

イノシシのウンコが参加者の数より少ないので足らなくなると心配したが、

たくさん余ってしまった。

イノシシのウンチは少し大き過ぎ敬遠されたかな?

 

 

 

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どの動物のウンチを封入しようかなぁー?

どのウンチにするか迷ってしまう・・・

 

 

 

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二つの溶液の配合を間違うと標本が割れてパァになってしまうので使用方法と使用の注意を詳しく説明。大人も子供もみんな真剣な顔・・・

 

 

 

 

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教えられた手順どおりに封入液を慎重に注いでいく

 

 

 

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浮き上がったウンチがないか、液が少ない標本はないか等最後の点検。

この後、埃を被らないように新聞紙で覆いをして保存場所へ移動。

出来上がりが楽しみだ。

ウンチの標本の引渡しは来月のDSの日です。

 

人と自然の会・封入標本サークル(木村公之・能勢公紀・瓜生恒子他) 

 

人と自然の博物館では、以下のとおり、7月31日に、シンポジウム『小さな自然再生のすすめ』を開催しますので、ご案内を差し上げます。今回のシンポジウムでは、小規模&ローテクな方法で自然を再生させる活動で、先駆的な活動をされている方々をお招きいたしました。このような取り組みを一同に集めたシンポジウムは、国内でもはじめてのことだと思いますので、ぜひ皆様お誘い合わせの上、ご参加頂ければと思います。

シンポジウム: 「小さな自然再生のすすめ」 →こちらもご覧下さい!

tai.jpg日時: 2010年7月31日(土) 
場所: 兵庫県立人と自然の博物館 ホロンピアホール
    http://www.hitohaku.jp/top/visitor_info.html 
時間: 13時〜17時30分
費用: 800円 (観覧料および資料代込み)


申し込み(締切 7月28日

 ○電子メールの場合

  mizubefmk@gmail.com  (水辺のフィールドミュージアム研究会)宛に、

  「小さな自然再生のすすめ参加」と明記のうえ、

  氏名、連絡先(住所・電話・FAX・電子メール)を送信ください。


 ○はがき及びFAXの場合

  兵庫県立人と自然の博物館「小さな自然再生のすすめ参加」と明記のうえ、

  氏名、連絡先(住所・電話・FAX・電子メール等)をご記入ください。

  住所:兵庫県三田市弥生が丘6丁目 FAX 079-559-2033

 *申し込み頂きましたら、こちらから返信させていただきます。

  (電子メールの場合、数日たっても返信がない場合は再度お申し込みください)

 
 なお、電話での申し込みは受け付けておりませんのでご了承ください。

【特典! オールカラーの冊子をプレゼント】 
 先着100名様には、小規模な自然再生を特集した

 「ローテク&エコテク風土記〜川もまちも元気になる!」
 (リバーフロント整備センター・2010年3月刊行) 

 を配布いたします。

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【趣旨】自然再生には行政主導の大掛かりなものから、地方行政や市民団体等による小規模な活動までたくさんあります。しかし、予算規模、周辺との調整事項、実行体制のことを考えれば、大規模なものはそうそうできるものではありません。現状では、小規模で容易に、多様な主体が取り組むことできる方法論の開発が、生物多様性の保全には欠かせない、ということになりますが、そういった方法論は普及していません。地域の人々によって、「努力のしかたが分かる」実践活動と、それを支える方法論が必要とされています。今回、この「小さな自然再生のすすめ」シンポジウムでは、市民団体が地域の自然再生に貢献しうる大きな可能性を示すとともに、自然再生や修復の技術共有を目的とした事例紹介を行います。より効果的で成果をもたらす活動は、各地の団体による成功事例および失敗事例の情報交換から始まります。このシンポジウムでは、現場にて、実践的な活動を展開されている方々に講演していただき、各地でこうした自然再生の取り組みを普及させるための基盤をつくることができればと思います。

【講演者、講演内容】

■基調講演
○浜野龍夫(徳島大学)

タイトル:「水辺の小わざ」 

 川づくりの新理念「水辺の小わざ」は、多自然工法や近自然工法のことでは

 ありません。流域全体の生態系をより豊かにするために、川の中のいろいろな

 生きものの一生や川全体の特性を把握し、小規模でありながらもその水辺に

 ふさわしい効率的な改善策を様々な視点で工夫する取り組みです。

 山口県発の川づくりの平成維新と紹介され、今や全国に波及している

 水辺の小わざを紹介します。

○佐竹節夫(コウノトリ湿地ネット)
タイトル:「市民の力でコウノトリの餌場づくりに挑戦中―湿地再生あれこれ―」
 

 肉食で大飯喰らいのコウノトリが里で暮らすには、並みの自然では

 おぼつかない。 畦に囲まれた水田が最適だが、基盤整備が隅々まで施された

 生産農地では自然再生に限界がある。

 そこで、休耕田に水を張り、放棄田に堰を設けて水を溜め、草地に穴を掘って

 水を引き込んでいる。小さな湿地でも数が多けりゃネットワークもできるだろうと。


■事例報告
○服部泰樹(里山レンジャー)
タイトル:「都市公園内の放棄水田を復活させる」 
 三田市の郊外にある有馬富士公園内に残された放棄水田を再生し、それらを
 活用した自然体験プログラムを実施している。再生にあたっては、草刈り、広葉樹の
 植林を行い、周縁にのこされた水路や畦などの希少種に十分に配慮した。
 放棄水田の水利は、ソーラーパネルを用いて排水路からポンプアップするほか、
 沢水を導水・貯留している。また、カスミサンショウウオの産卵場の創出を参加型の
 学習プログラムで実施した。

○大山謙(上流武庫川ルネッサンス懇談会)
タイトル:「オオサンショウウオとタナゴの通り道づくり」
 
三田市を流れる羽束川には、特別天然記念物のオオサンショウウオの遡上を
 阻害する堰が複数みられる。そこで、武庫川上流の自然再生を考える懇談会が
 中心となり、“重機を用いない低予算”での階段づくりを2箇所で試みた。
 第1基は、近隣の小学生とともに鉄線カゴで製作したところ増水によって
 変形したため、第2基では、コンクリートの会所枡を用いることにより、
 階段の強度を高めた。両階段ともに、施工後遡上が確認された。

○三木進(こどもとむしの会・佐用町昆虫館)

タイトル:「災害復旧は、小さな自然の再生から」

 「佐用町昆虫館」は、県の昆虫館を引き継ぎ、昨年4月にNPOによって再開。

 自然の中での観察が人気を呼んだが、8月、台風による土石流で、多くの

 貴重植物や昆虫を育む園庭が、深さ1mもの土砂に埋まった。

 スコップ1本、手作業による復旧が始まり、延べ450人が、8カ月間に

 わたって奮闘。

 館を埋めた流木や石を逆に利用し、並べて花壇や橋にした。

 一部は土を入れ替え、昆虫の食草を植え、井戸を活用し水辺も復活させた。

○久加朋子(水辺のフィールドミュージアム研究会)
タイトル:「都市近郊に残存する小規模な水辺生態系の再生」 

 都市近郊あるいは市街地内には、生物の生息環境としての機能が劣化した

 自然環境が多数認められる。 人々にとって身近な地域に生きる生物の

 生息環境を取り戻すにはどうすれば良いのか?

 講演では、当団体が水辺生態系の再生にむけて実施してきた2事例

 “ソーラーパネルを活用した水田魚道”と”コンクリート3面張り河川のホタル再生”
 の失敗から成功までを紹介する。

■先進事例から学ぶ
○岩瀬晴夫(北海道技術コンサルタント)
タイトル:「小技術からはじまる“見試し”」
 

 身近な自然への意識の高まりに呼応するがごとく、

 旧建設省は「多自然型川づくり」通達(1990)を出しました。

 蛇行・瀬淵・水際が大事だと言われ続け、過剰なお題目の先行に苛立ちながら、

 はや20年。小さな技術による“見試し”が技術向上に通じると信じ、

 野生生物の生息場づくりを試行錯誤してきた背景(計画論)と実践例を提示いたします。

主催:水辺のフィールドミュージアム研究会兵庫県立人と自然の博物館
助成:花王株式会社
このシンポジウムは、「花王・コミュニティミュージアム・プログラム2009」の

助成を受けて開催いたします。

アジサイが見頃に

2010年6月29日

 

 梅雨の季節、毎日雨模様で外出がおっくうになりがちですが、今の季節『アジサイ』が見頃ですね。

 

たくさんのアジサイ アジサイにはさまざまな種類があるそうですが、上の写真のように、一般的には丸い球状に花がつくものと周縁部に花がつくもの(下の写真)とがあるようです。詳しく調べるとまた脱線しそうなので簡単に紹介すると、日本原産のガクアジサイ系と園芸用に品種改良を施した西洋系らしいです(詳しくはお調べください)。

ガクアジサイ みなさんは、どちらがお好みですか?

 

 それはさておき、このアジサイの写真を撮っている時に小さな生き物に遭遇しました。

 

  カマキリの子ども   ホソアブ(?)の交尾

 「こんな小さな生物もたくましく生きているんだなぁ。」と感じるひとときでした。雨で外出をひかえがちになりますが、外に出ると楽しい発見も待っていますよ。

 

 近所の公園に出かけるもよし、里山へ出かけるもよし。

 ひとはくに出かけるのは、なおよし!! 舞鶴若狭自動車道は高速道路無料化実験区間ですよ。

 

20100629

 

 (本文中のアジサイは丹波市氷上町で撮影したものです。)

 今年の1月1日午前3時頃から部分月食がありました。

 そして、明日6月26日(土)にも部分月食が見られるかも?です。お天気が気になるところですが、条件がよければ見えるはずです。

 月の出は、神戸近辺では19:14 月食の始まりは19:16といわれていますから、ひょっとすればかけながら月が昇って来る様子が見えます。 

月の出の頃の様子 最も食が進むのは20:38頃 月も少し見上げれば見えるくらいの位置まで昇っていると思います。天気さえよければ、バッチリ見える!!はず。月の出は19:14ですが、日の入りも191:6ということで、空はまだ明るいと思います。 

食の最大の頃 20:38頃には暗くなっていることでしょう。おおよそ半分程度が欠けるといわれています。 

食の最大の頃の月の様子 こんな風に見えるといいですね。左の上の方が欠けるようです。それ以後また元の月に戻っていき、月食の終わりは22:00頃です。おおよそ3時間の天体ショーです。あとは天気だけですね。

20100625

 画面の画像は Stellarium (http://www.stellarium.org/)フリーソフトを使ってシミュレートした画像です。一部日本語が消えてますが。

 そして、まだ少し先ですが、12月21日は皆既月食も起こります。

 

 

 今週月曜日(6月21日)は夏至でした。北半球では昼が最も長く、夜が最も身近い日だそうです。二十四節季の一つで、祭礼の儀式などが行われるところもあるようです。

 この日を過ぎると夏本番!とはいうものの、まだまだ梅雨の真っ最中です。そんな時期ですが、今日雨のあがった後、ひとはくのまわりを歩いていてこんな生きものを見つけましたよ。

 

ラミーカミキリ カミキリムシの仲間(フロアスタッフのブログにもありました)のようです。さて何でしょう?昆虫図鑑が手元にあればすぐに調べられるかも?! 

模様が面白い!!続いては小さいムシです。子どもの大好きなダンゴムシです。でもよく見かける灰色のものと事なり、色が薄いんです。どうしてかなぁ?色素が抜けてしまったのでしょうか?まだ成虫じゃないのでしょうか?ワラジムシかも知れませんよ

ダンゴムシ     

 そして次はかわいいかわいいカタツムリ(多分赤ちゃんだと思います)です。小指の爪より小さかったです。見落としそうですけど、ゆっくり見ていると見つけられます。

7,8mmほどのかわいいカタツムリ  雨で外出がおっくうになりがちですが、気分転換に外に出てみれば、思わぬ発見があるかもデス。もちろんひとはくは雨降りでも開いてますよ!!

 

 

 

今年は例年より10日遅く、13日に梅雨入りしましたが、今日は朝から快晴!!
ひとはくにもたくさんの団体、学校が来館されています。

昼休み、目の前の深田公園には、子どもたちの元気な歓声が響いていました。
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▲4階ひとはくサロンから、思わず1枚・・・

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▲深田公園を少し歩いてみましたが、子どもは元気ですよね(^^)

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▲芝生の上では別の学校がお弁当を食べていました。暑かったでしょうね(^^;博物館の1階公園口前の人影は、日陰で食べている高校生たちでした

今、ひとはくでは生物多様性大作戦を展開中です!!
スタンプカードの売れ行きも好調のようで、週末にはプレゼントを求めて
お客様が列をつくるときも・・・!?

※詳しくは・・・ http://hitohaku.jp/biodiv/biodiv_point.html

さあ、これをご覧のみなさまもひとはくにぜひお越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(生涯学習課長 平松紳一)

 前回の脱線記事で紹介したサッカーワールドカップ 開催されているのは遠く離れたアフリカ大陸の南端にある南アフリカ共和国。ヨハネスブルグは首都ではなくて、最大の都市だそうです。日本との時差は7時間ほどあります。

 ニュースで見ていると、開会式に巨大なフンコロガシが登場したとか・・・・。

  サッカーボールをフンに見立てて大人(らしき人)がフンコロガシを支えて見事に転がしています。

 ほんもののフンコロガシはというと・・・・・

 

フンコロガシ こんな感じですね。かなり似てますね(!!)

 フンコロガシとは、一体どんな昆虫なのか? サッカー観戦に疲れたら、昆虫図鑑を調べてみてはいかがでしょう?もちろん、ひとはくに調べに来ていただいてもいいです。

 

情報管理課:八尾

 

【脱線の脱線?】「◯◯ブルグ」という地名は、このヨハネスブルグ以外にもヨーロッパにも多く見られます。フライブルグとかザルツブルグとか・・・・。この「ブルグ」の意味も時間があれば調べてみてくださいね。

深田公園の円形劇場で,たくさんの花を咲かせている木があります。

Tilia4.jpg  Tilia3.jpg 

 

これは「オオバボダイジュ(大葉菩提樹)」。今まさに満開で,芳しい香りが風に乗って辺りに漂っています。

オオバボダイジュはシナノキ科シナノキ属の植物。シューベルトの「菩提樹(リンデンバウム)」で歌われているのはセイヨウボダイジュで,これと近縁な植物です。一方,釈迦が入寂したという菩提樹はインドボダイジュといって,クワ科イチジク属の植物。全く別の植物です。

 

Tilia2.jpgオオバボダイジュの花はこんなかんじ。

白い部分は花びらとがく。5枚づつありますね。雌しべの柱頭にふわふわの毛が生えていてきれいです。 

写真はクリックすると大きくなるので,見てみてくださいね。

 

 

 

 

Tilia1.jpgそれから,この植物には総苞葉(そうほうよう)があります。総苞葉は黄緑色の長細い部分です。

これは,果実が実ると果実と一緒に枝から外れ,翼となって,ゆっくり回転しながら落ちていきます。

面白いですねえ。

 

(自然・環境評価研究部 布施静香)

 

ワールドカップ 切手の話をしましたが、続きです(脱線します!!)

 上の写真は「2010FIFA WORLD CUP SOUTH AFRICA」を記念して発行された日本の切手です。こんな切手を貼った郵便物(図書関係の書籍が送られてきました)が届きました。

 ちょうど南アフリカでサッカーのワールドカップが開会しました・・・・と、サッカーの話ではなく、多様性の話です。

 

日本サッカー協会 これは?同じ郵便に貼られていた切手です。JFAのシンボルマークがデザインされていますが、よく見ると中に生き物がいます。

 黒い烏のようです。でも、もっとよく見ると足が三本あります。こんな生物は実際にいるのでしょうか?いくら多様性とはいえ・・・・。

 

 八咫烏(やたがらす)とか三足烏(さんぞくう)とか言われていますが、伝説の鳥のようです(詳しいことは各自で調べてみてくださいね)。前回のblogで紹介した鳥の切手は各国の実在の鳥でしたが、今回は空想?の生き物の話でした。

  

 身近なところにある切手だけれど、いろんな見方ができて面白いですね。そう思いませんか?

 

情報管理課:八尾 2010

こんにちは。フロアスタッフのイベント、「ふかたん」では・・・

6/5、隊長、植物博士の黒田研究員と「初夏のみどり」を探しに行ってきました。

椿・白詰草(クローバー)・タンポポ・樫の木・チガヤ、などでいろんな葉っぱや茎で、草笛を鳴らしました。

FS20100606-1.JPG上手にピーと鳴りましたネ。

 

「ハルガヤ」の先をもむと・・・なんのにおい?

        (ヒント)隊長の黒田研究員より・・和菓子???

FS20100606-2.JPGさくらもちのにおいがして、みんなびっくり。

 

どんぐりの木。

椎の木は2年でどんぐりが出来るので、1年前出来たどんぐりの赤ちゃん!がありましたネ。樫の木は1年でどんぐりが出来ます。

蔦(つた)にはきゅうばんがあるって・・・またまたびっくり!!

FS20100606-3.JPGだから、壁にひっついているのですネ。

 

今、咲いている身近な植物で、おもしろいこと、知らないこと、いっぱい隊長の黒田研究員に教えて頂きました。

とってもいいお天気で楽しかったですネ。

FS20100606-4.JPGふかたん地図完成!

 

「ふかたん」では、毎月1回、研究員と一緒に深田公園を探検に出かけます。

次回は、7/10 大谷主任研究員と「初夏の深田公園でセミをさがしましょう!」です。

14:00 4階ひとはくサロン集合です。

皆様のご参加お待ちしています。

                     フロアスタッフ 西口浩子

消える虫

2010年6月 8日
緑色の美しいハエがいるので接写を試みる.
「とばないでね〜」と念じつつ十分に近づき
ピントも合わせてシャッターを切る.
ハエは動かず.やった!撮影成功.
…のはずが,写ってない!?
止まっている葉っぱはちゃんと写っているのにハエだけが写ってない!?
おかしいと思いながら,再度挑戦,
今度こそ成功.
…のはずがやはり写っていない.
まだ葉っぱの上にいる,この緑のハエが…

そんなのが「消える虫」です.

6114_am.gif 6118_am.gif
深田公園で太陽光撮影したアシナガキンバエの♀

このように撮影すると消える事で知られる虫がいます.アシナガキンバエやマダラアシナガバエなどアヒナガバエの仲間がそうで,消えるのはストロボを使って接写している場合に限られます.
種明かしをすると,これはストロボのプレ発光を感じて飛び立つことによって起こる現象です.本発光(撮影)時には写野から外れた場所まで離れているのです.しかも,ふたたび同じ位置に戻ってきて着地するので.撮影者にとっては「じっとしているハエが映ってない」ように思えるのです.

似た現象はセセリチョウの仲間でも起こるらしく,翅を動かしている状態で写ってしまうそうです.つまり,本発光の時点では既に翅は動きはじめているけれども,体はほとんど移動していないわけです.生き物ごとに時間の進み具合がちがうんですねぇ.

昆虫共生 沢田

これって多様性?

2010年5月30日

 

     コレはなんだか判りますか?

 

 

 ひとはくには、研究や調査のための文献や書籍、雑誌などの図書を備える図書室があります。そこには国内や国外の大学や博物館、研究所などからたくさん図書類が送られてきます。上の写真はフィリピンから届いた封筒にビッシリ貼られた切手です。

 

      

 オートバイに乗った男性は、かわいらしくデザインされていますが、あとの2枚は鳥です。ほかにもこんな切手もありました。

 

 いろんな鳥がデザインされているようです。ちなみに切手の大きさを測ったら、1枚がだいたい、たて25ミリ×横22ミリ(オートバイの切手はたて横が22ミリ×25ミリ)くらいでした。 では日本でよく見る切手の大きさはというと、これもだいたい25ミリ×22ミリでした。

  

 

 今回は、主に鳥がデザインされている切手を紹介しましたが、きれいな花をデザインした切手もあります(またの機会にブログに書くことにしますが・・・・)。

 

 そこで、例えば夏休みの自由研究で、鳥の切手を集めたり植物の切手を集めたりして、「切手のデザインにみる生物多様性」なんてことをテーマに、いろんな動物や植物について調べてみるのも面白いかも知れませんね。

 

情報管理課:八尾

深田公園の雑木林で,こんな花が咲いています。

これは,「アリマノウマノスズクサ」の花。

不思議な形と色の花でしょう?

木性のつる植物で,他の植物などに巻きついています。

黄色い部分も,紫がかった茶色の部分もガク。花びらはありません。

黄色の部分が虫達の入り口です。

 

 

 

 

Aristolochia3.jpg

縦に切ってみるとこのとおり。

花の付け根にあるボール状の部分が雌しべと雄しべです。雄しべは雌しべの周りにくっついています。柱頭はテラテラしていますが,まだ花粉がでていないので,雌性先熟であることが分かります。

花粉を運ぶのは小さなハエ。実際,撮影のために花を切った時には,小さなハエが数匹飛び出てきました。

 

 

Aristolochia4.jpg折角なので,昨日開催したセミナー「植物リサーチクラブ:見て楽しい花の形態観察」で花を解剖し,受講者の方々にも構造を詳しく観察してもらいました。

実体顕微鏡を使って植物を見ると,新たな世界が広がりますよ(左の写真は,雌しべと雄しべのアップ)。

 

 

 

 

 

 

 

Aristolochia2.jpgこれはつぼみ。

今年はまだまだ咲いてくれそうで楽しみです。

 

(自然・環境評価研究部 布施静香)

 

 

 

 

 

 

 

さわやかな風に誘われて59日、人と自然の会 植物観察会は宝塚西谷の森公園で第19回市民観察会をしました。

東の谷〜展望台(昼食)〜西の谷〜農舎コースを散策しました。

 

hitotosizenn201005-1.jpg

公園入り口で里山について説明を聞きます。

 

hitotosizenn201005-2.jpg

好奇心旺盛な参加者からいろいろな質問が。

これはね〜。

 

hitotosizenn201005-3.jpg

説明もだんだん熱を帯びてきます。

 

 

hitotosizenn201005-4.jpg これはリンゴ?いえ、コナラの虫コブです。

ナラメリンゴタマバチという虫が寄生してできたものだそうです。

 

hitotosizenn201005-5.jpg 林床に咲くチゴユリ、ややうつむきかげんに咲く白い花が木陰で目立ちます。

 

hitotosizenn201005-6.jpgツクバネウツギが咲いていました。

生垣などにはよく似たハナツクバネウツギが多く見られます。

それに比べるとひっそりと咲いている感じです。

hitotosizenn201005-7.jpg羽化したばかりのオオミズアオを見つけました。

オオミズアオはとても美しい羽根をしています。

皆さんも一度見ると感動しますよ。

 

hitotosizenn201005-8.jpg 展望台まであと少し。がんばっていきましょう〜。

展望台からの360度の眺望はすばらしい!

 

 

hitotosizenn201005-9.jpg 炭焼き跡がありました。

どんな人が炭を焼いていたのでしょう。

しばし、思いをはせました。

 

 

                  NPO法人 人と自然の会  中島得三

 

 

手乗りゾウムシ

2010年5月26日

 深田公園のまわりにはハギの仲間がよく生えています.生えているのか植わっているのか,刈られても刈られても元気に復活してきます.コレに居るのがシロコブゾウムシです.葉っぱや茎にしがみついています.
 1センチ以上ある存在感のある虫で,館での観察イベントでは手乗り虫として活躍(?)しています.飛ばないし,動きも鈍いので手にとって観察しやすいからです.虫にさわれない人はこの虫でためしてみましょう.
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手乗り虫に最適 シロコブゾウムシ

 ハギにはこのほかに,一回り小さいスグリゾウムシやヒレルクチブトゾウムシ,チビメナガゾウムシ,コフキゾウムシがいます.ゾウムシだけでも5種類.何だかとっても多様性.
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一回り小さい スグリゾウムシ(5mm内外)


昆虫共生 沢田

多様な多様性

2010年5月21日
2010年は国際生物多様性年で,5月22日は生物多様性の日だということで,博物館も何かと多様性業務です.

乱発気味の「多様性」,[象徴種]を並べてお茶を濁すテもありますが,せっかくですの多少は本来の概念そのものについても説明する努力をし,できれば多様性の本質に対する理解を普及する機会にせねば…とも思うわけです.そこで,PP用に作った図(一部はGIFアニメ化)がコレ↓です.
002-C1a.gif 002-C2a.gif 002-C3a.gif 002-C4a.GIF
1.風の森,2.星の森,3.空の森,4.花の森

Kチュウ(”甲虫”ならぬ”ケイチュウ”)がたくさんいる森が4つあり,同じようにKブトムシ(”カブトムシ♂”みたいですが,あくまで”Kブトムシ”)がいます.ほかにもいろんなKワガタやKナブンもいます.

これらを比べてみようというわけです.まず個体数は…
1.風の森:15匹△
2.星の森:12匹
3.空の森:13匹
4.花の森:17匹★

です.
種多様性の観点から,何種類いるかを調べ,多様度指数(シンプソンD,全数扱い)を出すと;

002-C1m.gif 002-C2m.gif 002-C3m.gif 002-C4m.gif

1.風の森:5種,0.756
2.星の森:5種,0.792 △
3.空の森:8種,0.852 ★
4.花の森:3種,0.305
です.[風の森]より個体数の少ない[星の森]が△なのは均衡性が高いからです.

Kナブン一種類だけに注目すると;

002-D1m.gif 002-D2m.gif 002-D3m.gif 002-D4m.gif

1.風の森:三色いる◎
2.星の森:三色いる◎
3.空の森:一色しかいない
4.花の森:ぜんぜんいない
種内変異という観点もあるわけです.

OKワガタがいるかどうか,それだけに注目するというのも,分かりやすいといえば分かりやすいですが… 多様性というのは,そういうことではありません.

みたいな話に使おうかと.

昆虫共生・沢田

タイトルを見て何のことかな?と思われたでしょうか。

神戸から三田までの私の通勤途上、コブシやサクラに代わって、5月初旬頃から紫色の美しい花が目立つようになりました。それは桐と藤です。

昨日の丹波市からの帰り道、鐘が坂トンネル近くで、ちょうど道路脇の斜面に桐の木があり、目の前に花があったので、思わず車を止めて写真を撮ってしまいました。

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20100521b

▲花に吸い寄せられるようにミツバチ?が近づいていました

20100521c

▲こちらは今朝、通勤途上に撮った藤の花。同じような色の花でも性格は正反対!?いやいや、付き方は正反対ですよね(^^)

20100521d 20100521e

▲これは5月18日に行われたクラーク記念国際高等学校との連携セミナー「花のデザイン」の様子です。深田公園内の藤の花を採集しているのは講師の高野温子主任研究員です。一般受講者の方も入って、さまざまな花の観察をしていました。

植物にもいろいろありますよね。
さて、今年のひとはくは「生物多様性大作戦!!」
明日22日(土)「国際生物多様性の日」から「タヨウ星人ポイントカード」も始まります!!
なんと22日、23日はポイント3倍!!いきなり●▲●がもらえちゃいますよ(^^)
■詳しくはこちら「生物多様性大作戦!」 → http://hitohaku.jp/biodiv/biodiv_index.html

ひとはくでは毎日、様々なオープンセミナーを開催しています。
■詳しくはこちら「今週のひとはく」 → http://hitohaku.jp/weekly/weeklyevent.html

ぜひ、この週末もひとはくにお越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(生涯学習課長 平松紳一)

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●アシレンジャー募集中です!!

都会の近くでも、色んな自然を体験することはできます!

CIMG4424.jpg芦屋といえば、阪神間に位置する大都会というイメージがありますが、探せば色んな自然を体験できる場所が残されています。昨年から、NPO法人さんぴぃす さんと一緒に、源流から河口まで、各地で観察会をおこなってきました。モクズガニに、アユ、里山もあれば、海辺の鳥、鳴く虫、きのこなど、実にたくさんの自然がコンパクトに詰まっております。
そんな身近な自然の楽しみ方を体験できるのが、『NPO法人さんぴぃす』さんの自然体験プログラムです。

今年は、これらの自然をさらに多くの人たち、特に子どもたちに体験してもらうことを目的として、芦屋の自然を体験するレンジャー隊、『アシレンジャー』活動が行われます。一年間を通じて、身近な自然を体験するプログラムを、NPO法人さんぴぃすの皆様がた作成してくださりました。
わたしたち、博物館のスタッフもいくつかのセミナーを担当します。

計画(予定)は以下のようになっております。
詳しくはパンフレットをご覧ください。

パンフレットはこちらからダウンロード→  アシレンジャーの案内(2.1MB PDF)
2010年度 観察会
 4月 24日(土) 春の六甲山ハイキング
 5月 9日(日) 芦屋川上流の水生生物観察会
 5月 22日(土) 実生のホームステイ
 6月 12日(土) ロープワークとハンモック作り
     26日(土) 鳴く虫の観察会
 7月 29日(木) 芦屋川上流の水生生物の観察会
 8月 7日(土) 宮川での生き物観察会(1回目)
      (未定)  宮川での生き物観察会(2回目)
 9月 11日(土) 宮川でのハゼ釣り&バーベキュー
 10月 2日(土) 森のキノコの観察会
 11月 6日(金) モクズガニの夜間観察会
    14日(日) 山の木の実(種)あつめ
 12月 4日 (土)  森の植物と土の話
 1月  日程未定  近畿子どもの水辺交流会(奈良県)
 2月 11日(祝金) 人と自然の博物館・共生のひろば(成果発表会)
    13日(日) 木炭づくりと整地作業&焼き芋
 3月 13日(日) 自分の木を植えよう

*都合により日程変更される可能性もありますがご了解ください。

申し込みは、上記のパンフレットにある申し込み用紙に必要事項を記入して、NPO法人さんぴぃす・アシレンジャー事務局へお願いします。
TEL&FAX: 0797-22-8896、E-mail: info(あっとまーく)sanps.com
 *(あっとまーく)の部分を@に代えてください

このアシレンジャー活動は、途中からでも参加OKです。ふるってご参加ください。

(流域生態研究G みつはしひろむね)

SANY0079.jpg芦屋川の上流に位置する芦有ゲート入口付近にて、水生昆虫の観察会を実施しました。
いつも観察会を一緒にさせていただいておりますNPO法人さんぴぃす の皆さんの絶大なるご協力のもとで開催いたしました。地元の芦屋の子ども達に声をかけてくださったおかげ、なんと80名近いかたが参加されました。川はにぎわっております。

さて、観察会の成果はどうでしょうか。
この季節は、水生昆虫の観察には非常に好適です。たくさんの昆虫や魚、カニなどが採れました。
大物のドンコも(下の写真)。ヘビトンボや大型のカワゲラがたくさん、カワヨシノボリやサワガニは普通種に。カジカガエルも2匹採れました。

SANY0086.jpg  R0011304.jpg

たくさん種類を観察するだけなら、3月や4月がいいのですが、一般の方が参加するには、ちょっと寒い。ということで、なんとか幼虫が羽化して数が減ってしまう前にということで、5月8日に開催しました。ちょっと天気も気になりましたが、晴れてよかったです。

SANY0102.jpg こんな風に採った生物を川のなかに脚立(洗車用)をおいて小さな容器に分け分けしてゆきます。
こうすると、自分がとったものが、他の誰もがとっていない種なのかどうかが分かります。必死で見比べながら、仕分けしてゆきます。子ども達は、自分がはじめてだと思って、勢い勇んでやってくるのですが、2番目だったりするとポイっと。そうなんです、こどもたちには、2番じゃダメみたいなんです、水生昆虫仕分けは。
こうすると、小さな昆虫を探す意欲が湧き、観察の眼が鍛えられます。普段は無視されるユスリカやブユ、コカゲロウやオナシカワゲラなんかもきっちり採集されます。ちなみに、右手の女の子は、カワゲラ科3種の斑紋を見分ける達人になってます。

そんなこんなで、たくさんの種類がみつかりました。まだ正確には数えてませんが、ざっと30種類以上は採集できました。ちょっと足下は寒かったのですが、みなさん大収穫、それと都会からすぐのところに、こんなキレイな渓流があって、たくさんの、しかもユニークな昆虫たちが生息していることを実感して頂き、満足して頂けた様子でした。

SANY0153.jpg会が終わってからも、プラナリアを探す人や仕分けした容器内の水生昆虫を観察する子どもや、親子で観察会セカンドステージに突入する人も。

川の観察会は、つぎは加古川上流部の青垣町で7月18日に開催します。
http://www.hitohaku.jp/education/10syousai/D10.html
HPから、ポチっとしちゃってください!
よろしければ、ご参加ください。

(流域生態研究G みつはしひろむね)


 みなさんは今年のゴールデンウィークはいかがお過ごしですか?連日好天に恵まれ、汗ばむどころではないほどの陽気ですね。もうどこかに出かけられましたか?

 

 ひとはくから車で2〜30分ほど北東に進んだところに「有馬富士公園」があります。そこでは、ありまふじフェスティバル'10と銘打ってさまざまなイベントが催されています。今日はひとはくからもキャラバンで出かけたので、その様子をご紹介します。

 

 今回の目玉展示は「キベリハムシ」です。 ハムシ」の仲間で、へりが黄色いからキベリハムシって名前がついています。こんなジャンボな昆虫が目の前に現れたらびっくりしますよねっ。

 で、この展示はよくできていてケースの下にもぐって、キベリハムシのおなかの様子を見ることができるんです。      

     ボクも見たいけど、ちょっぴりこわいなぁ・・・・

 明日もキベリハムシはいますから、ぜひ会いに来てくださいね。何が見えるかは、明日のお楽しみ!!

   「春の野草」も展示しています。       

どんな野草があるかな?楽しみに来てください。そして、当日現地で受付の観察会「春の草花を探そう」も実施します。13:30から30分間のプログラムです。会場のテントで受付をしていますから、始まるまでにお申し込みください。

 明日もきっといいお天気ですから、帽子を忘れずに飲み物も持って有馬富士公園に来てくださいね。お待ちしております。

 そして、それだけではなく「ひとはく博士」もやってきますよ。いっしょに記念撮影をしたり握手もしてくれます。今日ははばタンとのツーショットもありました。みんな子どもの人気者!!是非会いに来てください。

   

 

  そうそう有馬富士公園に行く前に、「ひとはく」によっていくのもいいですよ。明日もひとはくではいろんなイベントを実施していますから、博物館も楽しい!!是非お越しください。

 

情報管理課:八尾

爽やかな風が吹いて,気持ちの良い日が続いていますね。

konara.jpg

深田公園ではコナラの樹ががくさんの花をつけていました。

長く伸びた花序(かじょ)は,風に吹かれて涼しげにゆれています。

ゆれているのは雄の花。アップにすると・・・

 

 

 

 

 

konara_male.jpg

これです。

たくさんの雄花が集まって,雄花序をつくっているのです。

よーく見ると,葯(やく:花粉がつまった袋)が,見えるでしょう?

※写真をクリックすると拡大できます。 

 

 

 

konara_female.jpg

 そしてこれが雌の花。

雌花は垂れ下がらず,葉の脇に数個だけつきます。これがドングリになるのですね。

今年はたくさんのドングリが実るでしょうか?楽しみですね。

去年のドングリの記事はこちら

(自然・環境評価研究部 布施静香)

もう4月下旬だというのに,寒い日が続いていますね。

そんな中,山野から美しい花の便りが届きました。

trigata.jpg

これは,トリガタハンショウヅル(鳥形半鐘蔓)というキンポウゲ科の植物。

カザグルマやテッセンなどと同じ属ですが,花は釣鐘のように下向きに咲きます。

花びらに見えるのは「がく」。4枚の淡い黄色のがくは3cmほどもあり,山野で出会うととても嬉しくなる植物の一つです。かわいくて,爽やかでしょう?

torigata2.jpg写真は4月23日に加東市で撮影されたもの。撮影者によると「今が花盛り」だということです。

みなさんも,暖かい日には山野へでかけてみてはどうでしょう。素敵な花々にきっと出会えますよ。

 

(自然・環境評価研究部 布施静香)

撮影:ひとはく地域研究員 小豆むつ子

 

先日、雨にぬれて入口付近で羽を休めているイソヒヨドリのオスを研究員の八木さんがパチリと撮影しました。構図がいいですねえ〜。薄暗くてはっきりと色が見えないかもしれませんが、全身の青とお腹のオレンジのコントラストが美しい鳥です。

 

 

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和名をそのまま解釈すると「磯にいるヒヨドリ」ですが、ヒヨドリではなく、ツグミの仲間です。わたしが初めてイソヒヨドリを見たのは、大学3回生の頃に訪れた西表島の岩礁。まさに「イソ」ヒヨドリの名にふさわしい場所でした。

 

次にイソヒヨドリを見たのは、それから2年後、調査で訪れていたタイのカオヤイ国立公園という山中でした。「へー、ずいぶん磯から遠いところにもいる鳥なんだ」と思ったのをよく覚えています。ところが宿舎に戻って、Birds of Thailandというタイの鳥図鑑を見て、自分が大きな勘違いをしていたことに気がつきました。

 

イソヒヨドリの学名はMonticola solitariusと言います。学名というのは、全世界で通用する生物の名前のことで、ラテン語で表記します。属名のMonticolaは「山の住人」、種小名のsolitariusは「単独性」といった意味になります。図鑑の生息環境についての解説を読むと「岩場」を好む鳥と書かれています。そう、「磯」は岩場の一つに過ぎないのです。標高数千メートルに達する岩場にも暮らしている鳥のようです。

 

英語ではBlue Rock Thrushと呼ばれています。直訳すると青い・岩・ツグミです。和名よりも正確にイソヒヨドリの特徴をとらえている呼び方かもしれません。実は日本でも最近は磯ばかりではなく、市街地などで見られることが増えている鳥です。実はひとはく周辺でも比較的普通に見られる鳥の一種です。ひとはくブログでも何度かイソヒヨドリが取り上げられています。

 

http://hitohaku.jp/blog/2007/04/post_17/

http://hitohaku.jp/blog/2008/04/post_119/

http://hitohaku.jp/blog/2008/07/post_138/

 

今ブログを読んでいるあなたの身近なところにもひっそりとイソヒヨドリが暮らしているかも!?しれません。

 

自然・環境マネジメント研究部 北村俊平

日曜日(4/18)は,久々の良い天気。

春の陽気に誘われて,セミナー受講者のみなさんと西光寺山麓へ行ってきました。

田畑の畦に咲く花々をはじめ,シハイスミレやオオタチツボスミレといったスミレ類,ショウジョウバカマ,シュンラン,キブシなど,いろいろな花を見ることができました。

fuderindou.jpg

そして,フデリンドウ。

草丈が5cm程の,とてもかわいいリンドウです。

よく見ると,山道の脇に点々と,しかし本当に多くの株が花を咲かせていました。

私もこんなにたくさんのフデリンドウが見られるとはびっくり。嬉しくなってしまいました。

フデリンドウはとても小さいので,足元を見ながら歩かないと気がつかないかもしれません。でも,1株見つかると,次々に見つけることができますよ。

 

(自然・環境評価研究部 布施静香)

新たなミニ展示のお知らせです。
きのこの展示がさらに増殖してしまいました。

IMG_0001.jpg2010年4月17日(土)〜5月16日(日)まで、当館の4Fひとはくサロン奥のスペースにて、西宮きのこクラブOB会さんによります、『甲山のキノコとキノコ培養の実践』についての展示が行われています。小さなコーナーですが、見所たっぷりです。

R0011155.jpgこちらの会の皆さんも、博物館が開催する封入標本作製&プラスティネーション講座を受けて、キノコ標本を作製されている方々です。熟練の方々がメンバーですので、仕事が細かく、なかなか変わったキノコもあります。活動は、おもに西宮市の緑化植物園さんを拠点として、採集は六甲山の東端の甲山で行っておられます。この会で製作された標本は、西宮市緑化植物園の展示会でも飾られています。

御影高校さんの展示に触発されて、友情出演(?)というか、僕にそそのかされての出展です(ありがとうございます!)。展示が展示を呼んでしまいました。封入標本やプラスティネーション標本の制作については、実はこちらのグループのほうが御影高よりも早くから挑戦されています(ちなみに最初は姫路科学館さんです)。
理由はともあれ、博物館としては展示物が増えて、みなさんも喜んで下さり、嬉しい限りです。

高校生の皆さんと平均年令を比べるとトリプルスコアーぐらい差があるのですが、円熟味のある仕上がりとなっています。それと、ヒラタケの培養方法についても解説もあって、御影高校さんとはちょっと違った視点もあり、あわせて見て頂けるとよろしいのではないでしょうか。
展示にも多様性があります。
IMG_0005.jpg   kinoko3_nishinomiy.jpg

ここに飾られている『アカダマキヌガサタケ』の標本はかなり美しい仕上がりです。
胞子の写真や培養途中の標本を乾燥させたものもあります。

きのこに関心のあるかたは、御影高校さんの展示、兵庫きのこ研究会さんの写真展示、岩崎さんのキノコ水彩画展とあわせて、ぜひご覧いただければと思います。


★ひとはく、キノコ、モデルと入力して検索すると・・・
話は変わりますが、当館の将来構想のモデルは、『キノコ』の生き方なんです。
以下の図がそうです。
最初にタネをまいて育てて、色んなところできのこが生えたり、菌糸が張り巡らされて、各地で展示会をやったり、その展示会等が再びひとはくに来たり、と連鎖・連携して、兵庫県全体として盛り上がる、というシナリオです。身内の関係者だけで盛り上がることはNGなんです。
kinokomodel1.gif当時は、そんなことできるのかな?という疑問符でしたが、奇しくもキノコを題材として、上の図にあるようなフレームワークにちょびっと到達できた感じです。

右上のボックスがさらに意味深です。これも検証してみます。
1)どこに出るか分からない
 →(○正解) 御影高校や西宮キノコくらぶ、兵庫きのこ研究会、三木自然愛好研究会は全然想定できなかった。想定できたのは、ツテがあった姫路科学館さんだけ。姫路科学館の方もたくさん胞子を蒔いて下さりました。思わぬ所から標本の貸し出し依頼も。

2)菌糸は目に見えないが着実に寄主を蝕む
 →(○正解) 河川生態学の研究が・・・、液浸標本の整理が・・・(キノコに棚をとられる)

3)個体はない、すべて一体である
→(×不正解) 皆さん、独立独歩で非常に個性があり、ユニークすぎます。制御不能です。つねに巻き込まれても得るものがあることを、『一体』と捉えるならば正解かもしれません。

4)死はない、キノコは一時的な姿である
→(○正解) 学術論文でなくても、ノウハウを『共生のひろば』の記録集等で残しておいたり、標本をひとはくにストックしたり、情報をHPに書いておけば、新たにキノコ展示をしようという人が現れるかも。参加する主体と拠点が多い方が保存され、ノウハウが再利用されやすい。この記述はとても博物館らしいですね。

5)毒きのこもある
→(?意味不明) どういう意味か良く考えれば考えるほど分からなくなります。内輪でもめる?参加されても期待はずれ?、わかりません。4)で死はない、と言ってますので、痺れるぐらいで、時間が経てば復活?!とりあえずスルーです。

6)2012年〜 ひとはくから移転となってます・・・
三田のきのこは朽ち果てる、と書いてありますが・・・。この予言に従えば、あと1年で、ひとはくではきのこの仕事に僕はタッチすることがなくなり、誰かが代わりにキノコ展をしてくれます(そうなるように担当は努力しなくてはならない)。どこになるのか想像もつきませんが。御影高校の卒業生だといいですね。

というわけで、みなさん、当館の将来構想によると、三田でキノコ展がみれるのは、今年が最後かもしれないので、ぜひお越し頂ければと思います。臭いもかげます!
展示は5月16日までです!!

キノコ展の紹介は以下にもいろいろと掲載されています。
http://kinokode.exblog.jp/
http://blog.goo.ne.jp/flets-mediastudio/d/20100416
http://club.kobe-np.co.jp/mint/multimedia/odekake/chotto_odekake/0002873915.html
http://www.hyogo-kinoko.jp/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=985&forum=1

(みつはしひろむね)


昨日,篠山の白髪岳山麓へ行ってきました。あいにくのお天気でしたが,まだまだ美しく咲いている山桜やソメイヨシノの花を見ることができました。

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足元には,かわいらしい風車のような果実をつけた植物も見ることができました。

これは「セリバオウレン」。

キンポウゲ科の植物です。

この植物は早春に花を咲かせるので,今時分にはもう果実になっています。

よく見ると一つ一つの果実は袋のようになっていて,熟したものは縦に割れています。このような果実は「 袋果(たいか)」と呼ばれ,キンポウゲ科やモクレン科でよく見られます。そうそう,アケビの果実も袋果です。

セリバオウレンの花を見てみたい方は来年の3月上旬に探してみてください。白くて素敵な花ですよ。

(自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)

写真撮影:高橋晃研究員

 

ひとはくは、深田公園の中にあります。

ひとはくの本館4階の「ひとはくサロン(情報コーナー)」から外を見ると・・・、
1 saron100408.jpgのサムネール画像  2 saronnno100408.jpgのサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像  
▲ 4階の「ひとはくサロン(情報コーナー)」の一部  ▲窓から外をみると・・・

 

樹林に囲まれて芝地 ( 芝が生えている場所 )が広がっているのがわかります。

 

外の景色(4月上旬)は次のようです。

  3 20100408R.jpgのサムネール画像のサムネール画像  4 20100408SS.jpgのサムネール画像  5 20100408L.jpgのサムネール画像のサムネール画像  
▲左側(円形劇場と樹林)     ▲中央(芝地)           ▲右側(樹林と「自然の流れ」)

春になって、その芝地のみどりが少し濃くなったような気がします。

 


6 shibachi.jpgのサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像  ▲深田公園の芝地は、パッチ状に色が違う


ここの芝地のみどりは、芝だけではなく、他の植物のみどりが加わっています。
(むしろ冬〜早春にかけて、芝の地上部は枯れた状態なので、他の植物のみどりの方が目立ちます。)

 

深田公園の芝地の中のいろいろな「みどり」をご紹介しましょう。

    8 shiro-kome100404.jpg 
▲みどりが濃いところ           ▲シロツメクサ(左)とコメツブツメクサ(右)のみどり


濃い緑色の部分があります。ここには、シロツメクサの葉やコメツブツメクサの葉がみられます。

 

9 shibafu2.jpg  10 shiba100404-1.jpgのサムネール画像  
 ▲みどりが少ないところ          ▲枯れた芝 と 緑色の芝

 まだ、あまり伸びていない芝の葉がみられます。遠くからみると、枯れた葉が目立ちます。

 

11 shibafu3.jpg  12 suzume100404-2.jpg
▲全体的に うすい みどり色       ▲黄緑色をしたスズメノカタビラ

 

ほかに見られる主な植物には、次のようなものがあります。

13 tannpopo100404.jpg  14 ooinu100404.jpg    
▲セイヨウタンポポ                  ▲オオイヌノフグリ
 

15 tanetuke100404.jpg  16 himeodoriko100403.jpg 
▲タネツケバナ                    ▲ヒメオドリコソウ
17 hakobe100403.jpg  18 orandamimina100404.jpg 
▲ハコベ                        ▲オランダミミナグサ


 

博物館に来られたら、深田公園で植物の観察をしてみませんか?

いや、深田公園に遊びに来られたら、博物館によってみませんか?

 

研究員のオープンセミナー(事前の申し込みは不要で、どなたでもご参加いただけます。)もあります。 

参加してみませんか?

 

<4月の植物関係のオープンセミナー>
========================================
4月10日(土) 「深田公園のタンポポ」 
                     13時〜14時30分 定員15名
         博物館「ひとはくサロン」集合
         担当:鈴木

 

4月24日(土) 「春の草花をさがしに行こう」 
         11時30分〜12時30分、定員20名
                  13時30分〜14時30分 定員20名
         博物館「ひとはくサロン」集合
         担当:高橋

4月25日(日) 「ちょっと観察!この植物」(春の植物) 
         13時〜14時30分 定員20名
         博物館「実習室」集合
         担当:小舘
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                                     (自然・環境再生研究部 小舘 誓治)

ひとはくでは毎日、様々なオープンセミナーが行われています。
今日は13:30から古谷裕主任研究員の「顕微鏡で見る化石」が行われました。

顕微鏡で見る化石

そして15:00からの「フロアスタッフと遊ぼう」は「さくらを飾ってあそぼう」でした。

さくら

 

深田公園

▲深田公園の芝生も緑が濃くなってきたような気がします・・・

明日の日曜日も朝から楽しめますよ(^^)

11:00〜デジタル紙芝居「ひとはくナイトミュージアム」
11:30〜展示室ツアー。「ボルネオジャングル体験ツアー」
13:30〜研究員による「恐竜ラボ&展示解説」(池田忠広研究員)
14:30〜デジタル紙芝居「ひとはくナイトミュージアム」
15:00〜フロアスタッフと遊ぼう「さくらを飾ってあそぼう」


4月から兵庫県内だけでなく、すべての小中学生は観覧料無料です。
同じくすべての65歳以上の方は観覧料半額です!!

ひとはくに、ぜひお越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(生涯学習課長 平松紳一)

昨年の春にご紹介した雑種「ゴヨウアケビ」。その後,立派な果実をつけました。

そこで,昨年の秋,5個の果実から百数十個の種子をとって,植木鉢にまきました。

するとこの春,見事に発芽したのです!

goyouakebi.jpgたくさん発芽していますが,本葉の1枚目はすべて「三つ葉」で「葉の縁がぎざぎざ」でした。これは,「ミツバアケビ」の特徴です。面白いですね。

ゴヨウアケビの説明や花の写真は,下記のブログ記事を見てくださいね。


 

 

 

 

 

→花の記事はこちら。
「黒紫色の花〜ヨウアケビ〜」 http://hitohaku.jp/blog/2009/04/post_266/ (2009年4月の記事です)

 

(自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)

 連続セミナー「芦屋で学ぶ森・川・海の自然」の第9回として、「森の樹木と土の観察」を実施しました。


この連続セミナーは、芦屋で活動されている団体「NPO法人さんぴぃす」、「芦屋川に魚を増やそう会」と「ひとはく(企画者:三橋研究員)」との共催で、2009年度(4月〜3月)12回実施されました(下記参照)。

連携セミナー「芦屋でまなぶ森・川・海の自然」ラインナップ
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第1回 4月25日(土) 春の六甲山ハイキング (橋本研究員)
第2回 5月9日 (日) 浜辺の鳥 食べもののとり方を観察しよう(遠藤研究員)
第3回 6月13日(土) 川の魚と水生昆虫 (田中研究員・三橋研究員)
第4回 7月18日(土) 森の昆虫は何を食べ、何に食べられるか (大谷研究員)
第5回 8月13日(木) 真夏の鳴く虫を聞く (大谷研究員)
第6回 9月13日(日) 芦屋の里山 (村上氏 芦屋森の会2001)
第7回 10月3日(土) 芦屋をとりまく森のキノコ (秋山研究員)
第8回 11月6日(金) モクズガニとウミボタルの観察 
                          (三橋研究員・大脇氏 NPO法人さんぴぃす)
第9回 12月5日(土) 森の樹木と土の観察 (小舘研究員)
第10回 1月9日(土) 芦屋の街 野鳥図鑑をつくろう (遠藤研究員)
第11回 2月13日(土) 手作りカメラで自然を写そう (赤澤研究員)
第12回 3月13日(土) 湿地の水生動物(三橋研究員)
*******************************************************************************

それぞれの回のようすは、ひとはくブログに掲載されています(ブログで紹介されていない回もあります)。
そのタイトルとアドレスは、下記のとおりです。
======================================================
●セミナー「芦屋でまなぶ森・川・海の自然」第2回を行いました
http://hitohaku.jp/blog/2009/05/2_2/
●『芦屋でまなぶ森・川・海の自然 〜第3回 川の魚と水生昆虫』
http://www.hitohaku.jp/blog/2009/06/3/
●芦屋セミナー第4回「森の昆虫は何を食べ、何に食べられるか」
http://hitohaku.jp/blog/2009/07/post_368/
●芦屋セミナー第5回「初夏の鳴く虫を聞く」
http://hitohaku.jp/blog/2009/08/post_437/
●芦屋セミナー第7回「芦屋をとりまく森のキノコ」 
http://www.hitohaku.jp/blog/2009/10/post_476/
●セミナー報告「芦屋でまなぶ森・川・海の自然 第10回」
http://hitohaku.jp/blog/2010/01/post_593/
======================================================

さて今回は、2009年12月5日に予定されていた第9回のものが雨で延期となり、2010年3月27日に開催されたセミナーのようすをご報告します。

当日の参加者の中に、「芦屋森の会2001」(連続セミナー第5回の講師をしていただいた)村上さんもいらっしゃいました。

セミナーは午前10時からはじまりました。
天気は、晴れでしたが風が冷たく、歩いていないと寒く感じるほどでした。

1.ashiya.jpg            2.ashiya.jpg 

▲3月は雨が多かったのですが、この日は晴れです    ▲さあ、出発です(登山口)

 

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▲高い位置から芦屋ゲート方向をみる        ▲森林整備がされ、
 (アカマツが多い斜面、手前右下はマツ枯れ)    アカマツの苗が植えられたところ

5.ashiya.jpg   6.ashiya.jpg

 ▲土の観察中です                ▲色見本で、土の色の呼び方を決めます

 

7.ashiya.jpg  8.ashiya.jpg

   ▲色が異なる土の3種類           ▲アカマツの大木の下で、
(左側が表層で暗褐、褐、黄褐色)            こんなものが見られました

 

それぞれの生育場所の植物と土について、いろいろと観察しました。

また、ここで森林整備などの活動をされている村上さんから色々と現地のことを教えていただきました。
この場をお借りしてあらためてお礼申しあげます。

 

さて、こんなものも見られました。

9.ashiya.jpg

▲ これは、どのような状態かわかりますか?

 

実は、下記のような樹名板(プラスチック?)をクスノキの幹が

取り込んでしまった状態でした。

黒字で「ス」と「ノ」の一部が見えたのと、

「大切に育てましょう」とうっすら見えました(文字のあとが・・・)。

 

10.ashiya.jpg

▲近くのヒノキの幹につけらている樹名板
 

この樹名板には、「ヒノキ科 ヒノキ 大切に育てましょう。」と書いてあります。

おそらく先程のクスノキの樹名板には「クスノキ科 クスノキ 大切に育てましょう。」と

書いてあったのでしょう(このヒノキの樹名板をみて確信しました)。


  木の成長力はすごい!?
 大切に育てると、木がプラスチックを食べちゃう???

 

参加いただいたみなさん、(このブログを見ていただいたあなたも、)

おつかれさまでした。

11.ashiya.jpg
▲参加いただいたみなさん

 

明日から新年度です。

ひとはくでは、いろんなセミナーをご用意しております。

ぜひ、ご参加ください。


                        (自然・環境再生研究部 小舘 誓治)

建築スケッチ紀行

2010年3月26日

村野藤吾は文化勲章や日本芸術院賞を受賞するなど日本を代表する建築家の一人であり、兵庫県にも数多くの作品を残しています。

実際に現地に行き、見て回ることで造形や空間を体験します。繊細な光のコントラストや、人の動線設定の巧みさ、リズミカルに連続する造形美、風景としての見られ方や、風景の見せ方隠し方等、建築家・村野藤吾の意図を読み取りながら感じ取りながら、1枚1枚、1時間程度かけて、ゆっくりと描いていきます。一見、奇妙に見える造形でも、その中に潜む建築家の意図が次第に見えてきます。

 

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             集合場所に集合した様子                       隣の建物から建物の観察

 

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                                                         建物の中を歩き回る

昨年度は午前中に1枚、午後に1~2枚のスケッチを描きました。本セミナーでは、描いた絵の出来栄えではなく、何をどう読み取るかを重視し楽しみながら描いていきます。

                  yamazaki3-4.jpg    yamazaki3-5.jpg   

                     宝塚カトリック教会の内部。                       周辺から建物を見て回る。  

                       スケッチしている様子。

 本年度も引き続き、尼崎市役所、旧大庄村役場、西山記念会館といった村野藤吾作品を秋空のもとスケッチして巡る予定ですので、是非、1日の小さな建築の旅にご参加ください。

 

                                山崎義人(自然・環境マネジメント研究部)


 

人と自然の会クラフトクラブの3月例会は杉原紙の里を訪ねました。

313() 朝から雨模様の中、10時に博物館を3台の自動車に分乗して出発、中国自動車道滝野社ICから岩座神(いさりがみ)棚田に到着。鎌倉時代に作られたといわれる石垣の棚田の景色は、日本の棚田百選に認定されており、その美しさは西日本一とも言われています。秋には刈り取られた田んぼをステージに見立てて、棚田コンサートも開かれています。

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                                     水を張るころにもう一度訪ねたい

この岩座神地区にある、簡素でひなびた五霊神社の郷土記念物ホソバタブ3本は兵庫県内では、第1・2・3位と言われる大木です。ゆっくりと散策してきました。

 

現地で合流組とあわせて12名で、道の駅R427かみでレストラン車留満(しゃるまん)で昼食、ここでは多可町の特産「播州百日どり」が名物、みんなで地鶏の味を噛み締めました。

 

杉原紙研究所は道の駅と杉原川を挟んで隣接しています。

多可町で杉原紙を漉き始めたのは七世紀奈良時代後半と推定されています。大正時代には一時紙漉きが途絶えました。しかし、昭和45年に地域のお年寄りにより復活したのです。原料は楮(コウゾ)です。楮から杉原原紙になるまでには12の工程があります。1楮刈り、2楮蒸し、3皮はぎ、4黒皮とり、5川さらし、6釜だき、7楮みだし、8紙たたき、9紙漉き、10圧搾、11紙干し、12選別、以上12の工程を経て始めて杉原和紙になるそうです。

原料の楮は現在は他県産や輸入物も使用しているそうですが、出来上がりの色が地元産のものと比べると異なるので、将来的には地元産の材料で賄うよう準備を進めているそうです。

                   hitoto3-3.jpgのサムネール画像

                            黒皮取り 

                  

                   hitoto3-4.jpg    

                        さらされた材料

 

水を張った大きな漉舟に、紙たたきでほぐされた楮とサナ(トロロアオイから取る)が入れられており、6人一チームでそれぞれオリジナルの紙を作りました。それぞれ思い通りの色を着色することも出来ます。

 

 

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               指導員の説明を聞きながら・・・チャレンジ

 

これまで牛乳パックを使って紙すきをしたことはたびたびありますが、本格的な紙すきの体験は貴重なものでした。今後、クラフトクラブのメニューに変化があるでしょうか?ご期待下さい。

 

               北方唯男 (NPO法人 人と自然の会)       

植物ウォッチングは,春・夏・秋・冬いつでも楽しむことができますが,春は特におすすめの季節です.とにかくいろいろな植物がわれもわれもと動き出します.

 

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       アカメガシワ        コナラ

 

春の光を浴びて,木の芽から葉っぱが少しずつ広がってきます.少し近寄って見てみましょう.春の葉っぱは単純なみどり色ではありません.あるものはきらきらと銀色に輝き,あるものは真っ赤に染まっています.そこには普段あまり目にすることない豊かな彩りを見ることができるでしょう.そして,あるものは花びらを広げ始めます.写真を撮るのも良いですが,届くようでしたら鼻を近づけ,においをかいでみましょう.今まで感じたことのないすてきな香りを楽しむことができるかもしれません.そして,地面からはいろいろな植物がもこもこと出てきます.そんな姿は繊細でありながらもたくましさがあり,自分も頑張らねば!と気合いが入ります.

 

  kuroda3-3.jpg     kuroda3-4.jpg

    コバノミツバツツジ        ショウジョウバカマ

 

お花見も粋なものですが,ぽかぽか陽気の中の植物ウォッチングはそれ以上に心を和ませてくれます.さあ皆さん,春の野山へ出かけましょう♪

 

 

 

                               黒田有寿茂(自然・環境再生研究部)

 

  omote2.jpg以前にもブログでこの写真の生き物について紹介したかと思います。
http://info.hitohaku.jp/blog/2008/09/post_158/

この生き物は、甲殻類エラオ亜綱チョウ目チョウ科チョウ属のチョウです。
学名は、Argulus japonicus Thiele,1900 。当館の液浸収蔵庫にも一部標本が保管されています。エイリアンのような格好で、養殖のコイに付着する外部寄生性の水生動物として知られています。

この写真等をブログで紹介したところ、しばらくして、広島大学の長澤先生より標本提供の依頼があり、提供させていただきました。しばらくした後に、長澤先生らにより、この標本をはじめ各地のチョウやチョウモドキ(朝来のアマゴに付着)に関する記録が以下の論文で取りまとめられています。チョウ類のことを調べたい方には、以下の文献が役立ちます。

長澤和也ら(2009)本州西部で採集されたチョウとチョウモドキ、J.Grand.Sch.Biosp.Sci.,Hiroshima Univ.48:43-47.
長澤和也(2009)日本産魚類に寄生するチョウ属エラオ類の目録(1900-2009年). Bull.Biogeogr.Soc.Japan 64.135-148

市民の方からの通報にはじまり、ブログへの掲載、そして学術論文として記録が残ることになって、なによりです。こうして、自然史の情報が積み上がってゆきます。
なかなか採れない生物、希少でマイナー生物は、こういった形で情報を流通させることで大切だということを再認識。甲殻類の専門家はこの博物館にはいませんが、生物多様性情報のハブ機関としての自然史系博物館の役割が良くわかる一連の顛末でした。
あらためて、広島大学の長澤先生にお礼申しあげます。

(みつはし ひろむね)

ひとはくの本館4階の「ひとはくサロン」には、休憩コーナーがあります。

このコーナーの一方の壁面に飲み物の自動販売機がありますが、
その反対側の壁面(?)には「掲示ボード」があります。

1s-201010324 .jpg

▲ 4階の「ひとはくサロン」の休憩コーナー
(写真右下のところが掲示ボード)

 

その掲示ボードには、フロアスタッフが行っているオープンセミナー「ふかたん」や「画はくの日」

(これらは、参加無料のイベントです)の作品が掲示されています。

 

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▲子どもたちがつくった作品              ▲「ふかたん」のマーク

(ここには、「ふかたん」で観察したことなどを記録したマップが貼ってある)

 

さて、今回は、その掲示ボードでも現在紹介されている先日(3月20日に)
行った「ふかたん」の実施報告です。


「ふか・たん」は、「深田(ふかた)公園 うきうき探検隊(たんけんたい)」のことです。
ひとはくの建物は、深田公園の中にあります。

「ふかたん」は、この公園の中を(テーマにそって)、いろんなものをみんなで観察しながら探検をする

イベントのことです。

このイベントは、(隊長は研究員が担当するのですが、)フロアスタッフが
企画・司会進行・記録(写真撮影)・とりまとめ等を行います(スタッフのみなさん、御苦労さまです)。

 

今回のテーマは、「冬を耐えた植物を かんさつしよう!」です。

14時に集合し、少し説明を聞いて、いざ 外へ!

 

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▲ さあ、出発だ!                ▲ まずは、ツバキの花をかんさつ!

 

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▲ クヌギの枯れ葉をかんさつ中!       ▲ ツクシが生えているところの
                              土を掘っています

 

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▲ ドングリを探しています            ▲ 根がでているドングリをみつけたぞ! 

 

この他にもいろいろと かんさつ しました。

「ひとはくサロン」に、もどってきて、みんなで かんさつ したことなどをマップに書きます。

 

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▲ みんなで、 かんさつ したことを マップに まとめています

 

全体で約60分のイベントでした。

 

◆2010年4月からの「ふかたん」は、下記の日が予定されています。

  なお、テーマや日程等を変更する場合がありますので、参加を希望される方は、
  日が近づいた時点で(ホームページに掲載される、その月の「うきうきカレンダー」等で)
  確認をお願いします。

<平成22年度の「ふかたん」開催予定日>(テーマは、月によって、いろいろです)
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   月/日:  4/29、5/8、6/5、7/10、8/21、9/18、10/23、11/23、12/23、2/19、3/19

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みなさんも、ぜひ、参加してみてください。
                                                               (自然・環境再生研究部 小舘 誓治)

 

 

 

nagahashisumire2.jpg兵庫県竹野町でナガハシスミレが咲いていました。

ナガハシスミレの別名は天狗すみれ。

花の後ろ側にある細長い部分(「距(きょ)」と言います。蜜を出したり溜めたりする部分です)が,天狗の鼻のように長いことから名づけられました。

なるほど。天狗の鼻に見えますね。

このスミレは主に日本海側に分布しています。日本海側にお住まいのみなさん,是非探してみてくださいね。

撮影:ひとはく地域研究員 小豆むつ子

(自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)

 

 

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今日は どんな日?

2010年3月17日

今日の暦 これは国立天文台(http://www.nao.ac.jp/koyomi/)のホームページに掲載されている今日のこよみです。

 

    日の出の時刻 6:08    日の入りの時刻 18:08

 

 になってます。・・・・・・・ということは、日が出ている時間は12時間なんですねぇ。

 つまり、今日は昼の長さと夜の長さが同じなんです。あれ?春分の日はまだなのに。

 

 疑問に感じる方は、国立天文台のページや図鑑で調べてみてください。

 

 

     情報管理課:八尾

小さなイワナシの花

2010年3月17日

イワナシという植物をご存知ですか?

とても背の低い木です。

落ち葉に半分埋もれながら,1cmほどのかわいい花を咲かせていました。

場所は篠山。

イワナシは元来北方系の植物で,本州では普通日本海側に見られます。篠山は北方系の植物がどきどき見られる面白い地域。イワナシもその一つなんですね。

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果実は甘くてナシのような味がするそうですよ。

撮影:ひとはく地域研究員 小豆むつ子

(自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)

 

みなさんご無沙汰しておりました(^^)
今年度も残すところ3週間ですが、来年度2010年度のひとはくを紹介する「ひとはく手帖2010」が出来上がり、すでにセミナー倶楽部の会員の皆様、全国の博物館、関係機関、そして県内すべての学校に発送したところです。
もうお手元に届きましたでしょうか?

さて、最近このひとはくブログでシリーズものがスタートしていますので、さっそく「ひとはく手帖2010」の見どころをシリーズでご紹介することにします。

第1回は「表紙」

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この表紙および来年度事業ページを担当したのは上田研究員です。
実はこのハマボウ、上田研究員が7月31日(土)に実施するセミナー「ぶらっと島めぐり−成ヶ島−」で訪れる兵庫県洲本市成ヶ島を代表する植物です。
ハマボウは温帯に生育する半マングローブ植物の一つで、塩分の混じった湿地に育つ植物ですが、兵庫県で群生地が見られるのはここだけなんです。
地域でも愛される花として親しまれており、海辺の緑地マネジメントを研究する上田研究員が実際に花の咲く時期にここでセミナーを開催します。楽しみですね。

 申し込みはこちらから http://hitohaku.jp/education/main.html

まだまだ見どころいっぱい、ひとはくの情報満載です。
ご希望の方は「ひとはくセミナー倶楽部」にご入会(入会金・年会費無料)いただくと何と無料でご自宅に送付させていただきます(^^)

 申し込みはこちらから http://info.hitohaku.jp/cgi/ml/usr_menu_smnrclb.asp

もちろんひとはくにお越しいただければ館内でお渡しいたします。
ぜひお越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(ひとはく手帖編集チーム&生涯学習課長 平松紳一)

ヘコミ系の昆虫調査

2010年3月 9日
 西宮市自然保護協会の方々が収蔵庫でオサムシの標本調査をされました.市域に分布するオサムシを中心に,武庫川,猪名川流域のものも含めて徹底的な調査のようです.

 トラップなどによる野外調査も精力的に行っておられますが,今回の標本調査も慎重で丁寧なものでした.館としてはオサムシ科(広義の)の標本が置いてある場所をお教えすることくらいのお手伝いしかできません.それらの棚にある標本箱を順番にスキャンしていき,各個体のラベルを読んで関連の調査対象の標本であればデータを記録していくという,地道な作業です.まるまる3日×8時間×2〜4人でリストアップして居られました.

 [昆虫調査]というと,野外での採集調査を思い浮かべますが,公共の収蔵庫や個人コレクションでの標本調査も重要な意味を持ちます.採集では新規に記録される種があるわけですが,標本調査では過去の記録の再確認や,自らが行った採集調査の裏づけ的な意味合いが強いです.
 野外の調査は[やった!こんなのが採れた!初記録!]といった盛り上り系なのに対し,庫内では[やはりあの記録は間違いであったか…]とか[自分たちは採集できなかったが,やはり居ることは居るみたい.]逆に[これだけ探して採れてないということは,やはり生息していないのだろう.]といった,どっちにしてもため息の出る,ヘコミ系の成果が得られます.してその両方とも重要なのです.

 まぁ,和気あいあいで作業しておられましたが,ほんとうに頭がさがる思いです.


今日のプルプル3D

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Tomapoderus ruficollis
セアオオトシブミ(沿海州産)

昆虫共生 沢田佳久

三田でも少しずつ春らしさが感じられるようになってきました. ooinunofuguri.JPG足元をみると,小さな瑠璃色の花が咲いていました.

これは,オオイヌノフグリ.

とてもかわいい植物です.

秋に発芽して,翌年の春に開花.夏には枯れてしまいます.

瑠璃色の花びらは4枚に見えますが,実は1枚.花が終わるとお椀のような花びらがポロリと落ちます.

原産地はヨーロッパで日本へは明治時代に入ってきたと言われていますが,今では日本各地に広く分布しています.

この植物は,街路樹の植え込みなどでも普通に見ることができるので,みなさんもこの「小さな春」を見つけてみてくださいね.

  (自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)

 

 

今回は、樹木の冬越しについてみてみましょう。樹木は環境が悪くなる(気温が低くなったり、雨が少なく乾燥したり)と葉を落として休眠します。このときにつける芽を冬芽と呼びます。冬芽には葉だけが出てくる葉芽(はめ)、花が咲く花芽(はなめ)、両方が混じっている混芽(こんが:アオキなど)の3種類があります。また、芽が小さな鱗片(りんぺん)におおわれている鱗芽(りんが)、鱗片がなく裸になっている裸芽(らが)などがあり、この組み合わせで芽のグループ分けができます。裸芽を持つ樹木は熱帯など、暖かいところが起源のものが多く、サンショウ、アジサイ、クサギ、センダン、ムラサキシキブなどが代表的です。鱗芽を持つ樹木が圧倒的に多く、深田公園では9割以上がこのタイプです。

 

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(写真:いろいろな冬芽。

左上からトチノキ(鱗芽)、アジサイ(裸芽)、2列目上からキンモクセイの縦生副芽、ニセアカシアの葉痕からのぞいている鱗芽、3列目上からカンツバキの花芽、カンツバキの葉芽、4列目上からアオキの葉芽、花芽。)

 

少し変わった冬芽では、葉の中に隠れているタイプです。葉がソケット状に新芽のまわりについていて、葉が落ちると冬芽が現れるもので、ニセアカシアやスズカケノキがあります。また芽が縦に並んでつく縦生副芽(じゅうせいふくが)というものがあります。キンモクセイの腋芽(わきめ)は、たてに2−3個並んでついているものがあります。これが縦生複芽で、一つの芽が何らかの原因で大きくなれなかった時の保険をかけているようなものです。

 

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(写真:ロウバイの花の分解図。

    芽鱗から花弁へと、連続的に変化している。)

 

さて、この冬芽を保護している芽鱗(がりん:冬芽を包んでいる、鱗状のもの)は何からできているのでしょうか。少し大きい冬芽をつけるツバキの花芽やタラノキの葉芽を外側からていねいにはがしていくと、いつのまにか花弁や葉へと変化していきます。そうです、芽鱗は葉が変化してできたものなのです。

 

 

 

 

藤井俊夫(自然・環境再生研究部)

バッサバッサと大きな羽音を立てて飛んでいくサイチョウは、アジア・アフリカの熱帯林やサバンナに暮らす鳥です。わたしが調査を行ってきたタイの熱帯林には、大きな黄色いくちばしのオオサイチョウ(写真1、2)、立派な突起があるツノサイチョウ(写真3)、オレンジ色が美しいナナミゾサイチョウ(写真4)、ちょっと地味なキタカササギサイチョウ(写真5)など、13種のサイチョウが暮らしています。

 

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(写真1:カミキリムシの仲間を捕まえた若いオオサイチョウのオス。)

 

 

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(写真2:捕獲したオオサイチョウのくちばしを固定している筆者。)

 

 

 

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(写真3:子育て中の営巣木を訪れたツノサイチョウのオス。) 

 

 

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(写真4:調査用に捕獲されたナナミゾサイチョウのオス。) 

 

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(写真5:キタカササギサイチョウのオス。)

 

 

サイチョウは木の実や昆虫などの小動物を食べます。大きなくちばしを使って、木の実を一つずつ上手につまみ上げて、丸飲みします。1グラム程度の小さな果実なら、一度に200個以上を食べることもあります。主食は木の実ですが、時には小鳥の巣を襲い卵やヒナを食べたり、1メートルを超えるヘビを食べたりもします。

サイチョウは大木のうろを利用して子育てを行います。サイチョウのメスは産卵前に餌の受け渡しができるくらいの隙間を残して、うろの入口をふさぐ形で巣ごもり、ヒナを育てます(写真6)。これはサイチョウ以外の鳥類には見られないユニークな行動です。メスは自由に大空を舞う生活から、狭いうろの中で子育てに専念します。一方、つがいのオスはうろの中にいるメスと大食漢のヒナのために毎日せっせと餌を運びます。ずっとうろの中で過ごすメスと餌を運び続けるオス。サイチョウの子育てはなかなか大変です。

 

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(写真6:子育て中のキタカササギサイチョウの営巣木。入口の隙間から、うろ内にいるメスのくちばしの先端がのぞいている。)

 

メスが営巣を開始してから数ヶ月後、オオサイチョウやツノサイチョウなどの大型のサイチョウでは1羽、ビルマサイチョウやキタカササギサイチョウなどの小型のサイチョウでは2〜4羽のヒナが巣立ち、森へと飛び立っていきます。サイチョウたちが暮らしている熱帯林やサバンナを訪れるのは、なかなか簡単なことではありませんが、兵庫県では神戸花鳥園でオオサイチョウとツノサイチョウを見ることができます。

 

北村俊平(自然・環境マネジメント研究部)

 

 

 

 

 

 

 

DSC_2344.JPG 平成22年2月19日(金)地球の反対側、南アメリカ大陸にあるチリ共和国から9人の方が研修で来館されました。この9人の方々は、チェピカ(CHEPICA)市で環境教育に関する政策の作成や実施に携わっている自治体の行政官等の方々で、当館では、自然史系の博物館や市民参加型の環境教育への取り組みについて研修されました。この研修は、2月8日から2月26日の日程で実施されている平成21年度JICAカウンターパート研修「チリ国における環境教育推進のための市域内協力連携ネットワークの構築および支援のための研修」の一環で、JICA職員の方々も一緒に見学しました。

 最初に高橋晃研究部長より、博物館の概要や取り組みについて説明があり、その後館内を見学されました。高橋部長の解説により、最初に3階の「兵庫の自然」「人と自然」「新しい文化」を見学されました。みなさん環境に関する関心が高く、数多くの質問が出ました。炭やコウノトリ、地震など、遠くの国ですが「チリの炭は松の木からつくる。」「チリでも鳥がこどもを運んでくる。」など不思議と共通の話題がたくさんあり盛り上がりました。また、阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)のVTRには、皆さん足を止めて見入っていました。

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▲コウノトリは何を食べていますか?   ▲”サトヤマ”について説明を聞いています。

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▲阪神淡路大震災の映像には足が止まります。 ▲活発な質問に説明にも熱が入ります。

 次に2階に降りて、企画展示室の「共生のひろば展」(http://hitohaku.jp/blog/2010/02/5_1/)を見学されました。今回の研修の大きなテーマが「市民との連携ネットワーク構築について」でもあり、大きな驚きと関心を持って展示を見学されていました。高橋部長の解説もついつい熱が入りました。

 2時間の予定時間があっという間に過ぎ、1階の展示は遠くから眺めるだけになってしまい皆さん残念そうでした。

 最後に研修の謝辞をいただきましたが、スペイン語だけに大変情熱的に感じたのは気のせいでしょうか。ひとはくの取り組みを参考に、皆さんの情熱で環境問題や環境教育に、遠い地球の反対側で取り組んでいただければとても素晴らしいと感じました。同時に、環境問題や環境教育は実にグローバルなテーマであることを実感しました。

 最初の写真はチェピカ(CHEPICA)市でつくっているエコバックを記念にいただきました。チリ共和国チェピカ市(http://www.municipalidadchepica.cl/

西岡 敬三(生涯学習課)

スギの花粉のかたち

2010年2月18日

先日から鼻がむずむず,目がしょぼしょぼ.
スギ花粉症の私にとって辛い季節の到来です.
さて,このスギ花粉.どんな形をしているのでしょう?

sugi.jpg実はこんなかたち.
まん丸にちょっとでっぱりがあります.ちょっと面白い形でしょう?


花粉は,雌しべに着くと発芽して花粉管を伸ばし,雄の遺伝子を雌に届けます.
ちなみにスギは風によって花粉が運ばれる風媒花.
花粉のサイズは30〜40マイクロメートルです.
これは,日本人の髪の直径の約半分.また,米粉パンをつくる微粉砕米粉と同じサイズです.
さすがに小さいですね.


撮影:ひとはく地域研究員 福岡忠彦氏
写真は花粉を赤い色素で染色したものです.
福岡氏はいろいろな花の花粉写真を撮っておられます.氏が撮影された花粉写真は,当館「共生のひろば展」で4月4日(日)まで展示しています.

(自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)

R0010388.jpg雪の降る寒いなか、本日(2/6)、川のなかに入って手作りによる川の自然再生を行いました。
兵庫県三田土木事務所が開催する、武庫川上流ルネッサンス懇談会というチームで実施しているものでして、ちょっとした工夫で川の自然をちょびっと再生する試みです。
これを、小さな自然再生と呼んでいます。手軽に日曜大工感覚で、川に手を加える訳です。
人間の健康でいえば、マッサージとかツボ押しぐらいでしょうか。

今回の試みは、魚がのぼりやすいように工夫することです。各方面からユニークな方々、スペシャルゲストが集まり、作業は大賑わいでした。作業時間は、朝9時から2時までみっちり。

現場は、武庫川上流の藍本地区にある日出坂の堰です。ここでは、古い井堰があるため、川のなかに段差があり、遊泳能力が乏しい魚は堰を超えて上流に行くことができません。
それで、2つの工夫を行いました。

1つめは、堰自体に簡単な階段上のプールや水がたまる場所をつくることです。
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上の写真のような感じで、急斜面だったところを階段式にして、水をためる訳です。堰の横側にフレームを取り付けて、板を固定します。左上の写真の右側にあるのが新たに設置した堰板です。
作業は全部手作業とはいきませんので、ハンマードリルが大活躍します。

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stone.jpgこんな感じで堰の下側にも石をぴっちり並べます。石には、鉄筋が差し込まれていて(既製品です)、川底にドリルで穴を開けて、そこに差し込みます。
さらに、隙間から水が漏れにくいようにするために、石の隙間には水中ボンド(エポキシ樹脂)を練って詰め込み、小石を噛ませます。ひとつづ丁寧にとめてゆきます。今の時期は、水が少ないので、劇的に魚がのぼりやすい感じに改善されてはいませんが、雨が降って水位がやや上昇すると、石や板が抵抗となって、水がせりあがり、落差が小さくなります。魚が遡上するのは雨のあとが多いので、現状よりは確実に落差は小さくなると思われます。

2つめの方法は、『魚道を造らず、魚道を創る』というオリジナルな技です。
何かというと、この堰の約20mぐらい下流側を石でせき止めて、小さなタマリをつくります。
ちょうど狭くなっている部分を活かして施工します。
R0010401.jpg  R0010406.jpg
石をネットにくるんで、小さなダム(武庫川新規ダムと呼んでいる人も・・・)をつくるわけです。
リレー方式で石を運びます。右上の写真のように、どんどんよどみが出来てみます。
今回の施工だけで約10センチぐらいの水位が上昇しましたので、少し雨がふれば、堰の落差はもっと小さくなると予想されます。このネットの部分に土砂が詰まり、植生が繁茂してくるのを期待しています。

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こんな感じで、約20〜30m区間をかけて川の段差を解消させてゆきました。
魚が上流へと遡上するのは、すこし雨が降って増水したときが多いので、今の見た目以上に段差が解消されるものと思いますが、果たして上手くゆくでしょうか。春先の雨と産卵期に期待です。

上手く行かなかったり、石が流されたりすることも予想されますが、それはそのときに直せばいい。
手づくりの川づくりだからこそ、直しや調整も自分たちで対応できるといった点がポイントでもあります。こうした小さな取り組み、『小さな自然再生』の技法を各地で開発&挑戦中ですので、次は別の事例も紹介してゆきたいと思います。
興味のある方は、今年度末にまもなく発刊されるリバーフロント整備センターが発刊する『FRONTムック』をご覧下さい。小さな自然再生をいろいろと紹介しております。

(みつはしひろむね/ちかごろ工作がつづきます)


ひとはくの本館4階の「ひとはくサロン」には、情報コーナーがあります。

映像資料(3D立体地図、バーチャルミュージアム、ビデオ図書館、自然とまち情報)や

クイズに挑戦 などが、パソコン画面(情報端末)で見ることができます。
 

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▲ 4階の「ひとはくサロン」の情報コーナー

 

さて、その情報コーナーの外(博物館の建物の西側)に面したところは、
ガラス張りになっていて、そこから外を眺めると、深田公園の広い芝生地やまわりの樹林が見えます。


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 ▲外を眺めると・・・今朝(2月6日)は雪景色!


 

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▲午前9時ごろのようす

 

10jigoro.jpgのサムネール画像  

▲午前10時ごろのようす

 

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▲午後2時ごろのようす

 

 窓ぎわには、台のような展示物があります。そこには「深田公園 植物情報」と書かれた案内があります。

saronmaru.jpg  syokujyou.jpg▲窓ぎわにある「深田公園 植物情報」の展示物

 

この「深田公園 植物情報」の内容は、月に1回くらいの頻度で入れ替えられています。


案内には、外での「かんさつ場所」と「植物の観察ポイント」などが書かれています。

博物館に来られたときに、外を眺めるついでに見てください。                                                    (できれば、外に出て、植物を観察してもらえると、うれしいです。ただし、外には特に表示などはしていません。)

 

今朝、この「深田公園 植物情報」のため、「ひとはくサロン」で、窓をあけて写真を撮りました。
そうすると・・・(実は、あとで気がついたのですが、)

 

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▲「ひとはくサロン」からみた風景 (雪景色)

 

雪景色の中で、こっちを見て写真を撮っている人の姿が!! 写っていました!!(赤丸の中心部分)

下記の「ひとはくブログ」記事に掲載されている写真を見てください。


<見てほしい写真が掲載されている「ひとはくブログ」記事>
    タイトル 「●今朝のひとはく 〜雪景色!!今日から開館しています(^^)」 
    アドレス http://hitohaku.jp/blog/2010/02/post_612/


その記事の1枚目の写真(ひとはくの建物を写したもの)を注意深くみると・・・
中央付近に窓が1つだけ開いています(黒っぽい小さな四角)。その窓から撮った写真が上記の雪景色の写真です。

そうです。博物館の内外で、同時に(偶然に)写真を撮っていたのです。
久しぶりの雪景色、何人かの館員が写真を撮っていたのでした。

                                       (自然・環境再生研究部 小舘 誓治)

ひとはくは1月12日から臨時休館していましたが、今日から開館しています。

ところが、昨夜からの雪で周辺は真っ白!!


雪のひとはく

▲緑の芝生が一面真っ白に!!

雪の深田公園

 

凍った池

▲博物館北側の「万年氷!?」にも雪がかぶっていました

こんな日はひとはくの館内でゆっくり過ごしてみてはいかがですか?

今日6日(土)、明日7日(日)は、
11:00〜デジタル紙芝居「スミスネズミと100年の森」
11:30〜展示室ツアー。「ボルネオジャングル体験ツアー」
14:30〜デジタル紙芝居「スミスネズミと100年の森」
15:00〜フロアスタッフと遊ぼう「画はくの日〜森にいきる(ひょうごのどうぶつ)〜」

ひとはくに、ぜひお越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(生涯学習課長 平松紳一)
 

hiiragi.JPG 今日は節分.
豆をまいたり,恵方巻きを食べたりする以外にも,ヒイラギの枝にイワシの頭をさして家の角や門などに飾る風習があります.
ヒイラギの葉のトゲは鬼の目をつき刺し,イワシの臭いは鬼が嫌うとされるので,魔よけの役割があるとされているのです. 

 さて,このヒイラギ,老木になるとトゲが無くなってきて,楕円形の丸っこい葉になります.校庭や公園などに植えられている大きめの樹を見てみてください.一部の葉にトゲがないことがあります.
葉のトゲは,自らが動物などに食べられないための防御策.樹が小さい時は,とても鋭いトゲを持っていますが,大きくなると,動物に食べつくされる心配がなくなるからかトゲを持たない葉が増えてきます.

(自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)

 

参考:クリスマスの柊と節分の柊は別物です.クリスマスの柊の記事はこちら

 

河南堂珍元斎でございます。

さて、「フラハチ君の冬越し」のその2の一席でございます。

つづいて、冬編。2010年1月24日。すっかり三田は底冷え。フラワータウンも冷蔵庫状態でございます。冬越しと観察のため、大谷研究員の観察箱に引っ越ししたフラハチ君たち。このきびしい寒さの中どうしているか・・・(以下 フラハチ=フ  珍元斎=珍 大谷研究員=大と表記)

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フ:「おっ、久しぶりやな。」

 

珍:女王バチさんは、寒さで産卵停止中。働きバチたちは互いによりそいあたためあっています。美しいですね。絆って感じですねえ。

 

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フ「アホかいな、わしらは、こないでもしとらな生きられへんのんや。女王バチさんが産卵はじめはるまで、なんとかみんなで生き延びていかなあかんさかいなあ。」

 

大:セイヨウミツバチは5千匹はいないと冬越しできないんです。寄り添っても温度の維持ができないんですね。まあ、この観察箱は20度の湯たんぽであったかくしてあるので大丈夫ですが。

 

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珍:えさはどうしてるんでしょう?

 

フ:「ちゃんとわしらが蓄えた蜜を食うとんねん。そやけど、これがなくなったらエライこっちゃなあ。あったかい日には蜜とりにいかんとなあ・・・。」

 

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 大:そのとおりです。温度が8度くらいならじっとしていますが、10度を超えると、ハチたちは飛べるので、なんとか蜜を探しにいきます。冬に活動するのはミツバチたちだけです。DSCF0006.JPG

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

珍:へえ、寒さにも強いんですね。でも花はあるんですか?

 

 大:2月には梅が咲きます。暖かい日を見つけては、梅の蜜を探しにでかけるはずです。

 

 

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フ:「ひとはくはメンテナンス休館中らしいな。わしらは年中無休やぞ。」

 

珍:館はメンテナンスですが、僕らは働いてますけど。でも虫なのに、2月から働くんですか。ほんまにハタラキバチですね。見習わないと・・・。

 

 

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大:あったかくなるとまた増え始めるはずです。今度は、フラハチの外の巣箱に分けた群を見にいきましょう!

 

珍:フラハチ君!無事冬越しすることを祈っています。仲良くあたためって冬を乗り越えるんですよ。あったかくなったら、またきますね。

 

 フ:「おう、まかしときな!また来いよ。」

 

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では、つづきは春のおたのしみ・・・。

 

河南堂珍元斎でございます。

さて、「フラハチ君の冬越し」の一席でございます。フラハチ君については前のブログ、捕獲大作戦!(その1http://hitohaku.jp/blog/2009/09/post446/ その2 http://hitohaku.jp/blog/2009/09/post_449/ )、飼育中(http://www.hitohaku.jp/blog/2009/09/post_464/)をお読みいただき、

今回はその続きで、秋から冬にけてのレポート!

まずは秋編から。捕獲から2カ月たった11月1日。秋も深まり、冬越しと観察のため、大谷研究員の観察箱に引っ越ししたフラハチ君たち。どういてるかなと巣をのぞいてみました。(以下 フラハチ=フ  珍元斎=珍 大谷研究員=大と表記)

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フ:「あっ、また、へんなおっさんが来たぞ・・・」

珍:女王バチさんは一生懸命1日1,500個の卵をうみ、働きバチたちはそれを喜ぶかのように、女王バチを中心に輪になって踊っています。いや、それとも、お世話をしているのでしょうか?

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フ「アホかいな、わしらは、女王バチさんのにおいをかがしてもろとんやがな。卵産みはったんを喜んで踊っとうわけでも、お世話しとうわけでもないがな。」

大:そうなんです。ロイヤルコートって呼ばれる行動で、働きバチにとって女王バチのにおいは精神安定剤のような効果があるんです。DSCF0442.JPG

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

珍:あっ、働きバチが帰ってきて巣の中へ・・・・

尻ふりダンスです。自分が蜜をとってきた場所を教えているのでしょうか?

 

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フ:「尻の先はちゃんと蜜をとった方向をさしとうけど、わしら、つい興奮が抑えられず、尻を向けてしまうんやがな。」

 

 大:ダンスは本能的な興奮しての行動で、自分が蜜をとりに行った飛行行動を再現しているように思います。ダンスよりもニオイで伝達されているというほうが現実的かと考えています。

 

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珍:よくよく見ると、背番号がついています。野球でもをするんでしょうか。だれがエースで4番なんでしょう?すごいハチたちですね。

 

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 フ「ちゃうがな、貼られたんがな。そのおっさんに。研究やいうて、わしらが生まれたてで、ハリが固まらんうちに、つかんでボンドでつけられるんや。だいぶん慣れたけど、やっぱ邪魔な気するけどなあ。」

 

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大:はい、刺されないように生まれたての子どもに、1時間で3ミリ×5ミリのゼッケンを50枚くらいつけます。それで、番号別に、ハチの行動を追跡調査して研究しています。

 

 

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珍:あっ、これは日本酒。フラハチたちは研究されているだけじゃかわいそうなので、たまには、ごほうびにお酒もらっているんですね。

 

大:いえ、ハチの群をあわせる時に使います。酔ってにおいがわからなくなるんです。観察のためのは数が多すぎたので、フラハチたちの群をわけるため、お酒で酔わせて群の一部を他の群に合流させました。

 

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珍:へえ。どこにいるか酔ってわからなくなるんですか。僕もたまにありますけど・・・。。さあ、うまく冬が越せるかどうか?乞うご期待。

つづく・・・。

身近な化石の話

2010年1月28日

人と自然の博物館で最近の化石の話題と言えば、なんといっても恐竜の化石です。しかし私は、小学生を対象としたセミナーで、チャートという石に含まれる、放散虫化石の話をよくしています。化石にはめったにみつからない珍しいものというイメージをもたれることが多いのですが、放散虫化石は身近なところにいっぱいあるのです。

furutani1-1.JPGのサムネール画像         写真:加東市の道ばたの砂利(およそ半分がチャート) 

放散虫は海にいるプランクトンの一種で、二酸化ケイ素でつくられた殻をもっているので、化石として残りやすい生物なのです。殻の大きさは0.1mmから0.2mm程度のものが多く、とても小さな生物です。放散虫化石が特に多く含まれている石がチャートなのです。チャートは微細な石英で構成された、とても硬い石です。色は黒、赤、白、青、緑など様々なものがあります。チャートの表面を水で濡らして10倍以上のルーペで観察すれば、放散虫化石を見ることができます。

furutani1-2.jpgのサムネール画像

                 写真:チャート中の放散虫化石(黒っぽく丸いもの)写真の長辺が約6.7mm

多くのチャートは、遠洋域の深海底に降り積もった放散虫の死骸がもとになって作られたと考えられています。その堆積物が海洋プレートの上に乗って大陸の下に沈み込むときに、大陸の縁辺部にくっつくのです。このようなチャートを含む地層が、北摂、丹波、播磨地域に広く分布する丹波帯や超丹波帯です。これらの地層の分布域ではチャートを見ることはできますが、それ以外の地域でも、チャートはよく見られる石です。その理由はチャートがとても硬い石だからです。地層が浸食されて石ころになったチャートは、川によって遠くまで運ばれるのです。そのため近くに丹波帯や超丹波帯などの地層が見られない、例えば加古川市などの平野部でもチャートは学校の校庭の片隅や田んぼのあぜ道にごく普通に転がっている石なのです。その意味で放散虫化石は私たちにとても身近な化石ということができるのです。

                                              

                                             古谷裕(自然・環境評価研究部)

 

NPO法人 人と自然の会の『かわせみの会』が誕生して1年が過ぎました。私たちは有馬富士公園を定点観察コースとして、毎月1回第3木曜日に公園内で野鳥観察をしています。

昨年の1月に14名で産声を上げ誕生したかわせみの会も昨年のドリームスタジオ体験セミナーで新たに人と自然の会の会員となった新人の入会も含めて20名のサークルになりました。

この1年の活動を振り返ってみると、定点観察で野鳥の名前を覚えるだけの活動でした。これからは会員一人一人が野鳥の特徴と生態を学習し、野鳥の知識を深めていかなければと思います。

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                (アメリカヒドリ)

 

今年1年間観察した野鳥の中で、感動した野鳥と特徴のある野鳥を観察会順に挙げてみたいと思います。3月には海ガモであるスズガモが1羽観察できました。4月にはアトリ科のシメが観察できました。5月には林の中のオオルリの美しい鳴き声に皆感動しました。6月は夏鳥の季節ですが、公園内で外来生物のソウシチョウを初観察しました。六甲山を越え、ついに三田市までやって来たようです。あこがれのサンコウチョウは公園内では鳴き声しか聞くことができず、姿を求めて午後には三田市の山中へ行きました。するといるいる、サンコウチョウの集団です。なんでオスの尾羽はあんなに長いんだろうと言いながらみんな大興奮です。オオルリ・キビタキ・ヤブサメの鳴き声も聞けました。今回は野鳥の声をしっかりと聞くことの大切さを学びました。

hitotosizenn1-2.jpgのサムネール画像

        (イカルチドリ)

9月の観察会では福島大池の水が抜かれ砂場が出来ていたのでコチドリに会えました。10月にやっとオオタカが近くで観察できました。また大池の砂場にはアオアシシギとイカルチドリがいました。11月にはミサゴとハイタカにほんのチョッピリ会えました。ミサゴは猛禽類ですが魚を主食にしています。12月にはアオゲラが観察会の1番目に観察できました。頭の赤色が見事でした。新年1月の観察会ではミヤマホオジロが目の前で餌をついばんでくれてゆっくり充分に観察できました。

 

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        (ミヤマホオジロ)

 

来年度のドリームスタジオの実施と共生のひろばへの参加を目指して頑張っていきたいと思います。

 

     能勢 公紀(NPO法人 人と自然の会 かわせみの会)  

 

 

 

 

  さて、県立美術館で現在開催中の特別展「ジブリの絵職人男鹿和雄展」開催中にひとはくが県立美術館で展示を行う県美ひとはく連携展示「栗林慧の瞬間写真展〜里山のいきもの〜」と「里山のいきものたち」が15日終了しました。

IMG_2490.JPGそれは、ひとはくの所蔵する昆虫写真家栗林慧さんの瞬間写真30数点と IMG_2482.JPG里山に暮らすイノシシやタヌキの剥製や虫の標本、虫の3D写真、そして、里山のきのこや木の標本などなど・・・普段の美術館では絶対見られないモノたちでございました。

この期間(12月24日〜1月15日)大勢のお客様にご覧いただきました。なんと17日間の会期で10,622人。1日平均約625人に見ていただいたことになります。

IMG_2489.JPG六甲山を越えるのがしんどいとかタヌキに化かされるのがいやとか、虫は怖いとか・・・といういろんな方々にご覧いただき、ジブリの背景画の中に住まうる生き物たちに出会っていただけたことは、自然への興味、はたまたひとはくへの興味をも持っていただけたのでございます!撤収後、木の標本がバラバラになるとか3D写真パネルが瓦礫の土のう袋の下敷きになり使用不可になるとか、さまざなトラブルにも遭遇しましたが、なんのこれしき!と、懲りずに次の企画をねる珍元斎でありました。

みなさま、これからも、ひとはく、そして、県立美術館をごヒイキのホド、

御願いタテマツリます!chingensai1.jpg

 

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河南堂珍元斎

 

 

独活(うど)の大木

2010年1月21日

 

昔ながらの ウド小屋

 さて、何の小屋でしょう? 以前は三田市内でもよく見かけたものですが、最近は少なくなり、貴重なものですが、「ウド小屋」と呼ばれるものです。
 実はこの小屋の中で「ウド」を栽培されているのです。「独活(ウド)の大木」という言葉の由来となったウドのことです。「ウド」という植物は、成長すると、高さが、1.5mから2m近くになりますが、茎がやわらかく弱いので、木材の材料としては、使えないため、このように言うようです。ウドは、草の一つですが、外見が、木のように立派に見えるので、このようなことわざが生まれたのではないかと考えられます。

 で、そのウドが大木になるまでのものが食用とされます。「三田ウド」も兵庫県内では特産品とされています。出荷は例年2月中旬から3月中旬頃ですので、まもなく店頭でもお目見えすると思います。

 ひとはくも2月6日(土)から開館しますが、三田にお越しの際には数少なくなった「ウド小屋」を探してみてください。

 

情報管理課:八尾 2010ヴァージョン


 ちなみに「独活の大木」の対になるのは「山椒は小粒でぴりりと辛い」かな?

そして、3回目でございます。1月11日(祝)でございます。今回のお題は「〜里山と植物〜」。 

 

高橋晃研究員による「背景画の中の植物」から。

IMG_1222.JPG背景画に出てくる木や草花をトトロなどの里山の風景から解説しました。これはケヤキ、スギ、コナラ、トウシュロ・・・

 

 

 

 

 

 

IMG_1223.JPGということは、結局、男鹿さんの背景画は、木や草花の種類がわかるくらい細やかなスケッチをもとに描かれているということがわかるのでございます。そして、その植物が背景画により臨場感を与えているようで、いかにリアリティIMG_1232.JPG

をジブリ作品は求めているかということです。すごい・・・。 IMG_1242.JPG 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 つづいて、私、珍元斎の「里山講談 クヌギ寅次郎の冒険」。

 

 

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 里山に生まれた「クヌギの木」がドングリから大木になるまでの一生を描いた書き下ろし講談でございます。一座の四十一斎、綾毬奈斎、阿北斎、楽演斎の寸劇付き・・・。

 

炭になりたくないフーテンの寅ことクヌギ寅次郎が里山に住む様々な生き物を通じて周りに役に立つ樹に成長IMG_1331.JPGする物語。

 

 

この話を聞くと、野山に転がるドングリやクヌギの木が愛しい存在になること間違いなし!四十一斎の寅さん。阿北斎の木枯らし紋次郎。昭和のレトロムードたっぷり。

 

   楽演斎のカブトIMG_1378.JPGムシ、綾毬奈斎のスズメバチのオスズもキュートでありました。

IMG_1363.JPG 

 

 

そして大トリは三橋弘宗研究員の「背景画から読み解く里山の生態系」。

IMG_1402.JPGさりげない風景画の中に描かれた生態系から人の営みが生物のすみかを作っていることや田んぼと森がつながっていること、 IMG_1404.JPGなだらかな地形が特徴的な生物多様性の密度の濃い里山の風景を男鹿さんの背景画はきちんと描いていることなど、締めにふさわしいお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

全3回、9コマのお話を聞いてくださったお客様もおられ、「最初の背景画のランドスケープという全体のお話から、里山、鳴く虫、ホタル、カエル、植物ときて、最後に全体の生態系の話となっていて、とてもわかりやすく、いい構成だったよ。」とのお言葉に感謝感激。IMG_1235.JPG

延べ720人。1回あたり240人。ひとはくにとって生物多様性年の幸先良いスタートと相成りました。

今度の県美ひとはく連携事業は、珍元斎の水木プロとの縁がきっかけで開催されることになった7月からの特別展「水木しげる妖怪図鑑」の予定。ひとはく博士がいかに水木しげる先生の世界に迫るのか・・・乞うご期待!

 

河南堂珍元斎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 八朔(はっさく)が店頭に並びはじめました.
八朔は私の大好きな果物の一つ.しゃきしゃきした歯ごたえと爽やかな味がたまりません.

 思わず購入してしまったので,今日は八朔を使って植物のお話をしましょう.


 八朔をはじめとしたミカン類は,普通,果汁が詰まったオレンジ色のつぶつぶの部分を食べますよね.
このつぶつぶ,薄皮から生えている「毛」なんです.
「毛」と言われてもピンと来ないかもしれないので,粒をバラバラにしてみましょう.

 

 


hassaku_ke.jpg どれも薄皮(内果皮)と細い紐のようなものでくっついていていますね.
ミカンは内果皮の内壁から液体(果汁)を含んだたくさんの毛を生やすという,面白い特徴のある果物なのです.
温州みかんやグレープフルーツなど他の柑橘類でも同じ構造なので,食べながら見てみてくださいね.

(自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)

 

明日は 部分日食!!

2010年1月14日

 2010年1月1日は部分月食で幕開けになりましたが、あれから半月。明日15日は部分日食が起こります。とはいうものの、日没の時間帯と重なっているため、この辺(三田市)では確認できないかも知れません。 2010.1.15 16:47 日没直前の空の様子(三田市弥生が丘)

 大阪のデータでは、欠け始めの時刻が16時47分頃ですから三田市もほぼ同時刻と考えてもいいでしょう。日没時刻が17時11分ですから、観測に適した条件がそろっていても20分間ほどの天体ショーですね。南西の方角が見通せる場所で観測してみてください。
 ちなみに、上の図で見ると、太陽のすぐ横に金星もあるのですが、まぶしくて見えないかも知れません。無理に見ようとすると目を痛めます。去年の夏に有名になった「日食観察メガネ」があると安心ですね。

 毎回紹介しているプラネタリウムみたいな画像は、「Stella Theater Lite Ver.3.00」を使って作成しています。このソフトはフリーウェア(有料版もあります)ですが、結構楽しめます。興味のある方は、次のところを参考にしてください。
       Toxsoft ホームページ  http://www.toxsoft.com/

 情報管理課:八尾 2010ヴァージョン

オオクチキムシの顔

2010年1月13日
マツ枯れのあと,被害木が切り倒され,丸太のまま放置されている状況をよく見
かけます.こういった丸太の樹皮下を探していくと,いろんな虫が見つかります.
小型のキクイゾウムシやキクイサビゾウムシの仲間を狙って探索していると想定
外に大きなカデやオオゴキブリやウバタマコメツキが出現してビビることもあり
ます.


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写真の虫は,こういった採集時に出会う虫の定番ともいえる,オオクチキムシで
す.見つけた瞬間に同定できてしまう,どちらといえばザンネンな虫です.せめ
て「良く似た近似種がいて…」とかいった謎の部分があればねぇ.

でもこの虫の表面の質感はほかの虫にはないものです.艶のないところはビロー
ドコガネ類に似た感じですが,よりしっかりした作りになっています.翅鞘の点
刻列がきちっとしているあたりが端正です.独特の匂いもあります.そういう意
味で冬の採集の風物詩的な感じがある虫です.夏は夏でよく見かけるのですが.


詳しく見るてみると,小アゴのヒゲが思いのほか立派です.先端の節が広がって
いて平たくなっています.味を感じるのか?匂いを嗅ぐのか?とにかくグルメそ
うな顔つきです.

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今日のプルプル3D,シロアリ

昆虫共生・沢田佳久

 自動車のフロントガラスをよく見ると、ツブツブがついてました。

 

自動車のフロントガラスに  砂のような 

よーく見ると砂のような泥のような。ただの雨の汚れではなさそうです。

 ワイパーで拭いてみると・・・・

美しくないですね!! こんなに溜まってました。自動車を屋根のあるところに停めておけばそうでもないでしょうが、屋外に停めておくとこんなになっちゃいます。

 

 これは、どうも「黄砂」のようです。気象庁などのページで確認すると、案の定この日(1月12日)は近畿地方では「やや多い」と観測記録が出ていました。私が子どもの頃の記憶では、黄砂は春になってからだったように思いますが、年末からでも飛んできているようですね。早くなってきているのでしょうか?

  この砂は、中国大陸から3,000kmも4,000kmも風(偏西風)に乗って飛んできています。こんな日に洗濯物を干していたら、とんでもないことになりそうですね。気をつけたいものです。そういえば、今日もなんだか空が霞んでいるように思いますが、あなたのお住まいのところではいかがですか?

 

情報管理課:八尾

県美ひとはく連携事業その弐の一席でございます。

時は、昨年、12月24日クリスマスイブでございます。

クリスマスにはまったく関係ございませんが、県立美術館にひとはくの展示が出現したのでございます。

IMG_2502.JPGそれは、県立美術館で現在開催中の特別展「ジブリの絵職人男鹿和雄展」にあわせ、背景画の里山の世界に住む生き物たちを紹介する展示で、「栗林慧の瞬間写真展〜里山のいきもの〜」と「里山のいきものたち」の2本立IMG_2489.JPGて。

 

ひとはくの所蔵する昆虫写真家栗林慧さんの瞬間写真30数点と里山に暮らすイノシシやタヌキの剥製や虫の標本、虫の3D写真、そして、里山のきのこや木の標本などを展示中でございます。

 

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開催期間は22年1月15日(金)まで。無料ゾーンで見学いただけますので、お見逃しなく。「ジブリの絵職人男鹿和雄展」とあわせまして、ご贔屓のほど、隅から隅までずずずいーっと御願いたてまつります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

河南堂珍元斎

ひとはく謎の講談師、河南堂珍元斎でございます。

あけましておめでとうございます。本年もよろしうご贔屓のほど・・・。

さて、県美ひとはく連携事業の一席でございます。

時は、昨年の12月13日(日)。

県立美術館にひとはくの研究員が出現したのでございます IMG_1147.JPG

それは、県立美術館で現在開催中の特別展「ジブリの絵職人男鹿和雄展」にあわせ、背景美術作品の中に登場するさまざまな自然、いきもの、人の暮らしなどを科学的にひとはくの博士が解説する「ひとはく背景画セミナー」で、この日は「〜里山とランドスケープ〜」と題した1回目でございます。

IMG_1138.JPG登場したのは、中瀬勲副館長。

「となりのトトロ」などの背景画の中に登場する風景を、ランドスケープアーキテクトの観点から分析し、実際の里山や庭園の風景写真との比較で、背景画をさまざまな視点で解説しました。

IMG_1149.JPGセミナーのあと、再び展示を見たお客様は「話を聞いてからの絵と聞く前とでは絵の見え方が違う!」と納得。

風景は見る人の教養によってかわるもの・・・なのでーございます。IMG_1163.JPG 

 

続いては、間の狂言として、珍元斎が出演。相方の四十一斎と御免奈斎と組んでの「講談:阿波狸合戦」。

 

 

IMG_1205.JPGこの話は、出品されている「平成狸合戦ぽんぽこ」の元ネタの1つといわれる徳島に伝わるお話で、今回のために書き下ろした珍元斎バージョンを披露。  IMG_1172.JPG

 背景画の元になった、狸たちが駆け回り、人間と共存していた、かつての日本の暮らしや里山の原風景を口演と寸劇で再現いたしました。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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そして、最後は服部保研究員による「照葉樹林と里山」。

「もののけ姫」に登場する照葉樹林から日本の植生の移り変わりや里山の炭文化などを解説。 IMG_1213.JPG服部先生の撮った屋久島の写真ともののけ姫の背景画の照葉樹林があまりにそっくりでびっくり・・・ほんとの風景から書きおこした絵だということを実証したのでございます。 IMG_1214.JPG

 

この日は満員御礼で、3コマで延べ200人の方々に楽しんでいただきました。

 ひとはく背景画セミナー、ああ、見逃したという方のために、あと2回開催します。

いずれも14時から兵庫県立美術館レクチャールームにて下記の日程にて、乞うご期待。

 

 

 

 

 

1/9(土) ひとはく背景画セミナー2〜身近な里山とはるかなる琉球〜

     「里山の虫:鳴く虫」大谷剛研究員

「里山の虫:ほたる」八木剛研究員

「琉球の自然と風景」太田英利研究員

1/11(祝) ひとはく背景画セミナー3〜里山と植物〜

「背景画の中の植物」高橋晃研究員

     「里山講談 クヌギ寅次郎の冒険」河南堂珍元斎

「背景画から読み解く里山の生態系」三橋弘宗研究員

あけましておめでとうございます.
正月三が日は過ぎましたが,まだまだ松の内.
今日は縁起の良い名前の植物「センリョウ(千両)」を紹介します.

senryo.jpg千両はもともと日本に自生する植物.
センリョウ科に属していて,植物学の分野では原始的な被子植物として有名です.


被子植物とは,ごく簡単に言うと花が咲いて果実の中に種子ができる植物のこと.桜や楓など多くの植物がこれにあたります.
この被子植物はふつう,茎または幹に導管(どうかん)という器官があるのですが,センリョウにはありません.
代わりに仮導管といって,裸子植物(松やイチョウなど)が持つ器官を持っています.

被子植物でありながら裸子植物の特徴を持つセンリョウは,形態から原始的な植物だと考えられてきました.
近年行われたDNA解析でも,被子植物の中で初期に分岐したグループであることが支持されています.

(自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)

花の咲く植物では、花の集まりが「虎の尾」のように細長く垂れる
なるものに

「〜〜トラノオ」という名前が付いています。
シダ植物では、細長く垂れる葉をもつものに「虎の尾」の名が付きます。
写真にある3種類ともにトラノオシダ科というグループのシダです。

      DSCN4804.JPG     DSCN4190.JPG

            トラノオシダ                トキワトラノオ

     (神戸市中央区湊川神社周辺)    (西宮市甲山森林公園)

トラノオシダ、トキワトラノオはまちなかの石垣でふつうに見られます。

 

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                ヌリトラノオ(中国福建省武夷山)

 ヌリトラノオは、葉の軸がうるし塗りのようにきれいですので「ヌリ」が加わります。
こちらは滝の近くなどの岩場でみかけます。

                 鈴木 武(自然・環境再生研究部)

 

寒い毎日が続いています。特に朝は寒いので起きるのがつらくなってきました。

さて、なにげなく今朝の深田公園を見ていたら面白い光景をみつけました。

深田公園には芝生が広がっていますが、今朝は「しも」がおりていました。

よく見ると、写真の奥、森のかげがかかっている部分だけが白くなっています。

お日さまがのぼるにつれて、白がみるみる黄色にかわっていきます。

太陽がしもをとかしているのです。

お日さまってあたたかいなとあらためて実感しました。

寒い冬の朝もそれなりに楽しいものです。

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冬らしい寒さが続きました.

今朝も気温が低く,深田公園の水辺のグチョグチョ地帯にも立派な霜柱ができていました.さすがにほとんど虫の気配がありません.

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冬にはオオタコゾウムシが活動するので,クローバーに食痕でもないか探してみました.するとクローバーではなくキク科植物のロゼットに丸い食痕があるのを見つけました.
葉をめくってみると,ふふふ,やはりヤサイゾウムシの幼虫です.まるっとお見通しだ!
まだ5mmほどの,かなり緑がかった体色い個体です.同じ株でたぶん兄弟の3匹を発見.
飼育は簡単ですが,しばらく泳がすことにして,1匹だけ液浸標本に.

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ヤサイゾウムシは南米産原産の進入種で,無農薬栽培や家庭菜園では重要害虫です.キク科,セリ科,アブラナ科,ナス科等々広範な植物を加害します.
そもそも和名が[ヤサイ]て! 白菜も小松菜も人参もなんでもOK.鍋の季節に活躍するオールマイティーの野菜食いなのです.玉葱や柿も食べるそうです.

ヤサイゾウムシは,いわゆるゴンドワナ系の系統に属します.日本のゾウムシの中では異色な存在です.成虫の外見的では[角刈り]っぽい前胸背がエキゾチックな雰囲気をかもし出しています.

今回もプルプル3D付き↓.

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昆虫共生・沢田佳久

山つながり・・・・

2009年12月18日

 ひとはくサロンから見える「有馬富士」http://hitohaku.jp/blog/2009/12/_fuji/ については、小舘研究員が書かれています。

 

 そこで、「富士」の名称が気になって、ちょこっと調べました。

 なんと「ご当地富士」は日本各所にたくさんありました。100とも200とも・・・・このひとはくのある三田市・兵庫県でも秋津富士、淡路富士(2つくらい)、丹波富士(7つくらい)、但馬富士、神戸富士・・・・。国内なら、有名な伯耆富士(大山)、薩摩富士(開聞岳)、讃岐富士(飯野山)・・・・・それこそ山ほどあります。

 

富士山(河口湖畔から) さすが富士山は日本一の山ですね。地元でも特に目立って美しい山を◯◯富士と呼んでいるようですが、山の形も似ているものが多いようです。時間があれば、各地の富士を訪ねられるのもいいと思います。

 余談ですが、以前は火山を分類するのに「コニーデ」とか「トロイデ」とか「アスピーデ」などという用語が使用されていましたが、現在では使われていません。(暗記するのに苦労しました!?)表面から見える形だけで分類していたものが、火山研究が進展し、でき方や内部構造によって分類するようになったためだそうです。時間があれば、調べてみてください。

 

 

 今、ひとはくでは「トラさん!ようこそ」のミニ企画展を開催中ですが、日本の山にも「とら」のつくものがいくつかあるようです。兵庫県内では「虎臥山(朝来市和田山町)」という山があります。天空の城・竹田城でも有名ですね。三田に来られたら、ちょっと北に足を延ばして但馬にも出かけてみませんか? 新しい発見があるかも知れません。

 

情報管理課:八尾

ひとはくの本館4階の「ひとはくサロン」には、休憩コーナーがあります。


ここには、飲み物の自動販売機があり、昼食時などに来館者によく利用いただいています。

s-091217.jpgのサムネール画像 

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▲ 4階の「ひとはくサロン」の休憩コーナー

さて、その休憩コーナーの外(中庭側)に面したところはガラス張りになっていて、
そこから外を眺めると、よく晴れた日などには、「有馬富士」が見えます。

 

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 ▲窓越しに外を眺めていると・・・

 

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▲ 「富士山」のイメージぴったりに見えませんか?

 

太陽の位置と雲の形の加減で、有馬富士が影となり、周りの風景とのコントラストが

くっきりとして「富士山」のイメージぴったりに見えました。

 

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     ▲太陽の光が、よくあたっている「有馬富士」

 


博物館においでの際、館内から外を眺め「有馬富士」を探して見てください。
意外な発見があるかもしれません。               

                           (自然・環境再生研究部 小舘 誓治)

 

 週末の天気は快晴とまではいわないまでも、なんとか流星観察ができました(丹波市では・・・)

 13日(日)の午後10時過ぎ頃、一度外を見ると、きれいに晴れ渡りオリオン座もはっきりと見えていました。この時点で、10分間に流星を2つ確認できました。「今夜は収穫がありそうだな」と期待しつつ、日付が14日になって1時頃から出かけました。

 

右の上の方に1つ

     ISO6400 SS9 F3.5 10mm

 今回も場所は、丹波市青垣町某所(田んぼの中の農道)でした。後半は霧と雲の発生で観察できなくなりましたが、およそ1時間に20数個目視できました。みなさんは見られましたか? まだ今日も見ることができると思いますので、たくさん願い事を唱えてみてください。

  

 今回はカメラにタイマーをセットし、インターバル方式で連続的に撮影してみました。その中から、45分間を114枚の写真でつないで高速再生(ビデオではありません。)したのが次の画像です・・・・瞬間的に右の方に流星が出ます!! わかりますか?

1:17〜2:00 を超スピード再生 本当は3枚くらい流星が写っていますが、早すぎて確認しにくいですね。すみません。

 

 

 

 

 

 

 

 

情報管理課:八尾

Face04.gif 

もうすぐクリスマス.街はクリスマスの飾りでにぎやかです.

Xmas_kazari2.jpgクリスマスの飾りと言えば,トゲトゲの緑の葉に赤い実のついた”ヒイラギ”が定番ですね.

でも,公園や学校にあるヒイラギに赤い実がついているところは見たことがありません.

これはなぜ?

じつは,クリスマスに用いられるのは「セイヨウヒイラギ」というモチノキ科の植物.冬に鮮やかな赤い実をつける常緑の木で,ヨーロッパ西部・南部,アフリカ北西部,アジア南西部が原産.

一方,日本に自生する「ヒイラギ」は,モクセイ科で全く別の植物.トゲトゲの葉はよく似ていますが,実は黒紫色です.

ちなみに「ヒイラギモチ」という中国原産の植物も,クリスマスシーズンにはよく出回っています.これはセイヨウヒイラギと同じモチノキ科で,赤い実をつけます.葉はやはりトゲトゲですが,セイヨウヒイラギやヒイラギよりもずっとトゲ(鋸歯)の数が少なくて,葉の形は四角い感じになります(下の写真はヒイラギモチです).

hiiragimochi2.jpg

 

(自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)

ふたご座流星群 ☆彡

2009年12月 8日

 冬の星空は観察に適しているんですねぇ、またまた流星群が観察できるチャンス到来です。今度の流星群は『ふたご座流星群』です。今回予想されている極大(最も流星活動が活発な時間帯)は12月14日午後2時過ぎということです。な、なんと昼間なんですね!!

 ということで、その前後の夜が観察しやすいと言えます。

 

まずオリオン座を探します

でもって、オリオン座の左の方にふたご座があります

 東南の方角からが探しやすいかも知れません。上の図は12月14日の深夜0時頃の星空を表しています(Stella Theater Lite Ver3 Toxsoft)。ちょうど深夜の0時頃に真上近くに昇ってくるので見つけやすいと思います。オリオン座を見つけ、その左の方に目をやるとふたご座があります。この辺から流星が飛び出してくる、ということですが、ここからだけではなく空全体を見るようにすると見つけやすいと思います。

 今回も月は新月ですので、月の光に邪魔されることもなく、比較的見つけやすい条件がそろっています。地上の光の影響のない場所で地平線まで見渡せるような場所があれば最高なんですが、12月の夜中は寒いです。風邪をひかないよう、防寒対策には十分に気を配って観察してみてください。後は、お天気だけですね

情報管理課:八尾

 

今日は毎年4回実施している、「四季の星空案内」に参加しました。

講師は、星のソムリエ田中慎悟さん。(人と自然の会 星の会)。

1206tanakasann.JPG田中さんは星空・宇宙の楽しみ方を教える「星のソムリエ(星空案内人)」の資格を取得する講座の講師をされています。

どんな星のお話をしてくれるのでしょうか。  P1010555.JPG

冬は1年で、もっとも豪華な星が見られる時期☆

この時期に見られる星の紹介や星を見つけるコツを教えていただきました。

アニメ「巨人の星」で星飛雄馬のお父さん、星一徹が「お前は、巨人のこの星になるんだ!」と指さした星はなんだったのか?とか。

ウルトラマンはどこの星からきたのか?

とか、会場からは「へぇ〜。」と感心の声が。参加している子どもより、お父さんの方が熱心に聞いていました。

クリスマスのお話では、クリスマスツリーの一番上についている星もなんでもいいわけではないそうです・・・。知らなかった。

1206kurisumasu.JPGのサムネール画像 最後は、おさらいクイズ。今日のセミナーで話してない問題も出題されたにも関わらず全問正解者が2名。そのうちの一人、しょうま君(9歳)。

私の成績はというと・・・。聞かないでください。

1206syoumakunn.JPG

全問正解の記念にオリジナルの下敷きをプレゼントされていました。とっても、星が好きなんだって。

しょうま君も星のソムリエになるのかな?

 

中国では、「カノープス」という星を見ると、長生きできる言い伝えがあるそうです。

シリウスの下の方で南の地平線すれすれしか出てこない星で、南が海のような開けた場所であまり明るくない場所に行くと、12月末なら午前0時前ぐらいに見えるみたい。(明石とか淡路とか。)

大みそかの夜、初詣に行く途中に空を見上げて見ようかな。

長生きするかは別として、ちょっと、冬の空を見上げてみるのが楽しみになっちゃいました。

 

 この「四季の星空案内」は来年も四季ごとに実施する予定です☆ 

                              小林美樹☆生涯学習課

 

先週,篠山市の西光寺山へ行ってきました.

落ち葉の降り積もる秋の林内を歩いていると,「クチベニタケ」に出会いました.

日本では珍しいキノコではありませんが,世界的には珍種とのこと.

独特の風貌がかわいいのでテンションがあがります.

kuchibeni2.jpg

赤い部分が「口紅」に見えますね.この部分が孔口で,胞子が出てきます.

kuchibeni_scale.jpg  kuchibeni1.jpg

食べられるキノコではありませんが,出会って嬉しいキノコのひとつです(食べられるキノコの記事はこちら).

(自然・環境評価研究部 研究員 布施・高野)

enokitake.jpg                                            エノキタケ 

スーパーや八百屋の店頭でパック詰めされたものとは,まるで見かけが異なりますが,これが本当の姿です.独特の強い香りとビロード状の毛が生えた黒っぽい軸が目印です.12月から春先にかけての寒い時期にだけ生えますから,他のキノコと間違えることはありません.

                                 秋山弘之(自然・環境評価研究部)

 

ヤツデの虫,盛況

2009年11月25日
今日は老人福祉センターの講義ということで,室内での甲虫の話もそこそこに,
館外で虫を探しました.

この季節でも探せば虫はいます.受講者の方たちが次々といろんな虫を見けられ
るので対応に追われました.

午前中の2年生の組でイラガの幼虫が見られたので,このブログのネタに使える
と思って昼休みに再度,撮影に行ったらすでに姿を消していました,フォトジェ
ニックだったのに残念.

で,その代わりに撮ったのがこれです(まいどプルプル立体写真).ヤツデの花
に集まるハエ,ハエ,ハエ.

3896-am.gif
ミツバチやヒラタアブ,チュウレンジバチ,他のハエもいるようですが,多くは
ツマグロキンバエです.近年は晩秋でもそこらにセイタカアワダチソウの花が残
ってこのテの虫に餌を供給していますが,このヤツデの株の周辺には他の花がな
く,虫が集中して大盛況を呈していました.

昆虫共生・沢田佳久

丹波の雲海

2009年11月25日

 みなさんは雲海を見られたことはありますか?飛行機に乗れば上空から雲が海のように広がっている様を見ることができますが、地上でも見ることができるんですよ。

 雲海というのは、山間部などでの放射冷却によって、霧が広域に発生する自然現象のことで、まるで、雲の海に山々が島のように浮かんでいるように見えることから雲海と呼ばれるています。

 丹波地方では秋から冬にかけて「霧」が発生し、雲海も非常に見やすいです。この霧のおかげで篠山の黒豆は日本一おいしくなるともいわれています。丹波市内の県立柏原高等学校の校歌の冒頭には、「霧の底より あれいずる・・・・」という歌詞もあります。下の写真は丹波市青垣町にある岩屋山山頂(標高718m)からの眺めです。この日も5,6人の方がカメラを構えていました。

 

日の出前の幻想的な景観

   11月24日  午前6時10分(日の出約30分前)↑  午前6時40分頃↓

午前6時40分過ぎ ようやく日の出です 雲海がどうやって発生するのか、ごく簡単に原理を説明すると・・・・
 夜半、山間部などを低気圧が通過して湿度が高くなった時、放射冷却によって地表面が冷え、それによって空気が冷やされていきます。ここで風の流れがない場合に、冷えた空気は(ボウル状の地形のため)その場に留まり、さらに冷却され続けます。やがて一帯が飽和状態となり、空気中の水分が霧となって発生します。この時の様子が、山頂などの高所からは雲海として観察できるというわけです。

 

   雲の海に浮かぶ島?!   これって、雲の海の上に浮かぶ島のように見えませんか?

 実際に見ると、本当に雲が海に見えて、山々がその海に浮かんでいるように見えるんですよ。日の出の時間帯はもっとも気温が下がる頃ですし、山の上ですから冷え込みさえ覚悟できれば、年内くらいならまだ見ることができると思います。是非一度見に行かれては?

 

情報管理課:八尾寒いですよ

 

ひとはく4階の入口で大きな音がしました。

なんでしょう?

4階入口の窓ガラスにタカがハトを捕獲しようと激突。気絶したようです。

スタッフが捕獲しようとしたのですが、クチバシが少し大きく素手ではどうも、危ない。

ただちに、ひとはくの研究員たちが駆けつけ、網や軍手を取りに、取りに行ってる間に・・・。

 P1010340.JPGのサムネール画像(網を持ってタカの姿を探す、鈴木研究員と八木研究員)

 

 

残念。オオタカと思われる、そのタカが意識を取り戻して、元気に飛んで行ってしまいました・・・。うん。でも、良かった×2。

 

P1010343.JPGのサムネール画像

     (タカがぶつかった、ひとはく4階入り口)          

 

      こんなことは、とっても珍しいんだって!

 

      P1010342.JPG     P1010341.JPGのサムネール画像

     (タカが捕らえたハトの羽はあったけど。)

私も写真を撮れず・・・。残念。あなたの姿が見たかったよ・・・。

また、来てくれるかな。

 

                    小林美樹(生涯学習課)

 

inutsuge_fr.JPG赤や黄色に色づいた葉や,真っ赤に熟した美しい実が目を楽しませてくれる季節.

きれいに刈り込まれた植え込みを見てみると,黒く熟した丸い実が秋の陽に輝いていました.

これはイヌツゲ.鮮やかな色ではないけれど,なかなかかわいらしいでしょ.

庭などによく植えられる木ですが,兵庫県にも自生しています.「ツゲ」という名前がついていますが,ツゲ科ではなくモチノキ科の植物です.

氷ノ山にはアカミノイヌツゲという赤く熟すイヌツゲの仲間も生えていますよ.

(自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)

しし座流星群情報

2009年11月15日

 前回、【オリオン座流星群】の紹介をしました。 あれからそろそろ一か月。次は【しし座流星群】が見られるチャンスです。最近では、2001年に1時間に数千個(えっ!!!)もの流星嵐となったほどの流星群が日本で見られたそうです。

 今年は、そこまでは多くないと言われていますが、月もなく見やすいですので是非星空観察に挑戦してみてください。既に流れ始めているらしいですが、もっともたくさん流れる(極大)と予想されているのは、11月18日午前6時台・・・・・そう、すでに夜が明けてからなのです!!しかし、西へ行くほど夜明けは遅いので、できるだけ西で見よう!!

 (Stella Theater Liteによる星空シミュレーション)

しし座流星群を見よう!! 神戸での、午前2時頃の夜空の様子です。東の空からしし座が上ってきます(赤い円のあたり)。その付近を中心に流れてきますが、そこばかりでなく、空全体を見るようにするといいでしょう。3時頃から夜明け前の6時頃までがチャンスかも?!

 でも、明け方は最も気温が下がりますから、防寒対策は必ず行ってください

 

 デジタルカメラが普及していますので、天体写真に挑戦するのもお勧めです。コンパクトデジカメでは難しいと思いますが、一眼レフタイプのカメラなら、感度を高感度(ISO1600〜6400)に設定し、絞りはF2.8程度で180秒から30秒間開放すれば写り込むかもです。(きれいに写るかどうかは、いろいろ試してください。そして運も必要です!!)

 

 さらに詳しく調べてみたい方は国立天文台のホームページをご参照ください。

   http://naojcamp.mtk.nao.ac.jp/phenomena/20091118/index.html

 

 ※12月13〜14日頃には、【ふたご座流星群】が見られます!!

情報管理課:八尾 

秋深し ひとはく

2009年11月14日

 午前中は雨でしたが、午後からは日差しがあり、少し動くと軽く汗ばむようないい日和になりました。ひとはくのとなり(となりかな?)の深田公園でも精一杯の紅葉があなたの訪れを待っています。

深田公園のモミジ その1 深田公園のモミジ その3  深田公園のモミジ その2 

  関西文化の日は明日も続きます。 ミュージアムスタンプラリーも引き続きやっています。

 

情報管理課:八尾

 日に日に秋が深まり,博物館のまわりでも落ち葉がたくさん見られるようになりました.

ochiba.jpg

左の写真は何の落ち葉か分かりますか?

赤いのが「ソメイヨシノ」黄色いのが「イチョウ」です.特にイチョウは,すぐに分かりましたよね.

ところでこのイチョウ,実はかなりユニークな植物です.

その1つが「原始的な葉脈」です.

イチョウの葉をよく見てみると葉脈が平行にはしっています.そして,時々「ふたまた(二又)」に分かれています.

この「ふたまた」がポイント.

大昔,植物(正しくは維管束植物)は根・茎・葉を分化させましたが,どうやって現在のような形になったのかは「テロム説」でよく説明されています. テロムとは二又に分かれた枝先のこと.現在の植物に見られるさまざまな体の形は,このテロムの変形によるものだと考えられています.

例えば,原始的陸上植物は葉を持たず,二又分枝する茎だけからできていたと考えられています.その茎がが細かく分かれ,組織が隙間を埋めていくと葉になります.イチョウは全ての葉脈が二又分枝しているので,原始的な形状を持っていると考えられているのです.

とりあえず,実際に葉脈を見てみました.

icho.jpg

someiyoshino.jpg 

 

左がイチョウ.なるほど「ふたまた」です.右がソメイヨシノ.こちらはかなり複雑に進化しています.上の2枚の写真は実体顕微鏡で撮影したものですが,肉眼でも十分みられます.

その他,イチョウは「精子を持つ」植物としても有名です.身近な植物ですが,なかなか面白いでしょう?

(自然・環境評価研究部 布施静香)

深田公園の雪虫

2009年11月10日
北海道のやつ(トドノネオオワタムシ)ほどではありませんが,深田公園でも季
節になると雪虫らしきものが飛びます.あまりめだちませんが,たまたま一匹見
つけてさがしてみると,そこここにみつかります.クモの巣にもたくさん掛かっ
ています.
写真を撮るために塩ビのカップで採集しました.空中をとんでいるヤツを静電気
でキャッチ! なかなか変な採り方です.

公園のケヤキの葉には,毎年,ゴール(虫こぶ)ができているので,いま飛んで
いる雪虫はたぶんケヤキフシアブラムシだろうと思います.

昆虫共生・沢田佳久

朝晩はすっかり寒くなりましたが,昼間は穏やかで良い天気.

気分を良くしてうっかり普段着で草むらに入ると・・・ひっつきむしの餌食になります.餌食といっても「種子の運び屋さん」にされるだけなんですけどね.

野外調査などをしていて(私が)よく餌食になるのは,「チヂミザサ」「アレチヌスビトハギ」「アメリカセンダングサ」です.この3種類は服や靴に付くと取るのが大変!

「チヂミザサ」はベタベタした液を出してひっつくので,種子の入った果実を取り去った後でも服に付いたべたべたがしばらく取れません.

「アレチヌスビトハギ」は柔らかい曲がった毛でひっついているのですが,取ろうとすると果実がばらばらに分かれて難儀します(注1).

「アメリカセンダングサ」はトゲがちくちくして痛いです.下の写真はアメリカセンダングサ.

amesen1.JPG amesen2.JPG

 

アメリカセンダングサの果実を実体顕微鏡で見てみると,2本に大きなトゲの他に逆さ向きの小さいトゲがたくさん見えます.どうりで取れにくいはずです.

amesen_toge.jpgひっつきむしに餌食になってしまったら,取り去るついでに観察してみるのも良いですよ.ちなみに「アレチヌスビトハギ」と「アメリカセンダングサ」は外来種です.

(自然・環境評価研究部 研究員 布施静香

 (注1)ばらばらに分かれる1つ1つを小節果(せつか)と言います.アレチヌスビトハギはエンドウ豆のさやのような果実をつけますが,種子が入っている部屋が一つ一つ分かれるのです.

さて、「その時、イボが動いた・・・。」の一席でございます。

少し前になりますが、時は10月29日。ひとはくにとあるおじいさんが訪ねてきました。

「足の付け根にイボができて、だんだん大きくなってきて・・・。」

あれ?うちは病院ではございせんが・・・。

「それが、ある日ポロッととれて・・・。」

よかったですね。

「気持ち悪いから、病院へイボをもっていったら。なんと・・・」

はー、病院へもっていきはったら、なんと???

 「なんと、医者がいうには、イボが動いとると・・・。」

えー!イボが動いたんでっか?こわー・・・・。

「そんなアホな。と思て、わしもイボ見てみたら、なんと足が生えて、動いとる!」

えーそれは妖怪イボ太郎かなんかじゃありませんか?ここは妖怪研究所では・・・。

「まーここは人と自然の博物館やし、そんなこといわんと見てくんなはれ。」

はい、たしかに人と自然ですが・・・。わーでかい・・・。これは直径3センチはありますがな・・・。

立派なイボでんなあ・・・  ということで、けったいな未確認イボ物体を小館研究員、北村研究員に

見せると・・・。

DSCF0422.JPG「これはダニです。」

えー!こんな巨大なダニがいるんですか?新種ですか???

DSCF0433.JPG「いえ、普通のダニが血をおなかいっぱいに吸って、満腹になったので落ちてはなれたんですね。」

まるで巨大なマーブルチョコ・・・いや白いカビがはえた梅干し・・・。

それにしても恐ろしい・・・。

「うまくとれてよかったですね。その方は。無理してとるとキバが残って化膿します。」

DSCF0435.JPGそうですか・・・。それでこのダニ君はこのあとどうなりますか?

「おなかいっぱいなので、あとは子供を産んでオダブツです。」

・・・・・・・

そこに鈴木研究員が現れ

「これは大きい。標本にしよう!」とアルコール漬け・・・。

そしてダニ君は標本となり、大谷研究員へ。

「これはマダニですね。3ミリくらいのが血をすったら10倍くらいになります。山には普通にいて、クマや鹿、それに犬によくついてますよ。」と大谷研究員。

「あーぼくも、かまれたことあるわ。顕微鏡でキバとったけど、釣り針みたいに肉に深くくいこんどったわ。」と八木研究員。

へえー。顕微鏡で手術ですか・・・。ぼくら素人にはそんなことはできません・・・。自然系の研究員って大変なんですねえ。こんなヘンなもんともおつきあいがあるんですねえ。

みなさんも犬をかわいがるときは、このマダニ君に気をつけてくださいね。

気持ちわるいがとっても驚いた「その時、イボが動いた・・・」の一席でございました。

 

河南堂珍元斎

 

11月1日(日)に続き、今日もひとはくは無料開館日です。
今月は、「関西文化の日」で14日(土)、15日(日)も無料開館日です。

おかげさまで1日の「ひとはく&恐竜フェスティバル」は、たくさんのお客様にお越しいただくことができました。ありがとうございました。
当日の様子は、すでにひとはくブログで紹介されたとおりですが、昨日の神戸新聞にも掲載されたとおり「恐竜疾走コンテスト」も盛り上がりました。

恐竜03

恐竜01 恐竜02

▲走ったり、ほえたり、楽しい恐竜たちでした

そして1日の雨と、昨日の風で深田公園のアメリカフウもだいぶ散ってしまいました・・・

アメリカフウ

 

アメリカフウ02

ただいま、ひとはくでは企画展「コウノトリのいる風景」を開催中です。
11月23日(月・祝)までです。
そして、丹波の恐竜特別企画「竜と獣の道展」も開催中です。
12月27日(日)までです。
どうぞひとはくに”何度も”お越しください。

(生涯学習課長 平松紳一)
 

秋深し 深田公園

2009年10月29日

11月1日日曜日の「ひとはくフェスティバル」を控え、秋の装いもますます整いつつあります。

 

どんぐり まだ落ちてないヨ!! 博物館の外には、階段やテラスの部分も多く、時々コロロンコロン・・・・と転がっていきますが、まだ落ちてないどんぐりもたくさんあります。どんぐりの記事はこちらを参照してください。

 

 少し歩けば、今度はもみじが。まだ青葉ですね。色づきには少し早いです。よく見るともみじの種らしきものが・・・・・

  この種は 回転しながら落下するのかな?

 

 そして、モミジバフウの紅葉と落葉、たくさん葉っぱが落ちてます。 

落ち葉のじゅうたんには・・・・・ちょっと物足りないかな

  

 11月1日は「ひとはく&恐竜フェスティバル」。そして「コウノトリのいる風景」展、「竜と獣の道展」、などイベント山盛り!!  おまけに県立美術館・博物館5館による【ミュージアム・スタンプラリー】もやってます。

 そしてなんと、「関西文化の日」として、11月1日(日)、3日(火)、14日(土)、15日(日)は、無料になります。

    ぜひ、ご家族おそろいでひとはくにお越しください。

 

情報管理課:八尾 Face04.gif

深田公園の奇面昆虫

2009年10月27日
電子顕微鏡で虫の顔面を観察する! 作戦(11月1日のフェスティバルで実施)
の続きです.

蚊以外の材料を求めて,20日に深田公園で観察用の虫を採集しました.主に水辺
でスウィープしたところ,半翅目(カメムシ目)や双翅目(ハエ目)を中心に小さ
な虫がたくさん入りました.今回も吸虫管で吸ってとりあえず凍結.双眼実体顕微
鏡で眺めながら選定しました.どれもこれもユニークで目移りします.

時間的なこともあって,実際にイベントで観察できるのはせいぜい飼料台一個か二
個の数匹だけです.オーソドックスな口器として甲虫を一匹入れて,あとは吸う口
の代表でカメムシと,変形の著しいハエの仲間を何匹か…どれも捨てがたい奇面っ
ぷりです.で,結局飼料台三個にテンコ盛りになってしまいました.
mix123m.jpg
一日乾燥したあと,蒸着メッキして予備の観察を行い,説明パネル等のために写真
を撮影しました.電顕像は明暗のみのグレースケールというか,モノクロです.た
だ,博物館の電顕のモニタはレトロなブラウン管なのでグリーンで表示されます.
下の写真では色を歪ませて可愛くしてあります(無理か?).
kus03.gif
上の写真(プルプル立体写真)は[クサカゲロウ科の一種の幼虫]です.[アリジ
ゴク(ウスバカゲロウ類の幼虫)の自走式のやつ]みたいな虫でアブラムシなどを
食べています.恐ろしげな風貌,立派な牙(大アゴ)ですねぇ.左右の複眼はそれ
ぞれ6個(7個?)の個眼で構成されているようです.ちなみにクサカゲロウ類の
卵は[優曇華(うどんげ)の花]です.
ata011.gif
この写真は[アタマアブ科の一種]で,頭部を下から見たところです.頭全体がびっ
しり複眼で,細い隙間に触角と口器があります.触角も口器も複雑に変形していま
す.複眼には個眼が整然と並んでいますが,前方だけ大きくなっています.

柳田國男とカマキリ

2009年10月27日

さて河南堂珍元斎でございます。

時は10月2日のこと。場所は福崎町。

あの有名な民俗学者柳田國男さんの生家になんと

巨大なカタツムリと巨大なカマキリがあらわれたの

でございます。 IMG_0218.JPG IMG_0213.JPG

これには訳がございまして、

3月に続き柳田國男松岡家顕彰記念館との連携イベント。

今回はカマキリでございまして、柳田さんの作品「蟷螂考(とう

ろうこう)」にちなみましてのセミナー「柳田國男とカマキリ」

でございます。

先発は、鈴木武研究員のカタツムリのお話。 IMG_0174.JPG

カタツムリの種類や柳田さんが子どものころに見たハリママイマイ

の生態などを解説。

IMG_0187.JPGカタツムリを囲みながらのセミナーは囲炉裏端の昔ばなしのような

味わい深い分雰囲気でした。

 

 

 

 

 

 

 

中継ぎは、河南堂珍元斎の講談「田助とカマ吉の言葉の冒険!」

IMG_0193.JPG さあ、うってかわってこれは、大騒ぎでございます。

IMG_0244.JPG オガミとかハラタチジジイとかオマンバカバカとかけったいな方言

がたくさんあるカマキリの方言を探す旅にでカタツムリの田助と

カマキリのカマ吉の冒険!

 

柳田國男さんの唱えた「方言周圏論」のかたつむりの「蝸牛考」ともに根拠となったカマキリの「蟷螂考」をもとにした創作講談でございます。

IMG_0251.JPG IMG_0229.JPGカマ吉は御免奈斎、田助は四十一斎、カマッキリ尊氏は、飛び入り参加でデビューした阿北斎。

 

IMG_0257.JPG東京から八犬伝の千葉、京都、神戸、沖縄、そして故郷福崎と長い旅の中で、カマキリのたくさんの方言に出会います。 IMG_0235.JPG

戦いや大道芸もある寸劇講談・・・。みんな奮闘しました!

 

 

 

 

 

 

抑えは、大谷剛研究員のカマキリの生態のお話。カマキリのオスは交尾のあと、メスに必ず食べられるわけではない・・・など目からウロコのお話でした。

 

IMG_0276.JPG

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この巨大なカタツムリとカマキリ、またひとはくに現れるかもしれません・・・。

あーこわあ・・

さて、伊丹市の柿衞文庫で開催中の開館25周年記念「芭蕉−新しみは俳諧の花」展(10月3日〜11月23日)のひとはく連携ワークショップのお話の続きでございます。まずは、芭蕉展とあわせて展示中の「ふるいけやかわずとびこむみずのおと作品展」の紹介から。 IMG_0121.JPG

IMG_0095.JPGこれは、この夏、伊丹の小中学生と家族が芭蕉の「ふるいけや」の句から、自由な発想でつくったワークショップの作品展で、

IMG_0092.JPG実際に蛙をさわって短冊に文字を書いた作品や、セラミックで作った蛙を展示中です。

IMG_0098.JPG太田研究員が担当した短冊編は前回のブログで紹介しましたが、今回は珍元斎の担当したセラミック粘土ガエルのお話。 P1010175.JPGのサムネール画像

柿衞文庫には、芭蕉が短冊にかいた「ふる池や蛙とびこむ水のおと」の有名な句があります。この句が生まれた場面を創作講談で再現。 P1010178.JPG

内容は、うるう3月の中途半端な季節に、カエルという季語が春と夏という、これまた中途半端ないきものを題材に、江戸は深川の芭蕉庵で腕を競い合ったという、芭蕉の一門の「蛙あわせ」のお話。

P1010181.JPGま、簡単にいいますと「カエルをネタにみんなで句をよもう!」の会でございます。

IMG_8807.JPG多くの門人が芭蕉庵にやってきて、そばを食べたり、酒をのんだりしながら、句を競いあう中で、カエルの句は生またというお話で、IMG_8762.JPG

カエルは今までカジカガエルを代表選手とする鳴く声を描くのがスタンダードでしたが、芭蕉はここではじめて、カエルの行動、すなわちカエル(たぶんダルマガエル)の姿をよんだことが すばらしい!新しい! のでございます。というようなことを一席ぶちまして、

IMG_8815.JPG IMG_8824.JPGその刷り込みのあと、大阪芸術短期大学の堀野先生の指導のもと学生さんの協力でセラミックガエルを作りました。中学生は、クラス用の超大皿に、家族は家族ごとの大皿にカエルを盛り、大阪芸短大で焼成して完成。

IMG_0129.JPG IMG_0143.JPG芭蕉さんをはじめ、柿衞文庫、現代美術作家、大阪芸術短期大学、ひとはく・・・そして、伊丹のこどもたち。人と自然の融合した芭蕉展、ぜひご覧ください! 

今日も秋晴れでいい天気でした。

青空

この写真を撮ったのは、10月初めのブログでも紹介した神戸市北区のイチョウの街路樹です。

http://hitohaku.jp/blog/2009/10/post_475/

イチョウ

▲あのときに比べて、2週間以上たって黄色味が増しましたね(^^)

さて、今日は神戸市立の小学校6年生に「やさしい化石のレプリカづくり」の授業をしてきました。

6年生1クラス、16名の小規模校です。

どれにしようか▲どれにしようかな??

▲みんなで鍋をつついているみたい??鍋をつついている?

これは型を取る「おゆまる」をビーカーの湯でやわらかくしているところです。

型どり▲慎重に型どりです

▲型ができました!!型どり完成

このあと石膏を流し込んで固まるのを待ちました。その間、「地層」「化石のできるまで」「丹波竜の発見」などについてお話ししました。

完成01  完成02  完成03 完成04

▲みんなできました!1番左の写真中央の先生が持っているレプリカは「特製!アンモナイトスタンド」です。みんな新型インフルエンザ予防でマスクをしています。

そして最後は開催まであとわずかと迫った「丹波の恐竜化石特別企画『竜と獣の道展』」を紹介してきました。
ぜひ、来てくださいね!

ひとはくでは、これから2学期後半、6年生が理科で「地層」や「化石」を学習するのにあわせて、「やさしい化石のレプリカづくり」の出前授業にあちこち出かけます。私と西岡敬三指導主事だけではまわりきらないので、化石レプリカセットの貸し出しもしています。(現在2校に貸し出し中です)

また、お問い合わせください。

(主任指導主事兼生涯学習課長 平松紳一)

 二夜連続シリーズの流星報告になりました。

 昨日の観測の時間帯は、午後10時半頃から午前0時頃までおおよそ1時間半でした。確認できたのは5,6個でした、という報告をしました。写真も人工衛星か飛行機の光跡だけでガッカリ。

 

 そこで、昨夜に引き続き観測することに・・・・しかも時間帯をずらしました。午前2時40分頃から午前3時40分ごろまでに作戦変更しました。この時間帯だとオリオン座は、南の方角の天高くにありました。その分、首の痛さも昨日より増しました。

 

画面右下に ☆彡

<2009-10-21 02:57 丹波市青垣町 10mm F3.5 ISO1600 30秒開放>

 

 見えた流れ星は1時間で20個ちょっとでした。昨日より多かったので満足。写真も40枚くらい写しましたが、はっきりわかるのはこの1枚。貴重な写真記録になりました。

 

 次にこのオリオン座流星群が活発になるのは、70年くらい先のことなのだそうです。ってことは、まだ見られていない方は、今夜にでもどうぞ。雲の量も気になります。特に寒さには十分な備えをお忘れなく。

 

情報管理課:八尾 

 

上ってくるオリオン座

 <2009-10-20-23:38 丹波市青垣町 28mm F4 ISO1600 1分間露光>

 

 2006年から多く見られるようになった「オリオン座流星群」。今年も10月19日から23日頃まで、極大になるといわれています。過去には1時間に50個も観測された報告もあり、今年も同程度の流星が期待されています。 

 22時過ぎ頃からオリオン座の全体が見え始めますので、それから真上を過ぎ夜明けで空が明るくなるまでが見えやすいと思います。東方から上ってきますので、街灯などの少ない場所、できるだけ広く空が見渡せる場所を選んで見てください。

 昨夜は、22:30頃から24:00頃までおおよそ1時間半ほど見上げていました。自分で見たのは、だい5〜6個確認しました。一人で見ると一方向しか見えないので見上げている後方に流れても確認できないので、複数人で観測する方が効率がいいと思います。また、夜には気温も10℃を下回り大変冷え込みますので、防寒具をお忘れ無く(温かい飲み物とおやつもあればGood!!)

 

 写真に記録するのは、これまた難しく、運も味方しないと・・・・ちなみに上掲の写真の真ん中、山の稜線のすぐ上方に見える光跡は飛行機か人工衛星です?!

 

 参考ページ<国立天文台>  http://www.nao.ac.jp/phenomena/20091019/

 

情報管理課:八尾

 

桂の甘い香り

2009年10月19日

 深田公園のカツラの葉が色づきはじめ,あたりに美味しそうな香りが漂うようになりました.

カツラの落ち葉を手にとって匂いを嗅いでみてください.まるでお菓子のような甘い焦げたような香りがします.

これは,マルトース(麦芽糖)に熱を加えて焦がすと生成される「マルトール」という成分によるもの.マルトールは松葉などにも含まれ,香料や食品添加物にも使われるそうです.

katsura.jpg

 

←紅葉しはじめたカツラの葉

 

katsuranamiki.jpg

 

←深田公園北西にあるカツラ並木.南西側の遊歩道にもカツラ並木があります.

 

 

 

 

  (自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)

今日も快晴!!秋晴れです。
博物館のある深田公園のモミジバフウ(別名アメリカフウ)も紅葉が見頃になってきました。

モミジバフウ

モミジバフウ02

館内では、日曜日とあって様々なイベントが行われています。
NPO法人「人と自然の会」の第3日曜日恒例のドリームスタジオ。
今日は「どんぐり いろいろ どんぐりこ」です。
13時からですが、始まってすぐに子どもたちが楽しんでいます・・・。

ドングリ01

ドングリ02

ドングリ03▲たくさんのドングリですね(^^)

これからまだまだオープンセミナーがたくさんあります。
みなさん、ひとはくで秋のイベントをぜひ楽しんでください。

(生涯学習課長 平松紳一)
 

明日、10月17日(土)12時半〜14時までひとはくサロンでひとはくだましセミナー2を開催します。県立美術館の「だまし絵」展と連携したミニ企画展「だまし絵といろんなだまし」の県連イベント第2弾!です。

今回のお題は、沢田研究員の「なんやらあやしげアナグリフ」、珍元斎の紙芝居「芝右衛門たぬき」、大谷研究員の「虫のだまし」です。昆虫の3D写真から、たぬき、そして虫の擬態まで、さまざまなだましの世界を体験できます!

IMG_0334.JPGそこで、前回10月12日に行いました、だましセミナー1の模様を少し紹介します。

山崎研究員の建物のだまし。建物のトリックを講談風に語ります。

IMG_0338.JPGさあ、額縁効果!みんな普段より格好よく見えるかな? IMG_0353.JPGつづいては、河南堂珍元斎一座の「たぬきときつねのだまし合戦!」来館者も出演しての大騒ぎの寸劇講談となりました。IMG_0374.JPGたぬきは美術館の四十一斎。きつねは謎の指導主事、山本カン斎です。IMG_0354.JPG

小学3年生の倉橋くん。小売斎として出演。  小6の先輩、売斎くんと大行列をしてくれました。   

IMG_0380.JPGIMG_0359.JPGIMG_0362.JPG                                                                           

 

                                                   上田研究員はボン斎、フロアスタッフの美濃さんはグループ交斎として紅二点出演。総勢7人のおおにぎわいの寸劇講談でありました。

IMG_0400.JPGつづいては、加藤研究員の「なまず絵」。 IMG_0392.JPG江戸時代のおわりにあった安政大地震のあと「なまず絵」が大流行します。その絵師の中に、「だまし絵」で有名な歌川国芳もいました。加藤コレクションなどからの絵解き風に紹介しました。

IMG_0405.JPG最後は、ゲストの登場です。たぬきから人間に戻った県立美術館の橋本指導主事による県立美術館の特別展「だまし絵」展レクチャー。だまし絵の楽しみ方のツボを聞き、だまされに行きたくなりました。11月3日までです。みなさんもぜひ。

IMG_0406.JPGさて、明日はどんな「だまし」が登場するか・・・・。みなさんもひとはくに、だまされに・・・いや楽しく学びにきてください!待ってます。

 

川東丈純

 

さて好評開催中のミニ企画展「だまし絵といろんな“だまし”」のオープンセミナー「ひとはくだましセミナー」を来る10月12日(祝)と17日(土)に開催します!両方とも12時半〜14時までひとはくサロンで行います。12日は、建物、狐狸講談、なまず絵、だまし絵。17日は、虫3D、芝右衛門狸紙芝居、虫擬態がテーマです。

その内容の一部を先月22日に県立美術館でも開催しました「1日だけのひとはく美術館〜ひとはくだましセミナー〜」から紹介します。IMG_9681.JPG県立美術館の「だまし絵」展はその日1万人を超す大賑わい。ひとはくのセミナー会場も立ち見が出て120人もの人。

IMG_9699.JPG司会は久々に元NHKの阿部星香さんです!

IMG_9685.JPGまずは山崎義人研究員の「建物のだまし」。

IMG_9690.JPG建築や都市などの空間は、人々の五感で受けとめられます。 IMG_9693.JPG

そんななかで、だまし絵のように目の錯覚を利用していろんな風に見せるトリックが、あちこちにあります。図と地や錯視・・・その秘密を解き明かしました。 IMG_9701.JPG

2番手は、河南堂珍元斎とぶんがく茶釜。

演目は、きつねとたぬきのだまし合戦!講談「おまんだぬきと細川のおやっさん」でございますIMG_9748.JPG

昔から、人里近くに住んでいる狸や狐は人をだますといわれてきました。 IMG_9712.JPG

本当はそんなことは出来ないのに怪奇現象を妖怪たちととも一身に背負ってきたエライだまし屋のタヌキさんとキツネさんを主人公に、IMG_9735.JPG

淡路につたわる昔話をもとにおまん狸と細川のおやっさんというキツネの化かしあいの物語を寸劇つきで演じました。 IMG_9783.JPG今回も珍元斎の相方、美術館の四十一斎もタヌキとキツネに化かされてフンまみれになる弥平を大熱演でした。12日にはひとはくでその迷演技を披露します。

 

 

河南堂一門も、十七斎のキツネ、小江雅智斎の女房、綾毬奈斎の大名行列と今回は女性陣中心の寸劇で華やかでありました。

  

トリは大谷剛研究員の「虫のだまし」。たくさんの動物の餌になってる虫たちは、つかまらないようにと一生懸命生きています。

IMG_9793.JPGその中で、ハチのふりをしている虫や「だまし絵」のように腰のくびれを模様で擬態する虫・・・ IMG_9795.JPGけなげに生きる虫たちをたのしく紹介しました。会場はさまざまな“だまし”に関心したり笑ったり驚いたり、あの手この手のだまし三昧の一日となりました。IMG_9806.JPGひとはくでのセミナーは2日間のスペシャル版でこの日出演しなかったなまず絵の加藤研究員や沢田研究員も出演します。みなさまもひとはくで、ぜひ“だまし”の世界に浸ってみてください。乞うご期待。

川東丈純

さて、河南堂珍元斎でございます!本日のお話は芭蕉さんとカエルでございます。

芭蕉さんと家にカエルという話ではなく芭蕉さんのあの有名な句「古池やかはづ飛び込む水の音」のかはづ=カエルのおはなし・・・。

IMG_0082.JPGIMG_0085.JPG 10月3日伊丹にあります俳諧の文学館、柿衞(かきもり)文庫で企画展「芭蕉 新しみは俳諧の花」展がはじまりました。

 

 

 

 

 

 

さて、月日はずーっとさかのぼり、今年の夏、7月のこと。太田英利研究員と珍元斎は、柿衞(かきもり)文庫と大阪芸術大学と組みまして、この「芭蕉展」に向けたワークショップをすることになったのでございます。(この企画なんと文化庁の補助金がつきました!)

P1010173.JPGそれは、芭蕉さんのよんだ「古池や・・・」に登場するカエルをテーマにした2つのワークショップ。

1つは、俳人の木割大雄さんと太田研究員のコンビ。

子どもたちが生きているカエルをさわって体感したのち、「古池や・・・」の句を短冊に自由に表現する講座。 P1010180.JPG                      もう1つは、大阪芸大の堀野利久さんと珍元斎のコンビで、芭蕉さんがカエルの句をよんだ「蛙あわせ」の場面を再現した講談を子どもたちが聞いて体感したのち、カエルの焼き物をつくり大皿に盛るというもの。

 

 

 

第1弾はカエル短冊から。7月7日、場所は稲野小学校と鈴原小学校。柿衞(かきもり)文庫の今井美紀館長、木割さん、太田研究員、珍元斎の4人が登場し、カエルまみれの戦いの火ぶたは切って落とされたのございます。

P1010177.JPGまずは、太田研究員によるカエルの生態を解説。なんと世界には4500種のカエルがいるとのこと  。   そのうち日本は40種。うち半分が沖縄。やはり琉球は多様な自然があるんですねえ。

P1010205.JPGカエルは環境の変化に弱く、伊丹にも昔はいっぱいいましたが、だんだん減っていて、今回捕獲したトノサマガエルとヌマガエルは道場町でとってきたもの。夜中に田んぼに入って捕獲中、不審者と思われた・・・などのエピソードを交えながら、子どもたちに楽しくわかりやすく語りました。  P1010212.JPG      そして、いよいよカエルさんをさわります。 P1010206.JPG P1010182.JPG 珍元斎がケースにはいったカエルさんを解き放ち、子どもたちは大騒ぎ、カエルはさわられ、キャーキャーいわれ、えらいこっちゃ!って感じです。

P1010184.JPGおそるおそるのぞく子。顔にのっけてふざける子、まったくさわれず見るのもいやで衝立にかくれる子・・・みんなそれぞれいろんな反応です。 P1010209.JPG

P1010186.JPG散々さわったあと、いよいよ木割さんの指導で、短冊にいろんな絵や文字で「古池や・・・」をかいていきます。 P1010188.JPG

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

  P1010193.JPGP1010197.JPG P1010198.JPG P1010226.JPG

みんな夢中で縦のものや横のもの、多様な作品ができました。カエルさんはというとぐったり、うんざり。

でもカエルさんのおかげでたのしいおもしろい作品ができました。

大活躍のカエルさんはこの日ちゃんともとの道場町の家へ無事カエルことができましたので、ご安心をば・・・つづく・・・・

ドングリ いろいろ

2009年10月 5日

公園や野山を散策すると,大きく実ったドングリが目につきます.

深田公園で見られるドングリをちょっと紹介します.

konara.jpg matebashii.jpg

左の写真は「コナラ」.右の写真は「マテバシイ」.

帽子みたいな部分(殻斗と言います)が鱗状になっています.コナラのドングリは落ち始めたところですが,マテバシイはもう殆ど落ちてしまっています.

sirakashi.jpg arakashi.jpg

左の写真は「シラカシ」.右の写真は「アラカシ」.

殻斗はリング状になっています.まだ未成熟で落ち始めていません.

kunugi.jpg

これは「クヌギ」.まんまるいドングリです.もうかなり落ちています.

5sp.jpgのサムネール画像のサムネール画像

並べてみるとこんな感じ.Aはシラカシ,Bはクヌギ,Cはアラカシ,Dはマテバシイ,Eはコナラです.大小さまざまなことが分かりますね.

10月中旬(種類によっては下旬)頃までなら,きれいなドングリが観察できます.ドングリは晩秋になるとほとんど見つかりませんので,秋晴れの日にでも近々公園を散策してみてはいかがでしょう.

(自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)

先日の神戸新聞に「黄に染まる秋−イチョウ並木神戸で鮮やか−」という記事が掲載されていました。
実はこの場所(神戸市北区)、私の家の近くで、毎日通る道なのです。

神戸北町のイチョウ

▲さっそく今朝、写真を撮ってみました。黄色になり始めたところで、この先まだまだ、きれいになるところです。最盛期はもっともっときれいですよ(^^)

 

神戸三田

 

神戸三田のイチョウ

▲ひとはくへのアクセス途上、神戸三田インターを出て最初の信号を右折したところ、
ちょうど「人と自然の博物館」の道標がある場所もイチョウ並木です。まだまだ「緑」が勝っていますね。

植物にある緑色の色素「クロロフィル」が元気なうちは木全体が緑色ですが、秋になり気温も下がって日照時間も短くなるとクロロフィルが壊れ始めます。残った黄色の色素「カロチノイド」の色が出て黄葉しているのですね。

植物によっては、やがて、葉に残った糖分が赤色の色素「アントシアン」に変わって、いわゆる「秋の紅葉」を楽しむことができるのです。

さて、ひとはくでは昨日・今日の2日連続で「植物画を描こう」というセミナーが開催されています。様々な秋の素材ですね。

植物画

▲植物画の素材 このなかから好きなものを選んで・・・

植物画03 植物画02

毎年恒例のセミナーで、小・中学生たちが熱心に植物に向き合い、ていねいに絵を描いています。
今年はどんな絵が完成するんでしょうね。

みなさん、ひとはくのある深田公園は、これから様々な植物が色づきます。ぜひ、この秋、三田周辺でのマッタケ狩り、栗拾いなどとあわせて博物館の秋の景色・秋の色をお楽しみください!

(生涯学習課長 平松紳一)

今日は昨日までの天気とは違って朝からすっきりと秋空が広がりました。
秋空ひろがる

秋と言えばドングリ!

クヌギ

▲博物館前のクヌギの木には、まだ緑色ですがたくさんの実がついています。

クヌギいろいろ

▲あたりを見渡すと道路には茶色になった実も落ちていたので、ついでに葉っぱも1枚とってまとめて写してみました(^^)

「クヌギ」といえば、ひとはく3階展示室の「北摂の里山」コーナーにある「台場クヌギ」

北摂の里山コーナー

▲ここは子どもたちに人気のコーナーの一つです。ボタンを押すと・・・

昼 夜

▲カブトムシやクワガタなどの虫が集まります

川西市黒川

▲「日本一の里山」といわれ、「菊炭(池田炭)」でも有名な川西市黒川、
実は一昨年の12月に私も、ひとはくの研究員の観察会に行ってみました。
きっと今頃は、パッチワークの里山風景がきれいでしょうね。

服部先生  ケーブル駅横 クヌギの葉

▲服部研究部長の話を聞きながら「日本一の里山」を観察させていただきました。クヌギの葉も色づいています

さて、この10月、”ひとはく”は様々なイベントがあります。
一部をご紹介すると・・・
■今日から始まった「がんばれ!佐用町」展は3階展示室にて。
■開催中の「コウノトリのいる風景」関連のフロアスタッフと遊ぼうは、

→10月3日(土)・4日(日)「コウノトリカードづくり」

→10月10日(土)・11日(日)・12日(月・祝)「コウノトリの巣作り」

→10月17日(土)・18日(日)「パタパタ・コウノトリをつくろう」

いずれも15時から。
■開催中の「だまし絵といろんなだまし」関連の「ひとはく”だまし”セミナー」が、
→10月12日(月・祝)と10月17日(土)、いずれも12時半から4階ひとはくサロンにて。
■そして、10月24日(土)からは「竜と獣の道」展が始まります。

■さらには、11月1日(日)に「ひとはく&恐竜フェスティバル」があります。

それぞれの詳細は、またの機会にブログでもご案内します(^^)

この秋、”ひとはく”にぜひ、”何度も”お越しください!!

(生涯学習課長 平松紳一)

フラハチ君飼育中!

2009年9月26日

河南堂珍元斎でございます。

さて、フラハチ君捕獲大作戦!のその後のその後の一席でございます。

9月4日のフラハチ捕獲大作戦!(その1http://hitohaku.jp/blog/2009/09/post446/ 

その2 http://hitohaku.jp/blog/2009/09/post_449/ )から2週間たった9月18日、フラハチ君たち巣がどうなってるのか?と大谷研究員と巣をのぞいてみました。    

DSCF0344.JPG

巣を気に入ってくれたようで、ちゃんといてはりました。 DSCF0347.JPG  ハタラキバチたちが脚に花粉をつけてかえってきていました。

 

「あっ、なんかへんな人間が来たぞ・・・」

 

 

 

さあ、女王バチさんが卵をうんでくれたかどうか?

DSCF0355.JPG  

 

 

そっと巣を引き出します。

「うわっ、なにすんねん。このおっさん。」               

DSCF0352.JPG  

 

うわー!巣はハチだらけでございます。

「うわーええ巣やなあ。この巣は。住みやすいなあ。住めば都やー。」

DSCF0353.JPG ハチノスツヅリガの幼虫も発見!

この虫は巣虫とも呼ばれ、ハチの巣を食べて大きくなります。

 

 「フラハチの敵!」と大谷研究員は「えい!やー!とう!」っと戦い、ブチッとやっつけました。

 

 「うわ、みつかってしもた・・・・ああ、やられたー・・・・」

 

 

DSCF0364.JPG DSCF0370.JPG

 

女王バチ(真ん中の大きなハチ)はちゃんと卵を産んでいたのでございます!素晴らしい!えらい!

「さあさ、がんばって産むわよ。あんたらもせっせと世話しいや!」

巣にはちゃんとふたができ、この中に幼虫がはいっています。

 

 

 

DSCF0376.JPG  

 

大谷研究員はフラハチたちにごほうびに砂糖水をプレゼント。

「うわー、砂糖水やないか。このおっさん、なかなかええやつやないか!ああ、うまいなあ砂糖水・・・。」

さあ、これから何匹増えるか?乞うご期待でございます。

DSCF0384.JPG ところで、となりの箱にニホンミツバチが巣をつくっていました。ほかの巣箱で飼育していたのが、巣が気にいらず引っ越ししてきたようでございます。

「うわ!なんでわしらの巣開けんねん!こら、おっさん!DSCF0387.JPG

 「あんたの巣は、人間くさあて、いややねん・・。わしらこの箱が気に入ったんや。」

 

 

その点フラハチたちセイヨウミツバチは、与えられた巣で機嫌良くはたらき・・・。えらいぞ!フラハチ!がんばれフラハチ。

つづきは、またのお楽しみ・・・。

 

 

注:ななめの文字はハチたちのセリフです。 

 

 

バッタの秋

2009年9月22日
 バッタの季節というと何となく夏のようなイメージですが,秋は大型種の繁殖期にもあたり,派手なバッタが飛び交うのがこの季節です.

 先週,近くの学校のバタリンピックを手伝いました.「バタリンピック」とは,バッタを採って,飛ぶ時間を競う競技のことです.数年前から国内各地で行われており,三田では有馬富士公園で毎年行われています.
 今回のはその校内版として深田公園で実施されたものです.2学級が12チームに分かれて各チーム5回ずつ計測のチャンスがあります,合計60回の計測は責任重大です.見失った時点で着地とみなしますので,長く飛んだ場合には追いかけて計る必要があります.担任の先生のほか教頭先生も計測を担当してくださいました.で,私はバッタの居そうな場所の案内係兼バッタの種類の区別係,ついでに見つかる他の虫のQ&A担当です.
 結果は最高記録がクルマバッタモドキの9秒06でした.深田公園にはトノサマバッタやクルマバッタがいないので,上位はモドキ勢が独占でした.ほかにはショウリョウバッタやオンブバッタがノミネートしていました(今回はイナゴも特別参加).
 バタリンピックは競技の形をとっていますが,じつはバッタの種類の違いや,その生息環境の違い,飛び方の違いを感じとる行事です.
 有馬富士公園での競技を見学させてもらったところ,種類ごとの飛び方の特性として,「平均」だけではなく「分散」も重要なようです.例年,上位にはアベレージヒッターのトノサマが並ぶ中,平均的には非力に思えるモドキの中になぜか一発長打でトノサマを上回る個体が出現,最長記録にはモドキが奪い取るの事が多いのだそうです,
 3フライトの合計ならトノサマ3匹が定石,最高記録で競うならモドキも加えておくべし.飛形点ならクルマも有力か? 単にどの種類が飛ぶという問題ではなく,構成に戦略が必要なのです.ん〜 バタリンピック道 奥深いっす.

 一昨日はバッタを解剖する講座「虫の体を調べよう」を行いました,受講申し込みのあった各組(親子三人とか)に二匹,消化管などの内臓を観察用と口器の外部形態観察用の分が必要です.毎年,その材料の調達に苦心しています.
 解剖にはなるべく大きなバッタを使いたいので,トノサマやクルマがいる公園に目星をつけておいて,講座の直前に行って必要な分のバッタを捕まえます.ところがやはり相手は自然,年によって採れ具合がちがいます.なるべく直前に新鮮なのを調達と思っていたら,台風が来たりします,
 今年は前々日(金曜日)に採集,気温は十分でしたが曇りがちで,なぜか不漁でした.例年ならそこここに大きな♀が鎮座し,その周りを数匹の♂が互いに牽制しつつ飛翔したり,徘徊しているような状況なのですが,今年はバッタがぜんぜん目立ちません.なぜかカエルが多い(?).しかたなくクルマ,トノサマ,モドキ♀,ショウリョウ♀など大型のものを内臓観察用に必要な分だけ確保,頭部観察用は(なぜか今年は多い)マダラバッタとモドキ♂を使う事にしました.
 講座では各組で顕微鏡を使って解剖し,昆虫の体の構造を学びました.頑丈な箱のような中後胸をハサミで切り,中の筋肉のかたまりをピンセットで切っていき,体全体を背側と腹側に切り分け,内臓を観察します,その過程でキラキラ輝く気管やマルピギー管なども見られます.
 細かい作業なのですべて予定通りに行くわけではありませんが,うまく背中側の板に張り付いた心臓(背脈管)が動くところが見られた組もありました.卵巣に並ぶ卵の大きさに驚いていた子もいました,今から埋めたら孵るかな?などと想像したり … 解剖は虫の命を奪う事ですが,虫の命を奪うからこそ,単に理科の学習としてだけではなく,それぞれに生命の存在を実感してくれたのではないかと思います.

mod-m-s.jpg
クルマバッタモドキの♂

昆虫共生・沢田佳久

博物館周辺も秋の色・・・
先週、ヤマボウシ、ハナミズキをご紹介しましたが、
今日は博物館入口前のコブシ、キンモクセイを撮ってみました。

コブシ

▲赤い実をぶら下げていました

 

キンモクセイ

▲いいにおいが感じられる季節になってきました

 

連休第3日。みなさん今日の予定はもうお決まりですか?
ひとはくは今日、「敬老の日」ということで、県内在住65歳以上の方、無料です。

今日は、

11:00〜デジタル紙芝居「コウちゃんの60日間」

11:30〜展示室ツアー「氷上回廊」

14:30〜デジタル紙芝居「コウちゃんの60日間」

15:00〜フロアスタッフと遊ぼう「バルーンアート」

があります。

企画展「コウノトリのいる風景」、三田市中学校理科自由作品展も開催中です。

ぜひ、本日”ひとはく”にお越しください。

(生涯学習課長 平松紳一)

めっきり秋らしくなってきました。植物たちも冬越しの支度をはじめています。今日はユクノキというマメ科植物の冬芽をご紹介します。 

2枚の写真を用意しました。どこが違うかお分かりですか?右手に持っている葉柄の根元の変化にご注目。下の写真では、葉がついていた場所から白い円錐状のものが顔を出しています。これが冬芽です。葉柄の基部が鞘状に膨らんで冬芽を包み、保護しているのです(葉柄内芽といいます)。今年展開した葉が、来年成長する予定の「枝の赤ちゃん」である冬芽を守っているわけです。よく出来た仕組みだと思いませんか? (自然・環境評価研究部 高野温子)

             CIMG1448.JPG

CIMG1449.JPG

めっきり秋らしくなってきました。植物たちも冬越しの支度をはじめています。今日はユクノキというマメ科植物の冬芽をご紹介します。 

2枚の写真を用意しました。どこが違うかお分かりですか?右手に持っている葉柄の根元の変化にご注目。下の写真では、葉がついていた場所から白い円錐状のものが顔を出しています。これが冬芽です。葉柄の基部が鞘状に膨らんで冬芽を包み、保護しているのです(葉柄内芽といいます)。今年展開した葉が、来年成長する予定の「枝の赤ちゃん」である冬芽を守っているわけです。よく出来た仕組みだと思いませんか? (自然・環境評価研究部 高野温子)

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CIMG1449.JPG

さて、捕獲大作戦!のつづきでございます。

大谷研究員は、ひとはくのハチ飼育場にフラハチ君を連れてかえってきました。 DSCF0330.JPG

そして、入口をあけました。

 

「おー。ここはどこやいな・・・。まあ、日陰やし、ええ感じやないか。ほな、巣の掃除しょうか。」DSCF0333.JPG

 

 

 

とフラハチたちは一生けん命掃除を始めました。 DSCF0336.JPG

 

そして、ハチたちが落ち着くまで、しばらくおいておきました。

・・・それから数時間後。DSCF0337.JPG

巣をあけて、女王バチを探します。もしいなかったら、ほかの巣から幼虫を移すとその幼虫が女王バチに育つそうです。不思議です・・・。

 

 

 

 

 

 

 

なんと、女王バチさんいてはりました。よかった・・・・。写真中央上のちょっと大きめのハチが女王バチさん! 「さあ、子どもたくさん産みまっせえ!」DSCF0340.JPG

 

 

と張り切る女王バチさんですが・・・

さて、この4千匹のフラハチ君たちは、どうなっていくのでしょうか。大谷研究員によると、居心地が悪ければ、どこかへ行ってしまうこともあるようですが、「おそらく、ここで増えていくだろう。」とのこと。

フラハチ君のこれからについては、またのお楽しみ!

 

 

フラハチ君捕獲大作戦!の一席でございました。     謎の講談師 河南堂珍元斎

河南堂珍元斎でございます。本日は「フラハチ君捕獲大作戦!」の一席でございます。

時は、9月4日の午前10時ごろのこと。

旧知の三田市の公園みどり課の生田さんから珍元斎あてに一本の電話がはいりました。

「深田公園でミツバチが大量に地面に群がっています!駆除するのもかわいそうなので、いりませんか?」

そこで、専門の大谷研究員がセミナー中だったので、珍元斎と鈴木研究員で現場に急行! DSCF0246.JPG

なんと、芝生にミツバチがうじゃうじゃ・・・・。市民の通報で、生田さんは立ち入り禁止にしてました。

 

 

 

 

 

 

DSCF0244.JPGすごい数のミツバチで、みんな元気にうごめいています。でも、死んだハチもいるようで、ハタラキバチが群れの外に出しています。 DSCF0243.JPG  

 大谷研究員は「もらいましょうか。」とのことだったので、とりあえず場所の確認をして、あとから、捕獲して三田市に連絡することと相成りました。

 

 

 

 

 

 

 

午前11時半。大谷研究員、鈴木研究員と現場へ。いよいよ捕獲大作戦!でございます。DSCF0251.JPG

 

 

 

 

 

DSCF0253.JPG大谷研究員によるとセイヨウミツバチで4千匹くらい。おそらくスズメバチに襲われて逃げてきたのでは・・・とのこと。でも、ふつうは木の上とかにいて、地面に群がるのは初めて見たそうで、珍しい光景のようで、ございます。

女王バチから巣箱に入れると捕獲しやすいので、女王バチを探しましたが、みつからず、とりあえず、全体を追い込むことに。DSCF0260.JPG

 

 

 

 

 

 

巣箱、ブラシ、煙送風機の3点セットで捕獲スタート!

 

 

まず、煙で群れを追い立てます!

 

「うわ!このおっさん。何すんねん。わしら煙きらいやがな。あーけむー。ゴホゴホ・・・かなんなあ。あっち行こかいな・・・。」

DSCF0271.JPG

ごい!数匹が入口から歩いて入ると、アリの行列のように群れ全体が巣箱に向かって歩き始めました。

 

 

 

 

 

「おお!こんなとこに、ええ巣があったがなあ・・・よかったなあ。」DSCF0266.JPG

 あわせ技で、ほうきとチリトリでごみを入れるようにハチをブラシで段ボールにいれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DSCF0276.JPG

そのうち、飛んで上から入るハチもでてきました。

 

そこに、スズメバチがミツバチの巣をねらって、やってきました

 

「おー、ハチミツたまっとうかなあ。いただきまーす!」

DSCF0286.JPGすると大谷研究員が「パン!」っとブラシで一撃で倒しました。さすが・・・でも、死んだとおもっていても針を刺す能力はあるのでさわってはいけません。

 

 

 「やられたあ・・・。」

 

DSCF0321.JPG門番のハチは、羽を扇風機のようにふるわせ、巣のにおいを外に送り仲間に巣の場所を知らせはじめます。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブーン・・・・おーい!こっちがわしらの新しい巣やぞー!はよう帰ってこいよ!」

DSCF0318.JPG巣箱は押し合いへしあい状態でございます。

「うわー、巣やで、やっと住むとこできたがな。よかったがな。」とワーワーいうております。

 

 

 

 

 

掃除を始めるハチもでで参りました。

 DSCF0307.JPG煙でもっと追いこみます。

DSCF0312.JPG

 

 

ほとんどのハチがはいりました。

 

 

 

DSCF0311.JPG100匹ほど残りましたがDSCF0322.JPG・・・・・・・・・

「あれ?はいられへんがな・・・。おーい、あけてくれ!」   

 

 

なかなかはいらないので、締め切り。非情な世界でございます。

いつもそんな感じだそうです。残された子たちの運命はいかに・・。

どこかに飛んでいってしまうようです。

 

箱をしめて、フラハチ君捕獲大作戦は無事終了。フラワータウンにいたハチなので「フラハチ君」と命名しました。

DSCF0325.JPG 

 

 

 

さて、何もなかったようにさっそうと立ち去る大谷研究員でありました。

かっこいい・・・。

 

 つづく・・・

 

 

  恐竜の親戚?!

 いやいや恐竜ではないんです。ひとはくの建物の中でこっそり這い回っていました。来館されたお客さんは立ち入ることができませんが、私が執務している部屋の近くの廊下の片隅に潜んでました。

 専門家でないので正確なことはわかりませんが、これは、ニホンカナヘビ(は虫類)だと思います。ヘビってついてるけど、ヘビじゃないんだね。有鱗目トカゲ亜目に属します。さらにカナヘビ科、クサカナヘビ属で、図鑑などで調べると日本固有種だそうです。

 体表面が鱗(うろこ)みたいになってる様子から有鱗目という名前になったんでしょうね。でもどうして、ヘビではないのにヘビって名前がついているのかな? ニホンカナヘビ

 身の回りにいて、よく見かける動物や植物でも、わからないことや不思議なことがあるんですね。そんな不思議や疑問を調べて自由研究にするのもいいかも知れません。

 もう2学期が始まっている学校もあると思いますが、まだ夏休みの学校もありますね。夏休みの自由研究や宿題は終わりましたか?
 ひとはくは夏休み中もずーっと開館していますから、宿題がまだの人や自由研究でわからないことなどあれば、どんどん博物館に来てください。

情報管理課:八尾 滋樹 ヘビはきらい!! トカゲもきらい!! 

 夏休みももうすぐ終わるという時期,いつものようにクヌギやコナ
ラなどの樹をゴン!と蹴っても,もはやシロテンハナムグリやカナブ
ンが一斉に飛び立ったりすることもなく,カブトムシも終わっており,
クワガタが落ちればラッキーなほうです.
 代わりに小枝が数本パサバサ落ちてきてきます.小さな虫らきモノ
も数個落下して,ポツポツと音をたてて下草の中に.それが(たぶん)
ハイイロチョッキリです.

 深田公園には蹴れるようなポイントもなく,多くの場所で下草も落
葉もなかったりします.21日の夕方に「ふかたん」の下見をしていて,
コナラやクヌギの木の下に落ちている小枝をたくさん見かけました.
それぞれの小枝にはドングリがついています.ハイイロチョッキリが
ドングリに産卵し,枝ごと切り落としたものです.

2512r.jpg
2513r.jpg
 ハイイロチョッキリは灰色というよりは黄土色の虫で,大きい♀で
は9mmに達する,日本産では最大級のチョッキリです.長い口吻が特
徴です.この口吻でドングリの殻斗の縁付近の薄い部分に穿孔して産
卵します.枝の切り落としもこの口吻で行います.
 ただ,低い所で作業していないと,虫そのものを見つけるのは難し
いかもしれません(成虫の写真↓は三田市内の別の場所で撮影).

1825r.jpg
 この時期,クヌギにはクヌギシギゾウムシもいます.ただし,スズ
メバチには気をつけましょう.

昆虫共生・沢田佳久

 前回は、スマトラ島の大きな町パダンからインドネシア中に拡がったパダン料理の由来と、ミナン・カバウの伝統社会についてお話ししました。今回は、ミナン・カバウの男たちの暮らしについてお話ししましょう。

0809_MMitani4-1.jpg                  (写真:上空から見たパダン上空のようすです。むこうに見えるのがバリサン
 
        山脈、手前はインド洋です。川が蛇行しているのがよくわかります。)

 


 ミナン・カバウは母系社会(ぼけい・しゃかい)です。母系社会というのは、財産や義務の相続(そうぞく)が、母や母の祖先から娘になされる社会のことです。そして、旅が勧められる社会でもあるのです。男たちは皆、あちこちに散っていきます。そんな人のうち、料理の好きな男たちが、自分たちの食べている料理を食堂に並べたのです。それは出身地の名前をとって「パダンの料理」と呼ばれました。これが「インドネシア料理」の代名詞となったパダン料理の由来でした。


 
 「旅が勧められる社会」というと、まず思い出すのは「イスラーム世界のラクダの旅」でしょうか? 王子さま、王女さまが「ラクダに乗って砂漠を旅する」というロマンチックな情景は、歌にも歌われています――実際にラクダに乗ってみたことのある人はわかるでしょうが、ラクダの背中は、乗ってみるとロマンチックでも何でもありません。ラクダが咬みつくことがありますし、尻は痛みます――。インド洋に面したスマトラ島は、インドネシアの中でも、特にイスラームの影響がつよく、ミナン・カバウの人びとも熱心なムスレムとして知られています。「旅が勧められる社会」というのもイスラームの影響だろうかと思ってしまいます。しかし、じっさいには、イスラームの人びとがやってくる以前からミナン・カバウの人びとが持っていた社会習慣でした。


 
ミナン・カバウの人の割合を見ると、多くのコミュニティーはリアウ州やジャンビ州、北スマトラ州という、パダンのある西スマトラ州にとなりあった場所に見られますが、それとともにインドネシアの首都である巨大都市ジャカルタや、さらには半島にある西マレーシア、人工的な都市国家シンガポールにも見られます。シンガポールには華僑やマレーシア人とともに、ジャワ人、ミナン・カバウ人、オラン・ラウト(現在のインドネシア語では「海の人」という意味です。マレー語でも同じ意味でしょうか? “海の民”とでも訳しておきます。土地に定住しない、ノマッドとしてくらす人びとのことです)など、多くの民族が住んでいます。

0809_MMITANI4-2.jpg          (写真2:ブタオザルにヤシの実の収穫をさせていた男性にであいました。
         写真は、まだ若いオスのブタオザルだと思います。男性がつなをひいてサル
         の動きをコントロールします。)



 研究のために日本に来ているリザルディさんは、若いミナン・カバウの男性です。ある時、リザルディさんに、ミナン・カバウの「旅が勧められる社会」についてうかがったことがあります。わたしは、ミナン・カバウは、華僑、つまり「中国から海外に進出した漢民族」に似ているような気がしたのです。するとリザルディさんは、

 「ミナン人――ミナン・カバウの人は、自分たちのことをミナン人と呼びます――と華僑は似たところもありますが、本質は違います。華僑は資本をつぎ込んで大きな商売をしますが、ミナン人は小さな商いです。華僑が家族で移住してくるのに対して、ミナン人は、男だけが“一旗揚げに”よそへ出ていくです。ミナン人は、いつも、もどるべき故郷は確保しています」

と教えてくれました。さらに、

 
  「ミナン人には、成功した人もいますが、事業に行き詰まって貧乏をしている人がいます。でも、ミナン人に共通することは、程度の差はありますが、町と故郷を行ったり来たりしていることです」

  ともつけ加えました。華僑は親せきや縁者をたよって家族ともども海外に出て行き、新しい土地に住み着いて、そこでコミュニティーをつくります。神戸や横浜の「中華街」は、そんな人びとによって作られたコミュニティーです。


 リザルディさんの教えてくれたことを、わたしなりに解釈すると、(現在の?、あるいは伝統的な?)ミナン・カバウの人びとは華僑のように移住するのではなく、田や畑は故郷に残したまま、規模の小さな商売(=行商?)をしにいろいろなところに出ていくのです。つまり、田や畑やアグロフォレストや家は、女性にしっかり守ってもらって、男たちは、さまざまな冒険の旅に出たということでしょう。わたしは男ですが、このような生活にはあこがれてしまいます。

 

0809_MMitani4-3.jpg

        (写真3:リザルディさんの生まれた家は、この近くだそうです。山の斜面に
         つくられた畑があります。葉が赤い木は、日本でも人気が高いクスノキ科の
  
       シナモンです。大切な換金作物です。)



 いにしえのミナン・カバウの移住者や開拓者にかかわる伝説はスマトラ島のあちこちに残っています。スマトラ島ばかりでなく、西マレ- シアは、ミナン・カバウによって15世紀から16世紀にかけて開拓された土地だそうです。

 
ミナン・カバウには、このような文化習慣があったのですが、最近はそれがくずれてきたといいます。たとえばジャカルタのミナン・カバウは、前回も紹介した加藤 剛さんの「都市と移住民:ジャカルタ在住ミナンカバウの事例」(東南アジア研究21巻、1983年)によると、「長期定着を目的とする遠距離都市への核家族ぐるみの移住が一般的となっている。ミナンカバウのいう、“中国風ムランタウ”(=華僑のような家族ぐるみの移住:三谷 注)である。大消費人口をかかえる都市の出現により、行商にしろ露天商にしろ、定着的な商いが可能になり、ひいては核家族による移住が可能となった」のだそうです。<ムランタウ>というのは地理的な移動のことを指します。もともとは「知識や富、名声を求めて村を出ること」を意味しました。現在の貨幣経済(かへい・けいざい)の影響も大きいのでしょう。


 
リザルディさんは、今はアンダラス大学の講師ですが、大学院生のころは日本に留学していました。わたしとは日本留学中に知り合いました。留学のために日本に来て、初めて帰る時には、何をみやげに持って帰るかを真剣に考えたといいます。相手の年齢や、その人が男か女かといったことをよく考えなければなりません。日本に<ムランタウ>をして「知識や富、名声」が手に入った(?)のですから、村に帰る時には山のようなおみやげが必要だったのでしょう。しかし今は、それほど真剣には考えなくなったということでした。(つづく)


   
三谷 雅純(みたに まさずみ)
   兵庫県立大学 自然・環境科学研究所/ 兵庫県立人と自然の博物館

 

※このブログで掲載されている文章・写真の無断転用・転載はご遠慮ください。

□ピクニックは社交の場

家族や仲間はもちろん、気心の知れた人ばかりでなく、ご近所さんやちょっとした顔見知りもお誘いしてピクニックに出かけるのはどうでしょう。普段は挨拶を交わすだけの間柄でも、芝生のラグの上で食べ物を挟んで向き合えば、会話も自然と弾みます。ピクニックはフラットでオープンな社交の場でもあるのです。

 

□ピクニックは人と自然とのふれあい

普段は通り過ぎるだけの芝生に腰を降ろしてみれば、日常の風景も少しだけ違って見えるかもしれません。私たちの身の回りには小さな自然がいっぱい潜んでいます。そんな身近な自然を再発見できるのもピクニックの魅力の一つかもしれません。腰を降ろした芝生、影をつくる樹木、頬をなでる風や眩しい太陽の光まで、ピクニックは豊かな自然に囲まれて生きることの喜びを実感させてくれます。

 

□ひとはくはあなたのピクニックを応援します

人と自然の博物館の周りにもピクニックに最適な場所がいっぱいです。特に目の前の深田公園は、樹林にはさまれた谷一面にみどりの絨毯が広がっており、いつでも私たちのピクニックを待っています。緩やかな傾斜の広大な芝生は、2人の親密なピクニックから1万人の壮大なピクニックまで、どんなピクニックにも対応可能。日中の炎天下はひとはくで過ごし、夕方の納涼ピクニックに繰り出すのはいかがでしょうか?

 

                          takeda2-2.JPG  

 

 

武田重昭(自然・環境マネジメント研究部)

みなさん、クローバーを見つけたことが一度はあるはず。

さて、そのクローバーの葉っぱは何枚でしたか?

幸せの4つ葉のクローバーでしたか?

今日は、クローバーの葉が1〜7枚まで全て見つけてしまった、名人が読売テレビの撮影クルーを引き連れ、植物のプロ高野温子主任研究員を訪ねてきました。

って、クローバーって葉っぱが7枚もあるの???

高野主任研究員によると、2009年5月には、56枚も葉っぱがあるクローバーが見つかったとか。っう、見てみたい。

s-P15.jpg    

名人は、西脇市からやって来てくれたさやちゃん(写真:左から高野主任研究員・さやちゃん・虎谷温子キャスター)。なんと小学校4年生。さえちゃんは昨年5月ぐらいに1枚から7枚葉のクローバーを、自宅の周辺の複数の集団を回って集めたそうです。将来は高野主任研究員のような研究者になるのかな?

虎谷温子キャスターとクローバーについて、より詳しく高野主任研究員から話を聞きました。

1枚葉から7枚葉のクローバーまで集めた小学生の話は聞いたことありません!すごいですね。私もまだ5枚葉のクローバーまでしか見つけたことがないです。」と高野主任研究員。4つ葉が見つかりやすい集団と、3つ葉しかでない集団があるそうです。

 

s-P18.jpgのサムネール画像

この様子は、8月11日(火)午後4:48〜読売テレビ「ten!」で午後5時15分から放映される予定です。(番組内容が変更になったら、ごめんないさい。)

ひとはくには、いろんな専門家がいます。自然について「?」があれば、ひとはくの先生に聞いてみよう〜。

小林美樹(生涯学習課)

 


 先日,氷ノ山で奇妙なものをみました.

 写真でわかるように,アケビコノハの幼虫です.ただしその背中に
なにやら華麗な装飾が!? …よく見ると,トゲトゲのそれぞれが虫
で,たぶん蜂の幼虫です.
1988trm.jpg
このテの光景で思い出すのは,ケムシやイモムシの体から蜂の幼虫
が一斉に出てきて小さな繭を作る,という状況です.コマユバチによ
る寄生です.出てくる現場に出くわすことは稀ですが,廃墟となった
ケムシの近くに小さな繭が鈴なりになっている状況はよく目にします.
 で,問題のシーンはというと,一斉に出てきたとすると,寄生虫が
一カ所にかたまりすぎてます.同じ穴から出てきたためでしょうか?
 そうではなく,シッポを外にして.頭がイモムシに食い込んでいる
のです.

 とても派手な事態なので,そのスジ(寄生蜂屋さんとかイモムシ
好きとかアケビコノハ愛好家とかアケビ愛好家とか)の間では知られ
ているんだろうなと,現場では思って,撮影だけして持ち帰りません
でした.

 ネット上で検索(「アケビコノハ」と「コマユバチ」)してみると,
似た状態を撮影された方がありました(しかも最近,西宮の甲山),
その方の観察は,アケビコノハの幼虫の背中に大量の卵(?)が産み
つけられていて,それが孵って成長し始めるところだったようです.
連絡してみると,そのアケビコノハ幼虫は死んでしまったらしく,背
中の虫の正体は不明のままとの事.
 写真を比較してみると甲山の例は私が氷ノ山で見た状態よりは少し
前の段階のようです.要するに,この虫は外部寄生性,多寄生性の,
たぶん蜂の幼虫だろうということしか,わかりません.

 一方,蜂好きの方々に伺いを立てておいたら,ある方からヒメコ
バチ科の Euplectrus属あたりに似た生態のものがあり,同属には
アケビコノハの天敵であるアケビコノハヒメコバチという種がいる,
という事を教えて頂きました.関連文献には同属の種の幼虫がアワ
ヨトウに取り付いている写真があり,似た雰囲気です.
 ただ,氷ノ山の体のサイズがヒメコバチとしては大きすぎ,もち
ろんアケビコノハヒメコバチかどうかは即断できません,

 やはり採集しとかなあきませんね.

昆虫共生・沢田佳久

2009年7月22日。
今日は日食の日ですよ。みなさん、見ましたか?

ひとはくの前でも、曇り空の間から、見ることができましたよ★


IMG_1937.jpg
うーん。写真に撮ると、ただの三日月ですね・・・


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三田市子ども環境セミナーのみなさん、よかったですね。NPO法人人と自然の会のみなさんが、日食メガネを用意していました。でも、子どもたちは、すぐ飽きたかも・・・

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大人は、真剣に楽しんでいました!

県立大学の皆既日食観測ツアー船に、当館から、先山、大谷両先生が同行されています。
体験記を楽しみにしておきましょう。


(八木 剛)

□ピクニックは楽しい

 皆さん夏休みはいかがお過ごしでしょうか?遠くの山へ森林浴に出かけたり、南の島のビーチに寝転んで過ごすのは、もちろん贅沢な時間ですが、近くの公園や広場で会話や食事を楽しむのも人生を豊かさを感じる至福のひと時です。

 

□ピクニックは美味しい

家族や仲間と青空のもとで食べる食事は、いつもの食卓とは違った魅力があります。日を浴び、風を感じながら、頬張るおにぎりやサンドウィッチは、高級レストランでは味わえない格別な味。味覚だけでなく五感すべてを使っての食事は、お腹も心も満たしてくれます。

 

□ピクニックは人それぞれ

ピクニックには決まりがありません。キャンプのように役割分担をして勤勉に労働することもなければ、ハイキングのような入念な準備や豊富な運動量も不要です。ふと思い立った時に気軽に出かけ、各自が思い思いに過ごすだけ。ピクニックは自由で想像的な屋外を楽しむ過ごし方のスタイルです。

 

□ピクニックにハプニングはつきもの

目的地に着いたら雨が降り出す。食べ物が芝生に転がり落ちる。そういう出来事も過ぎてしまえば楽しい思い出です。あれはまだ少し肌寒い春先のことだったでしょうか。家族で海辺へピクニックに出かけました。広い海を目の前に、息子がさっそく大きな口を開けておにぎりをほお張ろうとしたその時、黒い影がさっと目の前を横切り、一瞬にしておにぎりが消えていました。見上げれば、空でトンビが起用におにぎりを食べています。息子は大泣きでしたが、鳥とピクニックできたと思えば、これもまた素敵な体験。今度は余分におにぎりを持って来なくっちゃ。

 

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     武田重昭(自然・環境マネジメント研究部)

718日(土)アースシアターで「皆既日食、直前案内〜黒い太陽を見よう〜」を行いました。

 

722日は日本で46年ぶりに見られる皆既日食。そして皆既日食の見える時間が、21世紀で一番長い皆既日食です。多くの方々がトカラ列島や硫黄島付近に出かけます。自然現象で一番すばらしく、神々しいといわれており、皆既日食を一度見ると日食病にかかる方が多くいらっしゃると聞いています。皆既日食があると必ず世界のどこまでも出かけていってしまうという病気です。

三田では残念ながら部分日食ですが、でも、8割程度太陽がお月さんに隠れます。なかなかめぐってこないチャンスです。しっかり、事前学習をして安全に見ましょう。

 

 

「あちこち電話で問い合わせてやっと日食の直前学習講座を受けることができます。」と話してくださったお客さまもいました。ワクワクしながら開始を待っています。

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                                            はまぎんこども宇宙科学館より

日食の種類もいろいろあります。今回、博物館のある三田で見ることのできるのは部分日食です。 

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安全に日食を見るために、日食メガネが必要です。直接太陽を見たりサングラスなどで見るのは絶対にしないでくださいね。

7月22日のお天気が心配です。晴れたらいいね!

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                                                                    参加者に抽選で日食メガネをプレゼント。

 日食の観察でやってはいけないこと                              

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世界天文年2009日本委員会

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田中慎悟(NPO法人人と自然の会・星の会)

 

 

 

但馬海岸でユウスゲが咲きはじめています。

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ユウスゲは、山地の草原や海岸の斜面には えるユリ科の多年草で、花茎の高さは1.5 mにもなる背の高い植物です。

夏になると、淡黄色でやや芳香のある花をつけます。

 

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花は夕方に開き、翌日の午前中に閉じるため、ユウスゲ(夕菅)の名がありますが、美しいレモンイエローの花の色から、キスゲ(黄菅)とも呼ばれます。

但馬の海岸沿いには大きな群生地があり、香美町香住の岡見公園や、今子浦の大引きの鼻が有名です。

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先日行った時には3時ではまだ早いですが、4時頃には開きはじめていました。

今の時期は日暮れが遅いので、6時ぐらいまでは写真も撮れそうです。ただ海岸なので、しばしば強い風が吹くことがあり、撮影に苦労するかもしれません。

 

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残照に輝く日本海を眺めながら、ユウスゲ群生に包まれてみると、心が洗われる気がします。

 

            (自然環境評価研究部 高橋 晃)

ひまわり

2009年7月17日

 関東甲信越地方ではすでに梅雨明けがいわれていますが、近畿地方はもうしばらく梅雨がつづきそうです。ちなみに、「梅雨明けは、西から順に東へ」と思っていたのですが、どうやら単純ではなさそうです。

 梅雨が明ければ本格的な夏到来!夏といえば ひまわり

ひまわりの黄色を強調しました 道端のひまわり 
 通勤途中、両側の花壇にひまわりがたくさんありました。といっても、背丈ほどもある大きな品種ではなく、膝から腰高ほどのかわいらしいひまわりたちです。毎朝、ここを通過する時、両側から出迎えてくれます。 この日は、道端に車を停めて、パシャ!!(遅刻しないか心配でしたが)

 ひまわりの原産は、北アメリカ中・西部だそうで、コロンブスのアメリカ大陸発見後、ヨーロッパに広まり、中国を経由して江戸時代(寛文6年、1666年ごろ)日本に渡来したといわれています。
 また漢字では「向日葵」と表記しますが、「日廻り」にちなんでいるとされています。本当に太陽の方を追いかけているかどうかは、身近なひまわりでご確認ください。

情報管理課 八尾 

梅雨明け間近。蒸し暑い毎日が続いています。

さて、ふと深田公園を見下ろすと、3羽のハシボソガラスが噴水プールにやってきました。1羽だけ大きかったので、親子かもしれません。そして何度もためらいつつプールにどぼんと入りました。

カラスの行水

別に珍しくない光景です。黒い色は光を吸収するので、カラスはさぞかし暑いだろうといつも思います。
でも太陽に暖められた噴水プールの水は、涼をとるというよりはむしろ熱いのではないでしょうか。
試しに水温を計ってみました。36.5℃。熱いというほどではありませんでしたが、外気温は32.5度。外のほうがやや涼しいようです。

そこで遅ればせながら、ようやっと気付きました。このカラスたちは、気化熱を利用しているのでした。
気化熱は、水が気体になるときににうばわれる熱のことです。つまりぬれた羽がかわくときに、表面の熱が少し下がります。ちなみに手元の乾湿計の湿度計は、27.5度でした。改めてずいぶ違うことに驚きました。

『カラスの行水』 カラスたちは、ちょっと水に入っただけでさっさとどこかへ行ってしまいました。

(自然・環境マネジメント研究部 遠藤菜緒子)

今年の主役

2009年7月14日
 12日に「小さな虫の標本作り」の講座を行いました.

 標本にするのは主に5ミリくらいの虫で,天気がよければ博物館の周りで採ります.

 例年はコフキゾウムシがよく採れ,顕微鏡で見るとキラキラと奇麗なので,講師と
しては頼りにしている種類なのですが,今回は草刈り直後で激減(>o<)

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 その代わりに主役になってくれたのが写真のオオクチブトゾウムシでした.深田公
園でもときどき採れた虫ですが.今年はなぜかよく見かけます.コナラの葉などに止
まっていることが多いようです.みんなで探して人数分ゲット!
 他の場所でもそんなに珍しい虫でもないけれども多い種でもなく,割と大きなクチ
ブトゾウなので,どちらかというと採れたら嬉しい虫です.

022c.jpg
 野外では黄色っぽい粉で覆われているのですが,標本にすると茶色い背面と緑の側
面のツートーンです.緑色はコフキゾウと同じように鱗片の色です.

昆虫共生・沢田佳久

生涯学習課の両角さんがすてきなTシャツを着ておられたので写真を撮りました。
ひとはくの近くにある、某アウトレットモールのデザインTシャツ専門店で購入されたそうです。

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背中には、モンキアゲハとシロオビアゲハ

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前面には、バラとチョウ。
使われているチョウは、シロオビアゲハ、モンキアゲハ、オオゴマダラ、アサギマダラ、タイワンアサギマダラです。左下のアゲハは、シロオビアゲハの白紋を塗りつぶしてあります。

このTシャツは、白と黒の模様の、しかも、同じような大きさのチョウを選んで、デザインされています。すべて日本で見られるチョウです。デザイナーさんのこだわりですね。このうち兵庫県にいるのはモンキアゲハとアサギマダラで、ほかは沖縄にいます。


昆虫にはいろんな模様がありますよ。
夏休みの宿題に、つかまえた虫を写真にとったり、昆虫図鑑をめくって、いろんなデザインを考えるのも楽しいかも。

昔「ワンダフルデザイン」という企画展で、蛾を使ってネクタイをつくったことがあります。ハーモニー44号(2004年1月号)に記事が出ています。

アートな方々とコラボして「生物多様性のデザイン」とか。そんな企画展、やってみたいですね。

八木 剛(自然・環境評価研究部)

先日、岩手県北上市で行われた木材採集会に行ってきました。植物採集でなく、あえて木材採集というのは、山に生えている樹木を切って、その樹幹を集めるからです。樹幹を集めるためには樹木を伐採しなければならないので、ふつうの植物採集のように簡単にはいきません。まず林野庁に国有林での伐採許可を申請し、許可書を取ってから管轄の森林管理署へ出向き、許可エリアの山や林道の様子を聞き、林道ゲートの鍵を貸してもらって初めて山へ入ります。

山では、おもに花や実をつけている樹木を探し、直径20 cm以下の細い樹木を鋸で切り倒します。太い樹木の場合は、チェーンソーを使い樹幹から材ブロックを採取します。

 

mokuzai1.jpgのサムネール画像            (写真1チェーンソーで材ブロックを採集する)

 

 

切られた樹幹にはラベルをつけ、花や葉と合わせて写真を撮ります。

 

takahasi2.jpgのサムネール画像    (写真2 材にラベルを打ち、花とともに写真撮影)

 

枝先を採って証拠さく葉標本としますが、高い樹木の枝の採集が大仕事で、電線保守用の高枝切りを操るには若者の体力と、年配者の熟練した技術との共同作業が必要です。

 

takahasi3.jpg      (写真3 さく葉標本用の枝先の採集)

 

採集会は現地よりも宿舎に帰ってからの方が大変です。重要な仕事は標本作りと食事の用意です。標本班は、乾燥機にかけている標本の乾燥具合のチェック、さく葉標本の形直し、)、材標本からプレパラート用の小さなブロック切り出しなど、夕方5時から7時過ぎまで休む間もなく作業が続きます。

 

takahasi4.jpg                (写真4 さく葉標本の方直し)

 

夕食は食事班が食料の買出しと料理を担当し、標本整理が終わるころ交代で入浴し、8時過ぎにようやく全員そろって夕食です。調査は基本的に自炊で、10数人の食事を朝、昼、晩と作るのはかなり大変ですが、美味しくても不味くても、自分たちで作った食事での酒盛りは楽しいものです。夜11時頃までには就寝して、翌朝は6時からまた標本チェックと朝食準備。食後、お昼のおにぎりを作って、8時には山へ出発します。合宿のような採集会ですが、フィールド経験の浅い若い人たちには、現地での樹種鑑定や伐倒、標本作りなどの技術習得の場として重要な意味があります。

 

 

takahasi5.jpg    (写真5 若い大学院生たちに材ブロック作りを教える)

 

この木材採集会は、(独)森林総合研究所(森林総研)が主体となり、国産全樹種の木材組織識別データベース化を目的として、樹幹(材鑑標本)、証拠さく葉標本、画像資料、DNAサンプルなどを収集しています。私もひとはくの開館前から参加して、おもに樹種同定とさく葉標本作りで協力してきました。それらの材鑑・さく葉・プレパラートの重複標本は、ひとはくの収蔵庫にも保管しています。

 

takahasi6.jpg            (写真6 ひとはくの材鑑標本)

 

1万点近い日本産材をしかも証拠標本つきでそろえた森林総研の木材標本庫は、世界的に貴重な標本庫として認識されるようになってきました。しかし、まだ国産全種の収集には遠く及んでおらず、木材採集会は今後も継続されることになっています。

 

                                高橋 晃(自然・環境評価研究部)

6月21日に先山先生のオープンセミナー「ホタル石を光らせよう」がありました。
暗闇で光る鉱物を見せていただきました。普通の光の下では、何のへんてつもないただの石のようにしか見えません。しかし、紫外線を当てると、白や緑や赤色に石が光っていました。とても幻想的で、不思議な光でした。

また、ホタル石をアルコールランプで温めて光らせる実験もありました。紫外線で見たときほど強くは光りませんでしたが、ほのかな青白い光を放っていました。この光を見て昔の人は蛍のようだと思い、蛍石と名付けたのだそうです。

珍しいものを見せていただきました。

でも、このように光る石は私たちの身近にもあるのかもしれませんね。気づいていないだけで。

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 山本伸子(自然・環境評価研究部)

6月20日にオープンセミナー「身近な植物観察」があります。

私たちの周りには植物がたくさんありますが、あまり葉っぱには目を向けません。でも、葉っぱはとっても面白いのです。植物によって葉の形はさまざまですし、ひとつの植物の中でも場所によって葉の形が違うこともあります。

また、ルーペや顕微鏡で見るとさらに不思議な姿をしています。葉にある毛はいろいろな形をしていますし、虫がうろうろしていることも良くあります。

拡大してみると葉の表面に小さな穴が空いていました。葉の断面も面白いですね。

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葉っぱをいろいろな角度から見てみましょう。

山本伸子(自然・環境評価研究部)

オープンセミナー

2009年6月17日

「野草のお茶をたのしもう」に6月13日、14日の2日間でのべ180人の方がお茶を飲みに来てくださいました。2日目は小さいお客様にたくさん来ていただきました。においの強いお茶は苦手なようでしたが、カラスノエンドウやビワなどさっぱりしたお茶が人気がありました。

小林先生の「薄くしてみる岩石・化石」も同じフロアでありました。皆さん熱心に顕微鏡を覗いていました。小林先生のオープンセミナーは6月28日(日)にもあります。

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山本伸子(自然・環境評価研究部)

6月13日に大谷先生のセミナー「初夏の鳴く虫観察会」に参加しました。このセミナーは、鳴く虫研究会「きんひばり」の協力で開催されたものです。

初めに大谷先生から鳴く虫の説明を聞いたあと企画展「初夏の鳴く虫と巡回展ぎっちょん君、参上!」の展示を解説していただきました。ここでは、いろいろな質問が飛び交い、参加者の方だけでなく「きんひばり」の皆さんも勉強になったようです。

その後、鳴く虫を探しに、深田公園を散策しました。18:00−20:00までと夜のセミナーだったので、いつもと雰囲気が違っていてとても面白かったです。

残念ながら姿は見られませんでしたが、初めてケラの鳴き声を聞きました。というよりもこれまでケラという名前は知っていましたが、聞き分けたことがなかったのです。少し低くて、今回聞いた中では一番好きな声でした。

今回聞こえた声の主は、コガタコオロギ、キンヒバリ、ケラ、タンボコオロギ、ウシガエル、アマガエルでした。

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次回は、8月22日に「夏の鳴く虫観察会」があります。夏休みの思い出に夜の深田公園で鳴く虫を探してみませんか。申し込み締め切りは8月2日(日)です。

 

現在ひとはくでは、企画展「初夏の鳴く虫と巡回展ぎっちょん君、参上!」が開催されています。興味のある方はぜひ博物館にお越し下さい。

山本伸子(自然・環境評価研究部)

今日はオープンセミナー「野草のお茶をたのしもう」がありました。身近な野草を使ったお茶を楽しんでいただけます。今日は100人近い人が来られ、それぞれ気に入ったお茶が見つかったようです。

明日6月14日(日)も12種類のお茶を用意してお待ちしています。時間は13:00−15:30まで、4階ひとはくサロンにお越し下さい。

身近な自然を味わってみませんか。

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山本伸子(自然・環境評価研究部)

ほたるの乱舞

2009年6月10日

 丹波市内某所にてほたるの乱舞を観ることができます。

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 午後8時30分頃の様子を撮影しました。シャッター開放で昼間のように写ります。

                           (感度はISO1600 絞りは f=4.0 S.S=20秒) 

 

 気軽に身近な自然を観察してみてください。写真に残さなくても、記憶にとどめることで感動が増すこともあります。ただ、マナーには十分ご注意ください。

 

                                                 情報管理課:八尾

奇虫ウロコチャタテ

2009年6月 9日
 ことしもトライやるの中学生がやってきて,深田公園で昆虫採集をして標本を作りました.時間をつくっては何度も公園内を歩き,虫を探しました.

 なかでも興味深かったものは,公園の上流部にある岩の表面にいたチャタテムシ(たぶんウロコチャタテの仲間)でした.
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 1〜2ミリほどの虫が岩の表面にたくさん居て,人が覗き込むと一斉に動きます.動くスピードは相当なもので,例えるなら「磯で見かけるフナムシのような素早さ」です.そして一瞬の間にさっと動き,すぐに静止するので,虫の姿が追えません.よく見ると,岩の小さなくぼみに入り込んで静止しています.体全体が岩肌に似た色で,保護色になっています.チャタテかな? とは思いましたが,採集しないと何とも言えません.謎の動物です.
 で,これを採集するのが難しく,指でつまむのは無理.殺虫管に落とし込もうとの試みも失敗の繰り返しで,とうとうその日は諦めることにしました.翌日,吸虫管で再挑戦,数匹をゲットしました.

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 顕微鏡で見ると,比較的大型の個体でも翅が伸びていない状態でした.まだ若虫のようです.
 ネット等で調べると,どうやらウロコチャタテの仲間らしい,というのが現段階の結論です.

昆虫共生・沢田佳久

ひとはくのパートナー(ひとはく連携活動グループ)であるNPO法人「人と自然の会」のメンバーの西村さんから、写真のようなキュウリを見せていただきました。ご自宅で栽培しているキュウリで、果実から葉っぱがでてきているものです。

 

 

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      写真:キュウリ(果実)の長さが約20cmで、

         葉っぱ(長さ約4cm)がでていました。

 

 

花が終わったあとから、すぐに子房部分(幼い果実)の中央付近に芽のようなものがあり、気になって見守っておれらたようですが、ある日そこから葉っぱが出てきたそうです。

 

この葉っぱが大きくならないかと期待されていたそうですが、しおれてきたので、今朝(6月5日)、茎から切り採ったとのこと。

 

午前中に、わざわざ、ひとはくに持ってきていただきました(館員数人で、見せていただきました)。

 

 

その後、大切に箱に入れて持って帰られました。

 

夕方、電話でお聞きすると、すでに食べられたそうで、「甘味のある感じでした」とのことでした。

 

 

今日は、珍しいものを「生」で見せていただきました。

 

 

(小舘誓治 自然・環境再生研究部)

 

 

5月30日に白髪岳のセミナーがありました。今回のセミナーは、ただ植物を観察するだけでなく、参加される方と一緒に植物調査をおこなうものです。前回は文保寺周辺で調査しましたが、今回は白髪岳山頂まで登りました。

当日、午前中は良い天気でしたが、下りで雨に降られてしまいました。白髪岳はそれほど危険なところはありませんが、最後のひと登りが急なので、ここで雨に降られなくて良かったなと思います。

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登山口付近では、コガクウツギやコアジサイなどアジサイの仲間がきれいな花をつけていました。山頂付近ではツツジの仲間がたくさんありました。また、ブナやイヌブナのかなり大きな木があり、驚きました。

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山本伸子(自然・環境評価研究部)

ハチ北の植物

2009年6月 2日

現在、ハチ北観光協会と地域支援を目的とした共同研究をおこなっています。今年で3年目になりますが、これまでは博物館の研究員がハチ北の方達の講師として出向いていました。

5月28、29日にハチ北観光協会主催の「ハチ北自然案内人講座」に参加しました。
今回はハチ北の方が講師となって自然案内をするための資料作りや、、我々をお客さんに見立てた予行演習などを2班に分かれておこないました。

初日は、案内する場所の下見をおこなったあと、絵や写真を使った資料を作りました。皆さん熱心に調べものをしたり、絵を描いたりして、19:30頃までがんばりました。

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次の日は資料を使いながら実際にお客さんを案内する練習をしました。みなさんとても上手に説明されていて驚きました。昔の出来事や、その土地の方言などを交えての説明には興味を引かれましたし、ここの自然が本当に好きなんだなということが伝わってきました。最後に反省会をして終わりました。

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 とても雰囲気の良い場所で、自然を満喫できました。

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山本伸子(自然・環境評価研究部)

5月27日、山本さんと一緒にセミナー下見のため篠山市の白髪岳に登りました。山頂で昼食をとった後、タニウツギにスズメガが訪花しているのに気づき、写真を撮りました。口吻が花に差し込まれているのが分かるでしょうか?このスズメガ、写真を八木研究員に見せたところヒメクロホウジャクであると判明しました。 高野 温子(自然・環境評価研究部)

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5月30日におこなわれるセミナーの下見のため、白髪岳(しらがだけ)に行ってきました。
今回の白髪岳のセミナーは、ただ植物を観察するだけでなく、参加される方と一緒に植物調査をおこないます。前回は文保寺周辺で調査しましたが、今回は白髪岳山頂まで登ります。

今日は曇り空で山登りには最適でしたが、予想より蒸し蒸しする天気で、汗だくになりながら登りました。
もしかして端境期で花が何もないかもしれないと心配しましたが、ツツジの仲間が沢山花をつけていました。

最後の登りはロープを伝っていくところがあります。30日はあまり良くないとの予報ですから、足下の準備を怠らないようにしましょう。

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山本伸子(自然・環境評価研究部)

インドネシアは広い国です。広い国土と自然の中で人びとがさまざまにくふうしたために、文化や食べ物もさまざまです。もともとインドネシアはひとつの民族からなり立っているというよりも、さまざまな民族がより集まってできた<人工の国>でした。ですから、もともとは民族集団ごとに特色のある文化があり、料理があったのです――料理はりっぱな食の文化です。ところが、そのようなインドネシアにも、例外的にひろく拡がった料理があります。それはパダン料理です。

 パダン料理は「インドネシア料理」と紹介されることがありますが、もともとスマトラ島の一地方料理、ミナン・カバウの料理でした。ミナン・カバウは西スマトラ州のミナン・ハイランドと呼ばれる山岳地域を中心に住んでいたのですが、今では西スマトラ州――そこにパダンという都市があります――はおろか、インドネシア全体にひろがりました。なぜ、そんなに広がったのでしょう?それはミナン・カバウの伝統社会のあり方と、おおいに関係があります。

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(写真:パダン料理店 屋根は典型的な「ウシのつの」型をしています。建物の右下には、外からでも見えるように、いくつもの料理が並んでいます。)

 

 皆さんは母系(ぼけい)社会という言葉(ことば)をご存じでしょうか?現在の日本では、人は死ぬ前に遺言(ゆいごん)を書いておけば、たとえば自分の財産(ざいさん)を受け取る人を決めておくことができます。遺言がなかったら、男であるか女であるかを問わず、家族ならどの人でも、法律で決まったわりあいで受け取ることができます。財産以外では、これは法律で決めてあるわけではありませんが、たとえば誰がお墓を護(まも)るのかといったことを習慣として決めておきました。このことを相続(そうぞく)と言います。母系社会というのは、その相続が母や母の祖先から娘にされる社会です。前回、紹介したアグロフォレスト(=屋敷林:やしき・りん)も、ミナン・カバウの人たちにとっては母の持ち物であり、娘に引き継がれるべき財産です。

 ミナン・カバウは、現在でも母系社会をたもっています。ただ母系社会とはいっても、お父さんの役目は、日本で見るのと変わりはありません。ある日、パダンのアンダラス大学でお世話になった先生のおうちで、夕食をごちそうになったのですが、その家庭のホスト役は、おだやかなお父さんが、もの静かに務めておられました。母家長(ぼ・かちょう)であるはずのお母さんはごちそうをつくるのに忙しく、あまり長い間おしゃべりをしたという記憶はありません。

 いずれにせよ、システムとしては母系の社会なのです。そして旅が自由にできる社会でもあるのでしょう。土地にしばられるようなかつての日本では考えにくかったことですが、男たちは皆、商人としてあちこちに散っていきます。そんな商人のうち、料理の好きな男たちが、自分たちの食べている料理を食堂に並べたのです。それは出身地の名前をとって「パダンの料理」、つまりパダン料理と呼ばれました。これが「インドネシア料理」の代名詞であるパダン料理の由来です。

 

パダン料理店では、お客が食事に来ると、まず、小皿に盛った肉やさかなを、これでもか、これでもかと、お客の前のテーブルいっぱいに並べます。その中から、お客は、自分の食べたいものを好きなだけ食べ、最後に店員が客の食べたものを確かめて、お金を請求するというやり方です。この方法だと、自分の腹具合にあわせて好きな物をほしいだけ食べらます。その上、あまりインドネシア語ができなくても問題にはなりません。よい制度だと思うのですが、でも、ついつい食べ過ぎてしまう人もいるかもしれません。

s-mitani3-2.jpg(写真2:レストランで働く若い男たち 女に比べて圧倒的に多くの男、というより少年が働いています。)

 

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(写真3:わたしの前に並んだ料理の数かず すべて食べるわけではありません。基本的に、牛肉と鶏肉、それに魚料理です。左の白いひげ面がわたし。右はアンダラス大学の講師リザルディさん。)

 

スマトラ島はインドネシアでは、いちばんイスラームの影響が強いところですから、パダン料理ではブタ肉とお酒は絶対に出ません。豚肉とお酒は、イスラームではタブーです。それにインドに近いからでしょうか、パダン料理にはカレー粉をよく使います。「インドネシア料理」とカレー粉の取り合わせは、パダン料理の影響だと思います。でもパダン料理には、ほとんど野菜を使いません。ミナン・カバウの人たちは、野菜の代わりに果物を大量に食べて、繊維質やビタミンを補うのだそうです。それでも、西スマトラは高血圧の人が多いのだと聞きました。

 

s-mitani3-4.jpg(写真4:屋台に並べられたドリアン パダンの街(まち)はドリアンの季節でした。家のアグロフォレストから取ってきて、屋台に並べます。すると、ほしい人がひとつひとつ品定めをして、よいと思うドリアンを割ってもらいます。すると大きな種を包む甘い種皮があらわれます。ほおばるとカスタード・クリームのようです。)

あちこちに散っていったミナン・カバウの人たちは、パダン料理を食べるとき以外でも、郷里である西スマトラの山や田んぼをなつかしく思うのでしょうか?
 
 なつかしく思うのだと思います。たとえば、インドネシアで一番大きな大都市ジャカルタには、ミナン・カバウの各村の同郷会があります。この同郷会は、たいへん人びとの結びつきが強く、たとえジャカルタ生まれであったとしても、自分はミナン・カバウだという思いは消えないそうです。
 
 その他にも、在ジャカルタ・西スマトラ州連絡事務所という、まるで「ミナン・カバウ大使館」のようなはたらきをしている事務所や、ミナン・カバウの伝統的な踊りや音楽を演ずるための組織、ミナン・カバウの言葉を守ろうというのでしょうか、ミナン・カバウ・アナウンサー協会といった専門家の団体まであります。このようなミナン・カバウの組織は、今でも、西スマトラの郷里に残る人びとと深い精神的つながりを絶やすことはないようです。
 
 わたしは昔から、パダンや西スマトラ州周辺のべつの都市を訪れたとき、若い男性のなれなれしさにおどろいたことがありました。そのような「なれなれしさ」は、この文章を書いていて、旅と漂泊(ひょうはく)の裏返しなのではないかと気がつきました。父系(ふけい)社会と土地にしばられた日本では、なかなか見られなかったことです。でも漂泊の人生は、たとえば中国やインドの人びと、「アラブの商人」と呼ばれるイスラーム世界の人びと、ロマの人びとなど、地球の上では広く見られます。そのことを思うと、案外、日本のような「同じ場所に住み続ける人」の方が珍しいのかもしれないなどと考えたりもします。
 
 今回の文章では、東南アジア研究21巻に載っていた加藤 剛さん(1983)の「都市と移住民:ジャカルタ在住ミナンカバウの事例」という論文を参考にしました。(つづく)
 
三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所/ 兵庫県立人と自然の博物館

 

※このブログで掲載されている文章・写真の無断転用・転載はご遠慮ください。

 

丹波の植物を調べる

2009年5月24日

植物リサーチクラブ専修科の有志の方達と丹波の植物を調べに篠山市に行きました。その中には地域研究員の方が3人いらっしゃいました。今回の調査はセミナーではありませんでしたが、リサーチクラブ共通のテーマで、希望者と丹波地域の植物を調査するというものです。

まず篠山口IC近くに集合し、どこに調査に行くかを決めました。そして、沢沿いに2箇所で調査しました。沢沿いのせいもあってか涼しく、フジやヤマブキがまだ咲き残っていました。天気はあまり良くなくて、午後から雨が降り出しましたが、なかなか良い調査だったと思います。

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夏頃にはまた違った植物に会えそうです。

山本伸子(自然・環境評価研究部

本日(5月24日)開催のオープンセミナー「身近な植物を顕微鏡で観察しよう」の準備のため、博物館のすぐそばにある深田公園でモチツツジの花を採集しようとしていたら、ブーンと大きな羽音が。。ハチかと思いきや、スズメガの仲間でした。野外に行くときは何を見つけるか分からないので、いつもデジカメを持参しています。これはシャッターチャンス!と思い、カメラを構えました(写真)。博物館に帰って、昆虫が専門の八木研究員に写真を見せたところ、スカシバというスズメガであることが判明しました。 羽が透けているところから「透かし羽」という名前になったとか。

その後八木氏から、このスカシバはオオスカシバであるというコメントが寄せられましたので、ご報告します。

 

高野温子 (自然・環境評価研究部)   sukashibaweb.jpg

オチフジはシソ科ラショウモンカズラ属の1種で、世界中を探しても近畿地方にしかないという、非常に珍しい植物です。この植物の実体を明らかにするために交配実験や訪花昆虫の調査、DNAの解析をおこなっています。

オチフジは流れのある沢沿いの急な斜面や、がれ場に生育しています。今回は兵庫県内のオチフジの生育地で結実率の調査とDNAサンプルの採取をおこないました。

花はすでに終わって実になっていました。結実率は良く、1つの花に4個ないし3個の果実をつけていました。他家受粉をおこなった個体でも良く実をつけていました。

  ochihuji.JPG   4月26日   ketsujitsu.JPG   ochihuji-tyousa.JPG  

 

ただ、盗掘された痕跡があり、前回花が咲いていた個体がなくなっていました。オチフジは絶滅危惧植物に指定されている希少な植物です。見つけても珍しいからと持って帰ったりせず、大切にしてください。

(自然・環境評価研究部)

皆さん、一度は四つ葉のクローバーを探したことがあるのではないでしょうか。
クローバーとはマメ科のシロツメクサのことです。普通は3枚の小葉をつけますが、稀に4枚つけることがあります。

セミナーに参加してくださった方が五つ葉のクローバーを見せてくださいました。この五つ葉の不思議なところは羽状になっていることです。同じ所から小葉が5枚出ているものは見たことがありますが、羽状になっているのは初めて見ました。おもしろいですね。葉が四つ葉になる原因は環境によるものと遺伝子によるものとがあるようです。この五つ葉は同じ株でいくつも出来ているそうなので、きっと遺伝子によるものなのでしょう。

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さて、聞いた話では四つ葉は幸福、五つ葉は金運、六つ葉は名声を呼ぶのだそうです。知りませんでした。
そこで、私も四つ葉のクローバーを探してみることにしました。四つ葉のクローバーを見つける 「
こつ」 は、人や車に踏まれるようなところを探すことです。
博物館の周りを探してみると、ある株でたくさんの四つ葉を見つけました。また、四つ葉になりかけのものや五つ葉などもありました。

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皆さんもシロツメクサを見つけたら、四つ葉のクローバーを探してみてはいかがでしょう。

山本伸子(自然・環境評価研究部)

ユズ(柚子)の葉にいたこの幼虫はなんでしょう?? 

遠目には鳥のフンそのもの.白い模様の入り具合なんて絶妙です.

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正解はナミアゲハの幼虫.

鳥のフンに擬態していると言われていますが,納得です.

下の写真は左から1齢幼虫,2齢幼虫,4齢幼虫,5齢幼虫. 5齢幼虫は緑色で鳥のフンには擬態していませんが,大きな目玉のような模様があって面白いですね.この緑色の幼虫にまで成長すると,やがて蛹になり,成虫になります.

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私の専門は植物.次回こそは植物の話題を提供したいと思います(^ ^).

(自然・環境評価研究部 布施静香)

4月19日に白髪岳(しらがだけ)ふもとの文保寺でセミナーがありました。
白髪岳でおこなわれる2回のセミナーは、ただ植物を観察するだけでなく、参加される方と一緒に植物調査をおこないます。

今回は文保寺周辺で調査しました。午後1時から始まるセミナーでしたが、10時にはすでに来られて、白髪岳を登ってきたという方もおられるくらいで、12時30分にはほとんどの方が集合していました。そして各自、自主的に調査を始められていました。今回のセミナーの趣旨を説明したあと3班に分かれて調査をおこないました。

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きれいな花や目立たない植物などを採集し、最後にどのような植物があったのかを発表しました。皆さん熱心に講師の説明を聞いていました。

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今回観察できた植物は以下のとおり。
カテンソウ、サンショウソウ、ミミナグサ、ハコベ、ミドリハコベ、ミヤマハコベ、クロモジ、ニリンソウ、オウレン、ヒメウズ、アケビ、ミツバアケビ、ミツバアケビ、ミヤコアオイ、クサノオウ、タケニグサ、ニシノオオタネツケバナ、タネツケバナ、オオバタネツケバナ、ヤマネコノメソウ、コチャルメルソウ、オヘビイチゴ、ビロードイチゴ、クサイチゴ、ナガバモミジイチゴ、ミヤマカタバミ、コクサギ、ナワシログミ、タチツボスミレ、オオタチツボスミレ、ナガバノタチツボスミレ、キブシ、セントウソウ、コバノミツバツツジ、キランソウ、タチイヌノフグリ、ニワトコ、コバノガマズミ、オオカメノキ、ヤブタビラコ、サルトリイバラ、スズメノヤリ、ヤマスズメノヒエ、ムロウテンナンショウ、ヒメカンスゲ、ナルコスゲ、オクノカンスゲ、タニガワスゲ、ノゲヌカスゲ、ニシノホンモンジスゲ、イヌガンソクなど


まだ芽生えの草本や芽吹いたばかりの樹木で分からなかったものも、次回の5月30日におこなわれるセミナー「白髪岳の植物を調べる(2)初夏の植物」のときにははっきりするのではないでしょうか。次回が楽しみです。

山本伸子(自然・環境評価研究部)

 毎年やっている深田公園でのオトシブミ観察会を,10日に行いました.結果は全部で5種(揺籃4種,成虫2種)でした.
 ヒメクロオトシブミはクヌギの苗木に成虫も揺籃も見られたのですが,切ったり巻いたりしている現場は見られませんでした.例年,作業中の個体が見られるハギルリオトシブミも,今年は成虫が摂食しているだけでした.今年はあらたにエゴツルクビトシブミの揺籃が多数みつかりました.何年も前から目をつけていたエゴノキなのですが,今年突然降って湧いたように出現,しばらく成虫を探したのですが,結局見つからず,

 深田公園はちょうどモチツツジの季節です.
 モチツツジはコバノミツバツツジより数週間遅れて咲きます.柔らかな色で,花も大きいのですが,あまり人気がないように思います.たぶん奇麗に咲いていないからでしょう.たいていはどこか傷があったり,複数の花がグシャッとかたまっていたりします.近づいてみると蕾や萼がネトネトで虫がへばりついています.要するに,きちゃない.

 虫目線で見ると,モチツツジの蕾はかなり魅力的,有用な資源に映る(たぶん匂いで)らしく,いろんな虫が魅せられ引き寄せられます.その食害を防ぐためにモチツツジは(「おいしそう」はそのままに)このトリモチ戦術を発達させたのでしょう.殺生な,とはこの事です.その結果,実に様々な虫が捕まって死んでいます,粘着した半死の虫を吸血して回るサシガメなども存在します.地獄絵図です.

 しかし,トリモチ戦術も完璧ではありません.ツツジトゲムネサルゾウムシは,これに適応した虫です.この虫はモチツツジの蕾に穴をあけ,産卵するのです.もっともネトネト度が高い(?)蕾の表面でさえ,ゆっくりですが掻き分けるように歩くことができます.
 共進化の観点からいうと,モチツツジをモチツツジにしたのは,たぶんこの虫です.と同時に,ツツジトゲムネサルゾウムシをツツジトゲムネサルゾウムシにしたのも,たぶんこの木です.そして果てしないネトネト化競争は今も続いているのでしょう.

昆虫共生・沢田佳久

ウメの木に見慣れない昆虫がくっついていました.
なんだこりゃ?
ぎょっとするほど真っ赤です.
体長は2.5cmほど.遠目にも目立ちます.
サシガメの仲間のようなのですが...

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気になったので昆虫が専門の研究員である沢田さんに尋ねてみました.
その結果「脱皮直後のヨコヅナサシガメ」であることが判明.
そう言えばお尻の方にくしゃくしゃの皮がくっついています.

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sashigame3.jpgのサムネール画像

近くには若虫(小さめの黒い個体)と脱皮を終えたらしい成虫(大きめ黒い個体.体の両脇にひらひらした白い翅があります)もいました.
真っ赤なのは脱皮直後だけ.成虫になると白い部分以外はあっというまに黒くなってしまうそうです.
良いものを見たなあ,と得した気分になりました.

(自然・環境評価研究部 布施静香)

 

4月29日に多紀アルプスでセミナーがありました。
昨年は雨で中止になってしまいましたが、今年は雲ひとつない快晴で、山歩きにもってこいの天気でした。

JR篠山口駅に集合し、簡単な挨拶と説明のあと、栗柄に向かいました。まず、栗柄で「谷中分水界(こくちゅうぶんすいかい)」の説明や河川争奪の話を聞きました。

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そして、三嶽へ向かいました。植物の話やチャートの話を聞きながら、三嶽を目指しました。登りはかなりしんどく、鎖場などもありましたが、参加された皆さんは足取りも軽くさくさくと登っていくのに驚かされました。

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鎖場を抜けるとホンシャクナゲやヒカゲツツジなどが、丁度盛りを迎えていました。前回の下見をしたときには、花が終わっているかもしれないと心配していましたが、ここ数日の気温の低下で花が長持ちしたようです。

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途中から西ヶ嶽に直接向かう組みと、三嶽に登ってから西ヶ嶽に向かう組みとに分かれて進みました。
西ヶ嶽山頂で、我々がツツジに夢中になっている間、皆さんは小林さんから地質や地形の説明を受けていました。

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お1人、途中で帰られた方がいらっしゃいましたが、その他の皆さんは無事に西ヶ嶽をまわってこられました。結局16時30分までの予定が17時過ぎの解散になってしまいましたが、皆さんには楽しんでいただけたようでした。

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山本伸子(自然・環境評価研究部

春の日に川の土手を歩いているとピュルと鳴きながら地面から飛び上がる鳥がいます。見ていると、複雑な歌い回しで(とても文字にはできない)さえずり続けながらちょっとずつ上空へと舞い上がっていきます。どこまでのぼっていくのだろうか?首の後ろが痛くなってきました。青い空の高い所に小さなしみのような影になって、ヒバリはいつまでもさえずり続けています。

 

 

photo_1.JPG(写真1)飛んでいるヒバリ

 

ヒバリは、河原や田畑、草原など開けた草地にすんでいます。地上にいるときは、うすい茶色に黒の細かい模様があるため、なかなか見つけけることができません。この鳥は冒頭のような特徴的な行動をします。これは、ほかのヒバリに自分のなわばりがあることを伝えるための行動だといわれています。ヒバリが、さえずりながら再び地上に降りてくるまで数分、時には10分間、彼らはさえずり続けるのです。

 

 

photo_2.JPG(写真2)地上にいると見つけられない

 

ヒバリは、昭和生まれの人間には非常に馴染みの深い鳥です。昭和の大スター美空ひばりさんのおかげでもあります。でもそれだけではありません。かつて家のそばまでずっと広がっていた田畑は、丈の低い草地を好むヒバリにとって、とてもすみやすい環境でした。また、肥えた土にはエサとなる虫も多かったのでしょう。しかし、都市化にともなって田畑は少なくなりました。特に大都市である東京では、ヒバリがずいぶん減少したといわれています。この傾向は、日本だけでなくヨーロッパでも見られています。

 

 

photo_3.JPG(写真3)ヒバリのいる環境

 

ひとはくの近くでは、『恐竜ラボ』裏手の空き地にすんでいます。もしかしたらニュータウンとして造成された空き地は、田畑の代わりにヒバリのすみかとなっているのかもしれません。エサとなる動植物が多ければなおのことよいのですが。

さて、平成の子供たちはどれくらいヒバリを知っているのでしょうか?散歩中に「ピュルリリピュルリリ・・・」と何やら切羽つまったような鳴き声が聞こえてきたら、子供たちとともに空を見上げてヒバリを探してみてください。春先を過ぎると地上でさえずることが多くなるので、春の風物詩といえるでしょう。

 

遠藤菜緒子(自然・環境マネジメント研究部)

ほうれん草って花が咲くの?

もちろん咲きます.

ちょうど今頃が花の時期.株の真ん中から伸びた茎にたくさんの花をつけています.

雄株に咲いた花   雄株に咲いた花

雌株に咲いた花   雌株に咲いた花

 

ほうれん草には雄株と雌株があって,それぞれ写真のような花をつけます(注1).雄株は茎の先にかたまって花をつけていますが,雌株は葉のつけねに数個づつつけています.

もう少しアップにしてみましょう.

 

 

雄花

これは雄花.白く見えるのが花粉です.

雌花

 

これは雌花.白いヒモのような物は,花びらではなく長く伸びた雌しべです.

ほうれん草は風媒花(風に花粉を運んでもらう花).色鮮やかな花びらも目立つ大きな花も持ちませんが,風媒花らしい独特の花が面白いですね.

 

 

(注1)雄花と雌花を両方つける両性株も報告されていますが,一般的には雌雄異株です.

 

(自然・環境評価研究部 布施静香)

遅咲きの桜もそろそろ終わりを迎えつつありますが、雑木林に目を向けると濃いピンク色をした花が山に彩りを添えています。

この花は、コバノミツバツツジです。ツツジ科の植物で、「小葉の三つ葉躑躅」という意味です。枝先に小ぶりの葉を3枚つけることからこの名前がつきました。

  zentai.JPG   tsutsuji.JPG   mitsuba.JPG

 

この花を手にとってよくよく見てみてください。

雄しべの先についている葯(やく)はバラやツバキのものとは少し違った形をしています。葯は壺のようになっていて、先端に小さな穴が空いています(写真左)。このような葯を孔開葯といいます。

この葯の中には花粉が沢山入っていますが、花粉を出してみると、沢山の花粉が蜘蛛の巣にかかったようにくっついて出てきます(写真中)。これは、花粉に粘着糸と呼ばれる糸があるからです。

最後に花びらをはずしてみると、めしべの基部に白い長い毛が沢山生えています(写真右)。これがコバノミツバツツジの特徴です。

  yaku.jpg    090417009-2r.jpg   shibo.JPG    

 

皆さん、外に出るときにはぜひ虫眼鏡を持って、このような植物をじっくり観察してみてください。

山本伸子(自然・環境評価研究部)

明日おこなわれるセミナーの下見のため、白髪岳(しらがだけ)ふもとの文保寺に行ってきました。
今回の白髪岳のセミナーは、ただ植物を観察するだけでなく、参加される方と一緒に植物調査をおこないます。皆さんで手分けして植物を採集し、文保寺周辺にどのような植物が生えているのか調べ、リストにしたいと思っています。

今日は天気も良く、春に見られる植物が沢山花をつけていました(写真)。明日も晴れる予報ですから、楽しく調査できるのではないでしょうか。

himeuzu1.JPG    katenso2.JPG    nirinso3.JPG

 

興味を持たれた方は、5月30日におこなわれるセミナー「白髪岳の植物を調べる(2)初夏の植物」にお申し込み下さい。この回は白髪岳を登ります。締め切りは5月12日です。

山本伸子(自然・環境評価研究部)

急に気温が上がったので,たくさんの花が咲いてきましたね.
ピンクや黄色の鮮やかな花の傍らで,渋い黒紫の花を見つけました.
これは「ゴヨウアケビ」の花.
大きい花が雌花で,葡萄の房のように見える小さい花が雄花です.
ゴヨウアケビは「五葉アケビ」の意ですが,3つに分かれる葉や5つに分かれる葉などさまざま.
それは葉が3枚に分かれる「ミツバアケビ」と5枚に分かれる「アケビ」の雑種だからです.
良く見ると葉の縁がぎざぎざだったりつるんとしていたりと,これも「ミツバアケビ」と「アケビ」の特徴が混ざっています.
博物館のある深田公園にはアケビやミツバアケビが(もしかしたらゴヨウアケビも!?)生えています.探してみてくださいね.

【探すヒント】
・つる植物なので,他の植物にからまっています.
・ミツバアケビの花はゴヨウアケビに良く似た色ですが,アケビの花はもっと白っぽい色です.

goyoakebi.jpg

(自然・環境評価研究部 布施静香)

春を代表する花を紹介します。
今回は、特に目立たないけれど身近に生えている可憐な花を紹介します。

ひとつめはキュウリグサです。この花はムラサキ科の植物で、葉を揉んで匂いをかぐとキュウリの匂いがするというので、この名前がつきました。花が好きな方はご存じかと思いますが、ワスレナグサの仲間です。花序はサソリの尾のように巻いているのが特徴です。

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ふたつめはノヂシャです。この植物はヨーロッパからやって来たオミナエシ科の帰化植物です。花をよく見ると、秋に咲く黄色いオミナエシによく似ています。葉をサラダにするそうですが、残念ながら食べたことはありません。

  nodisya1r.JPG   nodisya2r.JPG   nodisya3r.JPG

 
キュウリグサ、ノヂシャともに3枚目の写真の白線は1mmを示しています。どちらも花は小さく目立ちませんが、よく見るとかわいらしい姿をしています。

そろそろお花見の時期も終わりに近づいています。この週末に最後の花見を楽しみながら、これらの小さな花たちに目を向けてみてはいかがでしょうか。

山本伸子(自然・環境評価研究部)

4月29日におこなわれるセミナーの下見に行ってきました。今年初めての野外調査でした。

まず小林さんに栗柄で、くりから谷中分水界の説明をしていただいたあと、西ヶ岳にむかって出発しました。

初めは緩やかな坂道でしたが、途中から急に岩がごろごろした道になり、鎖場などもありました(写真左)。私はこの登りでへとへとになってしまいました。

尾根に出ると、その後は緩やかな上り下りがあり、西ヶ岳山頂(標高727 m)に着きました。ここで地質の話をしていただきました(写真右)。

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西ヶ岳を過ぎると下りが続き、出発地点まで戻ってきました。

 

今回は、スミレの仲間、ムラサキケマン、チャルメルソウ、ミヤマカタバミ(写真左)、バイカオウレン(写真中)、クロモジ、ヤブツバキ、キブシ(写真右)などが見られました。シャクナゲは花芽がずいぶん膨らんでいました。miyama.JPG   baika.JPG   kibushi.JPG

セミナー当日はどんな植物が観察できるでしょうか。

 

かなり急な登りがあります。参加される皆さんはしっかり「足慣らし」をしておいてください。

申し込み締め切りは4月10日(金)です。

 

山本伸子(自然・環境評価研究部)

六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド 【vol.6】〜
 〜スッポンタケ編〜
 

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写真:土屋規麻太さん撮影

連載6回目となる今回は、前回のサンコタケに引き続き、くさいキノコの代表選手「スッポンタケ」を紹介したいと思います。
卵の殻のようなものを突き破り、にょきっと直立するキノコを見つけた男子生徒たちは、六甲山中にて下ネタ祭りになってしまいました。高校生の男子なんで、まあ仕方ないかな、と思っていたところ、きのこ研究会の山上さんから、このキノコの発見者も同レベルとのご指摘がありました(ちなみにかの南方熊楠もしかりです)。学名の意味が・・・です。
このスッポンタケの学名、Phallus impudicusなんですが、Phallusは「・・・」で、 impudicusは「恥しらずな」ということだそうです。博物館の公式ブログでは、これ以上は書けないので、詳しくはご自身でどうぞお調べください。
それはさておき、奇妙な姿なんで、森のなかで出会うと、なかなかのインパクトです。

では、兵庫きのこ研究会の奥田さんに、スッポンタケについて聞いてみました。

スッポンの首のような格好をしたキノコ。頂上の部分はグレバと呼ばれる胞子を作る器官で、独特の匂いを放つことでハエなどの昆虫をおびき寄せて胞子を運ばせていると言われています。グレバ以外の部分は輪切りにして中華風のスープなどに入れて楽しむことが出来ます。淡白な味わいですが食感がシャクシャクしていて珍味です。幼菌は卵型で、切ると未成熟のスッポンタケがゼリー状の物質に包まれているのが見えます。珍菌ですが、普通に観察され、見つけたときは、その奇妙な姿に嬉しくなります。 (兵庫キノコ研究会 奥田さんより)

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写真:山上公人さん撮影 (右:幼菌が割れて本体が出てくるところ、左:幼菌の断面)

このキノコ、実は食べられるとのことです。標本を作成していても、サンコタケほどではありませんが、臭いが生ゴミ風でキツイので、とても食べれるとは思えないのですが・・・。幼菌を半分にしてみると、中にはゼリー状の物質が詰まっていて、はっきり言って気色悪いですが、とてつもなく薬効がありそうな雰囲気です。きっと、昔の貴族な皆さんは、精力剤とか言って食べまくってたんでしょうね。
このスッポンタケの幼菌なんですが、標本作成したところ、なかのゼリー状の物質は全然変化しません。凍結乾燥・真空引きしても、80度に加熱しても、ブニョブニョしたままで、全然カラっと乾燥してくれません(カゴタケ以外はちゃんと乾燥します)。きっと強力な保水成分が混じっているに違いありません。この成分を抽出して研究すれば、優れた保湿成分をもった化粧品ができるかも知れません。ですが、あの匂いを想像すると、スッポンタケ抽出液を顔に塗るなんて、・・・微妙ですね。なぜか得体の知れない薬効があるのではないか、と期待させてくれるキノコです(一同納得)。

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さて、標本の作製ですが、こちらも難易度★★★★★です。とっても作るのがやっかいです。リアルに再現できません。
幼菌を野外の状態のように、張りをもったまま標本にすることは、未だにできておりません。どうしても表面に皺ができてしまいます。卵型の幼菌となるキノコのリアルな標本作成は、今年の課題です。どういう技法で責めるか、思案中です。穴をあけて凍結&減圧してもダメだったので、きっと常圧で含浸処理か、冷凍庫シリカゲル貯蔵(3か月放置)、とっとと中身を抜いて紙粘土詰めしかないかな、という感じです。
右側の写真がスッポンタケの成菌です。こちらは上手くできているのですが、以前にも紹介したとおり、腹菌類はいくらプラスティネーション処理しても、外気に触れていると、白い本体部分がどんどん黄変化してしまいます。ですから、ちょっと大きいのですが、樹脂封入標本にするのがお勧めです。せっかく作ったので、グレバ(先の黒いとこ)の部分にポッド用シリコンを使って、ぬめぬめ感を出したいと思っています(ある日突然展示物されると思いますよ〜)。

次回は、シイタケを紹介したいと思います。ちょっと連載速度が年度はじめで遅延しているとの読者の声がありますので、頑張ってたくさんの種類を紹介したいと思います。

もっと兵庫のキノコを知りたいひとは、「兵庫キノコ研究会」の美しいホームページをご覧ください!
http://www.hyogo-kinoko.jp/

御影高校の活動をご覧になりたい方は、以下のページから、SPP支援講座のページをご覧ください。
http://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/
「御影高校のSPP支援講座」
http://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/spp/index.htm 

■ぜひ博物館へお越しください!
「六甲山のキノコ展〜リアルな森の妖精たち〜」は、2009年5月31日まで開催
場所: 兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン

【注意】
キノコの鑑定には十分な注意が必要です。初心者が、ホームページや図鑑を見て、食用できるかどうかを判断することは、大変危険です。食用と判断できない時は確実に鑑定できる専門家に尋ねてください。素人判断で食用することで、毎年のように死亡事故が発生していますので、不用意に食べることはお控ください。

(みつはし ひろむね)


これから春本番ですが、忙しすぎて、あるいは外に出るのもおっくうで、なかなか重い腰が上がらないという方も多いのではないでしょうか。そんなときは春の楽しみを思い出してみましょう。「春」と言われて皆さんはなにを思い浮かべますか?

空は暖かく、日は長くなり春も盛りがやってきます。けれど、なかなか家から出る気にならない今日この頃です。出不精な私は、春に出会える花を書き出してみることにしました。

                   (春爛漫)

1_haru.JPG近所を散歩して出会える花は、
タンポポ、シロツメクサ、オオイヌノフグリ、ナズナ、ハコベ、ヒメウズ、タネツケバナ、スミレ、ヘビイチゴ、アオスゲ、セントウソウ・・・

 

      (ナガバタチツボスミレ)

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                                    (コバノミツバツツジ)  

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山を歩けば、
マンサク、タムシバ、ヤマザクラ、キブシ、ユキワリイチゲ、ウラシマソウ、ミスミソウ、チャルメルソウ、リュウキンカ、イワナシ、サンインネコノメソウ・・・

  (ヒトリシズカ)      (カタクリ)       (サンカヨウ) 

5_hitpri.JPG

6_katakuri.JPG 7_sankayou.JPG 

 

 

 

 

 

 

 

 

美味しいものも沢山あります。
せり、ふきのとう、つくし、たけのこ、わらび、いたどり、よもぎ、たらの芽・・・

 

                      (ふきのとう) 

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 さらには、蠢(うごめ)く虫や、鳥のさえずり、川にはきらめく鱗が・・・。

気がつくと、春はもう其処此処にやって来ています。家でごろごろしている場合ではありません。早く出掛けなくては。うかうかしていると、春を逃してしまいます。
思い立ったが吉日です。さっそく皆さんも春の野山へ出掛けましょう。普段より少しだけ意識して周りを見てみると、きっとこれまで気がつかなかった「春」を発見できるはず。

自然を感じたい。どこに行けば良いのか、そうすれば良いのか分からない、という方にはひとはくセミナーが後押しします。

                                                               山本伸子(自然・環境評価研究部)

 

六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド 【vol.5】〜
 〜サンコタケ編〜

連載5回目の今回は、前回紹介した御影高校生選出の最低悪臭キノコ第1位に輝いた‘サンコタケ’です。この標本は、なかなかの出来栄えで、じつは早く紹介したかったんです。

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森の中からニョキニョキっとオレンジ色の物体が突き出していて不気味。
そんでもって、ニオイをかぐと・・・・・、最悪です。

でも、封入標本にすると、ステキなオブジェにはや変わり!

Dsc_0087.jpg 触れるし、臭わない・・・。水生昆虫や魚も封入標本にはとてもいいのですが、キノコを博物館で展示するには、封入標本は非常にすぐれています。
サンコタケをじっくりみれるのは、(たぶん)ひとはくだけ! です。
ぜひ来館頂ければと思います。

このサンコタケは、見た目も変わっているので印象に残りやすいのです。実際に、御影高校の生徒が現地の採集会で発見したときには、「あ、昨日図鑑にのっていたキノコだ!!」と理系女子がほくそ笑む。なんと、ちゃんと予習して実習に参加していたんですね、優秀です。ですが、文系男子は、「サンコタケって、3個ツノみたいなんがあるから、サンコタケなんやろ、昔の人はめっちゃ単純やな〜」っと。
 
  ・・・あんたが単純なだけです。ですが、こういったセンスが生物の名前を覚えるのに重要です。

そんなわけで、このサンコタケについて、今回は兵庫きのこ研究会の中嶋さんに、名前の由来なども含めて、解説して頂きたいと思います。

お寺のお坊さんがお祈りなどの仏事に使う仏具のひとつに三本の腕を柄の両側に付けた「三鈷」というものがあります。このキノコの形がまさにその三鈷に似ているところから名付けられました。白い卵形の幼菌から橙色または薄黄色3本の腕を伸ばします。腕にはグレバという強い悪臭を放つ胞子を含む粘液を付けており、この臭気で虫を誘って胞子をからだにつけて行ってもらおうとするわけです。本当に古いトイレでかぐひどいにおいなので、観察会などで平気でテーブルの上に出したりすると、マジで嫌われます。春から晩秋にかけ林内地上に発生します。同じ仲間の腹菌類に1本〜4本の腕を伸ばす、スッポンタケ(1本)、キツネノエフデ・コイヌノエフデ(1本)、カニノツメ(2本)、ツマミタケ(4本)などがあり、いっぱい腕をつけるイカタケやアカイカタケ、腕のまわりにレースをまとうキヌガサタケなどもあります。 (兵庫きのこ研究会 中嶋さんより)

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中島さんもご指摘のとおり、お寺の和尚さんが使う「三鈷」が語源です。
高校生の理屈でゆくと、「スッポンタケ」は「イッコタケ」、「カニノツメ」は「ニコタケ(ニコニコタケにしたいところ)」になります。それはそれでいいかも知れません。
それと、やはり悪臭が特徴なんです。
そうすると、封入標本だと、最大の特徴が消えてしまう訳なんです。そんなわけで、キノコ展の総元締めである御影高校の河合先生、兵庫きのこ研究会の山上さんは、ニオイを閉じ込めておいて、いつでも体験できる秘策を現在、画策中ということです。
ニオイ展示が博物館で披露されるかも知れません。ぜひ、日々博物館のHPをチェックしてくださいね(ご期待に添えないこともあります)。

さて、このサンコタケの封入標本づくりですが、難易度は、★★★★★です。大変難しいです。
組織がスカスカで、ちょっとの間にデレデレになってきます。しかも脆いです。
まず、採集してから素早く凍結処理して、凍結したものを素早く凍結乾燥する必要があります(真空度を急激あげるべし、シリコングリースは新品に)。しかも、PEGやらシリコンを塗ると、デレデレになるので、太刀が悪いです。
さらに、凍結乾燥したものも、外に出すとすぐに湿気を吸って、デレデレになります。
しかも、封入標本用の樹脂につけると、再び、デレデレに。
ということで、シリカゲル入り衣裳ケース(内パッキン付き)を用意して、特殊なウレタン系樹脂をピースコンに入れて(ドライフラワー用の硬化剤スプレーでも良い)、ちょっとずつ吹き付けてはタッパーにしまう、といった作業を2〜3回繰り返して、表面をカリっとさせて形を整えます。ちょうど、外はカリっと中はふんわりとした大阪のたこ焼きみたいな感じを想像してください。

それから、封入標本用の樹脂に入れて、完成させるわけです。
オレンジ色も残り、同部の白色も黄ばむことなく、出来上がります。ちなみに、腹菌類を樹脂含浸処理して展示しておくと、白色の部分の黄ばみがとても顕著です。
という訳で、樹脂をつかった展示用標本の道はなかなか奥が深いんです。
ぜひ展示を見に来てください。

 
次回は、臭いキノコNO2のスッポンタケを紹介したいと思います。

 もっと兵庫のキノコを知りたいひとは、「兵庫キノコ研究会」の美しいホームページをご覧ください!
http://www.hyogo-kinoko.jp/

御影高校の活動をご覧になりたい方は、以下のページから、SPP支援講座のページをご覧ください。
http://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/
「御影高校のSPP支援講座」
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■ぜひ博物館へお越しください!
「六甲山のキノコ展〜リアルな森の妖精たち〜」は、2009年5月31日まで開催
場所: 兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン

【注意】
キノコの鑑定には十分な注意が必要です。初心者が、ホームページや図鑑を見て、食用できるかどうかを判断することは、大変危険です。食用と判断できない時は確実に鑑定できる専門家に尋ねてください。素人判断で食用することで、毎年のように死亡事故が発生していますので、不用意に食べることはお控ください。

(みつはし ひろむね)

六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド 【vol.4】〜
 〜カゴタケ編〜

連載4回目となる今回は、キノコのなかでも一番きのこらしくない、アウトローな感じがする「カゴタケ」を紹介したいと思います。

kagotake_seikin.jpgこの写真をご覧頂ければわかるように、これを見てキノコだと直感できるひとは、なかなかのものです。
卵みたいな殻(右側)から、カゴ状の気色悪い物体が這い出してきて、ネバネバさんです。
なんか猟奇的な感じのするキノコですが、上の写真のように兵庫キノコ研究会の方は、ちゃんと葉っぱにのせて飾っているじゃありませんか!
もし、山の中で、切り株の上にこんなのが置いてあったら、何かあやしげな儀式でもしているじゃないかと思って
とりあえず退散ですね。実にアヤシイ...。
(キノコ研究会の皆さん!怪しいので山に放置しないでくださいね(笑))

御影高校の生徒たちも、なんでこれがキノコなんだろうか、と首をかしげるほどです。
ですが、匂いはキノコなんです。なかなか臭います。

御影高校生によるキノコ悪臭グランプリでは、
  1位 サンコタケ、 2位 スッポンタケ、 3位 カゴタケ
とのことです。

では、今回も兵庫きのこ研究会の中島さんにカゴタケの解説をしてもらいましょう。

●カゴタケ
スッポンタケやサンコタケと同じ腹菌類で、独立した腕でなくカゴ状につながった腕を拡げていく変わったキノコです。カゴは最初、器用に折りたたまれて白くぷよぷよした卵の中にはいっているのですが、外の膜が破れると数分のうちにみるみる広がるので、その場に遭遇したときはとても驚きます。写真に撮るよりできることならムービーに撮りたいキノコです。このカゴタケの胞子を含む緑褐色のグレバはほかによく腹菌類にある悪臭でなく、むしろフルーツ様のいい匂いがします。比較的めずらしいキノコですので、大切に観察しましょう。  (中島さん)
kagotake.jpg  kagotake_you.jpg

上の写真にあるように、殻のなかに「カゴ」のもとが入っていて、むくむくと広がるそうです。
キノコ研究会の中島さんやキノコ図鑑によると、「フルーツの香り」がするそうですが、高校生には、悪臭だったようです。
高校生の修行が足らんのか、研究会の皆さんが無我の境地に達しているのか、僕には分かりませんが、虫を寄せて、胞子を散布してもらうために、「におい」が必要なことは確かでしょう。

ですが、僕が生態学的な観点から興味があるのは、「なんでカゴなんや!」ということです。
一体、このかたちにどんな利点があるでしょうか。

 お昼の茶のみ話のネタで、15分ぐらい考えてみました。

タヌキやキツネの足に引っ掛かって、運ばれやすいという説が、となりにいた某研究員からでましたが、面白くないので却下。
で、結論ですが・・・、「通りゃんせ仮説」にたどりつきました。
(注意:とってもいい加減な説ですので信用しないように)

落葉に埋もれるようにカゴ状のキノコがあると、つい徘徊昆虫のオサムシなどがあいだを通りたくなってしまう・・・。オサムシやゴミムシがこのカゴ状の間を通ると...、つい食べたりもして、胞子が体表について散布してもらえる・・・。そんでもって、胞子が付着したオサムシが土の中にもぐり、地中に散布することができる。幼菌が地中性なので、土のなかに散布してもらうための苦肉の策ではないか、というものです。地上でハエも呼びつつ、徘徊性の昆虫にもOK。

こんな風に考えたのは、凍結乾燥標本をつくったからなんです。
数あるキノコのうち、カゴタケとスッポンタケだけは、表面と殻内のネバネバが、全然カラっと乾燥しないんです。
温熱乾燥、凍結、真空、なにをやってもベトベト。服につくとヤな感じ。
このベトベトさんが、わりとしっかり昆虫類の体表にへばりついて、胞子とともに地中まで散布されるに違いない、そう勝手に妄想しています。しかも、カゴタケはフルーツの香りがするって点も、ゴミムシなどの徘徊昆虫を寄せるのにイイかもしれません。

二人のこどもが手を組み合って腕で関所をつくる「通りゃんせ」遊びの様相は、まさにカゴタケ風だと思いませんか?
誰か研究して、結果が分かったら教えてください。この説が正しいと、絶滅危惧種でもあるカゴタケを保全するためには、地表徘徊性の昆虫をちゃんと保全しないといけないのかもしれません。
う〜ん、生物多様性って感じです。

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さて、標本づくりですが、ベトベトさんの割には、上手に作れます。難易度は、★★でしょうか。
凍結乾燥標本のままだと、ちょっと匂いがするので、展示用には封入標本がお勧めです。
不飽和ポリエステルにもポリメタクリル酸メチル樹脂、ウレタン系樹脂に対しても白濁することなくうまく表面コートされます。それと、形がもともと不定形なんで、ちょっとぐらい縮んでも分かりませんので、仕上がりはいいです。
余談ですが、某大学病院の方の談ですが、「人の脳みそ」の封入標本も、不定形なのと、そもそもナマの実物をまじまじと見ている人は稀なので、人体展のプラスティネーションで、「この脳は縮み気味だ!」という、マニアックな突っ込みはないので楽と言ってました(どう楽なんだろう・・・)。魚の標本だと煮干しみたいになるので、見た目にばれるんですよね。その点で、キノコの封入標本は、手(気も)が抜けるのでとても楽です。

次回は、臭いキノコNO1のサンコタケを紹介したいと思います。

 もっと兵庫のキノコを知りたいひとは、「兵庫キノコ研究会」の美しいホームページをご覧ください!
http://www.hyogo-kinoko.jp/

御影高校の活動をご覧になりたい方は、以下のページから、SPP支援講座のページをご覧ください。
http://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/
「御影高校のSPP支援講座」
http://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/spp/index.htm 

■ぜひ博物館へお越しください!
「六甲山のキノコ展〜リアルな森の妖精たち〜」は、2009年5月31日まで開催
場所: 兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン

【注意】
キノコの鑑定には十分な注意が必要です。初心者が、ホームページや図鑑を見て、食用できるかどうかを判断することは、大変危険です。食用と判断できない時は確実に鑑定できる専門家に尋ねてください。素人判断で食用することで、毎年のように死亡事故が発生していますので、不用意に食べることはお控ください。

(みつはし ひろむね)

六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド 【vol.3】〜
 〜カイガラタケとチャカイガラタケ編〜

なんとか、これで3回目の連載です。
一応、「ほぼ日」を目指していますが、どんどんネタが尽きてきて休載に・・・。
そうならないように、がんばってゆきたいと思います。
今回は、山歩きする方ならば、わりと良く見かけるキノコ、「カイガラタケ」と「チャカイガラタケ」を紹介したいと思います。

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左の写真が「カイガラタケ」で、右の写真が「チャカイガラタケ」です。
恥ずかしながら、きのこ展で標本をつくる前まで、全部「サルノコシカケ」だと思っていました。
うちの子どもに山で「これ何っ!」て聞かれて、「サルノコシカケっていうて、薬になるからお父さんが病気になったら採ってこい」と答えたような気が・・・。
大ウソつきでした。
ですが、この2種類ともいわゆる「霊芝」とよばれるもので、ガンなどの腫瘍に対して薬効があるようです。カイガラタケよりも、チャカイガラのほうがグレードが高いらしいです。
学術的には間違いでしたが、本質は外していないので、とりあえずヨシとしております。
もちろん固くて食べれませんで、煎じてお茶にして飲みます。

では、いつものように、兵庫きのこ研究会の幸徳さんと奥田さんに伺ってみました。

●カイガラタケ
kaigaratake_ura.jpg針葉樹、広葉樹の枯木上に重なり合って発生します。表から見ると貝殻のような美しい環紋(同心円状の模様)が並び、似た模様を持つウチワタケと見間違えそうになります。しかし裏に返すと長いヒダがあることが、見分ける大きな特徴の一つとなっています。食毒は定かではなく、触った感じも硬いことから食べてみようとした人はいないと思われます。一度発生すると長い期間その場に定着し、キノコの表面にコケ類が発生している姿もしばしば観察されます。キノコが少ないシーズンにも見られますのでキノコウオッチャーの隠し玉になります。(奥田さん)

●チャカイガラタケ
硬質菌と言われているグループのキノコは、それほど美しくもなく、かわいくもなく、食べることができないため、キノコ愛好家には人気がありません。ところが、木を分解することができる唯一の生物で、生態系の中で必要不可欠な存在です。人気がないことのひがみか?「重要な役割を担っているんだ」と主張しているかのように夏でも冬でもよく見かけ、存在をアピールしています。本種もそんなキノコの1つで、広葉樹、とくにサクラの枯れ木を分解するキノコです。傘の表面は茶色、紫色、黒色などの環紋をあらわし、その姿形が貝殻のように見えるため、この名前が付けられました。硬質菌の傘の裏の形状は色々ありますが、本種はヒダ状です。(幸徳さん)

お二人のご意見をまとめると、いつでも見られる地味なキノコ、といったところでしょうか。それでもって、樹木を分解するので、生態系の中で重要な役割をしている訳ですね。
さらに、がんにも効くなんて、いい仕事しています。いぶし銀って奴でしょうか。

そんなことを知ってか知らずか(多分、知らんと思う)、御影高校の生徒たちは、「カイガラタケ様」と呼んでいます。
そのココロは?
採集会で、キノコが全然とれないときに、唯一とれるのがこのキノコなんです。いつもは普通に生えているので、あんまり見向きもされないのですが、キノコが不作のときに重宝されて、「カイガラタケ様」になる訳です。キノコウオッチャーの隠し玉といわれるように、「カイガラタケ様」は、観察会のネタ的にも良いものです。

さて、この2種類ですが、標本の作製はいたって簡単です。製作の難易度は、★です(5点満点で1点)。もともと固いので、天日干ししても良いぐらいです。それに、真冬に採りにゆけば、「天然凍結乾燥」状態になっています。しかし、樹脂含浸の処理を施して、展示中にカビが生えないようにしていますので、お茶にはできません。
チャカイガラタケは、封入標本にしてしまいました。
小さい標本しかなかったので、そのまま展示すると何かみすぼらしかったからです。
封入標本にして展示する意義は、手にとって見れる、という利点もありますが、「しょぼくて、どうしようもない標本」を、それっぽく装飾する役割もあります(琥珀色にするともっと良さげにみえる)。
みなさん、博物館展示にだまされないように。
kaigaratake_spec.jpg  tyakaigara_spec.jpg

次回は、カゴタケを紹介したいと思います。

 もっと兵庫のキノコを知りたいひとは、「兵庫キノコ研究会」の美しいホームページをご覧ください!
http://www.hyogo-kinoko.jp/

御影高校の活動をご覧になりたい方は、以下のページから、SPP支援講座のページをご覧ください。
http://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/
「御影高校のSPP支援講座」
http://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/spp/index.htm 


「六甲山のキノコ展〜リアルな森の妖精たち〜」は、2009年5月31日まで開催
場所: 兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン

【注意】
キノコの鑑定には十分な注意が必要です。初心者が、ホームページや図鑑を見て、食用できるかどうかを判断することは、大変危険です。食用と判断できない時は確実に鑑定できる専門家に尋ねてください。素人判断で食用することで、毎年のように死亡事故が発生していますので、不用意に食べることはお控ください。

(みつはし ひろむね) 

六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド 【vol.2】〜
 〜イボテングタケ編〜

ibotenngu.JPG 女子A 「このキノコ、クランチが乗っていて美味しそう〜」
 女子B 「ほんまや チョコレートクランチや」
 講師A 「これ毒キノコですよ」
 女子B 「ひえ〜!」
 講師A 「食べても死ぬことはたぶんないけど」
 女子B 「違うんです。虫がいっぱい出てきた!!」
 女子A 「私は食用キノコでも虫がいたら絶対食べへンわ」
 教師A 「そうゆうのはムシ」
 女子A 女子B「・・・・・・・・・・」

御影高校の皆さんは、こんな感じで六甲山の山中にて、キノコ採集に勤しんでおられました。真面目にやってるのかどうか、ちょっと微妙なところはありますが、生物の見た感じの感想を周りの人に伝えることは、名前を覚える上ではとても重要な方法です。
ちょうど、ワインがテーマの某ドラマで、「まるでアーモンドのように香ばしく、カシスと柑橘の甘いニュアンスが鼻腔をくすぐり・・・」ってな感じで(真面目に)ワイン評論しているのと同じですね。
そういえば、うちの某研究員のため池調査の野帳に、「ヒモ付きウジ型宇宙人A」という種名が書いてありましたが、「もしかしてハナアブ?」って聞いたらビンゴでした。
こういう感性は大事にしたいものです。
ぜひ、謎の生物をみたら、講評してみてください。
ワインを評論するソムリエに、生き物観察の案内役となる学芸員も習うべきことが多い気がします。

さて、2回目に詳細するのは、上の写真にあるイボテングタケです。名前からして毒っぽい気が・・・。
では、兵庫きのこ研究会の山上さんに解説してもらいましょう。

● イボテングタケ Amanita ibotengutake 
従来テングタケと言う和名で呼ばれていた種で、形態の違いから広葉樹タイプと針葉樹タイプなどと呼ばれていたものを、最近(2002年)の研究でテングタケ Amanita pantherina から独立してイボテングタケ  A.ibotengutake(アマニタ.イボテングタケ)として独立させて新種となりました。関西の里山ではイボテングタケの方が圧倒的に多く観察されます。夏になるとビックリするほど大量発生する事も有ります。この種は、有名な毒キノコのベニテングタケより毒性は強いと言われており、中毒症状は下痢嘔吐、異常発汗、縮瞳、錯乱、興奮、痙攣などで時には昏睡、呼吸困難その他で、まるでキノコ中毒のデパートです。怖いですね!!恐ろしいですね!!

そうです、キノコと言えば毒。
ときどき、毒キノコなんて珍しいという人もいるみたいですが、一面毒キノコということもありそうです。チョコレートクラチみたいといって、勝手な想像で食べないでください。
それと、キノコの分類学的な研究はまだまだ発展途上で、種名がついていない種もたくさんあります。毒キノコであたり一面に生えるような種なのに、2002年になって、やっと正式に名前がついたそうです。

ibotengutake_sp.jpgさて、このキノコの標本の写真はこちらです。
じつは、ちょっと製作に失敗しています。一番右のものは、柄の部分と表面にPEG(ポリエチレングリコール)とシリコン樹脂を塗り過ぎて、シナっとなってしまい、傘が直立しておりません。左はしの標本も同様です。キノコの種類にもよりますが、柄の部分が内部的にスカスカだったり、繊維構造が粗な場合には、標本作製が難しくなります。展示をごらん頂ければ、他にも柄の部分が折れやすい種があるのが、容易にわかるかと思います。この標本は、作成の難易度★★★★(5点満点中)です。
次回は、カイガラタケを紹介したいと思います。

もっと兵庫のキノコを知りたいひとは、「兵庫キノコ研究会」の美しいホームページをご覧ください!
http://www.hyogo-kinoko.jp/

【注意】
キノコの鑑定には十分な注意が必要です。初心者が、ホームページや図鑑を見て、食用できるかどうかを判断することは、大変危険です。食用と判断できない時は確実に鑑定できる専門家に尋ねてください。素人判断で食用することで、毎年のように死亡事故が発生していますので、不用意に食べることはお控ください。

(みつはし ひろむね)



 

六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド 【vol.1】〜
 〜カラカサタケ編〜

ただいま、ミニ企画展と称しまして、博物館の4Fひとはくサロンでは、御影高校・兵庫きのこ研究会との共催によります「六甲山のきのこ展」を開催しておりまして、約80種類のキノコを展示しております。いろんな新聞にとりあげて頂きまして、おかげさまで好評を博しております。

ですが、展示スペースが小さいので、キノコをぎゅうぎゅうに詰めて展示しております。その関係で、ひとつひとつのキノコについてしっかりと解説ができておりません(スペースがあっても実は僕には無理なんですが・・・)。そんなわけで、今回のキノコ展の立役者でもあります「兵庫きのこ研究会」の皆さんに協力いただいて、展示中のキノコを解説してゆきたいと思います。
展示期間中の5/31までに全部解説が終わるかどうか・・・、ちょっと不安ですが、キノコの生態写真と標本写真、面白い特徴や生態を紹介したいと思います。キノコと言えば、「毒」、「美味」。そんな話題も交えて紹介したいと思います。

 キノコに関心をもった方は、ぜひ、博物館のミニ企画展に足を運んでいただければと思います。5月31日まで開催しております(キノコ展で長い期間展示できるのは、特殊加工のおかげ!そしてひとはくだけです!)。
http://hitohaku.jp/exhibits/temporary_old/2008/mini08.html#minikinoko

第1回目に紹介するのは、「カラカサタケ」です。展示コーナーの中央に置いています。
なんで中央にあるのか、っていうことですが・・・。

karakasa_sp.jpg実は、大きくて目立つキノコなので御影高校の元気な野郎どもが、「オオモノ発見〜!」っと、本能の赴くままにいっぱい採りまくったからです。たくさん標本ができちゃったから、真ん中に置いてるだけで、深い意味はありません。言いかえれば、「目につきやすく、親しみやすいキノコ」なのかも知れません。
標本の仕上がりもまずまずです。ちょっと樹脂を塗りすぎたものもありますが・・・。この種は、凍結乾燥で標本にするとき、表面にあらかじめ糖アルコール(ポリエチレングリコールの分子量400+エタノール希釈)を薄く塗っておくと、カラカサの模様がポロポロはがれずに残ります。もともと固くて柔軟性があるので、標本にしやすい種類です。キノコ標本作製の難易度でいえば、★★★(満点は★5つ)でしょうか。

では、カラカサタケについて、兵庫キノコ研究会の山上公人さんに聞いてみました。


 カラカサタケ (vol. 1)

karakasa_field.jpg夏から秋に日当たりの良い雑木林などに発生するキノコ。大型のうえ、すら〜っと背の高い姿は山の中でも良く目立ちます。柄は固いが傘は綿のように柔らかく、ギュッと握っても壊れることなく元に戻ります。この事からニギリタケと呼ぶ地方も有るそうです。ツバにも特徴が有り、リング状で上下にスイスイ動かすことが出来きます(下の写真をご覧ください)。まるで、子供のおもちゃに使えそうです。
全体に地味な雰囲気だが、特徴的な色合いに「わび・さび」を感じるのは私だけでしょうか?
食用とされているので何度か食してみたが、ほろ苦うえに食感も悪く、油も良く吸います。個人的には美味しいとは思わないが読者の皆さんは如何でしょうか?ただし、良く似たキノコに有毒の物も有るので要注意。なお、生食は中毒します。


karakasa_ring.JPG

柄の部分にあるリング状のものが特徴です
――――――――――――――――――――――――――――――――――

皆さんの身近にも生えているキノコということで、観察のチャンスはありそうですね。発見したら、ぜひ握ってみて頂ければと思います。握ってもじわじわ形が戻るっていうのは、流行りの低反発樹脂みたいですね、枕とかに使われているやつです。このキノコを研究すると低反発樹脂の新製品開発に役立つかも知れませんね。
握った手は、ちゃんと洗ってくださいね。もちろん、生食は厳禁です。
次は、イボテングタケを紹介したいと思います。

もっと兵庫のキノコを知りたいひとは、「兵庫キノコ研究会」の美しいホームページをご覧ください!
http://www.hyogo-kinoko.jp/

【注意】
キノコの鑑定には十分な注意が必要です。初心者が、ホームページや図鑑を見て、食用できるかどうかを判断することは、大変危険です。食用と判断できない時は確実に鑑定できる専門家に尋ねてください。素人判断で食用することで、毎年のように死亡事故が発生していますので、不用意に食べることはお控ください。

(みつはし ひろむね)

ヤモリのミイラ!

2009年2月10日

遠藤研究員から小さなプレゼントが机の上に届いていました。一瞬、ちっちゃな枝?ぽく見えたその物体をよく見ると、なんとヤモリ(正式にはニホンヤモリ)のミイラでした!ひとはくの収蔵庫近くの、人通りの少ない通路で発見されたそうです。



さて、見つかったミイラの全長は45mmほどで、卵から出てきてすぐくらいの大きさです。繁殖期は5〜8月なので、去年の夏からずっとそのままになっていたのかもしれません。うまいこと餌にたどりつけず息絶えてしまったのでしょうか。ヤモリは小さな昆虫やクモ、ゴキブリなどが好きで、ヒトとうまく共存している生きものです。実際に、人家のない山のなかでは、ほとんど見つかりません。

− 家にすみ、害虫を食べるので「家守、守宮」という。中国では、壁にすむ動物として考えられており「壁虎」と呼ばれる。(「広島県の両生・爬虫類」より)− ヤモリとイモリがごっちゃになっている人がよくいるので、間違えないでくださいね。ヤモリは“家守”で陸上にいる爬虫類、イモリは“井守”で水中にいる両生類です(一時期、陸上にも上がりますが)。



ヤモリのミイラを見ていると、何かにそっくりだとは思いませんか?そう、同じグループ(爬虫類)に属する恐竜にそっくりで、カッコいい!



(自然・環境マネジメント研究部 田口勇輝)

まだまだ寒い日が続いていますが、少し寒さが和らいできましたね。そんな春の訪れを敏感にかんじて、産卵の準備をしている両生類を三田市内のある場所で見つけました。それは、“カスミサンショウウオ”です!みなさん、カスミサンショウウオって、ご存知でしょうか?

サンショウウオ(山椒魚)というと、あの大きなオオサンショウウオのことをイメージする方が多いかもしれませんが、カスミサンショウウオは親になっても13cmほどにしかなりません。普段は山で生活していて、早春になると水たまり(ため池、田んぼの水路など)に、卵を産みにやってきます。

見つけたカスミサンショウウオは、お腹が大きく、アゴの下が白くなっていなかったので、雌だと思います(雄は産卵期にアゴの下が白くなります)。両生類は、雄が先に産卵場所にやってきて、後から雌がやってくる習性があるので、もうすぐ産卵!っといったところですね☆

P3240075cuts.jpgkasumi2.jpg

しかし、なぜ、まだまだ寒いこの時期に卵を産みにやってくるのでしょうか?春の訪れが待ちきれなくなったから!?(笑)。いいえ、それはまだ寒くて敵が少ないこの時に、タイミングを合わせているのだろう、と考えられています。カスミサンショウウオの子どもはとても弱くて、色々な敵に食べられてしまうのです。自分の子どもたちが少しでも生き残れるように、親も必死なのかもしれませんね。

また、卵が見つかったら、ひとはくニュースに書かせてもらいます。

p.s. 一般的にはあまり知られていませんが、日本では小型のサンショウウオが、実は20種類ほど生息しています。日本は、サンショウウオの多様性が高い、世界でも有数の国なのです。

(自然・環境マネジメント研究部 田口勇輝)


写真:セツブンソウ

寒さまっさかりで、昨日1/26(月)はあちこちで路面凍結が起きて
自動車が立往生して大渋滞が起きていました。

ただ1月も末となるとぼちぼち春の植物の動きも始まります。
そのなかでもセツブンソウ(節分草)は節分のころから3月の早春に咲く植物です。

先日、ひとはくでミュージアムティーチャーをされていたA先生が来て
青垣町の「節分草まつり」のことを話をされていました。


(クリックすると拡大画像が表示されます)

可憐なセツブンソウはその美しさのあまり、
山野草として採集されて自生地が荒らされてしまうこともあり、
兵庫県レッドデータブックCランクに指定されています。

このセツブンソウを公開している数少ない場所ですので、その姿を見るよい機会です。
関心のある方はどうぞ。

近くまでいかれたら
青垣いきものふれあいの里もあります。
こちらでもセツブンソウを見ることができます。

先日、兵庫県立大学 大学院生の渡辺さんが、小さな雪だるまを持ってこられました。山仲間の山口さんが、1/12に神戸市北区有野町唐櫃 逢ヶ山西面(標高680m位)、ヒノキ植林帯ジグザク道傍の雪の上で発見されたようです。


写真1:発見場所


写真2:発見時の様子

雪だるまを溶かしてみると、中から綺麗な蛙が出てきました。ニホンアマガエル成体の雄です。きっと冬眠の途中で、何らかの拍子に冬眠場所から出てきてしまって、そのまま雪だるまになってしまったのでしょう。


写真3:研究室に持ち込まれた雪だるま


写真4:雪から出てきたアマガエル

昼間の暖かな日差しに誘われて、思わず冬眠場所から出てきてしまったのでしょうか?それとも、木の洞(うろ)や樹皮の中で冬眠していたのに、風で吹き飛ばされてしまったのでしょうか??雪から出てきたその姿は、ほんの少し前まで生きていたような、つややかな様子でした。


写真5:ほんのさっきまで生きていたような綺麗な姿

カエルは、産卵期になると田んぼなどの水辺に集まってきますが、それ以外の時期にはどこにいるのか、実はあまりよく分かっていません。ですので、今回の発見は数少ない貴重なデータと言えます。今回みつかった場所の周辺には水辺がないということなので、産卵場所の水辺から冬眠するためにこの場所まで移動してきたのでしょう。

(自然・環境マネジメント研究部 田口勇輝)

 オトシブミの標本撮影のために編集者とカメラマン(著者の一人でもある)が来館されました.来春出版予定の野外観察用のハンドブックの図鑑頁に載せるためのものです.

 二年がかりで作り貯めた「ていねい仕上げ」の標本を一匹一匹撮って行きます.撮影順に並べ替え,掃除して,ラベルを外して,レンズの下で角度を決めてライティングを変えて数パターン撮影,これと並行してパソコンにデータを打ち込んでラベルを戻します.

 なにしろ5ミリほどの虫なので小さなゴミずも巨大に写りこみます.顕微鏡下で筆で糸くずや細かい埃を取り除いて行きます.顕微鏡で見ていると,ついついモデルさんのポーズに不満が出てきます.触角の曲がり方が,とか.下手にいじると壊してしまうのでグッと我慢.
 もっとも時間がかかるのがこの掃除です.撮影パターンは事前に検討してあるので撮影自体はすぐ済むのですが … 日本産のオトシブミと葉を捲くチョッキリなどを撮るのに,けっきょく3人がかりで1日半かかりました. 撮影装置は企業秘密(?)なのでアップできませんが,沢田的には大変参考になりました.

自然環境評価研究部 沢田 佳久

虫好き中学生限定のセミナー「ユース昆虫研究室」は、4月から、神戸市北区藍那(国営明石海峡公園神戸地区)で実施しています。11月29日(土)は、現地調査の最終回でした。朝から晩まで虫とりを堪能しました。

夕方、占部智史くん(姫路市立四郷中学3年)が、樹幹についている冬虫夏草を発見。蛾の採集のため、樹に糖蜜(黒砂糖+ビールなど)を霧吹きしてたところ、偶然みつけたとのこと。みんな「すっげー」といって、写真を撮ってました。

ひとはくの秋山弘之主任研究員によると、キノコは、イトヒキミジンアリタケの未熟なものだろうとのことです。そういえば、占部くんも、現地でイトヒキ何とかタケと言ってました。彼は正しかった。アリはミカドオオアリ。


八木 剛(自然・環境評価研究部)

 先日、加東市の住民の方より、赤いヘビがネズミ捕りにかかったという連絡をいただきました。赤くて見たことのないヘビだが、新種のヘビか?ということで実物を持ってきていただきました。

 直接そのヘビを見せていただくと、全長40cm弱のジムグリという蛇の子ども(幼蛇)でした。残念ながら新種のヘビではありませんでしたが、普段は地面にもぐっていることが多く、発見例がとても少ない珍しいヘビです。

 ジムグリは、親になると全身がうすい茶色になりますが、幼蛇のときは赤の地に黒の縞が入ります。派手な色(警戒色)で、他の動物に食べられないようにしているのでしょう。ちなみに毒蛇ではありません。



 ジムグリは、半地中性で地面にもぐることが多いため、「地潜り(じもぐり)」から「ジムグリ」という名前になったと言われています。

自然・環境マネジメント研究部 田口勇輝

オオスズメバチの♂

2008年11月16日

ツチハンミョウに答えた八木さん、何かもっています。
なんと「オオスズメバチ」
大きなあごが恐そうです。さされると大変ですが、
八木さん、平気で手にのせています。



これはオオスズメバチでも雄で、毒針もなく、かみつかれても痛くないそうです。

オオスズメバチのオスはなかなか手に入らないそうですが、
たまたま、朝に見つけたそうです。


そのあと、八木さんは高校生相手に昆虫の話をしました。
高校生たち、最初はビビっていましたが、
平気で手にのせて、つっついていました。

(生涯学習推進室 鈴木武)

ツチハンミョウ

2008年11月16日

 11/15(土)、虫かごをもった小学生が3人が4階カウンターにやってきました。
篠山から来た小学生兄妹です。
「この虫、なんですか?」3cmくらいの昆虫をもっています。

触角が妙なかっこうをしています。
何かわかりません。そこへ昆虫担当の八木さんがちょうどやってきました。

八木「いいものを見つけたね〜。ツチハンミョウの仲間だね。」
小学生たちはうれしそうです。

八木「手にもつと毒液を出すから気をつけるんだよ」
八木さんが手にもつとオレンジ色の液を出して死んだふりをしています。
小学生たちはちょっと引いています。


八木「もし付いたらちゃんと手を洗うんだよ」
小学生たち、うなずいています。

ツチハンミョウは気を取り直して動き始めました。
よく見るとメタリックブルーできれいです。

八木「このなかまはいろいろいるから図鑑で調べてあげよう,,,,
  キュウシュウツチハンミョウでよさそうだね。」
  (西日本には広く分布する昆虫だそうです)

小学生の三人兄妹、納得。うれしそうに帰っていきました。

(生涯学習推進室 鈴木武)

丸山湿原(宝塚市)

2008年10月28日


写真:丸山湿原(宝塚市)での市民調査の様子


 上の写真はただの草地に見えますが、水が絶えずたまった「低湿地」です。兵庫県の南東部の丘陵地には低湿地が多くありますが、規模が小さく、あまり目立ちません。
 その中で、宝塚市北部の西谷地区にある「丸山湿原」は県下第一級の湿原と言われ、貴重な動植物が生育しており、兵庫県レッドデータの植物群落Aランクにも指定されています。
 これまで市民と行政が協力して保全活動を行ってきました。両生類や水生昆虫、湿地の植物など、たくさんの水生生物を観察することができます。僕も春先にカエルの卵塊(らんかい)調査をお手伝いさせていただきました。


写真:アカガエルの卵塊


 この丸山湿原をまもっていくために、以下のようなフォーラムが開かれます。
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■丸山湿原エコミュージアム推進協議会 発足記念フォーラム
みんなで湿原をまもるには 〜湿原の生物多様性 その保全と再生〜

日時:2008年11月2日(日)13:30〜16:30
場所:宝塚西谷の森公園 多目的室
詳しくは
http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/sub_file/01040101000000-20081102situgen-chirashi.pdf
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 低湿地の保全だけでなく、住民参加による各地での自然保全の事例の発表もあります。
当日午前中は現地見学もできます。兵庫の貴重な自然を知るよい機会です。

自然・環境マネジメント研究部 田口勇輝

mokuzu1.jpg
大物ゲットでよろこぶ芦屋川探検隊のみんな

きのう、10月24日の夜、「芦屋川探検隊!」による芦屋川夜のモクズガニ観察会を行いました。上の写真をご覧いただければ分かるように大漁〜!!。観察会をおこなった場所は、芦屋市の市民センター前です。あたりが暗くなる6時半ごろになると、モクズガニが浅場にノコノコと姿を現します。下の写真にあるように、懐中電灯で川底を照らしながら、ゆっくり、じっくり探すのがコツです。少し慣れないと発見できないのですが、いったん目が慣れてくると、子どもたちは、たくさんのモクズガニを発見。
あそこにも!あっちにも!陸にもいた! カニでけえ〜鍋に入らん!、といった感じで、大物のカニが次々と発見されました。昼間は全然姿がみられないのにね。夜に活動する理由は、浅いところで餌を食べていると、昼だと鳥に食べられやすいから、と考えられています。

mokuzu3.jpg
かなりの人数で川沿いにライトを照らしていたので怪しい集団でした

思った以上にたくさんカニが見つかったので、子どもはもちろん、保護者のみなさんも大喜び。こんな都会の真ん中の川が、カニだらけなんて思いもよらなかったようで、川に入るのはちょっと怖い、なんていう子もいましたが、一通り観察会が終わったあとに、夜の川で採集を行いました。上から見ているだけでは満足できませんね、やっぱり。普通の自然な川ならば、夜に川に子供を連れて入るのは危ないのですが、芦屋川の市民センター前は3面護岸された単調な川底なので辛うじて入ることに(決して安全ではないので十分な注意を!)。

mokuzu2.jpg mokuzu4.jpg

「夜の川」で、モクズガニを捕まえた子どもたちは、カニに手を挟まれて血を出していても平気。
すかさず、「ホタルとどっちがいい?」と聞くと、期待したとおり「モクズガニ!!」と。
教育の成果(?)ですね。いつもホタルや魚、ゲンゴロウに、人気勝負で惨敗しているのですが、地味な底もの生物で「圧勝(?)」できて嬉しいです。
一般的に、都市化された三面護岸の河川は、生態系に対して良い事は何ひとつないのですが、モクズガニの観察(導入編)にはぴったり。お近くにお住まいの方は、ぜひどうぞ。11月の中旬ごろまで観察できます。

さて、芦屋川のモクズガニですが、2つ大きな課題があります。
意外に知られていないのですが、モクズガニは、海と川を往来する回遊性の生物なんです。
秋になると海に下りはじめ、河口部や沿岸域で産卵します。そして、卵からかえったら、海で浮遊幼生の時期を経て、稚ガニとなって川を上ります。このモクズガニの生態を知ることが、生き物を守る上で重要になります。

kani_hashi.jpg 1つめの課題は、川のなかに大きな段差(横断工作物)があると、のぼるのが困難になることです。カニが上りやすいように、コンクリートの表面をざらざら、凸凹にすること、段差にロープや植物のツルが張っているようにすること、段差の横に大きな石などを置くことで、登りやすくなります。もちろん、立派な爪があるので、垂直の壁ものぼることができますが、移動効率はどうしても低くなります。

(左の写真は、さんぴぃすの大脇さんが堰堤にロープを取りつけている様子です。)


dry_ashiya.jpg 2つめの課題は、秋になって海へと降下するときに、河口の近くで水がなくなることです。芦屋川では、国道43号線より南側では、晴れの日が続くと川が涸れてしまいます(左の写真をご覧ください)。
運の悪いカニは、水がなくなって乾燥して死んでしまいます(芦屋川の下流では結構死骸があります)。水がいつも流れるように深く川底を掘る必要はありませんが、所どころに、次の雨まで耐え忍ぶことができる「水たまり」ができるよう、「くぼみ」があるとお亡くなりになるカニが減ると考えられます。
こうした些細な取り組み、「小さな自然再生」が、実は生物多様性を保全する上で、とても重要なんです。

(左の写真は、43号線下流側.晴れが続くと水がなくなります)

海と川のつながりは、生態系にとって重要です!
それを博物館の展示や本からの知識だけで、実感することは難しいのですが、芦屋川の現場から学ぶことで、自然のしくみを実感することができます。

都会の真ん中を流れる身近な芦屋川ですが、モクズガニだけでなく、他にもいろんな生物がいて、生態系のしくみや環境のことを学ぶには優れた素材がたくさんあります(関西淡水動物研究会による芦屋川上流の観察会)。
今回の講座は、芦屋を舞台にして環境学習などに取り組んでおられる「NPO法人さんぴぃす」さんを筆頭に、「芦屋川に魚を増やそう会」、「芦屋市環境課」さんとの共催で実施した観察会です。たくさんの方の協力をえて、無事に観察会を終えることができました。総隊長をつとめて下さったさんぴぃすの大脇さん、河口さん、採集を支援下さった山田さん、背野さん、水上さん、その他協力くださった皆様、ありがとうございます。
芦屋では、他にもたくさんのイベントを開催されていますので、興味がある方はぜひ以下のHPをご覧下さい。

NPO法人さんぴぃす(http://sanps.com)


(みつはしひろむね)

ムジナタケ

2008年10月23日

 先日、有馬富士公園でムジナタケを撮影しました。この季節にはよく見かけるキノコです.
 傘の軸の表面がフェルトのように少し毛羽立っていて,キノコの中では見分けやすい種類です.芝生や草地などの開けた場所で,いくつも束になってあちらこちらにたくさん出てきますから,よく目立ちます.
 地面から出たばかりの若いときはそれなりに美しい姿なのですが,すこし古くなるとすぐに傘の裏側(ヒダ)が真っ黒に色づき,あるいは軸のところがうす汚れた感じになります.そうなると見た目はあまりよろしくありませんし,手に取るのもためらわれる感じです.気持ち悪いと感じる方もおられることでしょう.

 ところで名前のムジナ(狢)というのはアナグマあるいはタヌキのことなのだそうですが,白と薄茶色の混じったムジナタケの若い傘の毛並みを見る限り,どちらかというとタヌキよりもムジナなのかな思われるのですが,みなさんはいかがでしょうか.

自然・環境評価研究部  秋山弘之

 姫路市在住の方から、川の中に生えていた植物の同定を依頼されました。生の植物を送ってくださいましたが、見たことのない植物でした。よくよく調べてみると、特定外来生物に指定されている「ミズヒマワリ」であることが分かりました。


写真1 ミズヒマワリの花

 「特定外来生物」とは、外来生物法に基づいて指定された、日本の自然環境を脅かす生物です。皆さんもご存じのブルーギルやアライグマ、ホテイアオイなどがあります。これら特定外来生物に指定されている動植物を許可なく飼育したり、ほかの場所に移動させたりすることは法律で禁止されています(ひとはくはミズヒマワリについては環境省から許可をとっています)



写真2 現地のようす

 10月12日、現状を確かめるために現地調査をおこないました(写真2)。現地では、所々に生えていましたが、このまま放っておくとどんどん広がっていくように感じました。姫路市の自然環境に詳しい方数名に尋ねてみると、姫路市内ではいくつかの川にミズヒマワリが広がっているとのことです。



写真3 ミズヒマワリのめしべ


 また、ミズヒマワリの花をよく観察すると、白い花冠のように見えていたものは(画像1)、めしべであることが分かりました(画像3)。


写真4 すぐに出てくるミズヒマワリの根

 ミズヒマワリはかわいらしい花をしていますが、取り除こうとするとかえって、ちぎれた所から根を出し(画像4)、すぐ増える厄介者です。琵琶湖では除去作業は根が伸びにくい真冬にしているそうです(さむそう〜)。
 皆さん、見つけてもちぎってほかの場所に捨てたり、持ち帰ったりしないようにしましょう。

自然環境評価研究部  山本伸子

マミズクラゲが出現!

2008年10月 9日
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 ノーベル賞のニュースではクラゲが注目を集めていますので、クラゲの話題をひとつ。
  クラゲといえば海の生き物と思いがちですが、実は池や湖にもいます。 夏の終わりから秋にかけて、「ため池にクラゲが!」という問い合わせが、毎年のように博物館に寄せられます。今年も、例にもれず、マミズクラゲが発見されました。発見は、2008年9月15日、三田市の青野ダムの湖畔です。釣りをしていた方が博物館に届けてくださりました。これまでも、三田市内では、青野ダムでの事例が一番多く、フラワータウンやウッディータウンのため池からも発見されています。

 このマミズクラゲですが、つかまえようと思ってもそう簡単に発見できるものではありません。神出鬼没なんです。ですが、たくさんの「眼」が地域をモニターしてるから、毎年のようにクラゲが確認されるのだと思います。あらためてみなさんに感謝です。頂いた標本は、ホルマリン浸け(トレハロースを添加)にして、博物館の液浸収蔵庫に標本番号をつけて保存いたしました。

貴重なマミズクラゲ、何と言っても生きているときがかわいいです。
そんなわけで、水槽にて動きを撮影しました。動画をご覧になりたい方は、以下のファイルを参照下さい。
クラゲのうごき(wmv形式 443KB)

*この動画は、連携活動グループの「水辺のフィールドミュージアム研究会」の前田知己さんが、ブラインシュリンプを餌に飼育して、博物館で頑張って撮影されました(Thanks!!)。

(みつはし ひろむね)

2008年9月下旬、キリンビアパーク神戸のビオトープ池にカンテンコケムシ(Asajirella gelatinosa)(Oka, 1891)が出現しました。当館では、2001年からこの池の調査を行っていますが、出現が確認されたのは今回がはじめてです。本種は1891年に東京大学キャンパス内の三四郎池で発見され、新種として記載されました。よく見かけるオオマリコケムシとは違い、由緒正しい日本在来のコケムシです。アジア地域の固有種らしく、兵庫県版レッドデータブック2003でBランク、環境省レッドデータブックでは準絶滅危惧種とされる希少種でもあります。

持ち帰ったカンテンコケムシは10月11日(土)まで生きていれば、オープンセミナーで公開します。


スイレンの葉柄に着生したカンテンコケムシの群体

(自然・環境評価研究部 佐藤 裕司)

omote.JPGomoteura.jpg

9月のはじめに、一般の方からこんな「いきもの」が持ち込まれました。
山のなかのため池でコイを飼育していたところ、ある日池を訪れると、コイが死んでいて、その体の表面には、うじゃうじゃと付着していたそうです。まるで昔のインベーダー・ゲームのエイリアンのような虫が、魚にたかっているので、飼い主の方は大変驚かれて、博物館ゆきとなったそうです。

kyuuban.JPG この生物は、もちろん「虫」ではなくて、
 節足動物門 顎脚綱 鰓尾亜目 チョウ目 チョウ科の仲間です。
種名については、詳しい図鑑がないので、良く分かりませんでしたが、おそらくは、「Argulus japonicus」 という種類のようです。このチョウという種は、魚類や両生類の外部寄生者であり、ウオジラミの名前ででも知られており、コイなどの養魚場で水産被害を引き起こします。写真をごらんください。このように鋭い吸盤で魚の表面にぴったりと密着して体液を吸います。なかなか図鑑にも紹介されることが少ない種類ですし、「さあ採集に行こう!」と言ってすぐさま採れるものでもないので、貴重な標本として博物館に収蔵いたしました。「寄生獣展」みたいなものをやるときには、ぜひ登板していただきたいところです。たくさんあるので、何かで展示したいという方は、標本をおわけいたします。問い合わせは三橋まで(hiromune(at)hitohaku.jp (at)を@に変換してください)。
(写真をクリックすると大きくなります!)

(みつはし ひろむね)

先日夕方、ひとはくの駐車場でイソヒヨドリの巣立ったばかりのヒナを見かけました。

首の後ろにまだヒナのぽやぽや産毛(?)が残っています。
駐車されている自動車の上にとまり、ぴょこぴょこまわりを見回していました。
どこかにいる親鳥を探していたのかもしれません。

鳥たちは、朝夕によく活動します。夕涼みをかねて、身近な自然を見に出かけてみてはどうでしょうか。生きものたちが元気な季節がまだまだ続きます。

遠藤 菜緒子(自然・環境マネジメント研究部)

庭の楽しみ

2008年7月17日

 戸建て住宅の方々のみならず、マンションなどの集合住宅にお住まいの方々
も、庭や緑を楽しまれてます。庭やベランダには、太陽の直射光も雨もが降りそ
そぎ、風も吹き込みます。そして、そこには多くの植物が植えられています。
庭は多様に「変化する空間」、緑が「生長する空間」なのです。
一方、家には屋根があり、壁があって、外界から守られた私達人間にとって「安
定した空間」といえます。

 人間にとって、この「安定した空間」と「変化・生長する空間」が共存するこ
とが重要なのです。このことによって、私達は精神的な楽しみ、安らぎ、ゆとり
などを享受することができるのではないでしょうか。私達の生活の中で、家と庭
の緑、部屋とベランダの緑、この絶妙な関係づくりが庭づくりの極意といえるで
しょう。

 住宅の庭のみならず、ベランダでも、家族のライフスタイルにあった縮景の庭、
借景の庭、さらには石の庭までもつくることができます。その際には、庭の方位、
雨・風などの自然現象、周囲の山々や公園や街路樹の緑などの環境、さらには
街並み景観などをよく観察し理解して、それらの良いところを如何に旨く取り込
み、活かすことができるかが重要です。

 庭は、私達にとって精神的な楽しみ、安らぎ、ゆとりを与えてくれると共に、
緑の日除けや風除け効果などの気象緩和、野菜や果樹などを通じた食物生産、
生物多様性の維持、さらには街並み景観づくりにまで役立つといっても過言では
ありません。更に、庭はオープンガーデンなどを通じた地域社会づくりにまで貢
献してくれます。

 昨今、地球温暖化、化石エネルギー消費、食糧問題などの多くの課題が山積し
ています。私達の庭づくりから、これらの諸課題の解消に向けて挑戦することは、
成熟社会での豊かな生活の質の追求であり、真の庭づくりの意味ではないでしょ
うか。
                      
中瀬 勲(兵庫県立人と自然の博物館 副館長)

  

写真1 緑の街並み
自分の楽しみのみならず多くの方々と楽しみを共有するオープンガーデンで有名な
北海道恵庭市の街並み景観の一コマ。市民一人一人の楽しみがまち全体を美しくし
ている。恵庭市はわが国でのオープンガーデンの発祥の地の一つである。
本年は「ガーデンアイランド北海道」のテーマのもとで庭づくり、花づくりが全道
で展開されている。
  
   
 
写真2 だんだん畑
阪神・淡路大震災後の震災復興住宅として建設された南芦屋浜の集合住宅の中庭。
住棟間は、だんだん畑として、樹木の植栽のみならず、住民によって野菜なども栽
培されている。住民にとって、見て、手入れして、収穫して楽しめると共に、コミ
ュニティ形成の場となっている。

梅雨明けが近づいてきました。
ゲンジボタルが終わりの頃、ヒメボタルのシーズンとなります。


チカチカとフラッシュのように光るので、写真に撮ると、黄色く丸い点が並んだようになります。これは、三田市内のとある神社で撮影したものです。

ヒメボタルは、陸生のホタルで、森林にすんでいます。
ホタルは川にいるものと思っている方が多いので、あまり知られていません。田んぼや湿地にすむヘイケボタルと間違える人も多いです。

今年は「六甲山系ヒメボタル分布調査プロジェクト」を実施中です。17名ほどの方が、深夜の調査に頑張っておられます。すでに新しい生息地も発見されました。

みなさんも、ご近所の林をのぞいてみませんか? 意外と裏山にいるかもしれませんよ。
もっとも多いのは、スギ林、ついで竹林。大木のあるような自然林にはたいてい見られます。

(八木 剛@自然・環境評価研究部)

姫路市書写の里・美術工芸館の学芸員である堀澤さんから,とても美しい写真を投稿していただきました.

美術工芸館キヌガサタケ


 6月22日から,美術工芸館の竹林に出現したキヌガサタケです。毎日2−6個出ており,美術工芸館では,「はじめて見た,珍しい」と毎日フィーバーしているそうです。

 キヌガサタケは梅雨や秋雨の時期に竹林に生えます。白く広がるマントが優美なので,キノコの女王と呼ばれ,中華食材としても有名です.
 このキノコは成長が早く,早朝伸びはじめたキノコは3時間程度でマントをひろげ,午後にはたいてい朽ちてしまいます。
 キノコが成熟するとグレバ(マントの上に付いている黒っぽい部分)から胞子の混ざった粘液が出てきます。この粘液が異臭を放ち,ハエ誘きよせます。ハエに胞子の混ざった粘液をなめてもらうことで,胞子を運んでもらう仕組みです。

 姿も臭いも強烈な,感激モノのキノコですよ!

姫路市書写の里・美術工芸館のサイトへ。

(自然環境評価研究部 布施静香)


犬歯が4本とも尖り部分は削り取られていて、右下あごの犬歯は見えない。
ペットとして飼われていた。
上あご右側の切歯の2番目が抜けている。歯周病も進行している。


野生動物にとって歯は命:アライグマは北アメリカ原産の動物です。日本で
は1962年愛知県で確認されているが、1977年にラスカルでテレビアニメに
登場して、一躍ペットの人気種となり流通しました。アライグマは本来野生
動物ですから飼いきれなくなって捨てられたり、逃げ出したりし、80年代ま
でに岐阜県・北海道・和歌山県・神奈川県等で野生化および自然繁殖が
確認されるようになりました。
ついに2005年から特定外来種に指定され防除の対象になっています。
歯医者に通うヒトと同じ生活をして、甘いケーキももらって食べたであろう野
生動物にとっては気の毒な話です。
手先の器用なアライグマに歯ブラシを与えてほしかった。


イノシシ        3・1・4・3
ほ乳類の -------------------- (44本)
基本的な歯式    3・1・4・3

            3・1・4・2
アライグマ--------------------- (42本)
            3・1・4・2


  
ほ乳類の歯の種類と数を上あごの半分と下あごの半分を分数のような形
で表したもの

上あご 切歯・犬歯・小臼歯・大臼歯 (各本数)
    ---------------------------------------
下あご 切歯・犬歯・小臼歯・大臼歯 (各本数)

                      (特命研究員 長谷川太一)

豊岡の桃島池にはヒヌマイトトンボという小さなトンボがいます.そろそろ出始める時期です.(朱色が♀,明緑が♂)
汽水域に適応したトンボで,東南アジアのマングローブにいる仲間のうち最も北へ来たのがコレ!と,考えられてています.ところが日本では開発によって生息地が次々と消滅,ヒヌマイトトンボは絶滅を危惧されています.






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 ただいま博物館の4階サロンで桃島池のヒヌマイトトンボの立体写真を公開中です(6月29日までの予定).写真は2006年の6月末に桃島池で撮影したものです.表示にはデジタルフォトフレームを加工した新型ビューワを使用,現地で水際を覗き込んだ感じで,立体的に御覧になれます(四角い箱がビューワ).

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沢田佳久 (自然・環境評価研究部)

ヒメボタルの季節となりました。

ヒメボタルは林や草地にすんでいる陸生のホタルで、黄色いフラッシュ光の輝きは、ゲンジボタルとはずいぶん趣が異なります。今年はぜひ観察してみてください。

(↑)ヒメボタルが林の中を飛んでいると、こんな感じです。

(↑)これは、ヒメボタルがとまって光っているところです。


こんな光景が見られるところは各地にあるのですが、まだよくわかっていません。
多くの人は、ホタル=川だと思ってます。これは、ゲンジボタルが有名すぎるからですね。

そこで、今年は、みんなで六甲山系のヒメボタルの分布を調べることにしました。六甲山にもこのような場所があるのですが、まだよくわかっていないので、みんなで手分けして調べましょうという趣旨です。六甲山のヒメボタルは、宵のうちには光ってくれませんので、調査は深夜になります。なかなか手強いですが、新しい生息地を見つけたときのよろこびは、ひとしおです。

セミナーは6月13日の金曜日の午後、県立六甲山自然保護センターで行います。このときに、ヒメボタルについてのくわしいお話をし、調査の作戦を立てます。
ご関心の方は、ぜひ「六甲山系ヒメボタル分布調査プロジェクト」への参加をご検討ください。

いきなりここに入るのはちょっと・・・と思われる方は、丹波市観光協会さん主催の第3回ヒメボタルまつりをオススメします(ひとはく共催)。6月中旬から7月上旬にかけて毎週土曜日に観察会が行われます。暗闇に輝くヒメボタルをお楽しみいただけます。
第3回ヒメボタルまつりのチラシをダウンロードする(PDF880KB)

八木 剛@自然・環境評価研究部でした

ホオノキの大きな花

2008年5月22日

 5月も半ばになると,篠山付近でもホオノキの花を見かけるようになります.
ホオノキはモクレン科の植物.甘い香りが辺りに漂い,白い花は初夏の日差しに輝いてとてもきれいです.

花
 ホオノキの花と葉.樹高が高いので,花を見る機会は少ないかもしれません.葉は大きくてホオバ味噌に使われたりします.

メシベとオシベ
 手前の花びら(花被片)を取り除いて撮影.上半分の赤紫色の部分がメシベ.下半分の白っぽい部分がオシベ.メシベもオシベも多数あって,1つ1つが螺旋状に配列しています.

果実
 若い果実.メシベが螺旋状に配列していることが良くわかります.花びらやオシベは全部脱落しています.

 この季節,博物館近くの街路樹である「トチノキ」も花をつけています(まだまだ小さい樹なので,花をつけていない株もあります).花は樹のてっぺんに咲いているので,ホオノキ同様,目線をあげないと見えませんよ〜


(以下,植物が好きな方へ)
 モクレン科の花は原始的だとよく言われます.何故なのでしょう?
 花びらは葉が変化したものだと考えられているため,より葉に近い花を持つモクレン科は原始的だとされているのです.
 モクレン科の1つのメシベは1つの心皮から構成されていているので,2つに折りたたまれた葉の内側に胚珠(受精後,種子になる部分)が付いた状態だと見なせます.オシベは花糸と葯がはっきり分化していません.しかも,これらのメシベとオシベは,(互生する葉のように)螺旋配列しているのです.


布施 静香 (自然・環境評価研究部)

アワフキムシの「あわ」(↓)を見かける季節になりました。いろんな草木についています。

「あわ」をかきわけてみると、中には、5mmくらいの小さな虫が入っています。


拡大してみると・・・


これは、アワフキムシの幼虫です。セミに近い昆虫で、植物の汁を吸っています。

この虫を「ホタルの幼虫」と思っている方が、けっこう多いです。
「あわ」が、ホタルの季節によく見られることと、赤と黒の体色のパターンがホタルによく似ているからではないかと思います。ホタルと反対に、頭や胸が黒で、お腹が赤いですが。。。

ほんとうのホタルの幼虫は、水中や地表にすんでいて、あまり目立たない色をしています。

ところで、赤と黒がよく目立つ、いわゆる「ホタルカラー」の虫は、ホタル以外にいろいろ見られます。
これは、ホタルは毒虫なので、ホタルに「擬態」していて、鳥などに食べられにくいからだとか。。。ほんまかいな??

アワフキムシは、成虫になると「あわ」を吹かず、翅(はね)が生えて赤と黒の色もなくなり、あまり目立たないです。さわろうとすると、ぴょこーんと跳ねて飛んでいきます。

八木 剛@自然・環境評価研究部でした。

本日2008年5月15日(木)、博物館のまわりの深田公園で、ハルゼミの声をききました。

ハルゼミは、例年ゴールデンウィークの頃から鳴きはじめます。ゲーゲーとカエルのような声なのと、季節が春なので、セミの声とは思わない人も多いと思います。声はすれども、姿を見ることはかなり難しいです。体長3cmくらいの小ぶりのセミです。


(↑写真は三田市内で撮影したもの)

セミの姿と鳴き声はこちらのページでチェックできますよ。

兵庫県には13種のセミがいます。
だいたいの出てくる順番は、ハルゼミ、エゾハルゼミ、ヒメハルゼミ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、クマゼミ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、エゾゼミ、コエゾゼミ、アカエゾゼミ、ツクツクボウシ、チッチゼミ。全種制覇には、かなりの努力が必要。
ハルゼミは、マツ林にいます。三田では、ニュータウン内の公園でも声をきくことができます。

八木 剛@自然・環境評価研究部でした

春の虫

2008年3月29日

春の虫といえばギフチョウです.だいたいソメイヨシノが咲く時期に成虫が現れ
ます。早春限定でみられる事に加え、姿も美しく、それなりの生息環境が保た
れた場所にしか現れない事も人気の理由でしょう。ギフチョウは里山の虫です
が、山奥にも春の虫はいます。

ブナ林の代表的な春の虫は瑞々しいブナやミズナラの葉に見られるルリクワ
ガタの仲間でしょうか。ブナの葉は夏になると硬くて色も濃くなりますが、展開
直後は柔らかく、毛が多くモケモケです。人間が見ても美味しそうだったりしま
す。虫はそのような賞味期限にうまくシンクロして出現します。ノミゾウムシの
仲間も春は早めに現れ、展開しつつある葉に産卵します。
穴場はカエデの花です。あまり目立ちませんがカエデの仲間は大量に花を咲
かせます。遠目には樹全体がほんのり赤く見え、近づいて注目すると、ちゃん
と花が咲いています。そして蜜と花粉目当てに小さな虫がわんわんたかって
います。ハナアブやカメムシ、翅のあるアブラムシ、小型のカミキリ、ヒラタハナ
ムグリなど、虫だらけ。虫を食べる虫も来ています。中には「カエデの花で採れ
るがその他の生態は不明」というような謎の虫もいて、その虫と人類の接点は
今のところ春のカエデの花だけだったりします。

晩春に多い虫もあります。最近は「養老虫」として知られるヒゲボソゾウムシの
仲間がそうです。これもギフチョウなみに環境を選びますが、特定の植物との
つながりは弱く、郊外の針葉樹の混じった広葉樹林ならたいてい何種か見ら
れます。いる所にはワンサカいて、緑色に輝く軽快な姿がそこらじゅうに見られ
ます。
森から湧き出すように現れ、梅雨前には姿を消します。

(自然・環境評価研究部 沢田佳久)

芽吹きを待つカシワノミゾウムシ


比較的ハデなハウチワカエデの花

厳しい寒さから一転して春本番の暖かさになりましたね。
早春にだけ現れる虫たちも、順調に出てきているようです。

晩秋から早春にかけて現れる「キリガ」と呼ばれる蛾のなかまがいます。
やわらかな毛並みや上品な色彩から、人気の高い蛾です。キリガには、晩秋にだけ現れるもの、晩秋に現れてそのまま越冬し早春にかけて活動するもの、早春にだけ現れるものがあります。(※1)

JR「T田尾」駅は、山間にあって、灯火にいろんな蛾が飛んで来ることで、わりと有名な駅です。2008年3月16日(日)、キリガの採集に訪れた少年たち(※2)のようすを観察しました。



改札前。「二匹のディスタンス」(※3)風に、ならんでもらいました。かわいいでしょう。左:スギタニキリガ、右:スモモキリガ。


階段でしゃがんでいるのは、気分が悪いからではありません。蛾は地面に落ちていることが多いです。珍品が無惨に踏まれていて、ああ、なんてことを・・・と思うことあり。


蛾は、天井にはりついていたり、すき間にいたりします。ちょっとお行儀悪いですが、隅々まで見ることは重要です。


ええもん採れましたかー? 夜はさすがに寒いっすねー。という感じ。


スギタニキリガ 早春だけに現れる、キリガの中では大型の種類。普通種だけど、思わず見とれる美しさです。格調高いっすよー


自転車置き場の地面に落ちてたシロトゲエダシャク。メスは翅がない「フユシャク」と呼ばれる蛾のなかまです。フユシャクの中では最も遅く現れる種で、3月に見られます。薄い翅とふさふさのアンテナ(触角)が上品。


※1、3 「共生のひろば」第3号に掲載の「宝塚市武庫川渓谷と西宮市甲山のキリガ相」「二匹のディスタンス」を参照下さい。(現在印刷中ですので、配布およびホームページでの公開はしばらくお待ち下さい。)

※2 ひとはくのセミナー「ユース昆虫研究室」現役および卒業生(テネラル)の人たちです。ユース昆虫研究室オフィシャルサイトはこちら。過去のようすがごらんいただけます。セミナーはこちらからお申込いただけます(中学生限定。〆切:4月1日です)。

キリガの採集についてさらに関心がある方にはこちらが超おすすめです。


自然・環境評価研究部 八木 剛 でした。

研究員の休日

2008年2月27日

「氷ノ山彷徨」 

・土曜・日曜とお仕事に専念して、月曜日にかける。
・2008年2月25日(月)3:00起床、3:30出発。篠山小雪道路凍結真っ白。舞鶴道真っ白。
・豊岡道雪横殴り、トロトロ40km、和田山雪。若杉峠雪、戸倉峠雪激しい。
・山女魚茶屋の引き込み林道が除雪してない。仕方ない、国道29号の膨らみに駐車。
・山女魚茶屋までの国道、融雪機全開、こんなアホナ、横からシャワーや、雪壁で避けられない。
・跨ぎ飛び越え、ほうほうの態で山女魚茶屋へ、閉鎖のよう。
・土日のトレースがあるはずと期待してたけど、全くない、へこんでもない。これは無理かも。積雪2mに新雪50cmほど。
・雪は降り続く。6:00夜明けとともに出発。ラッセル膝、雪質は軽い軽いパウダー、気温マイナス五度。
・7:00屈曲部、9:30峠林道はずれ尾根へ。雪は小止み、単独膝ラッセルでは行きつかんだろう。





・10:30に1300m台地に到着、薄日が差したり、ガスに入ったり小雪。前方三の峰は真っ白。
・笹も潅木も全くなし、いつも出来ている難儀な風紋もなく、硬雪の上に20cmのパウダー。
・11:45三の峰着、氷ノ山はまだ遠い、ガス薄日小雪、視界はまずまず、GPS順調。どうするか。
・決行、鞍部まで直ぐ。快調に鞍部の雪庇を巻き、ピークを巻き。
・13:00山頂着、扇の山が前方に、鉢伏スキー場が眼下に。薄日寒いガス・小雪から晴れだす。
・13:30シールを外し出発、あっという間に鞍部。シール付け、登り返し。
・14:30三の峰・避難小屋に戻る。スノーボーダー二人が若桜スキー場から。
・直ぐに出発、シール外す。真っ白の台地を一直線、ヒヤー最高、パウダー20cm。体感時間10秒。



・14:40ブナ林到達。15:10林道に出る。ここからが誤算、雪の表面が凍って抵抗となり滑らん。
・林道30分の心つもりが、一時間以上を要す。
・16:30山女魚茶屋、16:45車帰着、天気晴れ。
・身体を苛めてくたくたで快調、我が家でのエビス大ビンビール二本が沁みこむ。最高の「氷ノ山」でした。
・氷ノ山の肩に少々いびつなシュプールが。登山靴ジルブレッタ。プラブーツでは恐らく行き着かんでしょう。
・山スキーの真髄は「直滑降」にあり、三の峰滑降は痛快であった。

田中哲夫(自然・環境マネジメント研究部)

 兵庫県生活衛生課によると兵庫県で最も多いキノコ中毒は「ツキヨタケ」によるものだそうです.
ツキヨタケは夜光るキノコとして有名ですが,昼間はシイタケ風の茶色いキノコで,一見食べられそうです.
ツキヨタケ上面ツキヨタケ下面
ツキヨタケの上面(写真左)とツキヨタケの下面(写真右).大きさ12cm位だった.三川山で撮影(クリックすると写真が大きくなります).

 上の写真は典型的なツキヨタケを撮影したものですが,たまに上面の色(=カサの色)がかなり薄く,黄土色のツキヨタケも見かけます.そんな個体はムキタケという食べられるキノコにとてもよく似ています(大学生の頃,私も危うく食べてしまうところでした).ムキタケとツキヨタケは混生することもあるので,とにかく素人判断で食べたりしないでくださいね.

 兵庫県生活衛生課のホームページに「食べてしまった時の対処法」「中毒の予防法」「毒キノコの紹介」」掲載されています. 是非見てみてください.
→毒キノコによる食中毒について(兵庫県生活衛生課のページ)

 また,今週土曜日(2007/2/23)から開催される企画展「クリプトガミックボタニー」ではツキヨタケのフリーズドライした実物標本が展示されています.この企画展は,花の咲かない植物の多様性や面白さを紹介したものなので,特に「有毒/無毒」の視点ではキノコを紹介していませんが,ツキヨタケの大きな特徴である「ツキヨタケを切断したときに現れる柄の黒いしみ」を見てもらうことができます.
→企画展「クリプトガミックボタニー 隠花植物の不思議な世界」
是非お越しください.

布施静香(自然・環境評価研究部)

博物館近所のサギの集団繁殖地に、第一陣のアオサギがやってきました。

080206.JPG

アオサギは、日本に普通に見られるサギです。日本で繁殖するサギの仲間では最も大きく、翼を広げると160cmにもなります。兵庫県では1年をとおして見られますが、繁殖期が終わると集団繁殖地では見られなくなります。冬の間どこかへ行っていたサギ達は、繁殖期を迎えて集団繁殖地に徐々に集まり、ここで夏まで子育てをします。

まだまだ寒い毎日ですが、春の気配が近づいてきていることを感じました。

遠藤 菜緒子 (自然環境マネジメント研究部)
参考:ひとはくリサーチプロジェクト『鵜サギコロニー』

 今年の1月,兵庫県内でチョウセンアサガオによる食中毒が発生しました.
兵庫県生活衛生課の担当者のお話によると,畑から引き抜いた根を使って「きんぴらごぼう」を作って食べた方が,約30分後にめまいなどを発症し,以後瞳孔拡大,頻脈,幻視等の症状を呈して,入院されたということです.

 チョウセンアサガオの根は確かにゴボウに良く似ています.観賞用に植えられたチョウセンアサガオがいつの間にか近くの畑に逸出し,運悪くゴボウ畑に入ってしまうと,これはなかなか厄介です.チョウセンアサガオは有毒植物として有名で,花が咲いているときは決して間違わないですが,冬など地上部が枯れている時期は注意してください.

 兵庫県生活衛生課のホームページに詳しい記事とチョウセンアサガオとゴボウの違いが掲載されています. 是非見てみてくださいね.
→有毒植物による食中毒について(兵庫県生活衛生課のページ)

布施静香(自然・環境評価研究部)

ケチョウセンアサガオ花ケチョウセンアサガオ根
ケチョウセンアサガオの花(写真左)と根(写真右).チョウセンアサガオと同様,ケチョウセンアサガオも,食中毒を起こす植物です.最近はケチョウセンアサガオもよく栽培されています(撮影:鈴木武@ひとはく).

ツチノコ発見か??

2008年1月19日

顔

 昨年の暮に姫路市の前川さんが山道でツチノコを発見したというお電話がありました。写真を送っていただくと胴回りが太くて、全長が75cmと大物。確かに、聞き伝えられるツチノコに似ています。本州にはヘビが8種類しかおらず、体型から考えるとマムシだろうと思いました。が、マムシは大きくなっても60cm程度なので、どこか様子がおかしい点が気になりました。

前川さんのご自宅に伺い、直接確認させていただくとやっぱりマムシではありません。私もこれまで見たことがないヘビだったのですが、調べてみるとパプアニューギニアあたりに生息している“ボア”の仲間のようでした。見た目では、バイパーボアというヘビに一番似ているように思います。

頭が砕かれて死んでいた、ということですが、なぜ山道で見つかったのでしょうか。ペットとして飼いきれなくなり頭を砕いて捨てた、というのが私の推測です。最近、「リョーハ」(両爬:両生類と爬虫類)という名前が有名になるくらい、海外の両生類と爬虫類をペットとして飼うことがブームになっているようです。両生類では、ペットのカエルを捨てることでツボカビ(両生類の伝染病)が広がってしまうといった大きな問題もあります。きちっとしたマナーのもとで、生きものを飼育していただけるといいのですが。

頭胴回り

全身


田口勇輝(自然・環境マネジメント研究部)

 今年は「国際カエル年 −Year of the FROG−」として世界各地でカエルにまつわる色々な啓発活動が行われます。英語のホームページですが、宜しければごらん下さい(http://www.amphibianark.org/yearofthefrog.htm)
このHPの中で、キーメッセージの部分は日本語版がでています(→こちら (pdfファイル))
 今、世界中でカエルをはじめ両生類が姿を消していっている、ということが分かってきました。絶滅危惧にある両生類は世界で32%(約6000種類のうちの3分の1!)にも達するようです。これは、鳥類の12%、哺乳類の23%と比べてもとても危険な状態です。約3億年前にイクチオステガという動物が、魚類から両生類へ初めて進化したと考えられています。そのような3億年の歴史をもつ両生類が今、世界的な危機に陥っているのです。

 その理由の1番は、両生類のすみ場所が直接破壊されていることです。両生類がすんでいる湿地や池、田んぼなどは開発の対象となりやすいのです。そのほかにも、農薬の影響や、紫外線の影響、最近ではツボカビの影響(http://hitohaku.jp/tsubokabi/)が世界中で出ています。両生類は、水と陸の両方の環境がよくないとすんでいくことはできない、とても敏感な弱い生き物といえます。

 日本では、これらの影響に加えて、稲作の衰退が大きな減少理由の一つになっています。人が里山で作ってきた沢山の水田やため池はカエルたちのすみ場所にかなり貢献したはずです。川の上流部から中流部では、自然状態でそんなに大きな水溜りはなかなかできないでしょう。
 わたしたちがまず出来ることは、日本のお米を食べることだと思います。パンもおいしいですが、ご飯もシッカリ食べていきましょう。

田口勇輝(自然・環境マネジメント研究部)

20日の朝刊(産経)で、オオサンショウウオがカエルツボカビ症に感染していることが報道されました。
(→産経新聞の記事へ)
(→スポーツ報知新聞の記事へ)

野生の個体とありますが、数年間飼育されていた個体なので、完全な野生個体ではありません。
「研究者らは絶滅の恐れも」という記事がありますが、少し過大表現だと思います。
海外からやってきたツボカビとは違うタイプのものらしいので、国内に元々いた可能性があるからです。

元々いたということは、オオサンショウウオと共進化してきた可能性があり、大きな被害はでないことが予想されます。
ただ、外国からきたツボカビが感染し被害がでるという可能性はあるので、これからもペットのカエルを扱うには注意が必要です。
詳しくはこちら→http://hitohaku.jp/tsubokabi/infor.htm

田口勇輝(自然・環境マネジメント研究部)

もうすぐクリスマス

2007年12月13日

クリスマス気分で歩いていたら、ヒイラギモチをみつけました。セイヨウヒイラギでなく、シナヒイラギ(Chinese holly: Ilex cornuta Lindl.)です。

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「成木の葉は全縁(葉のふちにぎざぎざがないこと)になることがある」。本当だ。

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この辺はみんな全縁です。同じ木なのに不思議。

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変種にマルバヒイラギモチ(var. integra)というのもあるそうです。

今週末の15日(土)は、植物分類学会講演会があります。「Flora of Japan (日本の植物相)」の担当の先生方が、担当の植物についてお話してくださいます。ユリ科、ラン科、キンポウゲ科などについて楽しいお話が聴けそうです(予約不要)。同じ日に昆虫学公開研究発表会もあります。今週もひとはくは盛りだくさん!!

(自然・環境評価研究部 福田知子)

博物館のある、ここ三田では紅葉の真っ盛り、というより終わろうとしていて、季節は秋から冬へ移ろうとしています。
付近の山はなだらかな丘陵地でコナラが優占しています。それで紅葉の色は「赤」や「黄色」というより「茶色」です。茶色というとあまり綺麗なイメージはありませんが、よくみるとかなり美しいものです。
この茶色は北摂三田の晩秋というか、初冬の特徴的な色合いです。

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 ←深田公園の周りに残っているコナラの林


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 →茶色というよりオレンジ色に紅葉したコナラ


晩秋のもう一つの主役はドングリです。博物館の周りの深田公園にはシラカシがたくさん植えられていますが、今年はそのドングリが豊作でした。たわわに実ったドングリですが、このごろはただ落ちるだけで、誰も拾おうとしないですね。
拾ったからといってどうするものでもないですが、たくさん拾って机の中に隠しておくと、忘れた頃に虫がいっぱい出てきたり、ときには根が出たりして驚いたものです。

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 →シラカシのドングリ


朝晩は相当冷えて、今朝、博物館の横の池には氷がはっていたそうです。もうすぐ冬ですね。

                                (自然環境評価研究部 高橋)

多紀連山

2007年11月10日

 11月7日,多紀連山の三嶽と西ヶ嶽へ行ってきました.
目的は,来年度のセミナーの下見で,メンバーは,地学の小林さんと植物学の高橋さん・布施です.
まずは,「くりから谷中分水界」へ.小林さんに河川争奪の講義をしてもらい,植物学の2人は勉強.
その後,栗柄から三嶽登山.
山道では,植物学の2人が,植物やキノコのウンチクをたれながら登りました.
栗柄
 ←三嶽から見たくりから谷中(こくちゅう)分水界



 ←説明し合う小林さんと高橋さん.専門分野外の講義が気軽に聞けるのは,博物館の良いところですね

リョウブ
 ←紅葉するリョウブ


三嶽から西ヶ嶽へ行き,夕方下山.
来年,”地学と植物を学ぶ登山セミナー(仮称)”を開催する予定です.やや健脚向けのコースになりそうですが,どうぞお楽しみに!

(自然環境評価研究部 研究員 小林・高橋・布施)

カエルツボカビ症をご存知ですか?
ツボカビは、カエルやサンショウウオ、イモリなどの両生類にうつるカビです。海外からやってきたツボカビが日本に生息する野生のカエルに与える影響については、まだわかっていません。でも、いったん野外に広がってしまえば手おくれになるかもしれないのです。ペットとして売られている外国のカエルにはツボカビがついている可能性があります。飼っているカエルを野外にはなしたり、死んだカエルやカエルのついた水などを外にすてないようご協力ください。

ツボカビホームページへ移動します

ツボカビエコバッグはこんなかんじですツボカビの全国調査が、国が中心となって今年の春からおこなわれています。兵庫県ではひとはくがリーダーとなり、県内の調査員にお願いして、100個以上のサンプルの収集を行いました。サンプルは専門の機関に送られ、現在検査がすすめられています。ひとはくでは、このような調査活動と平行して、ツボカビ防止のために「ペットのカエルをはなさないで」PR活動をはじめました。その一環として、ツボカビ情報を簡単にまとめたホームページをつくりました。ぜひ、一度みてください。


また、ひとはくのミュージアムショップにご協力いただき、ツボカビエコバックの作製・販売を行ってもらっています。バッグには、ペットのカエルを放さないで欲しいという簡単でわかりやすいメッセージがプリントしてあります。ツボカビの説明がシンプルに書かれたチラシをバックにつけていますので、ツボカビについて知っていただき、さらにバッグを使っていただくことにより「カエルを放さないで」という普及にお買い求めになった方々にもご協力いただければと考えています。ミュージアムショップの営業に関しては、ホームページをご覧ください。11月4日(日)のひとはくフェスティバルでは、時間を拡大し10時〜17時まで、通常店舗のほかに3階入り口前でも営業します。

昨日の雨で、一気に秋が深まってきましたね。
雨上がりの深田公園芝生広場には、水たまりができていて、待ちわびたかのように、アキアカネが産卵にやってきました。この水たまり、公園利用者には不評ですが、アキアカネのための「ビオトープ」になっています。

(↑)お天気がよければ、ぜひ深田公園でお弁当を食べましょう。美しい博物館の建物、風の彫刻家、新宮 晋さんの作品を背景に、アキアカネの産卵を観察できますよ!!
 アキアカネは、すぐ干上がってしまうような水たまりが好きで、稲刈りの後の田んぼにも、たくさん産卵に来ます。


(↑)産卵はたいてい連結して行なわれます。メスをしっかりつかまえておかないと、ほかのオスに取られてしまうからだって。たしかに、まわりには、メスを横取りしようとするオスもいます。キビシイ世界だ。。。

 今年は秋の進行が遅めなので、11月4日のひとはくフェスティバルのときも、お天気がよければ、産卵を観察できるかもしれません。


 ところで、私は、日本でいちばん美しい赤とんぼ、ミヤマアカネがどのくらいの範囲で生活しているかを調べるために、マーキング調査をしています。「あかねちゃんクラブ」のみなさんによるマーキング個体は、6800個体を超えました。はねに番号のついたミヤマアカネを見つけた方は、ぜひご一報ください!! 特に、宝塚、西宮、芦屋、東灘区にお住まいの方、要注目です。

 兵庫県には18種のアカトンボが記録されています。くわしくは、「プチ図鑑 兵庫の赤とんぼ」をぜひご覧ください。こちらからダウンロードできます。

自然・環境評価研究部 八木 剛

ナガボノワレモコウ

 ジーンファームではバラ科のナガボノワレモコウ(白花)が咲いています.
ナガボは「長穂」でしょう.
ワレモコウよりもずいぶん長い花序をつけています.
先の方から花が順々に咲いていくんですね.
花序の中ほどの黒いところはアリです.
この花にはアリがわんさかと集まってきます.
蜜でもなめにきたのでしょうか.
それにしても,アリはなぜアリにとってこんな高そうな位置にある花を見つけることができるのか不思議な感じがします.
今度聞いてみるべし...


 10月21日(日)のはくぶつかんの日にはジーンファーム見学会を行います.
このナガボノワレモコウももちろん見ることができます.
興味のある方はぜひお越しくださいね.

黒田有寿茂(自然・環境再生研究部)

深田公園の秋

2007年9月22日

9月20日、NPO法人シニア自然大学の方が60人ほど、団体で来館されました。「特注セミナー」として、私が「ビオトープ」についての話と実習をしました。

「ビオトープって、生き物のすむ空間だって。トンボ池つくることがビオトープやないですよ。ではみなさん、深田公園でビオトープを発見しましょう」なーんて言いながら、観察をしてもらいました。

今年は季節が半月くらいずれてる感じでこの日も暑かったですが、さすがにチッチゼミがよく鳴いてたりして、秋を感じました。
ふと見ると、水辺の足元にはかわいい草が。。。私なんか、ぜんぜん気づきませんでしたが、シニア自然大学の方が発見されました。


女性の方「この植物は何ですか?」

私「何でしょうかねー・・・かわいいですね。」

女性の方(こりゃダメだという感じで)「そうねえ。虫じゃないものねー」

私「動くもんにしか興味なくて、すいませんね。訊いときますわ」


<お昼休み、研究室で>

(私のとなりの席のふせっち(布施静香研究員)が部屋に戻ってきました)

私(上の写真を見せて)「これ何?」

ふせっち「イボクサ」

・・・秒殺だ!! 3秒かかってない。


ふせっち(図鑑をぺらっと見て)「外国の人ですね。あっ、史前帰化だって」

(意味:外来種ですね。でも、文書記録がある時代以前に持ち込まれた古い帰化植物のようです)

八木「ふーん、そうなんや。サンキュー」

博物館をいちばんよく利用しているのは研究員だなあ、とつくづく思いました。

県民のみなさんも、ぜひ活用してくださいね。
秒殺ですよー 秒殺!


ところで、この日の深田公園には、小学生たちの姿もあって、にぎやかでした。近所の武庫小学校の6年生と1年生のみなさんが、アミとカゴを持って、虫とりを楽しんでいました。

シニアのみなさんもこの風景にはいたく喜ばれていました。6年生と1年生という組み合わせもすてきでした。
こういう経験って、きっと子どもたちの心に残るでしょうね。私も幼稚園の頃の遠足の虫とりが楽しかったことを、いまだに覚えています。


博物館と深田公園、ぜひぜひセットでご利用くださいまし。
大人の方の観察にも、子どもたちの体験にも、もっていこいです。

八木 剛@自然環境評価研究部でした

幼虫

2007年9月21日

幼虫

 博物館の裏のノブドウに、イモムシがとまっていました.
 これはコスズメの幼虫です.
 すごい勢いで葉っぱをかじっていて、上下の葉はもうありません。
 さなぎになるまでに、食糧が足りるといいのですが・・・?

 福田知子(自然環境評価研究部)

 先日、上陸したてのウシガエルに遭遇しました。オタマジャクシからカエルに成長する途中で、まだシッカリ尾っぽがついています。大人のウシガエルは、なかなかのジャンプ力で、すぐに逃げてしまうのですが、コイツはまだ後肢が短いせいかヨチヨチ歩きという感じでした、笑。
 それにしても、ぶちゃいくな顔してますねぇ…。
斜め45度
 ← ポイントの斜め45度

正面
 ← 正面

たそがれウッシー
 ← たそがれウッシー

空を見上げて
 ← 「なんかえぇことないかなー」

 田口勇輝(自然・環境マネジメント研究部)

ひとはく連携活動グループ「あかねちゃんクラブ」(代表:足立 勲)では、日本でいちばん美しい赤とんぼ「ミヤマアカネ」がどんなところにいて、どんな生活をしているか、調査しています。
そのため、ミヤマアカネの翅(はね)に番号をつけて、放しています。
番号のついたミヤマアカネを見つけた方は、ぜひお知らせ下さい。

2006年の調査では、6,372個体に番号がつけられ、船坂川から逆瀬川へ飛んで行ったり、仁川から大阪府池田市まで飛んで行った個体が確認されました。また、2ヶ月以上生きている個体もありました。
2007年度は、7月9日から9月7日までに、仁川、逆瀬川、夙川などで、2,875匹のミヤマアカネに番号がつけられ、放されています。

<発見のコツ>
ミヤマアカネは、河川敷や公園、庭、畑などの日当たりのよい草地に見られます。
背の高いところや木の生えているところはきらいで、足元の草の上にとまっていることが多いです。
翅(はね)に茶色い帯があり、白または赤の4つの点があるので、ほかのアカトンボとまちがえることはありません。11月頃まで見られます

つぎの地区にお住まいの方、とくに要注目!!
 きっとみつかる・・・宝塚市、西宮市、芦屋市、神戸市東灘区
 みつかるかもね・・・尼崎市(武庫川の近く)、川西市、猪名川町、神戸市灘区、北区
 もしみつかったらびっくり・・・三田市、篠山市

番号の書かれたミヤマアカネ(↓)
左に「仁5」右に「5」と書かれています。記号には、H、K、G、W、カなどがあります。

赤くなったミヤマアカネのオス(↓)
オスは秋になると全身が赤く色づきます。


<発見された場合>
つぎの要領でご連絡ください。

電子メールで:akanechanoffice@yahoo.co.jp
1)ミヤマアカネに書いてある記号番号
2)みつけた日時
3)みつけた場所(くわしく)
 例:○○市○○町○丁目 ○○川○○橋の上流、約100m地点/○○公園の入口付近 など
4)みつけた人
 住所、氏名(お子さんの場合は学校学年)、メールアドレス
5)その他の情報
 発見時のようす、環境などなど
 できれば、ミヤマアカネの写真を添付してください。

FAXの場合は、こちらのチラシ「番号のついたミヤマアカネを見つけたら」をプリントし、必要事項を記入して送信下さい。
チラシ(PDFファイル808KB)をダウンロード

いただいた情報は、あかねちゃんクラブオフィシャルサイトに掲示します。
発見者名の掲載を希望されない場合は、その旨お知らせ下さい。

みなさんからの情報をお待ちしてます!!

八木 剛(自然・環境評価研究部)

タヌキマメ全草タヌキマメ花

 今朝,姫路からタヌキマメが届けられました(写真は2枚とも送っていただいた個体です).
タヌキマメは池の土手などの草地に生えるマメ科の植物です.草地開発や土地造成により生育地が減少.1年生植物のため,種子をつける前の草刈りで,急に消えることもあるようです.現在は絶滅危惧種に指定されていないものの,今後,絶滅が心配される植物の一つです.
 この個体は,池の改修工事でできた残土置き場に生えていたそうです.以前は池の土手で多数の個体が見られましたが,改修によりもとの場所では見られなくなったそうです.今回植物をお送りくださった奥田さんは,この地域での絶滅を心配し,種子を採集して自宅での栽培を試みておられます.お送りいただいた植物は,標本にして博物館で保管させていただくことになりました.

 布施静香(自然環境評価研究部)

セトウチホトトギス

2007年9月 4日

セトウチホトトギス
 まだまだ暑い日が続いていますが,少しづつ秋の気配がしてきましたね.
今日は初秋に咲く「セトウチホトトギス」を紹介します.
セトウチホトトギスは,瀬戸内海を囲む地域に分布することからその名がつけられた植物で,近畿・中国・四国地方の一部で見られます.
写真は2枚とも兵庫県三田市内で撮影されたものです(藤井撮影).
みなさんの近所でも咲いていますか?

セトウチホトトギス花
  ■植物好きの方へ■
 セトウチホトトギスの見分けのポイントは下記のとおりです.
 ○茎の毛は下向き.
 ○花被片の付け根が黄色.
 ○花糸や花柱に紫色の斑点がある.
 ※柱頭の紫色の斑点はヤマジノホトトギスにもあるので注意.


 布施静香(自然環境評価研究部) ・藤井俊夫(自然環境再生研究部)

いよいよ夏休みも終わりに近づいてきました。9月に入っても暑い日
は続くのですが、夏の終わりに海で泳ぐと「クラゲ」にチクリとやられ
ます。そんなときは、なんと言っても川遊びです。川は真水で爽やか。
もちろんクラゲはいませんが、山奥の渓流になると今度はアブが出
現。山中の渓流ではなく、中流ならば心地よく過ごせますが、今度
は水質が悪くなってしまいがちです。それに、川岸がコンクリートで
固められていたり、集落や道路、井堰(小さなダム)があったり、そ
もそも川に降りれなかったりと。
そんなわけで、兵庫県で楽しく川遊びできるスポットを2つ紹介した
いと思います。まずは、兵庫県一の清流と言われる千種川。大変
水がきれいで、生物も豊富です。千種川水系の上流から中流にあ
たる佐用町(旧南光町)の南光自然観察村は、様々な施設もあっ
て、大変心地よいところです。

(写真1:南光自然観察村)
http://www.town.sayo.lg.jp/kanko/kanko/detail_info/n_kansatsumura/index.html
小さな網で、河原の石をひとめくりすると、だれでも簡単に大きなヘ
ビトンボやヒラタカゲロウなど、様々な水生昆虫を観察することが。
小学校で習った川の生き物しらべで、「きれいな水」に棲む水生昆
虫が紹介されたのを覚えていませんか。「図鑑に載っているきれい
な水に棲む水生昆虫って本当にいるんですか?」なんていう質問が
博物館にも良く寄せられます。そんな昆虫を観察したい方は、ぜひ
南光自然観察村へ。
 

次に紹介するのは、神戸からも近い穴場です。六甲山から流れる
「芦屋川」は、大変水がきれい。川に降りるところは少ないですが、
芦有ゲート横(ガードレールの隙間から入れる)、開森橋から上流へ
約500m程度行ったところの河原(写真2:芦屋川 はしごが付いてる)、

市民センターの前(階段がある)などがあります。水生昆虫の種類
は多くはありませんが、渓流に生息する様々な水生昆虫やサワガ
ニ、アマゴなどが棲んでいます。また、下流の方では、モクズガニや
アユもたくさん観察できます。河口までゆくと小さな浜になっており、
海にすむカニや貝、ヤドカリなどが見つかります。上流からてくてく
歩いても大した距離ではないので、1日で「森・川・海」を満喫できる
のではないでしょうか。川のしくみを学びたい人は、芦屋川がお勧
めです。
 ちょっと足をのばして千種川、身近で手軽な芦屋川。「海はちょっ
と」という方は、川遊びにでかけてみてはいかがでしょうか。そして、
河原では水の中の石をめくって、ぜひ水生昆虫も観察してみてくだ
さい。

観察した水生昆虫は、ひとはくのホームページでも調べることがで
きます
(http://info.hitohaku.jp/kawamushi/index1.html)。

めずらしい果実

2007年8月 1日

アリマウマノスズクサ


 今日,めずらしい果実が博物館に持ち込まれました.
これは,アリマウマノスズクサという植物です.神戸市在住の足立恭子(あだちたかこ)さんが,自宅の生垣で小さな苗から育てておられたところ,写真のような立派な果実をつけました.2年目から花を咲かせていたそうですが,果実をつけたのは今年が初めてだそうです.

 アリマノウマノスズクサは六甲山に比較的多く生育していますが,果実をつけることは稀です.お持ちいただいた果実は,長さ約4cm,直径約2cm.写真撮影後,さく葉標本にさせていただきました.標本は,学術資料として保管されます.

 布施静香 (自然環境評価研究部)

 尼崎市の公園でササゴイの巣立ちビナを見つけました。070725%281%29.JPG
 ササゴイは、サギ類の1種ですが、単独または数羽程度の小さなコロニーで繁殖します。写真左のヒナが口にくわえているのは、羽毛のようです。くちばしでくわえたり、放したり。この行動は、巣立ちを迎えたサギ類のヒナによくみられます。おそらくエサを捕まえる練習なのでしょう。水の中にあるものは、空中から見ると本当の位置から少しずれて見えます。これは、光の屈折率(くっせつりつ)というものが空気と水とで異なることからおこる現象です。サギ類の仲間は、水の中を歩きながら、もしくは水ぎわにじっと立ってエサを探します。そして、エサを見つけるとくちばしをさっと水中に突き入れて、エサを捕まえます。この時、サギたちは一瞬のうちに水中のもののずれを計算し、くちばしを入れる位置を調整しています。彼らが上手にエサをとれるようになるまでには、たくさんの訓練が必要なのでしょう。

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 写真左は、巣の下で拾ったササゴイの落し物です。ヒナの羽毛、卵の殻、フン、それと食べ残しのザリガニと小魚、昆虫の羽根。このような、鳥の落し物から彼らの生活を垣間見ることができます。ですが、巣の下を長い時間うろつくのはよくありません。親鳥に攻撃されてしまいました。


遠藤菜緒子(自然・環境マネンジメント研究部)

バイケイソウ

2007年7月25日

若い実をつけたバイケイソウ

 2007年7月21日,高橋主任研究員と大学院生の千川君とともに,但馬でバイケイソウの調査を行いました.この植物は,兵庫県では自生地が殆ど確認されていないため,県版レッドデータブックでAランクに指定されています.
 梅雨明け間近のうだるような暑さの中,がんばって登山したかいあって,花序のついたバイケイソウを確認することができました.県下で花(正確には若い実)が見れて感激!

 布施静香 (自然環境評価研究部)

 7月7日にオオサンショウウオの階段づくりををしました。繁殖期の遡上を邪魔する堰(せき;1mの段差)の前にチョットした階段をつくって、そこをのぼってもらおうという試みです。 地域の子どもたちにも階段づくりを手伝ってもらい行った「プチ工事」です。土木・博物館・地元住民・(社)兵庫県自然保護協会・京都大学などの協働で行いました。夜には、オオサンショウウオの観察会も開催し、参加者のみなさんにじっくりとオオサンショウウオを見ていただきました。

蛇篭運び

蛇篭づくり

迂回路設置

オオサンショウウオの観察

 オオサンショウウオは繁殖期(8月下旬から9月上旬)の前になると、産卵に使う特別な巣穴を探して上流へ移動します。その時に、農業用に水を引いたり、土石流がでないために作られた段差(堰)が、オオサンショウウオの移動を邪魔しています。特に、最近つくられている、コンクリートでガッチリ河川を横断するような、高い堰の下では、登れなくてたまっているオオサンショウウオが多く見つかります。

 昼間にみんなで作った階段、本当に使ってもらえるのかとソワソワしていると、作って3時間後にさっそくオオサンショウウオがそれを使って遡上していきました!こんなに簡単に登るのかと、協力してくださったみなさんもビックリ。私自身も驚きました。今回のプチ工事が、単発のイベントに終わることなく、いろいろなところで行われていってほしいと思います。

階段をのぼるオオサンショウウオ


 (左写真:階段をのぼるオオサンショウウオ)

遡上成功


 (左写真:遡上成功!)

ABCテレビも取材にきてくださり、階段づくりやオオサンショウウオの遡上の様子を放送してくれました。(※NEWSゆう:7/9 18:29〜)

田口勇輝(自然・環境マネジメント研究部)

 リサーチプロジェクトのひとつとして、サギ類とカワウの集団繁殖地(コロニー)調査を行うことになりました。
ホームページをアップしましたのでお知らせします。

ホームページへは、こちらをクリックして下さい!
 ひとはくのトップページ > 学ぶ > リサーチプロジェクト > 鵜サギコロニー調査 からどうぞ!


 この調査は、兵庫県内のサギ類やカワウのコロニーの分布を調べるものです。サギ類やカワウは比較的大きな鳥なので、集まっていたら一目でわかります。それでも、コロニーの情報はこれまできちんと収集されてきませんでした。このサイトにお寄せいただいた情報などをまとめて分布図を作りたいと考えています。みなさんのご参加をお待ちしています。また、みなさんに、身近なサギ類やカワウのコロニーの観察を通して、野生動物や自然について考えていただけたらと思っています。そのためのツールとして、サギ類の識別方法やコロニーに関する解説などこれからどんどん追加していくつもりです。ぜひ、ご覧ください。

070624.JPG 先週末、伊丹市昆陽池公園へカワウのコロニーを見に行きました。公園の敷地内に足をふみ入れたとたん、カワウのヒナたちのエサをねだる声にでむかえられました。池の真ん中の日本地図をかたどった島に、たくさんのカワウの巣がみられます。卵を抱いている親鳥もいましたが、すでに巣立ちビナらしき姿も見られました。公園の外からも、次々とカワウが帰ってきます。カワウやサギ類は、エサ場で捕ったエサを飲み込んで巣に持ち帰ってくるのです。コロニーに戻ってきたカワウ達は、きっとたくさんのおみやげを持って帰ってきたことでしょう。子育て真さかりの昆陽池でした。
 昆陽池のコロニーでは、1996年から10年以上にわたって繁殖が続いているそうです。カワウやサギ類のコロニーは、条件がよければ何十年も続くことがあります。かつては、埼玉県の野田の鷺山、青森県の猿賀のウおよびサギ繁殖地など天然記念物に指定されるような大きなコロニーがいくつもありました。しかし、近年では、土地開発や住宅地の拡大などによって、サギ類やカワウがずっと住み続けることができる場所が少なくなってしまいました。そのため、多くのコロニーは毎年転々と場所を替えるようになりました。サギ類やカワウが安心して住める場所はどこにあるのでしょうか。考えさせられます。

(遠藤菜緒子)

知っている人もたくさんいるかと思いますが、実は六甲山にはたくさん「モリアオガエル」が繁殖しています。六甲山の山頂付近には意外にも平らなところが多く、池がたくさん作られています。
この池は、氷を作るために作られたものだそうで、神戸に氷を運んでいたそうです。

六甲山に生息するモリアオガエル・写真 左:三橋弘宗・右:堂馬英二撮影 クリックして下さいね

そんな人工の小さな池に、今はモリアオガエルがたくさん産卵しております。
もともと、六甲山にはモリアオガエルが生息していなかったと考えられており、誰かが森林植物園に放したと言う説が有力ですが、定かではありません。
ですが、池にはたくさんモリアオガエルがいるので、まずは観察するのと同時に、六甲山の山頂の池にはどんな生物が生息しているのか調べてみようということで、「六甲山自然保護センターを活用する会
」の皆様が調査を開始されました。今年いっぱいは調査が継続される予定です。
今まで、六甲山の山頂付近の湿地や池の生物相はあまり知られていませんでしたので、結果が楽しみです。

この観察会で、ちょうど6月16日に現地へ行ったところ、産卵のまっさかりでしたので、まだ観察できるのではないかと思います。六甲山に登山に行かれる方は、ぜひ池の周辺を観察して頂ければと思います。池の中を除けば、モリアオガエルのオタマジャクシや「茶色いモリアオガル」が見つかると思います。

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●ちょっと珍しい茶色のモリアオ
(みつはしひろむね)

ベニドウダン

2007年5月23日

ベニドウダン


 今日はベニドウダンの紹介です.先日,渓流沿いで植物調査をしていたら,足元に紅色の花が落ちていました.どこから落ちてきたのかと上を見上げると,そこには満開のベニドウダン.
 小さな鈴のような花をつけるツツジ科の植物です.
 (5月18日,南但馬にて撮影).
 
 (研究員 布施静香)

 前年度3月3日に初めて試みた講座ですが、先日の5月16日の雨の日をもってようやく終了しました。この2か月半というもの、雨が降るたびにそわそわして携帯電話が飛び交い、雨降る暗闇に老若男女が集まり、細い水路を覗き込むという、前に報告した「愛蜂家養成講座」にも増して「怪しい」集団がときどき出現しました。道場町塩田八幡宮近辺の皆様、お騒がせしました。
 この「ホタル上陸観察集団」の成果は図1のようになります (皆様お疲れ様でした)。何と8回も「一斉上陸」を観察することができました。講座に参加した26人はほぼ全員初めて念願の観察ができました。
上陸観察集団成果グラフ
 図1:講座参加者が協力して取ったデータよりEXCELで折れ線グラフを作成。

 図2は幼虫が水際から上がるところです。体がまだ濡れています。ときどき光りながら上陸してきます。護岸のコンクリートを登るうちに雨が少ないと体は乾いてきます(図3)。
上陸1
 図2:水際からコンクリートの壁を登ろうとするゲンジボタル幼虫(菊池由美子さん撮影)。

上陸2
 図3:コンクリートの壁を登っている幼虫(吉田滋弘さん撮影)。

 光るところはお尻の先の背側にある2点の発光器で、図4のようにうまく撮れれば2点が写ります。また歩いているところは図5のように点々になって写ります。
幼虫の発光1
 図4:暗闇の中で撮影すると、お尻の2点が写る(吉田滋弘さん撮影)。

幼虫の発光2
 図5:光りながらの上陸は点々の光になる(吉田滋弘さん撮影)。

 こうした幼虫の上陸をぜひあなたも観察してみませんか。来年の3月1日に上陸観察の講座を予定していますので、ぜひご参加下さい。<大谷 剛 主任研究員>

ホタルカズラ

2007年5月 8日

ホタルカズラ
 今日はホタルカズラの紹介です.ホタルカズラはワスレナグサと同じムラサキ科の植物で,とてもきれいな青色の花を咲かせます.出会ったのはやや日当たりのよい林の縁.畑の畦との境目でした.
 ふつうの場所に生えるわりには,あまり出会わない植物なので,ちょっと幸せな気分になりました(5月4日撮影).
(研究員 布施静香)

4月28−29日ハチ北高原で、受講者24名の参加により植物リサーチクラブの野外観察会をおこないました。


大沼周辺の森の木々は芽吹いたばかりで、陽のさすの明るい林床にはニリンソウ、ミヤマカタバミ、ヤマエンゴサクなどの緑のじゅうたんが広がっていました。
森の中でさわやかな風に吹かれていると、セミナー中であることを忘れてしまいます。

ニリンソウ 研究員の解説

サンカヨウ
 サンカヨウの可愛らしい花も咲き始めていました。
 お弁当もいっそうおいしく、みんなで春を満喫したのでした。


 そして次の日

ハシリドコロ
 谷筋でちょっと珍しいハシリドコロを観察しました。


畑の方へ移動し、オカオグルマの咲き乱れる畦にタチツボスミレやツボスミレ、ミミナグサ、サギゴケ、カキドオシ、トキワイカリソウなどを見ながら歩きました。田園風景のもっとも美しい時期ではないでしょうか。
オカオグルマを撮る 美しい田園風景

(高橋 晃)

八木@ひとはく自然環境評価研です。

ひとはくの近くにいる青い鳥の写真が撮れたのでアップしました。
イソヒヨドリのオスの成鳥です。(↓)

 ずいぶん以前から、ひとはくのまわりで年中見られます。愛称をつけたくなりますね!
 ごきげんなときは、フラワータウン駅ビルのてっぺんでさえずっていることもあります。わりと人懐っこく、エントランスホールのまわりの金網や木に止まっている姿をよく目にします。ときどき地味な色をしたメスが近くにいることもありますが、仲がいいのか悪いのかよくわかりません。
 写真を撮れるほどにはなかなか近づいてくれませんが、今日は、運良くカメラを持っているときに近くに止まってくれました。収蔵庫棟の横の木でした。

 イソヒヨドリは、その名のとおり海岸の岩場によくいる鳥です(ね?江崎先生)。私はかつてバードウォッチャーのまねをしていたことがあり、淀川の河口でよく見たものです。コンクリートの建物は、岩場のようなものなんでしょうね。

小雨のなか、4月22日にひとはくセミナー「水生昆虫を観察しよう〜猪名川編〜」を行いました。

場所は、猪名川上流の木津地区にある「町立ふるさと館」の横です。
ここは、川へのアクセスが良いことに加え、駐車場、トイレ、資料館、自販機もあり、ファミリー向けの観察会に向いています。もちろん、生物相も豊かで、上流〜中流域に生息する典型的な水生昆虫が棲んでいます(慣れた方は、やや上流の栃原地区がオススメ)。

さて、当日の天気は、小雨で良いコンディションではありませんでしたが、約20名の方に参加いただきました。
最初は、雨で濡れるから採集は手短に、と説明したのですが・・・。採集がはじまったとたんに、雨ではなくて、川の水で濡れる人、「長ぐつが水そう〜」とはしゃぐ子どもたち、そして黙々と採集する参加者の皆さんの無言のプレッシャーによって、約1時間ほど採集することになりました。おかげで、たくさんの生物が採れました。以下にリストを掲載しておきます。

ヘビトンボの尾肢カギヅメ採集した標本を屋根のあるところに移し、泳ぎ方、体の形などをじっくり観察して、生息場所の違いと種類との関係について解説しました。
今回は、大物のヘビトンボが採れたこともあり、速い流れでも岩にくっつくための工夫として、お尻についている鍵爪について説明。こどもたちの手に直接ヘビトンボを押し付けて、鍵爪の威力を体感して頂きました(右写真はヘビトンボ、ナガレトビケラやシマトビケラでも同様に)。想像以上に鍵爪による引っ掛かりは強かったようで、流水に生きる生物の暮らし方に納得して頂けたようでした。また、特に珍しい生物は発見されませんでしたが、上流から中流に生息する代表的な水生昆虫を観察する事ができました。水生昆虫の観察には、早春が一番です。深く学習したい方は、ぜひ春のうちにお出かけしてみてください。

●採集・観察した生物●:56種類(うち魚は5種類)
<カゲロウ目>オオフタオカゲロウ/アカマダラカゲロウ/オオマダラカゲロウ/シロハラコカゲロウ/コカゲロウ属の1種/フタオコカゲロウ/エルモンヒラタカゲロウ/シロタニガワカゲロウ/フタスジモンカゲロウ/モンカゲロウ/エラブタマダラカゲロウ/トビイロカゲロウ属の一種/キイロカワカゲロウ/チラカゲロウ
<カワゲラ目>オナシカワゲラ属の1種/フタツメカワゲラ属の一種/オオヤマカワゲラ
<トビケラ目>ヒゲナガカワトビケラ/チャバネヒゲナガカワトビケラ/ウルマーシマトビケラ/オオシマトビケラ/オオヤマシマトビケラ/コガタシタマトビケラ属の一種/ヒロアタマナガレトビケラ/ムナグロナガレトビケラ/ナガレトビケラ属の1種(?)/ニンギョウトビケラ/アオヒゲナガトビケラ/コエグリトビケラ属の一種/ヒゲナガトビケラ科(Ceraclea sp.)/コカクツツトビケラ
<トンボ目>ダヒドサナエ/ホンサナエ/ニシカワトンボ/ハグロトンボ/コヤマトンボ/コオニヤンマ/
<その他昆虫>ヘビトンボ/ウスバガガンボ/ヒラタドロムシ/シマアメンボ
<魚・甲殻類など>カワムツ/スジシマドジョウ/オイカワ/アカザ/カマツカ/スジエビ/カワニナ/アメリカザリガニ/サワガニ/サカマキガイ/シマイシビル/プラナリアの仲間
<その他>オオサンショウウオ?(子ども達による目撃談)

最後に、今回採集した水生昆虫の写真を掲載しておきます。
チラカゲロウヒロアタマナガレトビケラフタツメカワゲラ属の1種オオマダラカゲロウウルマーシマトビケラウスバガガンボ

⇒写真は左から、チラカゲロウ、ヒロアタマナガレトビケラ、フタツメカワゲラ、オオマダラカゲロウ、ウルマーシマトビケラ、ウスバガガンボ、画像をクリックすると大きな写真が表示されます
                                               (三橋弘宗)

布施@ひとはくです

 八木研究員が昆虫のセミナー準備ついて紹介されたので,植物のセミナー準備について紹介したいと思います.

 1週間後の4月28日−29日に鉢北高原でセミナーを行います(植物リサーチクラブ�@ハチ北高原の早春植物).このセミナーではできるだけ多くの花を観察してもらいたいと思っています.私は以前ハチ北高原で同様のセミナーをしたことがあるのですが,雪解け時期などによって年ごとに咲く時期が異なるため,下見を省略することはできません.当日ちゃんと観察できるようにするためには「今年用」のルートを組み立てなければならないのです.

 そこで,高橋研究員・高野研究員らとともに,昨日,鉢北高原へ行ってきました.

 これは(↓),ミヤマカタバミです.少し曇っていたので花びらが開ききっていませんが,林床に咲き乱れていてとてもきれいでした.写真に写っているぎざぎざのある葉はニリンソウです.実はこの場所はニリンソウの群生地でもあります.ニリンソウはまだ咲いていませんでしたが,1週間後には咲き始めているだろうと思います.

ミヤマカタバミ花ミヤマカタバミ群落

ヤマエンゴサク
 これは(←)ヤマエンゴサクです.何とも言えない可憐な青紫の花を咲かせます.山際の畑の縁などにも群生していて,何度見てもその美しさには感動させられます.
 ヤマエンゴサクはいわゆる「春植物」です.「春植物」とは単に春に咲く植物,という意味ではなく,春だけしか地上に姿を見せない植物を言います.だから,夏に同じ場所へ行っても,葉っぱひとつ見つけることができないでしょう.

 他にもたくさんの春を彩る植物を確認することができ,無事,観察ルートも決定することができました.
 当日,良いお天気になれば良いなあと思っています.

八木@ひとはくです

 みなさんこんにちわ

 今年は、小学校低学年のみなさんが楽しみながら学習できるセミナーとして「チョウの幼虫を飼ってみよう」を企画しました。
 モンシロチョウやアゲハチョウの幼虫は教科書にも出てきますが、身近なところに、もっといろんなチョウがいますよ。みんなの知らないちょうちょを飼って、お友だちに自慢しちゃおう。というものです。

 今日は、その準備のお話です。

 生きもの相手のセミナーはたいへんですよ。
 セミナー当日にちゃんと見られるように、あらかじめ調べておかないといけません。しっかり調べたつもりでも、暖冬で季節の進行が早まって、予定通りに見られないこともあります。昆虫の場合は、雨が降ったら隠れてしまったり、前日までいたのに当日になるといなくなってたりすることも無きにしもあらず。。。
 もちろん、こういう不測の事態がおこってもちゃんと観察できるよう周到に計画するのが、私たちプロの仕事です。

 というとカッコいいですが、かくいう私は、飼育が苦手でして、「チョウの幼虫を飼ってみた」ことはありますが、成功した経験はほとんどありません(> <)。
 企画したのはいいけれど、そもそも、幼虫が見つかるのかなあ?
 主担当の中西先生やテネラルのAくんにお願いすれば安心ですが、何も知らないとはずかしいので、私もネタさがしをすることにしました。

 今日の深田公園は、お天気がよくて、ちょうちょがたくさん飛んでいました。
 ちょうちょが飛んでいるのをよく見ていると、「いかにも卵を産みそうな飛び方」というのがわかります。今日は、2回も、卵を産んでいるところを見つけました! 私の実力(運?)もなかなかのものです。

これは(↓)、ベニシジミの卵です。右が、卵を産んだお母さん。地表に近いスイバの葉の根元(葉柄というのかな?)です。こんなところに産むんですね。みなさんも探してみてください。

こちらは(↓)、キチョウの卵です。ハギのなかまの若葉です。

卵はおもしろい形をしていますね。ベニシジミは、サッカーボールみたいです。キチョウの卵はモンシロチョウに似てるけれど、白くてツンツンしてますね。

卵のある場所がわかれば、しばらく後にそこに行けば幼虫に会えるでしょう。
5月12日(土)のセミナー当日が楽しみです。

卵を産んでた場所を忘れないかって? だいじょうぶです。ちゃんと印をつけてありますから。あとは、幼虫が逃げたり、食べられていなくならないことを祈るばかりです。

セミナー「チョウの幼虫を飼ってみよう!」(C05:中西明徳・八木 剛)は、明日、4月22日(日)が申込〆切です。が、まだ少し余裕がありますので、お申し込みOKですよ。対象は小学校低学年とそのご家族です。
 第1回 5月12日(土)/第2回 6月9日(土)/第3回 7月14日(土) いずれも午後、博物館

深田公園
 4月15日(日)、オープンセミナー「かわいい春をみつけよう」のレポートです。
深田公園(ひとはくのまわりの公園)は、お昼寝をしたくなるような、とーってもよいお天気でした。
43名の参加者(幼児、低学年とその家族)といっしょにかわいい花や虫をさがしました。

ミツボシツチカメムシ
 テントウムシやチョウなど、子どもたちには動くものが人気ですね。
これは、ミツボシツチカメムシ。ヒメオドリコソウの花の上をちょこちょこと歩き回っていました。

ヤブキリ
 こちらは、ヤブキリ(キリギリスのなかま)のあかちゃん。体長5mmくらい。生まれてすぐです。
小さいころは花や葉っぱを食べていてかわいいのですが、大きくなるとだんだん凶暴になってきて、ついには肉食になってほかの虫を襲います。6月には成虫になります。

 虫だけではなく、たくさんの、いろんな色の花が咲いていましたよ。

タネツケバナアリアケスミレ

 まずは、白色の花。たくさん咲いていたのは、タネツケバナ(写真左)とアリアケスミレ(写真右)でした。
アリアケスミレは、白い花びらに紫色の線が目立ちます。シロツメクサの花も少し咲いていました。

カンサイタンポポ
 黄色の花でたくさん咲いていたのは、セイヨウタンポポ。
しかし、写真は、少し小ぶりの(かわいい)カンサイタンポポでーす。
他には、コメツブツメクサの花もみられました。

イロハモミジ
 赤色・ピンク色の花は、イロハモミジ(写真)、ヒメオドリコソウの花がみられました。
どちらの花も小さくてかーわいい!!

ムラサキサギゴケスミレ

 紫色の花は、ムラサキサギゴケの花(写真左)。褐色の点々の模様が入っています。もう一つは、スミレの花(写真右)です。アリアケスミレが咲いている近くでたくさん咲いていました。カラスノエンドウの花もみられました。

オオイヌノフグリ
 青色の花は、オオイヌノフグリ(写真)、キュウリグサの花がみられました。

 来月は5月20日(日)です。お楽しみに。申込不要。当日10:30から深田公園(ひとはく1階出口前)で受付。1家族300円(保険代等)。よごれてもいい服装で来てね。

 くわしくはこちら:主催者:ひとはく連携活動グループrun♪ run♪ plazaのブログ)


(小舘誓治・八木 剛)

オオシモフリスズメは日本最大のスズメガで、はねをひろげると15cmくらいになります。
 成虫の蛾は、年に1回、サクラの咲く頃だけに現れます。幼虫はサクラの仲間の葉を食べるので各地にいてもいいのですが、市街地にはいません。また、分 布は西日本に限定され、東京にはいません。関西人の自慢の虫の一つです。夜行性で灯火に飛来しますが、これは、昼間にサクラの幹で交尾していたそうです。私の人生では、いまだかつてこんな幸運に恵まれたことはありません。
オオシモフリスズメ

2007年4月5日、県立一庫公園(川西市)にて。
上(大きい方)がメス。写真:阿部紀子さん(兵庫県公園・園芸協会)
(八木 剛)

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