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ヒメボタルの季節となりました。

ヒメボタルは林や草地にすんでいる陸生のホタルで、黄色いフラッシュ光の輝きは、ゲンジボタルとはずいぶん趣が異なります。今年はぜひ観察してみてください。

(↑)ヒメボタルが林の中を飛んでいると、こんな感じです。

(↑)これは、ヒメボタルがとまって光っているところです。


こんな光景が見られるところは各地にあるのですが、まだよくわかっていません。
多くの人は、ホタル=川だと思ってます。これは、ゲンジボタルが有名すぎるからですね。

そこで、今年は、みんなで六甲山系のヒメボタルの分布を調べることにしました。六甲山にもこのような場所があるのですが、まだよくわかっていないので、みんなで手分けして調べましょうという趣旨です。六甲山のヒメボタルは、宵のうちには光ってくれませんので、調査は深夜になります。なかなか手強いですが、新しい生息地を見つけたときのよろこびは、ひとしおです。

セミナーは6月13日の金曜日の午後、県立六甲山自然保護センターで行います。このときに、ヒメボタルについてのくわしいお話をし、調査の作戦を立てます。
ご関心の方は、ぜひ「六甲山系ヒメボタル分布調査プロジェクト」への参加をご検討ください。

いきなりここに入るのはちょっと・・・と思われる方は、丹波市観光協会さん主催の第3回ヒメボタルまつりをオススメします(ひとはく共催)。6月中旬から7月上旬にかけて毎週土曜日に観察会が行われます。暗闇に輝くヒメボタルをお楽しみいただけます。
第3回ヒメボタルまつりのチラシをダウンロードする(PDF880KB)

八木 剛@自然・環境評価研究部でした

ミツバチが収穫ダンスを踊り、その距離と方向の情報を読み取り、その情報を使い
こなしていると信じられてきた。ところが、実際に収穫ダンスのデータを取ってみる
と、信じられている実態と違うことがいくつか見つかる。
とくに、餌場に行ったことのない働きバチは、ダンス情報を「受け取っても」餌場の
場所に関するダンスをまったく踊ることができない事実には驚かされる(もちろん何
度か行けば踊れるようになる)。
また、最近の神経生理学や進化発生生物学の発展から「ダンス言語所持」を眺望
してみると、いろいろ疑問が生じてくる。尻振りダンスの客観情報を読み取ることは、
最高レベルの高度な能力を必要とするのだが、それが100万ニューロン程度の「微
小脳」で可能なのか、という疑問が湧いてくる。

 ミツバチが得意とする嗅覚情報を、実験系から完全に取り除くことは不可能に近く、
今までの実験的な証明を難しくしている。ロボット蜂の実験でも、その実力は本物の
1/5〜1/10程度と言われている。
この「実力」は漏れでた匂い情報によるものと考えることができる。

 ミツバチの世界に、匂い「言語」とダンス「言語」がある場合、その状況を精査して
みると、古い感覚系の匂い「言語」を差し置いて、高度な情報処理系のダンス「言
語」は進化しようがなく、萌芽的な状況のままで存在していることが推測される。

 ダンス「言語」を使っていないとすれば、ミツバチたちはなぜ収穫ダンスをするのだ
ろうか。現在の推測は、飛行の興奮が蓄積したとき、興奮が漏れ出して、通常使用
している飛翔筋や歩行筋を発動させてしまうというものである。いうなれば、生理的
条件がそろうと、つい出てしまう「くしゃみ」や「汗」のようなものと考えている。

                           大谷 剛(自然・環境マネジメント部)


背番号をつけた働きバチ: 収穫ダンスの実験では必ずしも個体マークはつけない
のだが、個体の日齢や経験が関係するので、つけるべきである。


観察巣箱: 餌場から帰ってきた働きバチがどのようなダンスを踊るのか、踊らない
のかをこの観察巣箱でチェックしていく。

先月の20日に「ひとはく恐竜ラボ」がオープンしました。

この施設では、一次・二次発掘調査で採取した岩盤から化石を取り出す作業や、
4000点を越す恐竜化石のクリーニング(化石の表面を覆っている石の膜を取り除
く作業)がガラス越しに間近で観察することが出来ます。


また、腰の骨(腸骨)から尾の前方部までが連結した状態の化石も観ることがで
きます。これらの化石は恐竜ファンならずとも一見の価値がありますので、どうぞ
みなさん恐竜ラボにお越しください。


化石の状態は毎日のクリーニング作業で日々変化していきます。
そういった変化を感じるのも面白いと思いますよ。毎週日曜日の午後には研究員
の解説もありますので、是非一度「ひとはく恐竜ラボ」にお越しください。
公開時間は10:00から17:00まで、見学料は無料です。
また、本館のほうには、これまでの研究成果や本物の恐竜化石も展示してありま
すので、どうぞ併せてお立ち寄りください。みなさんも身近に太古の生物を感じて
みてはいかがでしょう!

                          池田 忠広(自然・環境評価研究部)

ホオノキの大きな花

2008年5月22日

 5月も半ばになると,篠山付近でもホオノキの花を見かけるようになります.
ホオノキはモクレン科の植物.甘い香りが辺りに漂い,白い花は初夏の日差しに輝いてとてもきれいです.

花
 ホオノキの花と葉.樹高が高いので,花を見る機会は少ないかもしれません.葉は大きくてホオバ味噌に使われたりします.

メシベとオシベ
 手前の花びら(花被片)を取り除いて撮影.上半分の赤紫色の部分がメシベ.下半分の白っぽい部分がオシベ.メシベもオシベも多数あって,1つ1つが螺旋状に配列しています.

果実
 若い果実.メシベが螺旋状に配列していることが良くわかります.花びらやオシベは全部脱落しています.

 この季節,博物館近くの街路樹である「トチノキ」も花をつけています(まだまだ小さい樹なので,花をつけていない株もあります).花は樹のてっぺんに咲いているので,ホオノキ同様,目線をあげないと見えませんよ〜


(以下,植物が好きな方へ)
 モクレン科の花は原始的だとよく言われます.何故なのでしょう?
 花びらは葉が変化したものだと考えられているため,より葉に近い花を持つモクレン科は原始的だとされているのです.
 モクレン科の1つのメシベは1つの心皮から構成されていているので,2つに折りたたまれた葉の内側に胚珠(受精後,種子になる部分)が付いた状態だと見なせます.オシベは花糸と葯がはっきり分化していません.しかも,これらのメシベとオシベは,(互生する葉のように)螺旋配列しているのです.


布施 静香 (自然・環境評価研究部)

アワフキムシの「あわ」(↓)を見かける季節になりました。いろんな草木についています。

「あわ」をかきわけてみると、中には、5mmくらいの小さな虫が入っています。


拡大してみると・・・


これは、アワフキムシの幼虫です。セミに近い昆虫で、植物の汁を吸っています。

この虫を「ホタルの幼虫」と思っている方が、けっこう多いです。
「あわ」が、ホタルの季節によく見られることと、赤と黒の体色のパターンがホタルによく似ているからではないかと思います。ホタルと反対に、頭や胸が黒で、お腹が赤いですが。。。

ほんとうのホタルの幼虫は、水中や地表にすんでいて、あまり目立たない色をしています。

ところで、赤と黒がよく目立つ、いわゆる「ホタルカラー」の虫は、ホタル以外にいろいろ見られます。
これは、ホタルは毒虫なので、ホタルに「擬態」していて、鳥などに食べられにくいからだとか。。。ほんまかいな??

アワフキムシは、成虫になると「あわ」を吹かず、翅(はね)が生えて赤と黒の色もなくなり、あまり目立たないです。さわろうとすると、ぴょこーんと跳ねて飛んでいきます。

八木 剛@自然・環境評価研究部でした。

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