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<<東お多福山草原生物多様性ガイド養成講座受講生募集!!(全5回:6月~11月)>>

 兵庫県立人と自然の博物館は、兵庫県神戸県民センターと東お多福山草原保全・再生研究会との共催で東お多福山草原における生物多様性の魅力を案内するガイドを養成するセミナーを開講いたします♪

 六甲山東お多福山には、かつてはさまざまな草原生植物がみられる、生物多様性豊かなススキ草原が広がっていました。しかし、戦後の管理放棄等により ネザサが密生し、草原生植物が生育できない生物多様性の乏しい姿に変わってしまいました...。このため、現在、東お多福山草原保全・再生研究会が中心となり、ひとはく、環境省、兵庫県、神戸市とも連携して、生物多様性保全を目的としてネザサの刈り取り管理を進めています。活動7年目を迎え、ススキや草原生植物の草花が増えるなどの再生の兆しが少しずつ、しかし確実に現れています!

 このような東お多福山の自然の現状と魅力を深く知っていただける方、またそれを多くの人に伝えていただける方を、私たちは求めています。ひとはくブログ読者の皆様は、様々な活動でお忙しい方々が多いことと存じますが、ぜひ、これはとお感じになった方は、ご参加いただけると嬉しいです。

申込方法などは下記のURLを参照ください。
 http://web.pref.hyogo.jp/kok12/higashiotahukuyama.html


 また、「ガイド養成講座への参加は迷うけれど...、話だけなら聞いてみたい!」という方には、公開講座も用意しております。是非お誘い合わせの上、ご参加ください♪


<<東お多福山草原生物多様性ガイド養成講座《公開講座》>>

◆日時:平成26年6月28日(土曜日)13時30分~16時30分(受付は13時から)

◆内容

【講演1】 松村 俊和 (甲南女子大学 准教授)

【講演2】 橋本 佳延 (県立人と自然の博物館 主任研究員)

◆定員:60名(事前申込制・受付先着順)

◆参加費:無料 (ただし、交通費は自己負担)

◆申込方法
http://web.pref.hyogo.jp/kok12/higasiotahukuyamakoukaikouza.htmlをご覧ください。

◆締め切り:平成26年6月25日(水曜日)

ひとりでも多くの方にお会いできることを心待ちにしております。(自然・環境再生研究部 橋本佳延)

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No.3周辺の様子 (4).JPG











No.4周辺のススキ草原景観再生エリア (2).JPG

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6月8日、ひとはく探検隊『初夏の鳥をさがそう!』が行われました!
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▼まずは、隊長の布野先生から双眼鏡の使い方を教わりました。肉眼で狙いを定めたら、そのまま目の前に双眼鏡を添えるようにして見てみましょう。
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練習が終わったら、いよいよ博物館の外へ出発です!

▼博物館4階入り口前には、コシアカツバメの巣がたくさんありますよ!さぁ見つけられるかな~?
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▼作りたての巣を発見!ツバメは運んできた土を唾で固めて巣を作ります。
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▼高架下に鳥が潜んでいます...双眼鏡で見えるかな!?     ▼メスのハトがたまごを温めていました!!
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▼博物館向かいの建物の屋上に、鳥がとまっていました。鳥は高い建物のはしっこにとまるのが好きみたいです。
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▼今度は深田公園へ向かいます!日差しが出てきて暑くなってきましたよ~
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▼さぁ、公園のどこかに鳥の巣がありますよ。どこかな~?
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▼ありました!松の木の枝にカラスの巣を発見!
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梅雨に入りどんよりした天候が続いていましたが、この日は日差しも強く良いお天気でした♪
お暑い中ご参加頂きましたみなさま、ありがとうございました!

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たんけん報告ポスターはコチラをご覧ください



次回のひとはく探検隊は... 『深田公園のひみつ』です!1fukada.jpg

隊長の大平先生と一緒に、深田公園にはどんなひみつがあるのか調べてみましょう!
ちらしはコチラです

みなさまのご参加をお持ちしております♪



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たにぐち はるな 

6月7日(土)の"フロアスタッフとあそぼう"は毎月恒例の「画はくの日」を行いました。

6月のテーマは「昆虫標本をみてかこう!」でした。s-P1120011.jpg
兵庫県の昆虫なので、みんながよく知っている
虫です。

改めて観察すると、
思っている以上に
きれいな色をしていたり、
かっこいい形をしています。

足はどこから出てるかな?

翅は何枚かな?

みんな真剣にじっくり観察しながら描きます。
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出来た作品は、4階ひとはくサロンにて掲示しています。s-P1120016.jpg(7月の第2週まで)














作品の中から次の3作品がひとはく博士賞に輝きました。

力作ぞろいで博士も選ぶのに苦労されていましたよ。

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次回の「画はくの日」は7/12(土)です。

みなさんのご参加お待ちしています。


フロアスタッフ  せら ゆうこ








ユニバーサル・ミュージアムをめざして53

 

聞いてみて、初めてわかることがある-2

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

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 兵庫県の中学生には、地域のいろいろな場所を選んで行ってみて、そこで職業体験を積むという制度があります。「トライやる ウィーク」と呼んでいます。<ひとはく>にも何人もの中学生がやって来ます。博物館員の「修行」をしていくのです。今年は、わたしもお世話しました。ただし、お世話はしましたが、お返しに、多くのことを教えても、もらいました。<ひとはく>の建物で、車イスでは不便なところを探してもらったのです。わたしがお世話した男の子は、日頃から電動車イスを利用していました。この課題は、彼にしかできませんでした。

 

 館内で見つけた困ったところは、床の段差でした。段差にはスロープが付けてあるのですが、上るには車イスのモーターでも大変でした。その上、下りるのにも介助がないと、スロープが短くても恐いのです。わたしにもマヒがあるのですが、障がい者がスロープや階段を下りるのは、本当に恐いのです。

 

 展示の前の幼児用の踏み台は、車イスには邪魔になります。踏み台がないと小さな子は展示が見えません。かと言って、車イスの人も展示が見たいのです。これには困りました。全国の皆さん、何か良いアイデアがあったら、ぜひ教えて下さい。

 

☆   ☆

 

 4日間の内、3日目と4日目は、博物館の外側を見て回りました。

 

 三田市はもともと山がちな地形ですので、<ひとはく>のあるフラワータウンにも、大小の起伏があります。博物館はそんな中に作られたので、どちらに行っても坂に突き当たります。そこを車イスで行くには誰かに助けてもらうか、いっそのこと諦めるしかありません。でも、諦めていたのでは、「トライやる ウィーク」の課題を遂行(すいこう)することはできません。博物館の裏手にはダラダラ坂が続いているのですが、その坂でも、車イスの人が自分ひとりで上り下りするのは無理だと思います。今、「無理だと思います」と書いたのは、障がい者は、その障がいをもたない人が想像もしていなかったことが、できてしまうことがあるのですが、その坂は、車イスの中学生が自力で上り下りするのは、どう考えても無理だと思うからです。

 

 ボランティアの人に引いてもらって、あるいは押してもらって、坂は乗り越えました。ただし、案の定、その坂を下り、また上ると、男の子はへとへとに疲れていました。肉体的にと言うよりも、精神的に疲れたのです。

 

 4日目は、屋上に出る方法を考えました。何とか車イスで行く作戦を、ふたりで考えます。ミッション・インポッシブルです。

 

 前にも書きましたが、階段は車イスでは無理です。羽根がないのに「飛べ」と言っているのと同じです。では、どうするか? 昨日、長いダラダラ坂では苦労しました。へとへとに疲れてしまいました。

 

 博物館周辺のことをよく知っているわたしが、助け船を出しました。

 

 車イスで屋上に上がるには、

 

① 博物館の通用門のそばのスロープを利用する。一番、簡単です。しかし、この方法は、車イスでは勾配がきついかもしれません。

② 博物館から100メートルほど離れた商業施設のエレベータを使う方法。この方法は勾配がなく、楽ですが、人混みをかき分ける必要がありそうです。人混みで疲れてしまう可能性があるのです。

③ 商業施設のそばのスロープを上る方法。でも、これだと①とあまり変わりません。

④ 時間はかかりますが、ぐるっと深田公園を回って、反対側から屋根に取り付く方法。深田公園を回るには、1キロほど歩かなければいけません。

 

 作戦会議の結果、このよっつの方法があるとわかりました。後は男の子が、それぞれのコースの良いところ・悪いところを判断して、自分にとって、どれが良いかを選ぶことです。

 

 迷いましたが、結局、②の博物館から100メートルほど離れた商業施設のエレベータを使う方法を選びました。実はわたしも、②が一番、車イスに向いているのではないかと思っていたのです。ただし、わざと②に誘導したのではありませんよ。

 

☆   ☆

 

 たかが100メートルです。ですが、途中、何カ所もの障壁がありました。まず博物館と商業施設の間にある道路です。車が通ります。横断歩道を探さなくてはなりません。次に段差です。フラワータウンは、いたる所に段差があると言いました。商業施設の前にも大きな段差があるのです。それを避けるようなスロープを見付けたい。しかし、スロープの勾配は恐いかもしれません。それをクリアーしたら、今度は人混みです。商業施設の中には大勢の人が歩いています。その人たちを避けて、エレベータを見付けるのが、また一苦労でしょう。

 

 あれこれ工夫し、苦労しながら、やっとの事でエレベータを見付けました。これで上の階に行けます。もう安心です。

 

 ところが、エレベータは目的の階には止まりませんでした。目的の階には、決まった時間が来なければ、止まらないのでした。このことは、わたしも知りませんでした。決まった時間は午前10時です。幸い10時はもうすぐです。「どうする」と聞くと、「10時まで待つ」と答えました。

 

 10時になってエレベーターが目的階に止まる時間になると、突然、ガラガラとシャッターが開き、専門店街の店が開きました。男の子はびっくりしましたが、シャッターが開くところは初めてだといって、興味深く見入っていました。シャッターが開くところだけでも、商業施設までやって来た甲斐(かい)があったというものです。でも時間はありません。先を急ぎます。

 

 商業施設の次は、三田市の公共施設やスイミング・スクールの入ったビルです。そのビルを抜けると、直接、歩道橋に出ます。それが博物館の屋上に続く一般歩道になっているのです。

 

 「ここが屋上だよ」と言うと、キョトンとしていました。そして周りを見回してみて、やっと自分の状況がわかったようでした。「登頂(とうちょう)の記念写真を撮ろう」というと、ピース・サインを出しました。屋上に当たる歩道を、端から端までぐるっと回って「下山」しました。「下山」では、博物館近くのスロープを、ボランティアの人の力を借りて下りてみました。

 

☆   ☆

 

 男の子は<ひとはく>が、はたして自分を「トライやる・ウィーク」に受け入れてくれるかどうか、とても不安だったそうです。車イスで博物館員にトライすることなど、できるのだろうか。字は書けるが、ふつうよりも大きな字だし、ハサミは使えるが、ぎごちない。何よりも疲れやすい。疲れやすいという事を、博物館の人はどこまでわかってくれるだろう?

 

 基本的には、わたしも同じです。わたしには、脳塞栓症(のう・そくせん・しょう)の後遺症があります。車イスは使わないのですが、マヒした右手で字を書いたり、ハサミを使ったりすると、とても疲れてしまいます。第一、それほど長時間は続けられません。ですから、わたしの作業を補佐して下さる方が必要なのです。でも、わたしは仕事を続けています。なぜ仕事を続けているかというと、きっと、わたしにしかできない事があるはずだと、固く信じているからです。

 

 「きっと、わたしにしか、できないことがある」。それは何だろうと、わたしは今でも探し続けています。あなたの「トライやる・ウィーク」の記録ノートに、わたしは「課題をやりとげました。これからもがんばって」と書いてしまいました。あなたは、十分、がんばっているのにと、書いてしまってから後悔しました。今、書き直すとしたらこう書きます。

 

 「課題をやりとげました。これからも、未来の『博物館員』をめざして下さい」

 

 

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館

ユニバーサル・ミュージアムをめざして52

 

聞いてみて、初めてわかることがある-1

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 
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 わたしには、聞いてみるまでわからなかったという経験が、何度もあります。聞いてみて初めて「そうだったのか」と思い当たる。聞いてみることは大切です。勝手な思い込みはひかえるべきです。当事者の意見を尊重するべきです。特に本人が身近にいる場合には、そして、気楽に話してくれるなら、ぜひとも聞いてみるべきです。

 

☆   ☆

 

 兵庫県には「トライやる ウィーク」という制度があります。中学2年生になった時、子どもがおとなの仕事を「学び」に行くのです。中学生になって、子どもの世界から、いろいろな世界が見えるようになった時に、おとなの世界を覗(のぞ)いておけば、現実の社会を知るいい機会になるはずだ。現実の社会に繋(つな)がるかもしれないという試みです。

 

 現代に生きる子どもたちには、現実の世界と空想だけで作ったバーチャルな世界が、区別できなくなっている人がいます。と言うより、(わたしも含めた)おとなには、現実世界の変化が速すぎて、「空想の出来事」だと思っていたことが、いつの間にか現実に起こっていると言った方が実感があるのでしょうか。でも、どれほど「想像を絶すること」であっても、現実の世界では、やるべきことと、やるべきではないことがあります。「できること」と「やっていいこと」は別物です。

 

 「トライやる ウィーク」に参加する中学生も、頭で考えただけの知識ではなく、現実の可能性として将来が思い描けるようになる。「トライやる ウィーク」は、そうあってほしいという試みかもしれません。今年は、わたしもひとり、中学生を預かることになりました。

 

 その生徒は、初めて出会うわたしに緊張気味でした(中学生ですから、初対面では、緊張して当たり前です)。しかし、会ってみるとハキハキとした、言うべきことが言える男の子でした。実を言うと、わたしも緊張していました。どんな中学生だろうと、内心、ドキドキだったのです。しかし、彼の言い方を聞いて安心しました。どうやら、わたしにうちとけてくれそうです。

 

 「トライやる ウィーク」は、その子といっしょに4日間、博物館の建物を見て回りました。

 

☆   ☆

 

 彼は博物館員になってみたくて<ひとはく>を選びました。ほかの中学生も、それぞれの研究員について行きました。標本の整理法だとか、ビオトープ("人工の自然"と呼べば、わかりやすいのかもしれません)の掃除といった、地味だが大切な日常の作業があるのだと教えてもらいます。

 

 その男の子には、どんな仕事をやってもらえばいいのでしょうか? 実は、その子でなければできないことがありました。それは「<ひとはく>の建物で、あなたにとって不便なところを教えて下さい」という課題でした。

 

 その子は電動車イスを使っていました。

 

 法律や条令では、公共の建物は誰でも自由に行き来できるように整えましょうと決まっています。ですが、<ひとはく>は20年以上前に建ちました。<ひとはく>が建つ前には、同じ建物がホロンピア館として博覧会で利用されていました。<ひとはく>の建物は古いのです。どれほど手直しをしても不便は残るでしょう。そんな不便を、車イスを使う来館者になって見付け、こんなところに、こんな不便があったのだと教えてほしい。こんな課題は彼でなければできません。それに、背の高さが車イスを使う彼と同じ幼児の目線ですから、その意味でも不便なところが見付かります。車イスを使う当事者や幼児でもなければ、おとなには、なかなか不便に気がつきません。そんなところは、ぜひ直して行かなければなりません。今すぐ手直しができなくても、こんなところに、こんな不便があるのだと知っておかないと、将来、直すことはできないのです。その男の子の責任は重大です。

 

 わたしたちは作戦を立てました。まず二日がかりで館内を回って、不便を探します。次に博物館の周りを見て回ります。博物館の外は深田公園という市民公園になっています。また起伏の大きな三田市では起伏をカバーするために、博物館の屋上が一般の歩道になっているのです。ただし、男の子に歩道のことは秘密です。行ってみて、どのように驚くかが楽しみです。公園や屋上に車イスで行くためには工夫が必要です。階段は使えません。そのためのルートを考えました。山登りの要領です。

 

 その子にとって、山登りの計画を立てるのは、初めてでした。しかし、その辺はわたしが得意なのです。心配いりません。わたしは以前から野外に出ることが得意でした。登頂の計画なら「まかしておきなさい」なのです。

 

☆   ☆

 

 館内を回って、彼が教えてくれた不便なところです。

 

1.うかつな人が段差と感じない段差も、彼の腕の力やモーターの力では、乗り越えられなかった。

2.机の高さの設定は低いものがあり、研究室の机は低すぎて利用できなかった。お弁当を食べるための机や情報端末は、車イスのままでも座りやすかった。

3.コンピュータが出すクイズの問題は、中学生でもわからない言葉が出ている。問題はひとはくの研究員が作ったのだが、何を聞いているのか、よくわからない問題があった。

4.ビデオ・コーナーはクッションの効いた棒状のイスになっていて、3,4人で見るのに便利だった。だが、車イスだと造り付けのイスがじゃまになって、ビデオの途中で押すスイッチには指が届かない。指が届かないので観る事を諦めてしまった(残念!)。

5.地球の仕組みを調べるコーナーは、おとなの背丈があって、やっと、磁石が回転することで何をしているのかがわかる。子どもや車イスの人では、スイッチは押せても、それでどうなったのかがさっぱりわからなかった。

6.背の届かない子のために、あちこちの展示に幼児用の踏み台が置いてあるが、車イスだとかえって邪魔になる。

7.スロープの勾配がきついので、恐い。恐竜ラボや駐車場の段差のスロープ、2階フロアーから1階フロアーを結ぶスロープは、ひとりだと恐かった(ボランティアの人が助けてくれたので、何とかなった)。

 

 車イスの利用者がスロープを恐いと感じるのは当然です。わたしには、どれほど恐いかがよくわかります。わたしも脳塞栓症(のう・そくせん・しょう)で右半身がマヒしているのですが、病気になるまでは平気で下りていた階段が、マヒをしてからは恐くてたまらなくなったのです。今でも、我が家の2階から1階に下りる階段は、手すりがあるのに恐い。

 

 しかし、段差が乗り越えられないとは、思いもしませんでした。男の子の腕にマヒがあるせいかとも思いましたが、それだけではないようです。電動車イスのモーターの力を借りても乗り越えられなかったのです。館内を自由に動き回るのは、ひとりでは無理だということです。

 

 幼児用の台と車イスでは、要求がバッティングしています。幼児用の台を置いたら車イスは入れない。車イスを優先したら、小さな子が見られない。う~ん......。

 

 外に出た時のようすは次に書きます。

 

 

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館
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