さて、講談「虫売り」の一席でございます。・・・・・・・・
と、河南堂珍元斎一座による寸劇講談ではじまりました企画展「ぎっちょん君参上!」のスペシャルイベント「小泉八雲と鳴く虫」。
スペシャルゲスト、小泉凡さんが父上、時さん(小泉八雲の孫)が亡くなったため、急きょ、出演できなくなってしまい、野球でいうと4番バッター抜きでの開催でしたが、
鈴木武研究員の応援と、川東珍元斎のアドリブ紙芝居「小泉八雲物語」に差し替えての開催となりました。
寸劇は、いつもの河南堂四十一斎(虫売りの喜六)と河南堂御免奈斎(八雲:ヘルン先生)。時は、明治31年。江戸のにおいの残る市谷富久町のヘルンさんの家に、近所に住む喜六が訪ねてくるところから、はじまります。「また、仕事やめてしまいましてん・・・」という喜六にヘルン先生は「虫売り」の仕事を紹介し始め、「虫売り」の歴史の講釈をはじめます。
小泉八雲の「虫の音楽家」というエッセーをもとにした珍元斎オリジナルの講談で、県立美術館藤原義勝ミュージアムティチャー制作の虫売り屋台を使った「虫売り」の再現が見もので、喜六が虫売りの売り声がどうしてもきんぎょ売りになってしまい、教えていたヘルン先生までも「さお竹売り」になってしまうという、けったいなお話です・・・・
「あー聞いてみたいなあ」とこのブログを見て気になった方は、ぜひ、企画展「ぎっちょん君参上!」の小泉八雲展示コーナーへ!屋台の前の床几に座ると、鳴く虫の声のあとに、講談「虫売り」が聞こえてきますので、一度お聞き下さいませ。
小泉凡さんのパワーポイント約100枚をもとに、兵庫文学館担当時代のキャリア?を生かして、八雲の人生や神戸時代のエピソード、愛した鳴く虫のこと、友人の凡さんについてなど、前列に陣どった子供たちとのかけあいで、なんとか4番不在をしのいだ珍元斎でありました。
さあ、つづいての登場は4番の代打、鈴木武研究員。八雲が神戸に来たわずか5年後に神戸にあらわれた、英国人ゴードンスミスのおはなし。
ゴードンスミスは、スミスネズミのタイプ標本を神戸で発見しました。 そしていろんな日本の生き物の採取し、標本を英国に送っています。そのスミスネズミが最近六甲山で、猫のタツマキ君の活躍で再発見されたエピソードやスミスさんが八雲の著作を読んで興味をもった虫売りの屋台をまるごと買い取った話などをこれまた紙芝居風に紹介しました。そして、なんと八雲とおなじように明治日本の会談の採話もしていてびっくりです。
つづいて、大谷剛研究員の「八雲の聞いた鳴く虫」です。昨日完成した「ぎっちょん君ハウス」のデビューと相成りました。参加者は真っ暗ななかで、八雲の愛した鳴く虫の音に耳をかたむけました。
聞きわけの訓練のあとは、深田公園へ。この日はまだ時間は早くマダラズスとシバススしか鳴いていませんでしたが、バッタを捕まえたりして、虫とたわむれ虫を愛した八雲に思いをはせました。
最後になりましたが、小泉八雲の偉業を広く世界に伝え、そのバ トンを見事に息子凡さんに渡された小泉時さんのご冥福を祈ります。 八雲愛用の虫かご
みなさんも八雲の愛した鳴く虫を体感しに、ぜひ、ひとはくへ!八雲の作品と鳴く虫と講談がみなさんをお待ちしています。
ぎっちょん君チーム 川東丈純