概要・理念
理 念
「人と自然のあり方」を明らかにする研究体制の構築
人間の営みの巨大化によって、われわれの日常の活動そのものが地球環境を傷つけるようになった現在、「自然に調和した人間生活のあり方」を科学的に探る新しい学際的な学問領域の創造が大学に求められています。この分野においては、「自然のしくみ」が「人と自然のかかわり」を基礎にしてあきらかにされなければならず、広い学問分野の研究者が協力しあう総合的な研究体制を整えることが必要になります。
「地域課題」の解決に向け、積極的に学術支援
また、地域的な自然保護・環境保全の問題も、今日の地球環境問題と切り離して考えることはできません。研究を積極的に推進し、その成果を公表するとともに、社会の要望を受けて自然保護や環境保全のための学術支援を行うことは、大学の地域社会への貢献という視点からも、大学に課せられた今日的な責務であるといえます。
市民の学習支援を促進
さらに、自然・環境問題は、人々の生活スタイルや価値観にもかかわる問題であり、広く市民を対象とした学習支援活動も必要です。したがって、この問題に関するさまざまな支援活動を行うセンター的な役割を担うことも、大学に望まれています。
自然史学から環境計画まで 研究所の幅広い研究領域
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所は、これらの要望に応えて、自然及び環境の総合研究を行い、学術の発展と「自然と調和した人間社会」の創造に寄与することを目的として設置されました。
兵庫県立大学自然・環境科学研究所は、平成4(1992)年度、自然史学から環境計画までを統合し、人と自然の共生のあるべき姿を探求する自然・環境科学の研究機関として、開設されました。
特 色
「先端研究機関の研究スタッフ=本研究所教員」研究成果を地域に即時に活かすため、独自の体制を敷いています
研究所の特徴は、自然環境系、景観園芸系、地域資源マネジメント系(旧:田園生態系)、宇宙天文系、森林動物系の5つの系の教員が、それぞれ県立人と自然の博物館(三田市)、県立淡路景観園芸学校(淡路市)、県立コウノトリの郷公園(豊岡市)、県立西はりま天文台(佐用町)、兵庫県森林動物研究センター(丹波市)という兵庫県が全国に向けて発信する基幹プロジェクト施設の研究員・教員を兼務し、その展開の要を担っている点であり、このスタイルは全国に例を見ない「大学による 地域貢献の新しいモデル」とも言えます。
沿 革
- 平成 4(1992)年10月
- 自然・環境科学研究所自然環境系開設(県立人と自然の博物館に併設)
- 平成11(1999)年 4月
- 景観園芸系を増設(県立淡路景観園芸学校に併設)
- 平成11(1999)年11月
- 田園生態系を増設(県立コウノトリの郷公園に併設)
- 平成16(2004)年 4月
- 宇宙天文系を増設(県立西はりま天文台に併設)
- 平成19(2007)年 4月
- 大学院環境人間学研究科に共生博物部門が新設
- 平成19(2007)年 4月
- 森林動物系を増設(兵庫県森林動物研究センターに併設)
- 平成21(2009)年 4月
- 大学院緑環境景観マネジメント研究科(専門職)が新設
- 平成21(2009)年 4月
- 景観園芸系を1部門に改組
- 平成22(2010)年 4月
- 田園生態系にジオ環境研究部門を増設
- 平成26(2014)年 4月
- 田園生態系を地域資源マネジメント系に改称し、生態学分野、地球科学分野、人文社会科学分野の3領域を設置。同じく、兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科を設置