先日,館内に置いてある観葉植物(カポック?)に虫がわいている事を教えてもらった.虫といってもカイガラムシのたぐいなので飛んで人を驚かせたりするわけではない.葉の表面が所々黒っぽくなってネトネトしているだけだ.
よく見ると葉の表面に2ミリほどのカサブタ状のものが着いていてこれがボスキャラ(?).周りに小さなゴミか脱皮殻みたいなザコキャラ(?)の残骸を確認.たしかに「湧いている」.
顕微鏡で見るとボスキャラはほとんどロウ物質を出しておらず,体がむき出しで虫らしい姿をしている.めくって裏側を見ようとすると,0.3mmほどの小さな虫が数匹出てきて,チョコマカ動き出した.ボスキャラの下にザコキャラがひそんでいたようだ表示.
ボスキャラにも脚があり,多少は動けそうだが,やはり固着して吸汁,繁殖するのがお役目の,これは成虫ようだ.ザコキャラには立派な複眼と強健な脚があり,歩くのは得意そうだ.つぶらな瞳がかわいい.姿は異なるがたぶん幼虫(不完全変態なので若虫)だろう.幼虫のうちは移動性があって,良い場所に到達し次第に定着して成長していくのだろう.要するに母虫の下でその子供たちが分散の時期をうかがっていたらしい.平和な家庭を,けなげな命の営みを破壊してしまったぞ(哀)表示.
「観葉植物」は葉を見せてナンボなので,葉の表面がネトネトはまずいかもしれない.でもちょっとくらいなら何かが湧いているのも鑑賞の幅ではないかと思う.観葉植物の虫を肉眼で見るのは難しいが,食痕や汚れから虫の存在を感じるのは可能だろう.「観虫植物」は無理でも「感虫植物」はありではないかと思った.