ひとはく周辺(深田公園)にはアカマツ
といっても、マツ枯れの影響で
少なくなっています。
12月下旬の午後、
植物観察をしていたら、
ニー ニー ニー ツ というような
鳥の鳴き声がして、その方向に
目を向けるとアカマツの高木が
ありました。
ちなみに、このアカマツの高木は、
樹高が約12mで、推定樹齢が約40年、
人の胸の高さ(地上1.3m)の幹の
直径(DBH)が17.5cmです。
※画像をクリックすると、写真が拡大するものがあります。
▲アカマツの高木(写真の中央)
(左側のオレンジ色の葉はコナラ
(ブナ科)、右側はアカマツの枯れ木)
そのアカマツの枝に複数のヤマガラ
(シジュウカラ科)がいるのが見えました。
▲アカマツの枝にいたヤマガラ
行動を観察していると・・・
マツボックリ(球果)をつついている
ように見えます。
▲マツボックリをつついている? ヤマガラ
そのうち、何かをくわえて
近くの、やや太めの枝に
移動して...
▲ 何かをくわえているヤマガラ
くわえたものを一旦、
やや太めの枝に脚で押さえて
食べているようでした。
▲やや太めの枝に移動したヤマガラ
食べていたのは、アカマツの種子
(しゅし)のようです。
アカマツのマツボックリの
ヒダヒダ部分は、種鱗(しゅりん)とか、
鱗片(りんぺん)と いわれます。
1つの種鱗の内側には、種子が
2つずつあります。マツボックリの
種鱗が閉じていると、
それらは挟まった状態です。
下の写真は、種鱗が開いて、翼が
ある種子(写真中央に1つ)が
見えます。
▲種鱗が開いた状態のマツボックリ
晴れた日には、マツボックリの
種鱗が開きます。
また下の写真は、種鱗(内側)と
種子の写真です。
1つの種鱗の内側に2つの種子
の型が付いるのがわかりますか?
また、種子には(薄い膜のような)
翼があります。
▲アカマツのマツボックリの
1つの種鱗(上)と種子
次の写真は、ちょうど1年前に
深田公園にある、クロマツ(マツ科)
に絡んだ フジ(マメ科)の やや
太いツルいた ヤマガラの写真です。
▲クロマツの近くにいたヤマガラ
写真を撮ったあと、拡大して見ると、
ヤマガラのくちばしの先には、
クロマツの(アカマツと同じように
薄い膜のような翼をもった)種子が
写っていました。
ヤマガラは、アカマツやクロマツの種子を
上手に採って食べていたのですね。
アカマツやクロマツとしては、
せっかく翼をもった種子を飛ばすことなく
食べられるので、残念だと思います。
皆さんも 周辺の環境で生きものの観察を
してみませんか。
研究員 小舘