三田は今、桜が満開✿とっても気持ちのよい季節になりました。
さて、今週末の土曜日!今年度はじめての「ひとはく探険隊~ひとはくの石たんけん~」を行います。
隊長の古谷先生、隊員の西口さんと私の3人で、今日は下見に出かけました。
↑チャートはあるかな??化石は?いろいろな石をルーペを使って、調査中~
「ひとはく探険隊」は、「深田公園うきうき探険隊(ふかたん)」から名前が変わりました。
深田公園だけではなく、時には、はくぶつかんの中を研究員と探険します。
4月のテーマは「石」。石博士の古谷研究員と一緒に、探険に出かけましょう。
4月12日(土)
「ひとはく探険隊~ひとはく石たんけん~」
時間:13:00~14:00
定員:20名
集合場所:4階ひとはくサロン
受付場所:10:30から4階カウンターにて受付。定員になり次第終了します。(雨天時も行います。)
みなさん、ぜひ、ご参加くださいね。
笹山由利子(フロアスタッフ)
4月5日(土)、6日(日)、フロアスタッフとあそぼう『風にのってとぶタネ』が行われました!
みなさんは「風にのって飛ぶ種」と聞くと、どんな植物を思い浮かべますか?真っ先に思いつくのは「たんぽぽ」だと思います。
黄色い花が咲いたあとに綿毛のついた種子をつくり、風にのって種をとおくへ飛ばします。
(ちなみにこのたんぽぽは「恐竜ラボ」前に咲いていました!さがしてみてね♪)
実はたんぽぽ以外にも、風を利用して種をとおくに飛ばす植物はたくさんあります。
今回は、その中から3種類の種の模型をつくってみんなで飛ばしてみました!
左から 「フタバガキ」 「マツ」 「ニワウルシ」の模型と本物の種です。
模型ができたら、いよいよ種を飛ばしてみましょう!
おおきな木になった気分で!
せ~のっ!
くるくるくる~~~~っ
風にのってとぶタネ、大成功!
家でもぜひ飛ばしてあそんでみてくださいね♪
・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚ おまけ ゚・。★゚・:,。゚・:,。☆゚
博物館のエントランス前には、たくさんのツクシ達が顔を出しています♪
ツクシも風を利用して「胞子」を遠くまで飛ばします。
ぜひ探して観察してみてくださいね!
フロアスタッフ たにぐちはるな
ユニバーサル・ミュージアムをめざして50
憂うつな数学者-1
三谷 雅純(みたに まさずみ) 数学者 ジョン・ナッシュ(2006年、ドイツでの数学のシンポジウムで。Wikipedia より)
ネイチャー (Nature) という雑誌があります。最新の論文やニュースを載せた科学誌で、たまたま流行の最先端にいる科学者は、この雑誌に何とか論文が載らないものかと四苦八苦するそうです。
そのネイチャーです。Eメール・アドレスを知らせておけば、毎週、自動的に新しい情報を送ってくれるサービスがあって(無料です)、同じような科学誌サイエンス (Science) といっしょに、わたしはネイチャーに情報を送ってくれるように頼んでいるのです。そのネイチャーに面白い記事がありました。2014年1月16日号の「今週の注目記事」に、「自閉症と統合失調症に見られる遺伝的変異」という論文があったのです。その論文の解説によると、自閉症と統合失調症には共通した遺伝的な変異、つまり多くの人との違いが見つかるのだそうです。
自閉症は発達障がいの一種です。一方の統合失調症とは、遺伝と環境が深くかかわった精神疾患です。およそ100人にひとりの割合で罹(かか)るそうです。この2種類の症状には、遺伝子のレベルで共通性があるというのです。
「やっぱり」と言うか、何と言うか。この2種類の精神疾患当事者には症状に共通するものが結構あるし、ご本人が発達障がいだった人の親族には、統合失調症の人がよくいると耳にします。発達障がいでは必ず引き合いに出されるアルバート・アインシュタインにも、統合失調症の息子さんがいたということです。
ヒトに限らず生物の遺伝の大半は、ある遺伝子があるかないかと言った単純なものではありません。自閉症や統合失調症も例外ではありません。複数の遺伝子が関わっています(医学の世界では、それを「多因子遺伝(たいんし・いでん)」と呼んでいます)。ネイチャーの記事は、「関わりのあるたくさんの遺伝子の一つに共通の変異があり、たまたま症状が出ていない人でも、脳の構造には、症状が出ている人と同じような変化が見られる」というものでした。ところが、これに輪をかけて、さらに驚くような発見が報告されていました。インターネットで調べてみると、2013年のランセット (The Lancet) という雑誌には、自閉症と統合失調症だけでなく、ADHDや双極性障害(そううつ症)、大うつ症の五大精神疾患と呼ばれるもの全てに、共通の遺伝子が影響しているというのです。
誤解のないように、もう一度繰り返しておきますが、このような「精神疾患」と言われる症状が出るのは、いくつもの遺伝子から同時に影響を受けた時だけです。その遺伝子は、元来、全ての人が持っているものです。その程度が大きく、しかもある環境がそろったから症状が出た。何も「特別な人」だけが持っている遺伝子ではありません。「ある環境」とは、「強い精神的なストレスがかかった時」とでも言えばいいのでしょうか。どんな時に「強い精神的なストレス」がかかるのかと言うと、具体的には「愛する人の死」とか、戦場で「殺されかけた」、あるいは戦場で「人を殺した」体験などのことです。
自閉症と同じく統合失調症にも、症状には軽い/重いがあるそうです。つまり、多数者と変わらない人――ストレスがなく、症状の出ていない人は、そう言えるのかもしれません――から、重い統合失調症の人まで、症状は人によって連続的に変化するそうです。自閉症スペクトラム同様、統合失調症にもスペクトラムが存在するのです。
重い統合失調症の人はその疾患に苦しみますが、軽い統合失調症の人――「統合失調型人格障がい者」と呼んでいます――は、見るからに変わった人です。変わった人ですが、しかし、しきたりに捕らわれずに、飛んでもないことがひらめいたり、高い創造性を示したりすることがあるそうです。つまり、<天才>なのです。
トーマス・アームストロングさんの『脳の個性を才能にかえる』によれば、この<天才>は、アウトサイダー・アートの美的感覚に共通するものだそうです。アウトサイダー・アートというのは、通常の芸術文化ではなく、「外にいる人びと」が創る芸術です。そしてその作品には、独自の芸術的価値があるそうです。そのよい例がヘンリー・ダーガーです。ダーガーはアメリカのシカゴで清掃員の仕事をしていました。そして、ダーガーが死んだ後、アパートには、誰に見せるでもなく創作した絵画と文章の山が発見されました。自分のためだけに描き、また書き上げたのです。その大部(たいぶ)の原稿は、『非現実の王国と呼ばれている国で、子ども奴隷の反乱によって発生したグランデコ・アンジェリニア戦争のヴィヴィアンの少女たちの物語』というシュールな題が付けられていました。世界の善と悪の戦いを描いた戦争ファンタジーで、多数の挿絵(さしえ)もあったそうです(『脳の個性を才能にかえる』の「第8章 べつのキーで考える――統合失調症」,214ページ)。
人間の歴史では、統合失調症の人を「神懸(かみが-)かりの人」とか「聖なる愚者(ぐしゃ)」と呼んで、かつては、通常の人とは異なる特別な存在として尊重したようです。シャーマンには統合失調症の人がよくいたのでしょう。カメルーンのカラマルエというサハラ砂漠に近い街で出会った男性のことです。わたしが見かけたその男性は、素っ裸で市場の太陽の下に寝そべり、陰を求めるわけでもなく、一日を寝たり起きたり、フラフラと歩き回ったりして過ごしていました。何も着ていないにもかかわらず理知的で、目の奥底には静かな精神性や分別といったものの存在が感じ取れました。市場に買い物に来た男女や市場の商人は決してその男性を追わず、その男性もまた、人びとの邪魔にならないように振る舞っているようでした。わたしはその男性の言葉を、直接、聞いたわけではありません。しかし、今から思えば、その男性は統合失調症だったような気がします。フランスの哲学者ミッシェル・フーコーの『狂気の歴史』によれば、(十八世紀より前には狂気が深刻には受け止められず)「当事、狂人は容易に放浪しうる生活を営んでいた。都市は狂人を市域の外に放逐しがちだったし、ある種の商人や巡礼に預けられなかった場合、彼らは人里離れた野を自由にさまようことができた」そうです(『脳の個性を才能にかえる』,217ページ)。
人は<天才>をうらやみます。自分にはできないことを、苦もなくやってしまうからです。しかし、<天才>には<天才>なりの苦悩があります。アメリカ人の数学者、ジョン・ナッシュ (John Nash) は、ゲーム理論で有名です。1994年にはノーベル賞を受けました。そしてナッシュは、たとえ恋人であったとしても、自分以外の人に自分とは異なる精神が存在し、それを尊重するべきだと認識できない精神発達の遅れがありました。
次に書くのは、シルヴィア・ナサーという人が書いたジョン・ナッシュの伝記『ビューティフル・マインド:天才数学者の絶望と奇跡』の読後感です。(次につづく)
三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館


ひとはくでは、昼からのイベントがたくさんあり多くのお客様をお迎えしました。その様子をご紹介します。






午前中には、デジタル紙芝居、展示室ツアー「ボルネオジャングル体験」が行われています。
★ホームページのリニューアルに伴い、イベントを紹介していた「今週のひとはく」のページがなくなりました。
ひとはくのイベントについては、TOPページにある【イベントカレンダー】からご確認ください。

あまりレイアウトは変わっていないという声もありますが、中身や配置の仕方を大きく改訂しているほか、館で実施している事業の説明を追記しています。リニューアルは5年ぶりと書きましたが、実際はほぼ8年ぶりです。5年前にレイアウトを改訂したときは、業者さんにまるごと移行してもらって中身はそのままでした。つくった年代ごとにバラバラのレイアウトで構成されていました。
そんなわけで、昨年度から情報システム更新の担当になったので、ページ構成を一新し、足りない項目を足したり、大学のページをつくったり、セミナーのページ等の仕組みを刷新し、イベントカレンダーなどを導入して、現在のページとなっています。新しく追加された機能は以下のとおりとなります。
- セミナーページの改訂とマイページの導入(セミナー倶楽部)
- トピックスと新着情報の設置
- ひとはく活用術のナビゲーション
- イベントカレンダーの設置
- 学校教育支援のページ充実
- 兵庫県立大学自然・環境科学研究所のページ刷新(VTRを追加)
- その他、ページの統合と整理
(★ここから関連業界向けのお話し)
ホームページの構築にあたっては、今回はMovableType5をCMSとして利用しています。このことで、メインコンテンツ、自然・環境科学研究所のページ、新着情報管理、ひとはくブログ、館報の編纂、メルマガのバックナンバー管理、館内向けFAQなどの各種コンテンツをCMS上で一元的に管理することができるようになりました。そのおかげで、今回の膨大なページを移行するにあたって様々な館員が同時に情報を共有しながら製作することができました。修正についても、同様に作業が簡便になっています。博物館&大学&ETCが混在化して多様な業務群のマネジメントツールとして、CMSの導入はとても有意義なものとなりました。