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観葉植物で観虫

2009年4月14日
 先日,館内に置いてある観葉植物(カポック?)に虫がわいている事を教えてもらった.虫といってもカイガラムシのたぐいなので飛んで人を驚かせたりするわけではない.葉の表面が所々黒っぽくなってネトネトしているだけだ.
 よく見ると葉の表面に2ミリほどのカサブタ状のものが着いていてこれがボスキャラ(?).周りに小さなゴミか脱皮殻みたいなザコキャラ(?)の残骸を確認.たしかに「湧いている」.
 顕微鏡で見るとボスキャラはほとんどロウ物質を出しておらず,体がむき出しで虫らしい姿をしている.めくって裏側を見ようとすると,0.3mmほどの小さな虫が数匹出てきて,チョコマカ動き出した.ボスキャラの下にザコキャラがひそんでいたようだ表示
 ボスキャラにも脚があり,多少は動けそうだが,やはり固着して吸汁,繁殖するのがお役目の,これは成虫ようだ.ザコキャラには立派な複眼と強健な脚があり,歩くのは得意そうだ.つぶらな瞳がかわいい.姿は異なるがたぶん幼虫(不完全変態なので若虫)だろう.幼虫のうちは移動性があって,良い場所に到達し次第に定着して成長していくのだろう.要するに母虫の下でその子供たちが分散の時期をうかがっていたらしい.平和な家庭を,けなげな命の営みを破壊してしまったぞ(哀)表示
 「観葉植物」は葉を見せてナンボなので,葉の表面がネトネトはまずいかもしれない.でもちょっとくらいなら何かが湧いているのも鑑賞の幅ではないかと思う.観葉植物の虫を肉眼で見るのは難しいが,食痕や汚れから虫の存在を感じるのは可能だろう.「観虫植物」は無理でも「感虫植物」はありではないかと思った.

急に気温が上がったので,たくさんの花が咲いてきましたね.
ピンクや黄色の鮮やかな花の傍らで,渋い黒紫の花を見つけました.
これは「ゴヨウアケビ」の花.
大きい花が雌花で,葡萄の房のように見える小さい花が雄花です.
ゴヨウアケビは「五葉アケビ」の意ですが,3つに分かれる葉や5つに分かれる葉などさまざま.
それは葉が3枚に分かれる「ミツバアケビ」と5枚に分かれる「アケビ」の雑種だからです.
良く見ると葉の縁がぎざぎざだったりつるんとしていたりと,これも「ミツバアケビ」と「アケビ」の特徴が混ざっています.
博物館のある深田公園にはアケビやミツバアケビが(もしかしたらゴヨウアケビも!?)生えています.探してみてくださいね.

【探すヒント】
・つる植物なので,他の植物にからまっています.
・ミツバアケビの花はゴヨウアケビに良く似た色ですが,アケビの花はもっと白っぽい色です.

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(自然・環境評価研究部 布施静香)

春を代表する花を紹介します。
今回は、特に目立たないけれど身近に生えている可憐な花を紹介します。

ひとつめはキュウリグサです。この花はムラサキ科の植物で、葉を揉んで匂いをかぐとキュウリの匂いがするというので、この名前がつきました。花が好きな方はご存じかと思いますが、ワスレナグサの仲間です。花序はサソリの尾のように巻いているのが特徴です。

kyuurigusa1r.JPG   kyuurigusa2r.JPG   kyuurigusa3r.JPG

 

ふたつめはノヂシャです。この植物はヨーロッパからやって来たオミナエシ科の帰化植物です。花をよく見ると、秋に咲く黄色いオミナエシによく似ています。葉をサラダにするそうですが、残念ながら食べたことはありません。

  nodisya1r.JPG   nodisya2r.JPG   nodisya3r.JPG

 
キュウリグサ、ノヂシャともに3枚目の写真の白線は1mmを示しています。どちらも花は小さく目立ちませんが、よく見るとかわいらしい姿をしています。

そろそろお花見の時期も終わりに近づいています。この週末に最後の花見を楽しみながら、これらの小さな花たちに目を向けてみてはいかがでしょうか。

山本伸子(自然・環境評価研究部)

岩槻邦男のコラム

2009年4月10日

 2009年度は月に2回くらいのペースでコラムを担当したいと思います。館を代表する考えを述べる場ではなくて、日頃抱えている個人としての思いを、その時々に思いつくままに発信しようというものです。

 4月は新しい年度の始まりです。形式的なことは好きではありませんが、そうはいいながら、句読点を気にするように、節目節目には、自分の行動を振り返ってみ、やってくるべき日々に向けて、どのように取り組んだらいいのかを考えます。

 4月1日には、人事異動にともなって新しく赴任してくる人たちがありますし、ひとはく固有のやり方で執行している事業部の組織も一部修正して再編します。辞令の伝達や交付は、組織として年度はじめを具体的に意識する行事です。

 事務部の新人(ずいぶん年配の人も含めてですが)には、ここはお役所ではないと思ってください、といい、研究部の新人には、ここは研究所ではないと思ってください、といいました。さらに、自分のイメージに描いている博物館活動に参加するという意識も一度払拭してくださいといいました。多分、ひとはくに居着いている人たちは、平均的日本人が考える博物館人とはずいぶん違った行動様式を身につけていることでしょう。ここで活動を続けているうちに、ひとはく固有の活動をする人になってしまっているのです。とは言っても、ひとはくの人たちが変人、奇人になってしまったというわけではありません。私の理解では、もっとも望ましい博物館活動とは何かを、真剣に求める人たちの集団がここにあるということです。それが世間の常識を超えてしまっているのです。

 2001年にひとはくが新展開を始めた時、「自然界との共生関係を明らかにし、人と自然のあり方を探り、人と自然の共生系の構築を目指す学問」としての共生博物学に立脚し、「新世紀の環境優先社会の構築を支える人と自然の博物館」に向けた行動を求めると宣言されました。その目的の達成のために、生涯学習の支援と自然・環境シンクタンク機能の充実を2本柱とした活動の展開が謳われています。8年前に、時代を先取りした理解で行動に取り組んだということです。

 2000年度中に構想が立てられた新展開は、2001年度を準備期間とし、2年間の第1ステージから、開館10周年に当たる2002年度からの5年間を第2ステージと定めて具体的な行動に入りました。さらに、新展開の5年を終えてから、それを継続発展させる2年も過ごしました。もちろん、その間、出る人、入ってくる人が相当の数に達したことはいうまでもありません。私自身も2003年から、途中参加をした者の1人です。

 兵庫県は今未曾有の財政危機に陥っています。他の地方公共団体と違って、最大の原因は14年前の大震災の負荷によると聞いています。聖域なしに、人員削減や経費減が求められており、ひとはくももちろんその例外ではありません。しかし、もともと構成人員だけではできないほどの大きな夢を描いている組織です。目前の課題として兵庫県民のための生涯学習支援とシンクタンク機能の高度化を図り、それらを通じて日本の博物館活動の充実に貢献しようという強い意欲が、厳しい環境のうちにあってなお確実な成果を挙げつつありますし、そのことを内外の人々から認めていただいていると自負しています。環境優先社会の構築が不可欠とされる21世紀もすでに9年目にさしかかっています。ひとはくの歩みがそれにふさわしい展開となっているのか、新年度のはじめにあたって、あらためて考えるところです。自己評価のための全館員対象の月例報告会も、定例の30分から、4月だけは1時間の特番になりました。08年の業績を振り返り、09年度にさらなる飛躍を期します。

 

                                岩槻邦男(人と自然の博物館 館長)

4月29日におこなわれるセミナーの下見に行ってきました。今年初めての野外調査でした。

まず小林さんに栗柄で、くりから谷中分水界の説明をしていただいたあと、西ヶ岳にむかって出発しました。

初めは緩やかな坂道でしたが、途中から急に岩がごろごろした道になり、鎖場などもありました(写真左)。私はこの登りでへとへとになってしまいました。

尾根に出ると、その後は緩やかな上り下りがあり、西ヶ岳山頂(標高727 m)に着きました。ここで地質の話をしていただきました(写真右)。

kusariba.JPG    setsumei2.JPG

 

西ヶ岳を過ぎると下りが続き、出発地点まで戻ってきました。

 

今回は、スミレの仲間、ムラサキケマン、チャルメルソウ、ミヤマカタバミ(写真左)、バイカオウレン(写真中)、クロモジ、ヤブツバキ、キブシ(写真右)などが見られました。シャクナゲは花芽がずいぶん膨らんでいました。miyama.JPG   baika.JPG   kibushi.JPG

セミナー当日はどんな植物が観察できるでしょうか。

 

かなり急な登りがあります。参加される皆さんはしっかり「足慣らし」をしておいてください。

申し込み締め切りは4月10日(金)です。

 

山本伸子(自然・環境評価研究部)

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