ジーンファーム
ジーンバンク事業
当館では生物多様性保全の観点から野生植物の保全を目的した「ジーンバンク事業」を実施しています。
この事業では野生植物、特に絶滅危惧植物の系統保存、増殖、緊急避難と自生地の保全・再生、新たな生育地の創出などを進めています。事業内容は以下のように大別されます。
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種子保存 | 系統保存 | 個体群再生・復元 |
ジーンファーム
「ジーンファーム」はジーンバンク事業を支える中核施設です。様々な野生植物を栽培・育成するため、以下の施設を備えています。
温室 | 加温が可能。亜熱帯~暖温帯性植物の栽培に使用。 |
ミスト室 | 定時に霧(ミスト)を発生させることで高い空中湿度の保持が可能。さし木による絶滅危惧植物の増殖や多湿環境を好む植物の栽培に使用。 |
冷室 | 冷房機・自動散水機により夏場でも冷涼な状態での栽培が可能。夏の暑さに弱い植物の栽培に使用。 |
ガラス室 | 加温されていない施設。種苗の育成や発芽試験に使用。 |
圃場 |
大型の植物の系統保存や絶滅危惧植物の増殖に使用。 |
遮光ハウス |
遮光されている施設。林床生の植物などの栽培に使用。 |
網室 |
金網ネットで覆われた施設。草原生や湿地生の植物の栽培に使用。 |
ジーンファームの外観 | 施設の配置 (※画像をクリックすると拡大画像が表示されます) |
来館団体向け特注セミナーとして「ジーンファーム見学会」を実施しています。詳細は生涯学習課(TEL:079-559-2002)までお問い合わせください。
地域性種苗を用いた緑化の促進
当館では、生物多様性に配慮した緑化方法として、緑化する場所からなるべく近い生育地に由来する苗(地域性種苗)を用いることを薦めています。 冊子「生物多様性と共生する「みどり」のデザイン」では、地域性種苗を用いた緑化が求められている背景や、その利点、計画から育苗、植栽までのプロセスを解説するとともに、関西における地域性種苗を用いた緑化の9つの事例を紹介しています。 生物多様性に配慮した緑化を検討されている方は是非ご相談いただければ幸いです。 |
ジーンファームの活用実績
当館では開館以来、ジーンファームを活用した野生植物の保全事例を重ねてきました。以下はその一例です。自然環境保全活動に取り組まれている市民、行政、企業の方々と協力しながら、これからもジーンバンク事業を推進していきます。
緊急避難および危険回避の事例
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神戸市のミズトンボ |
個体群・植生の保全・再生・創出の事例
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猪名川上流域のエドヒガン 多様な野草の生育するチガヤ群落 |
植物栽培・増殖に関する研究受託の事例
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地域性種苗の育成 |
ジーンバンク事業に関するご相談・ご依頼がありましたら、自然・環境再生研究部 ジーンバンク担当(代表TEL:079-559-2001)までご連絡ください。
*ご相談の内容によっては、対応に多少の時間を頂くことや、ご依頼をお受けできないことがございます。あらかじめご了承ください。