動く大地
多くの生命を育んできた地球そのものが我々生物と同様にダイナミックな存在であることをプレートテクトニクスの概念を中心にして説明します。
地球を構成する物質と構造 音声案内 ※YouTubeにリンク
半径6,400kmの地球は中心部から外側に向かって内核→外核→マントル→地殻の順に重なった同心円状の構造をしています。地球はさまざまな岩石や鉱物から出来ています。
ガーネット(ざくろ石) (産地:イタリア) |
黒水晶(石英) (産地:ブラジル) |
ひょうごの岩石と鉱物
5億年の歴史をもつ兵庫県の大地は、さまざまな岩石と鉱物から造られています。日本列島がユーラシア大陸の一部であった2億年以上前に、海洋プレートの沈み込みにより造られた蛇紋岩やヒスイ。6~8千万年前の激しい火山活動で生まれた鉱床から産出する金・銀・銅・錫などの金属。これらの岩石と鉱物は、日本列島に人が住み始めた古代から今にいたるまで、私たちの生活と深くかかわってきました。日本でも稀な白いヒスイや多くの鉱山から産する多様な鉱石を材料として、兵庫県の岩石や鉱物の特色に迫ります。
養父市大屋町加保のヒスイ輝石岩 生野鉱山から産出する錫石鉱
(クドウ地科学コレクションより) (クドウ地科学コレクションより)
岩石に残る地球磁場の記録 音声案内 ※YouTubeにリンク
私たちはハイキングなどで方角を知るために方位磁石を使います。それは磁石が南北の方向を示すからです。ところで,磁石の指す南北は本当に地理上の南北,すなわち北極と南極を結ぶ地球の自転軸の方向と一致するのでしょうか。現在の日本では,磁石は地理上の南北から少しずれた方向を指します。それどころか,長い地質時代の間に何度も南北が反転したことが知られています。では,観測記録のない遠い昔の地磁気方位はどうしてわかるのでしょうか。なぜ地球の磁場は反転するのでしょうか。
地球磁場方位磁石が常に一定方向を指すのは,地球の中心部が巨大な磁石になっていることで説明されます。地球の中心にある核(外核)は鉄やニッケルなどの電気伝導度の高い高温の流体からできています。このような核内で対流が起こると弱い電流が流れ,この電流によって磁場が発生します。また,電流の流れる方向が逆になると逆向きの磁場が生じ,地球磁場が反転します。 |
兵庫の土台ができるまで 音声案内 ※YouTubeにリンク
日本列島の基盤をつくっている岩石や地層は,プレートテクトニクス理論により説明されます。それらの大部分は,現在の日本列島の位置でできたのではなく,移動するプレートによってはるか遠くから運ばれ,古アジア大陸の淵に付け加わったものなのです。最終的には日本海ができたことにより現在の位置に落ち着きました。3億年前にさかのぼって,兵庫県の土台の形成過程を見ていきましょう。 |
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