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先日の神戸新聞に「黄に染まる秋−イチョウ並木神戸で鮮やか−」という記事が掲載されていました。
実はこの場所(神戸市北区)、私の家の近くで、毎日通る道なのです。

神戸北町のイチョウ

▲さっそく今朝、写真を撮ってみました。黄色になり始めたところで、この先まだまだ、きれいになるところです。最盛期はもっともっときれいですよ(^^)

 

神戸三田

 

神戸三田のイチョウ

▲ひとはくへのアクセス途上、神戸三田インターを出て最初の信号を右折したところ、
ちょうど「人と自然の博物館」の道標がある場所もイチョウ並木です。まだまだ「緑」が勝っていますね。

植物にある緑色の色素「クロロフィル」が元気なうちは木全体が緑色ですが、秋になり気温も下がって日照時間も短くなるとクロロフィルが壊れ始めます。残った黄色の色素「カロチノイド」の色が出て黄葉しているのですね。

植物によっては、やがて、葉に残った糖分が赤色の色素「アントシアン」に変わって、いわゆる「秋の紅葉」を楽しむことができるのです。

さて、ひとはくでは昨日・今日の2日連続で「植物画を描こう」というセミナーが開催されています。様々な秋の素材ですね。

植物画

▲植物画の素材 このなかから好きなものを選んで・・・

植物画03 植物画02

毎年恒例のセミナーで、小・中学生たちが熱心に植物に向き合い、ていねいに絵を描いています。
今年はどんな絵が完成するんでしょうね。

みなさん、ひとはくのある深田公園は、これから様々な植物が色づきます。ぜひ、この秋、三田周辺でのマッタケ狩り、栗拾いなどとあわせて博物館の秋の景色・秋の色をお楽しみください!

(生涯学習課長 平松紳一)

今日は昨日までの天気とは違って朝からすっきりと秋空が広がりました。
秋空ひろがる

秋と言えばドングリ!

クヌギ

▲博物館前のクヌギの木には、まだ緑色ですがたくさんの実がついています。

クヌギいろいろ

▲あたりを見渡すと道路には茶色になった実も落ちていたので、ついでに葉っぱも1枚とってまとめて写してみました(^^)

「クヌギ」といえば、ひとはく3階展示室の「北摂の里山」コーナーにある「台場クヌギ」

北摂の里山コーナー

▲ここは子どもたちに人気のコーナーの一つです。ボタンを押すと・・・

昼 夜

▲カブトムシやクワガタなどの虫が集まります

川西市黒川

▲「日本一の里山」といわれ、「菊炭(池田炭)」でも有名な川西市黒川、
実は一昨年の12月に私も、ひとはくの研究員の観察会に行ってみました。
きっと今頃は、パッチワークの里山風景がきれいでしょうね。

服部先生  ケーブル駅横 クヌギの葉

▲服部研究部長の話を聞きながら「日本一の里山」を観察させていただきました。クヌギの葉も色づいています

さて、この10月、”ひとはく”は様々なイベントがあります。
一部をご紹介すると・・・
■今日から始まった「がんばれ!佐用町」展は3階展示室にて。
■開催中の「コウノトリのいる風景」関連のフロアスタッフと遊ぼうは、

→10月3日(土)・4日(日)「コウノトリカードづくり」

→10月10日(土)・11日(日)・12日(月・祝)「コウノトリの巣作り」

→10月17日(土)・18日(日)「パタパタ・コウノトリをつくろう」

いずれも15時から。
■開催中の「だまし絵といろんなだまし」関連の「ひとはく”だまし”セミナー」が、
→10月12日(月・祝)と10月17日(土)、いずれも12時半から4階ひとはくサロンにて。
■そして、10月24日(土)からは「竜と獣の道」展が始まります。

■さらには、11月1日(日)に「ひとはく&恐竜フェスティバル」があります。

それぞれの詳細は、またの機会にブログでもご案内します(^^)

この秋、”ひとはく”にぜひ、”何度も”お越しください!!

(生涯学習課長 平松紳一)

9月27日(日)まで開催されて30万人以上の来場者があったという「恐竜2009 砂漠の奇跡」に出展していた「丹波竜」の産状レプリカが今日、帰ってきました。

渋滞でトラックが遅れて、閉館後もかなり時間がたってからの作業となりました。

トラックから

▲博物館収蔵庫棟に横付けされたトラックから降ろされる「丹波竜」産状レプリカ。ちょうど雨も小降りになってよかったです(^^)

展示室に

▲3階展示室まで運ばれて、慎重に降ろします

レプリカ

▲産状レプリカの4つ目のブロックが運び込まれました

元どおり

▲これで元どおり。明日からご来館の皆さん!迫力ある展示が戻ってきましたよ(^^)

 

はてな?

▲収蔵庫に残された怪しげな木箱!?中身が何かについては、またの機会にご紹介します!!恐竜ファンには見逃せないものかも??

ぜひ、”ひとはく”で戻ってきた丹波の恐竜展示をご覧ください。
そして、10月24日(土)からは、いよいよ「竜と獣の道」展が始まります。お楽しみに!!

(恐竜タスクフォース&生涯学習課長 平松紳一)
 

9月最後の日、今日は雨でした・・・

雨もよう

▲深田公園も雨ではお弁当を広げられません・・・でも、ひとはくは雨天時昼食場所が確保されているので安心です(^^)

わくわくオーケストラで西宮の兵庫県立芸術文化センターに向かう中学生の団体といくつかの小学校が来館されてに館内はにぎやかでした。

  館内で  化石をもって▲館内ではグループで問題を解きながらのスタンプラリーや恐竜化石を持ち上げてみたり?もちろんレプリカですが、本物の化石と同じ重さです!

カエル

▲これ何ガエル?みんなの学校の近くにいるかな?

太田研究員

▲今年着任した太田英利主任研究員の質問に元気よく手を挙げる子どもたち。セミナー室では学校団体向け特注セミナーが繰り広げられていました。

石田研究員

▲こちらは石田宏明研究員の「エドヒガンザクラについて」です。学校の近くにエドヒガンがたくさん見られるのでしょうか?

熱心に▲熱心にメモをとっていました

 

古谷研究員

▲古谷裕主任研究員の「丹波の恐竜化石」と学校周辺の化石?学校の周りは化石だらけ!??昨夜、古谷主任研究員はわざわざ採集に出かけたとか・・・

ひとはくでは団体向けの特注セミナーを充実させています。
何といっても40名近い研究員が在籍する国内最大級の自然史系博物館です。
ぜひ、ご来館の際は”ひとはく特注セミナー”をご検討ください。

(生涯学習課長 平松紳一)

岩槻邦男のコラム8

2009年9月29日

 明治以後の日本の教育体系の中で、生涯学習は少しいびつなかたちで展開してきました。これは、教育という言葉の意味が、教え、育てると理解され、教える主体(教師)の導きかたで教えられる客体(生徒)を育てる、という方法が重視されてきたためでしょう。明治維新以後、西欧文明に追いつけ追い越せと突っ走ってきた日本の教育は、100年経った時、少なくとも経済的には先進国の一角を占める成果をあげていたのですから、それなりの効果を生んできたのでしょう。教育を知育に限っていえば、知識の習得など、教え育てられることに意味があります。

 自主性、独創性に富んだ人は、教育体系の正統派でないという現象を生み、平均的日本人は大政翼賛的な大勢順応を旨とするのは、教える教育の成果だったのでしょうか。education という言葉は引き出すという語源をもち、教えられる客体の能力を育てることに主眼をおいた行為だと説明されます。英語の時間には、education は教育と訳されましたが、これは学習と訳した方が意味が近かったのかもしれません。国際的な会合で、頭の中でeducation を教育と理解して話を進めていて、しばしば理解に行き違いが生じるのを感じたのは、対訳の意味のずれに原因があったように思います。

 日本人が模倣に優れており、取り入れたものを巧みに改良して世界一のものに育て上げる能力をもっていることは歴史が実証している事実です。だから、自主性、独創性が日本人の資質として正統派でないことは明治以後の教育のせいだとばかりはいえないでしょう。しかし、寺子屋で営まれた全人教育は明治以後姿を消しました。それでも、だんだん昔の話になってしまいそうですが、優れた教師に心酔することの多かった頃には、知識の習得だけでない学びを学校でも経験していました。

 知育がすべてで、受験勉強の勝者が学校社会の勝者であるようになりますと、教えられることはあっても、学ぶことが乏しくなります。字義とおり、勉めて学ぶ勉強はしても、学ぶ歓びを満喫する学習の機会は学校にはなくなってしまいます。社会が学校に求めるのが教育だけとなったら、子どもは学びの歓びを満喫する機会をもたないままに、大勢順応型で、そのくせ変にこましゃくれた大人になってしまいます。

 日本で生涯学習が軽んじられてきたことは、西欧文明の後追いをしながら、博物館等施設を軽視してきたことにも現実の一端が見られます。もっとも、博物館関係者の対応にも問題がなかったとはいえません。それが、ここへ来て、一部の博物館の活性化によって姿を変えようとしています。新展開で生涯学習の振興を主題に掲げたひとはくも、そのトップランナーのひとつだと自負しています。知識を習得して博覧強記を目指すだけでなく、自分の目で確かめ、自分の頭で試行錯誤を経験する機会が、博物館には準備されています。もっとも、最近の博物館、少し奉仕精神が強すぎて、人々が考える前に考え方を提示してしまいそうで、それが教えられることに慣れた人々に求められていることであったとしても、博物館らしさを失わせる元になるのではないかと心配になることもあります。ノーベル賞候補に名前の挙がることのある畏敬する化学者が、子どもの頃何度も博物館へ連れて行かれ、一人で館内を彷徨していろいろ学んでいるうちに理学を志すようになった、と思い出を話されたことがあったが、最近のようにタッチオンの機会も多い博物館だったら、自分の好みに任せて博物館を自主的に利用するようであってほしいものである。

 生涯学習を生涯教育と同義語として使い、成人教育に置き換えてしまうようなあやまちはあまりなくなったようではあるが,生涯を通じて学ぶ歓びを感得するこころ豊かな生を全うするために、博物館がますます社会から求められる存在になるようでありたいものである。


岩槻邦男(人と自然の博物館 館長)

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