電子顕微鏡で虫の顔面を観察する! 作戦(11月1日のフェスティバルで実施)
の続きです.
蚊以外の材料を求めて,20日に深田公園で観察用の虫を採集しました.主に水辺
でスウィープしたところ,半翅目(カメムシ目)や双翅目(ハエ目)を中心に小さ
な虫がたくさん入りました.今回も吸虫管で吸ってとりあえず凍結.双眼実体顕微
鏡で眺めながら選定しました.どれもこれもユニークで目移りします.
時間的なこともあって,実際にイベントで観察できるのはせいぜい飼料台一個か二
個の数匹だけです.オーソドックスな口器として甲虫を一匹入れて,あとは吸う口
の代表でカメムシと,変形の著しいハエの仲間を何匹か…どれも捨てがたい奇面っ
ぷりです.で,結局飼料台三個にテンコ盛りになってしまいました.
一日乾燥したあと,蒸着メッキして予備の観察を行い,説明パネル等のために写真
を撮影しました.電顕像は明暗のみのグレースケールというか,モノクロです.た
だ,博物館の電顕のモニタはレトロなブラウン管なのでグリーンで表示されます.
下の写真では色を歪ませて可愛くしてあります(無理か?).
上の写真(プルプル立体写真)は[クサカゲロウ科の一種の幼虫]です.[アリジ
ゴク(ウスバカゲロウ類の幼虫)の自走式のやつ]みたいな虫でアブラムシなどを
食べています.恐ろしげな風貌,立派な牙(大アゴ)ですねぇ.左右の複眼はそれ
ぞれ6個(7個?)の個眼で構成されているようです.ちなみにクサカゲロウ類の
卵は[優曇華(うどんげ)の花]です.
この写真は[アタマアブ科の一種]で,頭部を下から見たところです.頭全体がびっ
しり複眼で,細い隙間に触角と口器があります.触角も口器も複雑に変形していま
す.複眼には個眼が整然と並んでいますが,前方だけ大きくなっています.