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 大セミナー室前の案内表示。。。。。。中の様子をのぞいてみると、川西市立多田小学校3年生90名近くが、三橋主任研究員といっしょに、自分たちの学校の周りや猪名川町で調べた水生生物の学習をしていました。

      

 ちょうど、ヒゲナガカワトビケラの話の途中で、みんなの前に出て絵を描いてくれていました。学校の授業よりも長い時間でしたが、面白く楽しく、そして専門的に学びを深めているようでした。

          

 多田小学校さまのセミナーは、ご来館のご予約をいただく時、下見の時に内容を相談させていただき、一年間学校で環境学習を積み重ね、そのまとめ学習の位置づけとして、ひとはく博士による特注セミナーを提供させていただきました。

 

 今回の学校教育支援は、まとめの時期に研究員による特注セミナーというサポートでしたが、ご相談に応じて、年度の最初の段階、中頃の段階等々、可能な限り対応したいと思いますので、ご担当の先生、是非一度ご相談ください。

 

 

 

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして23

 

「サラマンカ宣言があった!」へのご感想

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 ひとはくブログ「サラマンカ宣言があった!」に、何人かの方から感想をいただきました。ご紹介します。書いて下さった方のお名前がわからないよう、文意を変えないように注意して書きかえました。書いて下さった方はご了承下さい。

 

 「サラマンカ宣言があった!」は、前回まで2回に分けて書いたブログ(1回目2回目)です。「サラマンカ宣言」というのは、ユネスコがスペイン政府といっしょに開いた「特別なニーズ教育に関する世界会議:アクセスと質」(ユネスコ・スペイン政府共催、1994年)という会議で出した声明のことです。「教育の支援が必要などんな子どもでも、みんな教育を受けられるようにしないといけない」という意味のことが述べてあります。

 

ある女性はわたしの書くブログに、こんなふうに感想を寄せて下さいました:

 

 

 このブログを読んでいると、大学の科学系専攻として受験のために勉強してきたことや、在学中、解いてきたあの数式は何のためだったのか、と不思議に思います。

 

 自然や生物を相手にされる学問では、そんなきれいに数式化できるものより、もっと形のわからない深いものがあるように思えてなりません。

 

 

今さらながら、いただいた感想を読んでわかったのですが、「サラマンカ宣言」という文書を認識している方は、あまりいなかったようです。国際的な教育の支援活動で活躍しておられる若い男性は、こんなふうに書いて下さいました:

 

 

 「サラマンカ宣言」のことは、認識しておりませんでした。この宣言が大きな変化に繋がることを願います。

 

 国際支援NPOが集まる大きなイベントが開催されました。それぞれのNPOの取組みを拝見すると、まさに(この)宣言で述べられている権利と提供が大きな課題になっていると感じました。印象深い団体が幾つかありました。

 

 教育は国力につながりますし、地域を変える力ですよね。恵まれていない国の子供たちの多くが、学習に強い気持ちを持っていることを感じます。

 

 

関西に住む60歳代の男性の感想です。お手紙を下さいました。サラマンカ宣言に関係があるところは、こんな具合です:

 

 

 サラマンカ宣言の事、一読致しました。このような教育が受けられたら、大変良い事です。しかしながら、教育者の質・数を揃えるには、相当な資金が要ると思います。赤字が続いている国・地方で、教育に使える予算が確保/増加できるのでしょうか。

 

 昔の事ですが、3歳年上の叔父は、教室不足で2部授業であったと聞いております。私の頃は、2部授業ではありませんでしたが、小学校では50人クラス、中学校では70人クラスでした。妹は、小学校で55人クラスでした。私の子等は、小学校で30人クラスになる程、人が減りました。多人数学級でも、私はまともな教育が受けられました。

 

子供の30人学級時代、担任の質の差があまりに大きいのに、驚かされています。

 

 

 インクルーシブな普通学校を当り前にするとすれば、先生の質を上げ、その人数も増やさねばならないでしょう。これを実現するには、日本でも(そうですが)、今のスペインでは、資金(予算)の上から、相当な困難を克服しなければなりません。我々の決意次第と言われるのでしょうが……。

 

 

 分かりにくい方のために、わたし(三谷)が書き直してみました。

 

 

(1) インクルーシブ教育を行うには教員の質と数が問題だが、今の日本にそれができるかは疑問。

 

(2) 生徒の数は人口や学校制度の変化で増減するが、個人的には多人数学級でもまともな教育が受けられた。

 

(3) 現在は相対的に教員数が多くなった。その一方でレベルの低い教員が目に付く。

 

(4) 資金ばかりかかって、意識の低い教員を増やすのでは、インクルーシブ教育の実行は不可能だ。

 

 

 いかがでしょうか? これで合っていますか?

 

☆   ☆

 

 このご感想には、ふたつの論点がいっしょになっていると思います。ひとつは「インクルーシブ教育にかかるお金」の問題であり、もうひとつは「教員の意識やレベル」の問題です。論点を分けて整理しておきます。

 

 まず「インクルーシブ教育にかかるお金」の問題です。

 

 何度も書きますが、「インクルーシブ教育」というのは、なるべくなら、教育の支援が必要な子は誰でも、地域の普通学校で教育を受けられるようにしようという理念です。どんな子どもも、可能な限り地域で受け入れようというのですから、地域の学校は今までの何倍ものお金がかかるような気がします。

 

 今までの教育制度よりもインクルーシブ教育がよいと言う方でも、財源をどうするのかは大問題だとおっしゃいます。直接、サラマンカ宣言に関係することではないのですが、2012年に日本の内閣府が取った障がいや障がい者に対する意識調査の結果が公表されています (1)。全国規模の世論調査です。ちょっと見てみましょう。

 

 この世論調査では、国連の採択した条約で「サラマンカ宣言」 (2) にも関係の深い「障害者権利条約」は、だいたいの人が知らないと答えました(「知っている」 18.0%、「知らない」 81.5%)。しかし、点字ブロックや音声案内といった障がい者への公的な配慮は、税金が増えて経済的な負担はあっても、63.8%の人がすると答えました。また、私企業や民間団体には、「障害のある人の雇用の促進」(61.4%)や「障害者になっても継続して働く事のできる体制の整備」(61.4%)、「障害のある人に配慮した事業所等の改善・整備」(49.5%)を希望したそうです。

 

 だいたいの方は、「サラマンカ宣言」「障害者権利条約」は知らないけれども、「サラマンカ宣言」「障害者権利条約」で言っている事には賛成しているのです。あとは金額です。あまり負担が大きすぎては、実現したくても、できないように思います。

 

 ここまで考えてみて、わたしは疑問に思った事がありました。なるほどインクルーシブ教育を推進するための財源は問題だが、それなら財政が不安定なヨーロッパで、「サラマンカ宣言」「障害者権利条約」に賛成する国が多いのはなぜでしょうか? 何かお金の問題以外の理由があるのでしょうか?

 

☆   ☆

 

 「教員の意識やレベル」の問題はどうでしょう?

 

 学校の先生という仕事は、「教育」という特殊な技能を研いた、しかし、ごく普通の方が就く職業です。職業という意味では料理人や大工や船乗りや政治家と何も変わりません。変わっているは、「教育」が人の一生を左右するというところです。教育技術が優れているという以上に、人格的に立派な先生は、おとなになった子どもの人生まで左右します。「教員の意識やレベル」の問題というのは教育の技術うんぬんではなく、おそらく子どもに影響を与える可能性の高い、教員の人格の事をおっしゃっているのだと思います。

 

 「生まれつき人格が優れている」などという人はいませんから、りっぱな先生かどうかというのは、子どもを前にした時の覚悟の問題ではないでしょうか? つまり、ごく普通の人間が子どもに何を伝えたいのかという覚悟です。この覚悟がないまま教員を続けるのであれば、できるだけ少ないエネルギーで、目に見える多くの成果を探すようになるでしょう。すると、これまで行ってきた教育制度のままですから、実質的にインクルーシブ教育はかけ声倒れという事になるでしょう。

 

 立場の弱い人びとを仲間はずれにする社会は経済的・効率的に見えても、結局、滅びてしまうだけだといいます。さまざまな立場を生かす多様性の高い社会の方が生き延びるのです。そこでは「意識やレベル」の高い先生方が活躍しているように思います。

 

 これはわたしの意見です。皆さんはどう思いますか?

 

 この次は教育心理学者である茂木俊彦さんの障害児教育を考える(岩波新書 1110)を取り上げます。

 

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(1) 「障害者に関する世論調査」内閣府大臣官房政府広報室

[http://www8.cao.go.jp/survey/h24/h24-shougai/index.html]

 

(2) もちろん「サラマンカ宣言」は障がいのある子どもだけでなく、ストレート・チルドレンや難民の子ども、お金のために売られた子どももなど、「特別なニーズが必要な子ども」すべてに教育の援助をしようという宣言です。「宣言」ですから、たとえば「条約」よりも弱いものです。ですから、「批准」や「国内法の整備」の必要もありません。

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

 

2月16日(土)、17日(日)に開催されました。 フロアスタッフとあそぼう『画はくの日』をご紹介いたしま~す。

 

今回のテーマは・・・anmonaito.jpg

                                                                                                                                    でした。

  ひとはくで上映されている、フロアスタッフの手作りのデジタル紙芝居『アンモナイト物語』に登場しているアンモナイトとその仲間たちを、みんなで描こうというものです。

 このお話に出てくる、アンモナイトのキャラクターたちは、実際に  博物館に展示されているアンモナイトたちなんです。

 みんなで、アンモナイトのキャラクターをさがしました。

P1140953.JPG P1140955.JPG

↑博物館の中を探検中・・・                ↑アンモナイトは、見つかったかな?

P1140952.JPG

↑お話に登場する、オフタルモサウルスを描いてもOK!

そして、楽しくお絵かきをしました。

P1140963.JPG P1140975.JPG P1140964.JPG

P1140961.JPG P1140959.JPG P1140973.JPG      

みんな と~っても上手に書けました。

次の「画はくの日」まで、ひとはくサロンに展示させていただきます♪

ぜひ、見に来て下さいね♪

 

P1140981.JPGのサムネール画像                                   フロアスタッフ うえやま・ささやま・おの 

 

 

       

 

 

 

 

 

人と自然の博物館では、宝塚市立丸橋小学校と共同で自然・環境・文化についての学習活動をサポートするため学校キャラバンを実施しました。
 

展示物積込み博物館から昆虫の標本や模型をはじめ、化石の標本、展示パネルなど次々に運ばれていきました。

  宝塚市立丸橋小学校 到着

移動博物館車「ゆめはく」が宝塚市立丸橋小学校に到着!到着した「ゆめはく」に児童たちは驚き、何が入っているのか興味津々。廊下を移動する恐竜には、さらに驚愕!!

展示物設営

教室をお借りして展示物の設営    

    ポスター   扉の向こうには・・・     

 丸橋小学校と博物館の夢のコラボです  廊下から見えるその姿に児童たちは・・・

   丸橋小職員を前にあいさつ  展示解説     

設営後、わかりやすく児童へ説明をするために、博物館の古谷主任研究員より先生方へ展示について解説がありました。

丸橋小学校との学校キャラバン事業は2月15日から20日まで行われます。児童のみなさん、保護者のみなさん、地域の方々、この機会にぜひ丸橋小学校にお出かけご覧ください。どうぞお楽しみに!

情報管理課 阪上勝彦

 

 

2月11日の発表会当日は、小学生から大人までさまざまな世代の参加者185名が、13件の発表を前に活発な意見交換や発表者間の交流を行いました。

それぞれが工夫を凝らした研究や活動内容を紹介し、迫力のある発表会となりました。これらの力作ぞろいのポスターや作品展示が4/7(日)まで当館3階展示室で展示されていますので、是非ご来館ください。

なお、受賞発表・作品は以下の通りです。おめでとうございます!                 (共生のひろば担当 鈴木武)


【館長賞】:「特に優れた発表」
口頭 OP-07 化石処理用チゼル針半自動研磨機の開発
       和田和美 (ひとはく連携活動グループ「ラボーンズ」)

   OP-10 丹波黒大豆を守る!~廃材を活用した土づくりの挑戦~
       村山広夢、早川義希、中馬唯吹、糸川 駿、庄治優介、ソウ永河、柳原大樹、毛利莉緒
       (兵庫県立篠山東雲高等学校 しののめ黒大豆研究チーム)

ポスター  PP-03     六甲山再度公園のキノコの多様性
        ~標本や出現傾向からみた多様性の不思議~

                高野彩花、矢田部恵美、森下堅太、長田祐基、魚谷和秀、仁藤湧也、石田初音
       (兵庫県立御影高等学校 環境科学部生物班)

      PP-19  日高町太田スコリアはぎ取り展示
         岡 記左子、石ころくらぶ一同 (石ころクラブ)

 【名誉館長賞】:「ユニークな発表」
口頭 OP-11 石屋川のプラナリアの謎を解く
       ~2年生環境科学セミナーからの知見~
         住田光毅、内藤優弥、西村僚祐、伴 龍也、丸谷祥太、宮下大樹
         森南直汰、江口萌奈美、藤丸菜穂、堀江彩花、山本紗希、渡辺育未
       (兵庫県立御影高等学校 グローバルスタディ環境科学セミナー)

    OP-12  西池・黒池の外来カメ調査報告
                     
西濱 扶、有薗理沙、河越俊平、井村柊介  (兵庫県立伊丹北高等学校自然科学部)
       谷本卓弥(顧問、ひとはく地域研究員)

ポスター PP-03  コヤマトビケラの餌場探索行動
        -コヤマトビケラは匂いで餌場を感知する-
        岸本昌之、藤原瑞穂、網本真美(兵庫県立香寺高等学校 自然科学部)  久後地平(顧問)

     PP-12  貝殻拾いから始まって
        
谷口 新

【審査員特別賞】:「データ量や活動量など努力量の多い内容や継続的な活動」
口頭  OP-11   加東市のため池調査から見えてきたもの
        岸本清明 (ひとはく地域研究員)

    OP-03    小学生・幼稚園児にミヤマアカネに親しんでもらうための活動 
        
「あかねちゃんとその仲間を知ろう」 
       辰巳淳子 (ひとはく連携活動グループ ミヤマアカネ生態研究会 「あかねちゃんクラブ」

ポスター PP-14 ギリシャアテネの国際甲殻類学会に参加・英語での報告
        川本愛奈、西山春佳 (神戸市立六甲アイランド高等学校)  丹羽信彰(顧問)

     PP-23 六甲山のブナ林における植物相の種多様性
          増井啓治 (植物リサーチクラブの会)

【会場注目賞】:「多くの参加者から注目された発表」
口頭  OP-10  丹波黒大豆を守る! ~廃材を活用した土づくりの挑戦~
       村山広夢、早川義希、中馬唯吹、糸川 駿、庄治優介、ソウ永河、柳原大樹、毛利莉緒
       (兵庫県立篠山東雲高等学校 しののめ黒大豆研究チーム)

    OP-12  西池・黒池の外来カメ調査報告
       西濱 扶、有薗理沙、河越俊平、井村柊介(兵庫県立伊丹北高等学校自然科学部)
       谷本卓弥(顧問、ひとはく地域研究員)

ポスター PP-02  特産でECO  ~山の芋グリーンカーテンで涼しく、美味しく、節電しよう~
                       村山広夢、毛利莉緒、伊藤正貴、早川義希、中馬唯吹
         糸川 駿、 庄治優介、ソウ永河、柳原大樹
        (兵庫県立篠山東雲高等学校 しののめ山の芋研究チーム)

            PP-19 日高町太田スコリアはぎ取り展示
        岡 記左子、石ころクラブ一同 (石ころクラブ)  

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