写真家、映像作家である栗林 慧 氏が来館され、講演会「昆虫を楽しく撮る」を開催しました。
栗林氏は、開館時と10周年時に写真展を開催され、本日は20周年最後の行事としてご講演していただきました。
ご覧のとおり大盛況! ご講演をいただいた栗林慧 氏
現在、ひとはくで展示している「アリの目の日々」での写真を用いて、それぞれ撮影時の季節や状況、その大きさについて解説されました。
その後の質問コーナーでは、大人から子供まで、レンズのことから撮影時の苦労話、昆虫の数の変化について答えられていました。
実際にカメラを覗く参加者 休憩時はサイン会の会場に!
後半は、本年度でご退官される大谷主任研究員とのトークショーが行われました。
写真家と昆虫研究者の2人が、出会いから当時の昔話を懐かしそうに語り合い、活き活きと会話がされていました。
昔話に花が咲く二人
大谷主任研究員にとっては、このトークショーがひとはくの研究員として最後の公式的なお仕事となりました。平成元年、準備室に赴任以来、ひとはくで24年間ご尽力いただきました。ありがとうございました。
アリの目線からの撮影した 栗林慧写真展「アリの目の日々」は4月7日(日)まで開催!是非一度、ご覧ください。
詳しくは → http://hitohaku.jp/20th/kuribayashi_photo/exhibition.html
情報管理課 阪上勝彦
高校の生物の教科書には生態学のテーマがいくつか取り上げられています。食物連鎖、食う食われるの関係、群系分布(植生分布)、垂直分布、個体群、植生遷移などです。その中でも長い年月の経過によって溶岩地帯のような裸地でもいくつかの群落を経て最終段階の極相に至るという植生遷移(一次遷移)は動かないと思われている植物、植物群落を動的にとらえたテーマとしてたいへんおもしろく、教科書の題材としても適切と考えられます。
しかし、裸地から極相に至るという遷移の系列や遷移に要する年数にはいつくかの学説があり、各々の学説に基づく教科書ごとに記述内容に大きな違いが認められ、混乱しています。
今回、桜島や伊豆諸島などの溶岩地帯の植生遷移について、地域間比較という視点をもとに再調査し、分析した結果、裸地から始まる植生遷移系列は地衣・コケ群落、草本群落、陽樹群落(クロマツ-ヤシャブシ群落)、タブ群落を経てシイ・カシ群落の極相であること、その遷移に要する時間としては400-600年であることが明らかとなりました。遷移系列における各段階の群落の主要散布形をみると前期段階では種子が風によって運ばれる風散布型、中期段階では種子が鳥によって運ばれる鳥散布型、極相では散布距離の短い重力散布形と変化していることもわかりました。このような遷移系列、遷移年数は国内の照葉樹林帯全域の一次遷移に該当します。これらの研究成果を論文としてまとめ、植生学会誌に投稿したところ、論文は受理され、2013年に印刷、発行されました。
昭和溶岩 大正溶岩
服部保(自然・環境再生研究部)
3月24日(日)、ふかたん「石ころをさがそう」を行ないました。
隊長は、古生物学が専門の古谷主任研究員!(^^)!
はじめに、地層のお話です。
大阪層群(おおさかそうぐん)、神戸層群(こうべそうぐん)は、
川で運ばれた砂利、砂、泥がたまった地層です。
武庫川の石をみてみましょう!
これで、予備知識(よびちしき)はバッチリ☆
深田公園の石ころをさがしにでかけましょう♪
「川にある石は、どんな形をしてるかな?」
「神戸層群の石は、角張っています。採石場の石もありますね。」
「石を調べるのは、割ることが基本ですよ~(^^)」
優しい古谷先生のわかりやすい解説が続きます。
最後は、チャート探しに、みんな夢中♪♪
先生の鑑定に、列ができました。
普段、なにげなく歩いてるときづかない、石の神秘にふれた楽しい一時間。
参加してくださったみなさま、本当にありがとうございました。
次回ふかたんは…
4月28日(日)
「初夏の鳥をさがそう!」隊長は、布野(ふの)研究員です。
みなさまのご参加を、心よりお待ち申し上げております。
笹山由利子(フロアスタッフ)
3月26日(火)宮城県石巻市開成にある仮設住宅、アリエッティ開成第1団地を訪問しました。強風が吹き荒れるとても寒い一日でした。初めて実現したキッズひとはく推進室のフルメンバーに近い形での東北キャラバンでしたが、地元の皆さんや関係団体のご支援をいただいて実現することができました。
今回のプログラムは、デジタル紙芝居「アンモナイト物語」やアンモナイトクイズで楽しんでいただいた後、ひとはくスタッフによる「化石のレプリカ作り」、「タネで顔」、ダンゴムシのリアルな拡大模型を見たり、生きたダンゴムシを拡大装置で拡大したり…。また今回は、「ゆめはく」の県外初出動でもあります。ゆめはくの中でカブトムシの拡大模型やネイチャーテクノロジーの展示などを楽しんでいただきました。
ひとはくのスタッフとともに仮設住宅を訪問した、仙台市科学館のスタッフによる発泡入浴剤やバランストンボづくり、兵庫県佐用町のスタッフによる太陽の観察など多彩なメニューで、仮設住宅の皆さんに楽しんでいただくことができたのではないかと思います。
私の担当した化石のコーナーでは、小さな子どもたちからお年寄りまで、さまざまな年齢層の方と化石の話をすることができました。ひとはくから持って行った石巻市稲井産の化石がきっかけとなって、稲井から来られた親子連れの、お母様の子どもの頃の化石採集の話をお聞きし、化石採集の面白さなどの話をすることができました。
アリエッティ開成第1団地の皆さん、ありがとうございました。
(キッズひとはく推進室 古谷 裕)