ニンギョウトビケラ
Goera japonica Banks
トビケラ目 ニンギョウトビケラ科 ニンギョウトビケラ属

●体の特徴・生活の様子 

石粒でできた巣をつくります。巣は、横に大き目の石粒をつけます。これは、 水流で流されないようにしていると考えられています。
幼虫は、上流から中流の流れが遅い場所に生息し、石の表面に生える藻類を食べています。 兵庫県全域に分布し、もっとも普通に見ることができる種です。

【専門的に・・・】
ニンギョウトビケラ科は、エグリトビケラ科の亜科として取り扱われたこともあるが、独立した科として扱われるようになりました。 ニンギョウトビケラ属は、全北区および東洋区に広く分布するほか、南アフリカにも分布が知られています。日本からは、8種類が知られるほか、 未記載種もおり、幼虫が判明しているのは、ニンギョウトビケラ Goera japnoica Banks、クルスピナニンギョウトビケラ Goera curvispina Martynov、 キョウトニンギョウトビケラ Goera kyotonis Tsuda、カワモトニンギョウトビケラ Goera kawamotonis kobayashi の4種類です。
携巣性のトビケラのなかでは、本属は分布域も広く個体数も多い。
最も普通な種類であるニンギョウトビケラは、河川の上流から下流まで、さらに湖沼の沿岸帯にも生息します。 βー中腐水性水域にも生息が可能です。
最近日本から記載されたカワモトニンギョウトビケラ は、ロシア沿海州からも記録されました(Vshivkova and Tanida, 1995)。
また、ニンギョウトビケラに極似する種類が、朝鮮半島やロシア沿海州から記録されていますが、 本種との関係については、詳しい分類,系統学的検討が必要です。

よく似た種類:
ヤマトビケラ属の数種
クルスピナニンギョウトビケラ
カワモトニンギョウトビケラ
キョウトニンギョウトビケラ
コブニンギョウトビケラ

●環境とのかかわり
「ややきれいな水」に生息する種類となっています。
その他の写真

幼虫
兵庫県立人と自然の博物館


兵庫県立人と自然の博物館
幼虫
頭部正面
幼虫
頭部正面

幼虫と巣
兵庫県立人と自然の博物館

幼虫
頭部側面
幼虫
尾端
幼虫
尾端側面