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2013年アーカイブ

ユニバーサル・ミュージアムをめざして42

 

気が付くと「ユニバーサル社会」が出現していた

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)


 

 あっと気が付くと、身の回りは、いつの間にか「ユニバーサル社会」になっていました。ただし、その社会はあまり気分がよくありません。長く過ごしたいとは思わない社会です。

 突然、こんな事を書いて、訝(いぶか)しく思われるかもしれません。わたしは「ユニバーサル・ミュージアムをめざして」を書き続けて来ました。博物館や美術館、図書館といった生涯学習施設は、本質的に誰でもが利用しやすい設備やサービスが必要です。それがなければ、本来の豊かな機能が発揮できないのです。ところが、今の生涯学習施設では、充分、少数者に配慮できない。たとえ配慮して見せても、それは形だけのことで、当事者の感覚や意見は反映されていない。内実が伴っていないのです。わたしにはそんな思いがありました。その事に、長い間、苛立っていたのです。こんな思いに至ったのは、わたし自身が障がい者になってからというよりも、もっと前からの事だったような気がします。

 ところが気が付くと、日本は、形だけは立派な「ユニバーサル社会」になっていたのです。気が付いてみて、改めて驚きました。

 わたしは本来の兵庫県立大学の教員や人と自然の博物館の研究員以外に、ある私立大学で非常勤講師をしています(していました)。その大学に勤めている知り合いの方が体調を崩(くず)され、体力が戻るまでの間、授業を手伝ってほしいと望まれたのです。わたしはその方に返すべき恩がありました。それで、迷うことなくお引き受けしました。その方は結局、思うように体調が戻らず、職を辞する事にされた(当然、手伝っていたわたしも、その大学の非常勤講師を辞める)のですが、その大学は、わたしの知る「大学」とは、かなり雰囲気が違うのです。

 学生は「学生」と呼ぶのを ためらうほど幼く、自分から望んで何かをするという事は、ほとんどありませんでした。「自分が何がしたいのかは、探さなければ見つからない」という事も知らないようでした。抽象的な事を伝えようとすると、とたんに私語が始まります。立ち歩く学生が出ます。あるいは、机に突っ伏して寝てしまいます。「わからない」「理解できない」という意味の、わたしに対する(暗黙の)抗議だと解釈しましたが(そして、抗議しているはずの「理解できない」という現実を意識している学生は、残念ながら見当たりませんでしたが)、どれほど噛み砕いて説明しても、授業は成立しませんでした。いったん私語が始まると、収まらないのです。どんな授業であれ、授業そのものを受けた経験が乏しいのだと思います。

 寝ている分には静かです。ですから、たとえ、わたしの講義を聴きたいと言ってくれる学生がいたとしても、その人の邪魔にはなりません。眠っている学生は放っておきました。ただ、わたしの説明を子守歌にして、教室中が気持ちよく眠っていたということが、現実にありました。一生懸命に説明をして、学生の方を振り返ってみて、唖然としたことがあります。大げさだと思うでしょうが、本当の話です。

 教員には高齢者が多くいました。どこかの大学を定年で辞められ、運よく再就職をした方とか、場合によっては高校を定年で辞めてから、非常勤講師として教えに来ている方もいました。わたしがお手伝いした方も、大学を定年で辞められたのです。わたしのように、「自分の考えた事をひとつの可能性と断って説明する」というのは、そこの学生には理解が難しく、重荷だったみたいです。その代わり、元高校の先生は初歩の初歩をやさしく教えてくれるので、学生から好かれていたようでした。

 このような場所を何と呼べばよいのでしょうか? わたしが「大学」と呼んで来た場所とは本質的に違います。そこは「大学」とは異質な空間に見えました。わたしは考え込んでしまいました。そして、これこそが「ユニバーサル社会」の具体化ではないのかと思い当たりました。たちの悪い冗談か、悪い夢でも見せられているようでした。

☆   ☆

 コンゴ共和国のブラザビルやインドネシアのボゴールの街は、少年・少女でひしめき合っています。高齢者もいますが、働いている人は多くはいません。人前で働くとしても、高齢者には高齢者なりの、人生の経験に似合った役目があるものです。少年・少女がする、例えば店の売り子は、経験よりも熱意と体力です。買い手の方も、売り子の熱意を買うのです。売り子の熱意は売れた時の笑顔に表れます。

 一方の日本ではどうかというと、少子高齢化社会です。ひしめき合うほどの少年・少女は、すでにこの国にはいません。少年・少女は、いたとしても過保護のためか一様に幼く、人生の何事かを決め、希望や目標を持って生きていくことは、残念ながらできそうにありません。皆がそうだとまでは言いませんが、そんな少年・少女が目に付きます。

 そのような幼稚な「学生」を、定年退職でいったんは現役を退いた高齢者が教える。その「大学」の事務は、次つぎに顔ぶれが変わる日々雇用の人が勤めている。弱い立場の市民だらけです。おまけに非常勤講師には重度障がい者(=わたし)がいます。これこそまさに、「ユニバーサル社会」以外の何物でもありません。

 聞けば、今は高齢者のための施設や病院でも、内実は似たり寄ったりだと言います。どこかの誰かは楽をしてお金を得ているのでしょうが、ここで言う「ユニバーサル社会」(=現代社会)を形作っている人の大半は、弱い立場の市民です。それ以外の何者でもありません。そして、その「ユニバーサル社会」は、決してわたしが思い描いていたような、暮らして楽しい場所ではありませんでした。

 この事を、今さらのように実感しました。

 どこが悪いのでしょう? 制度の問題でしょうか? それとも悪いところなどはなく、発展した社会はやがて滅びることが必然なのでしょうか? この社会は現実に滅びつつあるのかもしれません。そんな事まで考えてしまいます。

 「大学」という名前が誤解を生むもとかもしれません。何でもかんでも「大学」と名前を付けなくても、「○○塾」や「○○学校」と名乗って、そこで一人前の人間を育てればよいのです。「○○大学」と呼ぶと、わたしのように勘違いをしてしまう人間が出て来ます。「大学」は必ずしも創造的な場所でなくてもいいのかもしれませんが(それでも、本質的には創造的な場所であってほしいと思っています)、「一人前の社会人を育てる」というのは立派な教育です。そこで学ぶ学生の意欲も認めるべきです。それにふさわしい名称を考えて、付ける事を提案します。(「大学」と名前を付けておけば、そう名乗るだけで国のお金が支給されます。しかし、学生や教員や事務員に恩恵があったとは思えません。いったい誰が得をしているのでしょう?)

☆   ☆

 ユニバーサル社会を形作る市民citizen=公民:単純に、ある市に住んでいる人も○○市の「市民」と呼びますが、ここでは権利と義務を持つ公民という意味です)は、誰かが決めた事に、ただ黙って従う事はしません。納得したから従うのです。納得できなければ反論します。意見が割れれば、みんなのルールにはしません。それが、わたしにとっての民主主義です。ユニバーサル社会は民主主義から生まれてきます。

 ユニバーサル・ミュージアムは生涯学習施設のあり方のひとつです。ただし、それに留まりません。現実の社会ではなかなか実現できない、理想の「ユニバーサル社会」を探る社会実験です。言ってみれば、ユニバーサル・ミュージアムは現実社会のひな形なのです。

 理想のユニバーサル社会とは、気が付いたら、わたしの周りにあった、いつの間にか「ユニバーサル社会」になっていた社会とは違うのだと信じています。

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館

最後は硬い?石の紹介です。

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メノウは石英の非常に細かい結晶が網目状に集まって固まった「玉髄」の一種です。
オパール、石英などが層状に岩石の空洞に沈殿してできた鉱物です。
石の見かけが馬の脳に似ているため、「瑪瑙」となったとされています。
 白、黒、青、赤、緑など美しい色どりがあり、装飾品に使われます。古代には勾玉として利用されました。硬い性質から、乳鉢にも加工されます。

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ロシア沿海州の海岸に打ち上げられていたメノウの小石です。

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「サードニクス」と呼ばれるメノウの一種です。
白色と紅色の縞目に彩られています。宝石としても利用され、「8月の誕生石」です。

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金属イオンを染み込ませて焼き付けることで、メノウに色づけすることもできます。
いくつかさわれるように展示していますので、手に持ってみて下さい。

(鈴木武)
「ウマ」にちなむ虫や植物です。

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まずは昆虫から。
 マグソコガネ(馬糞黄金)ウマノオバチ(馬之尾蜂)アメンボ(中国語で水馬)
 マグソクワガタ(馬糞鍬形)マグソガムシ(馬糞牙虫)カマドウマ(竈馬)ウマオイ(馬追)
の標本を展示しています。




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マグソコガネが「馬グソ」に並んでいます。
「馬グソ」が付く昆虫は、ウマ、ウシなど大型草食獣のフンを食べる昆虫です。


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ウマノオバチ(馬尾之蜂)です。
馬の尾の毛のように見えるのは、長い産卵管です。
クヌギの幹の中にいるシロスジカミキリの幼虫に卵を産みつけるといわれています。
一体どうやって見つけるんでしょうね。

クツワムシ(轡虫)とかヤスデ(中国語で馬陸)とか探せばいくらでもでてきそうですが
こんなところで…



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このあたりが馬にちなむ植物がでています。
標本などでアリマウマノスズクサ(有馬馬鈴草)ウマノアシガタ(馬之足形)コマツナギ(駒繋)オシダ(中国名が綿馬)を展示しています。

アリマウマノスズクサは六甲山でよくある植物ですが、夏緑性ですので冬には見れません。
「馬」が2つも重なります。植物画も出しています。


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生植物でウマスギゴケ(馬杉苔)トクサ(英名がHorseTail)を展示しています。
上の写真はウマスギゴケで、馬のたてがみのようにふさふさした帽子があることに由来するともいわれています。
コイン写真はフィンランドの50ペンニア硬貨です(現在は使用されていません)。
☆の模様のようなのはウマスギゴケといわれています。

(鈴木武)


ウマに関連する海の生き物の紹介です。

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ウマヅラハギ(馬面剥)です。
いわゆる「ハゲ」で、おいしい魚です。
水槽に生きた状態でいます。



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ついでに「マルハゲ」=カワハギも展示しています。
じっとみているとウマヅラハギと動きも違います。
ともに神戸市立須磨海浜水族園から提供いただきました。

タツノオトシゴ(Sea Horse) やウミウマは一昨年の「辰年」の竜で登場したばかりなのでやめておきました。
マトウダイ(馬頭鯛)やアマダイ(Horse-head fish)などもありますが、入手できませんでした。



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バフンウニ(馬糞雲丹)です。
暗緑色やうすい紅色の短い刺があり、岩の隙間などに隠れます。
カワハギのはいっている水槽に入っていて、砂利の下に隠れていることが多いです。
洲本市由良からいただきました。




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バテイラ(馬蹄螺)です。きれいな三角形の貝です。
色や形が馬蹄を思わせることに由来します。『螺』は巻貝を意味します。
食用になります。海水水槽に発生する藻類の掃除屋として飼育されることもあります。



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西宮市貝類館からは、「ウマ」にちなむ貝の標本を借りてきました。
バテイラの他にシマウマダガラ(縞馬宝)ウマノアゲマキガイ(午之揚巻貝)ウマノクツワガイ(馬之轡貝)を展示しています。

(鈴木武)


みなさーん、こんにちは\(^∇^)/
いつもひとはくのイベントにご参加頂きありがとうございます。


わたくしたちフロアスタッフは、皆様と愉しめるイベントを企画するため、
日夜ネタ探しに励んでいます。(^◇^)
例えば…他館の見学やTVの報道、生きもの観察、店頭のディスプレイ、インターネットの検索など…
何でも目に付くものは、すかさずチェックします!
実は先日、インターネットでふと目にした写真からヒントを得て、イベントを企画しました。

タイトルは「ゆらゆら☆恐竜」

ご家族にプレゼントするために小学生が一生懸命製作した作品の写真をインターネットで発見!
 ひとめぼれ! したわたくしは早速作者に交渉し、企画の参考作品にさせていただく許可を得ました。
快く承諾していただき、トライやる・ウィークでひとはくに来られていた中学生に試作してもらいました。

海野開さんの作品                 海野 開さん(11才)の作品

 

 ☆まずは中学生に写真を見せてイメージを伝え、試作中です。

中学生1 中学生2

お客様の自由な発想で作って頂けるように、色画用紙の色は自由に選んでもらいます。

(化石が発見された事により恐竜が大昔に存在した事実がわかっていても、皮膚の正確な色がわからないので想像して作成していただきました。)

「ゆらゆら★きょうりゅう」参加者             個性的な色とりどりの作品が完成!

 

イベント当日は親子連れのお客様が多数ご参加くださいました。
皆様のおかげで、私たちフロアスタッフも今は絶滅してしまった恐竜の存在を、お客様と一緒に楽しむ事ができました。
ご協力いただいた皆様に深く感謝いたします。
これからも「フロアスタッフとあそぼう!」をよろしくお願いいたします。

     フロアスタッフ てらお ゆみこ(*^_^*)

ウマに関係する品物です。
まずはウマが利用されている品物です。

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バイオリンの弓の弦は馬の尾の毛が使われています。
このバイオリン、当館の研究員のご子息が使っていたもので子供用の小型のものです。
ちょうど展示ケースにおさまったのでお借りしました。

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馬の尾ですが、これがバイオリンの弓に利用されます。
尾の毛も展示しています。
左がバイオリン用の替え毛で市販されています。右は日本の在来馬「野間馬」の尾の毛です。
多少ひっぱっても大丈夫ですので、さわってみてください。

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兵庫県立農業高等学校で飼育されている2頭の「野間馬」(のまうま)です。
江戸時代以前からいた日本の在来馬は、わずかに8種類が現存しています。
「野間馬」は8番めに認定された在来馬で、愛媛県今治市野間で飼育されています。
左が「雄馬」右が「泰生」(ともに♂)。「雄馬」の尾の毛をもらってきました。


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(左)馬の毛でつくられた絵筆です。筆のかなりの割合は馬の毛が使われているようです。
(右)馬油(ばーゆ)入のリンス。
 馬油は皮膚の炎症などの薬効があるとされています。馬油入の石鹸やシャンプーも販売されています。


続いては「ウマ」に使われた道具です。
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馬につけられていた鈴です。澄んだいい音がします。
戦前に北海道で使われていたもののようです。
馬の居場所がわかりやすくするため、熊よけにするために付けられていたといわれます。

諸説はありますが、こうした馬に付けた鈴の形に似ていることから
ジャガイモを「馬鈴薯(バレイショ)」と呼ぶという説があります。


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いろいろな品種のジャガイモの実物も並べています。
上段左から シャドーパープル、インカのめさめ、アンデスレッド
下段左から 男爵、黄爵、メークイン

(鈴木 武)
干支展「ウマ」の概要の続きです。
なんとなく歴史っぽい内容です。

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古墳から見つかる「馬形埴輪」です。社会や歴史の教科書も登場します。
(展示しているものは縮小模型)
埴輪の馬は装飾品をつけていて、当時は王様が乗る高級な乗り物だったと思われています。
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参考までに神戸市埋蔵文化財センターに展示されている馬形埴輪です。
神戸市東灘区の住吉東古墳の出土です。

県内では長尾タイ山古墳(たつの市)、蟻無山古墳(赤穂市)
などでも見つかっているそうです。

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ついでに「はにわの馬」の切手も出しています。
1966(昭和41)~1972(昭和47)年に
定型郵便15円、速達料金50円を合わせた 65円切手として発行されました。

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兵庫県内の遺跡からは馬の骨も出土しています。
県立考古博物館の所蔵物を借用して展示しています。

(前左)玉津田中遺跡(神戸市西区) ウマの臼歯 平安~鎌倉時代
(前右と奥)堂山遺跡(赤穂市) 奥:脊椎骨、右前:臼歯 鎌倉時代


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江戸時代の鯰絵(なまずえ)です。
1855(安政2)年の江戸大地震の際に
地震で助かった人がなぜか馬の毛をもっていたといううわさ話から
神馬がナマズをけちらしてくれたという内容です。

(鈴木 武)
12/14から来年の干支「午(ウマ)」に関する展示を
ひとはく4階でしています。
どんなモノが出ているか紹介します。
一度本物を見においで下さい。

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センターを取っているのはウマとシマウマの頭骨です。
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左がウマ(サラブレット)、右がグレビーシマウマ(王子動物園所蔵)です。
グレビーシマウマはワシントン条約付属書1にあがっていて、
環境省への申請が必要かとあせったのですが、問い合わせたところ、骨だけなら不要とのことでした。

この裏側にあるのがウマとグレビーシマウマの脚の骨です。
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ウマの脚の骨の特徴として、
1.ウマの脚の指は1本
 5本の指の祖先から中指(第3指)が発達して、次第に指の数が減少していきました。
2.甲の骨が長くなる
 ヒトと比べると、ウマの第3中手骨・中足骨(ヒトの甲に相当)が伸びていて、脚が長くなっています。
3.指のなごりが2本ある
  第3中手骨・中足骨のそばには、細く退化した第2と第4中手骨・中足骨(人差指・薬指に続く)が残っています。

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上の写真はグレビーシマウマの左後脚です。
他にウマの左前脚、左後脚の骨もあります。

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そばの低い台にウマの右前脚の骨がおいてあります。手にとって実感してみて下さい。
(鈴木 武)

*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 *。.☆゚*.。

ジングルベ~ル♪ ジングルベ~ル♪・・・゚

もうすぐクリスマスですね。人と自然の博物館ではクリスマスを

たっぷり楽しめるイベントをたくさんご用意しております。

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明日より「クリスマス特別企画」のイベント

フロアスタッフとあそぼう「チョコでつくる化石のレプリカ」を開催します!

12/21(土)・22(日)・23(月・祝)の3日間限定になります。

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小さなお子様から大人まで楽しめるイベントですので、ぜひご参加くださいませ。

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デコレートしたアンモナイトのチョコはもちろん、食べられますよ!

とってもおいしそうですね♬  

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クリスマスイベントの他にも、デジタル紙芝居やクイズをまじえた展示室ツアーなどもありますよ。

ぜひ、家族のみなさまで人と自然の博物館へおこしくださいませ。

゚*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆

フロアスタッフまつだ

 

日ごと寒さがつのる今日このごろ。皆様風邪などひいていませんか?
さて、12月12日より、エントランスホールにて、 たんば恐竜・哺乳類化石等を活かしたまちづくり推進協議会制作の、丹波竜のフィギュア(サンプル)を公開しています。


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原画は小田隆氏(画家・成安造形大学)、原型製作は徳川広和氏(造形作家・株式会社ACTOW)、監修は当博物館の三枝春生主任研究員。最新の研究に基づいて制作した、超本格的なフィギュアなんです!

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/吾輩は丹波竜である。学名はまだ無い※\
※2013年12月現在

竜脚類のフィギュアは色々な所で見かけますが、丹波竜が属する「ティタノサウルス形類」のフィギュアはなかなか珍しいです。

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フィギュアの製品版は来年3月以降に発売を予定しています。(詳しくは恐竜.infoにて)皆様のお宅に丹波竜がやって来るまで、あと少しですよ!


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また一段と寒くなってきました。

明日、12/14(土)から、恒例の干支展「午(うま)さんようこそ」が始まります。

 

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2014年の干支(えと)は「午(うま)」です。「馬」にちなむ生き物や自然に関する展示を行います。ウマの頭骨、馬(ウマ、コマ)の名前がつく植物(アリマウマノスズクサ)や昆虫(カマドウマ)、岩石(瑪瑙)などが登場します。

 

また、干支がらみで午(うま)ではなく竜(たつ)の話しですが、ただいまエントランスにて「丹波竜フィギュア」のサンプルが展示されています。

 

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博物館では4Fサロンをはじめ、クリスマスイルミネーションがとても華やかですよ!

 

 

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ぜひ、みなさまで博物館にお越しください。

 

フロアスタッフまつだ

 

 

星の世界★

2013年12月12日

 夜は寒いです(>_<) 今朝は県内のあちこちで雪の便りが・・・・・

 

 でもでも、夕方くらいに雨が降ったりなんかして、大気中のホコリやチリが洗い流されたりした日の夜は、一段と夜空が冴え渡り、星がきれいに見えますよね。

 

 

 お月さんも、だんだん肥えてきました。来週17日頃が満月の予定です。

 チョッピリ寒いですが、夕焼けや宵の明星、お月さん、夜の星・・・・ちょっと、空を見上げてみませんか?オリオン座のきれいなこと!!

 

 

 うつむいていても、ねぇ!(^^)!

 ただし、風邪をひかないように温かくしてください(*^_^*)

 

 

今日は館内に休館日のポスターを貼りにいきました。

じゃじゃーん。

 

s-blog.jpgあれ?同じサイズで印刷したはずなのに、大きさが違う…。

 

さて、ひとはくは12/28(土)~1/2(木)まで休館となります。

来年の1/3(金)から開館しますので、お正月はご家族でぜひひとはくにお越しください。

お正月の楽しいひとはくの情報は…うきうきカレンダーをご覧ください♪

http://hitohaku.jp/top/event.html#event

 

そして、1/6(月)から2/7(金)までの期間は、臨時休館となりますのでご了承ください。

 

 

                                 みの あんな

 

深田公園の木々が色づき、秋だなぁなんて思っていたら...季節はすっかり冬に移り変わり。

日に日に寒さは増していきますが、ひとはくに来てくださるお客様の笑顔で、心があたたまる日々です♪

4階のひとはくサロンの、赤と白のクリスマスツリー。

 

 

 

P1170606.JPGこのツリー、何を表わしているかわかりますか?

じつは、サンタさんの帽子です!毎年この時季になると、素敵なツリーがお目見えするので、私たちスタッフも楽しみにしています。

 

フロアスタッフのイベントも、楽しい企画がいっぱいですよ♪

 

 

1221日(土)、22日(日)、23日(月・祝)フロアスタッフとあそぼう

「クリスマス特別企画~チョコで作る化石のレプリカ」

 

おゆまるで作るレプリカ作りは、何度か体験してくださった方も多いと思いますが、

今回はアンモナイト化石のあまーいレプリカを作ります♪

 

 

blog.jpg本物のアンモナイト化石を使って型どったホワイトチョコレートに、クリスマス感いっぱいのデコレーションをしてみよう

プレゼントにも喜ばれるかも♪

 

 

23日(月・祝)うきうきワークショップ「コノハムシペーパークラフト」

 

konoha.jpgボルネオジャングルにかくれんぼしているコノハムシ♪実はとっても魅力的な虫なんです。みんなで標本を見ながら、作ってみよう♪

 

 

他にも12月の楽しいイベントについては、うきうきカレンダーをご覧ください。

 

 

 

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クリスマスムードたっぷりのひとはくに、ぜひ遊びに来てくださいね!

みなさまのお越しをお待ちしております。

 

 

 

                      フロアスタッフ みの あんな

          hyoushi.jpg start.jpg kinoko-tori.jpg kinoko-tori-2.jpg kinoko-shukaku.jpg 以上!「ふかたん~きのこGETだぜ!~」、無事 大盛況に終わることができました。

ご参加いただきました皆様ありがとうございました。

次回の「ふかたん」は、3月に予定をしております。どうぞよろしくおねがいします。                                                           

                            FSうえやま

12月Kidsサンデー報告☆

2013年12月 4日

ひとはくの周りの木々は赤、橙、黄と
紅葉(黄葉)した葉っぱをはらはらと落として、冬支度をしています。

131201kidssundayblog (16).JPG  131201kidssundayblog (17).JPG

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12月1日のKidsサンデーには、紅葉に負けないくらい真っ赤なほっぺの
キッズたちが、寒さに負けず遊びに来てくれました!

ではプログラムをいくつかご紹介します☆

◆わくわくネイチャー・テクノロジー
「自然ってすごい!~ちいさな かわいい かせき~

ちいさな化石の「すごい!」を化石はかせがお話してくれました。

131201kidssundayblog (4).JPG今話題の3Dプリンターで作った化石の拡大レプリカも登場↑
最後は小さな化石でツリーを飾りつけ。

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とってもステキな化石ツリーが完成しました!(完成作品はページの一番下↓を見てね!)

化石の3Dレプリカの作成にあたっては
摂南大学の岸本直子先生にご協力いただきました。有難うございました。

◆展示室ツアー「ひとはく ふしぎ発見ツアー」

ひとはくにかくれている不思議を クイズに挑戦しながら解き明かしていきました。

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131201kidssundayblog (7).JPG                          みんな展示にかぶりつきですね!

◆サイエンスショー「プラトンボづくりに挑戦」

竹とんぼならぬ、プラスチックのはねを持ったプラトンボを作りました。

131201kidssundayblog (9).JPG  131201kidssundayblog (2).JPG
                                  青空の下、思いっきり飛ばしたい!

◆「四季の星空案内」

冬の星座についてクイズをしたり、歌をうたったりしながら楽しく学びました。

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他にもパネルシアター、デジタル紙芝居、研究員のオープンセミナーなど
多数のプログラムが実施されました。

  IMGP2670.JPG   131201kidssundayblog (13).JPG

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博物館でしか会えない本物の標本やスタッフを見つめる
キッズの瞳はキラ☆キラ☆でした。そのキラ☆キラ☆がず~っと続きますように!

次回のKidsサンデーは新年1月5日(日)。
2月のKidsサンデーは博物館の冬休み期間中でお休みです。


もういくつ寝ると・・・クリスマス!お正月!とキッズたちには楽しいイベントが続きますね。
ひとはくのクリスマス&お正月も楽しいもよおしが盛りだくさん。
詳しくはコチラ

手あらい、うがいをしっかりして、
ピカピカ笑顔でおもいっきり楽しんでくださいね。

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                  (生涯学習推進室/Kidsひとはく推進タスクフォース たかせ ゆうこ)

ユニバーサル・ミュージアムをめざして41

 

研究者が研究対象の当事者になるということ
『「話せない」と言えるまで』書評

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

Seki Keiko_san.jpgのサムネール画像

関 啓子さんの最近のお写真です。

 

 これまでわたしは、どんなに偉い人に対しても、あえて「○○先生」とは呼ばずに、「○○さん」と呼んできました。この文章でも知り合ったばかりの関さんに対して「関 啓子さん」とお呼びしています。この文章スタイルを、ずいぶん失礼なことだと受け取る方がいらっしゃるでしょう。しかし、このようにお呼びすることで、わたしは人と人の対等な関係を確認しているつもりなのです。もちろん、わたしに対しても、「三谷先生」ではなくて「三谷さん」と呼んでいただきたいと思ってます。そうでなければ、わたしの書いた内容に異論がある時、素直に意見が言いにくいでしょう。普段は医療界の習慣に従って、同僚の方どおしを「○○先生」と呼び合っている関さんも、「関 啓子さん」と呼ぶことをお許し下さいました。このコラムを読んで下さっている方が誤解されるといけませんので申し上げますが、わたしは関さんを尊敬し、信頼しています。関さんは、ご自身の工夫と回りの方の助力によって、脳こうそくの後遺症から驚異的な回復を果たされた方です。また、わたしにとっては研究者仲間でもあります。関さんは高次脳機能障がいのリハビリテーション法を研究していらっしゃいます。

 さて、

 研究者が自分自信に起こった(起こっている)事を書いた本は、たくさんあります。有名なものでは、例えば自閉症で動物行動学者のテンプル・グランディンさんがマーガレット・M・スカリアノさんといっしょに書いた『我、自閉症に生まれて』(1) や、脳こうそくになった免疫学者・多田富雄さん『寡黙なる巨人』(2) があります。これらの本を通してグランディンさんや多田さんのファンになった方も多いでしょう。全盲の宗教民族学者、広瀬浩二郎さんには、『触る門には福来たる』(3) という本がありますし、脊髄腫瘍(せきずい・しゅよう)で首から下がマヒしてしまった文化人類学者のロバート・F・マーフィーさん、『ボディ・サイレント』(4) という本を通して「障がい者が生きるもうひとつの世界」を生き生きと、しかし、静かに描き出してくれました。しかし、いずれも研究対象の当事者そのものになった方はいません。例外は、ご自身が盲ろう者でバリアフリーのことを研究している福島 智さん『盲ろう者として生きて』(5) と、脳出血で脳が壊死していく最中(さなか)の「恍惚感」を内面から描き出した神経解剖学者ジル・ボルト・テイラーさん『奇跡の脳』(6) でしょうか。もっとあるのでしょうが、わたしが読んだのは、この2冊ぐらいです。その中で、関 啓子さんの書いた『「話せない」と言えるまで』(7) は、例外中の例外でした。研究者が自らに起こった事実を素材にして、第三者としてではなく内面から見つめることで文章にされたのです。しかも、その事実は、長年研究をされてきたことそのものでした。

 関さんは、右脳のダメージで身体の左側にあるものが分からなくなるという現象を研究していました。その右脳に関さんご自身がダメージを負ってしまいました。わたしも脳こうそくの後遺症が残る当事者だから平気で言えるのですが、普通なら、あわてふためくところです。障がい者になったことと健常者であった頃とのギャップに――それまで普通にできていたことが、急にできなくなるのです――尋常でない戸惑いがあったと思います。しかし関さんは、発症から復職の過程や現在の思いを冷静にまとめ、「1例報告」として出版されました。それはとても大切な証言でした。

☆   ☆

 はじめて関 啓子さんにお目にかかったのは、2013年11月のことです。神戸市の適寿リハビリテーション病院で講演会があり、それに参加してお会いしたのです。関さんはその講演会の演者でした。関さんは神戸大学の保健学科で長く教授を勤められた言語聴覚士です。研究室を運営され、何人も大学院生を指導して、ご自分も学術論文や書籍を発表されています。お会いした時、関さんからは「ゆったりとした、ずいぶん穏やかな方」という印象を受けました。

 講演会は失語症の家族会と病院関係者で持たれました。ただし、わたしのように勝手にまぎれ込んだ人間も、むやみに断るという事はありません(参加しますという通知は出していましたよ。念のため)。多くの若い言語聴覚士が会場の準備をし、受付をし、演者の関さんをお迎えして、失語症の当事者と家族会の皆さんが席に着いてお話は始まりました。この時のお話から、関さんは右脳にダメージを負い左半身にマヒがあること、普通は左脳にダメージを負った人がなることの多い失語症だが、右脳にダメージを負った関さんにも失語症があること、などがわかりました。

 わたしは左脳にダメージを負ったので、失語が出ても不思議ではありません。なぜかというと、多くの人は左脳に言語中枢があるからです。反対に言うと、右脳にダメージを負っていても、右利きの人なら失語が出ない(ことが多い?)のです。しかし、関さんは左利きです。関さんは右脳にも言語中枢がありました。そのために失語が出たのです。多数ではありませんが、このような人もいらっしゃるということです。

 講演が終わった後、わたしは関さんに自己紹介をして、メールで連絡を取り合えるようにお願いをしました。急なお願いでしたが、快く引き受けて下さいました。たぶん関さんもだと思いますが、たいていの失語症者は電話が苦手です。電話は発声することが苦手な音声しか伝達できないからです。わたしの障がいを無視して、平気で電話をかけてくる方がいますが、わたしの場合は不意に失語が出ることがあるために、基本的に電話には出られません。それでメールでと、お願いをしたのです。「電話に出られない」と言うのは難聴者やろう者と同じですね。

 先に『「話せない」と言えるまで』は、貴重な「1例報告」だと言いました。関さんは経験豊富な言語聴覚士です。ご自分がダメージを受けるまでは、言語聴覚士として、どうリハビリテーションをすれば当事者の機能回復や生活の向上につながるのかを客観的に考えてこられました。今度は内面から見つめるのです。ひとつひとつのリハビリテーションの意味はよくわかった上で、関さん自身が当事者として参加するのです。関さんを担当した方は、言語聴覚士は当然ですが、体や関節の大きな動きを診る理学療法士や日常生活の動作を訓練する作業療法士も、ずいぶん緊張したことでしょう。何しろ相手は、この前まで自分たちを指導していた立場の人なのですから。

 関さんはリハビリテーションを受ける際のポイントとして、当事者と療法士の信頼関係をあげておられます。療法士がどのように考え、なぜ、そのリハビリテーションが必要だと思ったのかについて、信頼していなければ効果は期待できない。信頼してはじめて回復が期待できるとおっしゃるのです。それはそうでしょう。不信に満ちていたら、たとえよい技法であっても、効果は表れません。なぜかというと、療法士の仕事は全て脳の機能に関係しているからです。不信の念は、脳の機能まで歪めてしまうことでしょう。

 それとともに、医療行為者としては、回復の見通しを当事者に伝えてほしいとも注文されます。これは、わたしが入院生活をした経験からも、どのような事を言っているのかがよくわかります。大多数の当事者には「脳こうそく」や「失語症」、「マヒ」といった現象の基本的な知識がありません。入院当初は、わたしも自分の置かれた立場が認識できませんでした。わたしの場合は右半身が動かず、言葉も出ず、おまけに気力も湧きませんでした。これから自分はどうなっていくのかという見通しは、知識として、もともと持っていなかったのです。そんな当事者にこそ、客観的な回復の見込み(や回復しない見込み)を伝えておかなければ、当事者として、また人間として、責任ある人生の選択はできません。関さんはその事をおっしゃっているのです。

☆   ☆

 わたしは、この本が誰を読者に想定して書かれたものか、一読してわかりませんでした。「右共同偏視を呈する」(視線が右側に偏っていること)とか「ブロンストロームステージ Br. Stage」(手や足のマヒの程度を測る規準)、「プロソディー障害」(イントネーションやアクセントに違和感があり、跳ねる音や長く伸ばす音などの発音が難しいようす)といった専門用語が次から次に出てくるからです。

 わたしは自分が入院した当事、ある看護師やある療法士は、わたし(=後遺症の当事者)に向かって「プラトーに達する」と言っていたのを思い出します。それは障がい当事者や家族にとって、決して親切な言い方ではありませんでした。「プラトー」とはわたしたちが日常使う言葉ではないからです。「プラトーに達する」という言葉の意味は、「回復の程度をグラフにすると、時間を追って立ち上がりが鈍くなる」ということです。そのグラフの形が、まるで「高原」のようなので、医療関係者は仲間内の符丁(ふちょう)として「プラトーに達する」(=「高原」の形に至る)と言っていたのです(間違っていたら、教えて下さい)。フランス語でしょうか。「回復のスピードが遅くなってきた」と言えば多くの人がわかるでしょう。しかし、「プラトーに達する」でわかる人は、ほとんどいないのです。正直に書くと、当初は『「話せない」と言えるまで』からも似た印象を持ちました。そのために、この書評を書くのをためらっていました。

 ところが、あることに気が付いて、関さんの意図が読み取れたように感じたのです。この本で想定した読者は、まだ経験の浅い若い言語聴覚士や、言語聴覚士になるために、現在、学んでいる学生ではないのでしょうか? そう考えて読み直すと、合点がいくところが多くありました。それに、若い言語聴覚士や学生なら、いちいち気にしなくても専門用語はわかるはずです。わからなくても、参考書が手近にあるはずです。この本を読むのに支障はないのでしょう。

 もう一度ページをめくり直すと、これは関 啓子さんの「内面から診た一例報告」なのではないかとも思いました。「一例報告」とは、「まれにしか見られない症例の記録」という意味の報告論文のことです。「一例報告」のために、この本には発症のようすから、その時のご自分の意識のこと、リハビリテーションの経過までをくわしく載せたのでしょう。

 「脳こうそくの後遺症」と一口で言っても、表れる症状はさまざまです。それはそうでしょう。脳の一部にダメージを負ったのです。その脳は体のいろいろな場所をコントロールするだけではなく、立体を立体として感じたり、イメージや美しさを実感したりします。家族や仲間や社会の概念を認識したりもできるのです。あらゆる情報を受け止め、あらゆる情報を発信するのが脳なのです。ダメージを受けた場所によって、さまざまな事が起こるのは当然です。関さんの場合は、「プロソディー障害」のために新人留学生のように話したり、左側にあるものが、あたかもないように振る舞ったりしました。この事はまれですが、しかし、関さんと同じようなダメージを負った人には、同じように起こる事なのです。それを記録しておくことで、どこかの誰かが救われるかもしない。同じ症状の出る人が多い・少ないの問題ではありません。この記録を残しておく事が、とても大切なのです。

☆   ☆

 関さんは、今、職場のあった神戸から、もともと住んでいた東京に戻っておられます。大学の職を辞して、新しく研究所を立ち上げられたからです。

 我われは、皆、関さんと同じだと思います。関さんと同じような人間の一人ひとりで、社会は成り立っているのです。そのさまざまな人びとが、(その人なりに)元気に活躍することは、社会の活力であり、我われの生きがいでもあります。「働き盛りの人」だけが社会を回しているという認識は、錯覚に過ぎません。元気な人は、つい自分があたかも主人公であり続けるように誤解していますが、いつ事故にあったり病気になるかわかりません。そして事故にあったり病気になっても、社会の主人公であることは、何も変わらないのです。たとえベッドの上で、のたうち回っていたとしてもです。

 わたしたちは、いつでも、その人なりに足掻(あが)いて生きています。倒れるまで足掻(あが)くことは無用の努力でしょうが、でも、努力は続ける必要があります。額に汗して働く努力の事ではありません。充実した生を存分に生きていく努力のことです。

 関さんにお願いがあります。折りを見て、若い医療関係者ばかりではなく、ぜひ一般の人にもわかるように、ご自分の経験をお伝え下さい。充実した生を存分に生きていく努力のさまを、お伝えいただきたいのです。その時は、もう一度、そのご本を読ませていただきます。

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(1) 『我、自閉症に生まれて』
https://shop.gakken.co.jp/shop/order/k_ok/bookdisp.asp?code=1340018200

(2) 『寡黙なる巨人』
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-746592-1

(3) 『触る門には福来たる』
https://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/7/0230100.html

(4) 『ボディ・サイレント』
http://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784582765663

(5) 『盲ろう者として生きて』
http://www.akashi.co.jp/book/b92693.html

(6) 『奇跡の脳』
http://www.shinchosha.co.jp/book/218021/

(7) 『「話せない」と言えるまで』
http://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=81958

 

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三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館

冬の虫です

2013年12月 3日
ひとはくのまわり、深田公園の紅葉は盛りをすぎ、寒い冬がやってきました。

今日は冬晴れのよいお天気。
お昼休みにぶらぶらして、虫をみつけました。

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すっかり葉を落としたケヤキの幹に、クロスジフユエダシャクがいました。

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上がメス、下がオス。交尾中です。
フユシャクと言われる、冬にだけ現れるシャクガの仲間です。シャクガは、幼虫が尺取り虫です。
フユシャクでは、オスは普通の蛾の姿をしていますが、メスは翅(はね)が退化して短くなっていたり、なかったりです。
クロスジフユエダシャクは、昼間によく飛ぶ蛾で、各地の雑木林で12月に見られます。

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ひとはく4階通用口前の柱にも、ぽつんと、何かくっついています。

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これは、キバラモクメキリガという蛾です。ヨトウムシの仲間です。
この蛾は晩秋に現れ、来年の春まで見られます。
翅をすぼめてとまるので、折れた小枝のようです。
もっとも、こんなところに止まってたらよく目立ちます。
12月1日(日)にも、ここにいました。二晩同じ場所でじっとしてたということですね。いつまでいるんだろ?

(八木 剛)

 

ラフ・カ・ディオはんや。久しぶりやな。

 

 

 わいらタヨウ星人も夏が過ぎ、秋も過ぎ…いよいよ冬越しや。

 松江のヘルンさんとタヨウ星人展も9月30日に終わり、最後のワークショップと拡大展示をした一畑百貨店も盛況で、小泉八雲記念館には4月6日からの期間中なんと6万人もきてくれはったようや。みなさんおおきに。

   

 

わいも松江で終わりかいなあと思とったら11月15日に明石天文科学館でのイベント「星と本」にもちょこっと出演して、今年は一足早く仕事納めや。

 

         

 ゾウの絵たちも琵琶湖博物館の企画展いきものがたり展示にちょこっと登場。これで故郷のよこはまズーラシアへ帰るみたいや。

 

 

 で、仲間のタヨウ星人たちはというと丹波篠山あどべんちゃー2で「ささやまカラフルパラダイス」というお題で鈴木研究員、大谷名誉研究員、地域研究員のちんげんさいの3人と共演。今回はカラフルなはっぱたちと鳴く虫の探検とオハナシや。

 

      

 

 すっかり葉っぱも落ちたし、ほな、また春に。おやすみ…

 

 

 

 

 

11月9(土)・10(日)に 1階展示室「世界の森」コーナーで

葉っぱや木の実で 壁飾りをつくりました~

 

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         四角い段ボールの額が 斬新アートに変身!

 

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 素敵な作品ができましたよ~(*^_^*)

 

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  木の椅子の座り心地は いかがでしたか?

  木のぬくもりを 感じてもらえたかな?

           フロアスタッフ谷口・田中・小野                                         

ユニバーサル・ミュージアムをめざして40

「正義の倫理」と「ケアの倫理」

三谷 雅純(みたに まさずみ


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キャロル・ギリガン

 

 キャロル・ギリガン(Carol Gilligan)の名前は、丸山里美さんのお書きになった『女性ホームレスとして生きる 貧困と排除の社会学』 (1) を読んでいて知りました。ホームレスとは、今ある社会制度からはずれてしまった人たちのことで、路上や河原、公園といった誰も私有していない土地や、山のように私有していても、あまり人の来ない土地で暮らす人たちです。かんたんな家を建てて定住している場合もあるのでしょうが、普通はブルーシートで作ったテントなどで暮らしています。

 そのホームレスです。圧倒的に男性が多くて、女性は全体の一割とか二割に過ぎないのです。それはなぜなんだろうという疑問が湧(わ)いて、丸山さんは女性ホームレスの事を社会学的に調べるようになりました。

 調べていくと、いろいろな事がわかりました。もともとホームレスは丈夫そうに見えませんが、それは病弱であったり、高齢であったり、障がいがあったりするためです。都市に住むホームレスは圧倒的に男性ですが、女性はホームレスを続けるには危険や困難が多く、また男性と違って女性は、その人が面倒を見ないと、やはりホームレスの男性――パートナーと呼べばいいのでしょうか?――は死んでしまうかもしれない、といった人間関係に縛られて、ホームレスにとどまり続ける人が多い事などです。

 その「人と人の関係」は、女性によく見られる――「女性独特の」というわけではありません――倫理観と呼んでよいのかもしれません。ここで「キャロル・ギリガン」が出てきます。

 ギリガンはアメリカ合衆国の心理学者で、大学の教員をしています。発達心理学者の立ち場から子どもたちの成長を観察していて、男の子と女の子ではものの考え方に違いが見られることに気が付きました。男の子は割り切った考え方をするのですが、女の子は人と人の関係を大切にするというのです。ギリガンはこのことを考えていって、『もうひとつの声』という本を書きました。それまで正しいと思われてきた規準とは別の規準で、人の成長や発達といったことを考えないと、女の子の発達はわからないと主張したのです。丸山さんは女性ホームレスによく見られるこの感性がギリガンの主張とよく合うと言います。このギリガンの本は、出版されると大きな論争を巻き起こしていったそうです。その影響は倫理学やフェミニズム、社会学といった分野に広がりました。

 ギリガンの主張をよくあらわす例として、「ハインツのジレンマ」が取り上げられます。少し長いですが、『女性ホームレスとして生きる』から引用します。『女性ホームレスとして生きる』の246ページにあります。

 発達心理学者であるギリガンは、道徳的葛藤状況のなかで選択を迫られた人びとが取る対応について研究するなかで、女性は道徳や人との関係について、男性とは異なる語り方をする傾向にあることに気づく。このことを象徴的に示すのが、「ハインツのジレンマ」と呼ばれる、有名な道徳性の発達指標に対するギリガンの疑問である。これは癌にかかった妻を救うために、夫のハインツは高価で買えない薬を盗むべきか否かを問うもので、その回答が男女では異なる傾向にあるとギリガンは言う。男の子のジェイクは薬を盗むべきだとはっきり答え、財産と生命を比べて生命の方が尊いと判断し、これを権利の問題へと修練させていく。女の子であるエイミーは、薬は盗むべきではないが妻を死なせるべきでもないと自信なさそうに答え、薬屋が二人の事情に配慮しないのがよくないのだと言って、これを責任の問題として解釈したのである。従来の発達理論においては、人間の発達は他者を気遣うことから、規則や普遍的な正義の原理にしたがう つぎの段階に漸進的に発達すると想定されて来たために、エイミーはジェイクよりも未成熟であると解釈されてきた。だがギリガンは、発達段階をはかるものさしが男性を規準につくられており、伝統的に女性の徳だと考えられてきた他人の要求を感じ取るという特徴こそが、女性の発達段階を低いものにしてきたことを指摘したのだった。(2)

 わたしは丸山さんの女性ホームレスの社会学を扱ったこの本とは別に、全く独立して柏木惠子さんの『おとなが育つ条件――発達心理学から考える』 (3) という本を読んでみて、「結びに代えて」の中で、再びギリガンの名前が出てきたので、びっくりしてしまいました。まあ、柏木さんは発達心理学者ですから、同じ発達心理学者(で、同じく女性研究者)のギリガンのお名前が出てきても不思議ではないのでしょうが、偶然読んだ二冊の本が、共にギリガンを引用していたのです。びっくりです。ギリガンという研究者は、本当にさまざまな学問に影響を与えたのです。

☆   ☆

 ギリガンは確かに、女性は周りの人の思いを考慮し、男性は周りの人の思いを気にかけるよりも原則に忠実だと言いました。わたしの身近にいる人を思い出してみると、当たっているように思います。男女は性によって役割が違うと主張しているかのようです。「性によって社会的役割が違う」という意見に敏感なフェミニストは、そこを批判しました (4)。

 しかし、ギリガンが『もうひとつの声』を書いた動機は、この本が出るまでは男の子にありがちな物事のとらえ方、つまり、周りの人の思いに左右されずに下す判断――冷静な判断であるとも、場合によっては冷酷な判断であるとも言えます――の価値が高く、女の子にありがちな周りの人の思いを考慮して下す判断は価値が低いという規準は、「男性優位の神話」にしか過ぎないという点にあるのです。その意味では、ギリガンもフェミニストだと言えます。

 現実には、「男性は周りを考慮せずに行動し、女性は気を使ってばかりいる」ということはありえません。わたしたちには誰にでも、育った環境や時代や文化によらず、どちらの傾向もあるのです。このふたつの考え方は、「正義の倫理とケアの倫理」と呼ばれたりします。ただ、ギリガンが『もうひとつの声』を書いた時には、その内の「正義の倫理」で現(あらわ)される男性原理だけが価値あるものとして認められ、「ケアの倫理」は本物の倫理的な規範とは認められていなかったのです(何と愚かな!)。

☆   ☆

 「ケアの倫理」は、今では、例えば看護師の持つべき倫理観として語られることが多いようです。看護師が「看護婦」と呼ばれた時代には、看護師は女性である事が当たり前でした。そのかわり医師は大部分が男性です。この暗黙の役割分担――そこには「看護婦と医者の身分差」もセットになっています――は、批判されて当然です。それが看護師と呼ばれるようになって、男性も看護に心を砕くことが当然になりました。また、今では医師とだけ聞いても、会ってみるまで男性か女性かはわかりません。つまり、男女ともに「ケアの倫理」を身につける事が求められるようになったのです。

 「正義の倫理」で想定されている人は「自立した責任ある個人」です。「自立した責任ある個人」が病人や障がい者や高齢者であってもかまわないのですが、病人や障がい者や高齢者は、いつも健康な精神を保ち続けているわけではありません。実際の病人や障がい者や高齢者では、気持ちが落ち込んでいる事がよくあります。その時には「ケアの倫理」が必要になります。他者の心を見つめる目が必要になるのです。

 ただし、「ケアの倫理」では「ケアをする人」と「ケアを受ける人」が出てしまいます。これが親と子どものような関係であれば、おとなが子どもの世話をする事は当然だと受け取る人が多いでしょうから、<ケアをする親/される子ども>で何の不思議もありません。おとなが子どもの世話をするという意味でなら、幼稚園や小学校・中学校も同じでしょうし、里親と血のつながりのない子どもでも同じです。ところが、おとなとおとなの間に「ケアをする人」と「ケアを受ける人」が生まれると、関係は急に非対称性がクローズ・アップされてしまいます。「ケアをする人」は一方的にケアを施し続けねばならず、「ケアを受ける人」はケアを受けなければ生活できないという事態になってしまうのです。これでは「ケアをする人」の負担ばかりが増え、「ケアを受ける人」は気が重くなってしまいます。「する側・される側」の両方がストレスを溜めてしまいます。

 看護師だとか教師であれば、まだ労働の代価がお金で支払われるのですから、(お金で納得できるのであれば)それもいいかもしれません。しかし、人と人の関係はお金で解決が付くとは限りません。老いた親を子どもが面倒を見る時でも、例えば、ほかの家から嫁いできたお嫁さんが義父や義母の面倒を見る時は、報酬を支払う/もらう関係とは異なるでしょう。それが「障がいのある、すでに成人した人の世話をし続ける他人」となったらどうでしょう。果たして自分は「ケアの倫理」を保ち続けることができるかどうか、とても自信がない、とおっしゃる方は多いのではないでしょうか。

 ヒトの行動生態学には「互恵的利他行動」と呼ばれる概念があります。普通、動物は自分と遺伝的に近いコドモや兄弟を助けて自分の遺伝子が残るようにするものです。ところがヒトは、必ずしも遺伝的に近い家族だけを助けるのではなく、遺伝的には関わりのないヒトまで助けてしまいます。困っている他人を助ける。それが、次に自分が困っている時には助けてもらうことにつながる。……この繰り返しによって、親切のネットワークは広がっていきます。こんな行動を、特に「互恵的利他行動」というのです。

 「ケアの倫理」は「互恵的利他行動」と関係が深いと思います。同じ事かもしれません。ただ、違うように見えることのあります。「互恵的利他行動」では、親切のネットワークは巡り巡って、いつか自分にもいいことが返って来るのです。「互恵的利他行動」を取る人が、その事を自覚しているかどうかは別にして――報酬を当てにして「親切に振る舞う人」というのは、あまりいないでしょう――、少なくとも、他人に親切にすれば人間関係がよくなり、気分よく日びが送れることは確実です。

 「互恵的利他行動」とは、普通、動物の世界ではあると考えられない利他行動が、ヒトに進化している。それはなぜなのだろうと考えた理論的な結論です。実際の具体的な人がその事を認識している必要はありません。知らなくてもやってしまうから、行動が進化で語れるのです。それに対して「ケアの倫理」とは具体的な人間の行動規範です。必ずしも、「知らなくてもやってしまう」というものではありません。しかし、ギリガンが指摘したように、この規範はヒトの遺伝子に書き込まれた行動であるかのようです。つまり、知らない間に、ついやってしまう行動という意味です。

 「ケアの倫理」でも直接の利益は期待できないのかもしれません。しかし、巡り巡って「親切のネットワーク」は自分にも及ぶのです。ユニバーサル・ミュージアム(=開かれた生涯学習施設)では、「ケアの倫理」は、あって当然です。そこに「直接の利益」、例えば「集客数が上がるから」とかいうのは、かなりピントはずれの態度です。
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(1) 丸山里美さんの『女性ホームレスとして生きる 貧困と排除の社会学』(世界思想社)は:
http://sekaishisosha.co.jp/cgi-bin/search.cgi?mode=display&code=1593

(2) 英語ですが、この「ハインツのジレンマ」のくだりは、インターネットに公開されていました。
https://lms.manhattan.edu/pluginfile.php/26517/mod_resource/content/1/Gilligan%20In%20a%20Different%20Voice.pdf

(3) 柏木惠子さんの『おとなが育つ条件――発達心理学から考える』は:
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1307/sin_k719.html

(4) 例えば東京大学におられた塩川伸明さんは、ギリガンの『もうひとつの声』を書評して「上野千鶴子はギリガンの議論を、かつてのような生物学的性差還元主義とは異なるものと認めた上で、それでも文化と社会の中でつくられるジェンダーを逃れるのは難しいという理由で『女性性』を固定化・本質化する――但し、かつてのようにそれをおとしめる代わりに、むしろ肯定的意義を付与して賞賛する――ものだという風にまとめる」と書いておられます。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~shiokawa/books/Giliganpdf.pdf

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館

日ごとに秋が深まっております。
暦を見ればもう11月下旬、今年もあと12月ひと月を残すのみ。
師走の慌ただしさ、クリスマスの賑わいが目の前です。

ひとはくでは、ご来館いただいたお客様の心が少しでも和み、
更に多くのお客様に足を運んでいただきたいと思い、
恒例のクリスマスイルミネーションを設置しました。

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▲今年のツリーは結構大きいです。


このツリーとイルミネーションは、いつもひとはくを応援していただいている
大本さんのご厚意により設置していただきました。

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▲グリーンを基調のシックなものです。

 

クリスマスの12月25日まで、ひとはくサロンで見ることができますので
この機会にどうぞご来館ください。

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▲深田公園を望む窓際にもイルミネーションはあります。

西岡敬三(生涯学習課)


有野中学校、有野北中学校、北神戸中学校から5名受け入れ、今週スタートしたトライやる・ウィークも今日が最後となりました。最後の一日のほんの一部を紹介します。

 

メンバーは替わりましたが情報管理課では、昨日に引き続き貴重なVTRの保管管理を手伝いました。最後にビデオを元に戻して終了です。

午後からは、図書の登録を手伝いました。

 

火曜日とはメンバーは替り、フロアスタッフ指導のもとジタル紙芝居に挑戦しました。練習を重ねたあといよいよ本番です。

 

 

ますは館内放送でお客様に呼びかけます。次に誘導を兼ねてお客様を案内しました。

 

今日は外国からのお客様がメインとなりました。 無事本番も終了!

 

 

最後にみんなで日誌を書いています。その後、終了の挨拶。

 

 

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最後に、メンバー全員で記念写真。


ひとはくでの4日間はどうでしたか。普段、年代の違う方たちと接したり、普段目にしないことなど体験できたと思います。今後の活かしてくださいね!また、来館されることを楽しみにしています。


情報管理課 阪上勝彦

先日11月9日(土)篠山市の四季の森生涯学習センター周辺で「第3回たんばっ子!学びフェスタ」が開催されました。主催は実行委員会のみなさんでしたが、ひとはくからも「おもしろワークショップ」のブースを出展しました。

 

 当日は、「チャレンジ漢Q&算Q」に参加された小学2年生から6年生の子たちが、おゆまるを使って、アンモナイト化石のレプリカづくりを体験しました。

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 次から次へと、大変多くのお友だちが体験してくれたのですが、ブースの中では篠山鳳鳴高校の生徒さんがボランティアスタッフとして活躍してくださったおかげで、みな楽しんで体験することができました。

 

 参加して下さった方、応援して下さった方、ありがとうございました。

 生涯学習課

本日は、主に情報管理課で図書整理と生涯学習課のセミナーのお手伝いをしました。

 

 

池田市立石橋小学校のみなさまが来館されました。
「化石のレプリカづくり」を体験されそのお手伝いをしました。

 

 情報管理課では、午前中、図書の配架を手伝いました。

午後からは貴重なVTRの保存のため保管管理を手伝いました。


 寒い日が続きますが、残り1日となりました。明日も楽しみにしています!

 

  情報管理課 阪上勝彦

ひとはくでのトライやる2日目。朝から肌寒い気温ででしたが、元気に公園で活動している生徒たちを見つけました。

 
北摂第一幼稚園のセミナー「落ち葉で絵画」の材料を集めるため深田公園に行きました。

ダンゴムシが食べる葉、食べない葉を調べるため、材料なる葉っぱを集めています。

その一例としてコナラとクヌギの葉っぱです。他にもたくさん集めました。

 

セミナーアンケートの集計を入力しています。大事な数値です確実に入力してくださいね。


情報管理課 阪上勝彦

ひとはくでは、神戸市立有野・有野北・北神戸中学校の3校から5名を受け入れ、今年度最後のトライやる・ウィークがスタートしました。


朝一番、職員の前で自己紹介です。

 
デジタル紙芝居本番に向けて、2人で声を合わせて練習に励んでいます。


まだまだ緊張気味です! 


別の3人は封筒の宛名シール貼りに励んでいます。

 
館内放送も挑戦しました。

DSC_6444.JPG   
デジタル紙芝居本番です。緊張の中、練習の成果を発揮してくれました。

 
二人息を合わせ無事終了しました!

 

4日間で博物館の仕事を理解してくださいね!

情報管理課 阪上勝彦

今日の3枚プラス1枚()


 お昼休み、お仕事で花を探していらっしゃる高野主任研究員のとなりで、お邪魔しながら写真を撮ってました。

       


 この季節、目に映るものすべてが鮮やかで、なんでもかんでも写真を撮りたくなってしまいます。赤や黄色の目立つ色ではありませんが、ヤツデの花芽も教えていただきました。もうすぐ開花?の時期だそうです。また開花したら見てみましょう。

 そして、最後の一枚は昨日の夕方。三日月と金星がタテに並んでとても美しい夕景を織りなしていました。腕が悪くよく写っていませんが、ぜひご自身の目で見てみてください。きれいですよ。
 もうすぐ流星群もありますし、彗星もね(^^;)  雲海だって!! 


    そわそわ


朝から好天の続くひとはくです。今日はひとはくニューフェースを紹介します!!

この10月に自然・環境マネジメント研究部に赴任された大平和弘研究員!!

ピッカピカのひとはく研究員として特注セミナーデビューを飾られました。


団体のお客様は、神戸市立長田公民館リフレッシュセミナーのみなさま方約50名さま。ひとはくにご到着後、まずはセミナー室にて大平研究員の講義。

     

 というものの、軽快なおしゃべりで、ひとはくの概要(ひとはくの歴史やめざす方向など)や館内の説明などを話されました。そののちは、セミナー室を出て、3階「人と自然・新しい文化」展示コーナーへ移動し展示を見ながらの講義が行われました。


みなさん和やかな雰囲気の中で、大変熱心に話を聴いておられるし、展示もたくさんご覧いただきました

  


 午後には別の施設へ移動される予定でしたが、「午後もずっーと博物館の見学を続けていたい。」とおっしゃっていただいたお客様もいらっしゃったようです。本当にありがとうございました。またの機会に是非、ひとはくにお越しください。いつでもお待ちしております(^^) 

大平研究員もデビューを終えられ、安堵の表情でした。ありがとうございました。



(あ、安堵の写真撮り忘れちゃいました!!

生涯学習課


秋♪

2013年11月 7日
 ひとはくフェスティバルも終わり、いよいよ「秋まっただ中」、って季節になってきました。朝晩の冷え込みも厳しくなり始めました。風邪などひかれていませんか?
 と書いたものの、今日は暦の上では「立冬」ですよぉ♪

       

 ひとはくの建っている深田公園の今日のモミジバフウの周りの様子です。写真の色は少し鮮やか過ぎますが、いい感じで紅葉しています.....偽装表示というわけではありません(^^;)

 カメラを片手に公園内を散歩されている方もお見かけします。写真撮影にももってこいの場所です。

 ひとはくの観覧に来られたら、是非公園にも足を運んでくださ~い (^^)/

天候も回復し、ひとはくフェスティバルが始まりました。

館内やその周辺では、たくさんのお客様と子どもたちで賑わっています。

 

数カ所ではありますが、現在の様子をお知らせいたします。午後からも是非お越しください。

 

 

 

午後はホロンピアホールでミュージアム・コンサート、キッズかわらばん、しぜんかわらばんの表彰式が行われました。午後の様子をお伝えします。

●ミュージアム・コンサート

 

●キッズかわらばん・しぜんかわらばん表彰式

 

●まんぷくストリート&ひとはく4F 

DSC_6263_1.jpg   

今年もひとはくフェスティバルに多数のご来館ありがとうございました。

館員、関係者一同感謝いたします。

           ひとはくフェスティバル広報担当チーム

心配された天候も回復に向かうとの予想です。10時より「ひとはくフェスティバル2013」が始まります。
館内はもちろん深田公園でもたくさんのイベントを用意しています。是非ご家族やお友だちをお誘いのうえご来館ください。館員一同皆さまのお越しをお待ちしています。

ひとはくフェスティバルへ行こう!  楽しい催し物がいっぱい! 

君も発掘調査隊員!!準備中  森の遊園地 準備中

深田公園 準備中   ひとはくで会いましょう!

               ひとはくフェスティバル広報担当チーム

今年の「ひとはくフェスティバル」は明日開催されます。しかも館内観覧料が無料です。(関西文化の日)
皆さまのご来館をお待ちしています!

 館内では、皆さまをお迎えする準備も完了いたしました。

フェスティバル準備中  フェスティバルはたくさんのイベントがいっぱい!のサムネール画像  


館内はもちろん深田公園でも数々のイベントが予定され見所いっぱい。
連携活動グループや関係機関のご協力のもと、博物館らしいイベントを盛り沢山用意し、皆様のお越しをお待ちしています。

他にも「まんぷくストリート」と称した飲食店や「ゆめはくきのこカフェ」、ホロンピアホールではミュージアム・コンサート(13:00~14:00)が予定されています。 → 詳しくはこちら &プログラム(PDF1.27MB)はこちら

この機会に是非ひとはくフェスティバルにお越しください。お待ちしています。

                ひとはくフェスティバル広報担当チーム

4日目の今日、トライやる・ウィーク最終日を迎えました。

DSC_6076.JPG

午前中は1日目と同様に生涯学習課のお手伝いをしました。
封筒に宛名のラベル貼りを2人黙々とやってくれました。

  DSC_6079.JPG   

午後は、昨日のスライム試作結果を踏まえて、最適な調合の割合をコップに印を付けています。
フェスティバルの日には、是非作りに来てくださいね!

1日の最後には、ノートにまとめ(日誌)を記入しています。

 

生涯学習課でお礼の挨拶


★最後にトライやる・ウィークを終えた2人の感想です。
☆4日間の短い期間で、博物館にはどのような仕事があるのかしっかりと体験することができました。(T.A)
☆1週間に満たない間で博物館のいろいろな仕事を体験させていただいて楽しかったです。(S.I)

4日間ではありますが、片道1時間30分を掛けて神戸からやってきてくれました。
どんな仕事でも落ち着いて取り組んでいました。博物館といっても普段目にしないたくさんの仕事があることがわかったと思います。
学校に戻っても、頑張ってくれることを期待しています!

 情報管理課 阪上勝彦

3日目はフロアスタッフの仕事を手伝いました。博物館の表舞台に立って、お客様をお迎える準備をしています。

   
 
 午後に来館される団体様「多可町立キッズランドかみ「ひまわり会」」の前で予定されている
デジタル紙芝居の練習に励んでいます。

 
スクリーンの画像と台詞はもちろん、タイミングなど練習を重ねました。


フェスティバルのプログラムにある『フロアスタッフとあそぼう「スライム」』に向けてスライムの試作中。
ホウ砂、洗濯のり、水、絵の具の割合を変えながらちょうどいい割合を調べています。

★ひとはくフェスティバル2013のプログラムはこちら

 
団体様「多可町立キッズランドかみ「ひまわり会」の皆さまをお迎えしています。
本日のデジタル紙芝居のお題は「くるりん ひらりん 空とぶたね」です。


幼児49名、引率の先生6名を含め55名のお客様を前でしっかりと読んでくれました。
最後には幼児たちから拍手と「ありがとう」とお礼を言って部屋を出て行きました。


明日はトライやる・ウィークの最終日です。最後までしっかりとやり遂げましょう。

情報管理課 阪上勝彦


2日目は情報管理課で仕事を手伝いました。

 

11月4日(月・祝)フェスティバルの準備として、指定された本を54冊探し出しました。
この本は、フェスティバル当日「えほん de ピクニック in ひとはく」で使用されます。

 

午後からは、不要になったOA機器やAV機器を倉庫に運びました。

 

寄贈された古い本の表面についた埃やカビをきれいに拭き取っています。
その後、それぞれ登録し図書室へ配架されます。

 指示されたことをよく聞いて黙々と頑張ってくれました!明日はお客様の前に立つ予定です。
声を大きく出して頑張ってくださいね。

 情報管理課 阪上勝彦

ひとはくでは、神戸市立駒ヶ林中学校から2名を受け入れトライやる・ウィークが始まりました。

職員の前で挨拶

まず初めに職員の前で自己紹介です。

先生の激励

午後、中学校の先生も駆けつけてくれました。

 アンケートの集計の様子  アンケートの集計の様子

今日は主に各セミナー受講者アンケートの集計を行いました。各項目ごとに集計し統計を取っています。

4日間ですが、博物館の仕事を理解してくださいね!

情報管理課 阪上勝彦

ユニバーサル・ミュージアムをめざして39

“ロボット万能”の時代に人が行うサービス

三谷 雅純(みたに まさずみ)


 昨日は休みだったので、家でぼんやりとテレビを見ていました。見ていると多くの商品が出てきて、これでもか、これでもかと宣伝をしています。直接、その製品の良いところを訴えるものもありますが、なかにはイメージだけを伝えているものがありました。でも、何だかその方が気になります。それを作り出した技術のすばらしさや工夫ではなく、「(直接、製品には関係のない)自然の優しさ」や「(これまた、直接、製品には関係のない)支え合う人の結び付き」、あるいは「人の温かさ」を伝えているのです。

 ここで、よくよく考えてみました。多くの製品は人工物です。農産物であったとしても、人が作り出したものです。仕事として、普通の人が、日常生活の中で商品を作るのです。商品では市場(しじょう)の原理が優先されます。いかに良いものを作るかよりも、いかに高く売るかが優先されるということです。そこで訴える「優しさ」や「温かさ」は本物である必要はありません。ただのイメージでよいのです。

 宣伝していたものがイメージにすぎないのかもしれないと思って、もう一度よく見てみると、何となく企業の主張を鵜呑(うのみ)みにしていた自分の愚かさに気が付いて、唖然(あぜん)としてしまいました。唖然(あぜん)とはしたのですが、その主張で企業や製品のイメージ――製品の品質ではありません。あくまでイメージです――が、実際よりも、よく見えた事は間違いありません。この仕組みは、心理学では、きっと「○○効果」といった名前が付いた常識なのでしょう。しかし、わたしは心理学のことをよく知りません。

 テレビだけでなく、ラジオはもちろん、雑誌や新聞やインターネットでも事情は同じだと思います。マスコミ(=マス・コミュニケーション)はマス、つまり「大勢の人」に、いっぺんにメッセージを送るのです。メッセージは受け手の意向に左右されて当然です。つまり、商品を作る賢い企業・そのメッセージ(=イメージ)を送るマスコミ・受け手の三者は共同して、イメージをせっせと肥大させ続けているのです。

 考えてみれば、わたしたち研究者の仕事である(はずの)「科学」というものも、この三者が共同で肥大させているイメージと大差ないのかもしれません。後になって振り返れば、研究者自身が「何で、あの時、あんなに一生懸命やったのかわからない」といった事が、たぶんありそうです。少なくとも、わたしにはあります。

 ただし、送り出すメッセージは受け手の意向を汲んだものなのですから、「自然の優しさ」や「支え合う人の結び付き」、あるいは「人の温かさ」には、本当は「人工物の冷たさ」や「機械の持つ融通の利かなさ」があったとしても、大勢の人にその事を忘れさせてしまう何かがあるはずです。

 わたしたちは、日常の生活に追われて、つい忘れがちですが、本来、剥き出しの自然は冷酷なものです。津波や火山噴火は優しくなどありません。また大勢の人がいっしょに暮らす社会を維持していくためには、一人ひとりの大変な努力が必要です。しかし、それでもわたしたちは「自然の優しさ」や「支え合う人の結び付き」や「人の温かさ」を求めてしまいます。この時だけは〈冷酷さ〉や〈大変な努力〉には目をつむり、ふわふわとしたイメージだけを追いかけるのです。あるいは、忘れてしまったふりをして、現実にはないイメージを追いかけ、踊って見せるのです。踊って見せることで、何かから逃げようとしているのでしょうか? でも、そうだとしたら、何から逃げようとしているのでしょう? あるいは、誰に向かって踊って見せているのでしょう?

☆   ☆

 ユニバーサル・ミュージアムとは、誰でも、どのような人でも参加できる施設をめざす運動です。ユニバーサル・ミュージアムのお手本が、どこかにあるわけではありません。「こうすると、あの人は参加できるだろうか」とか、「ああすれば、この人も参加しやすいと思うのだが」といった事を、少しずつ実現し、実践していくことです。だから、このコラムのタイトルは「ユニバーサル・ミュージアムをめざして」なのです。

 最近、あちこちでロボットの話を聞くようになりました。遠い夢の世界の話かと思っていたら、コンパクトな掃除ロボットが商品として売り出されています。わたしが知らないだけで、以外なほど多くのロボット類似の機能が付いた商品が存在するのかもしれません。

 ロボットの中に介護ロボットという概念があります。人の体を抱き運ぶ時、役に立つ力(ちから)の強い補助ロボット機具や、孤独な人に抱かれて甘えるペット代わりのロボットのことです。ユニバーサル・ミュージアムにも、ロボットがあったら便利な気がします。ユニバーサル・ミュージアムは、もともとは社会を構成していた(はずの)さまざまな人が、ありのままの姿で暮らす社会の雛形(ひながた)です。多様な人には多様な思いがあり、多様な希望があるはずです。要求も多様でしょう。その要求に応えるのが、本質的にはロボットという機械の長所のはずです。そんな機械は、まだ存在しないのですが、でも、あったとしたら、本当に便利です。

 

 その時は、もう人間は要りません。受付はロボットがこなしますし、切符は今でも機械が発行しています。守衛もロボットです。万が一、事故が起こっても対策は万全です。設備のメンテナンスもロボットに任せます。事務仕事もロボットです。小さな子どもやお年寄りの世話もロボットがします。調査とか研究といった仕事は、人間がやるよりロボットに任せておいたら失敗がありません。ロボットなら、これこれの方針で調査をするとなったら文句など言いません。ああだこうだと不満の多い人間に任せるなど、地球規模のグローバル化の時代には、考えられません。

 来館者は、それで満足でしょうか? 満足するはずです。いくらロボットがやるからといって、「自然の優しさ」や「支え合う人の結び付き」、あるいは「温かさ」といったイメージは大切です。このふわふわとしたイメージを売り物にして、来館者を増やしましょう。来館者はイメージに踊るのです。本物でなくてもいいのです。

 

 「本物でなくてもいい」だって?

☆   ☆

 現実には、誰も、そんな機械しかない場所には行きたくないでしょう。人がいっしょにいることで、ロボットにはスマートさや優しさが滲み出ます。それは一見、ロボットの個性のようですが、そうではありません。管理する人の心が、ロボットという道具を通して滲(にじ)み出るのです。

 つまりロボットとは、あくまで人を助ける存在なのです。ロボットの側(そば)には、必ず人がいることが大切です。

 高齢者が生涯学習施設のボランティアとして活躍している例が多くあります。高齢者には長い経験と豊かな智恵があるからです。まだ言葉のよくわからない小さな子どもも、高齢者なら何となくその子の気分を察し、経験のない、若い人には真似のできない、楽しい雰囲気を盛り上げてくれます。高齢者には、ぜひ昔の経験を教えてもらいましょう。高齢者にしか伝えられない地域の伝統や歴史をです。高齢者の側もわかりやすく伝える術(すべ)を工夫し、頭を使い、計画を立てることで、若わかしい精神が保てます。

 ユニバーサル・ミュージアムなのですから、ボランティアや施設の職員には、ぜひとも障がい者が必要です。さまざまな人にモノを伝えるには、伝える側も「さまざまな人」でなければならないからです。

 ユニバーサル・ミュージアムで働くロボットとは、そんな「さまざまな人」を助ける存在であってほしいのです。送り手と受け手の双方の不便を減らすのが、ロボットであるはずです。高齢者や障がい者や子どもを助けるロボットは、まさに万能ロボットと呼ぶにふさわしい存在だと思います。そのロボットから滲(にじ)み出るべきなのは、ロボットの側(そば)にいる「さまざまな人」の心です。

 


三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館

 黒豆や栗やおいも~ 秋の味覚をもりもり~(*^_^*)

 みなさん おいしく食べてますか?(^O^)

 

あけび 11月のひとはくも 楽しいイベントが もりだくさんです

 

☆ 『フロアスタッフとあそぼう 』 15:00~


    ♡2日(土) 3日(日) 場所 4階ひとはくサロン  無料
         『クリスマスモビール』

       ・サンタさんやリースのぬりえをバランスよく飾ろう~

      s-P1160973.jpg       

     ♡9日(土) 10日(日) 場所 1階展示室 無料
     『はっぱdeかざろう』

       ・葉っぱや木の実を使って壁飾りを作ろう~

                                                                    かべかざり    ♡16日(土)17日(日)場所は来てからのお楽しみ~ 無料
     『画はくの日』

      ・筆記用具は貸し出します~

   
    ♡23日(土)24日(日) 場所 中セミナー室  無料
     『ゆらゆらきょうりゅう』

      ・ゆらゆらゆれる  きょうりゅうを                                                              
             みんなで楽しく作りましょう~

  ゆらゆらきょうりゅう     ♡30日(土)12月1日(日) 場所 中セミナー室 

                    参加費100円
     『へんしん☆だんごむし』

       ・みんなでレインボーだんごむしに

                 へ~んし~ん~!

へんしんだんごむし☆ふかたん『きのこGETだぜ!』14:00~4階ひとはくサロン集合

    3日(日) 深田公園には どんなキノコがあるかな?
            みんなで探しに行こう!

 

ひとはくフェスティバル

   4日(月・祝)は 楽しい博物館の秋祭りです~

      ミュージアム・ワールドを探検しましょう!

     みんなでわくわく~まんぷくストリートも美味しいよ~(^_-)-☆

     フロアスタッフのプログラムは「スライムを作ろう!」です~  
  
  みなさん ぜひひとはくに 足を運んでくださいね~
                                                              フロアスタッフ おの まゆみ

 10月21日の深夜頃に「オリオン座流星群」の極大といわれていたのですが.....フランシスコ(台風27号)の影響によるのか、あいにく流星群観察は難しくなりそうです(>_<)

 深夜頃にオリオン座の高度が高くなるので見やすいはずだったのですが、今回は厳しいようです。

 台風の被害が大きくならないことを祈るばかりです。

 本日、当館主任研究員小林文夫先生によるセミナー「古代のいきものと地質学~大量絶滅事件の背景」が本館4階中セミナー室で開催されました。
 前置きとして、当館のテーマでもある「人と自然の共生」について地球人口のグラフを用いてその実現の困難さについて解説がありました。


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 引き続き、地質時代において大量絶滅事件は5回起こっており、その原因としては、氷室時代と温室時代、海水準変動、海洋無酸素事件、洪水玄武岩、超大陸とプルームテクトニクス、巨大隕石の衝突の6つが考えらるとの説明が資料に基づきありました。


genbugannkouzui.JPG insekisyoutotsu.JPG 

 特にプルームテクトニクスについては、最新の学説「プルームの冬」の説明があり、これが原因で、ペルム期末(P-T境界)の最大絶滅事件がに起こったとの解説がありました。


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 小林先生は、今年度末定年退官を迎えられ、本日のセミナーが最後のセミナーとなりました。

 長い間お疲れさまでした。

 

西岡敬三(生涯学習課)

 この季節、ススキを見かけると頭に浮かんでくる楽曲があります。

 そう、「おれは河原の枯れススキ・・・・」のフレーズだったり、「貧しさに負けた・・・・」だったりします。

 なんだか、そんなマイナーな印象のススキですが、「おみなえし・おばな・ききょう・なでしこ・ふじばかま・くず・はぎ」の秋の七草の中の「おばな」がススキのことのようです。また、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ということわざに出てくる「尾花」も先の七草のおばなと同じススキをさしているということです。

 みなさんは「ススキ」といえば、どんな印象をもたれますか? 中には、「茅葺き」屋根の茅(かや)をイメージされるかも知れませんが、ススキは茅の一種でもあるんですね。

 夕陽に照らされ金色に輝くススキを見つけるのも楽しいですよ。是非、身近な自然を探しに外へ出かけてみてください。ついでに、ひとはくへも足を運んでいただけると、また新たな発見があるかも?!

 

 今度の連休も、お待ちしております(o^^o)

砥峰高原、行ってみようかな(^o^) 

天高く・・・・・

2013年10月10日

10月だというのに真夏日になったり、台風が大接近したり・・・・異常気象といわれるような感じの天候の今日この頃.....

 

台風24号が日本海を回り込んで近畿地方を通り過ぎた後の三田の夕暮れ

空の半分を厚い雲が覆い、半分は夕焼け  三日月と宵の明星も登場しての一枚(2013/10/9)

 

 秋のこの季節、朝夕を問わず空気が澄み、とても気持ちのよい空を見ることができますよ。是非、時間があれば空を見上げてみてください。もちろん、足下の落ち葉やドングリや昆虫も(o^^o)

 

毎月第一日曜日はKidsサンデー!
すっかり高くなった秋空のもと、Kidsサンデーが10月6日開催されました。

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◆自然ってすごい!~木や草のふしぎ~
この箱の中には何が入っているかな?

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(正体は…松ぼっくりでした!)
植物はかせの小舘研究員と
マツの葉のとんがり具合を感じる実験などをして、マツのふしぎを感じました。

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◆サイエンスショー『ふしぎなバランスとんぼづくりに挑戦!』
一点だけでバランスがとれるトンボを作りました。

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バランスってすごい!

◆オープンセミナー『石ころをしらべよう』
化石はかせの古谷研究員と一緒に石ころをしらべました。

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◆パネルシアター『こぶた たぬき きつね ねこ』『じごくのそうべえ』
人と自然の会の皆さんの熱演と次々と変わる絵にみんなくぎ付け!

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◆フロアスタッフとあそぼう『ハロウィン』
コウモリが上に下に動く!ふしぎなおもちゃを作りました。

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131006kidssunday (13).JPG   131006kidssunday (14).JPG  

十人十色のコウモリたちが誕生し、元気に動いていました!

◆デジタル紙芝居『くるりん・ひらりん 空のたび』
最後はフロアスタッフ手作りのデジタル紙芝居をゆったり鑑賞。
「へ~」「松ぼっくりってすごい!」

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次回のKidsサンデーは12月1日(日)です。

11月のKidsサンデーはお休みですが
11月4日(月・祝)のひとはくフェスティバルでは
小さなお子さまも楽しめるプログラムがたくさん開催されます!

詳細はコチラ

フェスティバルで皆さんに
お会いできるのを楽しみにしています!

                       (生涯学習推進室/キッズひとはく推進タスクフォース)

ユニバーサル・ミュージアムをめざして38

 

視覚に頼らない世界を
テレビはどこまで伝えられるのか

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

biwa_housi.JPG頭書増補訓蒙図彙 巻の4 1695年=元禄八年

琵琶法師です。「瞽者(こしゃ)」とは目の見えない人のことであり、文中には「盲目」「盲人」と書かれています。また、琵琶法師と呼ばれる人がいて、昔は琵琶を奏でて平家のことを語っていたそうです。その後、琴や「三線(さんしん)」を扱い「座頭(ざとう)」とも呼ばれたそうです。最後の部分は読めませんでしたが、「検枝勾富四分」という字が見えます。絵では月夜に琵琶を演奏する琵琶法師が描かれています。

Copyright EASTERN OLD BOOKS -和古書の挿絵と和のaiベクターフリー素材-


 テレビのドキュメンタリー「世界を触れ!」 (1) のDVDを送っていただきました。みんぱくの広瀬浩二朗さんの世界を描いた作品です。

 放送は夜の遅い時間帯でしたから、わたしは眠すぎて、起きていられませんでした。関西地区に限定した放送でしたが、幸い、わたしの住む地域では視聴できます。それで予約録画をしようと思っていました。ところが、たまたま、最近テレビを買い換え、その時、うっかりとDVDが録画できなくなったのです。何と! どうしようかと思っていたら、友人が録画してあげるよと言ってくれました。それで見る事ができたわけです。

 ドキュメンタリーは、かつて、テレビ番組の花形だったと思います。ところが、いつの間にかローカル番組となり、深夜枠の放送になっていました。それでもドキュメンタリー番組は装いを変え、今ではクイズ番組になったり、場合によってはコマーシャルになったりして何とか生き延びています。しかし、今に生きる、いろいろな人の生き方や、自然のありさまを記録するという意味では、元来、テレビ向けの形式だったはずです。

 ドキュメンタリーでは実在する人びとの生活をカメラで切り取るのですから、作品を創り出すまで、さまざまに大変な事があるでしょう。プライバシーは守らなければいけません。守らなかったら、二度と出てくれません。その一方で、同時に多くの視聴者の興味をひかなければなりません。興味をひかない作品は、わざわざ作る意味がありません。

 一方で作り手――ディレクター、プロデゥーサー、カメラマン、編集をする人、ともかく大勢の、その人にしかない技術や感性を持った専門家――がいて、受け手である視聴者がいる。その作り手・受け手の相互作用で作品は産み出されるのだと思います。作品によっては送り手の意図を超えて、受け手とともに息をしはじめる。それは、今も昔も変わらないプロセスのはずです。

 送っていただいた「世界を触れ!」は、みんぱく(国立民族学博物館)の文化人類学者、広瀬浩二郎さんの生きている世界を描こうとしています。このエッセイにも何度か登場願いましたが、広瀬さんは全盲のフィールドワーカーです。広瀬さんの生きる世界は、世の中の多くの人とは異なります。それは視覚に頼らない世界です。匂いを嗅ぐ。味わう。手で触る。ことに指先の感覚は大切です。なぜなら、広瀬さんにとって指先は、多くの人の目に当たるからです。多くの人が目で見て情報を得るように、指先で触っていろいろな情報を得るのです。そこには視覚に頼る世界とは質の異なる認識世界があり、イメージの広がりがあります。

 指先で得る情報とはどのようなものなのでしょうか? 視覚と聴覚しか使えないドキュメンタリーで、このことを表現するのは、難しかったと思います。ディレクターという職業は、世の中には多様な人がいるという事をよく理解することが必要です。また、よく理解しているから、その様(さま)をドキュメントして残そうとします。しかし、どうしても感覚的にわからない事は、あるものです。わたしは、たまたま晴眼者ですから、「広瀬さんのイメージしている心象世界は、どのようなものであるのか正確にはわからない」というしかありません。

 実はこの作品、放映された段階では、まだ完成していないのではないかと思いました。受け手に浸透してはじめて、形のあるものになる。そういう事ではないかと思っているのです。

 受け手のひとりは、広瀬さんご自身です。主人公であり、取材対象でもある広瀬さんは、つい送り手のひとりだと思われるでしょうが、取材を終えると、完成までの時間、ドキュメンタリーは主人公の思いを超えてひとり歩きをはじめます。そのあいだは、多くの専門家によって、素材の映像や音声がドキュメンタリーに「創られる」のです。映像や音の表現を探り、効果音を確かめます。ナレーターはいちばん良い読み方を探します。そして編集が終わります。そこではじめて、主人公は自分の映った姿を確認できるのです。広瀬さんの場合は、奥さんがどのような映像であるかを説明したのかも知れません。やがて納得して――最初は誰でも、自分の映し出された映像には、とまどうものです――いよいよ放送となります。

 その次の受け手は、多様な不特定多数の視聴者です。不特定多数の視聴者ですが、見た段階でさまざまで感想を持ち、興味を持った人、なかでも障がい者やそのご家族はさまざまに解釈を広げます。送り手が思いも掛けなかった解釈が生まれる事もよくあると思います。そこでやっと、作品は本当に完成するのです。このプロセスは、「世界を触れ!」のような、主人公が多数者とは心象世界の明らかに異なるドキュメンタリー作品では、とても大切だと思います。

                   ☆   ☆

 「世界を触れ!」はこれまで『触る門には福来たる 座頭市流フィールドワーカーが行く!』 (2) や『さわる文化への招待』 (3) などのご著書で紹介されたことに沿った作りで、大体はこのようなドキュメンタリーになるだろうと予想できるものでした。具体的には、晴眼者にはわかりにくい視覚障がい者にとっての白杖(はくじょう)の役割とか、音の反響で構造物のある/なしを見分ける方法、風の吹き抜ける感触とそこから分かる空間的広がり、傘をたたく雨音で周りのようすがわからなくなること、美術品を触ること、あるいはうっかり触れない絵画を凸凹の触図で表わし、絵そのものはボランティアが説明するといった鑑賞技法、などなどです――説明の技量にもよるのでしょうが、人が説明をすると、かなりわかるものだと伺いました。

 一方、わたしは広瀬さんの住むもうひとつの世界を、どう表現するのだろうかということに興味がありました。視聴者の多くは晴眼者が占めているはずです。その中で、異なる世界をいかに表現するのだろうかという興味です。例えば、今、インターネットでも話題になっている「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、晴眼者が暗闇の中で何かを触ってみた時の驚きを楽しみ、触るという「新しい感覚」があったということを再認識するというセミナーですが、ドキュメンタリーでは画面を真っ暗にして、視聴者に広瀬さんの住む世界を疑似体験させました。また、昔、全盲の青年が琵琶法師になろうと修行をした(当然、光は要らない)真っ暗な洞窟の中と洞窟を抜けた光の世界を、やはり画面を暗転させ、やがて元に戻すことによって対比させていました。その修行僧にも見える役を全盲の広瀬さんがやっているという二重の謎かけもあったのではないでしょうか。広瀬さんの世界を擬似的に表すことに成功していたと思います。

 ドキュメンタリーが多くの視聴者に支持された時代には、映像の暗転は、やってはいけないタブーだったと聞いています。受像器に何も映らないと機械の故障ではないかと疑う人が出るかもしれませんし、送り手の意図が理解できないと、受け手は視聴を止めてしまうからです。しかし、視覚障がい者の生きる世界を表すには、目を閉じて、耳を澄ますという作業が、ぜひとも必要でした。その意味で、今回の作品では「音」をどう録音するかが、いつもにもまして大切だったはずです。

 ただ疑問に思ったことがあります。点字を表すのに、ボツボツをただ写すことでしか表現できなかったのでしょうか? 先ほども言ったように、視覚障がい者の指先は、晴眼者の目のようなものなのです。その視覚障がい者と晴眼者の多様性は、ボツボツを写す以外にも、もっと視聴覚的な表現があったのではないか? この疑問です。

 このあたりは表現の試行、というよりも冒険でしょう。しかし、今までなかったことです。やってみる価値があると思いました。タブーはあったとしても、それは「視聴者は健常者に違いないという思い込み」で成り立つ偽物のタブーです。現にわたしは健常者ではありません。それにしても、暗転させた画面をじょじょに元に戻す場面では、いったい何が言いたかったのでしょうか? 急に明るくすると、とまどう人が出るからでしょうか? これもわからなかった事のひとつでした。

 広瀬さんのドキュメントなのですから、視覚障がい者が主人公になるのは、あたりまえです。でも、その先には、さらに多様な人の世界が広がっているのだと思い当たります。例えば、ろう者は視覚言語の世界に生きていますし、失語症者は「発話のない」内言語(ない・げんご)の世界に生きています。このあたり、どこまでドキュメンタリーで表現できるでしょう。それとも、視聴覚を前提にしたテレビという媒体では、もう無理なのでしょうか?

 落ち着いた、よいドキュメンタリーでした。ディレクターの柴谷真理子さんに、わたしは個人的な面識はありませんが、インターネットで調べると、ハンセン病者 (4) や犯罪被害者のご家族 (5) について質の高いドキュメンタリー作品を発表していらっしゃいました。これからは、どのような作品をお作りになるのでしょう。期待しています。

                     ☆   ☆

 話題が変わります

 ユニバーサル・ミュージアムでよく話題になるのが、視覚障がいと博物館の展示の問題です。視覚障がい者は展示を見ません。その代わり触ります。最近の生涯学習施設には、多様な障がい者が学びやすく工夫した施設もありますが、歴史系博物館や美術館で「展示物に触れる」というところは今でも少ないし、おまけに展示品は大抵、ガラスに囲われています――目を使わない人にとって、ガラスで囲った展示物とは、壁に覆(おお)われた見えない展示物(らしきもの)なのです。

 それでも、少しずつ、視覚障がい者の事を考えた展示を工夫するようになってきました。それには、みんぱく(梅棹忠夫さんや広瀬浩二郎さんとほかの皆さん)とともに、神奈川県立生命の星・地球博物館(奥野花代子さんや濱田隆士さん、広谷浩子さんとほかの皆さん)の果たした役割が大きかいと思います。

 もともとは、視覚障がい者のための特別支援学校の影響が強かったのだと思います。きっと生命の星・地球博やみんぱくにも特別支援学校の影響があったのでしょう。でもそれは、どのような影響だったのでしょうか?

 ドキュメンタリーの中で、広瀬さんはご自身の事を少数民族に例えておられました。勤めているのが民族学博物館なのですから、当然と言えば当然です。わたしにも、よくわかる例えです。現にわたし自身、自分は少数民族だと思っています。わたしの感性は、多数者とは明らかに異なります。それに人は誰でも、理由があってはじめて考え続けられるものなのです。ですから、広瀬さんが視覚障がい者の立場を主張されることは、よく理解できるのです。

 しかし、ユニバーサル・ミュージアムとは、本来、視覚障がい者を含めた多様な人の期待に応える必要があるものです。その事は、広瀬さんご自身のまとめた本『さわって楽しむ博物館――ユニバーサル・ミュージアムの可能性』 (6) にも、少し触れてありました。しかし、この目で見直してみた時、広瀬さんの主張からは、視覚障がい者以外の人の姿が見えてこないのです。それは、なぜなのでしょうか? 今まで、思い出した時にはいつも、この疑問を聞いてみました。また今回のドキュメンタリーでも、何かおっしゃっていないかと探してみました。しかし、わたしにわかる回答は、残念ながらありませんでした。

 機会があったら、ぜひ、わたしにもわかるように説明して下さい。

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(1) ザ・ドキュメント「世界を触れ! -見える人にこそ伝えたいー」(関西テレビ放送、2013.9.14 OA)
http://www.ktv.jp/document/index.html

(2) 『触る門には福来たる 座頭市流フィールドワーカーが行く!』(岩波書店、2004)は、もう絶版のようです。古書店で手に入ります。「ノーマライゼーション 障害者の福祉」2004年11月号に望月珠美さんの書評がありました。
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n280/n280021.html

(3) 『さわる文化への招待』(世界思想社、2009)
http://www.sekaishisosha.co.jp/cgi-bin/search.cgi?mode=display&code=1411

(4) 柴谷真理子さんのドキュメント作品:「望郷の島から ハンセン病と家族の絆」
http://www.ktv.jp/ktv/info/shingi/101111.html

(5) 柴谷真理子さんのドキュメント作品:「罪の意味―少年A仮退院と被害者家族の7年―」
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/fnsaward/13th/05-013.html

(6) 『さわって楽しむ博物館――ユニバーサル・ミュージアムの可能性』(広瀬浩二郎 編著、青弓社、2012)
http://www.seikyusha.co.jp/wp/books/isbn978-4-7872-0048-8

 なおユニバーサル・ミュージアムをめざして11に「 『さわって楽しむ博物館』を読んでみました」という回があります。
http://hitohaku.jp/blog/2012/07/post_1576/

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館

 平成25年10月5日(土)、6日(日)の2日間、播磨地方で開催されたイベントに参加してきました。
 会場は姫路市内にある、真宗大谷派姫路船場別院「本徳寺」というお寺でした。さすが歴史のまち姫路と思いつつも、仏様の前でのワークショップも何か不思議な雰囲気でした。しかも昆虫標本の展示ということで…
少しは供養になったのかもしれません。

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▲ご本尊阿弥陀如来の前が出展場所でした。

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▲オオムラサキ他、兵庫県で見られる昆虫の展示を行いました。

 ワークショップのテーマは「ひとはくペーパークラフトに挑戦」と題して、入門編「オオムラサキ」「恐竜モビール」、達人編「移動博物館車ゆめはく」の3種類のクラフトに挑戦してもらいました。いつもはひとはくでフロアスタッフが実施しているプログラムを、プログラムだけ出前しました。
 「オオムラサキ」はなんと1時間で1日分の参加者があり、11時には終了となる盛況ぶりでした。

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▲とても簡単、あっという間にオオムラサキが出来ました。

 「恐竜モビール」は、ぬり絵は何とかクリアするものの、モビールのバランス調整に四苦八苦でしたが、予定数をほぼ使い切りました。

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▲まずは恐竜のぬりえからスタート。

 「移動博物館車ゆめはく」は、大人が30分以上格闘する難易度の高いプログラムとなりました。それでも20名以上の方がトラックを完成させ持ち帰りました。

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▲こどももおとなも真剣に黙々と作っていました。

 博物館から遠い播磨の地で、多くの方にひとはくの魅力を体感いただきました。

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▲ブースは盛況、体験待ちのお客様も出ました。

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▲ゆるキャライベントもありました。「かんべくん」だそうです。

 

http://www.hyogo-c.ed.jp/~board-bo/kisya25/2509/2509062.pdf

 

西岡敬三(生涯学習課)

 本日10月6日(日)はキッズサンデー!!

 朝から楽しいイベントが盛りだくさん(o^^o) オープンセミナーもいっぱい いっぱい

 

 今朝の一番乗りのお客さんはこちら.....

  

 さてさて、誰だかシルエットでわかりますか?

     生涯学習課の窓辺にお越しいただきました。

 

 

 

 今度はイケメンが見えるようにフラッシュで!!

 逆三角の鋭いアゴ、スリムなボディーと軽快なフットワークの持ち主  カマキリでした(o^^o) 

 

 

 今日は一日イベントがあります。午後には、ふしぎなバランスとんぼ作りやフロアスタッフと遊ぼう「ハロウィン」などのワクワクのオープンセミナーもあります。

是非ひとはくへお越しください!!

 

本日より、ひとはく しぜんかわらばん2013&キッズかわらばんの展示がスタートしました!

<展示期間は2013年10月5日(土)~2014年1月5日(日)>

今年は総数 781点という大変多くの応募がありました。

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しぜんかわらばんは小学生~高校生の皆さんが しぜんや生きものについて

自分で発見したものを みんなに伝えるために まとめたものです。

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キッズかわらばんは、未就学のキッズと保護者や保育者の方が

一緒に作ったかわらばんです。

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今年はキャラバンで訪問した福島県伊達市のしらうめ保育園のみなさんからも

ご応募がありました。

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今日はなんと!姉、弟の二人とも『研究員賞』を受賞した

しぜんかわらばんの応募者の方が見に来てくれていましたよ☆

お姉ちゃんは女王アリ、弟さんはオオサンショウウオについてのかわらばんです。

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応募してくださった みなさん ありがとうございました!

応募状況の詳細や受賞作品はコチラ

しぜんや生きものの楽しい発見いっぱいの かわらばん展に どうぞおこしください!

                   (生涯学習推進室/キッズひとはく推進タスクフォース)

 

 

 

 

 今年も「ひとはくしぜんかわらばん」「キッズかわらばん」の応募全作品を展示します。

 期間は10月5日(土)から来年の1月5日(日)までです。

 

 そして各賞の発表もまもなくですが、すべての作品をジャンルごとに並べて、研究員や職員が一つずつ見て審査しました。セミナー室やホロンピアホールの床や机上にばぁっーーーと並べました。

     

 応募されたみなさま、ご家族のみなさま、是非作品を見にひとはくにお越しください。

こんにちはフロアスタッフです!(^▽^*)/

少しづつ涼しくなってきましたね。
ひとはくのまわりの自然も、そろそろ秋の準備です。
10月のお出かけの予定は決まりましたか?
ぜひ「ひとはく」にも遊びにきてくださいね。ヽ(*>∀<*)ノ

10月、フロアスタッフのイベント予定を紹介します。  

。・*・。♪。・*・♪。・*・♪。
 フロアスタッフとあそぼう
。・*・。♪。・*・♪。・*・♪。

★ 5 日( 土)・6 日( 日)   場所:4Fひとはくサロン
     「ハロウィン」    ※無料

s-blog h.jpg★ 12 日( 土)・13 日( 日)・14 日(月・祝) 場所:4F 実習室
  「ティラノ★ハット」   ※参加費100円 s-blog t.jpgのサムネール画像

 

★ 19 日( 土)・20 日( 日)   場所:「来てのお楽しみ」
  「画はくの日」    ※無料

★ 26 日( 土)・27 日(日) 場所:4F中セミナー実
  「ころころだんごむし」  ※参加費100 円

=★ワークショップ★=

★ 14日(月・祝)10:30 ~16:00   場所:4Fひとはくサロン
  「ゆめはくペーパークラフト」   ※材料費100 円

 

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*・。♪。・*・♪。・*・♪。
  毎日のもよおし
*・。♪。・*・♪。・*・♪。

★デジタル紙芝居「くるりんひらりん空のたび」
★展示室ツアー「来てのお楽しみ」


詳しい内容は、ホームページを見てください。
10月もみなさんに会えるのをたのしみにしています。
(*^ー^)ノ☆。・:*:.・★,。・:*:.・☆またね♪

フロアスタッフ もろずみあきこ

ご参加ください♪

2013年10月 1日
昆虫と自然が大好きな子どもを育む 昆虫少年・少女の歩む道
実施日時:
平成25年11月9日(土) 14:00~16:00

子どもたちが生きる力を身につけるためには幼い頃からの自然体験が重要です。本セミナーでは昆虫少年・少女を応援し、育む指導に役立つ知識を昆虫館で体験的に学びます。

 

場所は、伊丹市昆虫館(現地集合・現地解散)

対象は、教職員・指導者(オススメ:幼、保、小学校)ですが、教職員以外の方もご受講いただけます。

 

 日頃から「子どもたちに自然体験をさせたいんだけど、実際にどうすればいいの?」「昆虫が苦手なんだけど、どうしたらいいの?」のようなお悩みを解決するヒントが詰まったセミナーです。

 

 

 922(日)、深田公園うきうき探検隊こと、「ふかたん」が行われました!

今回のテーマは…『ザリガニ捕まえられるかな?』

 

隊長のみつはし先生と一緒に、みんなで深田公園のため池にザリガニを捕りに行きました☆

ほんとうにたくさんのお客様にお集りいただいて、隊長もフロアスタッフもびっくり!

 

まずは隊長からザリガニ捕りの説明がありました。

 

s-s-P1160530.jpgさっそく、ザリガニ捕りに使う網をお配りするのですが…

 

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みんなやる気まんまん!!(笑)

隊長、迫られてます!

 

 

 さぁ、博物館を出ていよいよザリガニ捕りへ出発!

 

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s-s-P1160543.jpgまずは、エサの説明です。

米ぬか、スルメ、ほうれんそう、ほたるいか等など…

エサごとに分かれて、もんどりという仕掛け網に餌を入れます。

 

s-s-P1160564.jpg 仕掛けたらそのまま20分ほど待ちます。

ここで動かしてしまうと、ザリガニは天敵の鳥が来たと思って逃げてしまうそうです.。

 

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                 釣りざお持参のおとこのこ発見!気合じゅうぶんです。

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20分経過。

さぁ、ザリガニは捕れてるかな~? 

 

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s-s-P1160567.jpg                           米ぬかの仕掛けに、2匹のザリガニ発見!

 

ザリガニのほかにも、いろんな生きものが網にかかりましたよ~ 

s-s-P1160570.jpg隊長が手にしているのは、ウシガエルのおたまじゃくし!!

たしかにちょっと大きい…

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他にも、スジエビ、ヤゴ、メダカなどがたくさん網にかかりました!

 

 

釣れたザリガニを持って、ザリガニポーズ!

 

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博物館に戻って、ザリガニおえかき大会♪
とってきたザリガニを観察しながら、思い思いに絵を描いてもらいました!

s-s-P1160602.jpg                                                   おとうさんもしんけんです!

 

 みんなに描いてもらった絵は、博物館の4階のもよおしあんないの壁に展示しています。

みんなの力作をぜひ見にきてくださいね♪

 

そして、こちらがとってきたザリガニくん↓

 

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あかちゃんザリガニもいました♪かわい~!

 

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今回は本当にたくさんのお客様にご参加いただきました。

子どもたちだけでなく、お父さんお母さん、そしてフロアスタッフも!夢中で楽しんだザリガニ捕り。

これを機会に、ザリガニやいきものに興味を持って貰えたら嬉しいです!


 

そして、人と自然の博物館のことももっと知ってもらえると嬉しいので、参加してくれた方は是非ほかのお友達にも「ひとはく、たのしかったよ!」と教えてあげてくださいね♪

 

 

ご参加頂いたお客様、隊長のみつはし先生、ありがとうございました!

 

 

 

 

次回のふかたんは…

113() 『きのこGETだぜ!』 です。

きのこ博士の秋山先生ときのこさがしに出かけましょう♪

みなさんのご参加をスタッフ一同お待ちしております。

 

 

              

 

☆フロアスタッフ  たにぐち はるな☆

 三田市内8中学校の理科自由研究作品を、9月20日(金)~26日(木)、当館4階ひとはくサロンで展示しております。

 

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▲ひとはくサロンでの展示の様子

 地元の中学生の研究成果を是非ご覧ください。
今年は8中学校より33の作品が出展されております。
<出展中学校>
三田市立上野台中学校
三田市立長坂中学校
三田市立狭間中学校
三田市立八景中学校
三田市立けやき台中学校
三田市立富士中学校
三田市立藍中学校
三田市立ゆりのき台中学校

 

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▲図や写真を使い、わかりやすくまとめられています。

 なお、展示を見学するには、博物館の観覧券が必要です。大人100円、65歳以上50円、高校生50円、中学生以下無料です。

西岡敬三(生涯学習課)

ユニバーサル・ミュージアムをめざして37

 

脳の多様性?-3

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

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 『脳の個性を才能にかえる―子どもの発達障害との向き合い方―』(トーマス・アームストロング著、中尾ゆかり訳、NHK出版)の読後感の続きです。

 

 この本で取り上げている「個性的な脳」を順にあげると:ADHD(=注意欠損/多動性障がい)、自閉症、ディスレクシア(=難読症、日本では学習障がいの一種と見なされています)、うつなどの気分障がい、不安障がい、知的発達の遅れ、統合失調症です。

 

 「個性的な脳」の話なのですから、その一つひとつには異なった苦労――「ふつう」の人が形作る社会で生きる苦労や、場合によっては「苦しみ」――はありますが、同時に、「個性的な脳」ゆえの他の人には真似(まね)のできない長所があるとおっしゃいます。

 

 例えば、ADHDは障がいではなく、ただ幼稚なだけだというのです。この研究は,2007年の全米科学アカデミー紀要(PNAS) (1) に載りました。紀要によるとADHDの子どもの脳は正常に発達しているのですが、「ふつう」の子どもに比べると、約3年の遅れがあることがMRI(磁気共鳴画像装置)を使った検査でわかったのだそうです。つまり、脳が「幼い」のです。

 

 脳の成長が遅いとどんな事が起こるのかでしょうか? それは「ふつう」の人はすでに興味を失ったような事にも、興味が維持できると考えられます。例えば「時間と空間の関係」など、毎日の生活に追われる現代人(「ふつう」の人=多数者)にはどうでもよい事ですが、ADHDの人は「時間と空間の関係」という「些末(さまつ)な事」にこだわってしまうのです。アームストロングさんがあげるADHDの有名人に、アルバート・アインシュタインがいます。アインシュタインは、子ども時代、クラスの落第生でした。幼稚な人で、おとなになっても子どものままの心を持っていました。カメラに向かってアッカンベーをしている写真は有名です。そのアインシュタインが相対性理論を考えついたのは、「時間と空間の関係」という「些末(さまつ)な事」に興味を持ち続けていたからです。ピカソやモーツアルトやシェイクスピアも、似たような心を持っていたと言われています。

 

 ADHDの人の脳は、ヒトの進化に典型的な「幼形成熟」ではないかとアームストロングさんは考えます。これはアームストロングさんが勝手に言っているのではなく、アシュレイ・モンターギュいう人類学者がチンパンジーとヒトを比較して言った事なのです (2)。ヒトの〈こころ〉の特徴は、好奇心や遊び心、驚き、創造性、柔軟性、発明力、ユーモアなどなどです。これらは子ども時代には、誰でも普通に持っていた性質ですが、おとなになって生活に追われるようになると、多くの人は持っていた事を忘れてしまいます。しかし、ADHDの人は、いくつになっても忘れる事がないのです。アームストロングさんは、ADHDの人は、ひょっとすると人類進化の最先端にいるのではないかとまで考えます。

 

 同じように、自閉症の人は他人の心を類推して、その人に寄り添う、つまり「共感」することは苦手ですが、「システム化」することは得意です。ですからコンピュータや数学のような抽象的な思考とか、切手やDVDのコレクションのように組織化できることには嬉き(きき)として取り組みます(博物館で大切な、標本の収集もそうですね)。

 

 またディスレクシアの人は、字という「象徴的な図形」を理解したり書いたりする事に苦労しますが、絵を描いたり、機械の構造を理解する事は得意です。ディスレクシアの人は右脳人間と呼ばれたりします。芸術家に多いそうです。例えばADHDでも登場したピカソもそうですし、ダ・ヴィンチ、ロダン、ウォーホルといった人たちがそうだったようです。そう言えば、奇妙な形をした教会を設計したことで有名なスペインの建築家、アントニオ・ガウディもデスレクシアでした。

 

          ☆   ☆

 

 うつや、高所恐怖とか閉所恐怖、心的外傷後ストレス障がいなどの不安障がい、知的発達の遅れや統合失調症といったものが、『脳の個性を才能にかえる』のような「個性的な脳」を持つ人を励(はげ)ますような本で取り上げられることは、あまりありません。知的発達の遅れについては、良いところをあげた本があり、わたしも読んだ事がありますが、うつや不安障がい、統合失調症は病気だと信じられています。このような症状の当事者は、たいてい辛(つら)い人生を送り、何かのはずみで自死する事も多いのです。実はトーマス・アームストロングさんご自身が、うつを抱えていました――この『脳の個性を才能にかえる』も、重いうつに苦しみながら執筆を続けていたという事です。

 

 アームストロングさんのうつは、父方に伝わる遺伝によるものでした。同じように不安障がいや統合失調症も遺伝的な背景があります。知的発達の遅れも遺伝子に原因がある場合があります。アームストロングさんの場合は、抗うつ薬を飲んでいるために、普通に近い生活が送れると述べています。事実、ある種の抗うつ薬は、きわめて重いうつ症状や双極性障がいと闘う手だてとなっています。

 

 このように、うつが重ければ抗うつ薬が必要です。しかし、うつが軽ければ、忙しすぎる現代人には人生を振り返る、またとないチャンスとなるのです。落ち込んでいる人は、自分では重苦しくて悲しい思いをしているのですが、落ち込んでいない人よりも賢そうに見えるようです。カナダやアメリカの先住民には、昔から、うつの体験を「種族の個性」と考える人がいます。そんな人は、うつの人を「正真正銘のインディアン」として最高の指導者と見なすのだそうです (3)。人生にとって、うつは、本当は必要なものかもしれません。

 

 統合失調症にはスペクトラム――症状のごく軽い人から重い統合失調症までの広がり――が明らかなのだそうです。その中のごく軽い人は、統合失調症とは呼ばずに「統合失調型人格障がい」と呼びます。そして統合失調型人格障がいの人は、ふつうの人(=多数者)に比べて、独創性が豊かで、高度な創造力があるのだと言います。DNAの二重らせん構造を発見したジェイムズ・ワトソンには統合失調症の息子さんがいたそうですし、英語圏で「最高の作家」とされるジェイムズ・ジョイスの娘さんも統合失調症だったそうです。

 

 奇妙な事があります。統合失調症の人は結婚が難しいために、子どもを残しにくいのです。でも、遺伝的に統合失調症になる人は、あらゆる民族に一定の割合(およそ人口の1パーセント)で存在することも事実です。子どもに伝わりにくい性質が、つねに一定の割合で出るなんて、不思議だと思いませんか? なぜでしょうか?

 

 『天才と分裂病の進化論』 (4) (金沢泰子訳、新潮社)の著者、デイヴィッド・ホロビンは、脳の脂肪含有量――脳は脂肪のかたまりのような組織です――を調節する遺伝子が、神経系のスピード・アップに貢献し、ヒトらしい認知や言語を産み出したと考えました。脂肪はヒトらしさを保障する鍵だったのです。そして、ヒトとチンパンジーのゲノムを詳(くわ)しく調べてみると、統合失調症に関わりのある変異の多くは、ヒトの生存に利益があったとされているのです。つまり、統合失調症の遺伝子は、適切にあればヒトらしさを発揮(はっき)するが、多すぎると統合失調症になってしまうというわけです (5)。

 

 それにしても、統合失調症の人は苦しんでいます。いくらヒトの進化に必要な変異だからと言ったって、当事者の苦しみは減りません。統合失調症は、決してロマンティックな病気ではないのです。

 

 前衛芸術とか現代芸術と呼ばれる芸術があります。水玉模様のアートばかり描き続ける草間彌生(くさま・やよい)さんが有名です。水玉模様(みずたま・もよう)のアートばかりを作り続けてきた草間さんの芸術は、一見、奇妙な印象を与えます。しかし、水玉だらけのカボチャや壁やボディ・ペインティングされた草間さんご自身は、幻想に悩まされる草間さんを救う方策だったそうです。(6) そして、今では草間さんの芸術が、草間さんご自身だけではなく多くの人に支持されています。草間ファンが多いのです。

 

 幻想に苦しめられた草間さんは、前衛芸術とか、現代芸術とか言われる分野に居場所を見つけました。アームストロングさんが言う「個性的な脳」で形作られる社会や、社会の雛形(ひながた)である学校のクラスにも、草間さんのように、本来、自分の居場所を見つけたり、創り出したりする才能が埋もれているのだと思います。

 そして学校の先生のお仕事は、本質的にそのような子どもを見出し、いっしょにクラスや人生の居場所を考えてやる事だと思います。

 

 

 

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(1) 2007年の全米科学アカデミー紀要(Proc Natl Acad Sci USA: PNAS)に載ったADHDの脳の成長の研究。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2148343/


 同じものですが,PDFもありました.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2148343/pdf/zpq19649.pdf

 

(2) アシュレイ・モンターギュの本は『ネオテニー 新しい人間進化論』(どうぶつ社,絶版)があります.


 またインターネットでは,"Time, Morphology, and Neoteny in the Evolution of Man" というアメリカ人類学会誌の1955年の論文が無料でダウンロードできました.
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1525/aa.1955.57.1.02a00030/pdf

 

 これとは別に九州大学学術情報トリポジには,土戸敏彦さんが教育学紀要に2006年にお書きになった「ネオテニー仮説と<子ども>性 : 言語獲得の代償」
https://qir.kyushu-u.ac.jp/dspace/bitstream/2324/8049/1/KJ00004493700.pdf
が,自由に閲覧できる論文として載っていました.これが読みやすいかもしれません.

 

(3) 「正真正銘のインディアン」として最高の指導者と見なすというのは,"Unstrange Minds: Remapping the World of Autism" (Roy Richard Grinker, Basic Books)という本に載っているそうです.わたし(三谷)は,残念ながら読んでいません.

 

(4) 松岡正剛さんが,『天才と分裂病の進化論』の書評を書いていらっしゃいました.
http://1000ya.isis.ne.jp/0684.html

 

(5) 霊長類学や進化生物学の立場から統合失調症を調べた研究は多いようですが,英語のものばかりでした.

 

(6) 草間彌生(くさま・やよい)『無限の網 草間彌生自伝』(新潮文庫)、

http://www.shinchosha.co.jp/book/136541/

 

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『水玉の履歴書』(集英社新書)

http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0692-f/

 

 

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三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

 

 

カマキリ 見っけ♪

2013年9月20日

 またまた虫

 

 たまたま茶色のカマキリでしたが、緑のカマキリもいますよね。それって、どうして色が色が違うのかな?いろんなカマキリを捕まえて調べてみては? ボルネオには花のような華麗なハナカマキリってのもいますよ!!

 

 あれ?カマキリって鳴くの?

 

 

【中秋の名月】

 旧暦では789月が秋。その秋の真ん中が8月。8月の真ん中が15日。ということらしい!? なので「中秋の十五夜は名月だね」ということが、そもそもの秋のお月見。これが今の暦に読み替えると、今年はちょうど昨日の夜がその日。しかも、ちょうど満月になっていたらしい。詳しいことは前日の記事のリンク先をご参照ください。

 おきまりの写真を掲載しますので、昨日見損ねた人はこの画像で雰囲気を味わってください。

 次回、中秋の名月が満月になるのは、8年後らしいです(o^^o)


 

 「赤とんぼ」ってまとめて言っちゃいますけど、よく見るといろんな種類が.....これは、「アキアカネ」

 コンパクトデジカメで撮影しました。 ちなみに、携帯電話のカメラでも撮りましたが、ぼけました(*_*) (上の画像をクリックすると大きな画像が表示されます)

 

 いろんな種類の「赤とんぼ」を見つけるのも楽しいよ!! 

            (トンボは鳴かないのでは......)

 

 このページも覗いてください↓

  http://hitohaku.jp/publication/book/miyamaakane.html

トンボのメガネは何色?

 過日の台風で被害に遭われた方には、心よりお見舞い申し上げます。

 

 

 その後、爽やかな好天が続き、雲の少ない日が続いておりますが、今日は「中秋の名月」ということです。旧暦の8月15日の月のことをさすらしく、ちょうど今日がその日です。そして、偶然にも「満月」でもあります!! 

 なんか不思議なことですが、十五夜=満月とは限らないとか?! 詳しくはこちらを

(外部へ http://www.astroarts.co.jp/special/2013moon/fullmoon-j.shtml )

 

 

 難しい話もありますが、まずは、月を愛で、お団子食べて、それから調べてみてください。

 

 

2013/9/18 待宵月

 これは昨日の月なので「待宵月」になります。 

 

秋ですね~
秋は、鳴く虫の季節です。
虫の声を愛でるのは、わが国の文化です。
ちょっと意識を変えて、耳を澄ましてください。
どんな喧噪の街中でも、虫の声が聞こえてきますよ・・・
9月14日(土)、セミナー「鳴く虫キッズ大集合」の3回目を、ひとはくで開催しました。
9月も半ばとなると、さすがに日が短くなりました。
この日の日没は18時08分。
前回(8月17日)、たくさん鳴いていたセミの声はミンミンゼミとツクツクボウシがわずかばかりに。
深田公園は、日没とともに、コオロギたち声がわーっと増えてきました。
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夜の水辺で、何やらさがしています。
 
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アオマツムシを探索中。すぐそこで鳴いてるのになあ~
 
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夜に散歩するだけで、楽しいね!
9月14日、深田公園で鳴き声を聞くことができたのは、つぎの19種でした。
マダラスズ、シバスズ、エンマコオロギ、ハラオカメコオロギ、モリオカメコオロギ、ミツカドコオロギ、ツヅレサセコオロギ、クマコオロギ、クサヒバリ、スズムシ、マツムシ、アオマツムシ、カネタタキ、カンタン、ヒロバネカンタン、クサキリ、オナガササキリ、ササキリ、セスジツユムシ
深田池のまわりのクズの群落には、「鳴く虫の女王」とも形容される美声の持ち主、カンタンがたくさん鳴いていました。
こんな姿です。
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体長1cm少々の華奢な体が、驚くような美声を奏でます。
だまされたと思って、博物館のホームページから、鳴き声を聞いてみてください
このページにはほかにもいろんな虫の声を紹介しています。
ぜひ、ブックマークを。
ネットは便利ですが、虫の名前がわからないと、なかなか情報にたどりつけませんね。
鳴く虫の聞き分けに挑戦してみよう!という方は、ぜひ、こちらのセミナーを受講ください。ご家族で楽しめますよ。


親と子の鳴く虫の夕べ
10月5日(土)の夕刻、道場南口駅近くのフィールドにて。
ひとはく連携活動グループ「鳴く虫研究会きんひばり」の主催です。
(八木 剛)

ユニバーサル・ミュージアムをめざして36

 

脳の多様性?-2

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

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 前回から書いている『脳の個性を才能にかえる―子どもの発達障害との向き合い方―』(トーマス・アームストロング著、中尾ゆかり訳、NHK出版)を読んで感じた、わたしの読後感の続きです。

 

 ひとつ、おことわりです。実は昨日(2013 9 9日)まで霊長類学会(正確には第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度 合同大会)という大会があり、わたしも出席していました。その大会が終わって、昨日帰ってから、このブログを書き足そうと思っていたのですが、疲れてしまって書き足せませんでした。それで、このブログは「脳の多様性?-2」にして、残りは次に書くことにします。中途半端ですいません。

 

☆   ☆

 

 アームストロングさんは『脳の個性を才能にかえる』を、8つの原則ではじめます。それは:

 

1.人間の脳は機械ではなく生態系に似ている。

 

2.人間も人間の脳も、能力の連続体のどこかに位置する。

 

3.人間の能力は所属する文化の価値観で決まる。

 

4.障害があると見られるか、才能に恵まれていると見られるかは、生まれた場所と時代で決まる。

 

5.人生で成功する鍵は、周りの世界のニーズに脳を適応させること。

 

6.人生で成功するのは、個性的な脳のニーズに合わせてまわりの世界を修正することも必要(ニッチづくり)。

 

7.ニッチづくりには、個性的な脳をもつ人特有のニーズに合う職業や生き方の選択、支援ツール、支援者など、人生を豊かにする手だても必要。

 

8.積極的なニッチづくりは脳に直接働きかけ、ひいては周囲に適応する能力を高める。

 

の8つです。2の「連続体」は、最近の言葉では自閉症スペクトラムと同じ意味です。社会の多数者は「ふつう」と「障がい」は別ものだと思っているかもしれないが、本当はつながっていて、「ふつう」と「障がい」は区別できないのだという事です。この8つの原則を、私なりに解釈してみましょう。

 

 人間の脳が複雑であるのと同じように、我われが生きている社会も複雑です。現代社会では「障がいがある」と見なされている「個性豊かな脳」は、その個性ゆえに支援ツールや支援者の助け、場合によっては薬が必要な場合があります。しかし、支援や薬よりも大事な事があります。それは才能を生かせる場所を探すという事です。なければ新しく作るのです。「脳」と「社会」はお互いに影響し合います。「脳」と「社会」は独立しているわけではありません。

 

 これがアームストロングさんの言いたいことだと思います。

 

☆   ☆

 

 わたしはこの本を読む時、ずっと気にかかっていることがありました。それはアームストロングさんが、「ふつう」の人を、どんなふうに考えているのだろうということです。今は変わってきたかもしれませんが、少し前の日本の教育現場では、「クラスには多数の『ふつう』の子どもがいる」と考えるのが常識でした。少数の障がいのある子どもは、「ふつう」の子どもがたくさんいるクラスに混ぜてもらっている。そして「『ふつう』の子どもと障がい児は区別できる」と考える教師が多かったと思います。言い方を変えれば、例えば発達障がいを例に取ると、ADHD(注意欠損/多動性障がい)や学習障がい、自閉傾向のある子どもが、突然、「ふつう」の子どもになったりしない。そして「ふつう」の子どもが、突然、学習障がいになったりはしない。それは障がいのある子どもは遺伝子レベルで「病気に罹(かか)っている」からというのが大きな理由です。

 

 それなら、なぜ、障がい児の授業を「ふつう」の子どもがいるクラスで受けるのでしょうか? 普通のスピードや、普通の難しさでやる授業は、障がい児の負担になるのではないでしょうか?

 

 誠実な教師や誠実な医師にこの疑問をぶつけると、大抵(たいてい)は次のように答えます。それは障がい児が「ふつう」の子どもといっしょに生活する練習をしておかなかったら、これから先ざき、(「ふつう」の人が作る「ふつう」の)社会で暮らしていくのが難しくなる。そのような「ふつう」の多数者に合わせる練習を、あらかじめすることが大切だというのです。

 

 先に挙げた考え方では、「ふつう」の人が作る社会や「ふつう」の人がいるクラスは固定していて、そこに障がい者が「入れてもらう」、「ふつう」の人の側では「入れてあげる」ことになります。しかし、アームストロングさんが8つの原則で言っているのは、「『ふつう』の人が作る固定した社会などは、実は存在しない」ということのようです。認識や発想の仕方が、根本的に違うのです。

 

 別の言い方をすると、「『ふつう』の人が作る社会」というのは、アームストロングさんにとっては「あったらいいな」というぐらいの幻想に過ぎず、現実の社会や、社会の幼い雛形(ひながた)であるクラスとは、さまざまな個性のぶつかり合う、多様性に満ちた場所なのだというのです。それにしても、「あったらいいな」と「誤解」しているのは、誰なのでしょうか?

 

 以前、インクルーシブ教育について書いたことがあります。「インクルーシブ教育」というのは、ユネスコがスペイン政府といっしょにスペインの大学町・サラマンカで出した「サラマンカ宣言」で有名になった言葉です。「ユニバーサル・ミュージアムをめざして21: サラマンカ宣言があった!ー1(1) で、わたしは、

 

「インクルーシブ」というのは、あえて日本語にすれば「多くを含んだ」という意味です。「多様な要求を持った」とでも訳せばよいのでしょうか。ここでは、たとえ普通学校であっても、すべての子どもが「ふつう」という規準に合わせるのではなく、子どもはひとりひとり、みんな違うのだから、いろいろな子どもの「当然の要求」、つまり「ニーズ」を学校の側が形やプログラムを柔軟に変えて、尊重しなければいけないという意味で使っています。(ユニバーサル・ミュージアムをめざして21: サラマンカ宣言があった!ー1)

 

と説明をしました。この言葉を今のテーマに置き換えれば「個性豊かな脳」を持った子どもたちが創り出すクラスの雰囲気や未来の社会の姿は、誰か有力な人が描いたクラス像や社会像を実現するのではなく、「個性豊かな脳」を持つ子どもたち一人ひとりの興味や学習の都合で入れ代わる、柔軟な、共同作業の結果だと言ってよいのかもしれません。

 

 そこでは「ふつう」の子どもや「ふつう」の人は、たまたま、ある集団で人数が多いのであって、「多数者だからと言って、何でも意見が通る」というようには考えません。例えば、コンピュータの扱いは高機能自閉症者が強いでしょうし、音楽はダウン症者が大好きでしょう。その時は自閉症者やダウン症者が活躍するのだと思います。しかし、それでも自閉症者やダウン症者は少数者であることには変わりません。

 

 アームストロングさんも、「ふつう」の人については、たまたま多数者であって、多数者に合わせるのではなく、教師の側は「子ども一人ひとりの自然な発達を信じる」(9章 脳の多様性に満ちた教室、p. 249)ことが重要だと述べています。

 

 つぎに続きます。

 

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(1)  http://hitohaku.jp/blog/2013/01/post_1680/

 

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

先生、あんなあ。小泉凡塾長からメッセ-ジもろてん。
先生も読んでみてな。

 


五感力を育む「子ども塾」

 

 「子ども塾」プロジェクトの誕生は、2004年、小泉八雲没後百年の年に遡ります。記念事業の実行委員会の中で、未来の松江を担う子どもたちに、現代社会の中でも輝きを失わない小泉八雲の意味を継承する企画をという声があり、それを実践したのが「子ども塾―スーパーヘルンさん講座―」です。

 

バーチャルの世界にいる時間が急速に長くなった現代の子どもたちに、もっとも継承させたいのは八雲の五感力でした。16歳で失明した八雲は、生涯、五感を研ぎ澄ませて生きました。八雲の作品が読み継がれる大きな理由は、彼があらゆる身体感覚を通して明治の日本をとらえていたからだと思います。以来、「子ども塾」では、「町の音」「蝉の声」「海辺の生活」「怪談」「虫の音」「人力車」「怪談屋敷」など、毎年、少しずつテーマと活動場所を変えて、小学校4年生から中学生を対象に、小泉八雲を通して五感を磨くイベント(教育実践)として夏休みに開催してきました。

 

今年の「子ども塾」は小泉八雲記念館の企画展「ヘルンさんとタヨウ星人」と連動して、8171920日の3日間、おもに松江市の出雲かんべの里周辺で行いました。特別講師に、企画展のタヨウ星人の作者で講談師・画家の珍元斎さんと兵庫県立人と自然の博物館の鈴木武さんと大谷剛さんを迎えて、生物多様性の意味と大切さをお話と生きもの散歩で体感しました。また、ヘルンの耳と自然観についても塾長の話と記念館・旧居訪問から学びました。「いろいろな違った生き物がいること」「それぞれの場所に違った生き物がいること」(サンインマイマイ、シロマイマイなど)、そして松江にはじつに豊かな自然が残されていることを喜びとともに感じた3日間でした。

 

6人の子どもたちは、その体験をもとに、オリジナルのタヨウ星人や生きものの世界を絵で表現したり、生物多様性をモチーフとする物語をつくったりしました。今年も「子どもの才能って、すばらしい!」と痛感しながら作業を見守りました。ヘルンが、将来の日本に最も必要だと説いたのは、自然との共生を続けるということでした。そんなヘルンの思いも、子どもたちは十分受け止めてくれたように思います。

 

20138

子ども塾―スーパーヘルンさん講座―塾長

島根県立大学短期大学部教授

                                小泉 凡

 

先生、あんなぁ。

 旅するオスの蚊、ラフ・カ・ディオはんや。 201.JPG  血ィ吸うたろかあ~ブーン。オスやさかい花の蜜や果汁ばっかり吸うとうから、わい、いっぺん血ィ吸うてみたいんやけど…で、先生、夏休みの宿題のつづきや…

 そう、この夏大忙しやった話や。

 

  202.JPG 花火がきれかったなあと思とう間にあっという間にお盆が過ぎて、8月19日のことや。  

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 島根県美で子どもたちのタヨウ星人展がこの日まであり、今日はスーパーヘルンさん講座こども塾や。

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  これは小泉凡さんが塾長で子どもたちの五感をみがこうとはじまった松江市主催の講座で今年で10回目。ちんげんさいは前はひとはくの職員やったけど今回は地域研究員としての2回目の講師や。  

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 大谷剛名誉研究員(同2回目)と鈴木武研究員とで松江の風土記の丘にあるかんべの里で、植物や虫とったりさわったり、虫の声聞いたりして自分のタヨウ星人をつくり、そのタヨウ星人のお話をつくり演じるという内容。「ほんまにできるんかいな?ちんげんさい。」とさめた目で見とったんやけど…まずはいつもの講談から。

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絵巻のヘルンさんの散歩だけやなくショートストーリーも演じたんや。ほんで、超真夏の暑さの中、みんなでいきもの探検へ。山や田んぼ…あちこち行ったがさすが子どもらは元気や。いろんな生き物を捕まえた。カジカ、ヤモリ、ドジョウ、トノサマガエル、コシボソヤンマ、エンマコオロギ、キリギリス、ヒグラシ、アリジゴク、ニイニイゼミの抜け殻、シロマイマイ、ワラビ、ウラジロなどタヨウな生き物に出会うことができたんや。

 

  211.JPG   212.JPG   213.JPG   214.JPG   215.JPG   216.JPG   217.JPG   218.JPG   219.JPG   220.JPG    221.JPG  

 「タヨウ星人考えてきてな。」とちんげんさいから宿題が出て1日目終了。 そのあと大谷研究員と鈴木研究員が記念館を訪れ、それぞれがモデルとなったタヨウ星人ハチミツカメンとネズミマイマイに対面… 222.JPG

   それから来場者のコメント帳を見てみたら…ようけ書いてあんがな…一部紹介しとくわ。

    223.JPG  224.JPG 226.JPG     227.JPG   228.JPG   229.JPG  

 

  で、その翌日。さっと出来た子、じっくりやる子、なんとかできた子…懲りすぎて時間がなくなる子…いろんな子がおったけど、 230.JPG   231.JPG 232.JPG    パラパラマンガ、絵巻、紙芝居、巨大絵などでタヨウな表現でタヨウなタヨウ星人ものがたりが出来た~凡塾長もびっくり。

     233.JPG  234.JPG   235.JPG   236.JPG   237.JPG   238.JPG    

 出来た作品は市役所に飾られ、 ほんま、子どもは天才やなあと思うたで、先生。

           239.JPG   240.jpg  

 

 ヘルンさんとタヨウ星人展は915日に一畑百貨店だんだんサロンでの「ちんげんさいのタヨウ星人な時間~立版古大作戦!」のワークショップが最後のようや。夏休みは終わったけどタヨウ星人な時間はまだある。先生、また日記書くから読んでな!

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先生、あんなぁ。

 旅するオスの蚊、ラフ・カ・ディオはんや。 01.jpg血ィ吸うたろかあ~ブーン。オスやから血ィ吸われへんけど…夏休みの宿題忘れとった…で、遅なったけど写真日記出すわな。

 この夏わいら松江のタヨウ星人は大忙しやったんや。

   02.JPG   03.JPG 4月から小泉八雲記念館でヘルンさんとタヨウ星人展いうんがはじまったんや。まちのあちこちにポスターやタヨウ星人が出没して、 04.JPG   05.JPG   06.JPG   07.JPG  

 まずは、5月5日のこどもの日は、記念館で八雲はんのひ孫小泉凡はんとちんげんさいのギャラリートークからイベントがスタート。

    08.jpg   09.jpg   10.jpg   11.JPG  11_2.jpg  

  この夏休みは日記どころやあれへんほど出番があって、8月4日に島根県立美術館で「タヨウ星人アートであーそーぼっ。」や。ここは宍道湖畔にあるきれいな美術館で 12.JPG  島根県美版タヨウ星人「ソバーナードリーチ」「ワシワシ」 13.JPG やたかいよしかずさんの友情描き下ろし作品「シンジコシジミグマ」 14.JPG も登場して、 15.JPG  

まずは岩槻邦男名誉館長はんのヘルンさんと生物多様性のお話。 16.JPG

 ヘルンさんの今の日本を予言するような文章を紹介しはったりして、こどもら真面目に聞いとったで。

 

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 わいは岩槻はんの朗読はじめて聞いたわ。岩槻はんはヘルンさんの文章を講演なんかでよう引用してはって、その縁からちんげんさいの応援にきてくれはったんやがな。横でちんげんさいも神妙に聞いとった。 18.JPG

 それからちんげんさいの「ヘルンさんとタヨウ星人」の講談。 19.JPG  

 今回の話はヘルンさんが散歩していると風が吹いて風景ががらっとかわりタヨウ星人たちが神在月の松江に集まってくるお話や。よこで広がるのんはいつもの大型紙芝居絵巻や。 20.JPG  

 

いつもギリギリでちんげんさいからドッと送られてくるイラストを大文字屋分店がブツブツいいながら?つくった力作や。集まった親子はそのあとちんげんさいからキャラクターの描き方聞いて、自分のオリジナルタヨウ星人アートをつくるんや。まあ、ようけのタヨウ星人仲間ができたがな。

  21.JPG   22.JPG 23.JPG   24.JPG  

 美術館の学芸員さんも岩槻はんも描いてたがなあ。びっくりや。どれが岩槻はんの作品かあててみてなあ。 25.JPG   26.JPG   27.JPG  

 そして、大橋川に夕日は沈み、タヨウ星人展開催を祝う花火がバーンとあがり..........

28.JPG  29.JPG  

  続きはまた明日。

 

ラフ・カ(蚊)・ディオ はん

さあいよいよ9月がスタートしました!

今日が夏休み最後の日というKidsたちも多かったのではないでしょうか?

あいにく朝から雨が降り、足元が悪かったのですが たくさんのKidsたちがひとはくに来てくれました。

◆自然ってすごい!~木や草のふしぎ~
 ガマやフジのストローでぶくぶく実験!「細かい泡がたくさんでてる!」

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◆サイエンスショー『スーパーストローとんぼづくり』
 大人気で長~い列ができていました。
 待ってくださった皆さん、ありがとうございます。みんなステキなストロートンボを作りました。

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◆オープンセミナー『小さな化石を楽しもう』
 顕微鏡で小さな化石を見てから、ぬりえに挑戦!
 放散虫化石に「かわい~!」「癒される~!」なんて黄色い声も飛んでいました。

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 化石はかせと「ハイチーズ!」 

◆パネルシアター『ハッピー・バースデー・お月さま』『おだんごぱん』
 光るお月様に、みんな一足早くお月見気分?お誕生日の歌も歌いましたよ。

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◆フロアスタッフとあそぼう『へんしん☆だんごむし』
 子どもたちに大人気のダンゴムシ!虹色のダンゴムシのぼうしを一生懸命作りました。

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◆デジタル紙芝居『スミスネズミと100年の森』
 Kidsサンデーのフィナーレは恒例のデジタル紙芝居。
 お話に出てくるスミスネズミ君も夕日に照らされて、六甲山のお家に帰りました。

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皆さんも無事にご帰宅されますように!

10月のKidsサンデーは10月6日(日)です。
毎月来てくださっている方も 初めての方も、お会いできるのを楽しみにしています!

        (生涯学習推進室/キッズひとはく推進タスクフォース  たかせ ゆうこ)

県庁インターンシップを希望していた私たち4人(川西明峰2名、伊丹北、県立農業)は、8月26日~8月30日の5日間、兵庫県立人と自然の博物館にお世話になりました。


はじめに職員の前で紹介と挨拶がありました。

5日間インターシップで行った仕事内容を一部紹介します。実習生は4人ですが、2人づつ分かれて博物館のお仕事をお手伝いしました。

 
 兵庫のヘビについてパンフレットを作成しました。

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作成したパンフレットと標本に間違いがないか見比べています。

私たちの作ったパンフレットが次回の展示で配布されます。ぜひ見てください!

DSC_6022.JPG 
博物館に寄贈された本にバーコードをつけ、データを入力しました。

 
そして、本を図書室に運び並べました。

 

他にもお世話になった太田先生の次回の展示タイトルをデザインして描きました。
ホームページにもしばらく使われるかも・・・?
完成品はこちら  ↓

 
     

 
化石のレプリカを作る体験コーナーで子どもたちに作り方を説明しているところです。
子どもたちと一緒に楽しく作れました!

   

 
最終日には、館長よりインターンシップの修了証を個々に頂きました。
 

今回のインターシップを通してたくさんのことを学ぶことができました。この経験をこれからの進路などに生かしていきたいです。博物館の皆さま5日間ありがとうございました。

 

川西明峰高校 H.M
県立農業高校 M.N

 ひとはく夏の風物詩~ご存知ですか?

 

 ひとはく夏の三大風物詩-勝手に命名しましたヘ(^o^)/ 「教職員・指導者セミナー」と「博物館実習」そして「初任者研修に係る社会体験研修」 今年も酷暑猛暑の8月、これらの事業が展開されました。

 

 教職員・指導者セミナーは26講座・419名の方々に受講いただきました。博物館実習は10大学から13名の大学生が各研究部でのコース別実習や生涯学習課を中心に来館者対応実習を行いました。そして、小中学校の初任者研修の一環として、ひとはくで社会体験研修をされたのは7名(小学校3名・中学校4名)の初任の先生たちでした。その様子を少しだけ紹介します。

 

     写真を後ほど.....(^^ゞ

 

       

       

生涯学習課

ちょっと古くなってしまいました。

8/25(日)も神戸阪神間に大雨洪水警報がでた大変な天気ですが、
フェリー「さんふらわあ」で六甲アイランドから明石海峡大橋をめぐる船旅に
「ゆめはく」が出動しました。

sunflower.jpg
さんふらわあ号ですが、夕方に撮った写真なので、もう晴れて来ています。

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本来は自動車の駐車場になる船内3Fで、店開きです。
12時の出航ですが、11時半くらいになるとぼちぼち人がやって来ました。
大型昆虫模型はゴホンダイコクコガネ(左)とオオスズメバチ(右)

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「ゆめはく」の前で、生きた虫や化石が触れるようにしました。

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イモリを手につけています。どんな感触かな?

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小さいデンデンムシをつまんでいます。
好きな子は1時間以上もいろいろ見たりさわったりしていました。

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どうこうしているうちに明石海峡大橋にも近づいて来ました。

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いつのまにやら明石タコも登場。
なんだかんだしているうちに、下船の時間となりました。
(鈴木 武)










 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして35

 

脳の多様性?-1

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

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 本を題材にして、多様性について考えます。

 

 「生物多様性」は博物館でも よく聞く言葉です。かんたんに言ってしまえば、いろんな生き物が、いるべきところに、ちゃんといるということです。

 

 それから「遺伝的多様性」です。野生でも、同じ種類の生き物に生まれつき体の色や大きさが違うという場合があります。たとえばチョウの羽根は、少しずつ模様が違うのが普通です。また人間の血液型はA型やB型、AB型、O型の人がいて、それぞれの血液型は生まれつき決まっています。これは「生物多様性」の中でも特に、「遺伝的多様性」と言っています。

 

 「文化的多様性」という言葉もあります。この多様性は人間にだけ見られます。

 

 例をあげておきましょう。もともと台湾という島に住んでいた人は、日本人や朝鮮人、そして中国大陸から台湾に移り住んだ漢民族とは異なる習慣や宗教を持っていました。わたしの友人に台湾先住民はいないので、顔つきを思い出すというわけにはいきませんが、本で調べると、フィリピンやマレーシア、インドネシアの人たちと顔立ちが似ているそうです。マレーシアのサバやインドネシアのスマトラ島とかジャワ島なら何度も行った事があります。そこで友だちになった人たちとは、今でも、よくメールのやり取りをしています。そのような人たちと顔立ちが似ているそうです。台湾先住民には何となく親近感がわきます。

 

 生活の仕方や習慣も似ているのでしょう。それはわたしの生活や習慣とは違います。文化の成立の仕方や歴史が違うからです。そのような社会の多様性は、現代では巨大な経済活動によって見えなくなりました。つまり、地球の上では誰もが同じ物を食べ、同じ仕事をしているように思ってしまうのです。しかし、それぞれの民族のそれぞれの集団を訪れると、そこには、力(ちから)では断ち切ることのできない絆(きずな)のようなものを感じます。「文化的多様性」とは、それぞれの絆(きずな)が、それぞれ価値を持っていることの証(あかし)です。

 

 そして「脳の多様性」です。わたしにとっては新しい言葉でした。いったい何のことでしょう。今から書いていく文章は、『脳の個性を才能にかえる―子どもの発達障害との向き合い方―』(トーマス・アームストロング著、中尾ゆかり訳、NHK出版)を読んで感じた、わたしの読後感といったものです。

 

 ところで「脳の多様性」といった場合、それは、たとえば血液型の多様性とは違うものなのでしょうか?

 

 ほとんど同じでした。ただ違うところもありました。遺伝的な多様性は、純粋に生物学的な概念です。「脳の多様性」も脳の働きに関わる遺伝子の話ですから、もともとは「脳の遺伝的多様性」のはずでした。ところがそこに「文化的多様性」含まれるのです。人間は「脳の遺伝的多様性」を「異常/正常」や「病気/健康」や「障害/健常」に分けたために、純粋な生物学的概念であったはずのものが、社会的な価値観を含むようになってしまったのです。「異常/正常」や「病気/健康」や「障害/健常」は、どれも、片方がもう一方よりも良いという価値判断の入った概念です。

 

 この本では人間の多様性の中でも、社会的によく問題になる「障がい」を取り上げています。取り上げる「障がい」を順にあげます。まずADHD(注意欠損多動性障がい)です。次に自閉症です。そしてデスレクシアを取り上げます。さらに、うつなどの気分障がいを取り上げます。そしてこの種の書物にはあまり取り上げられなかった脅迫性障がいPTSDなどの不安障がいが話題に上ります。またダウン症など知的発達に遅れがちな人のことが取り上げられます。そして最後に統合失調症です。皆、遺伝子の多様性が原因で起こるのです。程度は重い・軽いの差があるスペクトルが見られるのだそうです。以上を明らかにした上で、他の人とは違う、当事者の良いところを探そうというのです。

 

 原題は "The Power of Neurodiversity: Unleashing the Advantages of Your Differently Wired Brain" です。直訳すれば「脳の多様性の持つ力:つながり方の違うあなたの脳の才能を解き放つ」とでもなるのでしょうか。日本語のタイトルは日本でよく話題になる発達障がいに偏った本というイメージです(訳者か出版社が、発達障がいについての本だと誤解してもらうことを望んだのかもしれません)が、読んでみると、発達障がいよりももっと広く、うつやダウン症、統合失調症の人の才能を探っているのです。わたしには、このような著者の話題設定が新鮮でした。

 

 わたしがこのブログや他のエッセーに書いてきたことと似ています。わたしは、世の中でネガティブに捉(とら)えられがちな「障がい」を、人の、あるいはヒトの多様性と捉(とら)え直すことで、いろいろな価値観が驚くほどひっくり返る。ヒトの進化を見る目はおろか、人の社会の意味付けまでが変わってしまう。その事を知ってもらいたくて、さまざまに書いてきました。それが別の国の、別の人によって本になっているなんて、嬉しくなってしまいました。それにしても、わたしは neurodiversity(ニューロダイバシティ:「精神の多様性」?)なんて言葉は、本当に聞いたことがありませんでした。わたしが知らないだけで、英語では普通の言葉なのでしょうか? 霊長類学の研究者としては恥ずかしいのですが、その可能性もあります。

 

 と言うことで、"neurodiversity" をキーワードにインターネットで検索をしてみました。ただし普通に検索をかけたのでは、多くのデタラメ情報が引っかかってしまいます。わたしが検索をしたのは学術情報サイトです。そこでは学術論文と認められている情報だけを検索します。これでもデタラメは混じりますが――すべての学術論文に事実だけが載っているというわけではありません――だいぶ確からしくなります。結果はどうだったかというと、多くの論文に"neurodiversity"という言葉が使われていたのでした。ただし、それは生物学や医学のような自然科学の論文ではなく、出てきたのは社会学や倫理学のような社会科学とか人文科学の論文ばかりでした (1)

 

☆   ☆

 

 "Neurodiversity"という言葉を使った論文には、数ある多様性の中でも高機能自閉症について書いたものが目に付きました。アームストロングさんの書いた『脳の個性を才能にかえる』とは立場が違うのかもしれません。『脳の個性を才能にかえる』は読んでしまいましたので、次に"neurodiversity"で引っかかってきた論文も、目に付いたものを読んでみることにしました。

 

 すると、だいたいの傾向が分かりました。引っかかった論文の著者は、高機能自閉症やアスペルガーを遺伝的なヒトの多様性と捉(とら)え、認知の仕方が多数者とは違うが、その存在は多数者にとっても役に立つ、独特の才能を持った人なのだと主張しているのです。ちょうど〈ろう文化〉を思い出せば分かりやすそうです。ろう者は聴覚を使いません。赤ん坊の時から、周りのおとなのおしゃべり(=発話言語)は聞かず(=聞きようがなく)、手話を母語として育った人です。ろう者は視覚的な記憶力が優れているそうです。それはそうでしょう。手話という視覚言語で、日常のコミュニケーションをしているのですから。それと同じような、ただし、ろう者とはまた違う才能が、自閉症者にはあるそうです。高機能自閉症やアスペルガーを持った人は、人間関係に疎(うと)いところがありますが――相手の気持ちを推し量ることが苦手だそうです――、道具やコンピュータの扱いといった物との付き合いはお手のものです。また人間よりも動物の方が、何を感じているか分かるという高機能自閉症の動物行動学者もいます。でも人間だけはつき合えないのです。

 

 それにしても、なぜ高機能自閉症なのでしょう。

 

 わたしは、昔、「高機能自閉症者は認知能力のエリートだ」という主張をしている人がいると聞いたことがありました。ひょっとしたら、"neurodiversity"がそうなのだろうかと疑いました。論文を書いた著者にも高機能自閉症やアスペルガーの人がいるかもしれません。そんな人が、自分のことをよく見せるために、こういった論文を書いたのでないだろうか? そんな疑いです。

 

 日本の民俗学者で歌人でもあった折口信夫(おりぐち・しのぶ)は、日本文学には貴種流離譚(きしゅ・りゅうり・たん)と呼ばれる物語作りの基本構造があると主張しました。貴種流離譚(きしゅ・りゅうり・たん)というのは次のようなことです。

 

「高貴な血筋に生まれたが、赤ん坊の時に父親に嫌われ、棄てられる。その赤ん坊は、偶然、動物や卑しい女に拾われて育てられる。やがて育った若者は、自分を棄てた父親に巡り会い、復讐を果たす。そして高貴な血筋にふさわしい身分を取り戻す。」

 

ちょうど、この貴種流離譚(きしゅ・りゅうり・たん)が高機能自閉症の寓意だと、こういった論文は主張しているのではないのだろうか? そんな思いがしました。つまり、高機能自閉症はちゃんとした才能があるのに、世の中はその才能を認めていない。そればかりか「治療する」と称して薬を飲ませる。薬を飲むと頭はどんよりと雲がかかったようになり、本来の才能が失せてしまう。本当の自分は高機能自閉症という遺伝的な「貴種」なのだから、人びとはその事を認めて、「貴種」として扱うべきだ。

 

 もちろん論文には、こうしたことが、直接、書かれているわけではありません。しかし、一旦、このような想像をしてしまうと、何だか恐ろしくなりました。言うなら、「遺伝的に『文化』が違うと信じている人びとが、いるのかもしれない」ということなのですから。

 

 しかし、このような心配はまるっきり当たっていないと、すぐに気が付きました(よかった!)。高機能自閉症者の特徴は人間関係に弱いところがあることです。微妙な人間関係は理解できないのです。ですから「復讐」だの「高貴な身分」への憧(あこが)れだのといった気持ちは、はじめから持ちようがないのです。

 

 著者には、本当に高機能自閉症者がいるのだと思います。その人たちは自分のことを、「エリート」だとか「貴種」だと言っているのではなく、現実に生きていくのが辛(つら)いのです。それをどうすればいいだろうかと考えたのが、この論文だったのだと思います。この辛(つら)さをどうにかしたいという足掻(あが)きが、論文を書かせたのだと思いました。

 

 次ぎに続きます。

 

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(1) たとえば Health Care Analysis という雑誌に Pier Jaarsma と Stellan Welin が書いていた Autism as a Natural Human Variation: Reflections on the Claims of the Neurodiversity Movement

 http://liu.diva-portal.org/smash/get/diva2:457919/FULLTEXT01

 

や Andrew Fenton と Tim Krahn が Journal of Ethics in Mental Health に書いていた Autism, Neurodiversity and Equality Beyond the ‘Normal’

http://noveltechethics.ca/files/pdf/210.pdf

 

などでした。アームストロングさんご自身の文献がないかと探しましたが、あまりありませんでした。ただ、学校の教員向けらしい Educatinal Leadership という雑誌に書いていた First, Discover Their Strengths が大変わかりやすかったです。

http://web.uvic.ca/~gtreloar/20%20Latest%20Research%20Articles/First,%20Discover%20Their%20Strengths.pdf

 

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

鳴く虫キッズ第2回

2013年8月27日
8月17日(土)第2回目の「鳴く虫キッズ」でした。

日中は酷暑でしたが、夕方になると風が涼しく、心地よかったです。
この日の日没は18時44分。日没から20分が経過した19時5分頃、それまでにぎやかだったセミの声がすーっと消えていき、コオロギの声が増えてきました。すてきな瞬間でしたね。

前回は雨の後で「虹」が見えましたが、今回は、夕焼けがけっこうきれいでした。
満月に近づいた、お月様も、なかなかキレイでした。

秋の鳴く虫も、ずいぶん出そろっていました。
樹上で大音声を発するアオマツムシが少なく、いろんな虫の声がよく聞こえました。
この季節、鳴く虫の声を聞くには、なかなかよいです。

鳴き声が聞こえたのは(聞こえてない人もいたと思いますが)、つぎの18種でした。
マダラスズ、シバスズ、ハラオカメコオロギ、エンマコオロギ、ヒメギス、クサキリ、キンヒバリ、オナガササキリ、ササキリ、ウスイロササキリ、ホシササキリ、ツヅレサセコオロギ、アオマツムシ、カネタタキ、ミツカドコオロギ、カンタン、クサヒバリ、ヤマヤブキリ


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(八木 剛)

ひとはくでは、今年も教員のための博物館の日が開催されました。
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 この日は、高等学校10年目研修の先生方、教職員・指導者セミナー受講の先生も参加されています。他にも、博物館実習の大学生たちにも協力を得て開催しました。


 教職員を対象にしたフリートークでは、1部「博学連携」に関する話題提供」、2部では「学校教育で博物館を活用する意義~博学連携は何のために~」と題して国立科学博物館より小川義和氏ご講演いただきました。 

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「学校で役立つ!?サイエンスワークショップ体験」等として、数々のワークショップが参加し、賑やかな1日でした。以下は当日の様子を紹介します!

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多摩美術大学・神戸大学大学院による「Stamp On~iPadにスタンプを押してクイズに答えよう!?~」

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兵庫県立淡路景観園芸学校による「ゲームで環境学習」

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NPO法人 人と自然の会による「ペーパークラフトで銅鐸づくり」

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   神戸大学付属中等教育学校による      兵庫県立大学シュミレーション科学研究所による        
 「ためして考えよう・・・落ちる!科学」         「地球温暖化について」

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 三田市科学教育研究会による「科学実験」    池田研究員による丹波恐竜化石の解説 

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三橋主任研究員による「樹脂を使った魅せる標本大集合」

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フロアスタッフによる「恐竜ほねパズル」


●特別セミナー

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江崎保男主任研究員による「生態系ってなに~コウノトリの野生復帰を例に」

 ●特別展示
        国立科学博物館学習用貸出標本 

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恐竜「オスニエロサウルス」の全身骨格標本      大型デジタル地球儀「ダジック・アース」

もちろん教員以外の方も参加OK!来年のこの日、お気軽に参加してくださいね!

情報管理課 阪上勝彦

 

暑い毎日が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

 

クマゼミやアブラゼミの声に交じってツクツクボウシの鳴き声が聞こえてきて
夏の終わりを少しずつ感じます(ρ_;)

 

しかし!
ひとはくの夏はまだまだ終わりません!
イベント盛りだくさんでみなさまをお待ちしております♪

 

 

  まずは、土日祝15:00からの『フロアスタッフとあそぼう』9月一覧です。(クリックで拡大)

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そして、922()には『深田公園うきうき探検隊』こと『ふかたん』も行われます(クリックで拡大)

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23(/)『うきうきワークショップ』もありますよ~(クリックで拡大)

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みなさまのお越しをスタッフ一同お待ちしております。

 

 

 

おまけ

毎年ひそかな楽しみのひとつでもあるセミの羽化観察。

今年はクマゼミのメスでした! s-uka.jpg

みなさんも来年の自由研究の課題に、セミの羽化観察はいかがでしょうか?
地面から幼虫が出てきた穴がたくさんみつかれば、夕方その場所をよく観察してみてください。
セミの幼虫に遭遇できるかもしれませんよ(^^

 

 

                                   

フロアスタッフ たにぐち

 

8月10日(土)から18日(日)にかけての「むしむしたいけん」では、1,900名を超える方がご来場くださいました。
そのほとんどは、幼児または低学年児童を含むご家族連れでした。

15日から18日の間、ご来場の保護者の方に、無作為にコメントをお願いし、49件のコメントをいただきました。ご協力ありがとうございました。

その中からいくつかをご紹介し、9日間のお礼に代えたいと思います。

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ありがとうございます。
「本物」を集めているのが、博物館のいちばんの特徴ですが、実物資料を将来にわたって継承するという性質上、扱うのは「標本」が中心になってしまいます。
子どもたちが「標本」に関心を示すようになるのは、生きていて、動いている昆虫が好きになり、標本とはどういう状態かが理解できるようになってからだと思います。
こうやって生きた昆虫をたいけんしてくれた子どもたちが増えることで、博物館の標本も、それこそ、生きてくることでしょう。


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ありがとうございます。
そう言っていただけると、来年もがんばろうかな、と思ってしまいます。


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ありがとうございます。
今の子どもたちは、かつてのように、お友だちどうしで気軽に屋外で遊ぶことが、とても難しくなっています。虫とりなんて、いつでもどこでもできたのですが、今どきは、保護者同伴は当然のこと。事前に日程や場所を調整しないといけないような状況ですね。

そう考えると、この場は、親御さんや子どもたちの虫とりを「代行」しているようなものかもしれません。
ほんとは、野外でいっしょに虫とりできればいいのですが、はじめての方にたいけんいただくには、このような場がますます重要になるのかな、と思いました。


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お盆の期間は、帰省の方も多かったです。
東京でも、虫とりはできますし、立派な博物館もありますが、同じようなプログラムはないかもしれませんね。


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みんながみんな、虫をさわれるわけではないですし、そうなる必要もないと思います。
「ぬりえ」のコーナーは、生きた虫をさわるのは苦手な子も、標本をじっくり観察することができるよう、設定しました。
ここでは、「動いてない」ことも、ふしぎですね!


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ご自身は虫をさわったことがない(または苦手な)のに、お子さんは虫が好き、という親御さんも、けっこういらっしゃいました。
そんな方々のお役に立てれば、幸いです。

一つ前の方からもコメントをいただきましたが、「むしむしたいけん」のスタッフの中心は、高校生や大学生でした。彼ら彼女らの多くは、ひとはくのセミナー「ユース昆虫研究室」の卒業生です。現役の中学生も何人か、スタッフ体験として、応援してくれました。
彼ら彼女らは、子どもたちに身近な存在であり、親御さんにとっても、気難しそうな研究員に対してより、はるかに質問もしやすかったと思います。
接客面で不慣れなことも多かったかと思いますが、こういうお言葉をいただけると、彼ら彼女らにも励みになります。

来場者のみなさん、スタッフのみなさん、9日間、ありがとうございました。

(八木 剛)

 来る8月22日(木)、ひとはくで開催される「教員のための博物館の日inひとはく2013」の一環として、東京は上野にある国立科学博物館から小型の植物食恐竜「オスニエロサウルス」の学習用骨格標本をお借りしました。


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▲国立科学博物館では、このような学習用標本の貸し出しを行っているそうです


 本日、実習中の高知大学佐藤さん、当館フロアスタッフのみなさまの力を借りて無事組み立てに成功し、博物館4階のひとはくサロンに仮に設置しました。
 22日「教員のための博物館の日inひとはく2013」では、この標本についての説明とフロアスタッフによる「恐竜骨パズル」のイベントを行います。
 この機会にひとはくでは普段見られない「オスニエロサウルス」の模型をご覧ください。また、このような標本の貸し出しに興味のある方もどうぞお越しください。

西岡敬三(生涯学習課)

 

「教員のための博物館の日inひとはく2013」の情報は ↓

http://hitohaku.jp/blog/2013/08/hakubutukan_day.pdf

http://hitohaku.jp/blog/2013/08/hakubutukan_day_teacher.pdf

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▲コンテナで送付されてきました、佐藤さんが組み立てています、フロアスタッフのみなさんが美しく飾りつけをしています

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▲展示(仮)が完成しました、是非見に来てください

※看板の文字は修正しました。正しくは「オスニエロサウルス」

「むしむしたいけん」は、8月18日(日)で、終了しました。
たくさんのご来場、ありがとうございました。

キラキラKidsの第2弾です。

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ミヤマクワガタを持ってみました。

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お兄ちゃんの標本づくりに、真剣なまなざし。

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1年前のワタシ、その2。
すっかり、有名人だよ。
今日も、長時間、遊んでくれました。

昨年に引き続いて来てくださった方や、会期中、何回も来てくださった方もいらっしゃいました。
来場のみなさんからの声は、またあらためてご紹介したいと思います。

9日間、ありがとうございました。

(八木 剛 記)

 本日、4次元デジタル地球儀「ダジックアース」を博物館3階、”絶滅への道”の展示場所横に設置しました。


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 この地球儀セットは、来週8月22日(木)に当館で開催される「教員のための博物館の日inひとはく2013」の一環として国立科学博物館よりお借りしたものです。
 まるで宇宙から地球を眺めているようなリアルな地球儀を是非体感してください。
8月末日まで展示の予定です。

 

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▲設置に当たっては、博物館実習中の助野さん、藤田さんにお手伝いいただきました。ありがとうございました。

ダジックアースの情報 ↓
http://www.dagik.net/%E6%9C%80%E6%96%B0%E6%83%85%E5%A0%B1/

「教員のための博物館の日inひとはく2013」の情報 ↓


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西岡敬三(生涯学習課)

 本日「ひょうご・ロシアハバロフスク少年少女交流事業」訪問団の一行16名がご来館され、コウノトリや兵庫の自然、丹波の恐竜化石を見学されました。
 兵庫県は、昭和44年ロシア連邦ハバロフスク州と姉妹・友好提携を結んでおり、様々な交流事業がおこなわれております。
 平成18年度ハバロフスク地方政府の提案により、少年少女訪問団が初めて来県し、平成20年度に本県の児童生徒がハバロフスク地方を訪問して以後、交互に訪問を繰り返し交流を続けています。
 ハバロフスクと言えば、昭和60年同地より6羽のコウノトリが贈られたことが有名です。昭和46年にほとんど絶滅状態となった兵庫県のシンボルであるこの鳥は、その後の人工繁殖を経て平成19年自然条件の中でで繁殖を始めました。その舞台となった兵庫県立コウノトリ郷公園や豊岡市は、絶滅に瀕した個体復帰の取り組み例として注目をされているところです。
 この度は、8/16~8/23の日程で兵庫県に滞在されますが、このようなご縁もあり当館にお立ち寄りいただきました。この訪問が、兵庫県とハバロフスクとの交流の一助になればと思います。

西岡敬三(生涯学習課)


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▲「兵庫の自然誌」の解説をする鈴木武先生


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▲野島断層の模型に興味津々


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▲コウノトリとその生態系について解説する田中哲夫先生

「むしむしたいけん」引き続き好調です。
8月18日(日)までですよ。この機会をお見逃しなく。

昨年に引き続き、キラキラKidsのご紹介です!!

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ヘラクレスとツーショットの、はにかみ屋さん。

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ママの表情、Good!!

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セミを2匹、つかまえました!

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ヒラタクワガタを、まじまじ。
なにより、Tシャツが、スバラシイ!!
カブトムシに、ミヤマクワガタ。トリバネはプリアムス、モルフォはヘレナ。ええ選択だと思いますね、デザイン的に。
黒と寒色系だけだと寂しいので、ナナホシテントウを入れてしまうところなど、当方のタペストリーと同じ発想。親近感も湧きます。

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彼のみならず、ファッションセンス抜群のご家族なのでした。

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2ヶ月前にも再会しましたが、また会えて、うれしかったです。

だれだって?

わかりませんか?

バナー(↓)の彼女(右)です!!
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1年経って、ちょっとお姉さんになったよ。

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キラキラな瞳は、まだまだ健在。

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1年前の自分の前で。
さながら、モデル撮影会となりましたが、当のご本人は、この通りの、ブーイングなのでした。

彼女のご家族は、仙台に引っ越しされ、今日は、里がえり。
6月に仙台市で開催した「こども☆ひかりフェスティバルinせんだい」の会場にもご家族で来てくださり、お互い、びっくりしました! ひとはくにも来てくれて、とっても、うれしいです。
つぎの再会は、また、仙台かな。

(八木 剛 記)



 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして34

 

「生き方を変える病(やまい)」へのいくつかのご感想

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 前回までひとはくブログ「ユニバーサル・ミュージアムをめざして」に書いていた『生き方を変える病(やまい)―1』『生き方を変える病(やまい)―2』に、何通もの感想をいただきました。『生き方を変える病(やまい)』は、わたしが読んだ全国失語症友の会連合会の『「失語症の人の生活のしづらさに関する調査」結果報告書』に、わたし自身が感想を書いたものです。その感想に、さらに感想をいただいたわけです。

 

固有名詞などを削除して、文意を損ねないように注意しながら、文章を書き換えてみました。ご本人が了解をして下さいましたので、その文章の一部をご披露させていただきます。

 

 その前に、同じく全国失語症友の会連合会の報告書を読んでお書きになった新聞コラムが出ました。毎日新聞 20130718日 大阪朝刊からです。まずこれを紹介しましょう。

 

 

発信箱:1票のバリアフリー=二木一夫

 

毎日新聞 20130718日 大阪朝刊

 

 難聴の夫と失語症の妻が期日前投票に出かけた。前回の参院選のことだ。

 

 夫は職員に「妻は急に尋ねられると名前も言えないので私が世話したい」と頼んだが、別々の場所に誘導された。投票した夫が妻を捜しに戻ると受付近くに座っていた。生年月日を答えられず、そのままにされたという。夫は、失語症患者家族会にその悔しさと怒りを訴えた。

 

 外見から症状をうかがえない失語症は「見えない障害」と言われる。脳の病気や外傷によって、読む、聞く、話す、書くの機能が十分働かず、他人との会話が困難になる。そのため、役所や金融機関などに1人で外出できる人は少ない。

 

 NPO法人全国失語症友の会連合会が本人と家族に実施した調査では、20~50代での発症が6割を占めた。働き盛りで仕事を持つ人は2割に過ぎない。職場復帰や就労支援は、切実な問題だ。

 

 深刻なのは、家族間でさえ意思疎通が難しいことだ。介護する側は、本人の気持ちを推し量るしかなく気遣いが絶えない。思いの届かない本人は怒りをぶつけ、ストレスで互いが疲れ果てる。

 

 失語症は全国に50万人とされるが、援助制度はない。調査の報告書は、支援者の育成、相談機関の設立、リハビリの充実を求める。公的施設での理解できる案内表示やコミュニケーションを手助けできる人材の窓口配置も欠かせない。

 

 成年後見人の付いた知的障害者らの選挙権を認めた裁判長は「胸を張って生きて」と原告に語った。見えない壁を破るバリアフリーが障害者の社会参加を保障するという認識を共有したい。安心して1票を投じられる環境の整備は、民主主義の質も高めよう。

 

 

 

 期日前投票所の職員は公務員か臨時に雇われた人だったのでしょう。決まったマニュアルがあったのだと思います。その係の人は、マニュアルで決められた手順に従って、投票に来た人一人ひとりに、相手が本人であることを“口頭で”確かめたのです。失語症者には、“口頭で”聞かれても、何を聞かれたのか理解できない人がいるのですが、そして何度も書いてきたように、筆談やコミュニケーション支援用絵記号があれば問題なく生年月日は答えられたはずですが、係の人は“口頭”で確かめる事に固執してしまったのです。

 

 その場の状況は想像するしかありません。しかし、何となくわたしは、その対応した係の人は“口頭で”聞いても答えないその人の事を、実はしっかりとした認識能力をお持ちだと察していたのではないかと感じます。人には共感する力(ちから)があります。「共感する力(ちから)」とは、喋(しゃべ)らなくても相手の感じていること、考えていることがわかる事です――自閉症スペクトラム(=広汎性発達障がい)の人は相手の感じていることが、よくわからないと言いますが、まさか自閉症スペクトラムの人に受け付けの仕事を与えたりはしないでしょう。人にはその人に合った仕事があるはずです。ですから、係の人は失語症のご婦人の気持ちを、察したはずなのです。

 

 失語症のご婦人と対応をした人の双方が、共にいたたまれないものだったはずです。消え入りたかったと思います。

 

 別の方法でもよかったはずです。当然、係の人はすぐに気付いていたはずです。それならなぜ、代わりになる方法をとらなかったのでしょう? その原因は「規定」やマニュアルの書き方にあったのだと思います。係の人が参照すべきマニュアルに、そうした臨機応変な対応は書かれていなかったのです。マニュアルにある規定には、代わりになる方法でもいいとは書いていない。そのために、その人は個人の判断で確かめることができなかったのだと思います。

 

 三重の不幸です。

 

 どういう不幸かというと、まず失語症当事者の投票する権利が奪われたこと。そして投票所の係の人は、自分がそうすることで人の権利を奪うことがわかりきっているのに、適切な対応がとれなかったこと。さらにその規定=マニュアルを作った人びとの、人間に対するイマジネーションの決定的な不足があることです。

 

 筆談やコミュニケーション支援用絵記号は、公(おおやけ)に認められた音声言語に変わる手段です。ろう者では手話が加わります。さまざまな人の中には、音声言語ではない手段を使わないとスムーズにコミュニケーションできない(=音声言語ではない手段を使えば、スムーズにコミュニケーションができる)人がいるのだとイメージすることが、それほど難しいとは思いません。自分とは違うさまざまな人の存在を認めなければ、社会はいつまでも、「健常者」という一部の人だけの独占物に留まり続けます。そしてこのコラムが言うように、障がい者の社会参加を保障する認識は共有できません。

 

☆   ☆

 

 では最初のご感想から。

 

 

(『「失語症の人の生活のしづらさに関する調査」結果報告書』は)130頁もあり、読むのに時間がかかってしまいました。

 

 失語症については、ある程度の予備知識がありました。しかし、結果報告書を通読すると、失語症の程度も様々であるようです。重症の場合、本当に生活に支障を来しておられます。しかし、見かけ上は障碍(しょうがい)者らしくないので、障碍(しょうがい)の認定の程度が低くなるとありました。制度を改めるべきです。

 

 失語症を引き起こす脳の血管の障碍(しょうがい)や破裂、テレビの話によれば、老化が原因とばかりは言えません。ストレスなどの原因で、若い人もなるようです。

 

失語症について、厚生労働省や医師会が広報する必要もあります。生活習慣病予防に、メタボ検診について、よく広報されています。特に、私の住む○○市は、熱心にメタボ検診を受診するように言ってきます。私もこのところ年一回の検診を続けて受けています。

 

検診結果についての集団説明会を受けてきましたが、失語症についての話はなかったです。脳梗塞(こうそく)、脳卒中の話はあったのですが、その後遺症について、殆(ほとん)ど話されませんでした。失語症についての認識が、説明会の講師にもなかったのでしょう。

 

 

 ある失語症の女性からは、わたしのブログ『生き方を変える病(やまい)』への感想と共に、全国失語症友の会連合会の『「失語症の人の生活のしづらさに関する調査」結果報告書』に対する反論をいただきました。失語症者と女性というふたつの属性を理解していないと、この感想はわからないかもしれません。なお失語症になると表音文字の平仮名(ひらがな)が使い難(にく)くなる場合があり、この方は単語と単語の間に空間を取ること(=いわゆる「字間を空ける」わけです)で、読んだり、書いたりをしやすく して いらっしゃいます。原文では「/」の位置に改行があり、行と行の間にも空間がありました。つまり、空行を入れる事で、見やすくして おられるのです。

 

 

私には (漢字)が 得意です。/漢字を視覚表象 と して 結果 漢字の意味を 理解してます。/それから平仮名と漢字を 音声して 云ってから /文章の内容を 理解してます。

 

失語症友の会の件で /若い失語症者が 参加したがらない事で 私にも わかります。/グルーブ訓練で /たとえば 普通のジャンケンを <勝! 負ける!>を ただ する事は 私には /嫌いです。

 

<脳の活性に なる>って 説明が 在るのは 知ってるけど /何故か~~  やっぱり 嫌いです。

 

<失語症に 関する調査>は 表と文章を 理解して 読みました。/<失語症に 関する調査>の感想へ 私には 異見が チョッと あります。/私は ほとんど 生活に 支障を してません。

 

(生活のしづらさ)は 失語症者だけでは ない です。/例えば 銀行や 役所へ 一人で行き出来ない人は /病気前から 銀行や 役所へ (例えば) 奥さんに してもらってた ので/病気後は もちろん 出来ない と 思います。

 

失語症者が 何でも 一人で してる人も たくさん います。

 

練習して 時間が 掛かるけど 何でも 生活が 出来ます。/(出来ない事)が (思いこみ)と 思います。/何を 変化して 人が チャレンジして/助力するのが (先生)だ! と 思います。

 

 

 働き盛りの若い方からは、次のようなご感想をいただいています。

 

 

特に考えらせられたのは、「生き方を変える病(やまい)-2」 です。

 

 コミュニケーション能力への期待と要求は非常に強くなっています。この仕事をしていると、特にその点を求められていると感じますし、お手本にすべき人に出会います。しかし、ご指摘のように、そのコミュニケーション能力も一面的なもので判断されがちと感じました。

 

 幾つかの技術系資格試験を受けて感じるのは、健常者が圧倒的に有利な点です。試験時間内に小論文をいくつも書かなければならないので、手が不自由なだけで、取得は困難を極めることになります。(技術士試験は、この点の配慮なのか、かつてよりは執筆文字数が大幅に減りましたが……)

 

 世の公平性とはいかなる形であるのか。少なくとも健常者側の理解が広がらなければなりませんし、その優位性の保持に捉(とら)われない思考が求められると感じました。

 

 残念ですが、現実、寛容な人は多くはありませんし、優位に立とうする人が目に付きます。

 

 人が如何(いか)なる生き物と成り得るのか。

 

 コミュニケーションを強く問われる時代であるからこそ、試される時代ですね。どこまで広い視野を持ち、各々(おのおの)の良さを感じ取れるのか、自分への挑戦でもあります。

 

 

 別の方は、次のように書いて下さいました。文章は三谷が勝手に手を入れました。

 

 

ブログ、読ませていただきました。

 

「異なる人への恐怖」は、実は特に日本でものすごく進行している、ある種の心の病のような気がしています。違うということがこれほどまでに拒絶される文化は、病んでいるとしか言いようがないように感じます。

 

今は基本的に文系的な発想で仕事をしていますが、一つ一つの言葉に神経質になり、論理的な説明をしようとする姿勢は、ひじょうに細かなことを気にする奴(やつ)で、仕事の足を引っ張るやつだと受け取られることしばしばです。

 

いかに自然科学者が聖人君子面して、福祉や倫理に関して良い加減なことを言っているかは大きな問題です。科学者が知りうること、考えることは絶対ではなく、あくまで科学という思考法に則(のっと)ったものでしかないのですから、自らの守備範囲を知るべきです。その上で、そこには、とうぜん限界があるもので、その外に広がっている世界はまだまだあり、その多様性をどう受け入れながら(研究という仕事を)進めていくべきかを考える姿勢がなければならないはずです。しかし、それができていません。

 

(私は)決してアメリカ万歳の人間ではありませんが、多様な文化を受け入れているアメリカは、そういう意味においては多様性を受け止める素地も持っていると思います。もちろん完璧ではありませんが。少なくとも日本人のように、KY(=“空気が読めない”の頭文字をローマ字で表したもの。「雰囲気がわからない人」のことをバカにしていう言葉)だとか言うような、同一性・同質性を持たない者への無言の攻撃は、はるかに少ないと思います。英語にも “read between the lines"(=行間を読む)という表現はありますが、それ以上に self-assertion(=自己主張)が求められると思います。

 

“異質”なものの排除は、決して少なくないのだということを感じます。こうしたことがイジメを生むのだろうし、イジメは決して子どもの世界(だけ)のものではないですよね。

 

研究者はこうしたことを真正面から受け止めて、新たな価値観を描いて、より良い社会へ人々を導くのが求められることのはずですが、現実は重箱の隅を突(つつ)くような小さな発見で留まっているのが多いと思います。科学者が(科学以外のことに目を向けようとしないで)単に新しい知見を生むことだけを目標とする職業になってしまっていることに原因あるのだと、少なくとも日本の現状からは、思います。

 

わたしはこの日本の社会に対して、ものすごく危機感を持っています。

 

 

 最後に企業の社会的責任と日本の企業風土についてのご感想です。これにもわたしの責任で、一部、手を入れました。

 

 

 『生き方を変える病―2』、一読致しました。

 

 私は、平成○○年に定年退職しております。当事も、企業の社会的責任という事、言われてはおりました。しかし、私の勤めていた会社の親会社は一部上場企業でしたが、企業の社会的責任について興味がありませんでした。法律に違反さえしなければ、何をしてもよいという考え方であったようです。今は、変わっていることを期待しますが。

 

法律を守るという事は、最低基準です。社会的責任を果たすという事は、法に決められていなくても何か社会に貢献できることをするという事になります。

 

業界団体の会合が年に何度かありました。その会合で、(業界団体の)理事長さんから企業の社会的責任について色々と教えていただきました。それを出張報告書にして提出していたのですが、親会社から来ている上司は、法律を守ってさえいれば、それ以上のことをする必要はないと言われました。

 

ひとはくブログの主題から少々ずれていますが、社会的責任について一筆。

 

 

 正直に書くと、わたしは失語症の当事者や言語聴覚士の方から感想が、もっと、いただけるのではないかと期待しました。しかし、残念ながら、ほとんどいただけませんでした。その意味で、今回、失語症の当事者が届けて下さった感想は、ご紹介できなかったものも含めて、とても貴重でした。

 

 「失語症に対する社会的な理解が乏しい」というのが、全国失語症友の会連合会の結論のひとつでした。感想を書いて送るという行為では、最低限、文章をつづる力(ちから)が必要です。その力(ちから)が、大なり小なり失われたからこそ失語症なのです。その事を十分にわかった上で書くのですが、「他人に読ませる滑(なめ)らかな文章が書けないのだから、書かない」のでは、失語症者やその他のコミュニケーション障がい者が感じているさまざまな事が、まるで最初からなかったかのように霧散(むさん)してしまいます。それでは、せっかくの報告書も無駄になってしまいそうです。そうではないでしょうか?

 

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

 

 いかがでしたか?いくつ見えましたか?

 2時間くらいでしたが、5~60個は見ました。結構長く尾を引くモノや太短いモノなど、それぞれ個性的な流れ方をするもんですね(o^^o)

 写真の方はというと、昨夜は収穫「0」でした(*_*) 結構夜露も多く、レンズへの対策を怠ったためかなりフォギーな失敗写真が多くて.....とりあえず、夜空の写真だけ掲載します。

 

 極大は過ぎても急に流れなくなるわけではないので、まだ見ていない方も是非また今夜、スターウォッチングにチャレンジしてみてください。体を北の方角に向けほぼ真上を眺めていれば、10分に1個くらいは流れるのでは.....

 

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8月10日からの「むしむしたいけん」3日目になりました。

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今日は、200人以上の方が、楽しまれました。

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「魔法のスタンプ」を押してもらって、当日は、何度でも再入場いただけます。

そのためでもありますが、お昼休みのあと、午後1時半から3時頃、かなり混雑します。
混雑が激しくなる場合、来場のみなさまへのていねいなご対応、ならびに、虫さんへの優しい対応のため、
ご入場をお待ちいただくことがあります。
ご協力のほど、よろしくお願いいたします。


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「本日のメニュー」は、ホワイトボードで、おたしかめください。
登場する虫は、日々、変わりますよ。
というのも・・・

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部屋の片付けが終わった夕方。
高校生大学生のお兄さん、お姉さんたちが、明日のために、虫さんをつかまえています。

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つかまえた虫さんは、傷まないように、1匹ずつ袋に入れ、涼しいところに保管します。

こうやって、みなさんをお迎えしております。

「むしむしたいけん」は、博物館4階 実習室で、18日(日)まで。
この機会に、ぜひ、いろんな虫に触れてみてください。
お兄さんお姉さんが、虫のさわり方を、優しく教えてくれますよ。


※ 小学3年生以下のお子さんは、保護者同伴で入場ください。
※ 参加費はお一人100円です(2歳以上。保護者の方も)。
ご協力よろしくお願いします。

(八木 剛 記)
むしむしたいけん、初日。160名を超える参加者がありました。

今年の「むしむしたいけん」は、実習室で開催しています。
8月18日(日)まで、連続9日間、毎日10時~16時までです。

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今年は、参加費として、2歳以上のお一人につき(大人も)、100円いただいています。
また、小学3年生以下のお子さまには、必ず、保護者の方が同伴ください。
ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

入口の青い光は、ブラックライト。
ブラックライトで光る再入場スタンプを押せば、何度でも自由に出入りできます。


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蚊帳の中では、トンボやセミなど、よく飛ぶ虫にさわって遊べます。

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さまざまな標本を見ながら、ぬり絵やお絵描きができます。

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毎日、午後1時半から3時の間、標本づくりの実演を行います。
この日の演者は、小学5年生の永田雄士くんでした。
ハチ北高原昆虫サマースクールでつかまえた、たくさんの昆虫をじっくり標本にしました。
なかなかの腕前です。

ひとはく連携活動グループrun♪ run♪ plazaのブログもあわせてご参照ください。

(八木 剛 記)

見えるのか?

2013年8月10日

 一年間のうちで何度か訪れる流星群 。その中でもメージャーな「ペルセウス座流星群」

 「日本の夏、金◯の夏」というフレーズも聞こえてきそうですが

 夏の夜の風物詩。

 

 花火もいいけど、天の川、夏の大三角、そしてペルセウス座流星群・・・・・・・蚊にくわれながら、寝そべって見上げる夏の夜空。

 

 ぜひ、今年の夏は満天の星空をその目で!! 

 

 詳しくは↓ 国立天文台のページですけど(^^ゞ

http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2013/perseids.html

 

夏休み真っ最中のKidsサンデーは
のんびりしたムードの館内で、
Kidsたちがゆったりプログラムに参加する姿が見られました。

◆自然ってすごい!「かたち」のふしぎ

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◆古代のはがき体験に挑戦!

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◆パネルシアター

130804kidssunday (3).JPGこの他にも、研究員のオープンセミナーや
フロアスタッフによるプログラムが行なわれました。

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次回のKidsサンデーは9月1日(日)です。

この夏の出会いや発見は、ぜひ
「キッズかわらばん」(対象:未就学児とその保育者、保護者)
「しぜんかわらばん」(対象:小学生~高校生) にまとめて、みんなに教えてくださいね!

募集期間は2013年8月17日(土)~9月7日(土)です。

詳しくはコチラ

暑い日が続いています。水分&栄養&睡眠をしっかり取って、乗りきりましょうね!

 

              (生涯学習推進室/キッズひとはく推進タスクフォース たかせ ゆうこ)

 ひとはくでは、平成25年度の博物館実習が始まりました。今年は10大学13名(遠くは琉球大学からも)の学生さんが実習を受けます。

 まず初日の5日は全員揃ってのオリエンテーション。

生涯学習課の西岡敬三課長によるガイダンス(ひとはくの概要説明)を皮切りに、各研究系毎に研究員から講義を受けます。どの学生も熱心にメモをとったり質問をしたりしました。

 午後には、全員でひとはくの収蔵庫を見学しました。普段は非公開ゾーンですので、このような機会にしか立ち入ることはできません。今回も5人の研究員とともに、4つある収蔵庫(生物系・環境系・液浸・地学系)を駆け足にはなりましたが、見ることができました。

         

 6日からは、コース別の実習や来館者対応実習などさまざまな体験をすることになります。

生涯学習課 担当

7月28日、晴天の日曜日に、深田公園うきうき探検隊(ふかたん)「トカゲを探しにいこう!」を行いました。

最初に、トカゲについて、池田隊長よりお話がありました。

トカゲのお話

トカゲの苦手な私は、ちんぷんかんぷん。

ニホントカゲに、ニホンカナヘビ、アカハライモリ…その違いは??

子どもたちは、トカゲがだいすき(^^)池田隊長の質問に、積極的に答えていました。

さぁ~深田公園へ出発しましょう。

探検へ出発!

どこにいるのかなぁ~ 水の近くにはいるかな?

 

どこかな~? 

 

 

 

なかなかトカゲは見つかりません。

日差しの強い時間なので、草むらに隠れているのかもしれません。

1匹も見つからずに、博物館へ戻ることにしました。

しかし…発見しました!!

ニホントカゲのあかちゃんです。今日は、1匹見つかりました。

 

すごいね!

生きたトカゲを見ながら解説中♪

 

 

 

 

博物館に戻って、池田隊長が飼っているトカゲを観察しました。

探検のあとのお話 トカゲの手のお話コモドドラゴンの頭骨標本や、飼っていて死んだトカゲの標本を見ました。

頭骨標本 真剣です池田隊長の解説に、みなさん真剣に耳を傾け、知識を深めました。

そして…大切なお話もありました。

 深田公園には、たくさんの生きものが住んでいます。

虫捕りやトカゲ捕りは、とっても楽しいけれど、一度飼い始めた生きものは、最後まで責任を持って、飼いましょう。

つかまえても飼えないと思ったときは、つかまえた場所(同じ場所)に逃がしてくださいね。

違う場所に逃がすことは、その生きものの遺伝子情報がくるい、生きものには大変困ったことになってしまいます。

みなさん、守ってくださいね☆

次回のふかたんは…

9月22日(日曜日)

『ザリガニ 捕まえられるかな?』

隊長は、三橋主任研究員

時間:14時~(約1時間)

4階ひとはくサロンです。汚れてもいい服装で、ご参加ください。

 

みなさんの笑顔に会えるのを、楽しみにしています。

笹山由利子(フロアスタッフ)

 

 

 「ボルネオ+One in たんば」は3泊4日の日程を終え現地解散となりました。日本の生徒たちともお別れした後、ラハダ・トゥ サイエンススクールの生徒たちは午後から兵庫県庁に移動し兵庫県教育委員会教育長を表敬訪問しました。

教育長 表敬訪問 表敬訪問

 学校で使っている教科書について説明する生徒

表敬訪問  サイエンススクールの教科書について語る生徒

 民族衣装について説明するそれぞれの生徒

民族衣装について説明  民族衣装について説明

 サイエンススクールより教育長へのプレゼント。そのあと教育長からも、それぞれにプレゼントをいただきました。最後にみんなで記念撮影をしました。おおよそ45分の間、笑い声も響き和やかに時間を過ごすことができました。関係の皆様、本当にありがとうございました。

サイエンス・スクールより記念品の贈呈  教育長よりプレゼント

教育長と記念写真

 サイエンススクールの生徒たちは明日、USJを楽しんだあと、夜、関西空港よりボルネオへ帰国の予定です。みなさん、日本はいかがでしたか?残り1日となりましたが日本を満喫してくださいね!

See you again!

情報管理課 阪上勝彦

 

 4日目の朝。最終日を迎えました。ここでの4日間を振り返り、それぞれが最も印象に残ったことを画用紙に描いています。もちろんサイエンススクールの生徒も頑張っています!

4日間を振り返る  most impression

 それぞれが描いたことをみんなの前で発表します。やはりコウノトリとオオサンショウウォについて語る生徒が多かったようです。マレーの子は恐竜も描いてました!!

キノコについて語る  コウノトリについて

発表を聞く生徒たち   発表を聞く生徒たち

たくさんの思い出を語るサイエンス・スクールの生徒  たくさんの思い出を語るサイエンス・スクールの生徒

 参加した生徒たち全員が発表してくれました。これで予定されていたプログラムは全て終了しました。最後に、県立人と自然の博物館中瀬館長とジャングルスクール校長の高橋先生より講評、まとめの挨拶をいただき無事終了しました。

 実は、直前になって体調不良で泣く泣く休んだ友達、4日目に部活の試合と重なったため、3日目の夜に先に帰った友達もいましたが、全員充実した体験をしてくれたようです。

中瀬館長 閉会の挨拶  高橋校長 あいさつ

別れを惜しむ生徒たち。現地にて解散しました。

別れを惜しむ生徒たち    来年の夏、再会しましょう!

たくさんの思い出をありがとう!

   来年は場所をボルネオに移して再会できるといいですね!

情報管理課 阪上勝彦

3日目、朝から雨が降り続いています。天気が回復するといいのですが・・・

朝から雨・・・  この後さらに激しい雨・・・

朝食の様子

朝食  朝食

雨が降る中、自然観察walkに出発。岩尾山登山道せせらぎコースを歩きました。
帰ってくると採集した植物の葉を観察し分類していきました。途中で採った水生昆虫について三橋主任研究員より説明があり、その後観察しました。生徒も研究員もみんな濡れています。

植物の葉の分類  サイエンススクールの生徒も頑張っています!

水生昆虫についても熱心に聞く生徒たち  水生昆虫の観察

午後、丹波竜に出会うため山南町にある「ちーたんの館」に移動しました。

ちーたんの館 村上氏より概要説明  化石発掘現場や化石について半田主任研究員より説明

  リアルな恐竜の姿に驚き!   サイエンススクール生徒にも人気のゆるキャラ「ちーたん」  

丹波少年自然の家へ戻り、19時00分より「星空の神秘を語ろう」と題して梅垣泰三先生に来ていていただき説明を受けました。

星空の神秘を語ろう 梅垣先生  星空の神秘を語ろう

この後、外に出て一瞬の雲の隙間から星空を観察することができました。ここでの晴れた日の空は素晴らしく綺麗とのことです。

昨日と今日でいろんな所へ出向き、せっかく仲良くなった人たちと過ごす最後の夜となりました。明日は最終日、サイエンススクールの生徒たちともお別れです・・・。

情報管理課 阪上勝彦

昨日、日本の生徒たちも集合し初めての夜を過ごしました。迎えた2日目は6時30分の起床、洗面、荷物整理の後7時00分より朝食。そして8時00分、但馬にある県立コウノトリの郷公園に向けて出発しました。

コウノトリ郷公園到着   コウノトリ郷公園施設内を見学 

初めて見るコウノトリの姿に感動!  県立コウノトリの郷公園見学

昼食後、山陰海岸ジオバークの一つである玄武洞に移動しました。

山陰海岸ジオパーク 玄武洞公園到着  玄武洞公園見学   

 16時には特別天然記念物に指定されているオオサンショウウォを見学するため、朝来市にある「日本ハンザキ研究所」に移動しました。

  オオサンショウウオについて説明を聞く  特別天然記念物「オオサンショウウォ」

  えさやり体験  アジを与える

20時30分、無事予定の行程を終え丹波少年自然の家に到着しました。移動中は大雨が続きましたが、見学時は不思議と天候に恵まれた運がよい一日となりました。

情報管理課 阪上勝彦

 

ひとはく多様性交流事業 ボルネオ+One in たんばの初日。兵庫県各地から参加生徒が集まりいよいよスタートしました。今日一日の様子を紹介します。

サイエンススクールの生徒は、昨日に引き続き博物館を見学した後、丹波少年自然の家(丹波市青垣町)に出発しました。

館内見学    博物館を出発!

午後からは、日本の参加生徒たちも合流し、オリエンテーションで施設の利用について説明を受けました。

オリエンテーションの様子

その後、河合名誉館長をはじめ、ジャングルスクール高橋校長、ひとはく主任研究員の橋本佳明先生よりジャングルスクールの意義やボルネオの自然について講義を受けました。

河合名誉館長   ボルネオ・ジャングルスクールについて

ジャングルスクール高橋校長   橋本佳明主任研究員

ラハダ・トゥ サイエンススクールの生徒たちからもボルネオの文化について紹介がありました。右下の画像は引率のAZIZ(アズィズ)先生です。学校ではアラビア語を教えている先生です。

サイエンススクール生徒によるボルネオの紹介   引率のAZIZ先生

 緊張の中、いよいよ交流タイムの始まりです。名刺交換や折り紙、プレゼント交換の中で緊張していた顔つきもお互いに笑顔になってきました。

プレゼント   握手!

自己紹介    プレゼント

自己紹介    自己紹介

名刺交換    女子チーム集合!

最後は班員による自己紹介で交流タイムを終えました。

班員紹介   班員紹介

班員紹介

引き続き夕食、入浴、ボルネオについてジャングルスクール高橋校長、ひとはくの太田研究部長の講義で一日が終わります。

今回のジャングルスクールは日本で実施されますが、いろんな分野の研究員の先生に協力をいただいています。様々な分野について専門的解説、そして国際交流が魅力となっています。この夏もたくさんの体験と思い出を作ってくれることを期待しています!

情報管理課 阪上勝彦

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして33

 

生き方を変える病(やまい)-2

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

Report_Aahasia.JPGのサムネール画像 

 

 NPO法人全国失語症友の会連合会と作成ワーキンググループがまとめた報告書『「失語症の人の生活のしづらさに関する調査」結果報告書』 (1) を読みました。「生き方を変える病(やまい)-1」に引き続き、この報告書を読んだ感想を書きます。

 

 失語症になると、若いのに――つい「若くて体力もあるのに」と書き掛けたのですが、失語症は高次脳機能障がいの一種ですから、疲れやすいのです。その事を身を持って知っているので、あわてて「若いのに」とだけ書き直しました――再就職や復職は難しいのです。「失語症全国実態調査」 (2) 障害者職業総合センターが行ったアンケート調査 (3) も見てみましたが、同じ結果でした。どのアンケートでも、データの補正を入れれば失語症者の復職率は2~3割程度だそうです。失語症者は言葉を話せなかったり、聞いてわからなかったりするのですが、社会人としての知性は保っています。それでも再就職や復職は難しいのです。なぜでしょう? 純粋な失語だけという人は少なくて、マヒのある人が多いことと関係しているのでしょうか?

 

 報告書によれば、「企業が新卒採用選考にあたって最も重視する要素は、2012年まで9年連続で『コミュニケーション能力』であった(日本経済団体連合会、20127月)」そうです。また「コミュニケーション能力が『人間としての価値基準』として取り上げられることが増えた、と考える人も少なくない(伊藤剛寛、日曜の朝に、読売新聞くらし・家庭欄、201333日)」と述べています。その上で失語症は「言語を用いるすべての情報処理能力に影響を与え、たとえ十分な言語リハビリテーションを受けたとしても職業遂行に必要とされるレベルの言語能力を回復することは極めて困難な障害である」と言っているのです。

 

 ここに挙がっている「理想的な人間像」からは、「円滑な人間関係の中で、流暢(りゅうちょう)な『コミュニケーション能力』を駆使して働く、ビジネスパーソン」がイメージできます。つまり「自分たちビジネスパーソンの価値観を体現した人」が「理想的な人間像」になるわけです。これは利益を最優先する経済団体が言っているのですから、このこと自体、わたしは当然だと受け止めました。しかし、世の中の数多くの人びと――当然、失語症者も含まれます――が、「経済団体の考える価値観が世界のスタンダードで、それ以外はありえない」と思い込むのは、はなはだしい誤解です。

 

 言葉はコミュニケーションの主流です。ビジネスパーソンの言葉であるビジネス英語について考えていました。ただ残念ながら、わたしはビジネスの世界に疎(うと)く、ビジネス英語も流暢(りゅうちょう)に喋(しゃべ)った経験はありません。しかし、何年にもわたってアフリカの熱帯林に住んでいた時には、自然とアフリカ式のフランス語を喋(しゃべ)っていました。もちろん、アフリカ訛りのフランス語ですから、アフリカ人以外には通用しません――喋(しゃべ)っても、わかっているだろうに、フランス人は“わからない振り”をする人がいました。その上、アフリカ人でも学校に通った一部の人にしか理解できないのです。フランス語が公用語になる前に学校に通った高齢者や学校に通えなかった女性には通用しない言葉でした。

 

 決してアフリカ式フランス語は、民主的でユニバーサルな言葉ではないのです。それでも、さまざまな民族がひと所に住み、村ごとに母語が異なるのがアフリカです。かの地には、是が非でも共通語が必要だったのです。この言葉がなければ、国家としてはまとまらないからです。そういう意味でアフリカ式のフランス語は、もともとスマトラ島の一地方の言葉を国語にしたインドネシア語とか、場合によったら日本標準語も親戚と言うべきかもしれません。ビジネス英語も似た人工言語でしょうか?

 

☆   ☆

 

 もっとも、日本の経済団体が言う「コミュニケーション能力」は言葉に限りません。ビジネスを円滑に進めるための段取りとか、周りの人からの信頼とかも含まれます。その上、霊長類学から見ると、コミュニケーションは、元来、言葉に限ったものではありませんでした。たとえば赤ん坊は言葉は喋(しゃべ)れませんが、立派におとなとコミュニケーションをしています。失語症者は言葉は話せませんが、社会人として恥ずかしくない、常識的なコミュニケーションは可能なのです。ということは、失語症者の雇用を拒んでいる本当の原因は、失語という状態ではないという事になります。では、いったい何なのでしょうか?

 

 わたしはそれを、「自分たちとは異質な存在」、つまり「周辺に生きる何者か」への恐怖ではないかと思うことがあります。「周辺に生きる何者か」とは、昔は〈死者の霊〉のことでした。今は「周辺に生きる何者か」自体が人びとの概念から一掃され、地域に生きる者は誰でも、皆、人権のある市民になりました。しかし、どうしても自分とは違う何者かがいるとしたら、どうでしょう。人は知らず知らずの内に、その存在を避けてしまうのではないでしょうか?

 

 こんな事を書くと誤解(ごかい)を受けそうです。第一、わたし自身が失語症者ですが〈死者の霊〉ではありません。自分を弁護する意味でも、この事は丁寧(ていねい)に説明しておきましょう。

 

 普通の人は、さほど苦労しなくても、言葉が喋(しゃべ)れます。音を聞き、言葉と認識して、概念を構成し、内言語を作って、それを模倣して筋肉を動かす。これだけの複雑なことが苦労なくできるのです。少し変わった人では、音が聞こえなかったり、発声する筋肉を動かすことができなかったりします。ですが、そんな人のことは何となく理解できます。そのような人は(だいぶ変わってはいるけれど)、市民として認めてあげましょう。

 

 しかし、失語症者は違います。どうしても理解できません。「脳のどの部位にダメージを受けたかで、状態は異なる」だの、「ダメージを受けた部位の大きさで回復の程度が異なる」だのと聞かされても、つい数か月前までは当たり前の人のひとりだったのです。それが急に「得体の知れない何者か」になるなんて。ましてや、その得体の知れない存在が「人間の理性」を保っているとしたら、一体、それを何と呼ぶべきなのか。こちらの(=普通の人間の)理性の方が壊れてしまいそうです。

 

 書き過ぎました。ここに書いたことは、今の日本では、とても認められません。でも、先の経済団体の報告を書いた人びと、というより、その人びとに代表される「普通の感覚を持った人びと」が、そうとは知らずに失語症者を排除してしまう理由は、こうでも考えなければ失語症の当事者として理解しきれないのです。

 

☆   ☆

 

 今、企業は脇目もふらずに利益を求めるのではなく、「企業の社会的責任」を果たさなければいけないと言われるようになりました。規模の大きな企業が中心です。よくCSRCorporate Social Responsibility)と略称されています。「人は一人前になったら権利と共に社会的責任を果たしていく。企業は利益を探る組織だが、人と同じようにその権利は社会的責任とセットになったものだ」という考え方です。平たく言えば「会社も、いつまでも我が儘(わがまま)な子どものように振る舞っていないで、早くおとなになれよ」ということです。

 

 CSRを企業のイメージ戦略だと誤解している経営者が多いそうです。しかし、まったく別のものです。今では、ぼんやりして社会的責任を果たさない企業の株価がどんどん下がってしまう、といったことまで起こるそうです。

 

 中小企業は大企業のようにCSRとは言いませんが、中小企業の社長は、大企業のように法人と個人の人格が別のものというより、個人の中に利益を探る権利とその社会的責任が混在していると考えたらどうでしょう。そう考えれば同じことです。

 

 CSRでは企業の利益を求める権利を認める代わりに社会的責任を果たそうとします。ヨーロッパの個人主義に近い気がします。アフリカのピグミーやサモアの伝統的な社会、ミャンマーの山岳民族の社会でも、人の生き方がさほど違うわけはありませんから、CSRに「真っ向から反対する」ことはないのでしょう。でも別のその社会にあった〈しきたり〉があると思います。現代の日本の企業規模では、CSRの求める社会的責任論が合っているのだと思います。

 

 そのCSRです。失語症者をはじめ障がい者には、多くの就労可能な人がいます。それも福祉就労と呼ばれるものではなく、その人がもともと身に付けていた労働の冴えで働くのです(若者なら“スキル”とでも言い出しそうです。でも、わたしたちの世代は“スキル“という、わけの分からない言葉では、ごまかされている気がします)。障がいで元していた労働ができなくても、身体の中にはその経験が生き残っています。その経験を活かさないで、何がCSRでしょう。

 

 企業が口触りのいいものだけを並べても、それを「おいしい」と言ってくれるのは利害のある人だけです。「企業風土」というものがあるとしたら、それを遊び道具のようにしてはいけません。立派なおとなとしての社会的責任を果たすべきです。

 

 わたしはそう思います。

 

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(1) 『「失語症の人の生活のしづらさに関する調査」結果報告書』(NPO法人全国失語症友の会連合会と作成ワーキンググループ,2013

http://www.japc.info/2013-3-25.pdf

 

(2) 「失語症全国実態調査」朝倉ほか(2002)失語症研究 22: 241-256.

http://ci.nii.ac.jp/naid/110007558217

高次脳機能障害全国実態調査報告」種村ほか(2006)高次脳機能研究 26: 209-218.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/hbfr/26/2/26_2_209/_pdf

も出ています。

 

(3) 障害者職業総合センターが行ったアンケート調査は、「失語症のある高次脳機能障害者に対する就労支援のあり方に関する基礎的研究」(サマリー)

http://www.nivr.jeed.or.jp/download/houkoku/houkoku104_summary.pdf

に、調査研究報告書「失語症のある高次脳機能障害者に対する就労支援のあり方に関する基礎的研究」

http://www.nivr.jeed.or.jp/download/houkoku/houkoku104.pdf

にあります。

 

(4) 全国失語症友の会連合会のホームページに、わたし自身が書いた『ヒトは人の始まり』の案内を載せて下さいました。

http://www.japc.info/japc_6.htm#ヒトは人のはじまり

 

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

   みなさん、夏休みはいかがお過ごしですか?
この夏もひとはくでは、楽しく学んで体験できるイベントをたくさんご用意しておりますので、ぜひ、多くの方々にご参加いただけたらと思います。

いよいよ8月からは新しいデジタル紙芝居、「くるりん・ひらりん空のたび」の上演が始まります。今回のお話はアカマツのタネが主人公です。アカマツのタネの出会い、別れ、そして成長を描いたスペクタクル巨編です。ぜひ、ご覧ください。

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~8月のイベント予定~

●3日(土)…三田サイエンスフェスティバルでは、多くの学校・サークルの方と楽しい実験や観察、ものづくり等が体験出来ます。ひとはくのフロアスタッフは、大人気の「アンモナイトの万華鏡」をみなさんと作っていきます。(場所 ホロンピアホール  材料費・無料)

※10:30~・11:15~・13:30~・14:15~ の4回開催となります。定員は各回先着15名 各回15分前から整理券を配布。

●3日(土)、4日(日)…ゆめはくペーパークラフト。(場所 3日:実習室 4日:中セミナー室  材料費 100円)

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●10日(土)、11日(日)…きょうりゅうモビール。(場所 4階ひとはくサロン  材料費 無料)

●17日(土)、18日(日)…画はくの日。(場所 来てのお楽しみ♪♪  材料費 無料)

●24日(土)、25日(日)…ひかる生き物。(場所 4階ひとはくサロン  材料費 100円)

●31日(土)、9月1日(日)…へんしん☆だんごむし。(場所 31日:実習室 1日:4階ひとはくサロン  材料費 100円)

 

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さらに、12日(月)~16日(金)、31日(土)は、とっても簡単化石のレプリカづくり。4階ひとはくサロンで行います。材料費は100円です。

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みなさんのご来館を、スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。 

                                     たなかひろし(フロアスタッフ)

毎年ひとはくが実施していたボルネオジャングル体験スクール。今年は毎年現地で交流のあるラハダ・トゥ サイエンススクールの生徒を招き、ひとはく多様性交流事業「ボルネオ+One in 丹波」として実施されます。

今日は、ラハダ・トゥ サイエンススクールの生徒4名と引率の先生1名が関西空港到着後、三田市にある兵庫県立人と自然の博物館にやってきました。

  ようこそ日本 人と自然の博物館へ     

 お出迎え  来館したお客様(子どもたち)よりメッセージ         
16時50分 兵庫県立人と自然の博物館に無地到着

   応接室にてお出迎え  サイエンス・スクールより記念品の贈呈 

   中瀬館長より歓迎の挨拶

館内見学1  館内見学2

   館内見学

  収蔵庫棟見学1  収蔵庫棟見学2

   収蔵庫見学

 
明日からは日本の小学生8名、中学生9名、高校生1名が加わり丹波市青垣町にある丹波少年自然の家を中心に3泊4日で交流事業が始まります。

AZIZ BIN SARAIL先生 と MOHD SAIFUL RIDZUAN BIN MOHD ALIくん NUR IZATIE BINTI NURDINさん MOHD SUZAIMI BIN SUBARTOくん NUR FATIHAH BINTI MUHAMMADさんの4人です

情報管理課 阪上勝彦

7月23-28日に、加西市立善防公民館にて「ひとはくキャラバンin加西」を開催いたしますが、関連事業として7月27に「トンボとヤゴの顔合わせ」というセミナーを公民館横の皿池公園で実施します。皿池で魚や水生昆虫を採集してみませんか?採った生き物は先生が名前を教えてくれるので、夏休みの自由研究もこれでばっちり?!詳しくはhttp://1.city.kasai.hyogo.jp/zembo/ をご覧ください。

 

【7月27日(土) 当日の様子】

 朝、皿池公園に移動博物館車 ゆめはくが登場!
さっそく展示準備。側面のドアを開け、手すり、階段、顕微鏡、モニターなどを設置し、瞬く間に小さな博物館へと様変わりしました。

移動博物館車 ゆめはく

 

今日のテーマは「トンボの親子合わせ」。
田中研究員より親トンボとその幼虫(総称:ヤゴ)について解説がありました。トンボと言ってもたくさんの種類があります。

ゆめはく内部 今日の展示は「トンボの親子合わせ」

 

解説を聞いた後は、顕微鏡を使って水生昆虫であるヤゴやトンボについて詳しく見てみよう! 

顕微鏡で観察


ゆめはくだけでなく、この日セミナー受講者の子どもたちは、大勢で皿池に入り、魚や水生昆虫を採って楽しく過ごしました。

情報管理課 阪上勝彦

みなさん、夏の暑い日が続いていますね。(-_-;)

梅雨も明けて夏本番! 元気に毎日をお過ごしでしょうか?!(^^)!

 

さて、兵庫県立人と自然の博物館(ひとはく)は、家族全員で外出し一定期間涼むことができる県立施設「クールスポット」に設定されていることをご存知でしょうか?

ひとはくでは、たくさんのお客様に、涼しい館内で、楽しくそして充実した時間を過ごしていただけるよう、スタッフ一同楽しいイベントをご用意しております。

 

去る7月6日・7日の「うきうき おりがみ きょうりゅう」では多くのお客様が参加されました。

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みんな楽しくきょうりゅうを折っていました。

折り方の中でも、特に「中折り」という折り方に苦戦していました。

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厚紙を使用しているので、ずっしりとした重量感のある、大きなきょうりゅうが完成!!

土日ということもあって、多くの方に参加していただいたので、たくさんのきょうりゅうをジオラマの台に飾ることが出来ました。

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みんな思い思いの色を塗り、ジオラマ台の上にのせ写真撮影♪♪

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このように、楽しいイベントが盛りだくさんの、「クールスポット」ひとはくに是非お越しください。

 (フロアスタッフ 田中)

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして32

 

生き方を変える病(やまい)-1

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 

 

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 人と自然の博物館は生涯学習施設ですから、元来、さまざまな人たちに、学習の場を提供しなければなりません。ヒトの認識のクセとして、わたしたちは、つい人間をカテゴリーに分けて理解しがちなので、まるで「健常な人」という存在が、普通であるように思ってしまいます。しかし、現実の一人ひとりの人間は、赤ん坊であったり、赤ん坊を連れたお母さんであったり、いろいろな病気や病気の後遺症を抱えていたり、働いていたり、働いていなかったり、学生であったり、お爺さんやお婆さんであったりするのです。そういった具体的な人に学習環境を用意するのが、生涯学習施設としての人と自然の博物館の大切な役割です。

 

 NPO法人全国失語症友の会連合会と作成ワーキンググループがまとめた報告書『「失語症の人の生活のしづらさに関する調査」結果報告書』 (1) を読みました。この報告書を読んで驚いたことがあります。それは、今、失語症になっている人が発症した年代です。調査によると、20歳代から50歳代の働き盛りに発症する人が、全体の6割以上を占めたのだそうです。失語症というのは、脳の血管に異物が詰まる脳梗塞(こうそく)や脳塞栓(そくせん)、脳の血管が破れる脳内出血や事故の後遺症で、さまざまな言語中枢のどれかが働かなくなることです。

 

 脳の血管が悪くなるのは高齢で血管を長年使いすぎたせいで、血管が脆(もろ)くなるのは普段の生活態度が悪かった証拠だ。本人に責任があるのだと、つい当人を責めてしまいます。そうではありませんか? しかし、それなら、発病するのは血管を使いすぎた年齢になってからという事になりそうです。でも、アンケートの結果はもっと若い、働き盛りに発症したというのです。これは高齢であるからというよりも、たとえばストレスの掛かり過ぎでとか、遺伝的な素因があってといった人が多いことを示すのではないでしょうか? いずれにせよ、「ご本人の責任でなった」という事とは違うのではないか? わたしは、そう思ってしまいました。

 

 現在、友の会に参加している方は、圧倒的に高齢者が多い。という事は、少なくともご本人たちは、若い頃に発病なさって、そのまま、就職する機会を得られずに歳を重ねたという方が多いという事です。報告では、失語症者の復職率が低い事が繰り返し述べられていました。

 

 「高齢であるからというよりも、働き盛りに発症した人が多い」かどうかを印象ではなくて、科学的に言うためには、本当は、当事の人口ピラミッドと発症した年齢の構成をよく比べてみなければなりません。時代ごと、世代ごとに、年齢によって構成人口が異なるからです。医学では高齢者の発症がもっとも多いと言っているのですから、確かに使いすぎた血管の不具合という面があるのでしょう。しかし、わたしには、思っていたよりも働き盛りの発症が多いという印象は拭(ぬぐ)えませんでした。

 

 失語症の友の会というのは、同じような症状の人が――同じような症状の人はいますが、全く同じ症状の人はいません。脳の中のいくつかの言語中枢は、それぞれ別の機能を持っていて、どこが、どれくらいダメージを負ったかは、人によって違うからです――集まって、仲間でリハビリに励(はげ)んだり、楽しみを見つけて社会活動をするための集まりです。

 

 失語症の友の会は、1980年代に日本各地に作られたそうです。それなら1980年代までは、失語症者はどうしていたのかと気になりました。病気の治療は病院で受けられますが、失語症は病気ではありません。後遺症です。もう病気の治療は終わったのです。だったら退院するのがスジです。しかし、失語症になってしまった人はどうしていたのでしょう?

 

 家庭に余裕のある人は家に留め置き、家庭に余裕のない人は、ひとりで生きて行かざるを得なかったのではないでしょうか?

 

 思えば惨(むご)いことでした。ヒトは本質的に社会的な生き物ですから、社会的に繋(つな)がることができなければ、人の<こころ>は死んでしまいます。働き盛りの年齢でなる認知症、今で言う若年性認知症になってしまったという人もいたような気がします。どうなんでしょう?

 

 「ヒトは本質的に社会的な生き物」という意味では、友の会が果たしてきた役割は、たいへん貴重なものだったと思います。単に「同病相憐(どうびょう・あい・あわ)れむ」ための団体ではなく、社会的に立派な意義をもった団体だと思うのです。

 

☆   ☆

 

 それにしても、失語症の友の会は「高齢者中心の団体」だという印象が強い。これは事実です。今でも、青年や中年の失語症者はいるでしょうに。昔にくらべて、今では健康に気を使う人が増えたのでしょうか? それとも、社会的なストレスが減ったからでしょうか?

 

 どちらも違うと思います。本当に健康に気を使うためには、安定した収入がなければなりません。若い人は(失語症者に限らず)誰でも、今、職に就くのは難しい。わたしの知った方も、職に就こうと苦労なさっています。その中で、健康に気を付けて、昼食を安い弁当や菓子パンで済ますのではなく、栄養に気を配った手作り弁当を、(自分ひとりのために、あるいは若いご夫婦ふたりのために)作り続けるというのは至難でしょう。

 

 安定した職にはなかなか就けないのですから、アルバイトが多くなります。アルバイトだけで生活するために一定の収入を得ようとすると、無理をして、いくつものアルバイトをこなさざるを得なくなります。アルバイトがいくつも重なると、心が荒れます。荒(すさん)んで来ます。そしてストレスが増えてくると思うのです。

 

 健康に気を使う余裕はなく、ストレスも掛かる生活を送るのですから、若くから血管には負担の掛かることが多くなるでしょう。すると当然、脳血管の病気も多くなりそうです。若い失語症者は、以前よりも増えていて当然だと思います。

 

 若い失語症者の団体に「若竹」の会や「若い失語症者のつどい」があります。20歳代から30歳代が中心だと思います。若いだけにコンピュータが使える人もいて――不思議に思えるかもしれませんが、失語症では平仮名や片仮名、ローマ字が理解できなくて、キーボードが使えなくなった人が多いのです――、相互に、たとえば「あ、い、う、え、お」と発音練習をするためのソフトを作ったとか言って、公開し合っていらっしゃいます。それでも若い失語症者は、このような友の会には参加したがらないのです。

 

 わたしには何となく、若い失語症者が友の会に参加したがらない理由が分かります。若い失語症者では、たとえご本人が成人であっても、まだ親自体が若く、十分に世話のできる場合が――親が失語症の子をです――多いのです。結婚をして子どもがいる場合は責任が重すぎるのでしょう。うつになってしまい、家から出られないという方がいました。ことによったら、伴侶やご家族が引きこもってしまう場合も、あるのではないでしょうか?

 

 次に続きます。

 

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(1) 『「失語症の人の生活のしづらさに関する調査」結果報告書』(NPO法人全国失語症友の会連合会と作成ワーキンググループ,2012

http://www.japc.info/2013-3-25.pdf

 

 全国失語症友の会連合会のホームページには、わたしの『ヒトは人の始まり』を紹介していただきました。

http://www.japc.info/japc_6.htm#ヒトは人のはじまり

七夕の7月7日(日)、ひとはくではKidsサンデーが開催されました。 130707kidssunday  (1).JPG  130707kidssunday  (33).jpg

おり姫様とひこ星様が一年に一度、この広~い宇宙で出会えるという日、
キッズたちにはどんな出会いが待っているのかな?

キッズたちの出会いの瞬間をキャッチするため、
出会いの場、プログラム会場をのぞいてみました。

◆『わくわくネイチャー・テクノロジー自然ってすごい!』
  では、よごれにくいカラをもつ、で~んでんむ~しむし『カタツムリ』と
  出会いました。

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 「本当に汚れないのかな?実験してみよう!」カラにマジックでキュキュッ☆
 「カタツムリさん、大丈夫かな?」  
 水を吹きかけてやさしくふくと・・・

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 「お!落ちた―!」
 このすごい!をまねしてできたのが、家のカベにはるタイル。 

「どっちがカタツムリをまねしてできた タイルかな?実験してみよう!」
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 「よごれがすぐとれたから、こっちのタイルだ~!」
 「カタツムリって、すごいね~!」

 仲良くなるには、一緒にあそぶのが一番!
  130707kidssunday  (10).JPG「目が出てきたよ!」 130707kidssunday  (13).JPG             「ぬるぬるしてるよ~」

今回実験に使用したタイルは、株式会社LIXILさんより
ご提供いただきました。ご協力ありがとうございました。


◆サイエンスショー『かざぐるま』
 
 4階サロンには、かざぐるまが作りたいKidsたちが大集合!

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 そよそよ?ビュービュー?
 外に出たら、今日はどんな風と出会えるだろう?

◆run♪run♪Sunday バッタのあかちゃん 
 
 キッズたちはバッタのあかちゃんに出会うため、
 ギラギラおひさまの下、草むらに元気よく飛び出しました。

   

130707kidssunday  (4).JPG 「バッタのあかちゃんつっかま~えた!」

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 八木研究員からバッタについてミニレクチャー  「バッタにもいろんな種類がいるんだよ」

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130707kidssunday  (6).JPG「わたしのバッタはなにバッタかなぁ?」

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◆四季の星空案内☆
 
 そうそう、今日は七夕でした。
 星空案内で、手作りの紙芝居で七夕のお話を聞きました。「なるほど~!」

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 夏の星座の歌や、クイズなどにも挑戦して、今夜☆を見るのが楽しみになりました。

 NPO法人人と自然の会のみなさん、ありがとうございました!
 

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◆いろいろな化石を見よう触ろう
 
 次は、ずーっと昔、何億年も前に生きていた生きものたちに、こんにちは!

  130707kidssunday  (19).JPG 化石はかせの古谷研究員が、キッズと化石との出会いをとりもってくれました。 
  130707kidssunday  (18).JPG                                  

「これ、私が好きなカシパンだ~」

 

 

 

 

 

130707kidssunday  (20).JPG                 「これ、コハクだ!中に虫が入っているよ!」
 化石にやさしくタッチして、もっと仲良くなりました。化石の声が聞こえる化石はかせってスゴイ!

◆あおむしとあそぼう&パネルシアター「はらぺこあおむし」「七夕」

あれ?七夕の笹の向こうにみんな集まってますね・・・

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 あおむし、カブトムシ、チョウチョ、ダンゴムシなど 生きたむしたちに出会えてKidsたちは大興奮! 
  130707kidssunday  (16).JPG「アゲハチョウの幼虫にさわれたよ~!」 

 ほんもののあおむしとの出会いの後は、 パネルシアターで楽しいお話を聞きました。
  130707kidssunday  (22).JPG   130707kidssunday  (15).JPG 「キラキラ光ってふしぎ~」

◆フロアスタッフとあそぼう 「うきうきおりがみ~きょうりゅう~」
 
 ひとはくに来たら、きょうりゅうにも会いたい!
 たくさんのキッズたちがきょうりゅうのおりがみに挑戦しました!

130707kidssunday  (25).JPG  130707kidssunday  (28).JPG 「う~ん・・・どんなきょうりゅうにしようかな・・・」
 

完成! 自分のきょうりゅうを、きょうりゅうの世界に連れていこう!

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◆デジタル紙芝居『アンモナイト物語』
 本日最後のプログラムはフロアスタッフによるデジタル紙芝居。

    130707kidssunday  (30).JPG        「あ~!さっき 化石にさわった アンモナイトだ!」

 

プログラム会場以外でも、ひとはくのあちこちで、Kidsのステキな笑顔と出会いを目撃しました!

130707kidssunday39 (1).JPG「近くの川に、このくらいのオイカワがいたよ!」

130707kidssunday39 (2).JPG 「あ!トノサマガエルだ~」

 

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 次回のKidsサンデーは8月4日(日)です。

クールスポット期間中(2013年7月2日~9月29日)につき、観覧料は通常の半額です。

夏休みの一日を、クールなひとはくで過ごしてみませんか?


(生涯学習推進室/キッズひとはく推進タスクフォース たかせゆうこ)
 

6月29日、30日に岩手県立博物館で開催された「こども☆ひかり キラキラ復興フェスティバルin いわて」に移動博物館車「ゆめはく」が参加しました。

このフェスティバルは、岩手県立博物館が主催で、こどもひかりプロジェクトが共催して、全国のいろんなミュージアムが岩手の子どもたちを応援する体験型のイベントです。

 

様々な展示物や道具を積み込み「ゆめはく」は、6月27日に出発しました。

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▲最後の荷物を積み込むスタッフ                      ▲「ゆめはく」、ひとはくを出発!

 

6月28日午後に「ゆめはく」が盛岡市にある岩手県立博物館へ到着、しばらくすると福島県いわき市にあるアクアマリンふくしまの移動水族館(アクアラバン)も到着しました。両車の共演は今回で2度目です。(前回は福島県の田村市でした。)
フェスティバル前日のこの日は寒い1日でした(盛岡の最高気温が17℃で最低気温が15℃)。
  

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▲緑に囲まれた岩手県立博物館         ▲「ゆめはく」とブルーの車体の「アクアラバン」(右側奥)

 

フェスティバルの2日間「ゆめはく」は、博物館の入口のケヤキの大木の横に設置され、「ゆめはく」の中や「ゆめはく」の近くにテントを張って、ひとはくから持ってきたプログラムをそれぞれ実施しました。
 

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▲ケヤキの大木と「ゆめはく」

 

ひとはくのスタッフは、「キラキラな虫さんたち」、「化石のレプリカをつくろう!」、「風で飛ぶタネ & ひっつきむし(ドロボー)であそぼう!」などのプログラムを行いました。
 

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▲「ゆめはく」に展示された「キラキラな虫さんたち」     ▲「化石のレプリカをつくろう!」

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▲「風で飛ぶタネ&ひっつきむしであそぼう!」

 

フェスティバルの1日目は曇り、2日目は曇りのち晴れでした。

ちなみに6月29日は約2,500人、30日は約3,500人の来場者が それぞれあったそうです。

参加してくれた子どもたち、楽しんでくれましたか?

 

さて「ゆめはく」、次は どこに行くのかな?


岩手県立博物館の職員の皆様、いろいろとお世話になり ありがとうございました。
また、いろいろなミュージアムから参加されたスタッフや関係者の皆さん、お疲れ様でした。

 

                                                 小舘 誓治(生涯学習推進室/キッズひとはく推進タスクフォース)

ひとはく4階ひとはくサロンでは、フロアスタッフによる万華鏡づくりが行われました。

満員御礼


まずはじめにフロアスタッフより河川の生き物について簡単な説明があります。
展示特別企画「水生昆虫を観察しよう」  深田公園「自然の流れ」の生きもののサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像

フロアスタッフによる解説  解説ボード
質問すると、大勢の参加した子どもたちが勢いよく手を挙げて答える微笑ましい場面が多く見られました。

万華鏡づくりスタート  万華鏡づくり
いよいよ万華鏡づくりです。

完成!完成品はこちら


毎週土日は「フロアスタッフとあそぼう」の他にもオープンセミナー(無料)を開催しています。
お気軽にご参加ください。

★明日から7月!ひとはくは「クールスポット指定施設」です。(7月2日~9月29日まで)


情報管理課 阪上勝彦

今日、大阪府立大学 生命環境化学部の学生の皆さんが御来館されました。

「博物館の資料と情報処理」と題した特注セミナーの中で、博物館の資料はどういうものがあるのか、どのように活用されているのかを学ぶため、講義後、実際に収蔵庫なども見学されました。

特注セミナー

ハブとマングース収蔵庫に入る前にコブラとマングースの標本片手に説明

収蔵庫棟の中へ

収蔵庫の中は、収蔵品を害虫等から守るため、ナフタレンの臭いに包まれています。


植物標本について

植物標本を片手に、種類よりも「いつ、どこで、だれが採取したか」が重要だと説明されていました。
大学生相手に、より専門的説明をされる鈴木研究員

ひとはく多様性フロア ~魅せる収蔵庫トライアル~

他にも、昨年10月オープンした「ひとはく多様性フロア~魅せる収蔵庫トライアル~」(本館2階)なども研究員の説明を加えて見学されました。 ここは随時見学できますのでお気軽に御来館ください。お待ちしています。


情報管理課 阪上勝彦

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして31

 

ヒトは「思い込み」で理解する

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 

The_Earth_seen_from_Apollo_17[3].jpg幼い子どもが最初に思い込む「素朴概念(そぼく・がいねん)」では、大地は平らなものですが、本当の地球は球体です。NASAが公表したアポロ宇宙船からの映像

 

 

 一般に、「思い込み」はあまり科学的な態度(たいど)ではありません。中立的な物の見方(みかた)から、はずれてしまう事が多いからです。冷静な判断は「思い込み」を棄(す)てて初めて可能になると言われています。第一、思い込みが強すぎては、人との付き合いもギクシャクしてしまいます。思い込みは偏見を産むからです。相手の人は、その偏見に腹を立てるでしょう。

 

 でも、物事はグループに分けた方が理解しやすいというのも事実です。雑多な物、さまざまな個別の物を、それぞれ別べつに憶えておくのは大変です。とても憶えきれません。そこで、わたしたちは物事をグループに分けることを試みるのです。こうして世界を体系的に理解し始めます。

 

 ただし、変な話に思えるのかもしれませんが、グループに分ける事は、「思い込み」がなければできません。つまり、「偏見」は「理解」につながるのです。

 

 子どもが生まれて初めて果物(くだもの)を見て、グループに分ける時の事を想像してみて下さい。黄色の果物(くだもの)、赤い果物(くだもの)、緑の果物(くだもの)といった具合に、見た目の色で分けていくかも知れません。しかし、現実にリンゴやブドウが食卓に出た時に、その子は戸惑(とまど)ってしまうかも知れないのです。なぜかと言うと、リンゴやブドウの色は、特定の色に決まっているわけではないからです。リンゴは赤と決まっているわけではありませんし、ブドウも紫(むらさき)ばかりではありません。緑のものがあります。

 

 幼い子どもは、見た目で判断しがちなようです。黄色いリンゴは黄色いバナナの仲間なのです。この態度は科学的とは言えません。でも、仮に分けておくのは大切なことです。どうグループ分けしたらいいのか、よくわからないのなら、取りあえず分けておく。そうすれば、後でもっと別の規準で分けることができるからです。果物(くだもの)の場合なら、食べてみることです。黄色いリンゴと黄色いバナナは別物で、どちらかというと、黄色いリンゴは赤いリンゴと同じ味がすることに、食べてみて、初めて気が付くのです。

 

 こんな子どもの理解の仕方(しかた)を、教育学や認知(にんち)科学の世界では「素朴概念(そぼく・がいねん)」と呼ぶのだそうです。「無邪気(むじゃき)な思い込み」とでも言い直せばいいのでしょうか? 人間が、日常生活で、自然に身に付けた知識のことだそうです。ですから、学校で習う理科とか社会、算数や国語の知識とは異なっていることが普通(ふつう)です。

 

 学校現場では、「素朴概念を、学校で教えていく科学的概念に直す方法」といった教え方が、よく研究されたと言う事です。なぜかというと、「素朴概念」は専門家の考え方とは異なりますし、その上、案外、多くの人が疑わずに信じていて、簡単(かんたん)には誤解が解けないからだそうです (1)。学校教育で教える理科とか社会では、誤解を解いて、もう一度、子どもたちに教え直す必要があるのです。

 

 「素朴概念」を学校教育で教える知識の体系に直すのは重要です。「素朴概念」だけでは、複雑な現代社会が理解できないからです。たとえば「わたしたちが住むこの地球は、水平な板ではなく、丸い星のひとつ」だとか、「民主主義では多数の意見を尊重しなければならないが、少数者の意見を無視しても社会が成り立たない」といった事は、「無邪気(むじゃき)な思い込み」では理解できません。「大地が丸まっていないように見える」のは地球が大きすぎるからですし、少数者の意見も大切にするから、多様な未来の可能性が開けるのです。

 

 このように、学校教育で教える知識の体系は子どもたちの将来にとって大切です。しかし、わたしは霊長類学の研究者ですから、教育現場にいる先生がたとは、ちょっと捉(とら)え方の違うところがあるのです。

 

 今の教育システムからは、はずれるのかも知れません。でも、幼い子どもがどう世界を理解するのかは、ひょっとするとヒトのたどってきた進化のプロセスから見直すと必要な事だったという事はないのでしょうか?

 

 たとえば「素朴概念(そぼく・がいねん)」を、〈ことば〉と同じようなものだとは捉(とら)えられないのでしょうか? 〈ことば〉は、赤ん坊であれば、何の苦労のなく憶えられます。多くの子どもは、こうして母語を覚えます。ちょうどそれと同じように、「素朴概念」、つまり「無邪気(むじゃき)な思い込み」を抱く事には、何か科学的な合理主義とはまったく別の価値があるのではないか。ただ単に「子どもの誤解」した「間違いを正す」というだけのものとは違うのではないか。ふと、そんな気がしたのです。

 

 教育現場にいる先生にとっては、子どもの将来が大切です。ですから、現代社会に沿ったものの考え方が大事だと思います。しかし、わたしにとっては、現代社会の価値観を超えた、人(=ヒト)の本質を考えていく作業が、自分の仕事だと思っています。そこでは、変に聞こえる事も言ってしまいます。

 

 本当に不思議な事ですが、わたしたちは、何か物事を分かろうとする時には、おとなになっても「思い込み」で分けていくしかありません。そうする事によって「理解した」と思い込むのです。また、そうしなければ、後のちの理解はできないのです。わたしはこの事に、つい最近、気が付きました。

 

 たとえば、世の中に無数にいる「他人」、つまり「自分以外の人」です。もちろん、お一人おひとりは個別の人間ですから、笑いもし、怒りもします。でも、「他人」を理解しようとすると、個別の人ではなく、「よく笑う人」とか「怒りっぽい人」といったふうに、人をいくつかのグループに分けて理解しようとしていることに気が付きます。その「グループ」とは、よく考えてみると、ただの「思い込み」で分けたに過ぎません。その人が、本当にほがらかで、よく笑っているかどうかはわからないし、いつも不機嫌に怒っているように見えるが、もともと、あまり表情を作らないだけかも知れません。無理やりグループに入れないですむのは、「自分」だけではないでしょうか?

 

 人を理解する前に、まず、その人をグループに当てはめてみる。考えてみれば、これは恐ろしい事です。わたしたちには、人に偏見を貼り付ける下地(したじ)が常にあるということです。でも、ヒトは誰でも、人をグループに分けてみなければ、世の中の仕組みは分からない。仕組みは、科学的な事実のはずです。

 

明らかに矛盾しています。幼い子どもと同じように、いつか「黄色いリンゴと黄色いバナナは別物で、実際に食べてみれば黄色いリンゴは赤いリンゴと同じ味がする」ことに気が付くのでしょうか?

 

 そもそも、科学の知識自体が「時代の空気」や「時代の要請」といった偏(かたよ)りに根ざして広がっているのですから、本当に冷静で中立的な物の見方(みかた)など、存在するかなと思ってしまいます。どうなんでしょうか?

 

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(1) ChinnC.&BrewerW.(1993The role anomalous data in knowledge acquisitionAtheoretical framework and implications for science instruction Review of Educational Research63149に載っているそうです。山縣宏美さんが2001年にお書きになった「理科学習における概念変化のプロセスとその要因」(京都大学大学院教育学研究科紀要, 47: 356-366

http://hdl.handle.net/2433/57399

からの孫引きです。

 

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

みなさま、こんにちは。 sutegosa.jpg  

 

日に日に暑くなってきましたね。

ひとはくでは、そんな暑さも忘れる楽しいイベントをたくさんご用意しております!

 

土・日・祝の1500~から行っているイベント

◆『フロアスタッフとあそぼう』定員はいずれも20名・参加無料

※『うみのカラフルさかな~浮沈子~』のみ有料イベントです。

 

6日(土)・7日(日)『うきうきおりがみ~恐竜~場所: 4Fひとはくサロン

13()14()15日(月・祝)きょうりゅうほねパズル

場所:4Fひとはくサロン

20()21()画はくの日~アンモナイト~

場所:2F生物多様性フロア

 

<有料イベント>

27()28日(日) 『うみのカラフルさかな~浮沈子~

場所: 4F大セミナー室

材料費:100

  

10:301600の時間内、いつでも参加できるイベント

◆うきうきワークショップ

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15(月・祝)ゆめはくペーパークラフト材料費:100

20()恐竜★化石うちわづくり材料費:100

場所は、いずれも4Fひとはくサロンです。

 

◆深田公園うきうき探検隊(ふかたん)

 

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7/28(日)探険テーマは「トカゲを探しにいこう!

今月の隊長は 池田忠広研究員

時間 14001500  集合場所:4Fひとはくサロン

※参加費 無料(別途観覧料・必要)

 

イベントの詳しい内容は「うきうきカレンダー7月号」にのっていますのでチェックしてください。

(うきうきカレンダーはひとはくHPからもご覧いただけます)

みなさまに楽しんでいただけるイベントを毎日ご用意しておりますので、ぜひお越しください!

 

 

(フロアスタッフ まつだ)

 

ひとはくへ急ごう!

2013年6月15日

外は久しぶり雨・・・ですが、本日、ひとはくでは、日本展示学会が開かれています。

日本展示学会
ひとはく4階サロン周辺では、工夫を凝らしたさまざまな展示が催されていますので一部を紹介します。

海のお部屋  サンゴホテル

【海の部屋】 
3Dスコープを用いてサンゴや魚立体的に見ることができるお部屋です。海の中の気分が味わえます。

【サンゴホテル】
サンゴに住んでいる魚やカニの気分でくつろいでください。とにかく中に入ってみよう!

ヒグマの毛皮

ヒグマの毛皮の大きさにビックリ!

ゆめはく  日本に暮らす鳥たちの不思議

 館外では移動博物館車ゆめはくによる展示があります。タカ類やカラ類を中心に多数の鳥たちの剥製が展示されています。 ◆ただいま終了いたしました
「日本に暮らす鳥たちの不思議」と題して布野研究員による「鳥の目の不思議」を解説してくれます。

  アピス同好会
ひとはく連携活動グループ・アピス同好会による「はちみつ」も手に入れることができますよ!
ただいま終了いたしました

これらの展示は本日のみ!さあ、ひとはくへ急ぎましょう!

 
情報管理課 阪上勝彦

6月8日の仙台に引き続き、9日に開催された「こども☆ひかりフェスティバルin ふくしま」にも移動博物館車「ゆめはく」が登場しました。

このフェスティバルは、「こどもひかりプロジェクト」が主催し、全国のいろんなミュージアムが集まり、福島の子どもたちを応援する体験型のイベントです。

福島での会場は福島市子どもの夢を育む施設こむこむ館です。
仙台と同様に、地元の大学の学生さんたちが、ボランティアとして、たくさん参加してくださいました。

 

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▲こむこむ館に到着した「ゆめはく」 ▲みんなで荷物をおろします

 

「ゆめはく」の中での展示「キラキラなむしさんたち」は、大人から子どもまで、たくさんの方に見ていただきました。
この日は約2,700人もの来場者があったそうです。いろんなミュージアムから様々な分野の16の体験プログラムが実施されました。

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▲「キラキラな虫さんたち」の展示では、顕微鏡で拡大したものをモニターでも見れるようになっています
 

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▲会場内の雰囲気

 

 

イベント終了後、“かたづけ”と“積み込み”を終了し、「ゆめはく」は会場をあとにします。
 
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 ▲「じゃあ、またね~」と手を振って「ゆめはく」を見送ります

 

ひとはくに到着した次の日「ゆめはく」から荷物をおろします。

 

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▲「ゆめはく」から荷物をおろして終了!

 

関係者の皆様、お疲れ様でした。また、ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。


「ゆめはく」、次はどこに登場するかな?

 

                                                               小舘 誓治(生涯学習推進室/キッズひとはく推進タスクフォース)

 

6月8日に開催された「こども☆ひかりフェスティバルin せんだい」に移動博物館車「ゆめはく」も参加しました。

このフェスティバルは、「こどもひかりプロジェクト」が主催し、全国のいろんなミュージアムが集まり、仙台の子どもたちを応援する体験型のイベントです。

「ゆめはく」は、6月6日に、ひとはくを出発し、途中の愛知県瀬戸市で粘土(重さ約2トン?)を積んで仙台へ向かいます。

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▲出発直前の「ゆめはく」            ▲瀬戸市で粘土の積み込み       ▲宿泊先の駐車場へ到着

 

「ゆめはく」は、6月7日(フェスティバル前日)に会場の仙台市農業園芸センター(宮城県仙台市若林区)に着きました。荷物をおろして準備にかかります。

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         ▲荷物を「ゆめはく」から下ろす作業

地元の大学の学生の皆さんが、ボランティアとして前日の準備から、たくさん参加してくださいました。会場としてガラス温室も使われましたが、ボランティアの方々が綺麗に拭き掃除をしてくださいました。

 
7s-P6070130.jpgのサムネール画像  8s-P6070121.jpg  9s-P6070119.jpg                  ▲地元の大学の学生さんの協力によって、温室が見る見る会場らしくなって行きます。

 

当日の「ゆめはく」は、「キラキラなむしさんたち」の展示場となりました。

この日は約3,000人もの来場者があったそうです。いろんなミュージアムから16もの体験プログラムが実施されました。

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  ▲8日の朝の「ゆめはく」        ▲たくさんの方に見ていただいた「キラキラな虫さんたちの展示

 

イベント終了後、“かたづけ”と“積み込み”です。いろんなミュージアムの荷物も「ゆめはく」へ積みます。ゆめはくマネージャーの塚本さんの神業で、無事積み込みが完了し次の会場へ移動です。

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   ▲いろんなミュージアムの荷物を積み込んだ「ゆめはく」

 

次の会場は、福島市子どもの夢を育む施設こむこむ館です。

 

                      小舘 誓治(生涯学習推進室/キッズひとはく推進タスクフォース)

もうすっかりおなじみ!?の毎月第一日曜日の『Kidsサンデー』が6月2日、
梅雨らしい曇り空のもと、開催されました。

Kidsサンデーの黄色いのぼりがKidsのみんなをおでむかえ。

20130602kidssunday (24).JPG「ようこそ~!ひとはくで一日、楽しんでくださいね!」

Kidsサンデーのひとはくでは あちこちで Kidsが楽しめるプログラムに参加できます。

★連携活動グループ NPO法人 人と自然の会
の皆さんによる『浮沈子』は、
ペットボトルをぎゅっとおすと、なかで魚が浮いたり沈んだりしてマジックのよう。

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わたしも作ってみたい!という方は、7月27(土),28日(日)の
フロアスタッフとあそぼう『うみのカラフルさかな~浮沈子~』に参加してくださいね!
→くわしくはコチラ

★長谷川特任研究員による
『ニホンジカのホネ・ほね・骨!』では、ホネのお話のあと、

20130602kidssunday (19).JPG「このホネはだれのホネかわかるかな~?」

 いつもはさわれない、本物のシカのホネをパズルのように組み立てました。
「このホネはどこのホネだろう?」           「むっ、むずかしいっ!」

20130602kidssunday (7).JPG  20130602kidssunday (18).JPG
20130602kidssunday (20).JPG  20130602kidssunday (21).JPG

「やったー完成!同じポーズでパチリ!」

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★Kidsひとはく推進タスクフォースによる『自然ってすごい!~水をはじく生きもの~』
では かさ にぴったりの葉っぱを探す実験をしました。
「葉っぱに水を落としたら、どんな水玉ができるかな?」

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「お~!コロコロかとおもったけど、ペチャだ!」

実際に、かさの布を作るときに参考にした葉っぱ、「 ハス」の葉もご紹介。
「葉っぱのおもてにある小さい凸凹が水玉がコロコロするヒミツなんだって!」

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このプログラムで使ったハスの葉は博物館の近くの方から、
「子どもたちの体験のためなら!」と、特別に分けていただきました!
本当にありがとうございました!

Kidsサンデーの前日にハスの葉をとらせていただいている様子↓

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★ひとはく連携活動グループrun♪run♪plazaによる
run♪run♪Sundayの6月のテーマは『ア・メ・ン・ボ』

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深田公園に、アメンボ探しに出発! 「アメンボとれるかな~ドキドキ☆わくわく」

20130602runrun (1).JPG 「アメンボ どこかな~」

              「わーい!やった~!アメンボ つ~かま~えたっ!」

20130602runrun (2).JPGアメンボを取った後は、昆虫博士の八木研究員よりミニレクチャー。
「池のアメンボはどうやってきたんかな?」

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「あ!アメンボ とんだ~!」

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★石田研究員による『いろいろなタネを観察しよう』
では大きな松ぼっくりなどをご紹介。タネの模型飛ばし実験にも挑戦!

「どんなふうに飛ぶのか、よく見てみよう!」

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★人と自然の会の皆さんによる『パネルシアター』では「ねずみのよめいり」「とべないホタル」を
 上映。今の季節にピッタリのお話をきいて、ホタルが見たくなりました。

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★フロアスタッフによるプログラムも大充実でした。
展示室ツアーではひとはくのふしぎをご案内。

「今日は特別にひとはくのふしぎを教えちゃいます!」

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フロアスタッフとあそぼう『カタツムリのクイリング』
では紙をくるくる巻いて、かわいいカタツムリが完成!

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プログラム盛りだくさんの一日で、
多くのKidsが、いくつかのプログラムをはしごして参加してくれました。

次回のKidsサンデーは7月7日(日)10:00スタート!

おりひめとひこぼしの出会いに負けない、ステキな出会いがきっとある ひとはくで
七夕の一日を楽しんでみませんか?
(「四季の星空案内」もありますよ!)

 

                  (生涯学習推進室・Kidsひとはく推進TF 高瀬 優子)

みなさん、お元気ですか?
梅雨に入りましたが、雨が少ない日々がつづいていますね。

ひとはくでは、晴れのときも、雨のときも、毎日イベントを行っていますよ~(^^)/

平日には、「展示室ツアー」「デジタル紙芝居」
「展示室ツアー」は、難しい展示を、クイズをまじえながら、わかりやすく解説しています。
「デジタル紙芝居」は、毎月違う演目で上映しています。
6月は「コウちゃんの60日間」 コウノトリの生態を紹介しています。

土日祝には、「展示室ツアー」「デジタル紙芝居」に加え...
15時より「フロアスタッフとあそぼう」を行っています。

6月15日(土)・16日(日)は「川でさかなつり」参加費:無料・場所:2階展示室
6月22日(土)・23日(日)「リサイクルペーパー工作」参加費:無料・場所:3階展示室
6月29日(土)30日(日)「紙コップでつくる万華鏡」材料費:100円・場所:29日ひとはくサロン・30日大セミナー室

水生昆虫 イベントは、うきうきカレンダーでチェックしてね☆

 

 みなさんのご参加を、スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。

笹山由利子(フロアスタッフ)

 

 

 去る5月30日(木)、「探求入門」の授業の1コマとして、当館太田英利研究部長が「日本

の生物相の成り立ち、生物多様性の現状とその保全-おもに琉球の島々を例として-」の講義を

、兵庫県立長田高等学校視聴覚教室で、1学年40名を対象に行いました。
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▲講義に先立ち、特別非常勤講師の委嘱がありました。

 同校では、高等学校の特色化の一環として、人文科学・社会科学・自然科学分野を深く積極的

に学ぶ「人文・数理探究類型」が、平成25年度より新たに設置され、大学や研究所、企業や博

物館等の研究に従事している職員を講師として招き、「探求」にかかわる専門的な話を聞く授業

が実施されています。
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▲講演中の太田先生、スライドによる説明

 太田先生は、ご自身が研究者となる経緯についての話から始まり、主に琉球列島で今日まで調

査・研究されてきた内容について、スライドを交え熱っぽく語られました。この地域が非常に生

物多様性が高い地域であるとの説明には、受講者も話に聞き入ってました。
 また、話の最後には、現在執筆中の論文の内容にも言及があり、最先端の研究仮説の紹介もあり

ました。
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▲生物多様性の高い琉球の島々

 講義終了後は、十分に時間を取って質疑応答を行いましたが、自分の知識に基づく意見、研究

仮設に対する質問や意見等、質問が途切れることなく、活発な「議論」が繰り広げられました。

「宮古諸島にハブがいない理由」に関する質疑もありました。
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▲質疑応答の様子

 太田先生の発表を通して、研究や探究についてヒントを得たのではないかと感じました。
 この授業の続きとして、この講義の受講者が夏季休業中にひとはくに来館しセミナーを受講し

ます。
 このように、今後も機会がありましたら、高等学校の学びを支援していきたいと考えております。

西岡敬三(生涯学習課)

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トライやる 今日が最終日!


<化石発見!>

DSC_5640_1.jpg   
 かつて温泉町で採取された岩石をさらに細かく割って化石を見つけ出します。

もしかして・・・?  これが「葉っぱ」の化石です!
思ったよりたくさんの化石を見つけ出すことができました。採れた化石は学校への
お土産として渡しました。生徒たちは、トライやるをまとめた新聞として記事に載せるそうです。

 <里山管理>

里山管理のお手伝い  ササ類の刈り取り
  博物館が提唱する三田方式による里山管理を手伝ってくれました。場所は博物館西側の里山。
  樹木の根本に発生するヒコバエや下草(ササ類)を刈ってもらっています。

地表にも光が差し込んでいます
  放置された状態
低・中木の常緑樹等を間引きすることによって地面に光が差し込んでいます。これにより様々な
植物が生育し花を咲かせるまでになっています。右側は対照区として手をつけず放置した状態です。


<トライやる終了の挨拶>

あいさつ  トライやるを終えて あいさつ
ついにトライやるウィークも終了。最後に一人一人あいさつと感想をそれぞれ述べてくれました。
博物館の印象について→「いろんな担当の人が、地味ながら努力している」(1人の中学生談)

 トライやる・ウィーク 無事終了!

この1週間、研究員やSTAFFの方々と接して博物館の裏側や働くことについて印象が変わったと思います。
来週からの学校生活でも、この1週間取り組んだように頑張っていってください。


情報管理課 阪上勝彦

蒸し暑い1日となりました。その中で中学生たちは館内、館外でも熱心に活動してくれたようです。


<ひとはく探検>

収蔵庫棟の中へ  収蔵庫の中へ
  午前中は初日と同じく郵送物の発送準備。午後にはひとはく収蔵庫を覗きに行きました。
扉の向こうは普段は入れない未知の場所です!

日本最後のコウノトリ

 期待も膨らみます。写真は日本産最後のコウノトリです。

<展示準備>

展示棚の設置  展示物の設置
 新たな展示棚の設置を協力して行っています。その後、岩石の展示物をレイアウト。

ネームプレートの確認  展示物とネームプレートの確認
 展示物とネームプレートの確認。展示物を隠さず見やすい位置を考慮して配置しました。


<1日の終わり>

日誌の記入  1日の終わり
 最後には各班が合流します。待っている間に1日の仕事内容を日誌にまとめています。
 明日はいよいよ最終日。いろいろな人たちとコミュニケーションをとり積極的に行動していこう!


情報管理課 阪上勝彦

 

製作:篠山市立篠山中学校

ひとはく2日目。3班に分かれて様々なことを体験しています!

 

<フロアスタッフのお仕事>

朝のミーティング   団体客お出迎え
朝のミーティングに参加。本日の予定を確認します。午前中は、団体客の対応です。

ボルネオ・ジャングルツアー出発!  巨木の中で
いよいよボルネオ・ジャングルジャングルツアーに出発です。
ツアーに参加するにあたって先輩ガイドより諸注意ならびに説明を受けています。

館内放送  お出迎え  
デジタル紙芝居「コウちゃんの60日間」に向け練習を行いました。いよいよ本番が近づいてきました。
館内放送も経験しました。     次は入場するお客様のお出迎えです。

コウノトリの特徴について説明  無事終了!
3人協力して台本を読みました。最後には、コウノトリとシュバシコウ、ツルの違いを説明しました。
最後には、お客様よりたくさんの拍手をいただきました。


<鋳型づくり>

 
本物のアンモナイトの化石を用いて、化石のレプリカづくりで使用する鋳型を作っています。

 

下層に粘土、化石を半分埋め込んで上層にシリコンラバー(樹脂)を流し込みます。
気温が高いので、早く固まってしまうので要注意!とのことですが、完成したこれらを
利用して化石のレプリカづくりが行われます。

<ペーパークラフト材料づくり>

 
夏のキャラバンやオープンセミナーで使用するペーパークラフトの材料を作っています。
モルフォチョウとトリバネアゲハのそれぞれの部位を各人が協力して作ってくれています。
細かい作業ですが時間いっぱいまで作ってくれました。

 明日のトライやるもお楽しみに!

情報管理課 阪上勝彦

ひとはくでは、トライやる・ウィークが3週目に入りました。

今週は三田市立八景中学校、富士中学校、長坂中学校、ゆりのき台中学校、神戸市立有馬中学校、丹波市立山南中学校、篠山市立篠山中学校、丹南中学校から合計14名の中学生を受け入れています。

<挨拶・自己紹介>

 

職員の前ではじめに自己紹介  応援しています!

<発送準備>

 

夏のイベント等を案内を封筒に入れ、発送準備を手伝ってもらいました。
「教職員・指導者セミナー」「しぜんかわらばん」などの案内などが入っています。
今年もみなさんからの申し込みをお待ちしています!

<化石発掘現場の除草>

  三枝主任研究員による解説

三枝主任研究員より三田炭獣アミノドン(小型のサイ上科ほ乳)の足跡の化石の説明を受けました。
ここには、このような足跡の化石ががつながっていることが分かっているそうです。

三田炭獣アミノドンの足跡の化石  三田の哺乳類化石の年代

この化石により、3千数百年前、この地は平野地で土砂が堆積しその後、隆起していったと考えられるそうです。
この化石を守るためにも除草が必要で、除草を怠ると根が化石を傷めてしまいます。

 <マメ科の採集>

マメ科の採集  草笛

3種類のマメ科(カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、カスマグサ)を取っています。しかし、今年は採集の時期が遅すぎたようです。
途中、昔あそびの草笛、葉っぱで音を鳴らすことを教わりました。みんなしっかり音を出すことができています。

草笛  初夏の博物館周辺

梅雨まっただ中ではありますが、6月に入り初夏となりました。暑い1日ではありましたが、明日からも頑張ってください。

情報管理課 阪上勝彦

 

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして30

 

ミュージアムという空間

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 

tamba_ryu.jpg丹波竜(たんばりゅう)は、兵庫県丹波市にある篠山(ささやま)川河床の篠山層群(ささやま・そうぐん)から2006年に初めて発見されたティタノサウルス形類とされる恐竜の化石です。

 

 アミューズメント・パークは、誰でも訪れやすいサービスや施設の作り方を心がけているそうです。その人にあったサービスは心地よく、評判がいいと聞きます。アミューズメント・パークは娯楽のための商業施設ですから、一度来た人がもう一度来たくなるような仕掛けがあって、人びとに、もう一度来たいと思わせることが大切なのでしょう。「人びと」には、乳幼児や子どもとその母親、高齢者や障がい者が含まれていることは言うまでもありません。生涯学習施設は娯楽施設ではありませんが、博物館や美術館も「万人に開かれている」と言うのなら、アミューズメント・パークを見ならうべきです。わたしはそう感じました。

 

 アミューズメント・パークは日常とは違う時間や空間を提供してくれますが、ある本を読んでいると、博物館や美術館も、〈ケ〉に対する〈ハレ〉の空間だという意味の事 (1) が書いてありました。〈ケ〉と〈ハレ〉というのは、民俗学で使う独特の言葉です。確か柳田国男という人が使い始めたのだと思います。

 

 わたしたちの生活は〈ケ〉と呼ばれる日常――労働と休息や、食事と排便・排尿、睡眠といった生理現象など――の連続で成り立っています。本質的に、生きていくために〈ケ〉は重要ですし、〈ケ〉の連続が人生そのものだと言う人までいます。しかし、〈ケ〉の時間ばかりでは窮屈(きゅうくつ)です。息が詰まります。秋の収穫明けで労働が一段落した時には、祭りのような気がハレる時間が必要です。それがなければ人生は味気がありませんし、辛(つら)い生活ばかりでは病気になってしまいます。我われの心を日常からすくい上げ、また次の日常にもどす。そうしてメリハリのある生活をする。そのために編み出されたのが〈ハレ〉なのです。

 

 〈ハレ〉の典型は結婚式です。新郎・新婦が特別な着物を着て式をあげます。結婚とは、わたしの知る限り、たいていの民族でただのお祭り騒ぎではなく、その民族ごとに決まった儀式を行なうものです。その時、お金がかかる場合もあれば、お金は必要ないという場合もありました。いずれにしても新郎・新婦は儀式を済ませて、始めて、夫婦と認められるというわけです。ただ、そうは言っても結婚式にお祭り騒ぎは付き物です。日本の場合、式の後の披露宴(ひろうえん)が「日常のしがらみに縛(しば)られない時と場所」ということになっています。その意味で普通の感覚からは、披露宴こそ〈ハレ〉の典型と言うべきなのかもしれません。

 

 博物館や美術館が「日常の生活感覚を越えた〈ハレ〉の空間だ」というのは、当たっているようにも気もしますが、でも当たっていない気もします。こう言われても、わたしは複雑な心境でした。

 

 なぜかというと、人と自然の博物館に限らず、多くの博物館はお役所が建てた施設だからです。お役所というと、それこそ〈ケ〉を体現(たいげん)したところだと言えそうです。何となく〈ケ〉のイメージが付きまといます。マジメで堅い場所。そこが〈ハレ〉の空間だとは。何という違和感でしょうか。

 

 しかし、人と自然の博物館で言えば、丹波竜(タンバ・リュウ)という〈ハレ〉の展示があるます。丹波竜というのは、大昔に住んでいた恐竜(きょうりゅう)の仲間で、クビナガリュウ(首長竜)の一種です。今では「丹波地方」と呼ばれる地域に住んでいました。絶滅してしまいましたが、その姿は化石になって残っています。それを掘り出している最中なので、その発掘のようすも含めて展示しているのです。この丹波竜の化石のある部屋は〈ハレ〉の空間そのものです。

 

 ボルネオ島(インドネシアの呼び名はカリマンタン島)の熱帯林を模した展示もあります。東南アジアの熱帯林には、そこを生活空間にしている人もいて、もちろん、その人たちにとっては〈ケ〉そのものの場所ですが、展示を訪れた熱帯林を知らない人にとっては、たちまち〈ハレ〉の空間になってしまいます。〈ハレ〉の空間だからこそ、幹(みき)のように見えるイチジクの巨大な気根(きこん)や、そのイチジクの実をつまむ奇妙なクチバシをした鳥、サイチョウの姿を見て、子どもたちは歓声をあげるのです。

 

 丹波竜(タンバ・リュウ)もボルネオ島の熱帯林も、この世に居場所がないわけではありません。丹波竜は大昔のアジアに生きていた(ただし、今はいない)生き物ですし、ボルネオ島の熱帯林は、今でも、そこに行けばちゃんと存在する生態系(せいたい・けい)です。現実にどこかにある(あった)。しかし、日常的には存在しない。そうしたものを、ヨーロッパの言葉で〈ヘテロトピア〉というのだそうです。日本語では、さしずめ「周辺にある場所」とでもなるのでしょうか。

 

 

RainbowTree_SusumuSHINGU_1988.jpg虹の木 rainbow tree 新宮 晋 Susumu SHINGU 1988

 

 ヘテロトピアという言葉は、ミッシェル・フーコーという哲学者が使ったことで有名になりました (2)。フーコーはヘテロトピアを、お祭りの露天(ろてん)が建つ空き地とか、都市で生活をする人びとが狩猟採集生活を疑似(ぎじ)体験できるキャンプ場のような、まさに〈ハレ〉の空間に近いものと考えました。それと共に、延えんと時間が降りつもって始めて成立する図書館や博物館も、ヘテロトピアだと考えたのです。書物や収蔵物は、時間を超えて集めなければならない智恵(ちえ)や知識(ちしき)の体系だという意味です。

 

 丹波竜(タンバ・リュウ)やボルネオ島の熱帯林を展示した空間は、実のところ、〈ケ〉の生活には、直接、役には立ちません。しかし、それでも人びとの生活には必要なものです。必要だからこそ、人びとは集まるのです。それこそが〈ハレ〉の空間であり、ヘテロトピアです。〈ハレ〉の空間やヘテロトピアは、わたしたちの日常生活を活性化するものなのです。

 

 博物館員としてのわたしの思考法は、あまりにも、現実の都合に流されていたのかもしれません。

 

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(1)    長谷川裕子さんの『キュレーション 知と感性を揺さぶる力』(集英社新書)

http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0680-f/

136ページには、「専門化した芸術言語とコンテクストを逸脱し、アートを高次のコミュニケーション・ツールとして再生する試み、アートを通して個人のポリティクス(ミクロポリティクス)をパブリックに向けて表現していく態度と傾向は、文化多元主義に柔軟に対応するものであり、他の分野とのコラボレーションを促進し、同時にグローバリゼーションによって平準化された《日常生活》の均一性に差異をもたらし、活性化する機能をも果たしている。」という文章がありました。

 

(2)    浜 日出夫さんの「他者の場所 ヘテロトピアとしての博物館」(三田社会学 7: 5-16

http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?file_id=26959

にミッシェル・フーコーとヘテロトピアの事が述べられています。また、『キュレーション 知と感性を揺さぶる力』の78ページにも、フーコーの言ったヘテロトピアがどんなものだったかが述べられています。またフーコーはフランス人ですから、「ヘテロトピア」もフランス語読みをすれば〈h-〉の音が抜けますから、日本語でも「エテロトピア」と表記することがあります。

 

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

深田公園の水路にガマが繁茂しているので、トライやるの中学生たちが八木研究員の指示のもとガマ抜きに挑みました。

gamanuki1.jpg  gamanuki2.jpg 

 

ガマは地下で横につながっているので、抜いても抜いても絶えることがありません。あまりに繁茂すると水路に生息しているメダカや昆虫類にとってよくないので、たまにガマを地下茎から抜くのです。

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 水路といっても、臭いヘドロが溜まっています。ドロドロの中に腕を突っ込んでガマを抜き取るには力が要ります。中学生たちは泥だらけになりながら、ガマを引き抜きました。
泥が掻き混ぜられて、臭いにおいがしますが、泥水の中に酸素がまわるので、生き物にはいいことです。
深田公園に自然学習に来ていた小学生は、「くさい、くさい」といいながらも、興味深そうに見物していました。「中学生になったらトライやるで博物館に来たい」という子もいました。

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収穫はガマだけではなく、たくさんのゴミも出ました。自転車も引き上げてしまいました。
誰が捨てたのでしょう。こんな所に自転車を捨ててはいけませんね。

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ガマを抜いたあとは、水面が見えるようになりました。よく見ると、たくさんのメダカが泳いでいました。水面の好きなトンボも戻ってくるそうです。

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ちょっと暑かったけれど、冷たい水で手足を洗ってリフレッシュです。お疲れ様でした。

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                       自然・環境評価研究部  高橋 晃

 

トライやる最終日!

2013年5月31日

トライやるも今日が最後の日です。普段、目にしない博物館の裏側が見えたのではないでしょうか?


<ヘビの分類調査>

 

兵庫県のヘビ類を同定するため、ヘビの胴の中央の体鱗列数や腹板数、尾下板数を数えました。
簡単にいえば、うろこの数を数えました。
触った感触は「背中の鱗は1枚1枚中央が隆起しているが側面に行くほど滑らか」といった感想です。
触ってみないとわからないものですね!


<セミナー準備>

 
「ちりめんじゃこ」に紛れ込んでいる幼魚を取り出し、種別を判別するための封入標本を作っています。
丁寧に真面目に磨いてくれました。おかげで「輝きが違う」との声も!


 
 磨く前と後                     完成!

 
午後は6月に行われるトピックス展の準備を手伝いました。
武庫川上流にもこれだけの種類の魚がいるとは驚きです!

 
火曜日に行った球体づくり。粘土も固まったので、球体に近づけるため余分な所を削り、磨くのみ!
まだ途中ですが、球に近づいてきています。でも、光沢を放つにはまだ先のようです!

   
最後に職員の前であいさつ、それぞれ感想を述べてくれました。

トライやる・ウィークを終えて
充実した表情で博物館から去っていきました。
来週からまた学校で頑張ってください。

ひとはくは来週もトライやるの生徒がやってきます!


情報管理課 阪上勝彦

梅雨のあいまの晴れ日!!

 

 今日は、淡路の灘小学校と沼島小学校の合同での自然学校のお友達がひとはくに来てくれました。

 到着後ただちに「簡単おゆまるレプリカつくり」をしました。

おゆまる選び  ビーカーに入れます  ほんものの化石に触ったよ♪ 

 「おゆまる」を選んだり、ビーカーに入れたり、ホンモノの化石を触ったり……..短い時間でしたが、ひとはくに来た思い出、自然学校の思い出ができたと思います(o^^o)

 

トライやる3日目

2013年5月30日

トライやるも残り2日。他校の仲間とも打ち解けてきたようです。
今日は各学校の先生たちが激励に来られました。

<展示物品の調査>

3階4階にある展示物の名前と個数を調べています。
3階にある動物の剥製の他、4階ミュージアムボックスにあるキノコ類、封入標本、
植物の化石から鉱物まで調査しました。

<セミナー準備>

  DSC_5582_1.jpg
 夏休みに行われるセミナーの準備を兼ねて見本を制作しています。
 テーマは「アジアの家」
 タイ・モンゴル・インドネシアの家をそれぞれ作っているところです。
 セミナーは7月27日(土)~29日(月)それぞれ行われます。完成品はこの日にお披露目?

<収蔵庫棟の整理>

 
 キャラバン準備をはじめ収蔵庫の整理をしています。
 普段、人目につかない収蔵庫には展示物以外にもたくさんの物でいっぱいです。


トライやるも明日を残すのみ。最後まで頑張ってください!

情報管理課 阪上勝彦

トライやる2日目

2013年5月29日

人と自然の博物館のトライやる・ウィークでは、中学校ごとペアを組み3~4名で1班、3班体制で活動しています。
この1週間は同じメンバーで行動します。

本日のトライやる
<キャラバン準備 ~けやき台・藍中学校~ >

      

6月に行われるキャラバン事業で使うアンモナイトの紹介と整理券を準備しています。


<標本づくり ~上野台・狭間中学校~>

標本にしようとしているヘビは「ジムグリ」。普段は地面にもぐっているヘビです。
ホルマリンではなくエタノールによる液浸は、DNAを保存することができます。このあとエタノールの注射も行い2人で1つの標本を作りました。
博物館は、古いもの、珍しいものを見せるだけでなく、未来のために保管し研究に役立てることも
大事な役割の1つだと教えられました。

<ユニバーサルデザイン ~藍・西谷中学校~>

     

ユニバーサルデザインとは、「すべての人のためのデザイン」を意味し、年齢や障害の有無などにかかわらず、最初からできるだけ多くの人が利用可能であるようにデザインすることです。

博物館のユニバーサルデザインをテーマにそれぞれが館内を歩き、検討し、独自の改善点について意見を述べていました。

最後に全員集合して、今日1日についてまとめて解散しました。

情報管理課 阪上勝彦

トライやる・ウィークが本格的にスタートしました。

博物館では三田市立上野台中学校、狭間中学校、けやき台中学校、藍中学校、宝塚市立西谷中学校からそれぞれ2名、計10名の中学生を受け入れています。

 

          職員の前で初めに自己紹介                                 応援しています!

                          研究員から「博物館のイメージ」「印象は?」質問されそれぞれが答えています。
                                           この1週間で博物館の仕事を理解してくださいね!

 

セミナーの準備

   

              粘土を測って切り取っています。                       目標はこの「球体」です

 

                                               磨けばこのように光沢が・・・ お楽しみに 


川の調査の事前準備

                                           ゴムボート(カヌー)は魚の生態調査で使用します。
                                                                気分は激流下り?



情報管理課 阪上勝彦

「樹木の見分け方を学ぶ 初級編」の第2回目をおこないました。このセミナーは毎回、博物館収蔵の標本を用いて、対象とする樹木の見分け方を学びます。

今回はバラ科キイチゴ属について標本を観察してもらいました。

初めにバラ科とキイチゴ属の特徴について簡単に説明した後は、検索表をもとにひたすら標本を見つめます。

皆さん真剣に標本を見比べ、気がついたことを書き留めていました。

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自然・環境評価研究部 高橋 晃

植物観察会 in 香美町

2013年5月28日

5月18日、19日に香美町で植物の観察会がありました。
18日は香美町小代区での植物観察会でした。天気も良く、とても気持ちの良い観察会でした。
午前中はふれあい歴史公園で樹木を中心とした植物を観察した後、小代物産館で昼食をとり、午後からは久須部渓谷で渓流沿いの植物を観察しました。

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三田ではすっかり咲き終わっているフジやイタヤカエデがちょうど花をつけていました。

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19日は香美町たかのすの森での植物観察会でした。この日は残念ながら雨に降られる観察会となりましたが、多くの方が参加されました。

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山路は、手入れが行き届いているようで、雨でも歩きやすく、ちょうど目の高さでヤマボウシやホオノキ、ミズキなどが間近に見られました。

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帰りはJR鎧駅から餘部駅に行き、餘部鉄橋を見て戻りました。

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雨だけは止むことなく降り続けていましたが、皆さん楽しんでいただけたようでした。

自然・環境評価研究部 高野 温子

トライやる・ウィークも最終日。最後のまとめとして博物館を紹介します。
皆さんも一度、人と自然の博物館まで足を運んでください。

  

神戸電鉄フラワータウンで降りたら西側に出ます。出たら左(南側)に標識があるので指示通り進んでください。するとエントランスホールが目印です。エントランス広場を抜けて階段下りれば博物館入口です。博物館の入口は3階となっています。(博物館は4階建てです)      

神鉄フラワータウン駅      道順

   
エントラスホール    博物館入口

 

次に人博恐竜ラボの紹介をします。ここでは、実際に行われている化石のクリーニングを近くで見ることができます。その他にもクリーニング中の化石や発掘に使われた道具も展示されています。

 

恐竜ラボ 化石クリーニング実演

  

 博物館は深田公園の中に位置しています。前面には芝生が広がり円形広場や滑り台・迷路もあり、とても楽しいところです。

  円形広場     深田公園

 

    深田公園から見た「人と自然の博物館」のサムネール画像    

  

博物館にはたくさんの展示物があり興味がわきます。土日にはたくさんのイベントがあるそうです。是非見に来てください。

  氷上回廊を通じた淡水魚、植物の分布 こいのぼりがお出迎え

 

最後にこの1週間の振り返りを書こうと思います。最初の1日目は失敗が少し多いと思いました。2日目はお土産を沢山作りました、2日目はお土産を沢山作ったのでとても楽しかったです。最終日の今日、今書いているこのホームページを書く仕事をしています。この1週間を通して少しは成長したと思いました。ご覧の皆さんも是非来てください。

  トライやる・ウィーク 無事終了!   お世話になりました!  

 スタッフの皆さんありがとうございました。

作成者 伊丹市立東中学校

    K.F.

朝から、雲一つない真っ青な青空が広がるひとはくです。

 

 

 明石市立高丘西小学校3年生のお友だちが大型バス2台でひとはくにお越しになりました。

 

 今日はフロアスタッフからあなただけに「特注デジタル紙芝居」が上演されました。

      ダンゴムシ 知ってる?   動く紙芝居です

 

 

 手遊び唄も取り入れた楽しい紙芝居。みんな楽しんで参加してくれました。

歌いながら 腕をグルグル♪ 

 

 

生涯学習課

 

みなさんは「ふかたん」ってご存知でしょうか?

 

ひとはくの研究員が隊長となって、私達フロアスタッフと一緒に、博物館のおとなり・深田公園を探検するオープンセミナーです。

テーマは各回違います。植物や化石、トカゲまで!!

今年のふかたんスケジュールはこちら♪

 

fukatan.jpg 

4月のふかたんは「初夏の鳥をさがそう」。

鳥博士の布野研究員と一緒に深田公園へ鳥を探しにお出かけしました。

 

当日はお天気に恵まれ、小春日和のあたたかい1日。ゴールデンウィークの日曜日ということもあって、たくさんのお客様にご参加いただきました。

 

 

fukatan1.jpg出発の前にひとはくサロンで、望遠鏡や双眼鏡の使い方を教わります。マスターできたら、さっそく探検へ!

 

館外へ出たらすぐに、鳥の巣を発見!コシアカツバメの巣がありました。

 

 

fukatan2.jpgここで博士からクイズです♪

コシアカツバメの巣は何でできているのでしょう?

 

正解は、田んぼの土でできています。知らなかったぁ~(^^

そして、公園の奥に入っていくと…かわいい鳥さんがいましたよ。

 

みんな双眼鏡を大事に抱えて、鳥を見つけると一生懸命探します。

ハクセキレイやムクドリ、カラスやスズメ…。鳥の他にも、気になった植物についても教えてもらいました。

 

高い木の上に、カラスの巣もありました!なかなか場所が分からなかったのですが、探しあてた瞬間はみんな大喜び。

 

fukatan3.jpgみんなで楽しくお散歩しながら、探検できました。

 

いつもは鳥の声は聞こえても、なかなか姿までは見れなかったけど、双眼鏡だとバッチリ、かわいいおかおまで鮮明に見えるんです。感動~♪この双眼鏡はタカの視力と同じなんだとか。すごい!!

マイ双眼鏡を持って、準備万端で参加してくださっていた方もいらっしゃいました。

 

最後に、クイズに挑戦してくださったみなさんは鳥博士に認定♪ということで、認定バッジをプレゼントしました。

 

 

博士といっしょに楽しい探検♪

皆様のご参加をお待ちしています(*^_^*

 

 

フロアスタッフ みの あんな

 

 本日お越しいただいた柳学園中学校さま。今回は、特注セミナーを受講されました。

 

 赤澤主任研究員から「ミニ逆さビデオカメラを作ろう」を教わりました。

 出来上がったビデオカメラで早速外の景色を見るために、ファインダーをのぞいていました(o^^o)

  意外に簡単にできちゃう?!   しっかり支えて

 普段見慣れている風景は、どんな風に見えたのでしょうか?また新しい発見をして、ぜひかわらばんにご応募ください。

 

  一方、私はというと、豊能町立東ときわ台小学校のみんなと「おゆまる」を使って簡単アンモナイトのレプリカづくりの勉強をしていました。

  やけどしないように!!   ほんものの化石に触れるよ!!   結構重い!!

 

生涯学習課 やお

残り2日間は情報管理課でのお仕事です。

<情報管理課の1日>

図書の登録

納品された雑誌を台帳に記入、博物館の押印したシールをもってスタッフさんに渡しました。

図書の配架

本の配架、整理をしました。

コピー用紙の配達

コピー用紙など各部屋に届けました。

ラベルの制作、貼付

映像を記録したDVDそれぞれにラベルの制作、貼り付けを行いました。

 途中、中学校の先生が激励に訪問されましたが、本人はいつもの様子とは違ったようです。
明日は最終日!しっかり頑張ってください!!

 
                                  情報管理課 阪上勝彦

 平成25年5月21日(火)、兵庫県高等学校教育研究会科学部会及び生物部会の総会ならびに研究大会が合同で開催されました。
 この会合は、県下の高校で理科を担当されている先生方の会合で、各部会長の校長先生、丹有支部の運営スタッフの先生方のご尽力により、久し振りにひとはくで開催の運びとなりました。
 この2つの部会が合同で開催されることは初めての事で、記念講演としまして当館三枝春生主任研究員による「篠山層群、これまでの発掘の成果」の講演がありました。

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 また、午後からは各部会の議事に引き続き、選択研修として、昨年度開館20周年を迎え整備された「魅せる収蔵庫~生物多様性フロア~」や里山を体感するための「ひとはくの森」、屈指の標本点数を誇る収蔵庫など、参加の先生方にひとはくの魅力を体験していただきました。
 どのコースでも先生方の活発な質問が多々あり、予定の時間を越えて研修は続けられました。研修終了後に早速来館のご相談をいただく場面もあり、単なる見学だけではない、学校からの多様な学習ニーズに応えられる当館の学習プログラムを実感していただきました。

  Aコース「博物館の標本~生物多様性フロア及び生物系収蔵庫見学」橋本佳明主任研究員、布野隆之研究員、山本伸子研究員
  Bコース「六甲山のキノコ展2013~博物館等と連携した高等学校の研究活動」三橋弘宗主任研究員
  Cコース「里山の植物観察~”ひとはくの森”見学」橋本佳延主任研究員

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▲昆虫標本についての解説(Aコース 橋本佳明主任研究員)

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▲植物標本についての解説(Aコース 山本伸子研究員)

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▲鳥類のはく製についての解説(Aコース 布野隆之研究員)

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▲県立御影高等学校が作成したキノコ標本について(Bコース 三橋弘宗主任研究員)

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▲里山を学ぶためのフィールド”ひとはくの森”(Cコース 橋本佳延主任研究員)

 2つの部会をあわせ、150名を越える先生方にご来館いただき、盛会のうちに会合を終えることができました。
 この部会を契機にひとはくをご活用いただくようお願いします。ご相談がありましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。
 (生涯学習課)TEL:079-559-2002

西岡敬三(生涯学習課)

まだまだトライ!!

2013年5月22日

トライやる・ウイーク2日目です。

 

今日は生涯学習課で体験しました。

午前中まずは、印刷用の紙の包みを倉庫から部屋に運びます。結構重いので大変だったようです-写真は残ってないです(゚ε゜;

その後も生涯学習課の日常の業務の一端を体験します。

    200個以上もあったけど、がんばったよ!!

   台車から落とさないように

ご来館されたお客さま(火曜日に研修会が開催されていました)にお配りした資料の封筒の残り分を元に戻しました。そして、使用された名札の中身を抜き出して整理しました。そして、ホロンピアホールにも行って、会場の片付けを手伝いました。

 

午前の部は以上。

 

午後は、日頃生涯学習課で実施している特注セミナーのうち、「葉脈標本のしおりづくり」と「石膏を使った化石のレプリカづくり」を実際に体験しながら、博物館の仕事の一端を垣間見ました。

三葉虫のレプリカに挑戦!!

写真は石膏レプリカの完成前です。

 

そして、写真ありませんが、ちょこっとだけ、収蔵庫も見学しました。

 

 

 

生涯学習課 やお

 

 

 

猪名川河川敷には、陸生のホタル、ヒメボタルがいます。

明日、5月23日(木)から、4夜連続で、「いながわ・ひめぼたる・うぃーく」を開催します。

現地からの情報によると、ホタルはたくさん出ていて、ちょうど見頃とのことです。
4日間とも、お天気よさそうです。ぜひおこしください。

JR「北伊丹」駅に、19時から19時30分の間に集合ください。順次出発いたします。
猪名川河川敷まで、ぶらぶらと30分近く歩きます。
道中では、大阪空港の夜景もキレイです。都会の中の別世界をお楽しみください。

※ 現地に駐車場はありません。くわしくは、こちらをごらんください。


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八木 剛(自然・環境評価研究部)


今年もトライやる!

2013年5月21日

今年もやってきましたトライやる・ウィークの季節!
ひとはくでは今週、伊丹市立東中学校から1名を受入れトライやるを実施しています。
はじめに職員の前でしっかりと自己紹介をしたあと、ひとはくの業務体験が始まりました。

<本日のスケージュール>

  ・朝ミーティング       朝ミーティング  
  ・館内巡回
  
  ・団体客お出迎え     団体客お出迎え
  ・イベント準備作業・館内放送練習など
  ・デジタル紙芝居練習
     ・館内放送実施           館内放送
  ・展示室ツアー見学
  ・デジタル紙芝居     デジタル紙芝居

この日限りではありますがフロアスタッフのお仕事を体験しました。
団体客のお出迎えでは、偶然にも小学校時にお世話になった先生と再会ということがあったようです。

明日は別のお仕事が待っています。この一週間、博物館の仕事をしっかり経験して頑張ってください。


情報管理課 阪上勝彦


5月12日は晴天になり、風もなく穏やかな一日でした。

朝早く、ひとはくを出発して、赤穂海浜公園の中にある赤穂市立海洋科学館へ向かいました。

 

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           ▲赤穂海浜公園と赤穂市立海洋科学館

 

赤穂市立海洋科学館の周辺の案内板や科学館の入口には、

企画展示「わくわくネイチャー・テクノロジー『生きものって、すごい!』」の

ポスターが貼られていました。

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企画展示室の入口の上の方は、こんな感じです。

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さて、この日は企画展示の関連ワークショップ『貝がらで飾りをつくろう!』を展示室のとなり

のスペースで実施しました。

科学館長の黒川様の呼びかけや園内放送をしていただいたおかげで、家族連れの方々が

たくさん参加してくださいました。


高瀬科学コミュニケーターから、貝のこと(貝の硬さ、生態、色など)について、実験をしたり、

標本や資料、拡大装置などを用いて説明があり、生きもののスゴイところを知りました。

 

みなさん興味深そうに聞いていました。


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そのあと、キラキラのアワビの貝がらを使って、可愛い飾りをつくりました。

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キラキラする本物の標本や写真(モルフォチョウなど)を観察してから、キラキラする

飾りをつくっています。大人も子どもも、みんな真剣です。

科学館のボランティアの方々もお手伝いしてくださいました。

作品が出来上がったら、みんな笑顔で写真を撮らせてくれました。

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作った作品、キラキラしています?

 

可愛く出来た飾りを友だちにも見せて、観察したことや体験したことを話してみてネ!

 

                 (生涯学習推進室/キッズひとはく推進タスクフォース 小舘 誓治)

*なお この事業は、JST「ネットワーク形成先進的科学館連携推進型」事業の一環として行っています。

 

6月もフロアスタッフでは、イベント盛りだくさんで、皆様のご来館をお待ちしております♪

※「フロアスタッフとあそうぼう」は、土・日・祝の15:00より 開催いたします。

6月1日()・2日()

「かたつむりのクイリング」

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紙をくるくるまいて、かたつむりを作ろう!

場 所:4Fひとはくサロン

参加費:無料

6月8日(土)・9日(日)

「くるくるとぶたね」

 

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フタバガキのタネってどんな形かな? どんなふうに飛ぶのかな?

自分で作って実験してみよう!

場 所:1F展示室

参加費:無料

6月15日(土)・16日(日)

「川でさかなつり」

 

022.JPG                                                 2階展示室に、川が出現!

         上流・中流・下流…、どんなエサでどんな魚がつれるのかな?

場 所:2F展示室

参加費:無料

 

6月22日(土)・23日(日)

「リサイクルペーパー工作」

 

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ペーパーバックにティッシュケース… 

ちょっとした♪紙のリサイクル工作に挑戦してみよう!

場 所:3F展示室

参加費:無料

 

6月29日(土)・30日(日)

「紙コップでつくる万華鏡」

 

P1060741.JPGキラキラひかる万華鏡を分光シートで作ろう!

場所:29日ひとはくサロン

  30日大セミナー室

料金:100円

 

 

(^^)/ おまちしておりま~す♪

FSうえやま 

 

だいじょうぶ?!

2013年5月 9日

おやおや

 サロンで 誰か ひっくり返ってる!!

 

 

 

 

 

 何かと思えば・・・・・

         昆虫の拡大模型の下に潜り込んでたようです。

 

 

 

 

 結構愉しめます。

 

      大人の方も是非寝転んでみてください

 (あ、写真は撮りませんので、ご安心ください(^^ゞ)

こどもの日スペシャル フロアスタッフとあそぼう!
5月3、4、5、6日の4日間で延べ170名にご参加いただき、
みんなで こいのぼりのウロコのデザインをしました。

下準備は4月の中旬から始めました。試作の段階では
すべて紙で作る予定でしたがなかなかうまく作れませんでした。

 展示中に破れてきてしまうのではないか?立体的にならないのでは?

迷っていましたが、偶然にもエアパッキンを発見!

軽くて扱いやすので採用することにしました。

  s-__ (1).jpgのサムネール画像

大人も子ども 色とりどりのウロコに楽しくお絵描き!

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デザインができたら、こいのぼりに貼り付けます。

最初はこんな感じ 本当に「こいのぼり」になるかちょっと心配。

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 日にちが進むにつれてだんだんコイらしくなっていきました。

そして天井への取り付けもスタッフで行いました。

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あっもう少しみぎへ!あっいきすぎー、もう少しひだりへ!
なんとか形になりました。

じゃーんお披露目 写真では巨大さが伝わらないのが残念((+_+))                                       s-P1150557.jpg s-P1150559.jpg

 

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  参加くださった皆様、ありがとうございます。  すてきなこいのぼりに仕上がりました。

     こちらは5月末まで展示しております。

完成した「こいのぼり」を見に是非ひとはくへお越しください。

             フロアスタッフ  みの あんな ・ せら ゆうこ

 どこからの景色かわかりますでしょうか?

爽やかに晴れ渡った こどもの日の5月5日、
Kidsサンデーが開催されました。

昨年から始まったKidsサンデーは、ご好評いただき、
今月から2年目がスタート!
『第一日曜日はKidsサンデー』と覚えてくださいね。

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Kidsサンデーのひとはくには、小さな子どもたちが
楽しめるイベント・プログラムが大集結します。

※ひとはくでは毎日小さな子どもたちも楽しめる イベントをしています。
詳しくは
コチラ

5月のKidsサンデーの様子を、サンデーの特別プログラム中心に
ご報告します!

 

一日中人気を集めていました!

ひとはく連携活動グループ NPO法人 人と自然の会の
「サイエンスショー スーパー飛行機作り」 

割りばしと紙だけでよく飛ぶ飛行機を作りました!

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同じく人と自然の会による『パネルシアター』。
今回は「もりのくまさん」と「三びきのこぶた」のお話でした。

Kidsたちも大活躍していますね!

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連携活動グループrun♪run♪plazaさんによるrun♪run♪sundayでは
昆虫博士八木研究員と一緒に、深田公園で『けむし』探しをしました。

探した後は、博士から特別レクチャー。「けむしは あしは なんぼんあるかな?」

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Kidsひとはくタスクフォースによる
『わくわくネイチャーテクノロジー 自然ってすごい!~貝~』

では、ぬりえや工作通して、アワビの貝がらのすごい!を発見。
「アワビの貝がら、どんな色が見えるかな?」

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その他にもフロアスタッフのイベントや、
ひとはくの研究員によるオープンセミナーが開催されました。

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6月のKidsサンデーは6月2日(日)です!

KidsのみんなはKidsサンデーで、どんな発見をしたのかな?
みんなの発見を画用紙にまとめる『ひとはくしぜん&キッズかわらばん』
を今年も開催予定です!

(かわらばんの詳細は後日、ホームページなどでお知らせします。)

Kidsサンデーで見つけた「おもしろい!」、「ふしぎ!」の種を育ててみてくださいね!

                                    (Kidsひとはく推進TF)



 

 

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして29

 

博物館ファンは認知症にならない?-2

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 認知症の予防には知的活動がよいそうです。博物館や美術館の生涯学習プログラムなら、学ぶ仲間ができて続けやすくなります。それでも、人によってはもの足りません。なぜかというと受け身だからです。受け身で知的活動をするよりも、もっと能動的になって、自分から何かをするというのが選択肢のひとつです。博物館や美術館のボランティア・スタッフは能動的な活動のひとつでしょう。

 

 「博物館ファンは認知症にならない?-1」では、このように書きました。すると、さっそく感想を書いて、送って下さった方がいらっしゃいます。次のような感想です。文章を損ねないように一部を書き換え、また割愛させていただいたところがあります。

 

 さて、「ユニバーサル・ミュージアム:博物館ファンは認知症にならない?-1」について、感想を一筆。

 

 受講するだけではなく、何らかの能動的活動をした方が良いと言う事、おっしゃる通りだと思います。博物館では色々なボランティアをしておられる方を見掛けます。ただ、私にとっては交通費が高いです。ボランティアをすれば、今より再々行く事になりますので、交通費を思えば、一寸やりかねます。

 

まだ現役で働いていた頃は、色々とやっておりました。ボランティアをすると、結構費用の負担があるものです。会社勤めの頃は、その負担もできました。退職して年金暮らしになってみると、結構出費するのは無理だと思うようになりました。それでボランティア活動を整理し、一つだけ残している現状です。

 

 「ひとはく」は三田(さんだ)にあります。阪神地域からは遠いので、都市部や姫路、淡路にお住まいの方には交通費がかかります。その分、丹波や篠山、但馬にお住まいの方は来やすいかもしれません。ただ、三田(さんだ)の方と共に、人口密度が高いところの方が、よくいらっしゃるのは事実です。そんな方にボランティア活動を無理を勧めていると誤解されたのでしたら、申し訳ありませんでした。そうではありません。市民団体や子ども会、老人会、公民館なら身近にもあるはずです。そんなところで、何か自分から発案してやる。そんな活動が見つかれば、それにこした事はないのです。感想を書いて下さった方も、「ボランティア活動を整理し、一つだけ残して」、それに力を入れておられるのですから、それで十分です。付け足す事は何もありません。

 

 感想をいただき、本当にありがとうございます。こうする事で、一方的に書くだけ・読むだけではなく、双方向のコミュニケーションが成立していますよね。

 

☆   ☆

 

 さて、

 

 今の方もおっしゃいましたが、博物館や美術館のボランティア・スタッフというと、ボランティア側がが一方的に負担を背負ってしまいがちです。しかし、そんな活動には無理があります。無理がある活動は、とても勧められません。それを乗り越えるうまい方法はないものでしょうか。

 

 視覚障がい者の広瀬浩二郎さんは、アメリカのスミソニアン博物館という有名な博物館群・教育研究複合体を訪れた時の事を書いています (2) 。広瀬さんはスミソニアン博物館の内、アメリカ歴史博物館やホロコースト博物館、ハーシュホーン・ミュージアムという現代美術を展示している美術館を見学したのですが、そこでは視覚障がい者に対応できるおじさんやおばさんが案内をしてくれました。おじさん・おばさんの多くは、定年後の自らの楽しみのために、ボランティアをしています。一応、視覚障がい者に対応できる訓練は受けているのですが、けっしてマニュアルに従ってというのではなく、視覚障がい者に対応する基本は押さえていても、大部分はそれぞれの個性でやっているのです。広瀬さんによれば、個性豊かなおじさん・おばさんとの「珍道中」だったそうです。

 

 スミソニアン博物館が障がい者サービスに取り組むようになったのは最近の事だそうです。アメリカでは、1990年に「アメリカ障害者法」ができましたが、この法律は、障がい者が公共施設を利用する権利を広く認めています。ですから、スミソニアン博物館にはアクセシビリティ・コーディネーターと呼ばれる障がい者サービスを担当する職員がちゃんといて、各障がい当事者の要望を聞き、可能なかぎり要望に添うように手配してくれるのだそうです。そして広瀬さんが行った時には、このアクセシビリティ・コーディネーターは車イスを使う身体障がい者でした――障がい者サービスを担当する職員が障がい当事者である事は、とても大切です。なぜなら、サービスを受けるべき障がい者の要求を、我が事として理解できるからです。理解のない人が形だけ真似してみても、本当のサービスにはなりません。

 

 そのようなアクセシビリティ・コーディネーターがお世話をして、おじさんとおばさんが「個性」豊かに障がい者と繋(つな)がるボランティアが成立している。このような繋(つな)がりが、「ボランティア」という制度ではなく、どこの街角やコミュニティーにもある、まるで空気のように「確かに存在するが、誰も意識しないもの」になればいいのにと、つい思ってしまいます。

 

☆   ☆

 

 もちろん博物館や美術館は、もともと新しい知識や造形の美しさ、そして、そのようなものがもたらす精神の深みといったものを展示する場所ですから、それを的確に伝える技量が必要です。その事を考えると、プロフェッショナルがやるかボランティアがやるかは別にして、解説は人が人に行うのが基本だと思います。現実に生きている社会のあり方と同じなのです。

 

 おじさんやおばさんは人生経験が豊かです。豊かな分だけ、他人に対しても共感できるのです。〈共感〉とは、身も蓋もない言い方をしてしまえば、他人の不便さ、不自由さへの理解です。その理解の深さです。人間の不便さや不自由さは千差万別ですから、それを機械で補完するのは、きわめて難しい――それもまた必要なことではあるのですが。共感する事は、成熟した人間の証(あかし)です。ですから、ぜひとも、成熟したおじさんやおばさんに助けていただきたい。これが、わたしの思い付いたアイデアです。

 

 わたしが勧めるのは無理のない範囲での事です。皆が皆、「博物館のボランティアになって活躍しよう」などと言ってはいるのではありません。ご近所に活動の場があるのなら、それを活かせばいいのです。それから認知症であっても共感する事は、もちろんできます。成熟の度合いや懐(ふところ)の深さは、認知症でなかった時と何も変わりません。本質的には、人柄は変わらないのだと信じています。念のため。

 

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(2) 広瀬浩二郎(ひろせ こうじろう)『触る門には福来たる 座頭市流フィールドワーカーが行く!』(岩波書店、20046月発行) 

 

hirose_book.JPG 

 

 同じ話題は、広瀬さんのブログ「テリヤキ通信」の中の「『ユニバーサル・ミュージアム』って何だろう(1)」にもあります。

http://www.minpaku.ac.jp/museum/showcase/fieldnews/staffletter/hirose/teriyaki03


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 オリジナルのブログでは、佐村河内 守(さむらごうち まもる)さんの話題を挙げてありましたが、佐村河内さんの ろう の症状や作曲家としての言動には虚偽が混じっていることが明らかになりました。佐村河内さんに関する文章は削除しました。

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

子どもたちに人気のダンゴムシ.....。神戸市周辺にはふつうのオカダンゴムシの他に
ハナダカダンゴムシ Armadillidium nasatum がたくさんいることがわかってきました。
P1020949a.jpg 
上の写真は3匹ともハナダカダンゴムシです。
ふつうのオカダンゴムシに比べて、やや細長く、背が低く、動きも速いです。
色は白っぽい模様がはいりますが、黒い個体もいます。
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二本の触角の間に突起があって、「鼻が高い」ダンゴムシです。

P1040172a.jpgP1030516.JPG
(左写真)左はオカダンゴムシ、右がハナダカダンゴムシです。
     なれないとわかりにくいかもしれません。
(右写真)オカダンゴムシともよくいっしょにいます。
     右中央の黒光りして、濃黒色の個体はオカダンゴムシで、
     それ以外はハナダカダンゴムシです。

P1030532.JPG P1030829.JPG
(左写真)地面に転がったコンクリ片の裏側にくっついていることが多いようです。
     写真は拡大できます。オカダンゴムシが数匹混じっています。
(右写真)地面の方にいることもあります。丸まっていることは少ないようです。  
     丸まっているのはオカダンゴムシです。


背が低く、動きが速いのでワラジムシに誤認されやすいです。
P1040195a.jpg P1030511a.jpg
(左写真)左がハナダカダンゴムシ、右はフトワラジムシです。
 ワラジムシは2本の尾がはっきりとわかります。
(右写真)ハナダカダンゴムシにオカダンゴムシ、ヤマトサトワラジムシがいます。
 難易度は高いですが、区別できるでしょうか?

HanadakaKOBE.jpgのサムネール画像

4/30時点での神戸市周辺でのハナダカダンゴムシの分布図です。
1051地点のうち、275地点でハナダカダンゴムシが見つかっています。
北は三木市、西は明石市まで見つかっています。
東は神戸市東灘区にはほとんど見つかっていません。

ハナダカダンゴムシはオカダンゴムシと同様にヨーロッパ原産の外来種です。
これまで日本国内では6例の報告はありましたが、
神戸でこんなに広がっていたとは全く予想外でした。

もっと広い範囲に分布している可能性は高いです。
ハナダカダンゴムシらしいものを見つけましたら、添付写真で
suzukiアットマークhitohaku.jpまでご一報下さい。

調査や情報収集には多くの方にお世話になっています。
この場を借りてお礼申し上げます。

(鈴木 武)










先日、4月27日(土)から始まる『わくわくネイチャー・テクノロジー展 「生きものって すごい!」』の準備に、

赤穂市立海洋科学館に伺いました。

今回も、移動博物館車「ゆめはく」が出動です。

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▲今年度も大活躍の「ゆめはく」


科学館は、兵庫県立赤穂海浜公園の中にあります。
この公園の「太陽の門」付近には、展示の看板がありました。

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▲太陽の門                  ▲展示のかんばん

 

科学館の黒川館長が自らお出迎えをしてくださり、展示物の搬入もお手伝いくださいました。
(黒川館長様をはじめスタッフの皆様ご協力、ありがとうございました。)

キラキラの「モルフォチョウ」やキラキラの「こうちゅう」などの(構造色がキレイな)標本が展示されています。

標本をじっくり(見る角度を変えて)観察してみてください。

展示室には、巨大な「○○○○ムシ」も来ています。

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▲巨大な「○○○○ムシ」

 

この展示は、6月2日まで科学館の企画展示室で開催されています。

なお5月12日(日)には、キラキラのアワビの貝殻でかわいい飾りを作る
ワークショップ(開始時間:11時~と14時~、それぞれ先着20名を対象)を
開催する予定です。

科学館の開館時間は、午前9時~午後4時30分(入館は午後4時まで)です。
(なお5月5日(祝)の子どもの日は、小中学生の入館料が無料だそうですよ。)

みなさん、展示を見に来てくださいね。(あっ、「ひとはく」にも来てくださいね。)


科学館の連絡先は、
〒678-0215  赤穂市御崎1891番地の4   電話(0791)43-4192
赤穂市立海洋科学館のホームページアドレスは、
http://www2.memenet.or.jp/~akoharm/marine/

です。

                  ( 生涯学習推進室・キッズひとはく推進タスクフォース 小舘 誓治 )

*なお この事業は、JST「ネットワーク形成先進的科学館連携推進型」事業の一環として行っています。

 

春も早々と過ぎ去り、桜の葉も生茂ってきました。

まもなくゴールデンウィーク突入ですね。

ゴールデンウィークも ひとはく は、休まず営業しております。

毎日楽しめるイベントが盛りだくさん。

 

4月1日からフロアスタッフに新しい仲間が入りました。

田中クンです。ひとはく初の男性フロアスタッフ です!

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もうすでに、小さな可愛いファンがいますよ。

「おにいちゃ~ん!」「おにいちゃ~ん!」っと人気急上昇中です!

頼もしいお兄さんスタッフに会いに ひとはく へ是非お越しください。

新年度フロアスタッフは女性10名+田中クンの11名で頑張ってまいります。

今後とも今まで同様よろしくお願いいたします。

                       フロアスタッフ せら ゆうこ
 

 

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして28

 

博物館ファンは認知症にならない?-1

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 

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 わたしも、いつの間にか「現役世代」の終わりが見え始めました。まだ若いつもりですし、「現役」時代にやっておきたいことは山のようにあります。それに、仮にわたし自身が「高齢者世代」になったとしても、自分なりの活動は続けるつもりです。青年のように活躍している「高齢者」は、いくらでもいます。でも「現役世代」の終わりが見えてきたというのは事実です。こればっかりは、年月(としつき)が過ぎれば誰でも「自動的に歳を重ねる」のですから、しかたないのでしょうね。ただし、わたしの周りでは皆さん、若い時とあまり変わりがありません。その事を思うと「高齢者」や「高齢者世代」という呼び方がおかしいのではないかという気がしてきます。

 

 「お爺さんやお婆さん」というか、おじさん・おばさん(「高齢者」という言葉は便利なのですが、あんまり行政用語過ぎて無味無臭さが、かえって鼻に付きます。この文章は自由なエッセーとかコラムとかいうジャンルですから、「高齢者」と呼ぶよりも、親しみを込めて「お爺さん・お婆さん」と呼ぶべきでしょう。でも歳(とし)から言えば、わたし自身がお爺さんの前段階、いわば「明日のお爺さん」を目指しているのですから、自分より年長の人に親しみと敬意を込める意味で、この文章では「おじさん・おばさん」としておきます)は元気なようでも、どことなく体調が良くない時があります。たとえば高血圧の人は肩がこりやすいと聞きます。高血圧は、糖尿病と並んで生活の仕方が原因でなることが多いものですから、積み重ねた年月(としつき)が長い分、おじさんやおばさんは、なりがちなのでしょう。

 

 認知症もそのひとつです。ただし、今では、昔のように恐がる症状ではないと言われるようです。認知症も高血圧と似たところがあって、元来、年齢とは関係なくなるものです。そのために若い人でも認知症になる事があります。ことによると、高血圧や糖尿病に生まれつきなりやすい人がいるのと同じで、生まれつき「認知症になりやすい体質」の人がいるかもしれません――残念ながら、わたしには正確な知識がありません。

 

 その認知症です。予防法がいろいろあるようです。たとえば、一桁(ひとけた)の足し算・引き算をやるとか、毎日の出来事を日記に書くとかです。名文を書き写すだけでも、効果があると聞いた事があるように思います。そんな認知症の予防法のひとつが生涯学習です。博物館や美術館でやるセミナーやイベントに参加すると、認知症の予防に役立つというのです。

 

 これはまあ、実際は博物館に限らずに、「何でもいいから、知的活動の習慣を持ちましょう」という事だと思います。自分ひとりでやろうとしても、ついつい億劫(おっくう)になってしまいます。よほど好きなことでないと、やろうと決心をするだけでは三日坊主で終わるのが落ちです。そこで、スケジュールが決まっている、たとえば文化センターのセミナーや、最近は大学の市民向け公開講座というのがありますから、それを利用するのです。中でも博物館や美術館の生涯学習プログラムは定期的に開かれていますから、自然と仲間ができるものです。仲間ができると続けられます。ただし、普通は参加費と交通費がかかります。受講料は安い所と高い所がありますが、交通費はバカになりません。

 

 知的活動の習慣ができれば、どんないい事があるのでしょうか? まずノートを取ります――セミナーの講師や講演をしている立場から言うと、話を聞くだけでノートは取らないという方も多いのですが、取った方が「知的活動」っぽいです。それに後から見直せます。いったん聞いた事を思い出すのは脳の活性化につながりますし、講師の言う事を、もっと理解しようとします。どこかに矛盾を感じたら、今度、会った時にでも質問ができます。質問をする時は、ほどよく緊張しますから、これも脳の活性化につながります。そして疑問が湧いたら、それを解決するために新たに本を読みます。本屋に行って本を手に取ったり、図書館で本を探したりします。これが脳にいい事は言うまでもありません。

 

 このような知的活動は脳を活発に働かすのです。しかし、それでも人によってはもの足りません。なぜかというと、やはり受け身だからでしょう。

 

 私営の文化センターは商行為ですから、子どもの学習塾の親戚です。受講者が受け身なのは当たり前です。大学の市民向け公開講座や博物館・美術館の生涯学習プログラムも同じです。受け身でも刺激はあります。しかし、限られたものになりがちです。講師が用意したものしかわかりません。講師が想像力を働かせて、さまざまな年代の人にそれぞれ理解しやすいものを作ってくれればいいようなものですが、それだと受講者ではなく、講師の認知症を防いでいるだけです。講師が考えた以上の事はわかりません。それに講師が何でも知っているなんて、思わない方がいいです。講師のアイデアをもとにして、本屋や図書館で認識を深めれば講師以上のことはわかります。しかし、どうにも窮屈です。自由な学問の発想がありません。既成の権威に縛られない事こそが学問の本質です。本気でやる気になった人にとっては、そこが、どうにももどかしいところです。

 

――認知症の人がこの文章を読んでくれていると仮定して書きます。やる気になる事と、認知症であることは、何も矛盾しません。認知症のクリスティーン・ブライデンさんというオーストラリアの女性 (1) は、自分の脳のMRI画像をスライドにして、世界中を飛び回って講演しておられます。みんなもっと認知症について正しい知識を持って下さいというのが、ブライデンさんの主張です。わたしもそう思います。認知症を必要以上に恐がることはないのです。

 

 もっと能動的になって、こちらから何かをやるというのが選択肢のひとつです。博物館や美術館のボランティア・スタッフは、能動的な活動のひとつでしょう。

 

 ボランティア・スタッフは体力のある人にしか務まらないというのは神話です。確かに体力の要(い)るボランティア活動は多いのですが、でも、人生の先輩であるおじさん・おばさんにしかできない活動があります。

 

 

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 <ひとはく>といっしょに活動をしている「人と自然の会」は、博物館ボランティアというより、自立した活動をする市民団体です。そう断った上でなのですが、その「人と自然の会」の活動として、昔の子どもの遊び、たとえば凧(たこ)揚(あ)げや独楽(こま)回(まわ)しなんかをやって見せて下さいます。

 

 凧(たこ)揚(あ)げや独楽(こま)回(まわ)しを、自分でやってみた方はわかるでしょう。昔の遊びを楽しむには、それなりの練習と技術が必要なのです。やった事のない人が急にやっても、うまくいきません。ただし、コツをつかむと、とたんにうまく遊べます。そのコツを伝授できるのが、おじさん・おばさんなのです。おじさんやおばさんにとっても、子ども好きな人は特に、楽しくてたまらない活動でしょう。

 

 <ひとはく>とは違いますが、各地の民俗伝承館には、昔の遊びだけでなく、今ではやらなくなった農作業や漁労(ぎょろう)や機織(はたお)りの用具などが置いてあります。これを展示品として見るだけでは、おもしろくも何ともありません。実際に、その道具を使ったことのあるおじさんとおばさんが、どのように使うのかを実演してくれて始めて、おもしろいさが伝わるのです。

 

 各地に伝わる、しかし、今は作らなくなった郷土料理もあります。商品になった「郷土料理」ではなく――商品は売れなければ意味がありません――売れないけれど、食べてみればおいしいという郷土料理が、きっとあるはずです。その作り方を教えてくれるのは、その地域のおじさん・おばさんしかいないのです。<ひとはく>でも、できると楽しそうです。

 

 昔の遊びや郷土料理の作り方は、ただ昔を懐かしむというだけではありません。もちろん、その伝承は民俗学的には意味のある行為ですが、それだけでなく、おじさん・おばさんの側にとっては、自分たちの若かった頃の事を回想する絶好の機会なのです。それも受け身で回想をするのではない。自分たちの昔の生活を思い出して、それを伝える。そうすることで感謝される。そして観客(=昔を知らない、現代の生活をする人)は目を見張り、自分たちのルーツを見直すのです。

 

 いかがでしょうか?

 

 次ぎに続きます。続きが、本当に書きたいことです。

 

 

(1) クリスティーン・ブライデンさんは、オーストラリアの科学者です。NHKの福祉ネットワークで紹介されました。

http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/arch/tue/41123.html

 

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

もうすぐゴールデンウィークが始まります。ひとはくも、この期間中たくさんのイベントやセミナーを用意して、皆さまのお越しをお待ちしています。

    こいのぼりをとばそう    体感       化石のレプリカづくりのサムネール画像のサムネール画像  

オープンセミナーは当日参加OK!の申し込み不要のセミナーです。お気軽にご参加ください。          

★ 詳しくはこちらをご覧ください→  ひとはくのG.W.もよおしあんあい

 ★ ゴールデンウィーク以外でも毎の週イベントがわかります。
       

 

◆一部、受講料が必要です。
4月27日(土)13:00~14:00 絵をかき、字を読む、チンパンジー
           14:00~16:00 体感、三角の力 -テンセグリティ編-
           15:00~     こいのぼりをとばそう

4月28日(日)13:00~14:00 道具を使うチンパンジー
           14:00~16:00 体感、三角の力 -トラス編-
           10:30~11:30 丹波の恐竜化石発掘セミナー ◆受講料500円
         14:00~15:00 丹波の恐竜化石発掘セミナー  ◆受講料500円
            14:00~     ふかたん 「初夏の鳥をさがそう!」
           15:00~     こいのぼりをとばそう

4月29日(月)12:30~13:30 フズリナ化石組みたてゲーム
          13:00~13:40 春の植物観察 -深田公園の春の花-
        13:50~14:30 春の植物観察 -深田公園の春の花-
          14:00~16:00 体感、三角の力 -ドーム編-

4月30日(火)10:30~16:00 うきうきワークショップ「とっても簡単!化石のレプリカづくり」 
5月  1日(水)10:30~16:00 うきうきワークショップ「とっても簡単!化石のレプリカづくり」
5月  2日(木)10:30~16:00 うきうきワークショップ「とっても簡単!化石のレプリカづくり」
        ◆とっても簡単!化石のレプリカづくりは受講料100円

5月  3日(金)11:00~12:00 ダイアモンドを拡大して見よう
           14:00~15:00 ダイアモンドを拡大して見よう
                15:00~     こいのぼりであそぼう

5月 4日(土) 12:30~14:30 浮世絵を使って立体カードをつくろう
         13:30~15:30 顕微鏡で水生昆虫を観察しよう
           14:00~15:00 絵本パフォーマンス
           15:00~     こいのぼりをとばそう

5月 5日(日)10:30~11:30 丹波の恐竜化石発掘セミナー ◆(受講料500円)
        13:00~14:00  リトルサイエンティストのためのrun♪run♪sunday  ◆受講料1組200円
                  13:00~15:00 サイエンスショー「スーパー飛行機」
             13:30~16:00 小さな化石を楽しもう
        13:30~14:00 昆虫を大きくして見てみよう
          13:45~14:15 解説!丹波の恐竜化石        
          14:00~15:00 丹波の恐竜化石発掘セミナー
          14:30~15:00 パネルシアター 「もりのくまさん」「3匹こぶた」
          15:00~     こいのぼりであそぼう

5月 6日(月)13:00~13:30 ボルネオ・ジャングルのおもしろい植物
        13:30~14:00 ボルネオ・ジャングルのおもしろい植物
          14:00~14:30 昔の風景を見てみよう!
          15:00~     こいのぼりであそぼう

他にも、デジタル紙芝居(平日15:00 土・日・祝11:00、14:30)や展示ツアー(平日14:30 土・日・祝11:30)など毎日開催しています!

情報管理課 阪上勝彦 

講演会と昆虫たいけん
ムシのお話 5つ星レストラン:春の献立

と題した、ふしぎなイベントが、神戸大学で行われます。

大学って、どんなところ?
昆虫の研究って、どんなの?
専門家って、どんな人?

そんな疑問を持ってる、虫好きのキミ、来てみてください。

各地から、昆虫学の著名な大学の先生がやってきて、昆虫のふしぎなお話をします。超豪華メニューです。
豪華すぎて疲れたときは、生きた昆虫に触れたり、蚊帳で遊んだり、たいけんもできます。大学で虫とりをするという機会も、あまりないですよー
突然変異で11本脚になったクワガタムシの標本も展示されるそうです。
ひとはくからは、オオスズメバチの巨大模型、出動いたします!

ムシのお話5つ星 ← このチラシをダウンロードする。

日時 2013年5月6日(月・祝)10:00~17:00
会場 神戸大学 瀧川記念学術交流会館(文・理・農キャンパス)
参加費無料です。申込不要です。
小学生に来てほしいです。が、どなたでも参加できます。

〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1 神戸大学農学部
● 阪急神戸線「六甲」駅から徒歩15分
● 神戸市バス36系統「神大文理農学部前」下車。徒歩数分。
● 当日は、特別に、文理農キャンパス内に駐車できますが、なるべく、公共交通機関をご利用ください。

共催:神戸大学農学部昆虫科学グループ・兵庫県立人と自然の博物館

(八木 剛@自然環境評価研究部)

ラフ・カ・ディオはん でおます。プーン...

今日はヘルンさんとタヨウ星人のコラボ「ヘルンさんとタヨウ星人展」のリポートでおます。プーン...

こんな看板までこしらえていただいて・・・・・

ちんげんさいの松江新作タヨウ星人12点と明治松江タヨウ星人之図、ショートストーリー「ヘルンさんの散歩」など小泉八雲記念館がタヨウ星人の世界におおわれたんでおます。プーン...

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初日は、朝日新聞http://www.asahi.com/area/shimane/articles/OSK201304060067.html

や 山陰中央新報などの取材でおおにぎわいでおます。プーン...

 

会期は4月6日から9月30日まで。場所は松江市の小泉八雲記念館にて。

詳しくはパンフレットにて。 パンフレット

 

ちんげんさいは島根県立美術館や一畑百貨店で展示会とワークショップもするようや。

また、リポートするでおます。

 

 

プーン...あー血吸いたい...

 

 

                 ヘルン系タヨウ星人1号 ラフ・カ・ディオはん

ワシはイノシシダンゴムシ。

 

 3月20日、タケシ君1号2号、ちんげんさいが篠山の町屋ささやまな家にやってきたんや。 014.JPG

 

篠山の住人、ひとはくの河合雅雄名誉館長も登場でおおにぎわい。 007.JPG

 子どもたちはワシの仲間を集めたダンゴムシジャングル(鈴木タケシ君1号制作)やタンポポ、ツクシ、そして、葉っぱの下でうごめく虫たちなど…ちいさな春をみつけたんや。

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ちんげんさいは、冬場は活動がにぶるんやけど、1月にはモトコーにて、モノクロ神戸「陳舜臣の神戸体験 朗読×立版古ぬりえ」をやり、ゲストには怪談レストランのイラストレ―タ―たかいよしかずもやってきた! 001.jpg  002.jpg  003.jpg

 2月には塩屋北小学校にて、講談を聞いて絵をかこう!明石の昔話「化けダコとお后さま」淡路の昔話「細川のおやっさん」を演じるなど、それなりに活動していたようや。

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この日も、ささやまな家でなんとか間に合わせた書き下ろしのササヤマンタヨウ星人の原画展やひとはく勤務5年目になる大文字屋分店の渾身の力作「大紙芝居絵巻」で、主役の兄妹ダイバ君とクヌギちゃんとクロマメダヌキやイガグリダヌキたちササヤマンタヨウ星人とのタヨウなおはなしを熱演しとったわ。

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4月からは松江で半年間も企画展「ヘルンさんとタヨウ星人」をやるらしい…どうなることやら。

 

 

                  ササヤマンタヨウ星人3号 イノシシダンゴムシ

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして27

 

漢字、絵文字、コミュニケーション支援絵記号-2

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

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 コンピュータや携帯電話で使う顔文字には、違和感を覚える人がいます。しかし、顔文字をじょうずに利用する人の文章から、気持ちが素直(すなお)に伝わることがあります。それは違和感を覚えるというよりも、新しい文字種の創造に近い行為です。とても上品な利用の仕方だと思っています。第一、東アジアで使う漢字自体が、もともとはイメージをまねる事で成り立っていたのです。漢字と顔文字が違うところは、使われてきた歴史の長さと、さまざまな人に伝わる社会のルールが確立しているか、いないか、なのではないでしょうか?

 

 漢字にあって顔文字にないものは<象徴性(しょうちょう・せい)>だと書きました。たとえば「赤(あか)」という漢字には、色は付いていないはずなのに、何となく温かいイメージを感じてしまいます。でも、よく考えると、「赤」は「あか」である必然はないはずです。「赤」と書いて「むらさき」と読んでもよかったし、「あお」と読んでもよかったように思うのです。ひょっとすると「赤」という漢字には、どうしても「あか」でなければならない歴史の必然があったのかもしれませんが、それにしても「赤」を「あか」と呼ぶのは不思議な気がします。二色型色覚で、うまく「赤(あか)」がイメージできない人でも、「赤(あか)」を「青(あお)」や「黄(き)」に置き換えれてみれば、わたしの言っている事は了解してもらえるはずです。

 

 それでは、コミュニケーション支援絵記号 (5) はどうでしょう?

 

 よくご存じない方のために、コミュニケーション支援絵記号を説明しておきましょう。

 

 

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 非常口の印(しるし)はご存じですね? 火事の時など、急いで外に出なければならない時のために、いつでも開いている、あるいは開けられる出口の場所を示す記号です。急いで走る人の絵が青っぽく(青緑で?)描いてあります。これが絵記号です。よく目立つ印(しるし)です。たとえ「非常口(ひじょう・ぐち)」と読めなくても、みんながあわてている時には、走っている人の示す方向に逃げなければいけないのだと、すぐにわかります。

 

 トイレの印(しるし)も、よく知られています。男性用と女性用、そして多機能(たきのう)トイレといって、車イスの利用者や赤ん坊を連れた人が利用するトイレがあります。それぞれは色や絵でわかるようになっています。多機能(たきのう)トイレも、車イスの人の絵――このデザインは、「足の悪い人」というより、「多機能(たきのう)トイレを利用する人」という意味の<象徴>です。すでに漢字に近いですね――でわかるようになっています。

 

 コミュニケーション支援絵記号とは、こういった絵記号を、まだ字を知らない小さな子どもや障がい者や母語が異なる人に、わかりやすく示した、コミュニケーションを助けるための絵記号です。

 

 非常口やトイレの印(しるし)は、公共の建物には必ず描いてあります。また、さまざまな言葉や文化を持った人が集まる国際空港で見かけることもあります。わたし自身が言葉のわからない国に行っても、空港では、トイレがどこにあるのか、わからなくて困ったという経験はありません。こういった絵記号は全世界共通のようです。でも、本当にその人の文化によって絵記号に違いはないのでしょうか?

 

 たとえば狩猟採集民はどうでしょう? 人数は別にして、地球にはさまざまな狩猟採集民が生活しています。わたしの場合、アフリカのコンゴ共和国で出会ったピグミーの友人がいます。今でも、会えば、「やあやあ」と笑顔であいさつを交わすような友人です。その友人ですが、今はお金を知り、計算や言葉――子どもの時に自然に身に付く母語ではなく、学校で習うアフリカのフランス語――を習って、定住生活を始めています。そうした人にも、コミュニケーション支援絵記号は、必要なら役に立つ記号と言えるのでしょうか?

 

 この事は、記号は本当にユニバーサルなものになれるのだろうかという問い掛けなのです。記号とは、文化があって初めて成立するものではないのか? ブロンボス洞窟から出土した石に刻まれていた模様はあまりに大昔のこと過ぎて、今では何のことだか解りません。わたしたちの周りにも、特定の文化が影響を持っています。たとえば現代の日本では、ヨーロッパやアメリカの文化が入り込んでいます。わたしたちには、ヨーロッパやアメリカの文化以外は見えなくなっている。それでは本当の意味で<ユニバーサルなもの>ではありません。わたしたちの使う、あるいは作り出す記号は、ある範囲内の文化でだけ通じる<ローカルなもの>だという事になります。ユニバーサルなコミュニケーション支援絵記号も、そうしたもののひとつではないのか? そうだとしたら、全ての人のコミュニケーションを助けるわけではない。どうなのだろうと疑問に思います。

 

☆   ☆

 

 霊長類研究所にいるチンパンジーのアイは、「ことば」を習いました (6)。それは「積み木(つみき)」や「手袋(てぶくろ)」、「鉛筆(えんぴつ)」などを表す記号です。数字も習いました。1から9までの数字です。色の名前も習って知っています。ですから、アイは、「これは何? 何個あるの?、何色?」と聞かれると、それが赤い積み木(つみき)が三個だったら、

 

「赤、積み木(つみき)、3」

 

と答えます。あるいは、

 

「積み木(つみき)、3、赤」

 

と答えることもあります。チンパンジーに語順や文法は、あまり大事ではないのです。それを、この実験のために、わざわざ作った記号で答えます。そして、その記号には、ある工夫があります。それは物と記号の間には、何の意味の関わりも持たないようにするという事です。

 

 

         

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『ことばをおぼえたチンパンジー たくさんのふしぎ傑作集』(松沢哲郎文、藪内正幸 絵、福音館書店)から

 

 たとえば「積み木(つみき)」を「■」や「▲」の記号だけで表すと、自然に積み木の形がイメージできます。これだとダメです。「鞠(まり)」とか「ボール(ぼーる)」も、「●」だけでは見たままです。簡単にイメージできます。やはりダメです。その物の形からイメージできるような記号は、わざと使わないのです。この事は、漢字やコミュニケーション支援絵記号とは、根本的に違います。つまり、チンパンジーのアイに教えた記号は、文化とは関係がなく何のイメージも与えない形が、わざと記号に選ばれたというわけです。第一アイはチンパンジーですから、人間の文化は自分たちの文化ではないのです。世界の外の出来事にすぎません。

 

 これは、ヒトとは違うチンパンジーの認知をくわしく調べるために、わざとそうしたのですが、(日常生活を送る)人間でも、そうする事が、本当のユニバーサルな記号を作る近道のように思えてしまいます。でも、本当にそうなのでしょうか?

 

 コミュニケーション支援絵記号には、確かにその人の文化を越えて分かりそうな、ヒトであれば誰でも認められそうなものがあります。コミュニケーション支援用絵記号デザイン原則(JIS T0103)(5) から例を探せば、「家族」とか、簡単な笑い顔で表した「幸(しあわ)せ」です。地平線に太陽が昇るようすを表した「朝(あさ)」も、ユニバーサルな絵記号と言えるかもしれません――視覚障がい者には、指先や唇で感じられる凹凸があれば、十分に分かってもらえると思います。

 

 

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 でも、コミュニケーション支援絵記号には、文化が異なればわからなくなりそうなものも含まれています。たとえば「消防士(しょうぼうし)」は、そのような仕事が身近になければ理解できないでしょうし、人が別の人に腕を伸ばして「感謝(かんしゃ)する」と言ったって、腕を伸ばすのがどのような行為か理解できないのなら意味がないでしょう。

 

 国際的に通用しそうなトイレの絵記号もそうです。男性と女性という区別は普遍的でも、男性は青色のズボン姿で表すだの、女性を赤色でスカートで表すというのでは、そうしない文化の人は困ってしまいます。ミャンマー(ビルマ)の男性はロンジーという布を巻くスカートのような服装が普段着だったと思います。チンパンジーのアイの習った記号は別にして、厳密に文化を離れたユニバーサルな絵記号は、現実にはなさそうです。

 

 コミュニケーション支援絵記号の、もうひとつの大切な働きは、「誰でも簡単に理解できる」という事です。「誰でも簡単に理解できる」から、母語の異なる人や障がい者といったコミュニケーション行動が取りにくい人でも役に立つのです。ただし、ここで言う「誰でも」とは、「およそ誰でも」とか「多数の人は」という意味だと理解しておかなければいけません。当然ですが、コミュニケーション支援絵記号が役に立たない少数者もいる――しかも、同じ文化圏であったとしても――という事です。

 

☆   ☆

 

 コミュニケーション支援絵記号が通じないかもしれない人として、文化や習慣がまったく異なる狩猟採集民を例にあげました。反対に、同じ文化圏であったとしても、顔文字に違和感を抱く人がいらっしゃるとも述べました。顔文字を嫌がる人は、わたしを含めた中年以上の人に多いようです。これはデジタル表示に慣れていないという事かもしれません――最近はそのような人を、「デジタル・ネイティブでない」と表現するようです。比較的、若い人は顔文字に抵抗がないのです。その代わり、デジタル表現に慣れた多くの人には、書き文字の美しさや芸術性は理解できないかもしれません。

 

 実は前回載せた「顔文字のじょうずな使い方」の例は、失語症者にいただいたメールから取りました。失語症者は文字だけで表現する事が苦手な場合があります。でも、そんな時も、顔文字や絵文字であれば、比較的理解がしやすいのです。ですから、失語症者が生活をしている文化は、多数者の文化とは微妙に違うと言う方が正確かもしれません。

 

 文字を書くという行為は、文芸であったり、人柄を表したり、時には美術にもなります。それはとても大切なことです。大切なことですが、同時にまた、それとはまったく違う自己表現のしかたもあるのだと認めあいましょう。そうある方が、きっと世界が広がります。

 

 わたしたちの周りの世界には、さまざまな貌(かお)があるものです。

 

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(5) 「コミュニケーション支援用絵記号デザイン原則(JIS T0103)」に収載されている絵記号例の公開無償ダウンロードについて

http://www.kyoyohin.org/06_accessible/060100_jis.php

 

 

(6) 『ことばをおぼえたチンパンジー たくさんのふしぎ傑作集』(松沢哲郎 文、藪内正幸 絵、福音館書店)

 

 

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

 3月26日夜、宮城県石巻市でのキャラバン終了後、福島県郡山市に移動して宿泊、27日(水)のキャラバンは、田村市船引運動場公園応急仮設住宅。179戸が集まった田村市内最大の仮設住宅です。

 キャラバンの会場となる仮設住宅の集会所には午前10時頃到着し、設営を開始しました。子どもたちも少しずつ集まって荷物運びを手伝ってくれました。

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 この日は前日に引き続いて寒かったものの、くもりから次第に雨模様になり、残念ながら午後に予定していた太陽の観察はあきらめざるを得ませんでした。

 ひとはくスタッフが準備をしている間に、田村市の南西、須賀川市にある「ムシテックワールド」、いわき市にある「アクアマリンふくしま」から続々とスタッフが到着しました。

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 キャラバンの開始は午後1時、デジタル紙芝居「アンモナイト物語」を見た後、アンモナイトクイズに挑戦です。アンモナイトは今生きている生きものの中では何に近い?という問題、選択肢はイカ、カタツムリ、ヤドカリの3つです。各地で同じクイズをして、いつも人気なのはヤドカリですが、正解はイカなのです。

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 アンモナイトクイズの終了後は、各ブースに分かれて、プログラムを楽しんでいただきました。

 アクアマリンふくしまからやってきた移動水族館車「アクアラバン」は、ゆめはくよりも二回りも大きな先輩のトラックです。トラックの荷台の上には大きな水槽が二つ乗っていて、生きたヒトデやサメなどに触ることもできます。

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 ムシテックワールドのブースは万能風車です、前後どちらの方向に動かしてもまわるという不思議な風車です。

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 兵庫県佐用町の時政さんは、天候に阻まれて太陽の観察ができません。そのかわりに標本を使って隕石の話です。1977年5月に、福島県の上空を通過した隕石を目撃されたらしい方に出会うことができ、嬉しい驚きでした。

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 ひとはくのブースは、室内ではアンモナイト化石のレプリカ作り、本物の化石に触るコーナー、タネで顔、大きくしてみようタネやムシなどなど。レプリカ作りブースの前は、順番待ちの子どもたちでぎっしり、古道小学校の佐藤校長先生も駆けつけてくださいました。

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 屋外では「ゆめはく」の荷台やテントでネイチャーテクノロジーの展示や、下をくぐることのできるカブトムシの拡大模型など。

yumehaku.jpg  mawarutane.jpg


 今回のキャラバンは田村市社会福祉協議会の皆さんに大変お世話になりました。この場をお借りしてお礼申しあげます。

 田村のキャラバン終了後、、ゆめはく組は新潟で宿泊し、28日夕方にひとはくに帰り着きました。

 26日の朝、仙台でゆめはくを目撃されたかたから、ひとはくの被災地支援に対する感謝のメールをいただくなど、嬉しいできごとがいっぱいのキャラバンでした。今回のキャラバンでお世話になった方々、参加してくださったみなさん、ありがとうございました。

kikan.jpg (キッズひとはく推進室 古谷 裕)

4月5日、ひとはくの周りのサクラは満開!

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嵐の前に!とスタッフがサクラの写真を必死で撮っていると、
かわいいKids撮影助手が現れ、
揺れないように枝を持ってくれました。

20130405sakura.JPGKidsとのすてきな出会いで、心まで桜色に染まるような
ひとときとなりました。

 

さて、今回のブログでは、盛りだくさんすぎてお伝えしきれなかった
3月の ひとはくとKidsとの出会いの記録をダイジェストでお届けします。


3月3日は Kidsサンデー^^
Kidsひとはく大使による最後の一日館長も無事終わりました!
☆詳しくはコチラ

 

3月7日には 神戸のつぐみ保育園にKidsキャラバンに伺いましたヾ(@~▽~@)ノ
「飛ぶタネ」のプログラムに 子どもたちの目はキラキラ^^

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20130307tsugumi.JPG
ひとつ タネの不思議を体験して、4月からは1年生になるんですね^^

そして
10日は なんとひとはくに
ママドクター・とうきょうキッズメディカルスクールの
澤田先生にお越しいただきました。

澤田先生の医学教室の体験授業とお話と、
ひとはくの八木主任研究員の

「博物館で行う昆虫スクール」のお話による
フォーラム「本物をどのようにして小さな子どもたちに伝えるか」を開催しました。

20130310forum (2).JPGひとはくに 医学教室??^^

20130310forum (1).JPG  20130310forum (3).JPG
人体骨格標本もみんなの人気もので、中味の濃いフォーラムになりました!
(↓研究員にも大人気!!)

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ミュージアムで 医療教室というのも
新しい視点で いろいろ考えるきっかけを
発信できたと思います。

体験授業に参加くださった小学校3~6年生のみなさま
また 保護者や参加者のみなさま
ありがとうございました!!
 
その後 3月16日、17日は
京都で「科学技術フェスタ」が開催され
Kidsひとはく大使にもばったり!!会えました^^
「飛ぶタネ」をメインに、展示&ワークショップを行いました。

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20130316-17kyotosciencefesta (2).JPG  20130316-17kyotosciencefesta (1).JPG

 

また3月23日24日に開催された
明石市天文科学館「てんもん春分祭」に
ゆめはくと一緒にKidsキャラバンにおでかけしました。

20130324akashi.JPG

23日は 「むしむしたいけん」を↓

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24日は 「タネであそぼう」を↓

20130324.JPG
来館者のみなさんと楽しみました。
(23日は ・・・ めっちゃ寒かったです。・゚゚・(>_<;)・゚゚・。)


大人気のシゴセンジャーも登場!
シゴセンジャーもゆめはくやひとはくのプログラムを楽しんでいました。

20130324akashi (2).JPG  20130323   (5).JPG

 

3月24日夜から「ゆめはく」は東北キャラバンへGO!!!
25日 石巻、26日 田村の仮設住宅集会所に伺い、
たくさんの東北のKidsたちと出会いました。


そして・・・ひとはくの移動博物館車『ゆめはく』とアクアマリン福島の

移動水族館『アクアラバン』もご対面。
「アクアラバンさん、はじめまして~」「ゆめはくさん、遠いところごくろうさま~」

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という2台の声が聞こえてくるよう。

 

☆詳しくはコチラ

 

そして3月30日は
神戸の清風児童館でKidsキャラバンを行いました。
「クスノキの葉っぱには、小さな生きものの部屋があるんですよ~」
「え!どこどこ?」

20130330seifu (2).JPG  20130330seifu.JPG

 

3月のラストデイ、31日は
「Kidsひとはく大使 モニターツアー報告会&
 Kidsひとはく大使 終了式」を開催しました!!
☆詳しくはコチラ


Kidsのみなさん、ひとはくで、また皆さん家の近くで
お会いできるのを楽しみにしています。

これからも ひとはくとあそんでまなんで、大きくなりましょうね!


今年度のキッズサンデーのスタートは5月5日です!                                               

                         (Kidsひとはく推進TF)

サクラ.........

2013年4月 1日

花はサクラ

また違うサクラ....

人生いろいろ サクラもいろいろ..... (o^^o)

神戸市立青少年科学館と連携したイベント『昆虫「ゆめはく号」がやってきた』を神戸市立青少年科学館で開催しました。
2週間前の3月17日(日)、ひとはくで神戸市立青少年科学館が「出張!おでかけかがくかんinひとはく」を開催しています。

自然系、科学系、それぞれ分野のちがう博物館が協力して実現。本日の展示のテーマは「昆虫の擬態」、このテーマに沿って展示・セミナーを実施しました。

   P1030198_1.jpg  P1030194_1.jpg  

神戸市立青少年科学館とゆめはく          ゆめはくの内部 展示の様子

  研究員による解説  研究員による解説    
研究員による解説付き(大谷主任研究員)  研究員による解説付き(石田主任研究員) 

       
  展示を見つめる兄と妹。微笑ましい光景でもありました。


午前と午後には研究員による昆虫の擬態をテーマに下記のセミナーを実施しました。

  橋本佳明主任研究員によるセミナー 橋本

午前:橋本佳明主任研究員によるセミナー 「アリに化けるクモ -擬態が作りだす生物の多様性」

   大谷主任研究員によるセミナー  大谷
午後:大谷剛主任研究員によるセミナー「雄バチには毒針がない」


桜とゆめはく

春休みの日曜日、サクラの花も開花。たくさんの子どもたちがゆめはくに来てくれました。
また、三田市にある人と自然の博物館にも来てくださいね!

情報管理課 阪上勝彦

ひとはく20周年(平成24年度)最終日の3月31日、
Kidsひとはく大使モニターツアー報告会&終了式
が行なわれました。

☆Kidsひとはく大使モニターツアー報告会☆

6名のKidsひとはく大使が、ひとはく20周年のPRのお仕事として、
大原美術館、キッズプラザ大阪、日本科学未来館
に表敬訪問しました。

報告会では、岩槻館長にモニターツアーの様子を
直接ご報告をしました。

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ゆうすけ大使:
「日本科学未来館の毛利館長から、
 『未来館に来てくれてありがとう』と言われました。とてもうれしかったです。」

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まお大使:
「キッズプラザ大阪で、シュワシュワのラムネを作ったのがおもしろかったです。」

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はじめ大使:
「大原美術館で逆さまになって絵を見ました。」

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ときつぐ大使:
「未来館お気に入りベスト3を発表します!
 3位はミドリムシクッキー!2位はジオコスモス、そして1位はアザラシの癒しロボットです!
 館長もぜひ、ロボットを抱っこしてください!本当に癒されます!」

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最後に館長よりメッセージをいただきました。

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「みなさんいろいろ経験していただいたんですね。
今年はひとはく20周年の一年であると同時に話題多い一年でもありました。
大原美術館に大使が訪問したすぐ後に、
館長の高階さんは文化勲章を受章されましたし、
毛利館長の後に続く方が宇宙に飛び出されました。
今年一年の活躍、ありがとうございました。
これからもひとはくで学んでください。
宇宙に飛び出す準備をするのもいいし、
レアメタルや虫について研究するのもいいですね。」
                                      
和やかな雰囲気のなか、報告会は終了。

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終了後、「ミドリムシクッキー」がときつぐ大使よりふるまわれました。
岩槻館長もパクリ。「ん?ミドリムシの味がしますね~」

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☆Kidsひとはく大使終了式☆

報告会に続き、Kidsひとはく大使の終了式がスタート!
はじめに中瀬副館長よりご挨拶。

kidstaishi-shuryo.JPG「一年間、ひとはくの20周年を盛りあげてくれて
ありがとうございました。今日は皆さんにありがとうを
言いたくてこの式を開きました。
この式がひとはく20周年の最後の行事です。」

キッズひとはく推進室 古谷室長より一年間の活動の報告がありました。
4月29日の任命式から一年、あっという間でしたね~

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毎月第一日曜日のKids館長のお仕事、9月の兵庫県公館でのフォーラムでのお出迎え、
10月の「ひとはく20歳のお誕生日」での
2階ひとはく多様性フロアのオープンと移動博物館車「ゆめはく」のお披露目の
テープカットなど、Kids大使は大活躍でした!

☆Kids館長☆

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☆20周年フォーラム@兵庫県公館でのお出迎え☆

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☆ひとはく20歳のお誕生日 多様性フロア&ゆめはく テープカット☆

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大使代表の二人が活動の感想を発表してくれました。
おうた大使:「ゆめはく発進のテープカットをしました。これからひとはくで恐竜の名前を覚えたいです。」
ゆいこ大使:「大原美術館のモニターツアーに参加して、絵を見ながら一句読んだのが
        面白かったです。これから、ひとはくで鳥の体を研究したいです。」

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この後、Kids大使の保護者の方にも感想を発表していただきました。

岩槻館長より、一年間のKidsひとはく大使の活動への
お礼の言葉をお伝えしました。

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「私が小さい時にお花見に出かけた場所から、
恐竜の骨が発見されました。
そのように、小さい頃の平凡な出来事が大人になってから
大きくなることがあります。
ひとはく大使のとしての経験がこれからの皆さんの何かのお役に立てばと思います。
1年間活動くださり、ありがとうございました。」

ありがとうと、これからもよろしくの気持ちを込めて、

大使のみなさんに、感謝状をお渡ししました。

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集合写真の声掛けは・・・ひとはくのオリジナル!
「ハイ!カブトムシ~!」 「ひっつきムシ~!」

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Kidsひとはく大使の皆さん、ひとはく20周年のPRと
Kids向けプログラムのモニターとしてご活躍くださり、
ありがとうございました。

そして保護者のみなさま、
モニターツアー訪問先のみなさま、来館者のみなさま、
Kidsひとはく大使を温かく見守ってくださった
すべてのみなさまに心より感謝申しあげます。

これからもひとはくはKidsの学びを応援し続けます。

ひとはくはまだ20才!
Kidsのみなさん、
ひとはくといっしょに、大きくなりましょうね!
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                                         (Kidsひとはく推進室)

サクラ....

2013年3月31日

サクラぁ サクラぁ ♪

はかない.....

3月31日と4月1日 時間は絶え間なく流れているハズなんですが、人の都合で年度の節目となっています。 

 

   ありがとう 

    さようなら

      こんにちは   

 

                 さくらの花の下で 

 写真家、映像作家である栗林 慧 氏が来館され、講演会「昆虫を楽しく撮る」を開催しました。
栗林氏は、開館時と10周年時に写真展を開催され、本日は20周年最後の行事としてご講演していただきました。

     20周年記念栗林慧講演会  栗林慧 氏
                   ご覧のとおり大盛況!                          ご講演をいただいた栗林慧 氏

現在、ひとはくで展示している「アリの目の日々」での写真を用いて、それぞれ撮影時の季節や状況、その大きさについて解説されました。

 その後の質問コーナーでは、大人から子供まで、レンズのことから撮影時の苦労話、昆虫の数の変化について答えられていました。

   カメラを手にする参加者    サインを求める参加者の列

           実際にカメラを覗く参加者              休憩時はサイン会の会場に!


後半は、本年度でご退官される大谷主任研究員とのトークショーが行われました。
写真家と昆虫研究者の2人が、出会いから当時の昔話を懐かしそうに語り合い、活き活きと会話がされていました。 

退官される大谷主任研究員と栗林氏

昔話に花が咲く二人

大谷主任研究員にとっては、このトークショーがひとはくの研究員として最後の公式的なお仕事となりました。平成元年、準備室に赴任以来、ひとはくで24年間ご尽力いただきました。ありがとうございました。

アリの目線からの撮影した 栗林慧写真展「アリの目の日々」は4月7日(日)まで開催!是非一度、ご覧ください。 

   詳しくは → http://hitohaku.jp/20th/kuribayashi_photo/exhibition.html

情報管理課 阪上勝彦

高校の生物の教科書には生態学のテーマがいくつか取り上げられています。食物連鎖、食う食われるの関係、群系分布(植生分布)、垂直分布、個体群、植生遷移などです。その中でも長い年月の経過によって溶岩地帯のような裸地でもいくつかの群落を経て最終段階の極相に至るという植生遷移(一次遷移)は動かないと思われている植物、植物群落を動的にとらえたテーマとしてたいへんおもしろく、教科書の題材としても適切と考えられます。

 しかし、裸地から極相に至るという遷移の系列や遷移に要する年数にはいつくかの学説があり、各々の学説に基づく教科書ごとに記述内容に大きな違いが認められ、混乱しています。

 今回、桜島や伊豆諸島などの溶岩地帯の植生遷移について、地域間比較という視点をもとに再調査し、分析した結果、裸地から始まる植生遷移系列は地衣・コケ群落、草本群落、陽樹群落(クロマツ-ヤシャブシ群落)、タブ群落を経てシイ・カシ群落の極相であること、その遷移に要する時間としては400-600年であることが明らかとなりました。遷移系列における各段階の群落の主要散布形をみると前期段階では種子が風によって運ばれる風散布型、中期段階では種子が鳥によって運ばれる鳥散布型、極相では散布距離の短い重力散布形と変化していることもわかりました。このような遷移系列、遷移年数は国内の照葉樹林帯全域の一次遷移に該当します。これらの研究成果を論文としてまとめ、植生学会誌に投稿したところ、論文は受理され、2013年に印刷、発行されました。

 

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         昭和溶岩                     大正溶岩                          

 

 

                                 服部保(自然・環境再生研究部)

3月24日(日)、ふかたん「石ころをさがそう」を行ないました。

隊長は、古生物学が専門の古谷主任研究員!(^^)!

はじめに、地層のお話です。

古谷先生のおはなし 古谷先生のおはなし

大阪層群(おおさかそうぐん)、神戸層群(こうべそうぐん)は、

川で運ばれた砂利、砂、泥がたまった地層です。

たくさんの石ころ

武庫川の石をみてみましょう!

これで、予備知識(よびちしき)はバッチリ☆

 

深田公園の石ころをさがしにでかけましょう♪

カキの貝の化石があるよ~ こちらは、神戸層群です~

「川にある石は、どんな形をしてるかな?」

「神戸層群の石は、角張っています。採石場の石もありますね。」

「石を調べるのは、割ることが基本ですよ~(^^)」

優しい古谷先生のわかりやすい解説が続きます。

放散虫さがし~ チャートさがし~  

最後は、チャート探しに、みんな夢中♪♪

先生の鑑定に、列ができました。

普段、なにげなく歩いてるときづかない、石の神秘にふれた楽しい一時間。

参加してくださったみなさま、本当にありがとうございました。

 

次回ふかたんは…

4月28日(日)

「初夏の鳥をさがそう!」隊長は、布野(ふの)研究員です。

 

みなさまのご参加を、心よりお待ち申し上げております。

笹山由利子(フロアスタッフ)

 

 

ゆめはく、石巻へ

2013年3月28日

 3月26日(火)宮城県石巻市開成にある仮設住宅、アリエッティ開成第1団地を訪問しました。強風が吹き荒れるとても寒い一日でした。初めて実現したキッズひとはく推進室のフルメンバーに近い形での東北キャラバンでしたが、地元の皆さんや関係団体のご支援をいただいて実現することができました。

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今回のプログラムは、デジタル紙芝居「アンモナイト物語」やアンモナイトクイズで楽しんでいただいた後、ひとはくスタッフによる「化石のレプリカ作り」、「タネで顔」、ダンゴムシのリアルな拡大模型を見たり、生きたダンゴムシを拡大装置で拡大したり…。また今回は、「ゆめはく」の県外初出動でもあります。ゆめはくの中でカブトムシの拡大模型やネイチャーテクノロジーの展示などを楽しんでいただきました。

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 ひとはくのスタッフとともに仮設住宅を訪問した、仙台市科学館のスタッフによる発泡入浴剤やバランストンボづくり、兵庫県佐用町のスタッフによる太陽の観察など多彩なメニューで、仮設住宅の皆さんに楽しんでいただくことができたのではないかと思います。

 私の担当した化石のコーナーでは、小さな子どもたちからお年寄りまで、さまざまな年齢層の方と化石の話をすることができました。ひとはくから持って行った石巻市稲井産の化石がきっかけとなって、稲井から来られた親子連れの、お母様の子どもの頃の化石採集の話をお聞きし、化石採集の面白kaseki.JPGさなどの話をすることができました。

アリエッティ開成第1団地の皆さん、ありがとうございました。

(キッズひとはく推進室 古谷 裕)

 

東日本大震災によって被害を受けた方々、とくに子どもたちに元気になっていただくために、地震・津波や原発事故によって避難生活を余儀なくされている、宮城県石巻市内の仮設住宅、福島県田村市の仮設住宅を訪問するため、仙台へ向かって出発しました。

 今回も午後9時出発の予定がもう9時30分です。

 

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今晩は金沢まで、「ゆめはく」で向かいます。


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今回も私が見送りしたから、安全運転で無事に到着するでしょう。
私のお友だちの「みきもん」も一緒です。

3月26日(火)には宮城県石巻市の仮設開成第一団地集会所へ3月27日(水)は福島県田村市の船引運動場応急仮設住宅を訪問します。
そして、いつも見送り役だった私も今回は石巻へ訪問させていただくことになっています。
そして、ひとはくが大変お世話になっているサンテレビの速形さんも現地での様子を取材するために私たちのキャラバンに合わせて石巻へお越しくださいます。
また、現地での様子をご紹介します。

小林美樹(キッズひとはく推進室&生涯学習課)

 

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして26

 

漢字、絵文字、コミュニケーション支援絵記号-1

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 

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石のナイフと ものを突き刺す道具、そしてふしぎな模様の彫られた石が、7万5千年前のブロンボス洞窟という場所から出土しました。ブロンボス洞窟は南アフリカの南端にあります。南アフリカ、ウィットウォーターズランド大学のホームページから 

 

 

 <文字>の事を調べていて、おもしろい文献を見つけました。南アフリカのブロンボス洞窟で出土した7万5千年前の赤い石に、何か意味があるらしい模様が彫ってあるというのです (1) 。この文献は、<ことば>や<(何かある事の)象徴>は、すでに7万5千年前には存在していたと主張していました。これまでは、現代につながる高い創造性がヒトに見られたのは4万年から5万年前であった――それもヨーロッパで――という考え方 (2) が優勢でした。それが一気に古くなって7万5千年前から、しかもアフリカで、となったのです。だいぶイメージが変わります。彫られていた模様が<象徴>、たとえば<明日>とか、<正義>とか、<幸せ>といった心の中にあるイメージを表しているのだとしたら、それはきっと<ことば>に結びつくはずです。なぜかと言うと、<ことば>はそれ自体が手で触れられない、心の中だけにあるものだからです。

 

 7万5千年前というのは、どんな時代なのでしょうか。日本列島の歴史だと1万数千年前からは縄文時代が始まりますから、縄文時代よりもずっと前の話です。それでも、我われホモ・サピエンスの歴史は20万年前にアフリカで始まっていたそうですから、ホモ・サピエンスの歴史に比べれば、だいぶ後の事になります。

 

 ただ、今となっては、その模様が何を意味していたかはわかりません。模様が何を表しているかが、わかればおもしろかったのですが、あまりに大昔の地層から出土したので、模様を読み解くルールがわからないのです。それでも人が模様が彫りつけた事は確かです。読み解くルールはわからなくても、誰かが彫りつけたという事はわかります。そして当時の人びとは、読み解くルールを知っていたこともわかるのです。

 

 わたしは知らなかったのですが(うかつな事です)、ブロンボス洞窟から出た<模様を付けた石>の話は、すでに有名な話だそうです。たとえばウイッキペディアというインターネットの百科事典にも、英語版ですが。ブロンボス洞窟のことは出ています。またヘンシルウッドさんが勤めている南アフリカ共和国のウィットウォーターズランド大学のホームページ (3) にも出ていました。最初に載せた<模様を付けた石>の写真は、ウィットウォーターズランド大学のホームページやウイッキペディアに載っていた写真です。

 

 この写真には、同じブロンボス洞窟から出土した石のナイフや骨で作った何かの道具が出ています。そういったものだと、物を切るために使ったのだろうという事がすぐにわかります。しかし、模様が描いてある石は、ナイフとか物を突き刺す道具とはずいぶん違います。昔の生活を想像してみても、何に使ったのかわかりません。写真を見ていると、模様は格子のようにも見えます。アフリカでよくある、これと似たものを探せば、家の周りの垣根(かきね)でしょうか。この時代に垣根があったのかどうかはわかりませんが、いずれにしても、これを彫りつけた人は何かを表現しようとして彫りつけたに違いありません。それも、やがて消えてしまう土の上に描いたのではなくて、わざわざ石に彫りつけたのです。長く残す必要があったのでしょう。現にわたしたちは、7万5千年も経っているのに知る事ができたのですから。でも、いったい何を伝えたかったのでしょうか?

 

 

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子どもたちがもたれている家の垣は、ブロンボス洞窟から出土した石に描かれていた模様に見えなくもありません。アフリカ中央部のコンゴ共和国で撮影しました。

 

 

☆   ☆

 

 アラブ世界では、有名なヒエログリフ(聖刻文字、象形文字)とは別に、ヒエログリフに似たものとしてトークン (4) と呼ばれる粘土玉があったそうです。トークンは商取引の証(あかし)のために使われた<お呪(まじな)い>のようなものです。これは後に粘土玉ではなくなりました。トークンを象徴する模様(象徴の象徴?)を書き付けてトークン代わりにしたそうです。

 

 トークンは商取引の証(あかし)でした。商売に苦労は付き物ですが、商取引のたびにわざわざ粘土玉を結ぶというのは、当時でも、手間のかかる作業だったでしょう。これはわたしの想像にすぎませんが、粘土玉のトークンには、もともと何か呪術的な意味があったのです。正直な商人ばかりなら、トークンで証拠を残す必要はありません。でも、中には約束を破る不誠実な商人もいたのでしょう。そのような人に対して約束を破ると災(わざわ)いが起こるのだと神の前で示したい。トークンは、そのために結んだような気がします。

 

 それが、実物の粘土ではなくなり、模様を書き付けた、ただのイメージとなると、より抽象度は上がった事になります。今、わたしは、昔の人も現代人と同じ精神世界に住んでいるような気がしています。わたしの感覚では、近所の神社のお守りが、トークンとそっくりです。神仏を信じるわけではない。それでも神や仏との約束を破れば罰(ばち)があたる(ような気がする)。科学的に真実ではないのかもませんが、神社やお寺をまつる人びとの精神世界は、もうひとつの<事実>だと思うからです。

 

☆   ☆

 

 漢字は一種の絵文字です。コンピュータや携帯電話で使う顔文字の親戚のようなものです。ですから、漢字にはどこかしら、イメージが付きまといます。たとえば「虎(とら)」という漢字を見て、どのような想像をしたでしょう? お正月の年賀状に描かれた虎の絵のイメージかもしれませんし、阪神タイガースの縦じまのイメージかもしれません。生きたトラを知っている人なら、足先の巨大さと静かに歩くようすを思い浮かべるのでしょうか。「虎(とら)」という字に限らず、漢字には、字というコミュニケーション・ツールを越えた大きな象徴性があるのです。

 

 ですから、たとえばハングルだけで書かれた文章では、あまり朝鮮語(韓国語)に詳しくない人にとって、「ハングルである」という以外、何のイメージももたらしません。しかし、漢字が混じったとたんに、実に豊かなイメージをもたらします。わたしは大学生の時、ドイツ語やラテン語といっしょに朝鮮語(韓国語)を習っていました。プサン(釜山)やテグ(大邱)にも何度か行った事があります。そこで感じた文章のイメージが、これに近いものでした。「ハングルだけで書かれた文章」の雰囲気は、アラビア語やタイ語で書かれた文章のイメージに近いでしょうか?

 

 コンピュータや携帯電話の顔文字を嫌う人がいます。実はわたしにとっても、節度のない顔文字の氾濫は、あまり気持ちのいいものではありません。でも、顔文字の持つイメージの力(ちから)を、じょうずに利用している人がいます。

 

 たとえば、

 

ものすごく 嬉しい \(^o^)/\(^o^)/\(^o^)

 

とか、

 

すいません。 <(_ _)>

 

といった文章からは、弾(はじ)けるような躍動(やくどう)や、何かをすまなく思う気持ちが素直(すなお)に伝わります。これは、実際にわたしの知り合いからいただいたメールの文章から取りました。

 

 ひとつひとつの記号には、絵の要素としての意味以上のものはありません。そして、\(^o^)/はバンザイを叫ぶ人だし、<(_ _)>は、両手をついて謝(あやま)っている人だと了解できます。\(^o^)/や<(_ _)>も、いつかは、何かを象徴する、漢字のような働きを担(にな)うようになるのでしょうか。

 

 つぎに続きます。

 

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(1) Archaeological Evidence for the Emergence of Language, Symbolism, and Music. An Alternative Multidisciplinary Perspective,  F. D'Errico, C. Henshilwood et al., 2003 in Journal of World Prehistory.

http://www.eva.mpg.de/evolution/staff/soressi/pdf/Derrico-and-al2003_JWP.pdf

著者のおひとりであるヘンシルウッドさんは、長くブロンボス洞窟で発掘作業を続けてこられた方です。

 

(2) Merritt Ruhlen (1994)  The origin of language: Tracing the evolution of the mother tongue.  インターネットのホームページは、ありませんでした。

 

(3) University of the Witwatersrand, Johannesburg

http://www.wits.ac.za/academic/research/ihe/archaeology/blombos/7106/blomboscave.html

 

(4) トークンのことは、次のホームページにくわしい情報が載っています。

The Origins and Invention of Writing

http://www.usu.edu/markdamen/1320Hist%26Civ/chapters/16TOKENS.htm

 

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

みなさん、こんにちは(^^)/

博物館に隣接(りんせつ)する深田公園は、今日はぽかぽか~春の陽気です。

深田公園

 

3月24日(日)に、この深田公園を、研究員と一緒に探検する

「ふかたん~石ころをさがそう~」を行います。

隊長は、古生物学、地質学が専門の、古谷主任研究員(*^^*)

古谷主任研究員と一緒に、深田公園を、楽しく探検します。

どんな石が見つかるかな?? 石の疑問、なんでも聞いてね。

時間:14時~(約1時間)

集合場所:4階ひとはくサロン

参加費:無料(観覧料は必要、小中学生は無料です)

定員:20名

ふかたん

 

4月のふかたんは…

4月28日(日)

「初夏(しょか)の鳥(とり)を探(さが)そう」

隊長は、動物生態学が専門の布野研究員です。

研究員との楽しい一時間、ぜひ、ご参加くださいね。

 

みなさんのご参加を、心よりお待ち申し上げております。

笹山由利子(フロアスタッフ)

 

 

昨日に引き続き、ひょうご恐竜化石国際シンポジウムがやまなみホール、

山南住民センター(丹波市山南町)に場所を移し開催されました。


 

     会場の風景

 

サイエンスカフェ 丹波市恐竜復元画プロジェクトでは、昨日の講演者も
コメンテーターとして参加されました。

 
          
サイエンスカフェ会場の様子(やまなみホール)

 
 
                   ちーたんの館
 
   

午後からは、恐竜化石を活かした地域づくりフォーラムが行われました。


 
   進士五十八氏(東京農業大学名誉教授)による基調講演

    「地域資源を活かし環境への感性を育むまちづくり」

 

パネルディスカッションでは丹波竜発見者の村上茂氏をはじめ、荻野慎太郎氏、
金子幸雄氏、浅倉陽子氏、東朋子氏がパネリストとして登壇され、活発な
議論が行われました。


 
         パネルディスカッションの様子

 

他にも、たくさんの催しもあり、大勢の方々で賑わっていました。


 
    ワークショップ

 

   ポスター・パネル展示

 

     化石発掘体験

      屋台グルメコーナー

 

2日間にわたるひょうご国際シンポジウムは無地終了いたしました。

ご参加いただいた皆さま、ご協力いただいた関係者の皆さま、

大変ありがとうございました。

 

ひとはくの20周年事業もほぼ終わりを迎えることができました。

21年目を迎える来年度、成人したひとはくをお楽しみに!

 

         恐竜TF

本日、ひょうご恐竜化石国際シンポジウムが当館ホロンピアホールで開催されました。県内外からの参加者により会場は満員となりました。

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会場風景

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中瀬ひょうご恐竜化石国際シンポジウム      井戸知事のあいさつ
実行委員会会長のあいさつ


国際シンポジウム「白亜紀前期の恐竜研究最前線」では日本はもちろん、
アメリカ、中国、フランスから世界有数の研究者が講演されました。

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  三枝春生研究員の基調講演   ジェームス・カークランド 氏

                    アメリカ・ユタ州地質調査所 研究員


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     徐 星 氏            對比地孝亘 氏
中国科学院古脊椎動物古人類学研究所    東京大学大学院理学系研究科 講師
                教授

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     柴田正輝 氏          ロマン・アミョ 氏

  福井県立恐竜博物館 研究員     フランス クロード・ベルナール・
                          リヨン第一大学 研究員

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     山田敏弘 氏            楠橋 直 氏
 金沢大学理工研究域自然システム学系 
    愛媛大学大学院理工学研究科 助教
                      准教授

 

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パネルディスカッションのようす

 

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岩槻館長のあいさつ

 

明日は、会場を丹波市のやまなみホール、山南住民センター、丹波竜化石工房に移してさまざまなイベントが開催されます。

 

当日参加可能なイベントもあります。

詳しくはこちらをご覧ください。

           → http://hitohaku.jp/top/dinosaur_symp.html

 

恐竜TF   

 

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして25

 

ユニバーサルなホームページを考える事

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 

Hitohaku_HP.JPG 

 今度、人と自然の博物館のホームページを変える計画があります。デザインは大きく変えないようですが、新しい機能が必要になることもあります。時に応じて変更することは大切です。

 

 ホームページの管理は、人と自然の博物館では情報管理課の方たちが責任を持っていますが、研究者の立ち場で意見を言うことも必要です。研究者の三橋弘宗さんはコンピュータに詳しいので、研究者の立場で意見を言う役を引き受けています。わたしは、その三橋さんから「ホームページをユニバーサルなものにしていく、よいアイデアがあれば教えて下さい」と言われました。ただし、お金はないのだそうです。

 

 わたしのこの「ユニバーサル・ミュージアムをめざして」というブログは、趣旨から言えば、本当は博物館全体を「ユニバーサル・ミュージアム」にするにはどうするかと考えるべきです。しかし、ひとはくの建物は建って20年以上が経っています。今からユニバーサルなものを立て直すのは大事です。ただ、館員が行うサービスを変えるのなら建てかえるよりは簡単ですし、機会がある時にホームページを「ユニバーサル・ミュージアム」らしいものに作りかえるのも、それほどお金はかかりません。それに、ホームページのユニバーサル化は、いろんな企業が進めています。すでにノウ・ハウもあるに違いありません。現にハンドブック (1) の類(たぐい)も、いろいろ出ています。

 

 そこで、わたしは、わたしにしか書けないモノを考えて、ブログに書いてみることにしました。ホームページのユニバーサル化がどんな事に注意するべきなのかは、それぞれのハンドブックに任せます。ぜひ、そちらを見て下さい。

 

 まず、わたしはどんな人間かを書いておきます。

 

 わたしには、漢字の学習障がい(LD)があります。上に書いた「ハンドブックの類」ということばには、「たぐい」というルビがないと、ついつい「るい」と読んでしまいます。ですから、ルビは振ってあるとうれしい。これは生まれつきです。

 

 それから、高次脳機能障がいもあります。11年前に脳梗塞(こうそく)になり、その後遺症(こうい・しょう)でマヒがあります。そして、疲れると失語が出るようになりました。ホームページに関係しそうなことでは、失語の経験が役に立ちそうです。

 

 失語症は脳に受けたダメージによっていろいろな症状が出てきます (2) 。そのような症状のひとつが、「長い文章を読み切れるほど根気が続かない」というものです。朝、起きてすぐとか、午後、疲れてくると、長い文章が読み切れなくなります。たとえば新聞の社説ぐらいになると、途中で休憩しないと読み切れません。新聞だと、毎日毎日、そんなに大きく論旨が変わるわけではありませんから、この新聞社は、だいたい○○のことを言っているのだとわかってしまいます。少なくとも、そのわかったような気持ちになります。すると、そこで止めてしまいたいのです。ですからわたしは、とんでもない誤解をしているニュースも、きっとあるはずです。

 

 そんな時、コンピュータが使えるのなら、自動読み上げソフト (3) を使います。自動読み上げソフトは、もともと全盲や弱視の視覚障がい者が使っていたものですが、わたしのように失語の出る人や高齢で字を読むことが苦痛になった人、LDで読めないという人にも役に立つはずです (4) 。自動読み上げ機能は、ぜひ入れて下さるようにお願いしましょう。

 

 ふたつ目は老眼です。わたしは年相応の老眼ですから、小さな字で、何でもかんでも情報は入れてあるような文章は、読む気が起こりません。そのような文章は、ひょっとして、書いたご本人でさえ二度と読まないのではないでしょうか? これでは、情報を伝えるという、一番大事な文章の役割を投げ捨てているようなものです。ただ「書いた」という事実が残るだけです。少なくとも、ある年齢以上の人は読めません(し、まだ文字のリテラシーが発達していない小さな子どもや知的障がい者は読みません)。

 

 どのコンピュータでも、普通は字の大きさが調節できます。しかし、目立つところにボタンがあって、簡単に画面操作で大きくなったり、小さくなったりするのでなければ、大抵の人は諦めてしまいます。コンピュータの苦手な人は特にそうです。字の大きさの調節機能は、ちょっと気の利いたホームページなら、付いているものです。これは、ぜひ入れていただくことにしましょう。

 

 三つ目は字の形への注文です。わたしはLDだと書きましたが、デスレクシア(=難読症)というほどではありません。デスレクシアの人は、縦棒(たてぼう)と横棒(よこぼう)の太さが違うと、全体でイメージがつかみにくくなるのだそうです。具体的には漢字です。アルファベットもそうなのかもしれませんが、漢字は典型的です。

 

 漢字は、よく明朝体で書きます。この明朝体というのは、縦の線と横の線の太さが違います。つまり、明朝体で書いた文章は、一部の人には、よくわからないということになります。ところが縦と横の太さが同じゴシックや丸ゴシックは、デスレクシアの人でもイメージしやすいのです。そのためにユニバーサル・デザインでは、なるべく明朝体は避け、ゴシックや丸ゴシックを使います。少なくとも、「全ての人にわかりやすいユニバーサルなものを」と心掛けている人なら、そうするでしょう。ホームページを書く時には、デスレクシアの人に見やすい字体をそろえておけばいいのです。

 

 今日、考えたユニバーサルなホームページで、少なくとも、わたしにわかりやすいものは、(1) 読み上げ機能が付いている事、(2) 字の大きさの調節機能が付いていること、(3) 明朝体は止めて、縦と横の太さが同じ字体で表すこととなります。でもこれは、LDで高次脳機能障がいがあるわたしにとっての見やすいホームページです。別の人には、また別の機能が必要になるでしょう。

 

 それにしても、デスレクシアの人には、字体によって意味が理解しやすかったり、理解しにくかったりするなんて、多くの人は想像もできないでしょう。わたしは、デスレクシアで学校の先生になった神山 忠さんの講演 (5) で、初めて知りました。でもLDの人は左右が区別しにくいので――わたしの場合は<へん>と<つくり>がゴチャゴチャになったり、“C”は“⊂”であったか“⊃”であったか、わからなくなったりします――、わたしには何となく理解できます。

 

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(1) 兵庫県では「ホームページ作成において配慮している項目」で、どのような内容に配慮するべきと考えているかが出てきます。

http://web.pref.hyogo.lg.jp/ud/consideration.html

また「ユニバーサルデザインに配慮したホームページ作成のガイドライン」が兵庫県県民政策部知事室広報課から公表されています。

http://web.pref.hyogo.lg.jp/documents/guideline_all.pdf

でも、これはコンピュータを使い慣れた方向きのような気がします。わたしには、ちょっとね……。

 兵庫県以外にも、さまざまな自治体や企業、市民団体が、誰にでも使いやすいホームページの作り方を公表しています。

 

(2) 失語症者の一般的な情報は、三谷(2011

http://hitohaku.jp/research_collections/no22pdf/HN22_06_43_51.pdf

や三谷(2012

http://hitohaku.jp/research_collections/no23pdf/NH23_05_61_67.pdf

にまとめました。ご覧下さい。

 

(3) 有償ですが、わたしはドキュメント・トーカを使っています。

http://www.createsystem.co.jp/DTalkerSapi1.html

 

(4) 自動読み上げ機能はデイジー(DAISY)に似ていますが、デイジーでは字が数行表れ、読み上げているところの色が変わります。中でもマルチメディア・デイジーでは動画や静止画も利用できます。(5) の神山 忠さんの講演はマルチメディア・デイジーです。マルチメディア・デイジーは視覚情報が大切ですから、視覚障がい者ではない人向きです。それに、視覚障がい者がホームページを<読む>時には、自分用の自動読み上げソフトを入れています。

 

(5) 神山 忠さんの講演はユーチューブで見ることができます。「デスレクシア」の講演は長いので、1から4に分けてあります。

http://www.youtube.com/watch?v=YISIvygN08I

http://www.youtube.com/watch?v=O9vZoRhFqng

http://www.youtube.com/watch?v=ALplOx0eHW4

http://www.youtube.com/watch?v=7UJFGob2O8c

神山 忠さんの講演のようすを流していますが、まさにこれがマルチメディア・デイジーです。

 

 

 

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三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

やっと寒さが和らいで、暖かい日が続くようになってきましたね♪

 

32日(土)3日(日)、ひとはくでは「けんちくかの日」のイベントが行われました!(^○^)

 

スタッフが作った架空のまちに、みんながそれぞれ作ったお家を建てて、

素敵な街づくりには何が必要なのか?をみんなで考えます。

 

まずは、「くぬぎちゃん」が登場するお話をみんなで聞きます。

みんなすっかりお話の世界に入り込んでいます!

    machitanken-as.jpgお話が終わったら、さっそくじぶんのお家をつくりましょう♪

みんなどんなお家に住みたいかな?

 

s-P1150108-a.jpg お家が完成したら、いよいよまちにお家を建てます!

ie.jpg駅の近くはやはり便利なだけあって大人気!?

近くにショッピングセンターもあるしね(^v^)

でも、緑のたくさんある畑や田んぼの周辺も結構人気でした!

 

 

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みなさんも、じぶんのまちにどんなものがあるのか探検してみましょう♪

 

 

                                                                                 フロアスタッフ たにぐち

本日、ボルネオ・ジャングルスクール卒業生の集いがひとはくで行われ懐かしい面々が顔を合せました。第1回目の卒業生から昨年参加した14回生まで、24名の卒業生と保護者の方々を含め49名の参加者がありました。

卒業生のつどい

開会のあいさつの後、14回生の近況報告がありました。また、お世話になった自然観察指導員の安間先生、昨年同行していただいた絵本作家 おおとも やすおさん、なとりちづさんの二人にも参加いただき懐かしい話でいっぱいでした。

あいさつをする14回生  安間先生と久々の再開のサムネール画像

それぞれ近況報告をする昨年度参加した14回生  安間先生と久しぶりの会話をする卒業生

参加してくれたジャングルスクール卒業生たち                                                       最後に参加した卒業生で記念写真


サバ大学での収蔵庫見学ツアーは経験した卒業生たちですが、その後、希望者は高橋校長と橋本主任研究員・布野研究員引率のもと、オープンセミナーで行っているひとはくの収蔵庫見学ツアーに出かけました。

  収蔵庫棟見学  期待膨らむ収蔵庫棟入口    

    集合する卒業生と保護者のみなさん       収蔵庫入口では期待が膨らむます

日本最後のコウノトリ                                                       貴重な資料の数々の収蔵庫
                                                 (写真は日本最後のコウノトリの剥製です)

現在の時点では、来年度もボルネオジャングルスクールは実施を予定していますが、詳しいことは4月以降にホームページ等でお知らせいたします。また、卒業生のつどいに参加できなかったみなさんも、次回は是非参加してくださいね!

情報管理課 阪上勝彦

明石公園の昆虫展

2013年3月 8日
ひとはくのセミナー「ユース昆虫研究室」では、昆虫の好きな中学生たちが、毎月、昆虫を採集したり、標本をつくったり、といった活動をしています。
2011年、2012年の2年間、中学生の調査員たちは、兵庫県立明石公園の昆虫を調べました。このたび、みんなでつくった標本や解説パネル、生態写真を展示し、その成果をご紹介いたします。ぜひご覧ください。
会期 2013年3月20日(水祝)~31日(日)
3月20日はみんなで設営作業をしていますが、そのようすもご覧いただけます。
会場 明石市立文化博物館 小展示室 <ひとはくではありません!>
明石市上ノ丸2丁目13-1 TEL: 078-918-5400
※ 博物館所定の観覧料が必要です
presented by ユース昆虫研究室2011・2012
調査員(受講者) 井上 元・江田信之介・小川哲矢・坂本貴海・菅澤祥史・高尾海星・高橋奏太・多田実央・中谷朱里・長谷川千紘・藤田将門・牧田 習・松井颯汰・溝手 舜・望月沙綾・矢部清隆
アシスタント 安達誠文・中瀬大地・前田 慈・前田 慧・森野光太郎(ひとはく連携活動グループ テネラル)
講師 一井弘行(明石市立文化博物館)・八木 剛(兵庫県立人と自然の博物館)
2013年度のユース昆虫研究室は、六甲山上にある、兵庫県立六甲山自然保護センターを会場として実施します。くわしい内容や日程は、こちらから。
(ユース昆虫研究室は、中学生限定です。小学生には、昆虫サマースクール、鳴く虫キッズ大集合!をご用意しています。高校生以上の方には、ひとはく展示課むし係をご用意しています。)
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(八木 剛@自然・環境評価研究部)

 ここは、神戸市営地下鉄県庁前駅構内です。何しているんでしょう。

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 3月16・17日におこなわれる「ひょうご恐竜化石国際シンポジウム」を紹介したパネルと化石のレプリカを展示しています。

 

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池田研究員が化石のレプリカを並べています。ちょっと見にくい?

でも、駅構内で化石のレプリカが見れるって、すごくない?早速、下校中の小学生が近寄ってきました。

ちなみに写真撮影は、調査研究中のため、ご遠慮いただいています。

ごめんなさい。                                                                                           

 こちらは、3月18日(月)まで展示しています。

 神戸でお買い物に行く、という方は是非神戸市営地下鉄県庁前駅へ寄ってみてくださいね。 

                          小林美樹(生涯学習課) miki kobayashi2.jpg

特注ラボレクぅ♪

2013年3月 5日

【特注ラボレク】って、聞かれたことありますか?
「何じゃそりゃぁ?!」という方、是非このblog記事に目をとおしてください。

団体でひとはくにお越しの際、特注セミナーをご利用いただけることは既にご存じの方も多いと思いますが、特注セミナーの一つに通称「ラボレク」というのがあるのをご存じの方は、かなりの「ひとはく通」です!!

      
 ラボとは恐竜ラボのことです。化石のクリーニング作業を目の前で見ることのできるユニークな施設ですが、ただ見学するだけじゃなく、スタッフがここでレクチャーをさせていただくのが、「ラボレク」です。

恐竜ラボだけを解説するパターンと、本館3階の恐竜展示もセットで解説するパターンと、ご要望に応じて提供しております。団体観覧ご予約の際に、是非一度ご相談ください。

みなさん、こんにちは。
3月3日(日)のひな祭りはキッズサンデーの日、7名のKids館長が

お仕事をしました。

さっそく、今回のキッズ館長ををご紹介します!

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「あみ館長、ひとで好きなところは?」

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「工作がせきるところです。」

それでは、一緒にキッズ館長がどのような活動をしたのか
見てみましょう♪


始めに、博物館バックヤードの巡回をしました。
「今から普段は見れない博物館の裏側へご案内します。」
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「どんな所なのか、ドキドキするな…。」

まず、図書館へやって来ました。
「このボタンを押してください。」「えいっ!」
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すると、棚が動いてたくさんの本が現れました!
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「いっぱいあるね。」「この本を見てみようかな。」

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みんな一人一冊、本を選びました。
「何が書いてるかな。」「チョウチョ、きれいだな!」

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続いて、収蔵庫の中を見学します。
扉の向こうに、ひとはくの宝物がたくさんしまわれています。

「みなさん、ここで靴の裏をきれいにしてください。」

「わー、ペタペタするね。」

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収蔵庫の中には珍しいものがたくさん!
「あれはなんだろ?」

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中では鳥のはく製を見せてもらいましたね。
「すごいね!」

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今度は、荷解き場にやってきました。
移動博物館車の「ゆめはく」ここにしまわれています。

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「この扉の向こうはどうなっているんだろう!?」

「あ、深田公園だ!」

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荷解き場の見学を終え、いよいよお客様のお出迎えという
大切なお仕事に挑戦です☆

説明を聞いて、練習を重ねます。
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みっちりと練習を積んで出迎え本番。

「お客様、まだかな。」
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来られました、お客様です!
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「こんにちは!いらっしゃいませ!」
「チラシをどうぞ。」

元気なご挨拶をして、丁寧にチラシを渡せました♪
みなさん、お客様のお出迎えバッチリできましたね!

「ふぅ~つかれたぁ~」

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お仕事、お疲れさまでした!
ひとはく20周年記念事業のKidsひとはく大使が
頑張ったKids館長は今回で、ひとまず終わり。
Kids館長を温かく見守ってくださったみなさま、ありがとうございました!


                           (キッズひとはく推進室・細川・高瀬)

 30代の後半、(有)栗林自然科学写真研究所で昆虫生態アドバイザーをしていた。気ままに突然出掛ける栗林さんにいつも同行する(写真1)。出掛けないときは、長い、暇な待機の時間がある。まとまった仕事は無理、いつでもすぐに中止できる昆虫の観察などが向いている。とくに、自分から勝手に音声情報流し続ける鳴く虫・・・その本体を突き止める仕事がぴったりだった。待機の時間をそのまま使える。いつでもストップ、いつでも開始。これで鳴く虫の本体を次々と明らかにしていく。私の聞き分け能力は暇な待機の時間に育てられた。

 

 

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写真1:虫の目カメラで撮影した栗林さんとオオカマキリ(栗林慧撮影)。

 

私の聞き分け能力獲得法は、暇な待機の時間をふんだんに使い、忙しい人にはまったく不向きだ。まず、単独で離れて鳴いている一匹に着目する。二方向から聞いて、大体の鳴いている位置を予測し、鳴き止むまで少しずつ接近する。鳴き止んだら、再び鳴くまで立ち止まって待つ。気配を消してじっと待てば、必ず再び鳴き出す。鳴き出したら、また接近。この繰り返しだ。一時間も経つと、虫の姿が見えるところまで接近できる。その時まで、その鳴く虫の鳴き声をたっぷり聞いている。「この虫が鳴いていたのか!」・・・声と姿が一致した感動は独り占めである。長い集中した時間はその鳴き声を脳に定着させ、忘れることはない。覚える努力はいっさい不必要。声と姿の一致の感動を味わいつつ、三年も経つと、約40種の鳴く虫を聞き分ける能力が手に入っていた。

毎年その季節になると、聞き覚えのある鳴き声が脳に直接飛び込んでくる。鳴いている姿も脳裏に浮かぶ。10種近くの鳴く虫が同時に鳴いていても、一匹一匹確認していくことができる。鳴いている音の高さは多様で紛らわしいものはない。例外は大正時代からの外来種アオマツムシ(写真2)。鳴き声の高さは、クサヒバリ(写真3)とほぼ同じで、同時に鳴くと、クサヒバリの声はほとんど聞こえない。カネタタキ(写真4)も高さが近く、アオマツムシの大声集団に負けてしまう。アオマツムシがいなければ、カネタタキとクサヒバリの共存は鳴き方の違いから成立する。 

 

 

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写真2:都市部の街路樹で大声で鳴くオアマツムシ(高田要撮影)

 

 

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写真3:庭の潅木で鳴くクサヒバリ。声はアオマツムシにかき消される(河井典子撮影)

 

 

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写真4:垣根や庭の潅木で、チンチンチン・・・と鳴くカネタタキ(河井典子撮影)

 

                       大谷 剛(自然・環境マネジメント研究部)

 

 

寒~い冬の峠もこえ(^O^)、博物館も長~いメンテナンス休館を終えて・・・

暖かい春は♪♪♪もうすぐ!!!そこまでやってきています。

 

(*^:^*)3月のイベント☆(*^:^*)

 

フロアスタッフとあそぼう 15:00

けんちくかのサムネール画像

 ☆2日(土)3日(日)・・・けんちくかの日

 

 

 

 

 

 

 

                             

  ☆9日(土)10日(日)・・・ごはんをたべたらなにがでる?

 

  16日(土)17日(日)・・・画はくの日

 

20日(水)・・・万華鏡づくり  参加費100

 

23日(土)24日(日)・・・ジャンプ!恐竜

 

30日(土)31日(日)・・・たんぽぽのコースターづくり

 

 

 

うきうきワークショップ 10:3016:00まで

20日(水)『プテラノドンをとばそう』

   参加費は無料です。時間内はいつでも参加できます。

 

深田公園うきうき 探検隊14:00集合

 ☆24日(日) 「石ころをさがそう」 

石はかせの古谷隊長と一緒に

深田公園のいろいろな石をさがしてみよう!

 

ふかたんのサムネール画像 

 

 

3月はイベントもりだくさん!!!

みなさまのご参加v(*^^*)vお待ちしています。

      

             フロアスタッフ  にしぐちひろこ

 

 

 

 

 

 

2月26日(火) ゆめはくは 猪名川町立楊津(ようしん)小学校へキャラバンに出かけました。


 楊津小学校のみんなは、2月14日に一度ひとはくに来てくれていました。なので、今回はゆめはくで出かけることに....。グラウンドの隅っこにゆめはくを設置。

  この日は、【昆虫擬態】をテーマに標本等をパッケージしました。「自然の隠し絵」的な擬態の様子や、アブなのにハチになりきっている様子など、自然の不思議が満載の内容でした。

 

 

 

 

その後は学年毎にゆめはくの展示を見学し、中で大谷研究員や藤本研究員から展示の説明を聞きました。地域の方々も見学にお越しになりました。その様子を写真でお伝えします。子ども達の表情をご覧ください。

               

 

 ※美味しい給食をごちそうになりました。美味しすぎて写真を撮るのを忘れてました (^^ゞ

 

 

2月23日(土)一日だけのワークショップ「コウノトリとあそぼう!」を行いました。

ワークショップの様子コウノトリは、国(くに)の特別天然記念物(とくべつてんねんきねんぶつ)に指定(してい)されている、兵庫県(ひょうごけん)の県鳥(けんちょう)です。

両翼(りょうよく)を広げると、約2メートルにもなる大きな鳥を、少しでも身近(みぢか)に感じてもらいたくて、この日は、ぬりえやおりがみの他に、コウノトリなりきり体験(たいけん)コーナーを作りました。

翼をつけて…                   コウノトリの顔を持って…

バッサ、バッサ、音がきこえてきそうだね。 じょうずにコウノトリになれたね コウノトリだぁ~さぁ~!!えさをさがしましょう。


  えい! あしも使ってみます上手につかまえることができるかな?

さかなに、ドジョウに、カエル。ザリガニやナマズもいるよ。

一日どれだけ食べたら、おなかいっぱいになるのかな?はかりではかってみよう!

 

一日500グラムは、たべなくちゃ~コウノトリのおりがみもおってみようね。

コウノトリの足は、何色かな?足もつけてみましょう。
一緒におりましょう♪

カードもつくりましょう。

コウノトリは、どんな場所で、えさを探すのかな?

本を見ながら、お絵かきしましょう。

いろをぬりましょう♪

じょうずにできたね(^^)

仲良し兄弟でたいけんちゅう~ ハイ!チーズ♪♪コウノトリって、どんな鳥だったかな?なにを食べていたかな?

コウノトリに関連する展示は、2階生物多様性フロアと、3階展示室にありますよ。

ひとはくへ、ぜひ、お越しくださいね。

笹山由利子(フロアスタッフ)

 

 

 


 

 

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして24

 

『障害児教育を考える』の書評

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 

 

SpecialEducation_MogiToshihiko1110.jpg インクルーシブ教育に関連して、『障害児教育を考える』(茂木俊彦 著、岩波新書 1110(1) という本を読んでみました。

 

 このブログを通じて、わたしは「ユニバーサル・ミュージアムにはどういう仕組みがよいだろう」という事を探ってきました。その中で「ユニバーサル・ミュージアム」は「ユニバーサル社会」の考え方に近いのだと気付きました。また教育については、「サラマンカ宣言」を再認識しました。サラマンカ宣言は、ユニバーサル社会の理想と多くの点で重なるインクルーシブ教育やインクルーシブ社会の重要さを訴えています。インクルーシブ社会では、障がい者を始め、さまざまな立場の人が生きやすい世の中を作るのは「社会の義務」だと考えます。インクルーシブ教育でも、さまざまな立場の人が教育を受けやすい環境を提供することが「社会の義務」だと考えるのです。茂木俊彦さんは教育心理学や障害児心理学の立場から、インクルーシブ教育について考えておられます。そこで茂木さんの『障害児教育を考える』を読んでみることにしました。

 

「ユニバーサル」だの「インクルーシブ」だのと、カタカナ言葉ばかりですいません。「ユニバーサル」は「全(すべ)ての」という意味で使っています。ここでは「みんな(皆)のための」という意味になります。「インクルーシブ」というのは、あえて訳せば「包摂(ほうせつ)」ですが、「包摂(ほうせつ)」というなじみのない、難しい言葉では、かえって分かりにくいので、カタカナのまま使うことにしました。

 

 茂木俊彦さんはわたしより十歳以上年上の教育者・研究者で、長く東京都立大学にお勤めになりました。お辞めになる前は総長も務めていらっしゃいます。今は桜美林大学にお勤めです。茂木さんは長い経験をお持ちですから、日本の学校制度の変化も身をもって理解され、その時どきに本にまとめてこられました。ですから、茂木さんの語る学校教育のあり方は知識が正確で、子どもや現場の教員を見る目も、とても温かいと感じました。

 

 わたしは『障害児教育を考える』で初めて知ったのですが、「障害児の学習と発達の権利を保障する教育の創造に向かう動き」が活発化したのは1960年代だったそうです。1960年代といえば今から50年ほども前の話です。当時から、すでに障がいの重い子どもや複数の障がいを持った子どもでも義務教育を受ける権利があると認識されていたわけです(序章 変わってきた障害者の見方: pp. 10-11)(第2章 障害児とどう向き合うか: pp. 91-92)。

 

 わたしの義父はろう者でした。赤ん坊の時に発熱して、ろうになったのです。就学年齢になるとお役所から、望むなら就学を免除するが、学校に行きたいなら、家の近所にろう学校(当時はろうあ学校)はないので、遠くまで通うようにと通知が来ます。家族はどうするか迷ったのですが、結局、遠いろう学校へ通うことになりました。これが義父の人生を決め、学校で技術を学んで表具師になりました。義父の場合、表具師になるべきタイミングというものがあったのでしょうが、地域には表具師以外にもさまざまな職業があったはずです。そのチャンスが見える形で示されていたとしたら、どうだったでしょうか? やはり表具師になっていたかもしれず、ならなかったかもしれません。いずれにせよ、「ろう者には、この仕事が向いている」という暗黙の決まりがあったのだと思います。

 

 通いやすい身近な学校で、ろう者のための教育が受けられたら、義父の自由度は格段に高まったことだと思います。もちろん自分自身を振り返るという意味では、身近にろうの友だちがいる事も大切です。同時に、自分の将来を他人に決めてもらうのではなく、自分で決める自由さも大切だと思います。身近な地域の普通学校に、近所のろうの友達とともに通っていれば、いろいろなことが可能だったのではないでしょうか。

 

 この日本の教育者が気づいた事は、国を超えて認識されていました。そのひとつは「子どもの権利条約」 (2) 1989,第44回国連総会決議.日本は1994年批准)です。「子どもの権利条約」では、子ども自身や保護者の「人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見やその他の意見、国民的、種族的若しくは社会的出身、財産、心身障害、出生又は他の地位にかかわらず、いかなる差別もなしにこの条約に定める権利を尊重し、及び確保する」とされています。「障害者権利条約」 (3) 2006年,国連総会で採択,日本は20132月現在、批准していない)というのもあります。この条約はインクルーシブな社会を作り上げて、妨げられがちであった障がい者の権利を、障がいのない人と同じように保障しようという条例です。

 

 「障害者権利条約」は批准していませんが、日本では2007年には特別支援教育を正式に実施しています。その時、文部科学省は「特別支援教育の推進について」という通知 (4) を、初等中等教育長名で出しています。この通知の最初に、特別支援教育では、たとえば「視覚障がい」とか「知的障がい」といった子どもを、あるいは人を、マスでくくる教育ではなく、個人個人に合ったきめのこまかさな教育を行い、それまでは教育的ニーズがあるとは認めてこなかった発達障がいも含めて、インクルーシブな地域社会を創り出すと述べています。社会的に弱い人の立場に沿った通知だったと思います。茂木さんも、地域を大切にする事や障がい者のライフ・ステージをつなぐ支援体制を探ったことを大いに評価しています。

 

 しかし、特別支援教育には充分な財源が付きませんでした。今も付いていないはずです。これは文部科学省の「特別支援教育の推進について」の通知の精神とは、ちぐはぐです。「きめこまかく、子どもたちの示す教育的ニーズに対応する」ために、これまでより多くの教員が必要なことは、最初から分かりきっています。いくらがんばっても、ひとりの教員で対応する教育的ニーズには限界があるからです。考えてみて下さい。少し難聴ぎみの○子ちゃんと、時には自閉症に見える●夫くんが同じ教室で机を並べる時、先生は聴覚障がいや発達障がいの一般的な知識は勉強すればわかるのですが、ひとりひとりが違う、○子ちゃんと●夫くんというふたりの子どもを同時に世話しなければいけなくなったら、困ってしまうと思います。そんな時は、ぜひとも難聴と自閉症のそれぞれに経験の深い人が、いっしょに教えるというのが理想なのです。書物でわかる知識は、代表的なことしか書いていません。でも実際には、必ずしも経験の豊富でない、人数も少ない教員で、子どもたちをどうにかこうにか回しているというのが実情だそうです。これだと「インクルーシブ教育」の理念は実現できません。そればかりではなく、「教育的ニーズ」の必要なさまざまな立場の子どもがひとつの教室に集まるのですから、先生の責任は背負える限界を超えて重いものになるだけでしょう。う~ん。

 

 わたし(三谷)は『障害児教育を考える』を読んでいて、まるで文部科学省というひとつの役所の中に、まったく違う考え方、感じ方の人がいるかのように感じてしまいました。考えすぎでしょうか?

 

☆   ☆

 

 茂木さんはこの本の中で、「特に知的発達に困難を抱える障害児は、身の回りのことが理解でき、処理できればよい、という発想を打ち破ることである。彼らにも、真実を伝え、文化と自然に親しみながら育つのを援助する教育を創るということである」と述べていました(第4章 学習と発達の保障をめざして、p. 186)。わたし(三谷)はこれを読んだ時、なぜ「真実を伝え、文化と自然に親しみながら育つ」ことが大切なのか、もうひとつピンと来ませんでした。知的障がいのある子どもは抽象的なことを考えるのが苦手です。苦手なことをムリに教えても、子どもが混乱するだけのような気がしたのです。

 

 この疑問には、内田 樹さんの『街場の文体論』 (5) という別の本を読んでいて、ハッと気が付くことがありました。内田さんは(フランス、あるいはヨーロッパのような)社会階層が強固な社会では、人は、偶然生まれ落ちた社会階層にふさわしい言葉遣いを強要されるとおっしゃるのです。茂木さんの『障害児教育を考える』にそんなことが書いてあるわけではありませんが、「特に知的発達に困難を抱える障害児は、身の回りのことが理解でき、処理できればよい」ような社会階層に属していると、「真実を伝え、文化と自然に親しみながら育つ」ような言葉遣い(や、立ち居振る舞い)は禁じられている。茂木さんは、その古めかしい社会のあり方を打ち破るために「真実を伝え、文化と自然に親しみながら育つ」ことは是が非でも必要であった。これはそういうことなのではなかろうかと思ってしまいました。

 

☆   ☆

 

 茂木さんは、現在の「障害者自立支援法」 (6) を稀代の悪法だとおっしゃいます(終章 障害者の自立を励ます社会へ)。わたしも同じ意見です。脳こうそくの後遺症があった多田富雄さん (7) という免疫学の偉い先生が、この法律のために脳こうそくの後遺症を持つ人は充分なリハビリが受けられなくなった。そのため、多くの当事者は廃用症候群で寝たきりの生活を強いられているとおっしゃっていました。そして福祉サービスを受けるためには、障がいの重い・軽いに関わりなく、収入があっても、なくても、一定の割合で、負担金を支払うのです。現実にはお金を負担できないために、いろいろな支援サービスをあきらめている方が多くいらっしゃると聞きます。

 

 障がいによって生まれるハンディキャップは、けがや病気のせいというより社会的なものです。国や自治体が行う施策とサービスによってはじめて、障がい者は健常者と同じスタートラインに立てるのです。ですから、茂木さんは、障がい者が「得る利益に応じてお金を払う」という考え方が、そもそも成立しないとおっしゃいます。そして障がいの軽い、たとえば軽い知的障がいや発達障がいの子どもが作業に必要な算数を学んだり、支持されたことを間違わずに理解するように国語を学んでいるともおっしゃっています。これではロボットのような働き手は作れるでしょうが、人間の心をみがくことはできません。

 

 本当にインクルージブな学校やインクルージブな社会を創っていこうとすると、日本社会が大切に守ってきた価値観は変えなければならないことに気が付きます。つまり、健康な男性だけで社会が成り立っていると誤解して作った価値観は、実際のところ健康でもなければ、男性でもない人が多いのですから、さまざまな人が、いっしょになって、支えていける社会を目指さなければいけません。

 

 それにしても、「特殊教育」という言葉のおかしさを意識した教員によって「障害児教育」という言葉が用いられたそうですが、こう呼ぶようになった1960年代からは、すでに半世紀の時間が流れています。障がい者ひとりひとりにとっては今日(きょう)、明日(あす)にでも解決してほしい問題なのに、あまりにも時間がかかりすぎです。しかし、「障害児教育」という運動には人びとの意識の改革が必要であり、財政の組みかえが必要です。民主的に成し遂げるには呆れる程の長い時間が必要な課題なのです。先に書いた、文部科学省(旧文部省)の複雑な対応に見えることも、その時どきによって変わった人びとの意見の反映なのかもしれません。そうだとすれば、日本社会そのもの、民意そのものが揺れ動いていることになります。

 

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(1) 『障害児教育を考える』(茂木俊彦 著、岩波新書 1110

http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0712/sin_k392.html

 

(2) 「子どもの権利条約」は、unicefのページがわかりやすかったです。

http://www.unicef.or.jp/crc/about/index.html

 

(3) 「障害者権利条約」は、障害保健福祉研究情報システム(DINF)に、いろいろな関連情報とともに載っていました。

http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html

 

(4) 文部科学省「特別支援教育の推進について(通知)」

http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/07050101.htm

 

(5) 内田 樹さんの『街場の文体論』には、ロラン・バルトの言ったエクリチュールという概念が、ヨーロッパ社会に根付いた旧弊を暴こうとしたとあります。

http://www.mishimasha.com/books/machiba4.htm

 

(6) 障害者自立支援法

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H17/H17HO123.html

 

(7) NHKスペシャル「脳梗塞(こうそく)からの"再生" ~免疫学者・多田富雄の闘い~」(2005124日(日) 午後9時~952分 総合テレビ)

http://www.nhk.or.jp/special/onair/051204.html

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

 この前から、小学校のお客さまの特注セミナーばかりを集中的にレポートしましたが、ひとはくの特注セミナーは、子ども達だけではありません。大人も愉しめます!!

明石市立高齢者大学「あかねが丘学園」から100名の方々にお越しいただきました。当然大セミナー室はギューギュー!! 数十年前は小学生だったと思いますが、今も立派に大きくなられ、現役でご活躍の学園生の方々です。今年の3月で定年退官される中瀬副館長の特注セミナーです。

            

大人の団体さまも、ご予約の時に、是非一度ご相談ください。特注セミナーをご紹介させていただきます。

残り少ない、貴重なセミナーです

 

        

2月21日のひとはくには、神戸市立唐櫃(からと)小学校3年生のみんなが来てくれました。写真のように、またまた大セミナー室は満員御礼状態。そしてこの日の特注セミナーは秋山主任研究員によるキノコの学習でした。キノコについての、たくさんの不思議を学びました。

 

そしてちょうど、今ひとはく2階の多様性フロアーでも、六甲山のキノコ展2013が開催されています。

世の中、キノコブーム?

 

      是非、ひとはくにお越しください。

き、き、きのこ のこのこ歩いたりしない!?

 大セミナー室前の案内表示。。。。。。中の様子をのぞいてみると、川西市立多田小学校3年生90名近くが、三橋主任研究員といっしょに、自分たちの学校の周りや猪名川町で調べた水生生物の学習をしていました。

      

 ちょうど、ヒゲナガカワトビケラの話の途中で、みんなの前に出て絵を描いてくれていました。学校の授業よりも長い時間でしたが、面白く楽しく、そして専門的に学びを深めているようでした。

          

 多田小学校さまのセミナーは、ご来館のご予約をいただく時、下見の時に内容を相談させていただき、一年間学校で環境学習を積み重ね、そのまとめ学習の位置づけとして、ひとはく博士による特注セミナーを提供させていただきました。

 

 今回の学校教育支援は、まとめの時期に研究員による特注セミナーというサポートでしたが、ご相談に応じて、年度の最初の段階、中頃の段階等々、可能な限り対応したいと思いますので、ご担当の先生、是非一度ご相談ください。

 

 

 

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして23

 

「サラマンカ宣言があった!」へのご感想

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 ひとはくブログ「サラマンカ宣言があった!」に、何人かの方から感想をいただきました。ご紹介します。書いて下さった方のお名前がわからないよう、文意を変えないように注意して書きかえました。書いて下さった方はご了承下さい。

 

 「サラマンカ宣言があった!」は、前回まで2回に分けて書いたブログ(1回目2回目)です。「サラマンカ宣言」というのは、ユネスコがスペイン政府といっしょに開いた「特別なニーズ教育に関する世界会議:アクセスと質」(ユネスコ・スペイン政府共催、1994年)という会議で出した声明のことです。「教育の支援が必要などんな子どもでも、みんな教育を受けられるようにしないといけない」という意味のことが述べてあります。

 

ある女性はわたしの書くブログに、こんなふうに感想を寄せて下さいました:

 

 

 このブログを読んでいると、大学の科学系専攻として受験のために勉強してきたことや、在学中、解いてきたあの数式は何のためだったのか、と不思議に思います。

 

 自然や生物を相手にされる学問では、そんなきれいに数式化できるものより、もっと形のわからない深いものがあるように思えてなりません。

 

 

今さらながら、いただいた感想を読んでわかったのですが、「サラマンカ宣言」という文書を認識している方は、あまりいなかったようです。国際的な教育の支援活動で活躍しておられる若い男性は、こんなふうに書いて下さいました:

 

 

 「サラマンカ宣言」のことは、認識しておりませんでした。この宣言が大きな変化に繋がることを願います。

 

 国際支援NPOが集まる大きなイベントが開催されました。それぞれのNPOの取組みを拝見すると、まさに(この)宣言で述べられている権利と提供が大きな課題になっていると感じました。印象深い団体が幾つかありました。

 

 教育は国力につながりますし、地域を変える力ですよね。恵まれていない国の子供たちの多くが、学習に強い気持ちを持っていることを感じます。

 

 

関西に住む60歳代の男性の感想です。お手紙を下さいました。サラマンカ宣言に関係があるところは、こんな具合です:

 

 

 サラマンカ宣言の事、一読致しました。このような教育が受けられたら、大変良い事です。しかしながら、教育者の質・数を揃えるには、相当な資金が要ると思います。赤字が続いている国・地方で、教育に使える予算が確保/増加できるのでしょうか。

 

 昔の事ですが、3歳年上の叔父は、教室不足で2部授業であったと聞いております。私の頃は、2部授業ではありませんでしたが、小学校では50人クラス、中学校では70人クラスでした。妹は、小学校で55人クラスでした。私の子等は、小学校で30人クラスになる程、人が減りました。多人数学級でも、私はまともな教育が受けられました。

 

子供の30人学級時代、担任の質の差があまりに大きいのに、驚かされています。

 

 

 インクルーシブな普通学校を当り前にするとすれば、先生の質を上げ、その人数も増やさねばならないでしょう。これを実現するには、日本でも(そうですが)、今のスペインでは、資金(予算)の上から、相当な困難を克服しなければなりません。我々の決意次第と言われるのでしょうが……。

 

 

 分かりにくい方のために、わたし(三谷)が書き直してみました。

 

 

(1) インクルーシブ教育を行うには教員の質と数が問題だが、今の日本にそれができるかは疑問。

 

(2) 生徒の数は人口や学校制度の変化で増減するが、個人的には多人数学級でもまともな教育が受けられた。

 

(3) 現在は相対的に教員数が多くなった。その一方でレベルの低い教員が目に付く。

 

(4) 資金ばかりかかって、意識の低い教員を増やすのでは、インクルーシブ教育の実行は不可能だ。

 

 

 いかがでしょうか? これで合っていますか?

 

☆   ☆

 

 このご感想には、ふたつの論点がいっしょになっていると思います。ひとつは「インクルーシブ教育にかかるお金」の問題であり、もうひとつは「教員の意識やレベル」の問題です。論点を分けて整理しておきます。

 

 まず「インクルーシブ教育にかかるお金」の問題です。

 

 何度も書きますが、「インクルーシブ教育」というのは、なるべくなら、教育の支援が必要な子は誰でも、地域の普通学校で教育を受けられるようにしようという理念です。どんな子どもも、可能な限り地域で受け入れようというのですから、地域の学校は今までの何倍ものお金がかかるような気がします。

 

 今までの教育制度よりもインクルーシブ教育がよいと言う方でも、財源をどうするのかは大問題だとおっしゃいます。直接、サラマンカ宣言に関係することではないのですが、2012年に日本の内閣府が取った障がいや障がい者に対する意識調査の結果が公表されています (1)。全国規模の世論調査です。ちょっと見てみましょう。

 

 この世論調査では、国連の採択した条約で「サラマンカ宣言」 (2) にも関係の深い「障害者権利条約」は、だいたいの人が知らないと答えました(「知っている」 18.0%、「知らない」 81.5%)。しかし、点字ブロックや音声案内といった障がい者への公的な配慮は、税金が増えて経済的な負担はあっても、63.8%の人がすると答えました。また、私企業や民間団体には、「障害のある人の雇用の促進」(61.4%)や「障害者になっても継続して働く事のできる体制の整備」(61.4%)、「障害のある人に配慮した事業所等の改善・整備」(49.5%)を希望したそうです。

 

 だいたいの方は、「サラマンカ宣言」「障害者権利条約」は知らないけれども、「サラマンカ宣言」「障害者権利条約」で言っている事には賛成しているのです。あとは金額です。あまり負担が大きすぎては、実現したくても、できないように思います。

 

 ここまで考えてみて、わたしは疑問に思った事がありました。なるほどインクルーシブ教育を推進するための財源は問題だが、それなら財政が不安定なヨーロッパで、「サラマンカ宣言」「障害者権利条約」に賛成する国が多いのはなぜでしょうか? 何かお金の問題以外の理由があるのでしょうか?

 

☆   ☆

 

 「教員の意識やレベル」の問題はどうでしょう?

 

 学校の先生という仕事は、「教育」という特殊な技能を研いた、しかし、ごく普通の方が就く職業です。職業という意味では料理人や大工や船乗りや政治家と何も変わりません。変わっているは、「教育」が人の一生を左右するというところです。教育技術が優れているという以上に、人格的に立派な先生は、おとなになった子どもの人生まで左右します。「教員の意識やレベル」の問題というのは教育の技術うんぬんではなく、おそらく子どもに影響を与える可能性の高い、教員の人格の事をおっしゃっているのだと思います。

 

 「生まれつき人格が優れている」などという人はいませんから、りっぱな先生かどうかというのは、子どもを前にした時の覚悟の問題ではないでしょうか? つまり、ごく普通の人間が子どもに何を伝えたいのかという覚悟です。この覚悟がないまま教員を続けるのであれば、できるだけ少ないエネルギーで、目に見える多くの成果を探すようになるでしょう。すると、これまで行ってきた教育制度のままですから、実質的にインクルーシブ教育はかけ声倒れという事になるでしょう。

 

 立場の弱い人びとを仲間はずれにする社会は経済的・効率的に見えても、結局、滅びてしまうだけだといいます。さまざまな立場を生かす多様性の高い社会の方が生き延びるのです。そこでは「意識やレベル」の高い先生方が活躍しているように思います。

 

 これはわたしの意見です。皆さんはどう思いますか?

 

 この次は教育心理学者である茂木俊彦さんの障害児教育を考える(岩波新書 1110)を取り上げます。

 

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(1) 「障害者に関する世論調査」内閣府大臣官房政府広報室

[http://www8.cao.go.jp/survey/h24/h24-shougai/index.html]

 

(2) もちろん「サラマンカ宣言」は障がいのある子どもだけでなく、ストレート・チルドレンや難民の子ども、お金のために売られた子どももなど、「特別なニーズが必要な子ども」すべてに教育の援助をしようという宣言です。「宣言」ですから、たとえば「条約」よりも弱いものです。ですから、「批准」や「国内法の整備」の必要もありません。

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

 

2月16日(土)、17日(日)に開催されました。 フロアスタッフとあそぼう『画はくの日』をご紹介いたしま~す。

 

今回のテーマは・・・anmonaito.jpg

                                                                                                                                    でした。

  ひとはくで上映されている、フロアスタッフの手作りのデジタル紙芝居『アンモナイト物語』に登場しているアンモナイトとその仲間たちを、みんなで描こうというものです。

 このお話に出てくる、アンモナイトのキャラクターたちは、実際に  博物館に展示されているアンモナイトたちなんです。

 みんなで、アンモナイトのキャラクターをさがしました。

P1140953.JPG P1140955.JPG

↑博物館の中を探検中・・・                ↑アンモナイトは、見つかったかな?

P1140952.JPG

↑お話に登場する、オフタルモサウルスを描いてもOK!

そして、楽しくお絵かきをしました。

P1140963.JPG P1140975.JPG P1140964.JPG

P1140961.JPG P1140959.JPG P1140973.JPG      

みんな と~っても上手に書けました。

次の「画はくの日」まで、ひとはくサロンに展示させていただきます♪

ぜひ、見に来て下さいね♪

 

P1140981.JPGのサムネール画像                                   フロアスタッフ うえやま・ささやま・おの 

 

 

       

 

 

 

 

 

人と自然の博物館では、宝塚市立丸橋小学校と共同で自然・環境・文化についての学習活動をサポートするため学校キャラバンを実施しました。
 

展示物積込み博物館から昆虫の標本や模型をはじめ、化石の標本、展示パネルなど次々に運ばれていきました。

  宝塚市立丸橋小学校 到着

移動博物館車「ゆめはく」が宝塚市立丸橋小学校に到着!到着した「ゆめはく」に児童たちは驚き、何が入っているのか興味津々。廊下を移動する恐竜には、さらに驚愕!!

展示物設営

教室をお借りして展示物の設営    

    ポスター   扉の向こうには・・・     

 丸橋小学校と博物館の夢のコラボです  廊下から見えるその姿に児童たちは・・・

   丸橋小職員を前にあいさつ  展示解説     

設営後、わかりやすく児童へ説明をするために、博物館の古谷主任研究員より先生方へ展示について解説がありました。

丸橋小学校との学校キャラバン事業は2月15日から20日まで行われます。児童のみなさん、保護者のみなさん、地域の方々、この機会にぜひ丸橋小学校にお出かけご覧ください。どうぞお楽しみに!

情報管理課 阪上勝彦

 

 

2月11日の発表会当日は、小学生から大人までさまざまな世代の参加者185名が、13件の発表を前に活発な意見交換や発表者間の交流を行いました。

それぞれが工夫を凝らした研究や活動内容を紹介し、迫力のある発表会となりました。これらの力作ぞろいのポスターや作品展示が4/7(日)まで当館3階展示室で展示されていますので、是非ご来館ください。

なお、受賞発表・作品は以下の通りです。おめでとうございます!                 (共生のひろば担当 鈴木武)


【館長賞】:「特に優れた発表」
口頭 OP-07 化石処理用チゼル針半自動研磨機の開発
       和田和美 (ひとはく連携活動グループ「ラボーンズ」)

   OP-10 丹波黒大豆を守る!~廃材を活用した土づくりの挑戦~
       村山広夢、早川義希、中馬唯吹、糸川 駿、庄治優介、ソウ永河、柳原大樹、毛利莉緒
       (兵庫県立篠山東雲高等学校 しののめ黒大豆研究チーム)

ポスター  PP-03     六甲山再度公園のキノコの多様性
        ~標本や出現傾向からみた多様性の不思議~

                高野彩花、矢田部恵美、森下堅太、長田祐基、魚谷和秀、仁藤湧也、石田初音
       (兵庫県立御影高等学校 環境科学部生物班)

      PP-19  日高町太田スコリアはぎ取り展示
         岡 記左子、石ころくらぶ一同 (石ころクラブ)

 【名誉館長賞】:「ユニークな発表」
口頭 OP-11 石屋川のプラナリアの謎を解く
       ~2年生環境科学セミナーからの知見~
         住田光毅、内藤優弥、西村僚祐、伴 龍也、丸谷祥太、宮下大樹
         森南直汰、江口萌奈美、藤丸菜穂、堀江彩花、山本紗希、渡辺育未
       (兵庫県立御影高等学校 グローバルスタディ環境科学セミナー)

    OP-12  西池・黒池の外来カメ調査報告
                     
西濱 扶、有薗理沙、河越俊平、井村柊介  (兵庫県立伊丹北高等学校自然科学部)
       谷本卓弥(顧問、ひとはく地域研究員)

ポスター PP-03  コヤマトビケラの餌場探索行動
        -コヤマトビケラは匂いで餌場を感知する-
        岸本昌之、藤原瑞穂、網本真美(兵庫県立香寺高等学校 自然科学部)  久後地平(顧問)

     PP-12  貝殻拾いから始まって
        
谷口 新

【審査員特別賞】:「データ量や活動量など努力量の多い内容や継続的な活動」
口頭  OP-11   加東市のため池調査から見えてきたもの
        岸本清明 (ひとはく地域研究員)

    OP-03    小学生・幼稚園児にミヤマアカネに親しんでもらうための活動 
        
「あかねちゃんとその仲間を知ろう」 
       辰巳淳子 (ひとはく連携活動グループ ミヤマアカネ生態研究会 「あかねちゃんクラブ」

ポスター PP-14 ギリシャアテネの国際甲殻類学会に参加・英語での報告
        川本愛奈、西山春佳 (神戸市立六甲アイランド高等学校)  丹羽信彰(顧問)

     PP-23 六甲山のブナ林における植物相の種多様性
          増井啓治 (植物リサーチクラブの会)

【会場注目賞】:「多くの参加者から注目された発表」
口頭  OP-10  丹波黒大豆を守る! ~廃材を活用した土づくりの挑戦~
       村山広夢、早川義希、中馬唯吹、糸川 駿、庄治優介、ソウ永河、柳原大樹、毛利莉緒
       (兵庫県立篠山東雲高等学校 しののめ黒大豆研究チーム)

    OP-12  西池・黒池の外来カメ調査報告
       西濱 扶、有薗理沙、河越俊平、井村柊介(兵庫県立伊丹北高等学校自然科学部)
       谷本卓弥(顧問、ひとはく地域研究員)

ポスター PP-02  特産でECO  ~山の芋グリーンカーテンで涼しく、美味しく、節電しよう~
                       村山広夢、毛利莉緒、伊藤正貴、早川義希、中馬唯吹
         糸川 駿、 庄治優介、ソウ永河、柳原大樹
        (兵庫県立篠山東雲高等学校 しののめ山の芋研究チーム)

            PP-19 日高町太田スコリアはぎ取り展示
        岡 記左子、石ころクラブ一同 (石ころクラブ)  

ホームページでもお伝えしていたように「第8回共生のひろば 発表会」がホロンピアホールで行われました。地域の活動団体や高等学校など13団体が、地域の自然・環境・文化に関する市民活動の輪を広げることを目的に発表しました。

共生のひろば 発表会

共生のひろば 発表の様子

発表会は、本日のみですが展示会(ポスター・作品発表)は4月7日まで開催しています。
発表会に参加できなかった団体を含め、28団体の研究や活動の成果がまとめられています。

  共生のひろば 展示会

 ポスター発表 作品展示の会場
 ひとはく 3階展示室

展示会1   展示会2

       展示会の様子               質問にも丁寧に対応されています


地域で活動されている各団体の素晴らしい研究や成果は一見の価値あり!
是非お越しくださいネ!

情報管理課 阪上勝彦

ひとはくはメンテナンスを終え、本日より通常通りオープンいたします。

オープン初日、生物多様性の保全に関心のある市民、企業、NPO/NGO及び自治体の方々を対象に下記のイベントが開催されました。

      「生物多様性地域連携促進セミナー in 兵庫」
主催:環境省
共催:兵庫県、国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、 生物多様性自治体ネットワーク
協力:兵庫県人と自然の博物館

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                      会場の様子                               活動団体によるブース出展


ワークショップ  テーマ:「多様な主体の連携による促進に向けた課題と展望」

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                 地域での活動事例の発表後、グループごとに意見交換


一方、となりの部屋では・・・

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生物多様性キャラクターの「タヨちゃん・サトくん」UNDB-J)、「はばタン」(兵庫県)と「ひとはく博士」(兵庫県立人と自然の博物館)が駆けつけてくれました。
ここでは研究員が小さな子どもたちを対象に、「生物の多様性」の意味を参加型クイズ形式でわかりやすく説明をしてくれています。
最後には、生物多様性キャラクターたちとの撮影会が行われました。

こうして1日が終わり、ひとはくも活気が戻ってまいりました。連休となる明日・明後日、皆さまのお越しをお待ちしています。

情報管理課 阪上勝彦


ひとはく 避難訓練

2013年2月 7日

「9時40分 ひとはく内で火災が発生しました!」
   という想定の下、三田消防署の指導を仰ぎ、館内の職員全員で避難訓練をしました。

避難訓練のサムネール画像館内各フロアからの避難誘導、非常持ち出し、救護活動などを全員落ち着いて行いました。
消防署の講評で、煙の恐ろしさを改めて認識しました。

消火訓練1  消火訓練2
     消火手順の説明を聞く職員              消火器を使った消火訓練

その後、救命講習があり、心肺蘇生とAEDの手順を確認しました。職員から多数の質問があり、とても充実した内容となりました。

これからも安心してお客様をお迎えするため職員皆が真剣な表情で受講しました。

ひとはくは、1月7日から2月8日までメンテナンスのため休館していましたが、2月9日(土)から開館しますので皆様のご来館をお待ちしています。

 情報管理課 阪上勝彦

ひとはくでは、環境省と協力して2013年2月9日(土)に生物多様性地域連携促進セミナーを開催いたします。
関心のあるかたは、ぜひご参加頂ければと思います。

chiikirenkei20130209.jpgこのセミナーは、生物多様性の保全に関心のある市民、企業、NPO/NGO及び自治体の方々を対象として、地域の多様な主体の連携による活動の事例発表や参加者同士の意見交換を通じて、生物多様性地域連携促進法(平成23年10月施行)の活用を促すとともに、生物多様性の保全に向けた地域に根ざした連携の取組を促進することを目的としております。

詳しくは下記のホームページをごらんください。

http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16184

また、子ども向けのプログラムもあります!
4種類のゆるきゃらと一緒に写真撮影や楽しいイベント・ワークショップもありますよ!
 → チラシはこちらからダウンロードできます

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なお当日のプログラム内容は下記のとおりです。

【日時】 平成25年2月9日(土)13:00~17:00(開場12:30)
【会場】 兵庫県立人と自然の博物館 本館4階 大セミナー室
     (兵庫県三田市弥生が丘6丁目)
【主催等】 
主催:環境省 共催:兵庫県、国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、
生物多様性自治体ネットワーク
協力:兵庫県立人と自然の博物館

【対象者】 主として兵庫県内の市民、企業、NPO/NGO及び自治体の方々

【開催趣旨】 生物多様性の保全のためには、地域において様々な関係者が連携して地域の特性に応じた取組を行うことが重要であることから、平成23年10月に「地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律(生物多様性地域連携促進法)」が施行されました。本セミナーは、地域の多様な主体の連携による活動の事例発表や参加者同士の意見交換を通じて、生物多様性地域連携促進法の活用を促すとともに、生物多様性の保全に向けた地域に根ざした連携の取組を促進することを目的として開催します。

【プログラム】
13:00~13:10 開会挨拶  環境省 ・ 兵庫県
13:10~13:20 生物多様性キャラクター応援団共同宣言式
   UNDB-J「タヨちゃんサトくん」
   兵庫県「はばタン」
   兵庫県立人と自然の博物館「ひとはく博士」
   ※終了後、別会場で子ども向け写真撮影会等を実施

13:20~13:35 ひょうごの生物多様性保全プロジェクト認定証交付式

13:35~14:05 多様な主体の連携による生物多様性保全活動の意義 竹田純一氏
(農山村支援センター事務局長/里地ネットワーク事務局長/内閣官房地域活性化伝道師/東京農業大学学術研究員)

14:05~14:25 生物多様性地域連携促進法のあらましと生物多様性をめぐる最近の話題
   環境省 生物多様性施策推進室

14:25~15:30 地域での活動事例の発表
  「地域連携保全活動による持続可能な都市型里山を目指して」
   西宮市環境局環境緑化部環境学習都市推進課 副主査 上野真理子 氏
  「東お多福山草原保全における多様な主体による地域連携」
   東お多福山草原保全・再生研究会 事務局 橋本佳延 氏
  「淡路水交会による漁業者の森づくり活動」
   南淡漁業協同組合 組合員 西野恵介 氏
  「尼崎の森中央緑地における百年の森の創造を目指した市民・企業・行政の連携」
   兵庫県阪神南県民局尼崎港管理事務所 尼崎21世紀プロジェクト推進室長 塚原淳 氏
   尼崎信用金庫営業統括部 次長 越柴豊 氏

15:30~16:00 休憩(活動団体によるブース出展)

16:00~17:00 ワークショップ 
  テーマ:多様な主体による連携の促進に向けた課題と展望

【定員、参加料】  100名程度、無料

【セミナーへの参加申し込み方法について】
E-mail、FAX、又は下記URL上の申し込みフォームのいずれかの方法で、平成25年2月1日(金)までに下記事務局までお申し込みください。
お申し込みフォームURL http://www.event-notice.org/bdseminar/hyogo/

E-mail又はFAXでお申し込みの際には、表題に「生物多様性地域連携促進セミナー in 兵庫 参加申し込み」と明記し、[1]氏名(ふりがな)、[2]住所、[3]電話番号、[4]勤務先及び役職、[5]連絡先E-mailアドレス(又はFAX)をご記入ください。
事務局からの返信メールを参加券としますので、当日必ずお持ちくだい。
参加券は、参加希望者一人につき1通とさせていただきます。
参加希望者が多数の場合は、先着順といたします。

以上です。

多くのみなさまのお越しをお待ちしております。

(みつはしひろむね)

 今日は1月31日 久しぶりに快晴

快晴は きっもちE~(o^^o)

(写真をクリックすると、大きく表示されます)

 

 とても暖かい一日です。 過ごしやすい一月の晦日

  青空は 続くよ どこまでも

 

 どこまでも どこまでも つながってる..... ぐるっと 地球を 回ってるかな? 

ひとはく2013

2013年1月30日

ひとはく20年の実績に基づいて、21年目からのひとはくのあるべきすがたを描き出しています。日常的な活動と並行し、現在の博物館に求められているものが何かを広く検討し、ひとはくに注目して下さる方々のご意見をいただきながら、成人したひとはくのあるべきすがたを模索する作業を進めました。年度末には、ひとはくの20年を総括し、自己評価する文書を取りまとめ、同時にひとはくの将来構想を公表する準備を進めています。自分たちの活動が何であったかは、すでに『みんなで楽しむ新しい博物館のこころみ』(研成社刊、2012年)にまとめ、博物館に関心を寄せ、活用して下さる人々からの評価をいただいています。より広い範囲の人々の博物館活動への関心を呼ぶことができれば幸と思っています。

 ひとはくでは新しく、ひとはく多様性フロアに「魅せる収蔵庫」コーナーを整え、博物館が生物多様性とどのように取り組んでいるか、それをすべての階層の人々とどのように共有できるかの試みを始めました。これからの人と自然の調和ある共存のために、わたしたちを含む生物多様性の望ましい在り方をいっしょに考えるコーナーに育てるように、ひとはくはいっそうの注力をしたいと考えています。

 

(ひとはく多様性フロア)

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今年は、移動博物館車「ゆめはく」が皆さん方のお近くで見かけられる機会も増えることと思います。「ゆめはく」がやってくるのを待つだけでなく、積極的に「ゆめはく」をみなさんの地域に呼び寄せる行動も起こしていただければと期待します。「ゆめはく」はひとはくの移動博物館車ですが、同時にみなさんの移動博物館車でもあります。その実績が、今年は大きな効果を上げることを期待したいと思います。

(ゆめはく)

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これまでひとはくといっしょに学ばれた方も、これまでひとはくと接点がなかったけれども今年は恊働の実績をあげたいと期待されている方も、ひとはくの活動を起点とした学習に今年はいっそう多く参画されるよう期待します。

 

                       岩槻邦男(館長)

 

 

 

みなさま、あけましておめでとうございます。

昨年は多くのお客様にお越しいただき、素敵な出会いをありがとうございました。

 

 

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今年もひとはくをどうぞよろしくお願いします。1月のひとはくは3日から開館していました。凍えそうな寒さの中、多くのお客様がひとはくでのお正月を楽しんでくださっていました。

こちらはFSとあそぼう「凧づくり」の様子です。

 

たこづくり.jpg

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みなさまが作ってくれた凧は高くまで上がり、楽しんでくれていましたが。スタッフも一緒になって楽しんでしまったために、写真がありません。

様子をお届けできなくて、すみません。

 

現在、ひとはくはメンテナンス休館のため、お休みをいただいております。

2月は9日(土)から開館、さっそく楽しいイベントが、もりだくさん♪

 

2月のフロアスタッフとあそぼう(土日祝15:00~)

2月9日()10()・11日(月・祝)「川でさかなつり」 

2月16()17()「画はくの日」

2月23()24()「おひなまづくり」

 

うきうきワークショップ10:3016:00※時間内はいつでもご参加できます!)

2月23()「コウノトリとあそぼう!」参加費無料

 

 

くわしくはうきうきカレンダー12月合併号をごらんください。

今年もたくさんの笑顔に出会えることを楽しみに、みなさまのお越しをお待ちしております。

 

フロアスタッフ みの あんな

 

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして22

 

サラマンカ宣言があった!ー2

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 サラマンカ宣言では、ユネスコとスペイン政府が「特別なニーズが必要な子どもの教育をしっかりやろう」という理想を宣言しました。「特別なニーズが必要な子ども」というと、まず障がい児のことを思いうかべるかもしれません。でも、世界にはいろいろな子どもがいます。ストレート・チルドレンや難民の子ども、お金のために売られた子どももいるでしょう。女の子には教育は要らないという人もいます。そんな全ての子どもに援助が必要です。みんな「特別なニーズが必要な子ども」なのです。

 

 サラマンカ宣言では、まず地域の普通学校を想定しています。各地域には、保育や幼稚園で行う幼児教育から始まって、大学や大学院までさまざまな教育施設があります。日本では小学校と中学校が義務教育ですから、子どもは全て、小学校や中学校で教育を受ける権利があります。ただ、特別な場合は学校に行かずに家庭でいてよかったり、後には特別な教育をする学校に行ったりする時期が長くありました。「特殊教育」と言う、たとえば盲(もう)学校や聾(ろう)学校、養護(ようご)学校の事です。

 

 盲(もう)学校というのは盲(もう)や弱視(じゃくし)の子どもが通った学校です。ここでは点字(てんじ)を教えてくれました。点字(てんじ)というのは、紙にポツポツの穴が開いていて、普通の字と同じように何かの意味を読み取る字の書き方のことです。ただし、目ではなく、指先や、指のない人はくちびるで読み取ります。ちなみに、よくあるインクや鉛筆や筆(ふで)で書いた「目に頼る字」の事は、「点字(てんじ)」に対して「墨字(すみじ)」と呼びます。

 

 聾(ろう)学校というのは、ろうの子どもや難聴(なんちょう)の子どもが通った学校です。ここが普通の学校と違うのは、システムは学校によって少し違うのですが、手話(しゅわ)で授業が受けられた事です。手話(しゅわ)というのは、多くの人が使う発話言語(はつわ・げんご)とは違います。ジェスチャーや指の動き、表情で伝える言葉です。言うなら「耳に頼る言語」ではなく「目に頼る言語」なのです。ろうや難聴(なんちょう)の子どもは、学校で手話(しゅわ)が禁止されていた頃から、友だちとのお喋りや遊びを通して手話(しゅわ)を身に付けたものでした。ですから、手話(しゅわ)はもともと人工的に作られた「仮の言葉」などではなく、自然な本来の言葉なのです。

 

 その他に、知的障がいのある子どもや自閉症の子ども、知的障がいはないのだが、手や足がなかったり、マヒがあったりする子どもがいます。そのような子どもが通うのが養護(ようご)学校でした。この学校に点字(てんじ)や手話(しゅわ)のように特別なコミュニケーション手段はないのですが、でも子どもの感性や才能が特殊な場合がよくあります。絵を描(か)く事に特別な才能を持っていたり、音楽は、一度聞けば全部憶えるという子どももいます。ですから先生は、子どもの持っている可能性に感覚を研ぎ澄まさねばならないはずです。先生自身に学習障がいのある、たとえば絵の才能が豊かな人なら、子どもの才能を見逃す事は少ないでしょう。

 

 このような特殊教育を行う学校は、つい最近、日本でも制度が変わりました。2007年4月に変わった特別支援学校による特別支援教育です。

 

 特別支援教育でも、元の盲(もう)学校や聾(ろう)学校のように、点字(てんじ)や手話(しゅわ)といった特別に訓練をした先生や、先生自身がもうやろうでないと教えられない事があります。ですから、名前は特別支援学校に変わりましたが、今でも元の盲(もう)学校や聾(ろう)学校に通う子どもたちは大勢います。

 

 でも、その子どもたちが特に望むのなら、地域の「普通学校」に通う事もできるようになりました――多くの市町村では、当事者の希望と障がいの種類や程度から、特別支援学校に通うべきか「普通学校」に通うべきかを「総合的に判断」するのだそうです (1)

 

☆   ☆

 

 わたしの目には、今、日本の教育は、古い「特殊教育」からサラマンカ宣言の理想としたシステムへ移っていく「渡り廊下(わたり・ろうか)」の途中にいるような気がします。古い「特殊教育」のシステムでは、特別に訓練をした先生や障がいのある先生が、子どもたちの障がいの種類や程度に応じて教えてくれますから効率的でしょう。その一方で、子どもは盲(もう)学校や聾(ろう)学校、養護(ようご)学校だけに通いますから、多数者の、つまり晴眼者や聴者といった人びととふれ合う機会は、それだけ少ないことになります。

 

 サラマンカ宣言の理想としたシステムでは、障がい児に限らず「特別なニーズが必要な子ども」は誰でも地域の学校に通います。そして地域の学校は、さまざまな「特別なニーズ」に対応できるようにカリキュラムや教育内容、設備をそろえていくのです。この事から、「社会は元来、さまざまな人びとで成り立っていて、そのさまざまな人びとが、お互いを認め合う事で、力(ちから)を得るのだ」というインクルーシブな社会、ユニバーサル社会 (2) の理想に近づくことができると思います。ただ、インクルーシブな社会やユニバーサルな社会を実現するためには、まだまだ乗りこえるべきハードルがあるように思います。その事を教育について考えてみましょう。

 

 まず、特別に訓練を受けた先生の確保です。点字(てんじ)や手話(しゅわ)は、使える人が、まだまだ少ないコミュニケーション手段です。今いる先生に訓練を受けていただくといっても、コミュニケーション手段は小さい時から使っていなければ、なかなか本当に使えるようにはなりません。子どもの得意な事とか発達を認識するのも難しいかもしれません。

 

 「(子どもによって)複数の先生がひとつのクラスで、同時に教える」形態は、日本でもすでにあるのだと思いますが、ヨーロッパなどの「インクルーシブ教育」先進国では普通の事のようです。先生は教育技能の質が違っていて、言ってみれば「自分の得意技」で教育できるのです。しかし、先生のお給料は、2人いれば2倍、3人いれば3倍というふうにかかります。これは普通の出費と違って、社会全体の教育費ですから、ただ棄てるようなお金ではなく、未来への投資です。しかし、これを実現するには地域の人の理解が欠かせないでしょう。

 

 同様に、カリキュラムを増やし、新しい設備を入れるのにも、使いこなせる人材とお金が必要です。それを一度に変えるというのは難しそうです。日本の教育制度が、今、「渡り廊下(わたり・ろうか)」の途中にいるようなものだと思うのは、そんなわけです。

 

☆   ☆

 

 博物館のような生涯学習施設は、義務教育のための小学校や中学校とは違うかもしれません。でも生涯学習施設なら、今はまだユニバーサルであったり、インクルーシブであったりすることは少ないのですが、もともとが「全ての人びとに開かれている(べき)施設」です。わたしは「サラマンカ宣言の理想としたシステム」に、いちばん近いように思います。

 

 もちろん、義務教育のところで述べたように、制度を作り直す難しさや、お金の心配、言い換えれば、さまざまな人の使いやすさを市民がどれだけ理解してくれるかといった難しさはあります。それにもまして、館員自身の理解がおぼつかないのでは話になりません。まずは、そこから始めなければならないからです。

 

 ですが、生涯学習施設――博物館以外にも美術館や図書館がありますし、最近では、たとえば放送大学などは生涯学習施設の色彩があると思います――なら誰でも、どのような立場の人でも学ぶ事ができます。そしてもうひとつ大切な事は、計画の時から、みんなで参加する事です(これを実現できている施設は少ないと思います)。

 

 計画といっても、何も「設計図を引くところから」という意味ではありません(観客として来た人が設計図を引いてくれたら、思いもよらない発想の生涯学習施設ができて、おもしろいと思うのですが)。たとえば、計画する人のなかに視覚障がい者がいれば、ガラスで囲まれた展示物は、やがてなくなるでしょう。ガラスで囲まれていたのでは、触る事ができないからです。母語が日本語でない人がいたら、やがて日本語だけの展示解説というのもなくなるでしょう。また認知症や学習障がい者、失語症者のようなコミュニケーション障がい者が入っていれば、展示解説をくふうして、よくある字(漢字・ひらがな・カタカナ)だけの解説から、ビデオや絵が出て、同時に読み上げてくれるようなマルチメディアの展示解説がいいと言うかもしれません。

 

 計画段階からいろいろ多様な人が参加する事で、本当に使いやすいユニバーサルでインクルーシブなもの――見た目も大切です――ができるのです。

 

 前にも書いたと思います。ユニバーサルでインクルーシブな生涯学習施設は、ユニバーサルでインクルーシブな社会の雛形(ひながた)です。サラマンカ宣言の精神は、そこで具体的に求められているのだと思います。

 

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(1) 竹内まり子 (2010) 「特別支援教育をめぐる近年の動向―『障害者の権利に関する条約』の締結に向けて―」(国立国会図書館 ISSUE BRIEF 調査と情報,第684号,pp. 12. [http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3050393_po_0684.pdf?contentNo=1]

 

(2) 兵庫県(2005  ひょうごユニバーサル社会づくり総合指針.兵庫県,pp. 30. [http://www.universal-hyogo.jp/contents/outline/shishin.html]

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして21

 

サラマンカ宣言があった!-1

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 インターネットを調べていて、わたしの考えているユニバーサル社会やユニバーサル・ミュージアムとよく似た考え方に気が付きました。今さらながらですが、少し驚きました。サラマンカ宣言 (1) といいます。もともと「サラマンカ宣言」の名前は知っていました。ただ、この宣言がユニバーサル社会やユニバーサル・ミュージアムに、どうつながっているのかは、よく知りませんでした。

 

 サラマンカ宣言は、ユネスコがスペイン政府といっしょに開いた「特別なニーズ教育に関する世界会議:アクセスと質」(ユネスコ・スペイン政府共催、1994年)という集まりで出した声明です。スペインのサマランカという町に、いろいろな教育関係者が集まって「支援が必要な子どもへの教育」について話し合ったのです。サラマンカ宣言はその会議の結論のようなものでした。「教育の支援が必要などんな子でも、みんな教育を受けられるようにしないといけない」という意味のことが述べてあります。

 

 サラマンカはスペインの首都マドリードからおよそ200キロメートル北西へ行ったところにあり、旧市街はユネスコの世界遺産に指定されています。サラマンカにはサラマンカ大学という古い大学があるのですが、ことさら会議にサラマンカ大学は関係がないみたいです。でも大学にはたくさんの教員や学生、大学院生がいるはずですから、どこかで貢献があったのかもしれません。

 

 インターネットには、サラマンカ大学は1244年に創設された、世界で三番目に古い大学だと書いてありました。他のふたつも調べてみると、フランスのパリ大学とイタリアのボローニャ大学という事です。パリ大学なら何度か行った事があります。

 

 いずれにせよ、そのサラマンカでユネスコとスペイン政府が「特別なニーズを持つ子どもの教育もしっかりやろう」という理想を宣言しました。それがサラマンカ宣言です。

 

☆   ☆

 

 「特別なニーズ」というと、日本の教育者はまず最初に「障害児の教育」を思いうかべるのでしょうか? 確かに「障害児には、いろいろな配慮が必要」な事はまちがいありません。全盲のひとし君には点字が欠かせませんし、ろうのいつ子ちゃんには手話が必要です。脳性マヒのさとし君は、自分ではまだよくわかっていないのですが、人一倍、疲れやすいのです。クラスのみんなが騒ぐ時は、そっと見守ってあげないといけません。われを忘れて騒いでしまうからです。そして、それぞれ違う形でですが、どの子も学ぶ事が大好きです。

 

 今、言ったように、子どもによって学び方は違います。そして、みんな普通の子どもなのです。このような「特別なニーズ」のある子どもも「みんな普通の子ども」だと認めようというのが、会議に集まった教育関係者がサマランカ宣言で言いたかった事だと思います。「特別なニーズのある子ども」は障がい児に限りません。いじめられたり、いじめたりする子もいれば、日本語のよくわからない子もいます。日常の習慣が多くの人と異なる子どもも、クラスではとまどう事が多いでしょう。そんなすべての子どもが、「特別なニーズのある子ども」であり、「みんな普通の子ども」なのです。

 

 サラマンカ宣言ではこんな事を宣言しています:

 

・ すべての子どもは教育への基本的権利を有しており、満足できる水準の学習を達成しかつ維持する機会を与えられなければならない。

・ すべての子どもは独自の特性、感心、能力および学習上のニーズを有している。

・ 教育制度の計画および教育プログラムの実施にあたっては、このような特性とニーズの広範な多様性が考慮に入れられるべきである。

・ 教育上の特別なニーズを有する者は普通学校にアクセスできなければならず、普通学校はそのようなニーズを満たしうる子ども中心の教育のなかへそのような者を受け入れるべきである。

・ このようなインクルーシブな志向を持つ普通学校は、差別的な態度と闘い、誰もが受け入れられる地域を創造し、インクルーシブな社会を構築し、かつ万人のための教育を達成するもっとも効果的な手段である。

 

 「ニーズ」は要求とでも訳せばよいのでしょうが、「要求」と言ってしまうと、たとえばワガママな要求も「要求」ということになります。ここではそんな意味ではなく、「(教育への基本的権利を守るための子どもの)自然な要求」といった意味です。

 

 「子ども中心の教育」というのは、当たり前のことを言っているに過ぎません。「子どもが主人公の教育」という事です。教育はもともと教育を受ける人――子どもに限らず、生涯学習ではおとなや高齢者、また女性という場合もあります――のためにするのですから、これが「教師中心の教育」「教師が主人公の教育」では矛盾しています。ここでは「特別なニーズを持つ子どもの教育」のための宣言なのですから、「子ども中心の教育」でよいのです。

 

 それから「インクルーシブ」というのは、あえて日本語にすれば「多くを含んだ」という意味です。「多様な要求を持った」とでも訳せばよいのでしょうか。ここでは、たとえ普通学校であっても、すべての子どもが「ふつう」という規準に合わせるのではなく、子どもはひとりひとり、みんな違うのだから、いろいろな子どもの「当然の要求」、つまり「ニーズ」を学校の側が形やプログラムを柔軟に変えて、尊重しなければいけないという意味で使っています。無理に日本語にすると誤解をする人がいると思ったのか、今はカタカナのままで使っているのです。

 

☆   ☆

 

 この連載の4回目に、「ユニバーサル・ミュージアム:ことばの整理」 (2) を書きました。その中で「インクルーシブ・デザイン」 (3) についても書いています。「ことばの整理」によればインクルーシブ・デザインとは、「『いろいろな人が使いやすいように』というのはユニバーサル・デザインと同じですが、ユニバーサル・デザインでは『いろいろな人が使いやすいように』するために、美的には劣るものになっていたり、自分は使いたくない・行きたくないと感じる場合があります。それを防ぐために、作り始めから高齢者や障がい者などいろいろな立場の人が、デザイナーなどといっしょになって計画し、みんなが美しい、あるいは、みんなが使いたいとか、行ってみたいと思うようなデザインを創造するという理念です」とわたしは説明しました。宣言の最後に「インクルーシブな志向を持つ普通学校」とか、「インクルーシブな社会」という言葉がありますが、これはさしずめ、「作り始めから高齢者や障がい者などいろいろな立場の人がいっしょになって計画した普通学校」や「作り始めから高齢者や障がい者などいろいろな立場の人がいっしょになって計画した社会」という事になります。

 

 サラマンカ宣言の精神は、教育だけではなくて社会にもおよぶものです。だから「いろいろな子どもが計画段階からいっしょになって創る教育システムや社会システム」というだけでなく、本来は、いろいろな立場のおとな、つまり高齢者や障がい者といった人たちも参加して、システムを創っていくべきです。インテグレーション(4) という言葉(ややこしい!)もありますが、インテグレーションでは、価値観は「ふつう」の人が規準です。そこの高齢者や障がい者は、無理をして「ふつう」に合わせなければいけないのだが、そのかわり、一方的に福祉を受ける立場ということになります。しかし、サラマンカ宣言の教育でいうインクルーシブな社会の理念では、高齢者や障がい者が無理に「ふつう」に合わせなくてもいいし、一方的な福祉を受ける立場にならなくてもいいのです。

 

 次ぎに続きます。

 

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(1) サラマンカ宣言(ここでは、サラマンカ声明)の全文が、国立特別支援教育総合研究所のホームページに載っていました。特別支援教育法令等データベース 総則 / 基本法令等 - サラマンカ声明 -http://www.nise.go.jp/blog/2000/05/b1_h060600_01.html

 

(2) 「ユニバーサル・ミュージアム:ことばの整理」(http://hitohaku.jp/blog/2012/04/post_1498/

 

(3) インクルーシブ・デザイン(九州大学のサイトは http://www.inclusive-d.com/, 京都大学のサイトは http://www.museum.kyoto-u.ac.jp/inclusive/about_unit.htm

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

今年最初のkidsサンデーは1月6日。

キッズ館長を務めてくれたのはこの大使たち☆  

  201301kids館長   201301kids館長  

 
小学生の館長には、ひとはくのPRコメントをもらいました♪ 

201301kids
Q.博物館でしたいことはなんですか?
ゆうき館長:新しい生物とかを見つけてみたいです。 

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Q.ひとはくでやってみたいことはなんですか?
みく館長:今年はもっと植物のことを調べて知りたいです。


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Q.博物館でしたいことはなんですか?
はじめ館長:恐竜の化石見つけです。

  
 それでは、バックヤード巡回に行きましょう。
普段は入れない博物館の裏側に潜入します☆

 「面白そうなものがいっぱいありそうだな…!」
  201301kids

 

はじめに見学するのは図書室。

「あれ、本はどこにあるんだろう?」ボタンを押すと…
20130106kids館長      201301kids

「あ!棚が動いて本が出てきたー!」
201301kids

 201301kids    201301kids
「なんて書いてあるんだろー?」              「あ、この魚は…!」

次はひとはくの大切な宝物がたくさん置いてある収蔵庫に入ってみましょう。
ペタペタ、靴に付いているかもしれない虫さんと取ります。
201301kids         201301kids
 さぁ、中を見学しましょう☆             「何があるんだろう!」

  ここでは、鳥のはく製や植物の標本を見せてもらいました。
201301kids   201301kids
 

続いて荷解き場へ。
ここにはたくさんの荷物が置いてあります。

201301kids
「わー、荷物がいっぱい!」

 
最後は、お客様のお出迎えというとっても大切なお仕事に挑戦です☆

まずは、予行練習。
201301kids   201301kids

ごあいさつの練習やチラシの渡し方を習い、いざ本番へ!

ドキドキしながらお客様を待ちます…。

201301kids   201301kids
「お客様、まだかな…!」      「ぼく、上手に渡せるかな…?」

 

201301kids      201301kids
「こんにちは!いらっしゃいませ!」  「チラシをどうぞ!」

 

元気なご挨拶でお客様をお迎えしてくれました。
チラシもとっても丁寧に渡せており、大成功です♪

キッズ館長を務めて下さったみんさん、ほんとうにありがとうございました!
 

さて、キッズ館長のお仕事は終わりましたが、キッズサンデーは続きます☆
キッズサンデーのプログラムの1つ、高瀬科学コミュニケーターによる「ヘビのふしぎ」をご紹介します♪
20130106kids館長←高瀬さんの相棒、へび吉くん

  プログラムは2回行われましたが、1回目はこんなにたくさんの子どもたちが集まってくれました♪
  201301kids
 
高瀬さん「今からヘビのクイズしますよー!」

くねくね動くヘビの動きに関するクイズを一緒にしましたね!

クイズの次は、ヘビの工作をしました。

みんな、きれいな色に塗れたかな?

201301kids    201301kids 

 では、作ったヘビさんを木に登らせてみましょう☆
201301kids

みんなが作ったヘビさんは、シュルシュルと上手に木に登っていました♪

 

キッズサンデーに遊びに来てくれたみんさん、ほんとうにありがとうございました!
またキッズサンデーでまたお会いできることを楽しみにしております☆

次回のキッズサンデーは3月3日です。


<kidsひとはく推進室 ほそかわ まりえ>

森林動物研究センターシンポジウム
「野生動物の保全と管理の最前線」 ~拡大する被害にどう立ち向かうか~

当館と同じく兵庫県立大学自然・環境科学研究所の部門である森林動物系による公開シンポジウムが下記のとおり開催されます。野生動物による被害地域の拡大や問題の多様化について最新のデータ分析に基づく現状や地域での取り組みの成果を発表し、今後の対策と体制づくりに向けて県民とともに考えるシンポジウムを開催します。関心のあるかたのご参加をお待ちしております。

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チラシはこちらからダウンロードできます!(PDF形式 2.2Mb)


【日時】
 平成25年2月16日(土) 13:00~16:30

【場所】
 兵庫県立美術館 ギャラリー棟1階 ミュージアムホール
 (神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 tel. 078-262-0901)
  *ホール専用の駐車場はありますが、限りがありますので公共交通機関でお越しください。

【定員等】
 定員250名 参加費無料

【申込方法】
 以下のリンクから必要事項を入力し、申し込んでください。
 なお、定員になり次第募集を締め切ります。

  → お申し込みはコチラから ←

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【プログラム】

野生動物はなぜ出没するようになったのか?―その背景にある基本的構図
 【藤木大介(県立大講師・センター研究員)】

都市環境へ進出する野生動物―イノシシの市街地出没要因を探る
 【横山真弓(県立大准教授・センター主任研究員)】

孤立した群れが引き起こす被害への対応―住民・行政の協働によるサル管理モデル
 【鈴木克哉(県立大助教・センター研究員)】

地域が主体となった獣害対策―「獣害に強い集落づくり」の実践
 【安井淳雅(センター森林動物専門員)】

パネルディスカッション
【コーディネーター:林良博(センター所長)】
 会場参加者からの質問等に対応する方法で実施します。
(会場参加型パネルディスカッション方式)

 (みつはしひろむね)

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mikageK_zentai1.jpg 毎年恒例の「六甲山のキノコ展 」を今年も開催しております。今回は、阪神御影駅まえにある「御影クラッセ」を会場に、1F玄関口には、「ゆめはく号」が登場。ちょっと変わったキノコを展示しつつ、4Fにて開催されている本展示へと誘導します。当館のやくわりは、看板です。
駅前だけあって、人通りが多く、たくさんの人が尋ねてくれています。
さて、4F展示室では・・・

mikageK2013.jpg  
ともかく御影クラッセ4Fの展示室ではたくさんのキノコをずらっとならべています。
これ以外にも写真に写ってない左側にもたくさんあります。

mikageK2013_k.jpg

キノコに関心が高い小さな子、やたらとキノコに詳しい少年が次々と登場しています。本物がしっかりと展示されていて、しかもケースに入らないで間近で観察できるので迫力があります。
すっかり恒例の行事になっていて、去年は展示してなかった標本を見つける方、近くの方に解説してくれるお客さん、お客さんどうしで対話される様子など、双方向の交流ができあがりつつあります。

きのこ展のご案内はこちらです。1月12日~14日までの開催となっています。
 → ポスター

会場にキノコのにおいが充満しています。約400種類のキノコが一同に並んでいて圧巻です。
明日、14日まで展示していますので、興味のある方はぜひお越しください。

(みつはし)

1月7日(月)より2月8日(金)までの間、ひとはくは臨時休館となります。
休館日前日の6日、最後のイベントとしてフロアスタッフとあそぼう「たこづくり」開催されました。

DSC03014_1.jpgのサムネール画像


DSC03013_2.jpgのサムネール画像大勢の参加者でにぎやかにタコづくりが行われました。

DSC03015_3.jpg

子どもたちも一人一人自分のたこを熱心に制作していました。

DSC03016_4.jpg

完成後、解散となりましたが深田公園で飛ばしている人発見!(遠くて見えないですが・・・)

しばらくの間、臨時休館させていただきますが、2月9日(土)より様々なイベントを用意し、皆様のお越しをお待ちしています。

情報管理課 阪上勝彦

1月7日(月) 今日から仕事始めの方も多いのかなと思いますが、博物館は今日からメンテナンスのための臨時休館をいただきます。
そんな今朝は、我が家で恒例の「七草がゆ」をいただきました。

          
 ちょうど、5日の土曜日に服部先生のオープンセミナーで【春の七草】についてお話を聞いたところでした。万葉の時代から、秋と春に見られる身近な七種類の草本やツル性の植物などのうち、春には「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」が詠われています。それをお粥の具にしていただいたものなのだそうです。

       

 ということで、新しい年を健康に過ごすため人間も体調を整えますが、ひとはくもメンテナンスのため2月8日まで臨時休館します。


2月9日(土)から開館しますのでしばらくは.....館内はさびしいですが、職員は普通どおりです。

初虫!

2013年1月 3日
明けましておめでとうございます。

ひとはくは、本日1月3日から開館しています。

朝、4階関係者入口横の壁で、みつけました。
初虫です!
IMG_2865.jpg

これは、ナミスジフユナミシャクです。

冬にだけ現れる、フユシャクといわれる仲間の蛾です。
だから、初虫になりやすい虫です。

昨夜、灯に飛んで来たのでしょうね。
翅の長さは1.5cmくらい。

とくにめでたい虫でもありませんが、和風で渋い味わいの模様は、お正月に似合います。
おみくじでいえば、小吉くらいの気分です。


舌を噛みそうな名前の意味を解説しておきましょう。
「シャク」というのはシャクガ科の蛾、尺取り虫の親のことです。
その中に、ナミシャクと呼ばれる仲間があります。
その中に、冬にだけ成虫が現れるフユナミシャクと呼ばれる仲間があります。
その中の、波のような模様のある種、という意味です。

この仲間のメスは、翅(はね)が退化していて、クモのような姿をしています。
当然、飛べないので、なかなかみつかりません。みつけたら、大吉でしょう!

八木 剛(自然・環境評価研究部)

 いつも、ひとはくブログを愛読してくださってるみなさま、
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 ひとはくは、今日から開館しています。

 館内では、いろいろなセミナーに多くの方々が参加くださり、賑やかに新年を迎えました。

ひとはく連携活動グループ 人と自然の会による恒例の「ひとはくのお正月」 

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たこ作りに、こままわし、お手玉・・・。 私も小さなころ、やりました。

干支にちなんで フロアスタッフとあそうぼう「びっくりスネーク」

何にびっくりするんだろう???

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こちらのイベントには神戸新聞の篠原記者が取材に来てくれました。

いつもありがとうございます。

 

うきうきワークショップ「化石のレプリカづくり」

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カラフルな半透明プラスチック粘土の中から好きな色を選んで化石のレプリカを作ります。

 

今年の開館初日にひとはくへお越しくださった みなさまありがとうございました。

ひとはくは、今月7日(月)から2月8日(金)まで臨時休館に入ります。

お勤めの方で、6日(日)までお休みの方もいらっしゃるとか。

本日実施されました、フロアスタッフとあそうぼう「びっくりスネーク」(午後3時~定員20名)とうきうきワークショップ「化石のレプリカづくり」(10時30分~午後4時 時間内はいつでもご参加いただけます。)は明日も実施していますよ~。

今日来てくださった方も、予定があって来れなかった方も、臨時休館に入る前に、是非、ひとはくへお越しくださいね。

 

                          小林美樹(生涯学習課)miki kobayashi.jpg  

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