そして、3回目でございます。1月11日(祝)でございます。今回のお題は「〜里山と植物〜」。
高橋晃研究員による「背景画の中の植物」から。
背景画に出てくる木や草花をトトロなどの里山の風景から解説しました。これはケヤキ、スギ、コナラ、トウシュロ・・・
ということは、結局、男鹿さんの背景画は、木や草花の種類がわかるくらい細やかなスケッチをもとに描かれているということがわかるのでございます。そして、その植物が背景画により臨場感を与えているようで、いかにリアリティ つづいて、私、珍元斎の「里山講談 クヌギ寅次郎の冒険」。
里山に生まれた「クヌギの木」がドングリから大木になるまでの一生を描いた書き下ろし講談でございます。一座の四十一斎、綾毬奈斎、阿北斎、楽演斎の寸劇付き・・・。
炭になりたくないフーテンの寅ことクヌギ寅次郎が里山に住む様々な生き物を通じて周りに役に立つ樹に成長する物語。
この話を聞くと、野山に転がるドングリやクヌギの木が愛しい存在になること間違いなし!四十一斎の寅さん。阿北斎の木枯らし紋次郎。昭和のレトロムードたっぷり。
楽演斎のカブトムシ、綾毬奈斎のスズメバチのオスズもキュートでありました。 そして大トリは三橋弘宗研究員の「背景画から読み解く里山の生態系」。
さりげない風景画の中に描かれた生態系から人の営みが生物のすみかを作っていることや田んぼと森がつながっていること、
なだらかな地形が特徴的な生物多様性の密度の濃い里山の風景を男鹿さんの背景画はきちんと描いていることなど、締めにふさわしいお話。 全3回、9コマのお話を聞いてくださったお客様もおられ、「最初の背景画のランドスケープという全体のお話から、里山、鳴く虫、ホタル、カエル、植物ときて、最後に全体の生態系の話となっていて、とてもわかりやすく、いい構成だったよ。」とのお言葉に感謝感激。 延べ720人。1回あたり240人。ひとはくにとって生物多様性年の幸先良いスタートと相成りました。 今度の県美ひとはく連携事業は、珍元斎の水木プロとの縁がきっかけで開催されることになった7月からの特別展「水木しげる妖怪図鑑」の予定。ひとはく博士がいかに水木しげる先生の世界に迫るのか・・・乞うご期待! 河南堂珍元斎