今年の1月17日で阪神・淡路大震災発生から30年が過ぎました。
大規模な自然災害が発生した地域においても、30年が経過すると被災当事者による語りが縮退し、災害発生時の様々な情報や教訓の伝承が難しくなります。
阪神・淡路大震災も例外ではありません。
この課題に対して、小説が果たす役割は小さくありません。
阪神・淡路大震災の描写を含む作品を読むことは、当時の状況を知るだけでなく、震災当時とその後を生きる人びとの心情や感情の変化を追体験することにつながるからです。
本企画展は、発生から30年が経過した阪神・淡路大震災について、その語り継ぎを拡充していくうえでの小説作品の可能性に光をあてることを目的として開催するものです。
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ミニ企画展「小説のなかの阪神・淡路大震災〜三十年が過ぎて、エコクリティシズムの視点から〜」では、エコクリティシズム(生態学的批評)の視点から、阪神・淡路大震災の描写を含む小説作品のうち2010年から2024年(阪神・淡路大震災発生から15年から30年の間)に刊行されたもの20作品をコレクショナリウム、ワークルームに展示しています。
※エコクリティシズム...文学作品を通して人と自然の関係を批評的に探求する専門分野
◎髙田主任研究員より
当事者でなくても、さまざまな形で震災のことを未来に語り継いでいくことができます。
むしろ、わたしたちはそれぞれの方法で積極的に震災のことを語っていかなければなりません。
まずは、この企画展で紹介した作品の世界に没頭してみてください。
(文責 生涯学習課 ※この記事に関するお問い合わせは、生涯学習課までお願いします。)