サイトマップ |
文字サイズの変更

ご利用案内

交通アクセス

利用案内(観覧料金)

団体でのご利用

バリアフリー情報

ひとはくの展示

セミナー情報


ひとはく活用術

移動博物館車 ゆめはく

ひとはくセミナー倶楽部

ひとはく新聞ハーモニー

恐竜化石

ひとはくKids

行政や企業の方へ「シンクタンク事業」

学校関係者の方へ「学校教育支援」


森でゾウに出くわすのは危険です。これまでのボルネオジャングル体験スクールで
は、フンをみつけるだけで、ゾウの存在を感じてわくわくしていました。
ところがなんと今年はジャングルに着く前にゾウの群れに遭遇してしまったのです。
 ダナンバレー自然保護区に向かうバスに揺られて2時間くらいたった頃、安間先
生が言いました。
「道ばたにゾウのフンが落ちているよ。まだ新しいから、近くにいるかもしれない。」
陽は傾き、みんな疲れてうとうとしています。
しばらくすると前の車が停車し、レンジャーが降りて左側を指しました。そちらを見
ると、なんと、ゾウのおしりが森の中に消えていくではありませんか。
すごい!さらにバスで先を急ぎます。みんな落ち着かず、窓の外をきょろきょろ。あ
きらめかけた頃、また前の車がスピードをゆるめ、止まりました。
「あっ、ゾウがたくさんいる!」
ゾウたちは名残惜しそうに草を食べながら、じりじりと森の方に移動していきます。
親子のゾウもいました。参加者全員が見守る中、すべてのゾウが森の中に消えてい
きました。
                  半田 久美子(自然・環境評価研究部)


(写真1:アジアゾウ)
 ゾウの歓迎による大興奮で始まったジャングルスクール、その後の様子は「ファー
ブル大作戦!」や「ひとはくフェスティバル」にてごらんください。




(写真2:参加者)

今年2月23日からはじまった企画展「クリプトガミック・ボタニー〜隠花植物の不思議な世界〜」がいよいよ来週水曜日20日をもって終了します。

展示室をのぞいてみると美しいキノコの標本もずらりと並んでいます。これらの標本は、本物のキノコを凍結乾燥し、樹脂をしみ込ませたもの。生きているかのような立ち姿は感動です。

080815END.JPG

トガリアミガサタケの標本

他にもさまざまな植物の写真や実物、模型が展示されています。
すでにご覧になられた方は見納めのチャンス。まだご覧になられていない方はお見逃しなく!

★★★ 企画展「クリプトガミック・ボタニー」 ★★★

遠藤菜緒子(企画調整室・事業推進担当)

先日夕方、ひとはくの駐車場でイソヒヨドリの巣立ったばかりのヒナを見かけました。

首の後ろにまだヒナのぽやぽや産毛(?)が残っています。
駐車されている自動車の上にとまり、ぴょこぴょこまわりを見回していました。
どこかにいる親鳥を探していたのかもしれません。

鳥たちは、朝夕によく活動します。夕涼みをかねて、身近な自然を見に出かけてみてはどうでしょうか。生きものたちが元気な季節がまだまだ続きます。

遠藤 菜緒子(自然・環境マネジメント研究部)

オオサンショウウオは、ひんやり冷たい体をしている両生類ですが、夏が来る
と体をボロボロにして熱い旅に出ます。一年中、ほとんど移動しない彼らが、
なぜこのような旅に出るのでしょうか?

 その旅は、産卵のための移動です。彼らは、産卵期以外は個々の巣穴に定
住しますが、産卵期前になると限られた巣穴を探して移動を行います。平均す
ると数百mほど遡上しますが、なかには4kmも遡上するヤツがいます。この時
期にオオサンショウウオを調査すると、あごや頭、手足、お腹などがズルズル
に擦りむけた痛々しい姿をよく見かけます。遡上途中に石などにぶつかるため
でしょうか。それとも、移動を阻害する堰(せき)などの障害物を越える際にケガ
をするためかもしれません。
移動が阻害されると繁殖の機会を失い子孫を残せなくなるため、彼らは必死に
移動するのだと思います。人が生活していくために、利水・治水用の堰が必要
な所もあります。ただし、それらが動物の移動を阻害しないように、対策を考え
るべきです。私は、そのようなオオサンショウウオの移動阻害に関して、人と動
物が共存できる方法を研究しています。

田口勇輝(自然・環境マネジメント研究部)


右後肢にケガをしているオオサンショウウオ


取水用の堰を越えようとするオオサンショウウオ

庭の楽しみ

2008年7月17日

 戸建て住宅の方々のみならず、マンションなどの集合住宅にお住まいの方々
も、庭や緑を楽しまれてます。庭やベランダには、太陽の直射光も雨もが降りそ
そぎ、風も吹き込みます。そして、そこには多くの植物が植えられています。
庭は多様に「変化する空間」、緑が「生長する空間」なのです。
一方、家には屋根があり、壁があって、外界から守られた私達人間にとって「安
定した空間」といえます。

 人間にとって、この「安定した空間」と「変化・生長する空間」が共存するこ
とが重要なのです。このことによって、私達は精神的な楽しみ、安らぎ、ゆとり
などを享受することができるのではないでしょうか。私達の生活の中で、家と庭
の緑、部屋とベランダの緑、この絶妙な関係づくりが庭づくりの極意といえるで
しょう。

 住宅の庭のみならず、ベランダでも、家族のライフスタイルにあった縮景の庭、
借景の庭、さらには石の庭までもつくることができます。その際には、庭の方位、
雨・風などの自然現象、周囲の山々や公園や街路樹の緑などの環境、さらには
街並み景観などをよく観察し理解して、それらの良いところを如何に旨く取り込
み、活かすことができるかが重要です。

 庭は、私達にとって精神的な楽しみ、安らぎ、ゆとりを与えてくれると共に、
緑の日除けや風除け効果などの気象緩和、野菜や果樹などを通じた食物生産、
生物多様性の維持、さらには街並み景観づくりにまで役立つといっても過言では
ありません。更に、庭はオープンガーデンなどを通じた地域社会づくりにまで貢
献してくれます。

 昨今、地球温暖化、化石エネルギー消費、食糧問題などの多くの課題が山積し
ています。私達の庭づくりから、これらの諸課題の解消に向けて挑戦することは、
成熟社会での豊かな生活の質の追求であり、真の庭づくりの意味ではないでしょ
うか。
                      
中瀬 勲(兵庫県立人と自然の博物館 副館長)

  

写真1 緑の街並み
自分の楽しみのみならず多くの方々と楽しみを共有するオープンガーデンで有名な
北海道恵庭市の街並み景観の一コマ。市民一人一人の楽しみがまち全体を美しくし
ている。恵庭市はわが国でのオープンガーデンの発祥の地の一つである。
本年は「ガーデンアイランド北海道」のテーマのもとで庭づくり、花づくりが全道
で展開されている。
  
   
 
写真2 だんだん畑
阪神・淡路大震災後の震災復興住宅として建設された南芦屋浜の集合住宅の中庭。
住棟間は、だんだん畑として、樹木の植栽のみならず、住民によって野菜なども栽
培されている。住民にとって、見て、手入れして、収穫して楽しめると共に、コミ
ュニティ形成の場となっている。

Copyright © 1992-2021, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo, All Right Reserved.