朝晩はすっかり寒くなりましたが,昼間は穏やかで良い天気.
気分を良くしてうっかり普段着で草むらに入ると・・・ひっつきむしの餌食になります.餌食といっても「種子の運び屋さん」にされるだけなんですけどね.
野外調査などをしていて(私が)よく餌食になるのは,「チヂミザサ」「アレチヌスビトハギ」「アメリカセンダングサ」です.この3種類は服や靴に付くと取るのが大変!
「チヂミザサ」はベタベタした液を出してひっつくので,種子の入った果実を取り去った後でも服に付いたべたべたがしばらく取れません.
「アレチヌスビトハギ」は柔らかい曲がった毛でひっついているのですが,取ろうとすると果実がばらばらに分かれて難儀します(注1).
「アメリカセンダングサ」はトゲがちくちくして痛いです.下の写真はアメリカセンダングサ.
アメリカセンダングサの果実を実体顕微鏡で見てみると,2本に大きなトゲの他に逆さ向きの小さいトゲがたくさん見えます.どうりで取れにくいはずです.
ひっつきむしに餌食になってしまったら,取り去るついでに観察してみるのも良いですよ.ちなみに「アレチヌスビトハギ」と「アメリカセンダングサ」は外来種です.
(自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)
(注1)ばらばらに分かれる1つ1つを小節果(せつか)と言います.アレチヌスビトハギはエンドウ豆のさやのような果実をつけますが,種子が入っている部屋が一つ一つ分かれるのです.