2010年は国際生物多様性年で,5月22日は生物多様性の日だということで,博物館も何かと多様性業務です.
乱発気味の「多様性」,[象徴種]を並べてお茶を濁すテもありますが,せっかくですの多少は本来の概念そのものについても説明する努力をし,できれば多様性の本質に対する理解を普及する機会にせねば…とも思うわけです.そこで,PP用に作った図(一部はGIFアニメ化)がコレ↓です.
1.風の森,2.星の森,3.空の森,4.花の森
Kチュウ(”甲虫”ならぬ”ケイチュウ”)がたくさんいる森が4つあり,同じようにKブトムシ(”カブトムシ♂”みたいですが,あくまで”Kブトムシ”)がいます.ほかにもいろんなKワガタやKナブンもいます.
これらを比べてみようというわけです.まず個体数は…
1.風の森:15匹△
2.星の森:12匹
3.空の森:13匹
4.花の森:17匹★
です.
種多様性の観点から,何種類いるかを調べ,多様度指数(シンプソンD,全数扱い)を出すと;
1.風の森:5種,0.756
2.星の森:5種,0.792 △
3.空の森:8種,0.852 ★
4.花の森:3種,0.305
です.[風の森]より個体数の少ない[星の森]が△なのは均衡性が高いからです.
Kナブン一種類だけに注目すると;
1.風の森:三色いる◎
2.星の森:三色いる◎
3.空の森:一色しかいない
4.花の森:ぜんぜんいない
種内変異という観点もあるわけです.
OKワガタがいるかどうか,それだけに注目するというのも,分かりやすいといえば分かりやすいですが… 多様性というのは,そういうことではありません.
みたいな話に使おうかと.
昆虫共生・沢田