4月30日,「被災自然史標本の修復技法と博物館救援体制を考える研究集会」が,大阪市立自然史博物館で開催されました(→プログラムなど詳細はこちら)。
自然史系博物館・大学博物館を中心に,日本各地からいろいろな立場の方が集まり,三陸の自然史文化及び博物館の復興と,今後の災害に備えて確立しておくべき体制・技術的手法などについて,議論されました。
午前中は実際に標本修復に関与した博物館関係者によるポスターセッション。
各館から,昆虫,植物,貝類,化石,地質系標本などの作業方法や課題などが紹介されました(→ポスタータイトル一覧はこちら)。
午後はセッションと総合討論。「自然史系の専門学芸員集団としてこれまでの救援活動を総括し,今後の活動の方向性を見出すこと」を目的として,参加者とディスカッションしながら進められました。
セッション1は「津波被害標本処理の技術的な課題とその記録」,セッション2は「自然史系博物館のレスキュー体制を巡る課題」がテーマです。そして,最後に総合討論が行われました。
自然史系の専門学芸員のみならず,いろいろな立場におられる方からの情報提供と議論が行われれ,とても有意義な会であったと思います。
ひとはくからは八木主任研究員と布施が出席し,八木主任研究員が総合討論の指名討論者,布施がセッション1の指名討論者として,参加させていただきました。 また,ポスターを出展し,ポスターセッションに参加させていただきました。
研究会の内容はもちろん,陸前高田市立博物館の学芸員さん達らにお会いできたこと,いろいろな立場・環境で自然史標本修復に携わってこられた自然史系博物館関係者のみなさんと情報交換ができたことなど,この研究会に参加できて良かったです。この研究会の企画者および西日本自然史系博物館ネットワークの事務局のみなさまらに御礼申し上げます。
下に,関連する情報のリンク先を記しておきます。興味のある方はぜひクリックしてみてください。
◆当館で行われた被災植物標本の修復手順などについて
→兵庫県立人と自然の博物館研究紀要No.22の記事へ
◆徳島県立博物館で行われた被災植物標本の修復手順などについて
→徳島県立博物館研究報告No.22の記事へ
◆「津波被害にあった標本を救おう」展で展示されたパネルの内容について
→こちら
◆植物標本の修復作業の様子
→ブログ記事「津波被害にあった標本を救おう」へ
(自然・環境評価研究部 主任研究員 布施)