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さくらも満開を迎え、やっと待ちに待ったがやってきました!

春といえば、出会いと別れの季節・・・

フロアスタッフから、みなさまにご報告です。

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1年間フロアスタッフとして活躍されていた
紅一点ならぬ、 黒一点 った田畑さんが、この度ひとはくを卒業されました。

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いつも穏やかで、物腰やわらかな田畑さん。
こどもたちにもやさしく笑顔で対応される姿が印象的でした!

化石のレプリカづくりやひとはく探検隊、画はくの日などなど...
イベントでも多くのお客様を明るく楽しませ
一緒に働いている私たちにとっても本当に良いお手本でした。

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\こんなおちゃめな一面も!/

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以下、田畑さんからのメッセージです。


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ひとはくではたくさんの幸せを皆さまからいただきました。
過ごした時間は1年と短いものでしたが、ひとはくでの思い出は
一生忘れません!
またひとはくに来ますっ!!
ありがとうございました^ ^

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別れはさみしいですが、春は新しい出会いの季節でもあります。


4月からはフロアスタッフも新メンバーが加わり、
お客様にもっとひとはくを楽しんでいただけるよう
楽しいプログラムを準備してみなさまをお待ちしております!


今後とも、ひとはくフロアスタッフをどうぞよろしくおねがいいたします。
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4月1日(日)のフロアスタッフとあそぼう人気の定番きょうりゅう骨パズル

  
まずは、どちらがタンバティタニスかな?


 ① ※たんたん.gif  ②ヨロイリュウ2.gif
そう!首としっぽが長くて、頭が小さい植物食の恐竜、①が正解。

さあ!目の前の大きなパズルであそびます。
「ひとちゃんチーム」と「はくちゃんチーム」に分かれて、どちらのチームがパズルを早く完成できるかな。
首かなしっぽかな。みんなパーツを回しながら、一生懸命はまる場所をさがしていました。


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簡単そうに見えて、なかなか難しいんですよ。フロアスタッフ自らやった実感です。
でも、ずっしりした重さと手触りは木特有で、カタッとはまると気持ちいい!
1回戦目はどちらのチームも6分以上かかったのに、2回戦目はどちらも3分台。
すごいな~こどもたちに脱帽です。

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最後に大きなパズル前で、みんなで記念撮影をしました。ご参加ありがとうございました。

次回のフロアスタッフとあそぼうは4月7日(土)画はくの日です。(クリック)
どうぞ、お越しください!

フロアスタッフ いしくら

月 の 第1日曜日は 「 ひとはくKids(キッズ)サンデー 」です。
 

4月のKidsサンデーは、晴れて気持ちのよい天気でした。

 

春ですね~。
博物館に隣接する深田公園の芝生広場では、レジャーシートなどを広げて
お弁当を食べたり、くつろいでおられる家族やグループがいましたよ。



博物館のまわりでは、ハクモクレン、コブシの花がピークをすぎて
しまいましたが、ソメイヨシノが満開です。また、ラッパズイセンが
たくさん咲きだしています。

 

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▲深田公園の芝生広場                   ▲エントランスホール近くのソメイヨシノ
                                                           

 


Kidsサンデーのプログラムの様子などの報告で~す。

 

午前中は、

まずはじめに 研究員による「サンデーぜみ『根っこのちっちゃな
イモをさがそう!』」が行われました。

 

みんなで深田公園にでて、さがしま~す。

いろんな草をシャベルでほり出して根っこを観察します。



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▲『根っこのちっちゃなイモをさがそう!』の様子

 

 

フロアスタッフによる「デジタル紙芝居『タヨウ星人スナ・メリメリの冒険』」が上演されたり、
「展示解説『3階展示室ダイジェスト ツアー』」が行われました。

 

『3階展示室ダイジェスト ツアー』は、いくつかの展示コーナーをテンポよく見学します。


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  ▲次々に いろんなコーナーを見学!

 

 

午後は、


フロアスタッフによるプログラムは、
「フロアスタッフとあそぼう『きょうりゅう骨パズル』」や
「デジタル紙芝居『たんぽぽレストラン』」が 行われました。

 


『きょうりゅう骨パズル』では、丹波竜の骨パズルをみんなで組み立てます。
難しい部分もあり、どこの骨か、大人に聞いている子もいました。




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 ▲『きょうりゅう骨パズル』の様子

 

 


デジタル紙芝居『たんぽぽレストラン』では、はじめのあいさつのあと、
スタッフの「たんぽぽ、たべたことありますか~」の質問からスタート。
どんなレストランだったのでしょう。

 

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 ▲『たんぽぽレストラン』の紙芝居が始まる直前の様子
   
 

 


 

 
ひとはく連携活動グループの 人と自然の会 の皆さんによる
たのしい工作の『かわいい花の風車づくり』や、
「パネルシアター『はらぺこ あおむし』、『みつばちマーヤ』」が
上演されましたよ。



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▲かわいい花の風車のみほん



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▲『かわいい花の風車づくり』の様子



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▲ふ~って風をおくると、くるくる回りま~す



パネル シアターの
『はらぺこ あおむし』のお話の最後に、「ちょうちょう」の歌を
みんなで合唱です!小さい子も大きな声で歌っていましたよ。

 

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▲パネルシアターの様子

 

 


午後の研究員によるプログラムは、『解説!丹波の恐竜化石』、
「サンデーさーくる『カエデのなかまのくるくる回るタネの模型をつくろう!』」が行われました。

 

 『解説!丹波の恐竜化石』は、小さな子どもたちを含む たくさんの方が参加されていました。
研究員の解説を一生懸命にメモしている少年も いましたよ。



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 ▲「解説!丹波の恐竜化石」の様子


 

サンデーさーくる『カエデのなかまのくるくる回るタネの模型をつくろう!』は、
カエデ類のタネを実際に飛ばしてから、小さな紙とクリップを使って模型をつくりました。

 

 

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▲『カエデのなかまのくるくる回るタネの模型をつくろう!』の様子

 

 

 


<ちょっとした出来事>
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 1階 共生の森のコーナーには、「花と仲良しは だあれ?」
  という展示があります。

 この展示は、熱帯雨林で見られる植物の花粉を
  どんな生きものが運んでいるかを当てるものです。
 
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   ▲「花と仲良しは だあれ?」の展示



  生きものの絵が描いてあるカギを、それぞれの花の
   絵がある扉のカギ穴に入れると、正解していれば
  「ピン・ポン」と音がなって、その扉が開きます。
   開いた扉の奥には解説が書いてあります。


  たまたま通りがかったときに調度、兄妹で
  やってくれていました。

 

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  ▲兄妹で挑戦してくれています

  
「ピン・ポン」(正解)となったあと、
 お父さんやお母さんが解説を読んで子どもたちに
 説明してくれていました。



 しかし、妹さんは、「ピン・ポン」の音が
 聞きたいのか、扉が開くのが楽しいのか、
 何度も やっていましたよ。
  
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 


 今回は、関西ユース(大学生のボランティア)の徳平さんが、
子どもたちへのサポートをしてくれました。お疲れ様でした。

 

 

次回の Kidsサンデーは、2018年5月6日(日)に行われます。

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 ご家族みんなで、ひとはくへ お越しください!


                   Kidsサンデープロジェクト 小舘

こんにちは!フロアスタッフです♪
大変暖かくなり、お散歩日和がつづきますね!


3月31日(土)はフロアスタッフであそぼう!はひかるいきものをおこないました!

ひかるいきものであるホタルイカの模型をつくって遊びました(*^_^*)


光るひみつは・・・光をあてると明りを蓄えて暗いところでも光る「畜光パウダー」を使ってホタルイカの模型を光らせます。

ひみつの粉をボンドにまぜてホタルイカの模型に塗ります!

ホタルイカが発光する部分は目の側面とお腹、そして腕です♪
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上手にぬれてるかな?!





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光を当てて・・・






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暗いところではこんなに光っています!


ひかるホタルイカを可愛がってください^^


ご参加いただきありがとうございました!


フロアスタッフ たばた こうじ

ユニバーサル・ミュージアムをめざして100

これで、おしまい

三谷 雅純(みたに まさずみ)



 「人と自然 Humans and Nature」28号に「言語音の認知が難しい高次脳機能障がい者は何を手がかりに視聴覚材料を理解するのか――人の肉声を使ったマルチメディアDAISY による検討――」という原著論文を書きました三谷雅純, 2017)(1)。この論文には何が書いてあるかを説明します。

    *

 身近な話題から始めます。失語症者によくいらっしゃる「言語音の認知が難しい高次脳機能障がい者」、つまり「耳は普通に聞こえるのに、聞く脳の機能が落ちている方」と話をする機会のある人は、わたしが何を言っているのか、わかるはずです。「言語音の認知が難しい高次脳機能障がい者」であっても、目の前に現にいる人――合成音声で「しゃべる」ロボットではダメです――と話をすると何となく通じるものです。私たちは、そのことを取り立てて不思議には感じません。しかし、せっかく目の前にいる人と話が通じても、人の発した言語音――人の〈ことば〉を構成する音――を録音したCDなどを聞いていただくと、まったく理解できないことがあります (2)

 たぶん、自閉症スペクトラムと同じように「言語音の認知が難しい高次脳機能障がい者」といっても、言語音が認知できる程度は人によってまちまちで、まったく認知できない方もいらっしゃいますが、時どきは何を喋っているのかがわかるという方もいます。録音した音声には音しか記録されていませんので、音以外の情報を参考にしようにも、参考にするべき情報がないのです。高次脳機能障がい者の一部には、言語音、つまり話し声が「風」や「水の流れ」の音と同じように聞こえてしまうのです。

 ですから、人に頼んで、目の前で直接喋ってもらうというのが、どなたにも分かりやすく伝える方法です――非効率的な気もしますが、人間の会話は、元来こうしたことの積み重ねです。ところが緊急放送ではそうもいきません。そのよい例は災害速報のように緊急性が求められる場合です。その時は、緊急放送でもよく使われるフォルマント合成音声や波動接続型合成音声ではなく、生身の人があらかじめ吹き込んでおいた肉声を再生して使うことが一番です。生きた人の肉声なら、たいていの人に伝わります (3)

    *

 さて「言語音の認知が難しい高次脳機能障がい者」が、面と向かって喋ってくれたら何を言っているか大体わかるのに、言語音だけだと、とたんにわからなくなる現象――「高次脳機能障がい」の認識がない人でも、肉声の録音だけではわからないとおっしゃった人が、少数ながらいらっしゃいました (3)――は、学問的には多感覚統合 (4) といいます。皆さんも、電話よりも会って話をした方が、細かいところまでよくわかったという経験があるでしょう。

 それならば、「言語音の認知が難しい高次脳機能障がい者」にとって、文章やイラストレーションでは、理解を助ける上でどれが重要ということがあるのだろうか? あるいは「文章とイラストレーションをいっしょに提示したら、もっとわかりやすくなった」ということはあるのだろうか? さらに「わかりやすさが変わるパターン」には、「高次脳機能障がい」の認識がない人と高次脳機能障がい者で差があのだろうかという疑問に答えようとしたのが、わたしの昨年の論文です三谷雅純, 2017) (1)

 文章とイラストレーションの認識は、脳の中で理解に至る機序が違います。それによって脳内で働く部位も変わります。文章とイラストレーションを同時に示したら、理解するには多くの部位が協力するのかもしれません。また高次脳機能障がい者は、多くの場合、脳に損傷を負った人ですが、それならば「脳に損傷を負っていない人」というのは、本当にいるのでしょうか?――「損傷」の程度や社会で生きる困難さによっても違いますが、わたしは、本質的には、いないと思っています。

 人の会話は元来が多感覚的です。言語音は耳で聞きます。同時に会話では、表情や唇の動きによっても多くの情報を得ます。それによって、おおよそ何を言っているのかがわかりますし、表情や唇の形は笑っていたり怒っていたりも示します。全体の「雰囲気」という、言葉で表現することが難しいものも何となく感じるものです。反対に言うと、人が実験素材を読み上げることもできますが、表情や唇の変化は、知らない内に実験を受けて下さる方に影響を与えてしまいます。視聴覚実験では操作できることが大切です。一回ごとに言い方や書き方が変わっては比較にならないのです。生きた人に実験場に来てもらうのではなく、マルチメディアDAISY形式という決まった方法で行うのは、こういった理由があります。

 結果は障がいがある人もない人も、文章とイラストレーションをいっしょに示した方がよく理解できるというのはいっしょだったのですが、障がいの軽い人はイラストレーションの情報を、障がいの重い人は文字情報をよく使うらしいという結果になりました。ただし、この結果は、本当に脳内機序のせいなのか、それまでの生活のためなのかという点をよく考えないと、とんでもない間違いを犯してしまいます。例えば、障がいの重い人はリハビリテーション自体があまりできないでしょうが、障がいの軽い人なら〈ことば〉に代わる方策をリハビリテーションとして訓練します。ですからイラストレーションの使用になれている(かもしれない)からです。

 この原著論文を、本当に論文といえるものかどうか審査して下さった方のお一人は、多感覚統合の研究は人間の言語の本質に迫るものと評価して、「脳機能障がいを持つ人がどうやって視聴覚材料を理解するのかに焦点をあてた研究は、非常に貴重であり、筆者のこれまでの一連の研究と関連させることによって、言語理解とは何か?ということを深く考えるきっかけになるものと期待されます」とコメントを寄せて下さいました。わたしが確かめたいことは、まさに「人間の本質とは何か」です。これを確かめるためには、人間の〈ことば〉における多感覚統合の研究は、今後、進めるべき大きな課題です。

 その意味でこの論文三谷雅純 (2017))(1) は、高次脳機能障がい者の立場を確かめるという意味もありますが、障がいの有るか無いかを越えた、人間の〈ことば〉そのものを探りたいという、わたしの希望の反映でもあるのです。

☆   ☆

 「ユニバーサル・ミュージアムをめざして」も100回目となりました。このタイトルでエッセイを書くのは、そろそろ終わりにしたいと思います。

 実を言うと「ユニバーサル・ミュージアム」という言葉は、わたしのオリジナルではありません。神奈川県立生命の星・地球博物館が『ユニバーサル・ミュージアムをめざして : 視覚障害者と博物館』と題してシンポジウムをなさり、それを平田大二さんや奥野花代子さん、田口公則さん (5) が中心となって、『生命の星・地球博物館開館三周年記念論集』 (6) としてまとめられたことがはじまりでした。1999年のことです。

 当事はバリアフリー・デザインという概念が、わたし達のこころに少しずつ浸透し始め、多くの障がい者に開かれた生涯学習施設として、博物館のリニューアルが図られ始めた時期でした。ところが視覚障がい者だけは博物館のリニューアルでは「無視された」、といって悪ければ「あまり重要な参加者」とは見なされてこなかった歴史があります。そのことがあったので、神奈川県立生命の星・地球博物館では「視覚障害者と博物館」に焦点を当てたシンポジウムを開き、記念論集をまとめたのです。「博物館」といえば、展示品は「ガラス・ケースに大切に入れておくもの」と(入館者も、博物館員にとっても)決まっていましたが、ガラスを触って嬉しい人はいません。視覚障がい者の観察は触らなければ始まらないのです。

 2001年から国立民族学博物館に来られた広瀨浩二郎さんは、全盲という「特長」を活かし、ご自身を「蝕常者」と呼んで、まさに「視覚障害者と博物館」というテーマを人類学的に深めていかれました。ただし、広瀨さんが企画されたシンポジウムは、テーマを視覚障がい者に絞ったものではなく、シンポジウムでは、わたしのような高次脳機能障がい者も参加することができました (7)

     *

 いろいろな脳機能が多数者と異なる高次脳機能障がい者や、高次脳機能障がい者の中でも失語症者は、世の中に多数いるにもかかわらず、日本の社会がその存在をどこまで認識しているのか、依然、わたしには疑問のままです。社会的には、高次脳機能障がい者はさまざま場面で不利益を被(こうむ)っています。その不利益は、人との音声言語を使った会話であり、最近はやりのAI(人工知能)による人工合成音声です (3)。就職や昇進の不利益もあります。セミナーや講演を聞く時には要約筆記という技術がある (8) のですが、多くの場所では使いません。少なくとも人と自然の博物館では、わたしの知る限り、使ったことはありません――わたしのセミナーは例外として。第一、「要約筆記」という技術を知らない人が多いのではないでしょうか。

 障がい者に対して、博物館や美術館といった生涯学習施設では、どう接遇したらよいのかと意識して働く博物館や美術館、動物園の職員が産まれました。しかし多くの館・園では、やはり一部の人にとどまっています。「流行り」としてバリアフリーやユニバーサル・デザインを標榜することはあるでしょうが、それを理解してやっているとは思えません。なぜなら、バリアフリーやユニバーサル・デザインに当事者が参加する機会は、ほとんどないからです。

 視覚障がい者にもまして、高次脳機能障がい者への視線は厳しいままです。国の接遇マニュアルに類した文書にも、十分には載っていません。これが、わたしがこのブログ「ユニバーサル・ミュージアムをめざして」を書き綴った理由です。この意識はどこまで通じたのでしょうか?

 ブログ「ユニバーサル・ミュージアムをめざして」は終わりにしますが、基本的に書くことは好きなので、書き続けていきます。いつか、どこかのページで、再会できたらうれしいです。

 今年、もう一つまとめた原著論文を[福祉のまちづくり研究」に載せてもらいました (9)。こちらもよろしく。


(おわり)

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(1) 三谷雅純 (2017) 言語音の認知が難しい高次脳機能障がい者は何を手がかりに視聴覚材料を理解するのか――人の肉声を使ったマルチメディア DAISY による検討――
http://www.hitohaku.jp/publication/r-bulletin/2017-002.pdf

(2) ユニバーサル・ミュージアムをめざして95: 高次脳機能障がい者には聞こえない J-アラート
http://www.hitohaku.jp/blog/2017/08/_j-/

 2018年 3月22日をもって緊急地震速報の予想のしかたが変わりました。新しい予想のしかたはPLUM法(Propagation of Local Undamped Motion)と呼ぶそうです。しかし、情報を伝える声については、放送局や自治体に任せているのか何も情報がありません。どのような声で伝えるのかを見守りたいと思います。

(3) 三谷雅純 (2015) 聞くことに困難のある人がわかりやすい音声: 視覚刺激の付加により高次脳機能障がい者の理解は進むか http://www.hitohaku.jp/publication/r-bulletin/NO26_004-1.pdf

 もちろん、ろう者には伝わりませんし、難聴者は音自体を聞くことが苦手です。昔の聾学校(ろう・がっこう、現在の聴覚特別支援学校)では、「口話」が授業の要(かなめ)でした。喋ったときの口の形から、相手の話を「読みとる」というものです。今は「口話」よりも手話(=サイン・ランゲージ)がもっと正確だとわかっています。

 さまざまな人のあり方を:
三谷雅純 (2013) 生涯学習施設は言葉やコミュニケーションに障がいを持つ人とどう向き合うべきか : 総説
http://www.hitohaku.jp/publication/r-bulletin/No24_04-1.pdf
にまとめてみました。

(4) ユニバーサル・ミュージアムをめざして 83: 人は人の〈ことば〉を待っている(2016年11月29日)
http://www.hitohaku.jp/blog/2016/11/post_2257/

田中 章浩, 積山 薫 (2011) 特集「多感覚コミュニケーション」の編集にあたって. 認知科学.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcss/18/3/18_3_381/_pdf

(5) : ユニバーサル・ミュージアムをめざして47:人びとを迎えるために-1(2014年2月14日)
http://www.hitohaku.jp/blog/2014/02/post_1833/
田口公則さんが人と自然の博物館でやって下さった、視覚障がい者への接遇と神奈川県立 生命の星・地球博物館開館の取り組みを紹介してくださった記録があります。

(6) 『生命の星・地球博物館開館三周年記念論集』のウエブ情報は、「博物館検討シリーズ(II) ―生命の星・地球博物館開館三周年記念論集―ユニバーサル・ミュージアムをめざして―視覚障害者と博物館―」
http://nh.kanagawa-museum.jp/faq/3ronshu/index.html
全文が読めます

(7) 国立民族学博物館・広瀬浩二郎(編)(2007)『だれもが楽しめるユニバーサル・ミュージアム――"つくる"と"ひらく"の現場から』読書工房
https://honto.jp/netstore/pd-book_02777423.html

(8) ユニバーサル・ミュージアムをめざして61:インクルーシブ。 ん? 何のこと?-2(2014年12月16日)
http://www.hitohaku.jp/blog/2014/12/post_1958/

ユニバーサル・ミュージアムをめざして76:『バリアフリー・コンフリクト』を読む-2(2016年1月12日)
http://www.hitohaku.jp/blog/2016/01/post_2107/

(9) http://www.hitohaku.jp/shizenken/news/2018/03/post-18.html
のうち「(自然・環境科学)研究所からのお知らせ」「研究報告『言語音の認識が難しい高次脳機能障がい者に適した緊急災害放送』を探る研究をしました。」をご覧下さい。「福祉のまちづくり研究」に載せた
三谷雅純 (2018) (原著論文)「言語音の認識が難しい高次脳機能障がい者が理解しやすい災害放送とは?――肉声への非言語情報の付加に注目して――」(公表より8か月は有料。8か月をめどに無料のオープン・アクセスに移行)の解説があります。




三谷 雅純(みたに まさずみ)
コミュニケーション・デザイン研究グループ
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館


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