それは、ひとはくの所蔵する昆虫写真家栗林慧さんの瞬間写真30数点と 里山に暮らすイノシシやタヌキの剥製や虫の標本、虫の3D写真、そして、里山のきのこや木の標本などなど・・・普段の美術館では絶対見られないモノたちでございました。
この期間(12月24日〜1月15日)大勢のお客様にご覧いただきました。なんと17日間の会期で10,622人。1日平均約625人に見ていただいたことになります。
六甲山を越えるのがしんどいとかタヌキに化かされるのがいやとか、虫は怖いとか・・・といういろんな方々にご覧いただき、ジブリの背景画の中に住まうる生き物たちに出会っていただけたことは、自然への興味、はたまたひとはくへの興味をも持っていただけたのでございます!撤収後、木の標本がバラバラになるとか3D写真パネルが瓦礫の土のう袋の下敷きになり使用不可になるとか、さまざなトラブルにも遭遇しましたが、なんのこれしき!と、懲りずに次の企画をねる珍元斎でありました。
みなさま、これからも、ひとはく、そして、県立美術館をごヒイキのホド、
河南堂珍元斎
本日1月21日(木)から26日(火)までの6日間、猪名川町立つつじが丘小学校体育館で、ひとはくキャラバ「ひとはくがやってくる in つつじが丘小学校」が開催されています。
開催前日の1月20日(水)、小学校の先生方、PTAや地域の方々、博物館スタッフと展示物の設営を行いました。
ずらっと並んだ標本箱。蝶やカブトムシ、大好きな昆虫がいっぱい!
ガラスケースには古生代から新生代の化石がずらり。説明パネルもあり。
開催日初日を迎えました。恐竜レプリカ模型、化石、昆虫標本など、どの展示物も大人気、休み時間に多くのこどもたちが熱心に見入っていました。
こんなに近くでじっくり見ることができるのもキャラバンならでは。学校にキャラバンが来てよかったね。
また、展示に合わせて特注セミナーも開催しました。
今日は、大谷主任研究員による「ハンミョウのはなし」(1,2年生)、「鱗粉(りんぷん)のはなし」(3,4年生)、西岡による「化石のレプリカづくりと丹波の恐竜化石」(5年生)がありました。
ハンミョウだけでなく、いろいろな昆虫の話がありました。大谷先生に質問しました。
アンモナイト、三葉虫から好きな化石の1つを選んでレプリカをつくりました。もちろん化石は本物!
人と自然の博物館はメンテナンスのため現在臨時休館中(2010.1.12〜2.5)ですが、冬眠しているわけではありません。
つつじが丘小学校の地域の方々は、この機会に是非学校に足を運んでみてください。今後キャラバンの様子を報告しますので、ひとはくの活動にご注目ください。
西岡 敬三(生涯学習課)
さて、何の小屋でしょう? 以前は三田市内でもよく見かけたものですが、最近は少なくなり、貴重なものですが、「ウド小屋」と呼ばれるものです。
実はこの小屋の中で「ウド」を栽培されているのです。「独活(ウド)の大木」という言葉の由来となったウドのことです。「ウド」という植物は、成長すると、高さが、1.5mから2m近くになりますが、茎がやわらかく弱いので、木材の材料としては、使えないため、このように言うようです。ウドは、草の一つですが、外見が、木のように立派に見えるので、このようなことわざが生まれたのではないかと考えられます。
で、そのウドが大木になるまでのものが食用とされます。「三田ウド」も兵庫県内では特産品とされています。出荷は例年2月中旬から3月中旬頃ですので、まもなく店頭でもお目見えすると思います。
ひとはくも2月6日(土)から開館しますが、三田にお越しの際には数少なくなった「ウド小屋」を探してみてください。
情報管理課:八尾
ちなみに「独活の大木」の対になるのは「山椒は小粒でぴりりと辛い」かな?
そして、3回目でございます。1月11日(祝)でございます。今回のお題は「〜里山と植物〜」。
高橋晃研究員による「背景画の中の植物」から。
背景画に出てくる木や草花をトトロなどの里山の風景から解説しました。これはケヤキ、スギ、コナラ、トウシュロ・・・
ということは、結局、男鹿さんの背景画は、木や草花の種類がわかるくらい細やかなスケッチをもとに描かれているということがわかるのでございます。そして、その植物が背景画により臨場感を与えているようで、いかにリアリティ つづいて、私、珍元斎の「里山講談 クヌギ寅次郎の冒険」。
里山に生まれた「クヌギの木」がドングリから大木になるまでの一生を描いた書き下ろし講談でございます。一座の四十一斎、綾毬奈斎、阿北斎、楽演斎の寸劇付き・・・。
炭になりたくないフーテンの寅ことクヌギ寅次郎が里山に住む様々な生き物を通じて周りに役に立つ樹に成長する物語。
この話を聞くと、野山に転がるドングリやクヌギの木が愛しい存在になること間違いなし!四十一斎の寅さん。阿北斎の木枯らし紋次郎。昭和のレトロムードたっぷり。
楽演斎のカブトムシ、綾毬奈斎のスズメバチのオスズもキュートでありました。 そして大トリは三橋弘宗研究員の「背景画から読み解く里山の生態系」。
さりげない風景画の中に描かれた生態系から人の営みが生物のすみかを作っていることや田んぼと森がつながっていること、
なだらかな地形が特徴的な生物多様性の密度の濃い里山の風景を男鹿さんの背景画はきちんと描いていることなど、締めにふさわしいお話。 全3回、9コマのお話を聞いてくださったお客様もおられ、「最初の背景画のランドスケープという全体のお話から、里山、鳴く虫、ホタル、カエル、植物ときて、最後に全体の生態系の話となっていて、とてもわかりやすく、いい構成だったよ。」とのお言葉に感謝感激。 延べ720人。1回あたり240人。ひとはくにとって生物多様性年の幸先良いスタートと相成りました。 今度の県美ひとはく連携事業は、珍元斎の水木プロとの縁がきっかけで開催されることになった7月からの特別展「水木しげる妖怪図鑑」の予定。ひとはく博士がいかに水木しげる先生の世界に迫るのか・・・乞うご期待! 河南堂珍元斎