6/28に生田文化会館にてシンポジウム「生物多様性を考える」をNGO生物多様性JAPANのみなさまと開催いたしました.
環境省によれば「生物多様性」という言葉の国内での認知度は約30%とのことで,地球温暖化に比べると,まだまだ世間一般には浸透していませんが,当日はお忙しい中,約120名の方々がご参加くださり,大変熱気にみちた会となりました.
会の中では以下の6つの話題が提供されました.
ひとはくからは,岩槻館長,中瀬副館長,服部研究部長が講演者として参加しました.
「恐竜時代から考える現在の生物多様性」では、現在地球上にみられる生物多様性は,約40億年前に出現した共通の祖先から枝分かれしたもので,以後天変地異による5回の大絶滅の危機を経験しながらも右肩上がりの多様化がつづいた結果生まれたものであること,そして今それが人間活動によって急速なスピードで失われつつあることが紹介されました.
「生物多様性ちば県戦略と市民・NPO,そして子どもたちの未来」では千葉県で先進的にとりくまれた県版生物多様性戦略の策定の過程と内容にふれ,「生命(いのち)のにぎわいとつながりを子どもたちの未来へ」という理念が紹介されました.
「生物多様性兵庫県戦略構想」では,現在策定の準備を進めている兵庫県版生物多様性戦略について,これまでの県の施策の変遷を整理して課題を提示し,戦略に盛り込むべき内容についてのアイデアを提案されました.
「生物多様性に対する兵庫の取組」では国内でもっとも先進的な取組である,兵庫県の森づくり・里山林の整備・多様性豊かな草原の創出について紹介されました.
「生物多様性条約COP9 NGO活動報告」では,締約国会議にあわせて政府関係者だけでなく各国NGOも生物多様性に関する取組について活発に情報交流している様子が紹介されました.
「COP10の課題:経済・社会・環境のバランスを目指して」では,COPという国際会議が(1)生物資源の持続可能な利用,(2)遺伝資源の利用から得られる富の公正かつ衡平な配分,(3)生物とその生息環境を保全することを目指した会議であり,環境だけではなく,経済や社会問題に深く関わる会議であることにふれ,生物多様性に関して市民・NGO・科学者ができることについてや,2010年に名古屋で開催するCOP10で話し合われるであろう主要課題について紹介されました.
どのお話しも興味深く,会場からは多数の質問や意見が寄せられ,活発な意見交換がなされました.
講演者への質問,多数いただきました!
会場の質問に答える岩槻館長
昨年度後半より生物多様性に関する活動は実は活発になってきています.
第3次生物多様性国家戦略の策定,都道府県版戦略の策定(千葉,埼玉),生物多様性基本法の制定,名古屋でCOP10開催が決定,そして兵庫県でも生物多様性戦略を策定中!です.
ひとはくも生物多様性に関する活動を全面的に支援しております.
ぜひ今後も国内外の生物多様性に関する活動ご注目ください.
橋本佳延(生物多様性TF サブリーダー)