深田公園の雑木林で,こんな花が咲いています。
これは,「アリマノウマノスズクサ」の花。
不思議な形と色の花でしょう?
木性のつる植物で,他の植物などに巻きついています。
黄色い部分も,紫がかった茶色の部分もガク。花びらはありません。
黄色の部分が虫達の入り口です。
縦に切ってみるとこのとおり。
花の付け根にあるボール状の部分が雌しべと雄しべです。雄しべは雌しべの周りにくっついています。柱頭はテラテラしていますが,まだ花粉がでていないので,雌性先熟であることが分かります。
花粉を運ぶのは小さなハエ。実際,撮影のために花を切った時には,小さなハエが数匹飛び出てきました。
折角なので,昨日開催したセミナー「植物リサーチクラブ:見て楽しい花の形態観察」で花を解剖し,受講者の方々にも構造を詳しく観察してもらいました。
実体顕微鏡を使って植物を見ると,新たな世界が広がりますよ(左の写真は,雌しべと雄しべのアップ)。
今年はまだまだ咲いてくれそうで楽しみです。
(自然・環境評価研究部 布施静香)