ヘビトンボ
Protohermes grandis (Thunberg)
広翅目 ヘビトンボ科 ヘビトンボ属

●体の特徴・生活の様子 

赤い頭で、大きなアゴをもつことが特徴です。
お腹には、節ごとに突起がついています。
上流から中流域の河川の、大きな石の下に生息しています。
肉食で、大きなアゴを使って、水生昆虫を食べています。


【専門的に・・・】
ヘビトンボ科の仲間は、日本では5種の分布が確認されており、兵庫県ではそのうち3種の分布が確認されています。 上流から中流までの河川や水量の多い細流など、広い範囲で見られます。耐汚濁性は貧腐水性となっていますが、 清冽でない河川でも多く見られます。 卵は水辺の崖や水面上に張りだした木の枝や葉裏に卵塊として産みつけられます。約10日でフ化した幼虫は、落下して水中生活を開始します。 幼虫は夜行性で、大アゴで生きたエサを採って丸呑みにします。終令(10令)幼虫は春から初夏にかけて岸辺に上陸し、 土中や朽木の中に穴を掘って蛹になり、約10日で羽化します。成虫は樹液などを吸い、夜に飛び回ります。「相模川の水生動物」改変
幼虫には胸部に3対の脚があり、8対の糸状付属器があります。尾端には対になった鈎爪がl対あります。 成虫には幅の広い2対の翅があり、止まるときには屋根型におりたたみます。 1) 頭部・前胸背板は濃褐色〜暗赤褐色、 2) 腹部は紫色を帯び、軟らかく、しわが多い、 3) 各腹節側面にムチ状の付属器と房状の鰓がある、 4) 尾肢には長い鈎爪がある、

よく似た仲間:
タイリククロスジヘビトンボ
ヤマトクロスジヘビトンボ

●環境とのかかわり
環境省が定めている水質指標では、「きれいな水」に生息する種類となっています。
その他の写真

よく似た仲間と比べてみよう(幼虫の全形)
ヘビトンボ:頭部は赤色味が強い

ヘビトンボ:頭部は赤色味が強い
タイリククロスジヘビトンボ:頭部は黒褐色〜暗赤褐色
ヤマトクロスジヘビトンボ:頭部は黒褐色〜暗赤褐色
よく似た仲間と比べてみよう(幼虫の頭部)
ヘビトンボ:頭楯は黄白色
タイリククロスジヘビトンボ:頭楯は黒色
ヤマトクロスジヘビトンボ:頭楯は黄白色

よく似た仲間と比べてみよう(幼虫の鰓)
ヘビトンボ:糸状付属器の付け根に房状の鰓

タイリククロスジヘビトンボ:房状の鰓はない
ヤマトクロスジヘビトンボ:房状の鰓はない

よく似た仲間と比べてみよう(幼虫の尾端)
ヘビトンボ:呼吸管はない

タイリククロスジヘビトンボ:呼吸管は離れている
ヤマトクロスジヘビトンボ:呼吸管は根元でくっつく
よく似た仲間と比べてみよう(成虫)
ヘビトンボ
タイリククロスジヘビトンボ
ヤマトクロスジヘビトンボ