今週のひとはくはちょっと違う、じゃなくてちょっと臭う。。。4階サロンがどうも臭い。それは、、、、
←”こいつ”のせいです! コンニャクの花です。写真下方、テーブルの上に載っている塊がありますが、これがコンニャクの材料、コンニャクイモです。県立大客員教授の福岡先生がコンニャクを作るため、イモを室内にしばらく置いていたところ、花芽が出てきてしまったので、せっかくだからと博物館で展示をすることにしたのでした。
葉も茎もなくイモから直接花がでていますね。通常の花のイメージとは随分異なる変わった花です。といっても本当の花の部分は、仏炎苞と呼ばれる袴状の部分に覆われた中にあります。仏炎苞から突き出ているのは、付属体と呼ばれる、花の付属物とでもいうべきものです。
←仏炎苞の中を覗いて見ると、、、上のほうに茶色い細かいつぶつぶ、下のほうには白っぽいつぶつぶしたものが見えます。ここが本当の花の部分です。上が雄花の集まった雄花序、下が雌花の集まった雌花序です。
雄花序をアップにしてみました。紫褐色のつぶつぶ一つ一つが、雄花です。花の中央に薄茶色のホコリみたいなものがついていますが、これが放出されている花粉です。
次は下方の雌花序のアップです。下半分が白くて上半分が濃いピンク色をしている、花瓶を横倒しにしたような形のつぶつぶ一つ一つが雌花です。よくみると柱頭(=花瓶の口にあたる部分)に、上の雄花から落ちてきた花粉が沢山付着しています。コンニャクの花は雌花と雄花の開花期がずれるので、自分の花粉で種子をつくることはできないといわれていますが、本当に種子はできないのでしょうか。気になります。開花後は標本にする予定だったのですが、種子が出来るかどうか観察を続けようかと思っています。
昨日までは、どちらの花もほとんどつぼみの状態だったのですが、、。
開花が本格的に始まったので、花を楽しめるのは恐らく今週一杯が限度だと思います。コンニャクの花をご覧になりたい、臭いを楽しんでみたい(?)方は是非お早めにひとはくへお越しください。
高野温子・布施静香(自然・環境評価研究部)