2012年2月4日にひとはくにて、近畿「子どもの水辺」交流会が開催されました。
満員御礼です! 遠くからお越しくださりありがとうございました。
近畿地方の各府県から多数の団体が参加し、子ども達が日頃、水辺を題材として学習した成果を発表します。大阪府にはじまり、各府県が事務局を担当して、5年目の今年は兵庫県が担当です。1年間の活動の成果を総決算するという意味で、この時期なんです。
ただ、発表するだけでなく、各グループごとに、子ども達が調べた内容を発表し、他の団体の子ども達と意見交換し、その内容をとりまとめて、最後に参加者全員にむけて発表し、さらに意見交換や交流します。こうした学習は、とかく自分の学校や地域だけに、こもりがちなのですが、いろんなアプローチ、いろんなまとめ方、自然の様子を学ぶことができます。アンケートを拝見したところ、やはり、場所の違いや考え方の違いがあることが、子ども達にとっては興味深かったようです。
発表にあたっては、写真にあるように手製のポスターや小道具を駆使してプレゼンします。今回は、全体交流会の際に、ビデオカメラで発言者をクローズアップして、スクリーンに大写ししました。こうすることで、ライブ感があり、発表ポスターをつかって細かく説明したりと、大変有効でした。この技法は、ちょっと数が多いときの授業なんかに適用できそうです。
会場では、さまざまな団体さんに体験イベントなどを出展いただきました。顕微鏡で水生昆虫を観察し、デジカメで撮影してポストカードにするイベント、封入標本づくり、古代の水辺の生物化石、パックテストでビタミンCを測定するなど、交流会以外でも体験できるようなイベントを開催しました。
さて、この交流会ならではの良い点について考えてみました。それは、他の人の発表や他のところの水辺の様子を知ることで、自分のとりくみを相対化できるところにあります。実際に、会場を巡っていると、参加された親どうし、親子や引率者どうしで、「あの発表はおもしろかった」、「あのまとめ方はいい」、「話し方が工夫されている」、「あの発表にあった川に行きたい」といったような会話が実にあちこちでありました。交流の効果でしょう。アンケートをみても、やはり他の人の発表や他の水辺の様子を聞けたことが最も興味深かったようです。それと、子どもだけでなく、親や引率者にも新たな視点や知見を与えてくれます。
そんなわけで、無事に会が終了いたしました。今回の会合をすすめるにあたって、近畿「子どもの水辺」交流会の実行委員のみなさま、事務局をつとめられた兵庫県県土整備をはじめ、各府県の土木系職員のみなさま、近畿地方整備局のみなさま、河川環境管理財団のみなさま、そして、各団体を引率し、展示を出展くださった水辺での活動をリードされてきた市民団体のみなさまに、この場を借りてお礼申し上げます。
【おまけ】今回の僕のなかでの裏MVPは共立理化学研究所さんです。
会が終わってからの反省会では、水質検査で有名なパックテストの製造元、共立理化学研究所さんのスタッフによる、パックテスト漫才が披露されました。パックテストでビタミンCを測定しながら笑いをとってます。自社の商品のツボを知り尽くしたパフォーマンスに脱帽。たしかに、ロンドンの自然史博物館のサイエンス・イベントを視察にいったとき、向こうの担当者に重要なポイントを尋ねたところ、ショーは2人でやること、だった。忠告を思い出しました。ボケとツッコミはサイエンスコミュニケーションでも重要。商品の製造と販売から、体験学習のイベント、活用のパフォーマンスとネタまでお見事でした。
(みつはしひろむね)