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ユニバーサル・ミュージアムをめざして81

「私だけ」のものと「あなたたち」

三谷 雅純(みたに まさずみ)



 半年ほど、「ユニバーサル・ミュージアムをめざして」を書かずにいました。いつまで待っても新しい文章がアップ・ロードされないので、三谷は病気なのではないかと心配して下さった方がいました。心配して下さって、ありがとうございます。でも大抵の方は、その方その方の日常の流れがあまりにも速すぎて、いつの間にか、そんなブログがあったということを忘れていたのではないでしょうか。

 世の中全体が、お一人お一人の人生に対して目まぐるしく変わり続けることを求めています。それも有無を言わさずにです。それに応じて情報の質がどんどん劣化し、無数にあるどうでもいいこと、吹けば飛ぶようなことばかりが幅を利かせるようになりました。その洪水の中から、本質的に大事なことを見分けるのが難しくなったのだと思います。「忘れてしまって差し支えないこと」、というよりも「忘れなければ、明日の作業に取りかかれないこと」で溢(あふ)れてしまった。そういうことだと思っています。わたしは、どうしてもしなければならない「明日の作業」そのものから、「どうでもいいこと、吹けば飛ぶようなこと」が再生産され、皆さんの貴重なはずの人生の時間が、いつの間にか無駄に消費されてしまわないようにと祈っています。

 今では違うのかもしれませんが、少なくとも、かつてのサモアやニューギニアの人びとは、昨日も明日も変わらない、貧しく平穏な生活をしていました。芋畑があり、豚を飼う生活です。まるでわたし達の住む世界とは別の惑星の話です――実はわたしは、若い頃から、芋畑があり豚を飼う生活に憧れていました。今でもです。『水木しげるの娘に語るお父さんの戦記』 (1) に書いていた水木さんと同じ心境です。

 病気ではないかと心配して下さった皆さん、わたしは元気です。これからは、また「ユニバーサル・ミュージアムをめざして」を続けていきます。書きたいことは、いくらでもあります。

☆   ☆

 神奈川県にある「津久井やまゆり園」という施設で、19人の重い障がいのある入所者が、無抵抗のまま殺されるという事件が起こりました。東京大学先端科学技術研究センターの福島 智さんは、「重複障害者は生きていても意味がないので、安楽死にすればいい」という容疑者の言葉から、「『ナチス、ヒトラーによる優生思想に基づく障害者抹殺』という歴史的残虐行為」を連想した」(毎日新聞 2016年7月28日夕刊)(2) とおっしゃいます。

 『ナチス、ヒトラーによる優生思想に基づく障害者抹殺』とは、いわゆる「T4作戦」と呼ばれる、精神障がい者を安楽死させる考えのことです。「精神障がい者」には、後に身体障がい者やアルコール中毒者なども含まれるようになりました。戦後のニュールンベルグ国際軍事裁判によれば、「T4作戦」によって虐殺された人びとは、およそ27万5千人とされているそうです(鳥飼行博研究室HPに引用) (3)

 今、「虐殺された人びとは27万5千人」と書きました。この文章を読んでも、「27万5千人」という人数が多いのか少ないのか、よくわからなかった方が多いのではないでしょうか。27万5千人というのは、例えば日本でいえば北海道の函館市山口県下関市の2016年の人口をやや上回るくらいです (4)。何年も掛けてですが、それだけの人を淡たんと殺害した。ユダヤ人やジプシー(ロマ)の人と同じように、27万5千人の障がい者を殺した。ここで注意しておきたいことは、「善良な普通の人びとが、『ナチスの命令で』障がい者を淡たんと殺した」という事実です。普通の人たちが殺した。このことを障がいのある当事者は決して忘れません。なぜなら、それは「町内のお隣さんや職場の同僚が、ある日突然、町内会の用事や職場の仕事として、あるいはそのついでに、何げなく自分を殺しに来る」ことを意味しているからです。

 福島さんと同じく東京大学先端科学技術研究センターの熊谷晋一郎さんは、ご自身の経験を踏まえて、次のようにお書きです。

「私が生まれた1970年代は、脳性まひの子どもが生まれると早期のリハビリで、なるべく健常児に近づけようとするのが一般的だった。もし健常児に近づけなければ、親亡き後、人里離れた大規模施設に入るしかない。当事の、一部の介助者や支援者の愛や正義を笠に着た、うまくリハビリの課題に応えられない寝たきりの私たちを足で踏みつけるなどの暴力。それに対して何もできない怒りと無力感が、緊張とも弛緩(しかん)ともつかない、内臓が落ちそうな感覚にさせた。事件は、あの日々に私を連れ戻すのに十分なものだった。事件報道に触れ、あの頃の身体感覚はよみがえり、街ゆく人々が急に自分を襲ったりしないかと、身構えるような感覚を覚えた。」(朝日新聞 2016年10月16日)(5)

 「津久井やまゆり園」事件から、障がいの当事者は、大なり小なり似た感覚を覚えました。その意味で、この事件はわたしたちの日常に隠れた人間性の一面を暴き出したと言えます。人が人を愛することは紛れもない事実ですが、それとともに、時に人は日常の延長として、激しく(あるいは、こっそりと)暴力を振るうのです。紛争や戦闘は、そのような暴力が顕在化した姿です。

☆   ☆

 先頃亡くなられた永 六輔さんは『大往生』 (6) の中で次のような医者の言葉を引用しています。

「患者にとって病気は『私だけ』のものなのに、私たち医者は『あなたたち』という扱いをしてしまうんです。/反省しています。」(「Ⅱ 病い」、46ページ)

 病気が「私だけ」のものという感覚は、物心ついてからの出来事が、時間軸に沿って厳然と存在したからだという気がします。病気というと日常の節制が足りないとか、遺伝的な問題があるとかといった原因捜しに陥りがちです。実際にそうした見方も必要なのでしょうが、病気が重ければ重いほど、あるいは生き残っても、後遺症によって人生が大きく換わってしまったら、病気というのは人生の中でもかなり重みのある出来事になる。ちょうど家族の誕生や愛する人との分かれと同じようにです。その重みのある出来事のひとつだから、病気以外のさまざまな出来事とともに「患者にとって病気は『私だけ』のもの」なのです。

 一方、ある意味で医者は科学者でなければなりません。科学的な思考ができなくては務まりません。病気を類別し、見極めて治療法を探るのですから、大局的な視点がなければなりません。類別して病気を見ているために、ついつい患者を「あなたたち」と呼んでしまうと言うのです。

 しかし、医者が科学者であるというのは、「医者という人間」の一面にしか過ぎません。医者であれば、患者の過去の思い出や現在の生活がもたらす満足といった、医療データ以外のさまざまな事実にも向き合うことが求められます。ですから、ひとりの人間として患者と対峙する目もまた必要なのです。この思いが「反省しています」という言葉になりました。

 なぜこの医者の言葉を思い出したかというと、「津久井やまゆり園」事件があった直後、わたしの周りでは「人権の根拠」が話題になったからです。

 どの人にも人権がある。そのことは当然です。しかし、よく考えてみると、みんな「どの人にも人権がある」と口にするだけで、はっきりと「全ての人には人権がある」理由はわからない。本当にわかっている人は少ない。と言うより、殆どいない。動物にさえ「人権を認めるべきだ」という人までいる。その時、動物には認められない人権が、なぜ、どの人にも認められるのだろうかと考えていて、「人生を流れる時間の貴さ」に思い至り、先の言葉を思い出したのです。

 人は一人ひとりが掛け替えのない存在だ。なぜなら、その人にしかない人生という歴史を生きているから。この事実は誰も否定できない。だから、どのような人であれ、一人ひとりの人権は守られなければならない。

 これが、わたしが考えて得た結論です。当然、異論はあるでしょう。

 動物に過去の思い出や時間の流れの意識はありません。ヒトの仲間であるゴリラやチンパンジーでさえ、今を懸命に生きているだけです。ですから動物に「人生を流れる時間の貴さ」、つまり「人権」に当たるものはない――「人権」がないからといって、むやみに動物を残酷に扱っていいと言っているわけではありませんよ。残酷に扱ったら、その人の意識の側に「残酷に扱った」という事実が刻まれる。無意識にです。そう信じています。

 「津久井やまゆり園」事件の後、世の中では、犠牲者の実名を明かすべきだという意見がありました。しかし、ご遺族は拒んだようです。実名を明かすことで、何の躊躇もなく障がい者を差別する日本の社会から、何らかの制裁があるかもしれない。こう考えたご遺族は、無言の「暴力」に向き合ってきたのだと思います。

 ただ何人かのご遺族は、この世に生きた証として、実名を明かすことで「その人に名前があった」という事実を残そうとされました。

 わたしなら、どうするでしょうか?

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(1) 『水木しげるの娘に語るお父さんの戦記』(河出文庫)

(2) 毎日新聞 2016年7月28日夕刊 「相模原殺傷 尊厳否定『二重の殺人』全盲・全ろう東大教授」強者優先の社会を連想...福島智氏
http://mainichi.jp/articles/20160728/k00/00e/040/221000c

(3) 鳥飼行博研究室HP「◆ナチスの障害者安楽死T4作戦:Aktion T4 Nazi Germany's Euthanasia programme」
http://www.geocities.jp/torikai007/1939/t4euthanasia.html

(4) 函館市の2016年の人口:
https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2015020600107/
下関市の2016年の人口:
http://www.city.shimonoseki.lg.jp/www/contents/1174015659661/index.html

(5) 「相模原事件が問うもの 少数派の排除、暴力を生む」[文]熊谷晋一郎  [掲載]2016年10月16日
http://book.asahi.com/reviews/column/2016101600003.html

(6) 『大往生』(永 六輔 著、岩波新書)



三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館



10月16日(日)東条湖おもちゃ王国でおこなった
「第15回はたらくくるま大集合inかとう」のイベントの様子を紹介します!

 イベントでは、パトカーや消防車などの人気のくるまが大集合し、
いろんなくるまの仕組みやお仕事の様子を知ることができました!

 

ひとはくは移動博物館車「ゆめはく」を出動!
今年は化石を た~くさん 展示しました♪
IMG_6608.jpgのサムネイル画像 IMG_6613.jpgのサムネイル画像
 

 


普段はなかなか経験することのできない化石の発掘を体験したり~♪(写真左)
ホンモノの丹波竜の化石の一部とおなじ形、おなじ重さのレプリカをさわったり~♫(写真右)
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とってもたのしいイベントでしたよ(*^_^*)

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「ゆめはく」にきてくれたおともだちご参加ありがとうございました。
ぜひ、ひとはくにも遊びに来てくださいね!!



フロアスタッフ くまもと まなみ

 

10月23日(日)
ひとはく探検隊「どんぐりをひろいに行こう!」を行いました!

 

今回の隊長の高野研究員とフロアスタッフと
一緒に深田公園にどんぐりを探しに出かけましたよ!
植物はかせの高野研究員のプロフィールは☆こちら☆


公園に行く前にどんぐりのお勉強をしました♪
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深田公園に出発しましたよ(*^_^*)

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▲シラカシの青いドングリです。              ▲クヌギもたくさん落ちてたよ

アラカシ、シラカシ、コナラ、クヌギ、アカガシなど
みんなが、だいすきなどんぐりがたくさん落ちていました(*^_^*)
 

 P1110152.jpg P1110113.jpgのサムネイル画像

  \どんぐりたくさんひろったよ!/

 

報告書のポスターは、4階ひとはくサロンに貼り出しておりますので、ぜひ見にきてくださいね。

 

ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。

 dongurihoukoku.jpg

 

次回のイベントは
10月29日(土)フロアスタッフとあそぼう「ハロウィン★ソーマトロープ」
2つの絵が1つに見える!?ソーマトロープをつくってみよう!
詳細はこちらをクリックしてご覧ください。

次回のひとはく探検隊は
11月6日(日)ひとはく探検隊「きのこGETだぜ!」
秋山研究員と深田公園にキノコを探しにでかけよう!
詳細はこちらをクリックしてご覧ください。

 

 

みなさまのご来館、心よりお待ちしております!

 

 

フロアスタッフ くまもとまなみ

ひとはくは、博物館は多くの標本や資料、専門性の高い研究員等を有し、
来館者等の利用に供することを一つの使命とする機関です!
「人と自然の共生」をテーマに、県民に開かれた博物館として開館以来
その高い専門性と豊富な資料を活かし
県内外の学校団体が人と自然の調和のあり方を学べる場として活動しています!

夏の高校生県庁インターンシップにつづき
今回は、ひとはくの高校生への学習支援・特注セミナーです!
ひとはくでは、なんと!団体で来館された場合には、研究員による
特注セミナーを申し込むことができます。

また、学校からのリクエストに応じたテーマでの講義にも対応しています。
内容等については、ご相談くださいね!
本日は、県立西宮今津高等学校県立篠山東雲高等学校の2校が来館、
館内展示見学ののち
当館研究員による特注セミナーを受講されました!

この2校はとても特色のある学校で・・・・
県立西宮今津高等学校は・・・
総合学科で大学のように個人の興味・関心、進路希望に応じて自分で自分の時間割が作れたり、
大学と連携した高大連携教育を推進されているそうです!

県立篠山東雲高等学校は・・・
地域農業科で農業教育の特質を活かし、地域に貢献できる心豊かな人材の育成を目標にコンテスト等で
内閣総理大臣賞など多数受賞されているそうです!

セミナーの様子です!

橋本佳延主任研究員 「兵庫の里山とその保全」
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三橋弘宗主任研究員 「エネルギーの農業利用」
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この2校は・・・本年2月11日に当館で開催された
「共生のひろば」ですばらしい研究発表されている学校です!

研究の詳細はこちら 
共生のひろば 11号
西宮市夙川の生物環境調査 -イシマキガイを手がかりに-
地域資源を有効活用~ありっ竹使い切る!!~
来年2月11日も「共生のひろば」研究発表をお待ちしてますね!

ひとはくは、高校生への学習支援に力を入れています!

高校生のみなさん!研究のことなら・・・いつでもお気軽に相談をお待ちしていますね!

先生方へ
ひとはくは・・・学校での教材開発や地域の自然や環境に関する問い合わせに対応しています!
分野ごとに精通した研究員がいますので、様々な質問や問い合わせに対応することができます!
また、教科の研究部会や各自治体の教育委員会等での研修等に対応しておりますので・・・
お気軽にひとはくへご相談ください!

                                  情報管理課
                                     中前純一

秋も深まりだんだん肌寒くなってきましたね。

11月は小さなお子様とご家族の方が一緒にお楽しみいただけるイベント
「Kidsサンデー」スペシャルバージョンとなっております。(通常よりも多くの出展団体があります)

11/6(日) 「Kidsサンデー・スペシャル2016inひとはく」

木の実の工作や、秋のプチむしむしたいけんなどさまざまな楽しい体験型のプログラムがありますよ♪

bannerkidssunday1611.jpg ◀くわしくはコチラをクリック

 

また11/20(日)は、NPO法人 人と自然の会やひとはく研究員によるイベント
「ドリームスタジオフェスタ」があり、通常よりたくさんのプログラムをご用意しております。
※11/20(日)は「関西文化の日」のため観覧料は無料です。(イベントによって別途参加費は必要)

 

土日祝13:30~はじまるフロアスタッフとあそぼうのイベントは...

 フロアスタッフとあそぼう 

floorstaff.jpg

当日10:00から4階インフォメーションカウンターにて、参加申し込みの受付を開始。
   定員になり次第終了します。

 

 12日(土) 『画はくの日』

s-datafiles.jpg博物館の展示をじっくり観察しながら絵を描いてみましょう。

時間:13:30~14:00
場所:来てのおたのしみ♪
定員:なし
参加費:無料

                                   


19日(土) 実物大!丹波竜をみんなで描こう!』

s-Tambatitanis .jpg今年は丹波竜の化石が発見されて10周年!
実物大の丹波竜の絵に、みんなで色を付けて完成させよう! 

時間:13:30~14:00                         
場所:4階大セミナー室
定員:20名・参加費無料
                                                                                     


23日(水・祝) 『きのこをつくろう!』
         
s-s-kinokowotukuro.jpg紙粘土に色をつけてオリジナルのキノコをつくろう!


時間:13:30~14:00
場所:4階オープン・ラボ
定員:20名・参加費無料


                                                                    
                                     
26日(土) 『きょうりゅう骨パズル』
                       
  s-kyouryuupa.jpg大きな丹波の恐竜パズルをみんなで完成させよう!     
        

時間:13:30~14:00
場所:3階恐竜化石展示室前
定員:各回10名(15分×2回実施)
参加費:無料
                                                 

27日(日) 『モールで恐竜をつくろう!』

 s-s-MEMO0016.jpgモールで恐竜をつくってみましょう!

時間:13:30~14:00
場所:4階中セミナー室
定員:20名
参加費:100円                                                              



このほかにもたくさんのイベントがあります。みなさまのお越しをお待ちしております!

フロアスタッフ まつだ

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