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虫の顔面

2009年9月 8日
 電子顕微鏡で昆虫の顔面を観察する! という企画を考えています,
というより,微化石の企画に乗っからせてもらいました.

 観察前の減圧に時間が掛かるので,一つの試料台に何匹か並べてお
いて,つぎつぎと見る予定です.頭の中には試料台に虫の顔が7つ並
んだ「縁日のお面屋さん」状態の想像図ができあがっています.

 ただ,キャスティングについて思案中.

 昆虫の顔は千差万別ですので,なるべく変わった形のものを見せた
い訳です.

 口だけでも,上唇,大腮(おおあご)小腮…下唇とあって,それぞれ
に折れ曲がる節があってヒゲ状の付属肢があって,と,もともと複雑
な部品構成のものがさらに大改造されてて刺す器官になったり,嘗め
る器官になってたり… 複眼,単眼,触角の形もいろいろだし…

 一つだけ,ぜひ入れたいのは「蚊」です. 身を挺して吸われに行
き,吸虫管で逆襲して,そのまま冷凍&乾燥する作戦.

AD004t.jpg
写真はユアサハナゾウムシの眉間(立体写真)

昆虫共生・沢田佳久

9月5日。伊丹市が主催する「鳴く虫と郷町」に行ってきました。今回は、築300年の旧岡田家住宅(国重要文化財)での柿衛文庫と伊丹昆虫館が主催する「鳴く虫句会」でのゲスト出演でございます!ひとはくでのぎっちょん君は終わ IMG_9374.JPGった・・・のですが、再び伊丹に舞い降りることと相成りました。

 

 

 

午前は、大人向けの「鳴く虫句会」。まずは、柿衛文庫の今井館長のあいさつから。

IMG_9409.JPG

 

旧岡田家の中は、虫があちこちに置かれ、風流な空間でございます。

IMG_9379.JPG さあ、ネタは講談「小泉八雲の虫売り」。高い天井に 「ギースどうどすー」と売り声が響きわたります。 IMG_9383.JPG

昔の虫売りのお話にはもってこいの空間で、時間はゆったり過ぎ、ひととき明治のころにタイムスリップした感じがしました。

 

蔵の奥からヘルンさん(小泉八雲)がひょいと顔をだしそうな雰囲気でした。 IMG_9381.JPG

 

 

 

 

 

 

午後の部は「鳴く虫親子句会」。

ネタは、講談「ノコギリ名人ぎっちょん君参上!」。 IMG_9398.JPG

 

 

今日の出演は、一座から、河南堂四十一斎、御免奈斎、綾毬奈斎。

 

 

 

 

 

IMG_9397.JPG特別出演は柿衛文庫から河南堂緑黄色屋斎さんで、ハチリーナを見事演じていただきました。

 

 

 

 

 

IMG_9402.JPG久々の御免奈斎も綾毬奈斎も熱演!

キリギリスや鈴虫の鳴く声で大にぎわいの中、鳴く虫クイズで、ぎっちょん扇子のプレゼントもあり、お客様も大にぎわい・・・IMG_9408.JPG

そして、 このイベントの仕掛け人のひとり。伊丹市昆虫館の坂本昇学芸員の鳴く虫解説です。(ひとはくのエコバックを持っています。えらい!)

 

 

IMG_9412.JPG

旧岡田家の入口には、ぎっちょん君参上!展で展示していた小泉八雲と鳴く虫展示が、鳴く虫の俳句とともに展示中でございます。    

「鳴く虫と郷町」は9月12日まで伊丹市宮の前かいわいや商店街などで好評開催中です。

なんと、あちこちの虫かごやツボに15種2000匹の鳴く虫がいて、風流に鳴いています。

 

季節はそろそろ秋。みなさんも伊丹で虫たちの音楽に耳を傾けてはいかがでしょうか?

川東丈純

さて、捕獲大作戦!のつづきでございます。

大谷研究員は、ひとはくのハチ飼育場にフラハチ君を連れてかえってきました。 DSCF0330.JPG

そして、入口をあけました。

 

「おー。ここはどこやいな・・・。まあ、日陰やし、ええ感じやないか。ほな、巣の掃除しょうか。」DSCF0333.JPG

 

 

 

とフラハチたちは一生けん命掃除を始めました。 DSCF0336.JPG

 

そして、ハチたちが落ち着くまで、しばらくおいておきました。

・・・それから数時間後。DSCF0337.JPG

巣をあけて、女王バチを探します。もしいなかったら、ほかの巣から幼虫を移すとその幼虫が女王バチに育つそうです。不思議です・・・。

 

 

 

 

 

 

 

なんと、女王バチさんいてはりました。よかった・・・・。写真中央上のちょっと大きめのハチが女王バチさん! 「さあ、子どもたくさん産みまっせえ!」DSCF0340.JPG

 

 

と張り切る女王バチさんですが・・・

さて、この4千匹のフラハチ君たちは、どうなっていくのでしょうか。大谷研究員によると、居心地が悪ければ、どこかへ行ってしまうこともあるようですが、「おそらく、ここで増えていくだろう。」とのこと。

フラハチ君のこれからについては、またのお楽しみ!

 

 

フラハチ君捕獲大作戦!の一席でございました。     謎の講談師 河南堂珍元斎

河南堂珍元斎でございます。本日は「フラハチ君捕獲大作戦!」の一席でございます。

時は、9月4日の午前10時ごろのこと。

旧知の三田市の公園みどり課の生田さんから珍元斎あてに一本の電話がはいりました。

「深田公園でミツバチが大量に地面に群がっています!駆除するのもかわいそうなので、いりませんか?」

そこで、専門の大谷研究員がセミナー中だったので、珍元斎と鈴木研究員で現場に急行! DSCF0246.JPG

なんと、芝生にミツバチがうじゃうじゃ・・・・。市民の通報で、生田さんは立ち入り禁止にしてました。

 

 

 

 

 

 

DSCF0244.JPGすごい数のミツバチで、みんな元気にうごめいています。でも、死んだハチもいるようで、ハタラキバチが群れの外に出しています。 DSCF0243.JPG  

 大谷研究員は「もらいましょうか。」とのことだったので、とりあえず場所の確認をして、あとから、捕獲して三田市に連絡することと相成りました。

 

 

 

 

 

 

 

午前11時半。大谷研究員、鈴木研究員と現場へ。いよいよ捕獲大作戦!でございます。DSCF0251.JPG

 

 

 

 

 

DSCF0253.JPG大谷研究員によるとセイヨウミツバチで4千匹くらい。おそらくスズメバチに襲われて逃げてきたのでは・・・とのこと。でも、ふつうは木の上とかにいて、地面に群がるのは初めて見たそうで、珍しい光景のようで、ございます。

女王バチから巣箱に入れると捕獲しやすいので、女王バチを探しましたが、みつからず、とりあえず、全体を追い込むことに。DSCF0260.JPG

 

 

 

 

 

 

巣箱、ブラシ、煙送風機の3点セットで捕獲スタート!

 

 

まず、煙で群れを追い立てます!

 

「うわ!このおっさん。何すんねん。わしら煙きらいやがな。あーけむー。ゴホゴホ・・・かなんなあ。あっち行こかいな・・・。」

DSCF0271.JPG

ごい!数匹が入口から歩いて入ると、アリの行列のように群れ全体が巣箱に向かって歩き始めました。

 

 

 

 

 

「おお!こんなとこに、ええ巣があったがなあ・・・よかったなあ。」DSCF0266.JPG

 あわせ技で、ほうきとチリトリでごみを入れるようにハチをブラシで段ボールにいれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DSCF0276.JPG

そのうち、飛んで上から入るハチもでてきました。

 

そこに、スズメバチがミツバチの巣をねらって、やってきました

 

「おー、ハチミツたまっとうかなあ。いただきまーす!」

DSCF0286.JPGすると大谷研究員が「パン!」っとブラシで一撃で倒しました。さすが・・・でも、死んだとおもっていても針を刺す能力はあるのでさわってはいけません。

 

 

 「やられたあ・・・。」

 

DSCF0321.JPG門番のハチは、羽を扇風機のようにふるわせ、巣のにおいを外に送り仲間に巣の場所を知らせはじめます。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブーン・・・・おーい!こっちがわしらの新しい巣やぞー!はよう帰ってこいよ!」

DSCF0318.JPG巣箱は押し合いへしあい状態でございます。

「うわー、巣やで、やっと住むとこできたがな。よかったがな。」とワーワーいうております。

 

 

 

 

 

掃除を始めるハチもでで参りました。

 DSCF0307.JPG煙でもっと追いこみます。

DSCF0312.JPG

 

 

ほとんどのハチがはいりました。

 

 

 

DSCF0311.JPG100匹ほど残りましたがDSCF0322.JPG・・・・・・・・・

「あれ?はいられへんがな・・・。おーい、あけてくれ!」   

 

 

なかなかはいらないので、締め切り。非情な世界でございます。

いつもそんな感じだそうです。残された子たちの運命はいかに・・。

どこかに飛んでいってしまうようです。

 

箱をしめて、フラハチ君捕獲大作戦は無事終了。フラワータウンにいたハチなので「フラハチ君」と命名しました。

DSCF0325.JPG 

 

 

 

さて、何もなかったようにさっそうと立ち去る大谷研究員でありました。

かっこいい・・・。

 

 つづく・・・

 

 

2009年9月4日、明石市立朝霧小学校の子どもたち104名が、人と自然の博物館を訪れ、環境体験学習の一環として、虫とりをしました。そのときのようすです。

この事例は、他の学校にも参考になると思いますので、紹介しておきます。

持ち物
児童の持ち物:虫とりアミ、洗濯バサミ、弁当、水筒、筆記用具
学校で用意するもの:アミの予備、台所用水切りネット、名前ペン、セロテープ、付せん

スケジュール
9:40頃・・・バスで到着。アミは館の外にまとめておいて、児童のみなさんは館内へ
10:00〜・・・ひとはくのセミナー室で、あいさつと、虫とりのしかたを説明
10:15〜10:35・・・公園への移動と虫とりの準備
10:35〜11:15・・・みんなで虫とりだ!
11:15〜12:00・・・つかまえた虫をチャック付きポリ袋に入れて、壁に貼っていきます。
昼食の間・・・研究員が虫の鑑定
13:00頃〜・・・まとめのお話と片付け
13:30頃〜・・・館内見学
14:30頃・・・バスで学校へ向けて出発


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広い深田公園は、アミを持った子どもたちでいっぱいになりました。


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深田公園にはいろんな虫とりスポットがあります。これは水辺。
10年ほど前に、多くの生きものが住めるよう、ビオトープとして整備されました。


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雑木林もあります。虫が集まる木も植えられています。


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児童のみなさんは、シャツに洗濯バサミをつけています。これは、台所用の水切りネットと洗濯バサミでできる、簡単な虫かごです。中に入れた虫は傷みにくく、かさばらなくて、便利です。とにかく安い。


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ゴマダラカミキリをつかまえました。クワガタムシをつかまえた子もいました。


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すごいのみつけたね〜 先生も楽しそうです。

つかまえた虫は、1匹ずつチャック付きのポリ袋に入れ、つかまえた人の名前を書きます。
そのあと、先生が壁にはりつけています。ひとはくの壁はハーフミラーのガラスなので、作業がしやすいです。

虫は生きたまま入れます。気温にもよりますが、1、2時間なら、まず死にません。とくに翅(はね)の大きなトンボやチョウは、虫カゴに入れると、翅が傷ついて飛べなくなります。この方法では、虫をあまり傷めません。
ただし、虫を入れた袋は、絶対に日光に当ててはいけません。熱気で即死します。そこで、展示は必ず日陰で行います(できれば室内を推奨します)。それでも中が蒸れて袋が曇るようなら、チャックを少し開けるか、袋に穴を開けておきます。


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トンボのなかま、バッタのなかまなど、なかまどうしを集め、ならべます。
集めて整理するだけで、楽しいです。

ここから先は、何をどこまでやるか、授業の目的や学年によって異なってきます。

昆虫は種類が多く、種名を知ろうとすると、どうしても、虫にくわしい専門家の助けが必要になります。オスとメスで大きさや色がぜんぜん違う虫がいたり、同じ種類を集めるだけでも難しいです。今回は、博物館の研究員が、虫の種名をつけていきました。

なかま分けにこだわらず、室内に持ち込んで、じっくり虫のスケッチをするのも、よい学習と思います。袋に入れた状態なので、スケッチのモデルとしても、使いやすいです。

とことん種類にこだわって、つかまえた虫の種類と数を表にし、種数×個体数でポイントを競う「虫とりペナントレース」もよいと思います。さらに、対象をトンボだけに限定して「トンボとりペナントレース」、バッタだけに限定して「バッタとりペナントレース」とすることも、楽しいものです。


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みんなで、41種111匹の昆虫をつかまえました。クモやカナヘビ(トカゲのなかま)を入れると、45種118匹でした。わずか40分少々の虫とりで、こんなにたくさんみつかりました。

このあと、虫を逃がしたり、持って帰りました。トンボもバッタも、ちゃんと飛んで行きました。持って帰るときは、必ず袋から出して、風通しのよい、虫かごに入れます。

学校で同じことをしてみると、場所による虫のちがいがよくわかると思います。また、同じ場所でちがう季節にやってみると、季節による虫のちがいもよくわかります。ぜひやってみてください。


(八木 剛@自然・環境評価研究部)
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