ジャングルスクール後半、宿舎周辺で自動撮影カメラを使ってみました。実は昨年も自動撮影カメラで、夜に熱帯雨林の林床で活動する動物の撮影を試みました。が、一枚も動物の姿を撮影することができず、今年はそのリベンジです。
使った自動撮影カメラは2台。普段は、ひとはくのある深田公園の雑木林を訪れる動物たちを記録しています。まずは林床をよく観察して、動物が通過する可能性の高い場所を探します。動物たちは私たち観光客が歩いているのと同じ道もよく使うのですが、そういった場所はできるだけ避けます。結局、去年とほぼ同じ場所に自動撮影カメラを設置しました。
あとは動物が通過するのを待つだけです。
森での最終日、7月31日の朝食前に自動撮影カメラを回収してきました。現場で確認してみると何か動物が撮影されていました。さて、何が写っていたのでしょう?パソコンに取り込んで、画像を拡大してみます。
まず撮影されていたのはジャワマメジカのメス。29日の夕方にカメラを設置してから、1時間もたたないうちに撮影されていました。一人で森の中でじっとしていると時々姿を見ることはあります。が、ジャングルスクールのように大人数で森の中を歩いているとなかなか姿を見ることができない臆病な動物です。
その後も同じ場所でツパイの仲間とジャワマメジカが撮影されていました。
もう一台、カンラン科の果実があるところに設置したカメラには、オナガコミミネズミが撮影されていました。2枚目は黒い果実をくわえている瞬間です。
今年はわたしたちが寝ている時間帯にもいろいろな動物たちが森の林床をウロウロしていることを少しだけ紹介することができました。
北村俊平
去年のダナムバレーの熱帯雨林では、いたるところで羽の付いたフタバガキの仲間の種子を目にしました。今年はフタバガキの仲間は咲いておらず、面白い形の果実や種子、食べてもおいし果実を森の中で目にする機会はほとんどありませんでした。それでも熱帯雨林を歩いているとさまざまな果実を目にしました。
センダン科Chisocheton属の一種。熟すと果実が裂開して、巨大な茶色の種子とそれを取り囲むオレンジ色のアリルが見えます。果実が熟すとサイチョウ類、リス類、リーフモンキー類などがやってくるでしょう。
コミカンソウ科Glochidion属の一種。熟すと裂開して、オレンジ色のアリルが目立つ果実です。フィールドセンターでもレインフォレストロッジでも道端で見かけました。ヒヨドリ類など小型の鳥類がよく食べる果実です。
ブドウ科の果実。レインフォレストロッジの道端で見かけました。赤い果実がよく目立ちますが、まだ熟していなかったようです。
カンラン科の果実。わたしが研究対象にしているCanarium属の一種だと思って拾いましたが、中の種を見ると違っていました。同じカンラン科の別属の植物のようです。クリイロリーフモンキーの一家が種子を食べていました。
サガリバナ科の果実。キャノピーウオークの終点あたりで実っていました。結構、大型です。
昨年と同じ時期に同じ場所を訪れているはずなのですが、花や果実を見る限りは全く違った森に来たようです。果実や種子を主食にしている動物たちが、この時期に何を食べて暮らしているのかとても気になる1週間でした。
北村俊平
ひとはくに隣接する商業施設「FLORA88専門店」が開催した、
”夏祭り”イベントに、12時から15時の3時間出店しました。
人気プログラムの「化石のレプリカづくり」と化石の展示を
古谷先生、フロアスタッフ寺尾さん、小野さんで実施しました。
3時間で534人が来場、211人の方がレプリカづくりに挑戦し、盛況でした。
ひとはく8月イベント情報 → http://hitohaku.jp/top/11ukiukicalen/ukiuki1108.pdf
▲ わたしのレプリカはうまく出来たかな!?(FLORA88専門店 中央広場特設会場にて)
第7回 2011.8.7(生涯学習課 西岡敬三)