2012年7月30日は、武庫川水系羽束川での観察会が行われました。場所は、三田市野外活動センターのすぐ横です。こちらのイベントは、三田市立有馬富士自然学習センターさん主催のイベントとなります。学習センターの専門指導員の中峰さん、河内さんをはじめ、NPO法人きっぴーフレンズのみなさま、ご協力ありがとうございました。
参加者は約40名です。ちょっと少ないように思いますが、適正人数です。説明もひとりひとり行き届きます。この場所での観察会は、大勢になると深みもあって目が行き届かないので抽選とさせていただいております。倍以上のたくさんの方に申し込み頂いていたのですが、申し訳ありませんでした。これに懲りずにまたお申し込みいただくか、博物館等の観察会にご参加頂ければと思います。
博物館から車で約20分程度のところで、水はとてもきれいです。箱メガネをつかって川底をながめると色んな生物が活動している様子がはっきりと見えます。この観察方法、意外にはまりますので、ぜひお試しください。夏休み中に、ぜひ足をはこんでみられてはいかがでしょうか。
川底でカワニナが石面についた付着藻類をノシノシと食べている様子はなかなかユニークです。
写真は、学習センターの河内さんが撮影されたものです。ありがとう!
みんな思い思いの方で採集を続けて、台の上に採集した昆虫や魚などをあつめてゆきます。左上の写真にあるように、樹が覆い被さり、流れが緩くなっているところで、砂地や落葉がたまったところをすくうと、これまで採れていなかった生物やシマドジョウやヤゴ、モンカゲロウなどが採れました。川のなかの環境の違いを、できるだけ多くの方に体感いただくために、会の後半になってから採集をアドバイスします。そうすることで、なぜコンクリート3面張りの川が生物にとってダメなのか、実感していただくことができます。最後は、じっくり台の上でみんなの採ってきたものをデジカメ撮影しつつ、まとめをおこないます。
・・・と、いつもならこれで終わりなんですが、今回はとった生物を博物館に持ち帰って、そのまま大急ぎでオープンセミナーへ。
羽束川でとってきた水生生物をこんな感じで顕微鏡とカメラをつなげて大きな画面にうつします。リアルに鰓のつくりやトゲや毛などの細かいところまで、生きた状態で観察するとド迫力!!水生昆虫が呼吸するときの仕組みや、餌をたべるための仕組み(口器を超拡大)、泳ぐための仕組み(尾の拡大)を生きた水生昆虫でしっかりと観察&解説します。これは、図鑑では学ぶことができません。
午前中の観察会から引き続き参加してくれたひともたくさんいました。採った生物の中から1つを選んで右上の写真にあるような装置(顕微鏡とデジカメが合体)で自ら撮影してもらいます。それを小型のプリンターで打ち出して、ラミネートしてできあがりです。オリジナル水生昆虫ブロマイドが完成します。
朝から夕方まで水生昆虫三昧だったお二人さん、お疲れ様でした。ゲンジボタルの幼虫とオジロサナエのブロマイドを作成して、バックにはエルモンヒラタカゲロウのドアップを写して大満足です。
野外体験からはじまり、ちょっとお勉強したあと、博物館にもどってじっくりと色んな機器をつかってじっくりと観察し、印象に残った生物を撮影し、カードにして記念に持ち帰っておさらい。今回は、三田市立有馬富士自然学習センターさんとひとはくのセミナーをジョイントして、まるごと一日かけて水生生物を観察してみました。水生昆虫体験がはじめてのお母さんも、名前は覚えれないけど、全部【小さな虫】だったのが、違いが分かるようになったとのことでした。
オープンセミナーは、このあと水生昆虫は3/24までありませんが、魚の調べ方のオープンセミナーは、8/18に開催が予定されています。関心のあるかたは、ぜひ博物館までお越しください。
(みつはし ひろむね)