地球上には多様な生態系が存在しますが、その中で生物の存在に対して最も重要なものは、有機物と酸素の生産に大きな役割を果たしている熱帯雨林をはじめとする森林です。展示では、森林の多様性を示すとともに、世界的な森林の減少の実態とその保護・育成の必要性を訴えかけます。
ある地域をおおっている植物全体のことを植生といいます.植生は植物の生活形や種類によってさまざまな群落に分けられます。世界の植生は熱帯雨林(ねったいうりん),雨緑林(うりょくりん),照葉樹林(しょうようじゅりん),夏緑林(かりょくりん),亜寒帯針葉樹林(あかんたいしんようじゅりん),ツンドラ,サバナ,ステップなどに大別されます。群落の成立には気候が強く影響し,特に気温と降水量は最大の成立要因になっています。 |
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常緑広葉樹の優占林は熱帯雨林,硬葉樹林と照葉樹林に分けられます。熱帯雨林は熱帯の多雨域に,硬葉樹林は暖温帯の冬雨地帯(地中海性気候)に発達します。照葉樹林は熱帯山岳地帯や暖温帯の多雨域に広がっています。日本のほか,中国南部,フロリダ半島,チリ,カナリア諸島に分布しています。葉につやがあるツバキやサザンカが代表種です。 |
キンモクセイ,ジンチョウゲ,トウオガマタのレプリカと香りを紹介します。
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落葉広葉樹(らくようこうようじゅ)の優占(ゆうせん)林は,夏緑林と雨緑林に分けられます。雨緑林は乾季と雨季をもつ熱帯域に分布し,乾季に落葉します。夏緑林は冬の寒さがきびしい冷温帯に広がり,冬に落葉します。夏緑林は日本のほか,中国北部,北アメリカ東部,ヨーロッパなどに広がっています。ブナ林は夏緑林の代表的な樹林で,日本で最も発達しています。 |
熱帯雨林
熱帯雨林は,一年を通じて赤道気団に支配された地域(月平均気温25度以上,月降水量100mm以上)に成立します。熱帯雨林は高さ60mに達し,巨大高木,大型の着生植物,ツル植物,絞(し)め殺(ころ)し植物などから構成されています。森林の構成種は他の森林と比べて非常に多様であり,生態系として,また遺伝資源(いでんしげん)としても重要です。 |
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世界各地にはさまざまな樹木が生育し,木材として利用されています。色,肌触(はだざわ)り,年輪の様子,強さ,重さなど木材の性質は種類によってさまざまで,性質にあわせた使われ方をしています。このコーナーでは,解説小冊子により,性質と密接な関係にある木材の構造について基本的な解説をすると同時に,世界の代表的な木材を丸太や板,ブロックなどの形で実際に手を触れられるように展示しています。 |
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生物の歴史 動く大地
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