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収蔵資料スペシャル企画 「標本のミカタ~コレクションから新しい発見を生み出す~」

1 主 旨

 兵庫県立人と自然の博物館には、開館以来25年をかけて収集した160万点近くの昆虫や動植物、岩石・化石などの自然史系の標本や古写真などの資料が収蔵されています。これらの標本には、タイプ標本と呼ばれる新種として登録するための唯一無二の基準標本をはじめとする学術的な新発見の基盤となった標本、生物の過去の分布状況を証明するための標本、絶滅危惧種の分布状況の証拠となる標本など貴重なものが含まれています。また、良く似た種類を比較分類するためのセットとしてや、生物の形状の美しさ・面白さを伝える展示物として、様々な場面で収蔵標本が活用されています。しかし、博物館の収蔵標本のすべてを館内に展示することは物理的にも保存面でも難しいため、現状ではその多くが収蔵庫に保管されています。標本資料の収蔵は博物館機能の核心部分にも関わらず、この様相は気楽に見学してもらうことができませんでした。
 そこで今年度から、普段は見ることができない収蔵資料をテーマにもとづいて蔵出しする日を定め、収蔵資料から進化や自然、地球の成り立ち、まちの景観形成などについて読み解き方を解説するオープンセミナー「標本のミカタ」を始めます。毎月第2日曜日に開催し、テーマをちがえて全8回を予定しています。普段は、展示室でガラス越しにしか見ることができない標本を、この企画では、実物を直接見られる状態で数多く陳列し、顕微鏡などの実験道具を使って、研究員が解説いたします。専門的な内容も含めつつ、見学される方に合わせて丁寧に解説いたします。関連のイベント・解説も同時に開催することで、標本が存在する意義を多様な観点からわかりやすく発信します。

2 展示概要
(1) 実施回数:全8回
(2) 日  時:平成30年6月~12月の第2日曜日と平成31年2月11日(月・祝) 13:00~16:30
(3) 場  所:兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン等
(4) 申し込み:不要
(5) 参 加 費 :無料(ただし観覧料は必要)
(6) 対     象 :対象は広く一般とします

3 各回のテーマ
第1回 6月10日 「イネ科標本の世界」(高野温子)
第2回 7月8日 「海の無脊椎動物たち ~イカタコエビカニ~」(和田年史・三橋弘宗・山内健生)
**第2回は特別警報が発令されたため、7月22日(日)に延期となりました。
第3回 8月12日 「美麗な蝶類標本 ~江田コレクションの魅力~」(橋本佳明・山内健生)
第4回 9月9日 「色んな資料で見る阪神間の風景」 (福本優、赤澤宏樹、藤本真里、大平和弘)
第5回 10月14日 「アンモナイト大集合」(生野賢司・佐藤裕司)
第6回 11月11日 「モミジをさがせ!」(高野温子・橋本佳延)
第7回 12月9日 「鳥類標本の世界 ~小林コレクションより~」(布野隆之)
第8回 2月11日 「コレクションをもっと活用するには?」(三橋弘宗・福本優) 

第3回と第7回は、後日記者発表を行う内容の関連イベントとして実施します。
また、第8回は、「共生のひろば」にて実施します。

4 担     当 
 兵庫県立人と自然の博物館 主任研究員 三橋弘宗      研究員 福本優  

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