前年度3月3日に初めて試みた講座ですが、先日の5月16日の雨の日をもってようやく終了しました。この2か月半というもの、雨が降るたびにそわそわして携帯電話が飛び交い、雨降る暗闇に老若男女が集まり、細い水路を覗き込むという、前に報告した「愛蜂家養成講座」にも増して「怪しい」集団がときどき出現しました。道場町塩田八幡宮近辺の皆様、お騒がせしました。
この「ホタル上陸観察集団」の成果は図1のようになります (皆様お疲れ様でした)。何と8回も「一斉上陸」を観察することができました。講座に参加した26人はほぼ全員初めて念願の観察ができました。
図1:講座参加者が協力して取ったデータよりEXCELで折れ線グラフを作成。
図2は幼虫が水際から上がるところです。体がまだ濡れています。ときどき光りながら上陸してきます。護岸のコンクリートを登るうちに雨が少ないと体は乾いてきます(図3)。
図2:水際からコンクリートの壁を登ろうとするゲンジボタル幼虫(菊池由美子さん撮影)。
図3:コンクリートの壁を登っている幼虫(吉田滋弘さん撮影)。
光るところはお尻の先の背側にある2点の発光器で、図4のようにうまく撮れれば2点が写ります。また歩いているところは図5のように点々になって写ります。
図4:暗闇の中で撮影すると、お尻の2点が写る(吉田滋弘さん撮影)。
図5:光りながらの上陸は点々の光になる(吉田滋弘さん撮影)。
こうした幼虫の上陸をぜひあなたも観察してみませんか。来年の3月1日に上陸観察の講座を予定していますので、ぜひご参加下さい。<大谷 剛 主任研究員>