東南アジアの熱帯雨林を代表する鳥類といえば、サイチョウ類。ボルネオには8種のサイチョウ類(ムジサイチョウ、シロクロサイチョウ、ズグロサイチョウ、シワコブサイチョウ、クロサイチョウ、キタカササギサイチョウ、ツノサイチョウ、オナガサイチョウ)が分布します。
今回の滞在中、まず姿を見せたのはサイチョウ類の中でも小型のキタカササギサイチョウAnthracoceros albirostris。ボルネオからの速報で写真が掲載されていた白黒のコントラストが美しいサイチョウです。
続いて姿を見せたのはシワコブサイチョウRhyticeros undulatusのオス。上空のかなり高いところを飛んでいましたので、双眼鏡を使っても小さくしか見えませんでした。まあ、普通はこのくらいの大きさでしか見ることはできません。
レインフォレストロッジに移動した日のナイトドライブでは、就寝中のツノサイチョウBuceros rhinocerosを見ることができました。夜に木の枝に止まって休んでいるサイチョウ類の写真は見たことがあったのですが、自分の眼で見たのは初めてです。熱帯雨林での経験が豊富な安間さんも夜にツノサイチョウが休んでいるところを見たのは初めだそうです。
キャノピーウオークに向かった早朝には、ムジサイチョウAnorrhinus galeritusの群れ(7〜9羽)を何度か見かけました。同じ日にオナガサイチョウの独特の鳴き声を一度聞きましたが、残念ながら姿を見ることはできませんでした。
さて、サイチョウ類以外にもいろいろな鳥たちに出会いました。早朝、森から聞こえてきた「ポアォーポアォー」というサイレンのような鳴き声はキジの仲間セイランArgusianus argusです。残念ながら姿を見ることはありませんでしたが、森の中のセイランの踊り場で羽を見つけた子供たちもいました。
夜の森を歩いていると、意外なところに小鳥たちが眠っていることに気がつきます。こちらはクモカリドリ(spider-hunter)の仲間で、日中はよくショウガの仲間の花を訪れていました。
最終日に訪れたコタキナバルのマングローブ林では、これまでの熱帯雨林の鳥とはまた違った鳥類(サギ類・チドリ類)を観察することができました。なかなかじっくりと観察することは難しいのですが、さまざまな鳥にも出会ったジャングル体験スクールでした。
自然・環境マネジメント研究部 北村俊平