先日、新聞に掲載されました腐生植物の「シロシャクジョウ」ですが、封入標本の製作に挑戦しています。もちろん、花もついた完品状態の標本です。
布施さんからの依頼で製作することになりました。
シロシャクジョウの再発見で、研究員の布施さん、鈴木さんのテンションがとても高い。
それもそのはず、兵庫県RDBのAランクで、70年ぶりの発見ということです。
http://www.hitohaku.jp/blog/2011/08/post_1326/
こちらも標本づくりモードのテンションがちょっとあがります。
シロシャクジョウは、超希少種で、しかも栽培も難しいうえ、さく葉標本にすると変色&変形してしまいます。これを一般の方に、鑑賞に堪えうる状態で見て頂けるようにするためには、もはや封入標本しかありません。
無事に封入標本が完成すれば、おそらく「世界初!」でしょう、多分。
(すでに製作している方がいればお知らせ下さい!)
文字通り「世界で一つだけの花」状態です。
先日から、タイマーとピンセットと有機溶剤を両手に、封入標本の製作を開始。
時間とともに変化する樹脂の粘性を見計らって、液体を注入してゆきます。
これまでに製作してきたどの標本よりも、難易度が高い代物です。
今までに最も難題だったのはコウノトリの羽(羽毛)と、伊丹昆虫館さんからの依頼で作ったセアカゴケグモ。これらは失敗しても拾ってくれば済むのですが、シロシャクジョウは予備なしで失敗が許されません。こういう難易度の高いものは業者さんも引き受けてくれないので自力でやるしかありません。
なんとか無事成功!
本日、組織を透徹させることなく、立体構造を崩すことなく、破損せず、泡が入ることなく、封入することが出来ました。
こんな感じで、今は100円ショップの容器のなかに入っています。これから研磨して仕上げます。
この標本を見ることができるのは、きっと「ひとはく」だけです。
近いうちに、ひとはくで展示したいと思います。乞うご期待。
ちなみに、昨年度に展示していた「キヨスミウツボ」も、きっと世界初でしょう。
こちらは、春に展示をご覧になられた方もおられるかと思います。植物愛好家の方々からも、生きているときと遜色ないとのご意見をいただきました。
できるだけ実物に近いかたちで、【本物】を実感できる標本製作技術を開発することも、博物館の役割の一つです。 その一貫として、海産魚類のプラスティネーション標本も作成し、現在、ジオキャラバンで展示しています(10/23までは鳥取県岩美町の渚交流館で展示)。
トロ箱を展示ケースとして配置して、そこに魚や貝類のプラスティネーション標本とプラスティック製の氷(ニセ氷)をいれています。魚屋さん風の展示スタイルで仕上げてみました。
興味のある方は、移動展示として実施している「ひとはくジオキャラバン」にお越し下さい。
9月中旬に九州大学が中心となった調査チームの一員として、インドネシアのジャワ島を訪れる機会がありました。今回は調査許可申請やインドネシアの共同研究者との打ち合わせが多く、調査地を訪れる時間は余りありませんでした。ただ、宿泊先がボゴール植物園という東南アジアを代表する植物園内のゲストハウスでしたので、そこに植栽されていた植物から目に付いたものを紹介します。
ボゴール植物園は、インドネシアの首都ジャカルタから車で1時間ほどの距離にあり、面積は80ヘクタールほどです(深田公園の4倍以上!)。
園内図。中には巨大な樹木も植えられています。
こちらは幹生花という熱帯でよくみられるタイプの花です。樹木の幹から花が咲き、そこに実がなります。お菓子に使われる植物ですが、ご存知でしょうか?
カカオです。大きな果実は長さが30cmほどになります。これはまだ若く小さい実ですが、熟すと黄色や赤色になるそうです。
こちらの色とりどりの果実は、いずれもサトイモ科。植物園内は科ごとに植栽されているので、同じ科内の植物を比較して観察することができて便利です。
巨大な果実がぶら下がっているのは、ソーセージノキというノウゼンカズラ科の樹木です。この仲間はアフリカゾウが種子散布することが知られており、個人的に見てみたい果実の一つでした。
北村俊平
【第2回ひとはくいきものかわらばん】に多数ご応募いただきありがとうございました。おかげさまで今回も600点を超えるかわらばんがひとはくに届けられました。
現在、館長賞や研究員賞などの賞を審査中です。 選考の結果は、ご応募いただいた方全員にお知らせしますが、ひとはくホームページでもご紹介します。
そして、ご応募いただいたかわらばんはすべてひとはくに展示します。
詳しいことが決定すればまたホームページ等でお知らせしますので、楽しみにお待ちくださいね
特別企画の「昆虫の世界2011」が終了しました.
期間中ぶっ通しで3Dスライドショーをしていた5台の3DSも無事生還.コンテンツの一部は3Dスペシャルサイト,[昆虫の世界3D]に置いてあります.期間の終盤に追加したものもありますので,興味のある方は再度ごらんください.
オオヤマトンボ(これはプルプル版)
ネットにつながっている3DSからだと,画像を長押しするだけで上画面に3Dで表示されます.検索する場合は[昆虫の世界3D]で見つかります.
昆虫共生:沢田