ブユ科の仲間
Simuliidae
双翅目 ブユ科


キアシツメトゲブユの幼虫と蛹
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●体の特徴・生活の様子 

日本からは4属62種2亜種のブユ科が報告されています。兵庫県では詳細な調査は行われていませんが、少なくとも2属12種以上の生息が予測されます。
生息環境:全てのブユの幼虫は流水中に生息していますが、その河水型、例えば流速・川幅・水質・標高・川底や河岸の形状等の環境条件がそこに生息する種類を限定します。ブユの幼虫・蛹は、水中の石・水中に垂れ下がった草の葉・木の枝・ビニール袋等の表面が滑らかな基物に固着しています。
生活史:卵期・幼虫期・蛹期は水生で、成虫期だけは地上生活を行います。
同定のポイント:
・卵はほぼ三角形をした長楕円形の鶏卵状で、長軸は約0.3mm。
・幼虫は1令で約0.5mm。終令で最大約15mm。形状は円筒形で中央部は少し細まり尾端で最大となる。体部は3個の胸節と8個の腹節より成るが、その境界は不明瞭で、全体として細長いフラスコ型。頭部はキチン化し多少扁平となり、頭部背面は額板・側面および下面は頭蓋板で囲まれている。
・種の決定上頭部の最大の特徴は額板、頭蓋板上のモザイク様斑と頭蓋板腹面の切れ込み(クレフト)で、これらの形状のみで幼虫の鑑別が可能な種もある。
・蛹(p.8-27)の体長は3-6mmで、マユを作りその中で静止し、流水中の草・石礫或いは木片等に固着している。
・成虫は小形のハエに似た形の昆虫。体長2-7mmの範囲で体は小さいが、翅は比較的大きく、脚は太く短い。 ブユは卵・幼虫・蛹・成虫の4期を経て完全変態を行う。
「相模川の水生動物」改変

●環境とのかかわり
環境省が定めている水質指標では、「きれいな水」に生息する種類となっています。
その他の写真
ブユ科幼虫の頭部背面とエラ
ブユのついた石。表面に黒く見えるものがブユ科の幼虫。

キアシツメトゲブユ(アシマダラブユ属)
Simulium (Odagmia) bidentatum

スズキアシマダラブユ(アシマダラブユ属)
Simulium (Simulium) suzukii
ミヤコオオブユ(オオブユ属)
Prosimulium (Prosimulium) kiotoense
ヤツガシラブユ