あけましておめでとうございます.
正月三が日は過ぎましたが,まだまだ松の内.
今日は縁起の良い名前の植物「センリョウ(千両)」を紹介します.
千両はもともと日本に自生する植物.
センリョウ科に属していて,植物学の分野では原始的な被子植物として有名です.
被子植物とは,ごく簡単に言うと花が咲いて果実の中に種子ができる植物のこと.桜や楓など多くの植物がこれにあたります.
この被子植物はふつう,茎または幹に導管(どうかん)という器官があるのですが,センリョウにはありません.
代わりに仮導管といって,裸子植物(松やイチョウなど)が持つ器官を持っています.
被子植物でありながら裸子植物の特徴を持つセンリョウは,形態から原始的な植物だと考えられてきました.
近年行われたDNA解析でも,被子植物の中で初期に分岐したグループであることが支持されています.
(自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)