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 お昼に博物館の外に出るとエノキの幹に来ている大きなハチに眼が止まりました.


 どうやら産卵中のおいしいシーンだと思ってカメラを取ってきたら,さっきより
見やすい位置に移動してまだ産卵中でした(これが実は間違い).

  8469-t.jpg 刺激しないように数コマ撮っても,ハチは全く動じる様子がなく,産卵を続けて
います.近づいても逃げないようです.腹の下の湾曲した長い産卵管も目視できま
す.腹端にはアリがたかっていますが,それも気にせず産卵に集中しているようで
す.色んなアングルで撮っても無反応.なんと一生懸命な(これらが実は全部思い
込み).

8494-am.gif 8511-am.gif 

 あと,産卵管を抜くところを撮影して採集しようと考え,産卵の完了を待つこと
にしました.その間,携帯で調べてみるとキバチの類いらしいことが分かりました.
ハチの大谷先生にも連絡して来てもらいました.

 で,二人で見ていても,なかなか変化がありません.そのうち大谷先生がアリが
来ているが,普通このような事はないと言い出しました.さらに見ているとアリは
何か持ち帰っているようです.私は[何か染み込んだ樹皮のカケラだろう]と思い
ましたが…

 

8513-am.gif

 

 じつはこのハチ,産卵管を突き立てたまま死んでいました.引っ張っても産卵管
は抜けず,折れてしまいました.体はまだ柔らかでしたが腹部は膜質の部分が食い
破られていて,中身をアリがせっせと搬出中だったようです.

 これを30分くらい見ていたわけです.とほほ.

 あとで調べると,このハチはヒラアシキバチらしく,産卵管を差し込むだけで燃
え尽き,産卵するとそのままの姿で死ぬのが普通なようです.

昆虫共生 沢田

 

 

世界遺産に指定されている屋久島は、コケ植物の宝庫でもあります。これまでに665種以上が屋久島から報告されていて、これは日本全国の40パーセントにもなります。これほどたくさんの種が生育できるのは、温暖な気候と豊富な雨、そして急峻な地形がもたらす多様な環境が屋久島に備わっているからです。

 しかしながら、日本の他の地域等同様、ここ数年のヤクシカの個体数の急激な増加などが原因で、豊かな森もその林床の植生が破壊され、その影響はコケ植物にも及びつつあります。

 

 屋久島のコケ植物絶滅危惧植物の分布の現状を把握するため、2004年から2008年にかけて、環境省の依頼により広範囲に調査を行いました。その成果、これまで本州中部山岳からだけ知られていた蘚類を宮之浦岳山頂から見いだしたり、キノボリヒメツガゴケと命名した新種を見つけたりしましたが、中でも一番派手な成果は、新属新種となるヤクシマコモチイトゴケを見いだしたです。

 このコケは、小杉谷や白谷雲水峡、あるいはヤクスギランド周辺といった、島内でもコケ植物が豊富な場所に生育しています。林内の細い流れの近くで、一年中良く湿っていて、時折日が差すような場所に生える背の低い灌木の枝に着生しています。初めて見たときは、屋久島には普通にある、良く似た別の種と混同していました。ですが、念のため証拠となる標本を持ち帰り、顕微鏡の下で詳しく調べてみると、全く異なる形をしていることがわかったのです。ただヤクシマコモチイトゴケは雌植物だけしか知られておらず、胞子体(植物の花に相当します)をつけません。少し伸びた枝先の葉の間に線形の無性芽(むかご)をつけますから、おそらくは無性的に繁殖しているものと思われます。

 

 新種を学界に報告するためには、どの仲間かを確定しなければならない決まりになっています。つまりどの属に所属させるかをはっきりさせないと新種の記載ができないのです。ですが、そのためのもっとも有効な手だとなる胞子体をつけていませんから、しばらくの間、ヤクシマコモチイトゴケを報告することができませんでした。このとき役に立ったのが、犯罪捜査でも活用されているDNA塩基配列の差異を利用する方法です。葉緑体遺伝子上に載っている一つの遺伝子の塩基配列情報を、たくさんの既知の種のものと比較することで、どの仲間に含まれるかを推定するわけです。私にはこのような技術がありませんでしたら、カナダ在住のコケ研究者に実験を依頼することになりました。

 

 その結果は、新種どころか属という、もう一つ上のレベルで、これまで知られているものと違っていることがわかったのです。これは本当に驚きでした。形態の相違に基づいて正確な判定が下せなかったのは、分類学者としての能力が劣っていることでもあり、決してほめられたことではありません。とはいっても、客観的な情報によって結論を出すことができた点では、胸をはることができると、自分を慰めたりもしています。

 

 普通種だと思ったとしても、なんだか少し違うなぁと感じるところがあれば、とりあえず証拠となる標本を採取しておくこと、そして持ち帰ってからしっかりと調べるのがとても大切なことなのですが、今回の一番の教訓は、判断材料にこまったときは仲間を頼って、より多くの情報を得るように努めることで道が開かれるということです。分類学というのは、個人による孤独な作業ばかりではなく、複数の分野の専門家が連携して事に当たるという協同作業でもあることをあらためて実感することができたのでした。

 

(自然・環境評価研究部 秋山弘之)

 

 

20100930A-1.jpg写真1 薄暗い林内で、黄緑色の光沢のある短い枝を出して、灌木に着生するヤクシマコモチイトゴケ

 

 

20100930A-2.jpg写真2 明るい場所ではなく、林内の薄日が差し込む程度の、小さな沢沿いのよく湿った場所にヤクシマコモチイトゴケは見つかる

 

 

20100930A-3.jpg写真3 記載論文に使った解剖図

 

 

20100930A-4.jpg写真4 新種として報告されたキノボリヒメツガゴケ

 

 人と自然の会(里山クラブ)では、今後深田公園の林内の一角で下草刈りや間伐などの整備を行うこととし、まずその準備として橋本先生のご指導の下、毎木調査を行いました。 

 

1 utiawase.JPG         作業前に橋本先生と打ち合わせ

  

 林内の斜面を10m×10mに区切って杭を打ち、その中に生えている直径1cm以上、高さ1.3m以上の樹木すべてについて樹種、幹周り、樹高、枝の拡がりによる被度を計測。

 

2 sagyou.JPGのサムネール画像 
                                      枯れた木を取り除いてから作業します

 

今回の毎木調査では約25種を確認し、その主なものはアカマツ、ヒサカキ、ソヨゴでしたが、変わったところではヤマボウシもありました。その他、橋本先生によると今回調査した以外の小さいものでは、カクレミノやマンリョウなど近所の庭から逃げ出してここに生えているものもあるとのことでした。

今回のデータを基に今後の整備計画をたて、冬頃から少しずつ作業をしていければと思っています。 

 

 

3 nafuda.JPG                   テープを貼った樹木をすべて調査します 

 

 

深田公園はもともとアカマツが多く、昔は松茸がたくさん採れたそうで、今後整備することによってもしかして松茸山が復活するかもと夢みるわたしに、みんなは「無理!無理!」とそっけない様子。もし奇跡的に生えたらわたしがいただきます!!  

    

                               (人と自然の会 藤原玉規)  

 

 

私たちフロアスタッフは、毎日イベントを行っていますよ〜(^^)/

 

スタッフ手作りの『デジタル紙芝居』は、毎日アースシアターで上映しています。

(平日は1回上映:15時〜、土日祝は2回上映:11時〜・1430分〜)

 

FS201009-1.jpg

10月からは、新作『タヨウ星人 スナ・メリメリの冒険』が始まるよ。

 

また、土日祝日に行われる『フロアスタッフとあそぼう』(土日祝15時〜)では、展示をじっくり観察しながら絵を描いてみたり、展示のお話を聞いて魚をつってみたり、とっても簡単に工作してみたり、短い時間で達成感満点!!なイベントです。

 

 

FS201009-2.jpg  FS201009-3.jpg    FS201009-4.jpg

画はくの日          川でさかなつり     恐竜万華鏡

 

  

スタッフいち押しの『展示室ツアー』は、毎日開催!!

(平日:14時〜、土日祝:1130分〜)

 

展示室ツアーは、みなさん〜参加されたことはありますか?

 

 

FS201009-5.jpg      FS201009-6.jpg                                    ボルネオジャングル探検ツアーの様子

 

「ボルネオジャングルを一緒に探検したことがあるよ!!

との声が聞こえてきそうですね(^^)ありがとうございます!

 

『展示室ツアー』とは、私たちスタッフが博物館の展示を、クイズをまじえながら、わかりやすく解説する約20分間のツアーです。

 

ただいま行われている、展示室ツアーは…期間限定の☆新☆展示室ツアー!!

その名も〜【ひょうごの生物多様性おたのしみツアー】です。

2階展示特別企画<ひょうごの生物多様性 瀬戸内海VS日本海>をグルッと一周ご案内する楽しいツアーです。

 

FS201009-7.jpg 

 

たとえば〜こんなクイズが…

 

 

     FS201009-8.jpg

  

 

     FS201009-9.jpg 

みなさん、わかりますか?

正解は、展示室ツアーに参加して聞いてくださいね(^^)v

 

今年は国連が定めた国際生物多様性年。

少し難しい言葉だけれど、まずは兵庫県のいきものや自然を少しでも身近に感じてもらえたらうれしいなぁ。

 

期間限定の新展示室ツアーは、1226日(日)まで。

ここでは紹介できなかったけれど、「ふかたん」や、「うきうきワークショップ」などのイベントも行っていますよ。

うきうきカレンダーでチェックして、ぜひひとはくへお越しくださいね。

スタッフ一同、心よりお待ちしています。

 

笹山 由利子(フロアスタッフ)

 

今日は、BS JAPANの取材で東京から取材スタッフがやってきました。
より多くの視聴者の方へ生物多様性保全の意義や重要性についての認識を持ってもらいたいという30分の特別番組だそうです。

 

「生物多様性」保全の意義・重要性などについて岩槻館長へインタビュー
場所は博物館横の芝生が美しい深田公園で。


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取材を終えたスタッフは「岩槻先生の言葉は重かった。マスメディアの責任を感じます。」と言っていました。

 

午後からは、服部研究部長のセミナー「里山・ジーンファーム講義と観察」の取材です。


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            (笑いありの楽しい講義のようす)

                P1030908.JPG     3P1030918.JPG 

            (ひとはくの森)    (ふだんは公開していませんジーンファーム)

 

服部研究部長は、この日の午前中NHKの取材もありました。
大忙しです。

 

「こんな面白いセミナーがあるとは。全く力を抜いていない盛りだくさんのセミナーですね。」と言って、取材スタッフは、帰りの新幹線の時間がないため慌てて帰京されました。
お疲れ様でした。

こうしたマスメディアを通じて情報を発信していくことも、ひとはくの大切な役割のひとつです。
放映は来年1月の予定です。


小林美樹(生涯学習課)

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