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昨年に引き続き、今年は6/24(日)・7/28(土)・7/29(日)・8/11(土)の全4日間の日程で、『海の生きもの調べサマースクール in いえしま』を開催します(申し込み締切日は610日(日) です)。

このセミナーは、海辺の生きものや自然環境に興味をもつ小学5年生または6年生を対象に、姫路市沖の「いえしま自然体験センター」を拠点として活動するサマースクールです。初めて開催した昨年の様子を以下に紹介します。

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昨年のセミナー参加者が取り組んだ研究テーマは「魚の口の長さ調べ」・「家島にいたヒトデの研究」・「ヒメハゼの研究」・「ヤドカリの貝殻の違い」・「磯の生き物調べ」・「ウニの移動について」・「魚の体」・「イシダタミ貝の研究」などでした。このセミナーでは、オリジナルの夏休み自由研究もサポートします。ぜひ一緒に面白い研究に取り組みましょう。

(和田 年史(わだ としふみ)/生態研究グループ)

ゴールデンウィークも後半になりました。

ただいま博物館の4階ひとはくサロンで、ゴールデンウィーク特別企画「チョウがいっぱい!」を行っております。


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チョウの羽に絵を描き、モビールにしてひとはくサロンの天井につるしてみませんか?
4階ひとはくサロンをチョウでいっぱいにしましょう!

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花柄、水玉もよう、ハートに

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にじいろやチョウのもようを描いて、色とりどりのかわいいチョウがいっぱい!



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ゴールデンウィーク特別企画「チョウがいっぱい!」

開催期間:~5/6(日)まで 
参加費:無料








※ゴールデンウィーク後も「チョウがいっぱい!」の作品は、しばらくのあいだ展示します。

 

イベントもいっぱい!な「ひとはく」に遊びにきてください♪

 

フロアスタッフまつだ

ゴールデンウィークの合間の5月2日(水)、大阪府堺市にある大阪府立泉北高等学校総合科学科の第1学年3クラスの生徒さんたちが、ひとはくに来館し、実習を行ってくれました。たいへん興味を持って礼儀正しく実習を行ってくださいました。そのようすをご報告します。

特注セミナー概要説明
この実習は、ひとはくの「特注セミナー」という講座をご利用いただいています。講師を務める和田主任研究員(海洋生物学・頭足類学)と生野研究員(古生物学・地質学)からセミナーについて説明を行いました。また、あわせて和田研究員から科学系人材を目指す生徒さんたちを意識して「博物館の学芸員という仕事」というテーマでもお話をさせていただきました。(写真右)
  

「解剖して"イカ"を知ろう!」・・・和田年史主任研究員
和田研究員から、模型を使ってイカのからだの構造や生態について説明を行ったのち、2人1組でスルメイカの解剖を行いました。ふだん食品として売られているスルメイカでも、いざ解剖となると恐る恐る解剖ばさみを入れていくこととなります。
  
でも慣れてくると、講義として聴いたからだの構造を、実際に目で見て触って確認をしていました。科学は、実物を目で見て手で触れることから始まります。今日の感触を忘れないでいてくださいね。
  

「化石のレプリカを作って標本にしてみよう」・・・生野賢司研究員
化石レプリカの雌型をもとに、熱可塑性のプラスチック粘土を用いてアンモナイト4種の化石レプリカを作成しました。その後、生野研究員からアンモナイトの産地のひろがりや産出年代について学びました。アンモナイトの世界的なひろがりは意識できたでしょうか。
  

博物館館内見学
(左写真)「兵庫県南部地震建物被災状況図」に見入る生徒たち。阪神淡路大震災を起こした兵庫県南部地震では堺市でも震度4を記録していました。しかし、今の高校生が生まれる前のことです。展示をもとに少しでも実感を持ってくれることが、将来の東海地震、南海地震に備えることとなるでしょう。
(右写真)ヒアリの展示に見入る生徒たち。昨年、マスコミでも大きく取り上げられたヒアリの日本への侵入ですが、ヒアリとの戦いは始まったばかりです。ただしい知識を身につけてくださいね。
  

大阪府立泉北高校は、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校のひとつで、特に総合科学科は、実験・実習を数多く取り入れ、生徒の科学的感性の育成を目指しておられます。来館してくださった生徒さんたちが、科学の基本であるNaturel Science=博物学を、自らの科学的な素養として将来の社会貢献に生かしてくれたら、博物館としてこの上ないことです。

生涯学習課 竹中敏浩

中国から帰国早々,神戸港のコンテナから,ヒアリらしいアリが発見されたので,同定確認して欲しいという連絡が,神戸市,兵庫県,環境省からありました.標本の到着を待って調べてみると,ヒアリではなく,同属のアカカミアリでした.アカカミアリも,ヒアリと同様に有毒の針を持ち,刺されると非常に危険なアリで,特定外来生物に指定されています.

 アカカミアリが見つかったコンテナは,3月22日にインドネシアのジャカルタから,合成繊維の材料を積載して4月5日に神戸港へ陸揚げされたもので,26日に県内の工場へ陸送され,荷下しの時にコンテナ内にアリがいることが通報されました.空コンテナは神戸港へ戻され,燻蒸によってアリは殺虫,神戸港などに逃げ出していないかを念のために調べるモニタリング調査が行われています.

ヒアリよりも厄介なアカカミアリ
 アカカミアリも,ヒアリと同様に,米国南部から南米にいたものが世界に広がったものです.その習性や生態的特性はヒアリと変わらず,侵入地で健康被害だけでなく,農業被害や生物多様性の破壊など,深刻な問題を引き起こしています.さらに,ヒアリよりも怖いのは,アカカミアリが,インドネシアを始め,中国からベトナム,タイ,マレーシア,インドまで,アジア熱帯のほぼ全域,そしてアフリカ大陸にまで,侵入・定着していることです.このため,今後,ますます経済のグローバル化が進めば,アカカミアリの侵入頻度がウナギのぼりに高くなることが懸念されます.実際,アカカミアリの発見は,今年に入って,すでに,これが2件目になります.1件目は,4月14日に,なんと,長野県の住居屋内で,生きたアカカミアリの女王アリが発見されました.海外から輸入された什器類に紛れて国内に侵入したのではないかと推測されています.ヒアリの侵入は全国版のニュースになることが多いですが,なぜか,アカカミアリだと報道されないようです.しかし,実は,アカカミアリの方が防衛ラインを突破して,国内に定着してしまう可能性が高い,ヒアリよりも怖い外来アリなのです.

ヒアリとアカカミアリの識別ポイントー博物館の標本が役に立つ
 アカカミアリはヒアリと同じトフシアリ属のアリなので,形や体色,大きさなどが,非常によく似ています.両種を見分けるには,顕微鏡などを使って,大アゴの付け根など細部を,よく観察する必要があります.その中で,見やすいのは,アカカカミアリには,前脚の付け根あたりの胸部側面板に突起や張り出した辺がある点です.人博に長い研究時間をかけて収集集積したアリの標本などを使って調べた結果では,少なくともアジア全域に分布するアカカミアリには,この特徴が安定して見られます.一方,ヒアリには,このような突起はありません.博物館に多くの標本を集積・保管しておくこと,そして,それを活用出来る研究者がいることが,外来種問題でも大きな力になるのだと,実感しています.(系統分類 昆虫 橋本佳明)

(写真上段:神戸港で発見されたアカカミアリ,写真下段:アカカミアリの識別ポイントー胸部側面の突起)

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環境省のヒアリ有識者会議のメンバーとして,環境省,国立環境研究所の五箇さんと一緒に,中国広東省広州市に,日中両国ヒアリ対策会議に行ってきました.

 広東省にある華南農業大学(中国重点大学)の中国ヒアリ研究センターで,その先生方や中国中央政府の生態系・環境保護部,地元広東省環境保護庁の方々と,中国でのヒアリの現状や,その対策についての情報・意見交換を行い,そのあと,実際にヒアリが高密度で生息している造成地に出向いて,その駆除作業の視察もしました.


中国でヒアリは農業害虫・・・

 今回の視察で,中国では,ヒアリは主に農業害虫として捉えられていることがわかりました.例えば,ヒアリは色々な作物の花を,花蜜を集めるために食害し,その結果,結実が妨げられ,農業に大きな損益が出ているとのことです.さらに,ヒアリが増えるにつれて,その被害は林業,そして住居地域での健康被害にまで拡大しています.これを受けて,華南農業大学の昆虫学の先生方は,14年をかけてヒアリ対策に関する基礎的な研究成果を積み上げ,現在,30以上の特許からなるヒアリ駆除のための新薬開発に成功されていました.さらに,その散布方法についても,ヒアリの生息状況の違いに合わせた精緻なマニュアルを作成・公表,そのレベルの高さに,驚かされました.


科学的な駆除方法を開始・・・

 現在,この科学的な駆除方法に基づいて,本格的なヒアリ駆除が開始されたところのようです.広東省では年間20億円近い対策費を計上して,農業,林業,環境の各部署による合同チームがヒアリ対策に取り組んでいました.まだ,限定された地域ではありますが,ヒアリの根絶に成功した面積は広がっていました.国内では,中国での,このような情報は全く入ってきません.やはり,現場に飛び,顔と顔を突き合わせて,話し合うことの重要性を痛感しました.特に,外来種問題は,まさに国際協働の課題でもあるわけですから,積極的な交流が求められるのは当然のことといえるでしょう..


日本へのヒアリ侵入を防ぐには・・・

 日本へのヒアリ侵入を防ぐためには,今後も,日中でヒアリ対策に関する協議を進め,中国との協働体制を構築していく必要があります.兵庫県は,中国との貿易量が国内でも最大規模を誇る港の一つである神戸港を抱える,外来種問題の最前線にある地域です.そして,広東省は,兵庫県の姉妹県の一つで,この省には多くの日本企業が進出しており,日本への輸出量最大規模を有する港の一つである南沙港を抱えています.国と国,そしてアリや害虫駆除の研究者同士,さらに,地域と地域との積極な交流が,ヒアリを始め,今後,増大するであろう外来種の対策に大きな力となることを,実地で学ぶことができた視察となりました.近いうちに,華南農業大学の先生や広東省の方々を兵庫や人博,県立大学にお呼びできる機会を作り,県下のヒアリ対策に少しでも貢献できるよう努力してまいります.

(系統分類研究部,昆虫 橋本佳明)


(写真 上段:華南農業大学の熱烈歓迎電光掲示,写真 二段目左:大学のホームページに掲載された日本ヒアリ視察団の記事.写真 二段目右:大学入り口で記念写真ー五箇先生にポーズを合わせて)

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(写真三段目左:ヒアリ研究センターで情報と意見交換会,写真三段目中:広東省環境庁,写真三段目右:広東省環境庁での意見交換会,写真下段:広東省広州市郊外のヒアリ生息地で,ヒアリ駆除作業の視察)

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