サツキヒメヒラタカゲロウ
Rhithrogena tetrapunctigera Matsumura
カゲロウ目 ヒラタカゲロウ科 ヒメヒラタカゲロウ属

●体の特徴・生活の様子 

体は平たく、石の上をすべる様に移動します。
頭に斑紋はなく、お腹の模様が特徴的です。
石の表面などについた藻類を食べます。
上流から中流域に生息し、平瀬の小石が多い場所に見られます。


【専門的に・・・】
北海道大学に保存されている松村松年の標本を精査した結果、本種の存在が明らかになりました(Ishiwata, 2001)。 松村(1931)は本種の和名をヨツボシオカゲロウとしていましたが、御勢(1979d)によって本幼虫に命名された サツキヒメヒラタカゲロウの和名が使われました(Ishiwata, 2001)。
本種の幼虫において、胸部腹面に4個の黒点をもち、各肢腿節の中央部に暗褐色の斑紋はなく、第3〜6腹節あるいは第3-5、第9,10腹節が淡色であることが特徴です。ただし、胸部に黒点をもち、各腿節の中央部に暗褐色の斑紋をもつ本属の他の未記載種がいるので 注意が必要です。 なお、胸部の黒点は終齢あるいはそれに近い幼虫において現れるのも特徴です。
成虫は、本種は陰茎の各片が左右に大きく開き、 陰茎各片の幅は先端で広がることがなく、陰茎の基部付近が膨らむのが知られています。 しかし、上記未記載種においてもこれらの特徴を有すことから、本種の交尾器における区別は現在のところ明らかではありません。 ただし、本種は幼虫同様、各肢腿節の中央部に暗褐色の斑紋がないという特徴があるため、この特徴によって同属の他種から区別さ れることが判明しました。本種は神奈川県内では相模川,酒匂川,金目川から記録があります(石綿, 1997)。

よく似ている種類
ヒメヒラタカゲロウ属の一種
オニヒメタニガワカゲロウ

●環境とのかかわり
その他の写真