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9月のはじめに、一般の方からこんな「いきもの」が持ち込まれました。
山のなかのため池でコイを飼育していたところ、ある日池を訪れると、コイが死んでいて、その体の表面には、うじゃうじゃと付着していたそうです。まるで昔のインベーダー・ゲームのエイリアンのような虫が、魚にたかっているので、飼い主の方は大変驚かれて、博物館ゆきとなったそうです。

kyuuban.JPG この生物は、もちろん「虫」ではなくて、
 節足動物門 顎脚綱 鰓尾亜目 チョウ目 チョウ科の仲間です。
種名については、詳しい図鑑がないので、良く分かりませんでしたが、おそらくは、「Argulus japonicus」 という種類のようです。このチョウという種は、魚類や両生類の外部寄生者であり、ウオジラミの名前ででも知られており、コイなどの養魚場で水産被害を引き起こします。写真をごらんください。このように鋭い吸盤で魚の表面にぴったりと密着して体液を吸います。なかなか図鑑にも紹介されることが少ない種類ですし、「さあ採集に行こう!」と言ってすぐさま採れるものでもないので、貴重な標本として博物館に収蔵いたしました。「寄生獣展」みたいなものをやるときには、ぜひ登板していただきたいところです。たくさんあるので、何かで展示したいという方は、標本をおわけいたします。問い合わせは三橋まで(hiromune(at)hitohaku.jp (at)を@に変換してください)。
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(みつはし ひろむね)

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