さて、「その時、イボが動いた・・・。」の一席でございます。
少し前になりますが、時は10月29日。ひとはくにとあるおじいさんが訪ねてきました。
「足の付け根にイボができて、だんだん大きくなってきて・・・。」
あれ?うちは病院ではございせんが・・・。
「それが、ある日ポロッととれて・・・。」
よかったですね。
「気持ち悪いから、病院へイボをもっていったら。なんと・・・」
はー、病院へもっていきはったら、なんと???
「なんと、医者がいうには、イボが動いとると・・・。」
えー!イボが動いたんでっか?こわー・・・・。
「そんなアホな。と思て、わしもイボ見てみたら、なんと足が生えて、動いとる!」
えーそれは妖怪イボ太郎かなんかじゃありませんか?ここは妖怪研究所では・・・。
「まーここは人と自然の博物館やし、そんなこといわんと見てくんなはれ。」
はい、たしかに人と自然ですが・・・。わーでかい・・・。これは直径3センチはありますがな・・・。
立派なイボでんなあ・・・ ということで、けったいな未確認イボ物体を小館研究員、北村研究員に
見せると・・・。
えー!こんな巨大なダニがいるんですか?新種ですか???
「いえ、普通のダニが血をおなかいっぱいに吸って、満腹になったので落ちてはなれたんですね。」
まるで巨大なマーブルチョコ・・・いや白いカビがはえた梅干し・・・。
それにしても恐ろしい・・・。
「うまくとれてよかったですね。その方は。無理してとるとキバが残って化膿します。」
そうですか・・・。それでこのダニ君はこのあとどうなりますか?
「おなかいっぱいなので、あとは子供を産んでオダブツです。」
・・・・・・・
そこに鈴木研究員が現れ
「これは大きい。標本にしよう!」とアルコール漬け・・・。
そしてダニ君は標本となり、大谷研究員へ。
「これはマダニですね。3ミリくらいのが血をすったら10倍くらいになります。山には普通にいて、クマや鹿、それに犬によくついてますよ。」と大谷研究員。
「あーぼくも、かまれたことあるわ。顕微鏡でキバとったけど、釣り針みたいに肉に深くくいこんどったわ。」と八木研究員。
へえー。顕微鏡で手術ですか・・・。ぼくら素人にはそんなことはできません・・・。自然系の研究員って大変なんですねえ。こんなヘンなもんともおつきあいがあるんですねえ。
みなさんも犬をかわいがるときは、このマダニ君に気をつけてくださいね。
気持ちわるいがとっても驚いた「その時、イボが動いた・・・」の一席でございました。
河南堂珍元斎