ヤマサナエ
Asiagomphus melaenops (Selys)
トンボ目 不均翅亜目 サナエトンボ科 アジアサナエ属

●体の特徴・生活の様子

ガッシリした体で,お腹の後ろが細くなります.
触角は棒状で,毛深く,背中に突起があります.
山地の渓流に生息します.
肉食で,あごを伸ばして小さな水生生物を捕まえます.
キイロサナエとそっくりです.
成虫:五月下旬〜7月


【専門的に・・・】
幼虫は,平地〜丘陵地の緩やかな流れの砂泥底に生息します.挺水植物の根元や植物性沈積物のある淵やよどみの砂底に 浅く潜り生息しています.幼虫の,前肢と中肢の脛節先端は突出し,腹部はキイロサナエに似てやや細長く,体表に短毛が多生します.
成虫は,大形のサナエトンボ類でキイイロサナエに似るが,上唇に黄斑がありません。産卵は,雌が単独でホバリングし, 打水産卵を行います.
成虫では少ない種のようですが,幼虫では本流の中流にあるリターパックなどでときどき見られます。 キイロサナエに酷似していますが,これは本流には少ないようです.

よく似ている種類
キイロサナエ

●環境とのかかわり
環境省が定めている水質指標では、「少し汚れた水」に生息する種類となっています。
その他の写真
よく似た仲間と比べてみよう(全形)
キイロサナエ:腹部第9節の幅は狭く、外縁は直線より内側よりになる
ヤマサナエ:腹部第9節の幅はやや広く、外縁は直線的

よく似た仲間と比べてみよう(触覚)
キイロサナエ:触角第3節はほぼ同じ幅

ヤマサナエ:触角第3節は、なかほどが少し幅広い
よく似た仲間と比べてみよう(下唇)
キイロサナエ:側片先端の湾曲は大きい
ヤマサナエ:側片先端の湾曲は少し小さい
よく似た仲間と比べてみよう(前肢突起)
キイロサナエ
ヤマサナエ
よく似た仲間と比べてみよう(腹部側棘)
キイロサナエ:側棘が小さく短い
ヤマサナエ:側棘が長く、背棘もはっきりしている。
腹部背棘