「兵庫県で見つかる『トリュフ』の仲間」
1 主旨
キノコは地上にはえるものばかりではなく、中には一生のほとんどを地面の下で過ごすキノコもあり、それらは地下生菌と呼ばれています。地下生菌の中では、クロマツ(黒松)と共生するショウロ(松露)が昔から食用にされてきましたが、他にもトリュフの仲間が何種類か兵庫県を含む国内に分布することが最近知られるようになってきました。今回の展示では三木市吉川町で昨年12月に見つかった白トリュフの仲間を中心に、これまで知られている地下生菌の主な種について、乾燥標本と写真を使って紹介します。身近な自然の中に意外な生物が成育していることを実感していただくのが今回の展示の趣旨です。
2 展示概要
(1)期 間 : 平成29年2月21日(火)~4月23日(日)終了しました。
(2)場 所 : 兵庫県立人と自然の博物館(ひとはく) 3階トピックス展示コーナー
(3)主 催 : 兵庫県立人と自然の博物館
(4)協 力 : 西山 農(ホンセイヨウショウロ採集者)、山上公人・室井哲夫(資料提供 兵庫きのこ研究会)
3 主な展示物
三木市吉川町でみつかった白トリュフ 『ホンセイヨウショウロ』 Tuber japonicum
実物(アルコール液浸標本)、カラー写真(生態,断面図)
国内各地、特に兵庫県内で見つかる様々な地中性菌類 乾燥標本あるいはカラー写真で紹介
イボセイヨウショウロTuber indicum (黒トリュフ代用品として国内でも販売)
ショウロ(松露) Rhizopogon roseolus
ツチグリ(土栗) Astraeus hygrometricus など
地中性菌類(ツチダンゴ)につく冬虫夏草 乾燥標本とカラー写真
地中性菌類の多様性と進化 (パネルでの解説)
ホンセイヨウショウロ ホンセイヨウショウロの胞子
イボセイヨウショウロ ツチグリ
ショウロ ショウロが生える海岸の黒松林
4 担当
自然・環境マネジメント研究部 主任研究員 秋山弘之
注1:料理等で一般に使われるヨーロッパ産の白トリュフと黒トリュフは別種です。
白トリュフ Tuber magnatum (イタリア産が有名)
黒トリュフ Tuber melanosporum (フランス産が有名)
注2:これまでにホンセイヨウショウロ(白トリュフ近縁種)が見つかっているのは、
宮城、栃木、茨城、三重、大阪、兵庫です。イボセイヨウショウロ(黒トリュフ近縁種)は
北海道から宮崎県まで広く見つかっています。
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