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自然・環境マネジメント研究部
生態研究グループ/次世代タスクフォース
主任研究員
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 生態研究部門 教授.
高橋 鉄美【TAKAHASHI, Tetsumi】
経歴・所属等
昭和46年北海道生.北海道大学大学院水産学研究科博士後期課程単位取得退学.博士(水産).アメリカ魚類爬虫類学会,日本魚類学会,日本動物分類学会,日本進化学会,日本生態学会所属.
研究部以外の配属室と仕事
1.次世代タスクフォース
<研究>

口内保育している
Paracyprichromis brieniのメス
Telmatochromis temporalis
普通型
調査しているところ

タンガニイカ湖シクリッド
 アフリカの東部にあるタンガニイカ湖には、200種を超えるシクリッド科魚類が生息しています。この魚はほとんどが湖に固有であること、また生態や形態がとても多様であることから、湖内で適応放散したと考えられています。私は大学4年のときにこの魚に出会い、それ以来30年以上、研究を続けて来ました。これまで、分類、生態、進化などを幅広く研究して来ました。これからも、分野の枠組みにとらわれず、多様性の解明を進めていきたいです。


もんどり網を
仕掛けているところ
ニッポンバラタナゴ タナゴが卵を
産みつける貝

日本淡水魚
 日本は大陸から離れた島国であることから、ここでしか見られない、固有の淡水魚類相があります。しかし残念なことに、多くの種が絶滅に瀕しています。その要因の一つに、国内外来魚や国外外来魚の放流による「交雑」が挙げられます。例えば、放流されたタイリクバラタナゴと交雑することによって、現在では純粋なニッポンバラタナゴの個体群が激減しています。このため、いくつかの種について、遺伝的組成を解明する研究を行っています。この研究では、市民の方々からの情報提供が、とても役に立っています。

<教育>
 本博物館は、兵庫県立大学 自然・環境科学研究所の一部をなしています。私は、この大学の部分に所属するため、大学院生の指導も行っています。現在では、ニッポンバラタナゴ、シロヒレタビラ、フナといった日本淡水魚の遺伝や形態について、研究してもらっています。

個人サイト:http://tetsumi.raindrop.jp

Researchmap:https://researchmap.jp/tetsumi


<研究者情報>
リサーチマップ

<研究開発></p>

1.調査研究

■特別課題研究(個人研究)

1.アフリカ・タンガニイカ湖産シクリッド科魚類の系統分類学的研究

2.シクリッド科Cyprichromis属魚類の集団内オス色彩二型に関する進化生態学的研究

3.シクリッド科Telmatochromis temporalisの体サイズ進化に関する生態学的・遺伝学的研究

4.南米・ティティカカ湖産Orestias属魚類の系統分類学的研究

5.バラタナゴの系統地理・進化・保全に関する研究

■論文・著書

Takahashi, T. (2022) Offspring mortality during mouth brooding in two open-water spawning cichlids from Lake Tanganyika. Hydrobiologia, Online First. https://doi.org/10.1007/s10750-022-05023-3

その他著作

高橋鉄美(2022)ひとはく研究員だより 9科の魚類、奥深い「コブ」のはなし.神戸新聞(9月19日朝刊).

高橋鉄美(2023)タンガニイカ湖でのシクリッド調査.兵庫県立人と自然の博物館(編),人と自然のワンダーランドへ,ようこそ,神戸新聞総合出版センター,137-140.

■研究発表

高橋鉄美(2022)タンガニイカ湖産シクリッドの近縁な2種におけるオス色彩二型のゲノム構造の違い.2022年度日本魚類学会年会,大阪公立大学.

■学会役員等

Hydrobiologia誌,ゲストエディター

日本魚類学会,学会賞選考委員

日本魚類学会,優秀発表賞選考委員

査読:Integrative and Comparative Biology 1, Ichthyological Research 1, Life 1, Biology Letters 1, 人と自然 1, Animals 1, Water 1

■助成を受けた研究

貝殻を利用する矮小シクリッドの平行進化および側所的種分化の機構解明.文部科学省科学研究費補助金基盤研究(B),研究代表者(2022年度338万円/総額1703万円)

東アフリカ産シクリッドの適応進化と平行進化の分子メカニズム解明.文部科学省国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B)),研究分担者(2022年度52万円/総額1677万円)

花の寿命をめぐる花粉とめしべの相互作用.文部科学省科学研究費補助金基盤研究(B),研究分担者(2022年度65万円/総額1690万円)

■海外調査

2022.8-9,ザンビア共和国・北部州

2023.3,ザンビア共和国・北部州

2.資料収集・整理

■資料収集

2022.6-11,兵庫県産魚類,伊丹市・三田市・神戸市・川西市.

■受贈担当資料

2022.6-11,兵庫県産魚類,6点.

■整理同定担当資料

魚類

<事業推進>

1.生涯学習事業

■セミナー

館主催セミナー

高橋鉄美・鈴木武,2022.5,一般セミナー「大沢町でネズミと魚の観察」,大沢地域福祉センター.(17名)

高橋鉄美,2022.7,一般セミナー「魚の透明標本をつくる」,博物館.(全3回,6名)

高橋鉄美・フロアスタッフ,2022.7,オープンセミナー「ひとはく探検隊 水辺のいきものを捕ろう」,深田公園,(15名)

高橋鉄美,2022.7,教職員指導者セミナー「初めての生物統計学 ノンパラメトリック検定」,博物館.(9名)

高橋鉄美,2022.7,教職員指導者セミナー「初めての生物統計学 パラメトリック検定」,博物館.(9名)

高橋鉄美,2022.7,オープンセミナー「液浸収蔵庫ツアー」,博物館.(5名)

高橋鉄美,2022.7,オープンセミナー「液浸収蔵庫ツアー」,博物館.(12名)

高橋鉄美,2022.7,オープンセミナー「液浸収蔵庫ツアー」,博物館.(6名)

高橋鉄美,2022.12,特注セミナー「液浸収蔵庫ツアー」,博物館(8名)

高橋鉄美,2022.12,特注セミナー「液浸収蔵庫ツアー」,博物館(8名)

高橋鉄美,2023.1,一般セミナー「タンガニイカ湖の魚たち」,博物館(30名)

館外講演

高橋鉄美,2022.10,「アフリカでの古代湖調査」,ひょうご北摂タナゴ研究会,博物館.(8名)

高橋鉄美,2022.11,「進化って何? 魚から進化を学ぶ」,高砂市高齢者大学,高砂市教育センター.(20名)

兵庫県立大学・大学院教育

進化生態学概論(主任)

共生博物学(分担)

非常勤講師

2022.4-7,「環境と生命I」,神戸学院大学.

■担い手成長支援事業

連携活動グループ・地域研究員

中西一成,副担当(指導)

森本静子,副担当(指導)

谷本卓弥,主担当(指導,協働)

渡辺昌造,副担当(指導)

松島 修,主担当(指導,協働)

田中竹美,主担当(指導,協働)

山口達成,主担当(指導,協働)

安井幸男,主担当(指導,協働)

ひょうご北摂タナゴ研究会,主担当(指導,協働)

成果発表

谷本卓弥・松島修・山口達成,2023.2,「三田で生き残った絶滅危惧種ニッポンバラタナゴ〜2枚貝に卵をうむ魚〜」,第18回共生のひろば,博物館.(指導,協働)

■学校教育支援

講師派遣

2022.6, 「GS科課題研究発表会における指導・助言」,兵庫県立宝塚北高等学校3年.(30名)

2022.11, 「GS科課題研究中間報告会における指導・助言」,兵庫県立宝塚北高等学校2年.(30名)

■研修生等の受入

卒論生等

2021.4-, 太古数馬(兵庫県立大学大学院環境人間学研究科博士前期課程2年),兵庫県内のタナゴ類の保全.

2021.4-, 池端伸悟(兵庫県立大学大学院環境人間学研究科博士前期課程2年),兵庫県産シロヒレタビラ及びイチモンジタナゴにおける外来ミトコンドリアDNAの分布と遺伝子新党の現況について.

2021.4-, 北出汐里(兵庫県立大学大学院環境人間学研究科博士前期課程2年),フジツボ類における海水溶存性着生誘起フェロモンの濃度依存性と種特異性に関する研究.

2022.4-, 谷本卓弥(兵庫県立大学大学院環境人間学研究科博士前期課程1年)兵庫県三田市のため池におけるニッポンバラタナゴの生活史および食性.

2022.4-, 水谷信彰(兵庫県立大学大学院環境人間学研究科博士前期課程1年)猪名川流域におけるブラックバスの食性と生育状況の評価.

2.シンクタンク事業

■行政等支援

委員会等(計1件

2019.4-, SSH運営指導委員,兵庫県立宝塚北高等学校

相談・指導助言

来訪者20件,60名.電話・FAX 20件.メール50件.

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