さて、伊丹市の柿衞文庫で開催中の開館25周年記念「芭蕉−新しみは俳諧の花」展(10月3日〜11月23日)のひとはく連携ワークショップのお話の続きでございます。まずは、芭蕉展とあわせて展示中の「ふるいけやかわずとびこむみずのおと作品展」の紹介から。
この夏、伊丹の小中学生と家族が芭蕉の「ふるいけや」の句から、自由な発想でつくったワークショップの作品展で、
実際に蛙をさわって短冊に文字を書いた作品や、セラミックで作った蛙を展示中です。
太田研究員が担当した短冊編は前回のブログで紹介しましたが、今回は珍元斎の担当したセラミック粘土ガエルのお話。
柿衞文庫には、芭蕉が短冊にかいた「ふる池や蛙とびこむ水のおと」の有名な句があります。この句が生まれた場面を創作講談で再現。
内容は、うるう3月の中途半端な季節に、カエルという季語が春と夏という、これまた中途半端ないきものを題材に、江戸は深川の芭蕉庵で腕を競い合ったという、芭蕉の一門の「蛙あわせ」のお話。
ま、簡単にいいますと「カエルをネタにみんなで句をよもう!」の会でございます。 多くの門人が芭蕉庵にやってきて、そばを食べたり、酒をのんだりしながら、句を競いあう中で、カエルの句は生またというお話で、 カエルは今までカジカガエルを代表選手とする鳴く声を描くのがスタンダードでしたが、芭蕉はここではじめて、カエルの行動、すなわちカエル(たぶんダルマガエル)の姿をよんだことが すばらしい!新しい! のでございます。というようなことを一席ぶちまして、
その刷り込みのあと、大阪芸術短期大学の堀野先生の指導のもと学生さんの協力でセラミックガエルを作りました。中学生は、クラス用の超大皿に、家族は家族ごとの大皿にカエルを盛り、大阪芸短大で焼成して完成。
芭蕉さんをはじめ、柿衞文庫、現代美術作家、大阪芸術短期大学、ひとはく・・・そして、伊丹のこどもたち。人と自然の融合した芭蕉展、ぜひご覧ください!